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『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』トーホーシネマズ六本木3

◆『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』トーホーシネマズ六本木3

▲最左エイプリル。これ、声を男が宛てたら男役だよね。

五つ星評価で【★★★汚いアニメ表現が瑞々しい】
ツイッターでの最初の感想(↓)

そもそもガリガリ君頭部にマッチョでもっさりモタモタみたいなビジュアルが嫌いだったが、アニメ技術でかっこよくリニューアルして満足。ビル使ったアクションとか上手いよなあ。タートルズ3本指でベムみたい。

以上。


【銭】
トーホーシネマズメンバーズデー(火曜)で1300円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!@映画.com
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『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』シネクイント2

◆『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』シネクイント2

▲柔道を極めると一見不可能に思えても鉄道車両を一本背負いで投げ飛ばせます。

五つ星評価で【★★★★なげーはなげーけど、まあともかく、二か月遅れでやっと見た】
ツイッターでの最初の感想(↓)

なげーよ。面白いけど。トムが主役の意中の人を射止めるかバッドエンドかの乙女ゲーみたい。昔の女、敵の女、富豪女、育ちの悪い女。みなトムの視線にメロメロ。敵と富豪の顔力にあがる。育ちの悪い女はいつも必至で朝日奈央っぽい。

長いは長くて、面白かったけど、ケツも痛かった。そして又タイトルも長い。
なんか、はっきり分からんのはトムの昔の因縁の相手、ガブリエルがAIを味方に付けてるらしいの何で? あからさまにトムはあっちからもこっちからも邪魔者扱いされて苦戦を強いられる。若い時の苦労は買ってでもしろ。若作りだけどもうそんなに若くないのに。相変わらずよう走るのうトム。

育ちの悪い女は朝日奈央っぽいが、サンドラ・ブロックをちょっとだけブルーザ・ブロディに寄せたようでもある。ルパン三世以降、物語の中に泥棒が出てくると、ピン一つで手錠を解錠出来てしまうようになった。素晴らしい事であるが、そんなにみんな器用ではないだろう。

富豪女のドーンとした顔が好き。あの顔はラロ・シフリンのテーマ曲に合う。

昔の女のノーブルっつーか、あまりセックスを感じない辺りが、心地よい(ただギンギンにセックスをばら撒いているるような女の人が嫌いかと言うとそういう訳でもない)。

そして、トムを追い詰める敵の女の車両破壊直前の「うおおおお、これからここの車ぜんぶ壊せるぅううう」みたいな非常識な笑顔がステキでした。敵の女、夏木マリっぽいぞ。

この4人の女にベンジーを加えて、相手はトム一人の「フィーリングカップル5対1」みたいな映画と言ったら言い過ぎか。
だって、みんなトムと見詰め合うのよ。トムは女を一人に選ぶ事ができない優しい男だが、この事件が終わった後には、女を程よく愛する事ができるようになり、遂には7代目のジェームス・ボンドに選抜されるとかあったりなかったりしないか。でも、トムはヤンキーすぎるからなあ。ルーサーのビング・レイムス(黒いムッツリ巨漢)にその目はないだろうが、ベンジーのサイモン・ベック(マスク作る世話女房)だったら英国出身だし、いや、彼はQ枠だな。

今後の鍵予想。
①カブリエルに奪還されるが、それはトムが作っていたフェイクだった。ヒヨコみたいな顔が出てきてミニ花吹雪と一緒に破裂する。
②時計塔のヤギの目に収められる。すると海溝の水が全て吸い出され、潜水艦が現れる(「何で」と問う勿れ)。
③鍵は実はああ見えてトランスフォーマー。二つ合わさる事で無限のワープ機関になり、エンティティ=「それ」を星の彼方へ弾き飛ばす。


【銭】
シネクイント有料入場時にもらえるスタンプ四つ集めて無料入場。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE@映画.com
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ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE@ノラネコの呑んでみるシネマ
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE@或る日の出来事
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE@徒然なるままに
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE@風に吹かれて
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE@ノルウェー暮らし・イン・原宿

『福田村事件』『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』

◆『福田村事件』ユーロスペース2

▲『田園に死す』のラストシーンのような二人。

五つ星評価で【★★★★畳みかける厭味】
ツイッターでの最初の感想(↓)

圧倒的なロケ力で日本の風景が綺麗。人を虐殺する時のBGMはやはり和太鼓が効く。諦めの悪いインフルエンサーが一人いるだけでみな頭がおかしくなる。その頭のおかしい人達に瑛太が掛ける一言が良い。東出くん女垂らしの役なのいいなあ。ピエールさんも頑張れ。

とてもキッチリ、こういう人やこういう人がいて、と、いろいろな立場を描いた後に、惨劇に突入する。しっかりした作り。この中で書き漏らしがあるとしたら、日本人が何故、朝鮮人を差別してもいいと考えるのかという思想的な点くらいだろう。扇動があるにしても、その扇動した者が何故、朝鮮人を嫌うかは明らかにされない。背景に朝鮮半島の統治があり、そこで恨まれるような事を日本人が積み重ねている事は暗に仄めかされるが、仄めかされるのみである。逆に、言うまでもなく朝鮮人は差別されて当たり前という基礎が元々日本人に備わっているのなら、それはとても怖い話だ。朝鮮人もしくは韓国人を嫌うという事に関して、映画の外、リアルな世界で現在どんどん機運が高まりつつある。それはつまらない生活のはけ口として為政者が用意した物のように思えてならない。韓国や中国が内政を整える為に反日を利用するのと同様の反中、反韓が仕組まれていると思う。瑛太が観客をもハッとさせるあのセリフを叫んだ時に惨劇は始まる。「おまゆう」と言うやつだ。あの流れのスムーズさが大変好ましい。ああ、それはしょうがないと観客に納得させる。それはそうだ。先に手を出した奴(と思われている奴)は後から反撃されても仕方がない。ただ、それを「民族」みたいな大雑把な括りで括るのはどう考えても正常ではない。

やはり、いいのは瑛太。全編通じて変化が描かれるのは彼と、彼のところの若者くらいだ。瑛太は汚い商売をしながらも恥を知っていて、他者から恥ずかしいと思われる事には諦めながらも憤りや苛立ちを感じている(推察)。井浦新も田中麗奈も豊原功補も東出昌大も現代人的なメンタリティーを持っていて、闇雲に扇動に乗せられる事はないが、瑛太は当事者なので剥き出しの悪意と徒手空拳の正論で立ち向かわなければならない。それが瓦解した時の映画的に美しいこと。

水道橋博士があまりにイメージが違うので彼だと気が付かなかった。よいキャスティング。

井浦新と豊原功補と水道橋博士が同級生で、井浦が反権力、豊原が従順を装いつつ意見するタイプ、水道橋博士が権力に盲従するタイプで打ち解けあえないのが皮肉。そんな中、東出昌大だけが肉体とちんちんだけの人と言うのも面白かった。

「ああ、あれだ結婚できない村の若者たちが奮闘する映画」
「それは山田村ワルツ。」


◆『キリング・オブ・ケネス・チェンバレン』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲どちらかと言うとまだ理性的な方の白人警官。

五つ星評価で【★★★★福田村事件みたいな映画】
一つのボタンの掛け違いや思い込みが惨劇を呼ぶ。
物語られる出来事の構造が『福田村事件』に似ている。一つの誤解から群衆が被害者を惨殺する。惨殺する状況に追い込まれる。後に、惨殺した者は罪に問われない。『福田村事件』は「事件」が意図的に仕組まれた節があるが、本作は突発的に起こった事件だ。それは「朝鮮人が井戸に毒物を投じたらしい」というデマ同様に、「貧乏な黒人が家のドアを頑なに開けないのは、何か隠している物があるからに違いない」という警察官の推測がある程度、確からしく通用する社会であるからで、衝突する者同士が常にヒステリーになっているというとても危機的な状況が断続的に発生していると言える。とても怖い。アメリカ怖い。
なので、『福田村事件』で、キッチリ用意した立派な土台はこの映画では省略される。リアルタイムで83分、物語の発端から誤解、殺害までコンパクトに描かれる。面白い。緊迫感凄い。
警察官の人が集まれば集まるほど、知恵ではなく、力で押し進む傾向が強まる。そういう部署なのだからしょうがない。
惨殺されたケネス・チェンバレンが意地を張らずに、すぐ警官を家に入れていたら最悪のケースは防げていたという風に捉える人も多いかもしれないが、彼等がギャングだったり、悪徳警官だったり、という可能性だって決して低くないのだ。だから、この物語に正解はない。今回は不正解だったが、バッドエンドしか用意されていないゲームかもしれない。

「ニガーだったら殺してもいいのかよ」
「たりめーじゃん」
これはそういう映画。


【銭】
福田村事件:ユーロスペース会員割引料金1200円。
キリング・オブ・ケネス・チェンバレン:テアトル会員割引1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
福田村事件@映画.com
キリング・オブ・ケネス・チェンバレン@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
福田村事件@ノラネコの呑んでみるシネマ

『MAD CATS』新宿シネマカリテ2、オマケで『長ぐつをはいたネコと9つの命』新宿ピカデリー10

◆『MAD CATS』新宿シネマカリテ2

▲「ふにゃー」という叫びが聞こえてくるよう。

五つ星評価で【★★★猫ってそうだよね】
ツイッターでの最初の感想(↓)

エジプトで兄が手に入れた禁断のマタタビを求めて人間の容姿の化け猫達が襲ってくる。これ何とも楽しいのが人が演じる猫が猫らしく適当な事。ボス猫の周りをぐるっと配置してるのに飽きたらいなくなってしまったりする。そうだよなあ。猫に使命感とかないよなあ。

使命感ないし、勝手だし、組織的じゃないし、みたいな猫感強いのがリアル。たとえ一匹一匹が強いとしても、猫は敵の組織に向かない。細かいギャグが軌道に乗ってる気がしないが、アクションは見応え十分。一つ、見どころがあれば映画はそれで全然OK。


◆『長ぐつをはいたネコと9つの命』新宿ピカデリー10

▲立ち止まったまま凛々しい猫はそうそういない。

五つ星評価で【★★★猫がこうって訳じゃないけど活劇は面白い】
すっかり忘れかけてる。
ショボクレて、隠遁生活するみたいな前半はつまらない。
後半の活劇で、無駄にアクの強い面々がいがみ合う抗争劇と活劇は乗る。非常に面白い。しかし、やっぱり猫はあんなに真剣に未来に向かって走るような手合いの動物ではないと思う。お伽話だからこれで問題ないけど。


【銭】
MAD CATS:武蔵野興行の劇場、水曜1200円均一。
長ぐつをはいたネコと9つの命:前回有料入場割引クーポンを9つの命の様に使い切ってしまったのでチケ屋に行って前売り券を1500円で買った。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
MAD CATS@映画.com
長ぐつをはいたネコと9つの命@映画.com

『ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン』ユナイテッドシネマ豊洲11

◆『ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン』ユナイテッドシネマ豊洲11

▲(*´Д`)ハァハァ

五つ星評価で【★★★支援はしたい】
「えっ、この暑いのにストーブ・プリンセス」
「んな訳あるかーい」
「でも女装したスピルバーグでスティーブン・プリンセスもやだし」
「単に『浚われた王女』でいいだろうに」
「おらぁ、ルスランがレストランに見えてしまってよ」
「やめんか」

という訳で魔法使いに浚われた王女をヒエラルキー低男こと普通くんルスランが頑張って取り戻す話。なんつかCGを使うとお国柄が吹っ飛ぶ。ウクライナ近くのチェコつったら、あのトルンカやシュヴァンクマイエルがいるし、ロシアのノルシュテインも生まれはウクライナらしい。もっとクールで地味なアニメを作ってきた場所な印象なのだが、CGは地方性とか個性が出づらい。CGはモデルを作ってしまうとそれを大きく崩すとかが難しいから演出力がないと映像的な特徴は出づらいのだろう。ヒロイン、ミラ王女の目の大きさとか日本の2Dアニメみたいだし。ミラがお菓子に襲われるシーンはよかったなあ。もっと襲われに襲われて、「ひゃん、そ、そこはらめえ」みたいな変な声とかも出して欲しかった。
全体にヒロインは元気で気持ち良く、主人公はどこか悩み深くて思い切り悪い感じが強く出てしまって、魅力が薄い。顔の造作もゴツゴツしてるのに柔らかそうで、未成熟さがちょうどギリギリ気持ち悪い感じ。

囚われの王女様がネックレス付けてるのは、ちょっと救いがたい凡ミス。それはやっちゃいかんよ。一度モデルを作ると変えるのが大変という話と合致せんでもないな。

エンドロールみると「~ビッチ」「~コフ」「~ネンコ」みたいなロシア風ネームが果てる事なく流れてきて、やはりロシアと文化的に近いんだろうなと思わせる。


【銭】
ユナイテッドシネマ発行のクーポン割引で1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン@映画.com

『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』109シネマズ木場5

◆『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』109シネマズ木場5

▲みな、ちゃんと当時のイメージ残してるの凄い。

五つ星評価で【★★★これくらいなら全然OK】
割と評判良さげなので見に行った。
アバレンジャー、ああ、サンバを踊りながら変身する奴ね。違った。
それは『獣電戦隊キョウリュウジャー』だ(ググらんと分からん)。
とりあえず三つの要素を一つの怪人にまとめるトリロイドは見覚えがあった。
物語はすっかり忘れてたが、主人公達は見覚えがあった。
暑苦しい善人、すかした奴、泣く巨漢、博多弁女。
年は取って皺はあるけど、極端に容姿が変わってないのは流石役者。

怪人はアバレンゲッコー、「蓮華+ゲッコー(ヤモリ)+アバレンジャー」の怪人。蓮華の利尿作用でビームを当てた相手に尿意を催させるという何ともSM要素の高い怪人だが、、、、、女子に撃てよ。そんなのたりめーだろ。こんなのお遊びと思ってたら、後半、大破壊につながるスペクタクル。あの後半の利尿はちょっと本当に見応えがあった。人のエナジー(活力)を集めてヘトヘトにさせて自らのエネルギーにする。なので、死人は出ていない。アバレンジャーの「暴れ」が際立つのが上手い。

討論番組の司会者と話させてもらえない出演者の下りとか好き。
あの喋らせてもらえない出演者はシャリバンなのね。
その後、司会者の呪われてでもいるかのようなアバアバダンスも好き。

積極的に「面白い」と言うより「ファン・ムービー」に徹した楽しさがある作品。

アバレンジャーと火花を散らす評論家役の大友花恋ちゃんも可憐。


【銭】
109シネマサービスデー(水曜)で1300円で鑑賞(正規鑑賞料金は一般2000円より100円だけ安い1900円)。58分の中編だからもう少し低料金にして欲しかった。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ@徒然なるままに

『フラッシュ・ゴードン』『若様やくざ 江戸っ子天狗』『トップをねらえ!』『トラック野郎 度胸一番星』『バックドラフト』『蛇の道』『地球防衛軍』『アリゲーター』『戦艦ポチョムキン』『幸福』

旧作囲みで10本。

◆『フラッシュ・ゴードン』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲主人公が濁音無しで「フラッシュ・コートン」だったら弱そう。

五つ星評価で【★★筋肉で胸焼け】
4Kデジタル化記念リバイバル。
1981年、カラー、110分、初見、マイク・ホッジス監督作品。
何つかお好きな皆さんには申し訳ないんだけど、俺、これは苦手な映画。
主人公の筋肉に頼った攻撃と各キャラクターの衣装デザインがゲイちっくに見えてどうにも肌に合わない。
先日、見直しの機会を得た『地球防衛軍』で、地球人側が遥かに優れている筈の宇宙人の科学を同じ科学の力で打ち破る(そればかりでもないのだが)。それに抵抗がなかったのは、見ている自分が日本人であり、筋肉にあまり重きを置いていず、『フラッシュ・ゴードン』よろしく、街中で宇宙人に敵いそうな知的で正義なビルダーを見る事がないからだろう。ミキティー。


◆『若様やくざ 江戸っ子天狗』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★若様を好きになれない】
特集「野上龍雄遅すぎた再発見」の1プログラム。
1963年、カラー、91分、初見、工藤栄一監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

お奉行様の息子の大川橋蔵が勘当されて長屋暮らしの遊び人に。すげーのは橋蔵働かないで威張ってる。正しいのは橋蔵だが、悪人はちゃんと法に乗っ取って悪事を働いている。そういう点、無視して勢いだけで悪人を成敗して、それが通ってしまうのはやっぱ良くないだろう

大局的には橋蔵正しいのだけど、相手がちゃんと詐欺まがいの契約であったとしても契約書とか、ちゃんと仕上げて理詰めで来るのに、その辺りを無視して正義ゴリ押しで、スッキリしない状態で問題を解決してしまうのはいけないだろう。赤貧の被害をもっとも色濃く受けるのが左卜全。適役すぎる。ラスボスが佐藤慶。この佐藤慶が橋蔵の父、山形勲お奉行の正義の威光を恐れて、自分へのご褒美になる筈だったワイロの別荘を諦めてしまう。イヤイヤ、悪い奴は粘れよ。そこで諦めたら小悪党側に歪みが行くだろう。


◆『トップをねらえ!』EJアニメシアター新宿

▲こんなハイレグ反則だろ。下に厚手のタイツとか履いてても興奮するぞ。

五つ星評価で【★★★,★★★★、前編よし、後編更に良し】
4Kデジタル化記念リバイバル。
1988年、カラー、160分、二回目、庵野秀明監督作品。
前編のともかくモテないお宅男子に向けての、キャラクター設定上ボインではないが、主人公の胸は運動においてちゃんと揺らせて見せます、という筋違いのサービスが今、見るととても居心地が悪い。みんなやるしかないという思いつめた気迫で、挑んだのだろうが、時代が変わってしまったのだ。
後編のともかく心を抉るようなSF設定は打たれる。主人公達は死にはしないが、彼等が故郷の同胞を助ける為に行う行為は、彼等の仲間との永遠の別れを意味するのだ。ラスト攻撃でのおっぱい露出は理屈がギリ通るので居心地が悪いながらもちょっと認めてあげたい。よく考えた。
この作品の前提に1977年の富野由悠季による『無敵超人ザンボット3』があり、空気感を継承した作品に2002年に新海誠がたった一人で作った『ほしのこえ』がある。それは誰かのために戦う戦士が敵に心を揺さぶられながらも、孤独に使命を全うする映画だからだろう。三作ともエンディングはハッピーエンドの体裁を整えているが、100%のハッピーエンドではない。あっ、『ほしのこえ』は全然ハッピーエンドではないか。あれは終わり方が気持ちいいから、ハッピーエンドに思えてしまうんだよね。


◆『トラック野郎度胸一番星』神保町シアター
五つ星評価で【★★あれ?】
特集「男が惚れる男たち」の1プログラム。
1977年、カラー、100分、初見、鈴木則文監督作品。
シリーズ第五作。なんか妙に笑えなくて面白味が薄い。
今回文太と張り合う千葉真一も最初の意地悪っぷりがセコいし、仲直りした後もそんなに気持ちいい感じではない。片平なぎさは可愛いけど、文太と相思相愛にさせておいて、あんな切り方はないだろう。


◆『バックドラフト』トーホーシネマズ池袋1
五つ星評価で【★★★★炎の美しさを見よ】
特集「午前10時の映画祭13」の1プログラム。
1991年、カラー、137分、二回目、ロン・ハワード監督作品。
生き物のように這いずり回る炎の美しさよ。
そこを職場と定めて命を懸けて活躍する男たちの気高さよ。
後に『料理の鉄人』の劇伴に転用された重厚な主題曲は何度聞いてもよい。
デ・ニーロずっとタバコ吸ってる。昔の男はタバコを吸う事がかっこよさのステイタスだったのだなあ。


◆『蛇の道』神保町シアター
五つ星評価で【★★★哀川翔が正しいのだろうけど得体が知れない】
特集「男が惚れる男たち」の1プログラム。
1998年、カラー、85分、3回目、黒沢清監督作品。
香川照之も哀川翔も若くってエグ味が少ないところが見どころ。
哀川翔の変加減が際立ってる。作品世界の中で「子供を殺してはいけない」と言うのがおそらく唯一のルールであり、それを破るものには容赦のない結果が待っているのだが、本来は「大人も殺してはいけない、無駄に傷つけてはいけない」と言うルールが観客の見ている世界にはある。それはすっかり忘れさせられている。


◆『地球防衛軍』トーホーシネマズ新宿12

▲総天然色だからミステリアンはカラー・バリエーションが多いのかもしれん。レッド、ブルー、イエローで遊星戦隊サンテリアンだ。

五つ星評価で【★★★大宇宙を股にかけて日本人と宇宙人が女を取り合いする変な映画】
特集「午前10時の映画祭13」の1プログラム。
1957年、カラー、89分、二回目、本多猪四郎監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

伊福部メロディがウキウキ。最初の祭シーンでお面屋が素晴らしい。間合いを詰めてくマーカライト・ファープが可愛い。モゲラは能力あるのに活躍できない。ミステリアンのスーツはブカブカで成人用オムツの延長っぽい。

モゲラ弱い。と言うか、大した兵器ではあるのだけど、映え要素が低い。あんなオウンゴールみたいな負け方ダメだろう。そういう意味で怪獣ではないけど少しずつ敵に向かって自走するマーカライト・ファープの方が何か評価できる。ダメな子が一生懸命なのは萌えるみたいな感じ。

▲積み木みたいなデザインのモゲラ。巨大達磨落としみたいなハンマーが出てきたら負けそう。

しかし、ミステリアンの目的が「女強奪」ってのは、日本人らしい発想ではないだろうか?『復活の日』でも、最後は女の取り合いが世界最後の戦いだし。基本、女性(と言うより女性が持つ性行為能力、平たく言うと「おま〇こ」)の優先度が日本人って物凄く強いんじゃないだろうか? この映画はスペル星人みたいな被爆男子が女子を強奪しに来るからダメなのであって、物凄くファンデーションをちゃんと塗ったラムちゃんみたいな宇宙少女(AVではない)が男子募集に来たらホイホイ付いていって問題なかったと思う。だって日本の野郎どもは「おま〇こ」大好きなのだから。多分、宇宙人の「おま〇こ」とかオールOKと思うよ。「ミミズ千匹」みたいな。宇宙人の外見そのものが「ミミズ千匹」だったら流石に引くし萎えるかもしれん。日本人同様、女を強奪しようとやってきた男のミステリアンを見て、彼らも又、男尊女卑なのかと思う。人類が(と言うより日本人が)ミステリアンと同じ道を選ばない為には女尊男卑しかないかもしれん。奇麗だったり可愛かったりする女の子にはみんな女王様ルックを着てほしいわあ。いかん、性癖の話になってしまった。
女を奪う点は別にして、ミステリアンってけっこう簡単に嘘をつく。女3人寄こせと言っておいて、牢屋の中、女だらけとか。そんな信用に欠けるところも日本人に似てる。


◆『アリゲーター』シネマート新宿2

▲のっしのっし  右の逃げる奴らポーズ決まりすぎ。

五つ星評価で【★★★★ルイス・ティーグらしい泥臭さ】
4Kデジタル化記念リバイバル。
1980年、カラー、91分、初見、ルイス・ティーグ監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

最初のピンポイントチラ見せが効果的(特に目がいい)。全体見せてからも色々なアングルで見せたり着々と被害者増やしたりサービス精神旺盛。爬虫類女教授よし。主人公の薄毛マッチョには勿体ない。タイトルは果てしなく「ありがとう」っぽい。

うひひ。『アリゲーター』おもしれえじゃん。しかし、何で、ハゲを主役にしてしまうかね。そら、プロデューサーがマヌケなのか。監督がルイス・ティーグだけにオシャレな映像にはならず、始終泥臭い。下水の映画だからしょうがないか。アリゲーターが襲ってくる前の前兆映像が流石ルイス・ティーグしっかり仕事してるな。けっこうアリゲーターの登場シーンの見せ方や見せなさ方が上手い。見せないで引っ張った後にドーンと見せたりが気持ちいい。アリゲーター口がでかすぎて本当はデザインそんなに良くないけど、見てる時はあの口のでかさが攻撃的過ぎてデザインとか考えにも及ばない。ハゲ刑事と爬虫類女教師の恋の行方とかは本気でどうでもいい。

▲公開当時のチラシ。人間の連続殺人鬼ものみたいなデザイン。
いかにも新宿オデヲン座でかかりそうな映画。


◆『戦艦ポチョムキン』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ポチョム菅井きん】
特集「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」の1プログラム。
1925年、白黒無声、71分、初見、セルゲイ・M・エイゼンシュタイン監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

冒頭から捲し立ててくるBGMが伊福部昭みたいでかっけー。エイゼンシュタインの編集は当時は凄かったろうが今、見ると繰り返しがくどいのは仕方なかろう。肉が原因の反乱とは。食べ物の恨みはバカにできない。ロシア水兵、ハゲと髭が多く鬼越トマホーク率高い。

無声映画初期のカット繋ぎは群衆の中のこれぞという人物のクローズアップ&感情表現をバリバリ見せるという事で、カール・テオドア・ドライヤーの『裁かるゝジャンヌ 』に演出が似てる。CGがない時代、人件費が安いのかバカみたいに群衆が集まる。今はデジタルで増やせるが、こういう生の群衆を無尽蔵に使えるのは『風と共に去りぬ 』でもそうだが、贅沢な事だ。それぞれが違う人間だから、群衆にムラがあったり、動きがチグハグだったりするのがデジタルだと逆に出来ない。とはいうものの、群衆が主役ではないので、全部CGに置き換えられても案外気づかないかもしれない。
ガミラスが攻撃したのがロシアの台地でアニメが作られたのがソ連だったら、イスカンダルまで行くのは『宇宙戦艦ポチョムキン 』だ。デスラーも総統ではなく皇帝で、イスカンダルはガミラスと38度線で主義を争う共産主義人民国家なのだ。問題はささきいさおが歌うサビの「宇宙戦艦ポチョムキン」がメロディーに乗りづらそうという事ぐらいだ。宇宙戦艦ポチョムキンの中には女性労働者はモリ・ユキビッチ一人で全ての男性労働者の為に共産主義的に愛を奉仕する。いいな、ちょっと乗りたいな。でも、肉は腐っていて蛆が沸いてる。イスカンダルで一人しかいないスターシア・ビッチを共産主義人民全員でダメだダメだ。ひどい性癖にしかつながらん。でも、オリジナルの『戦艦ポチョムキン 』みたいに筋肉男しか乗船してないのは、ロマンがないよ。

ちなみにイスカンダルまで行くのは『宇宙戦艦ポチョムキン 』だ。の部分、パソコンのカット&ペーストを間違えてイスカンダルまで行くのはミミズ千匹だ。と貼り間違えてしまった。外見がミミズ千匹だったら流石に引くが、モリ・ユキビッチがミミズ千匹だったら乗船したい。ミミズ千匹エンジンとか、ミミズ千匹砲でガミラスとも戦いたい。みんな気持ちよくなって幸せで、「私たちがする事は戦う事ではなく、愛し合う事だったのよ」で共産主義的にみんな宇宙愛に包まれるのもいいかもしれない。おおおおおおおおう。どんな映画レビューだよ。


◆『幸福』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★蔵出しフィルムだが無音上映はキツい】
特集「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」の1プログラム。
1934年、白黒無声無伴奏、65分、初見、アレクサンドル・メドヴェトキン監督作品。
あーやっぱサウンド版のない無伴奏版はキツい。
貧乏ひげ爺と強欲爺、ヤング主人公と剛力妻。足のある家などビジュアル的にロシアン悪夢な見どころも多いけど、もう一回見るのはキツくてやだ。


【銭】
フラッシュ・ゴードン:テアトル会員割引+曜日割引使用で1100円(旧価格)
若様やくざ 江戸っ子天狗:ラピュタ阿佐ヶ谷一般料金1300円。
トップをねらえ!:番組均一料金1200円×2(前後編興行)
トラック野郎 度胸一番星:神保町シアター一般料金1300円。
バックドラフト:朝10企画料金1500円
蛇の道:神保町シアター有料入場スタンプ5回と引き換えに無料入場。
地球防衛軍:朝10企画料金1500円
アリゲーター:テアトル会員割引+曜日割引使用で1200円
戦艦ポチョムキン:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
幸福:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
フラッシュ・ゴードン@映画.com
若様やくざ 江戸っ子天狗@映画.com
トップをねらえ!@映画.com
トラック野郎 度胸一番星@映画.com
バックドラフト@映画.com
蛇の道@映画.com
地球防衛軍@映画.com
アリゲーター@映画.com
戦艦ポチョムキン@映画.com

『幸福』は@映画.comに作品情報なし。
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
バックドラフト@或る日の出来事
地球防衛軍@徒然なるままに

『グランツーリスモ』新宿ピカデリー3

◆『グランツーリスモ』新宿ピカデリー3

▲ある意味「アリスとテレスのまぼろし工場」的なチラシ。♪未来へ~未来へ~ヤンだけを連れていけー。

五つ星評価で【★★★★おもろい。あがる。類型的だけどあがる。】
ツイッターでの最初の感想(↓)

評判いいだけあって面白いけどテンプレートど真ん中。最初の選抜メンバーにすら日本人がいないのは寂しい。日本の描写は好意的でドバイなんて金満ドバドバ。主人公の好きな女の子が一般的には美人じゃないのは何かいい。敵が金持ちだけで何か呪われてる感じの性格の悪さ

↑大体こんなか。

日本は東京タワーの夜景、渋谷のスクランブル交差点、クラブで踊りあかして、新宿ヨドバシカメラ前、銀座きゅうべえなんかが挿し込まれていた。なかなかの豪遊。

主人公の好きな女の子、日本語吹替は禰津子。キスで唇を塞がれたところで「むううー」と言ってほしかった(言わねーよ)。

コーチ役はデビッド・ハーバー。『バイオレント・ナイト』の暴力サンタクロースで、『ブラック・ウイドウ』のレッド・ガーディアンと赤に縁強い。今回は赤とは関係なかった。「やっちゃえニッサン」というセリフをかますなら、この人かオーランド・ブルームか、だろう。「♪有明のハーバー」と誰か歌ってあげてくれ。地に足が付いた感じのガンコ親父っぷりが良かった。

実父側はジャイモン・フンスー。弟可愛がり野郎の星一徹。家族の中でこの人だけ真っ黒、実はいい親父なんだろうが権威の象徴なんで怖い。

敵の金持ちチームは金を持っているというだけで、性格の悪さがプンプン漂ってくる役に脚色されてしまった。ただ、ともかくどんな局面でも狙いすましたかのように性格が悪いので、ムカっとは来るが人間らしさを感じない。

ちょっと似た映画を前に見てる。『ALIVEHOON アライブフーン』は「ドリフト」という実車競技に挑むゲーマーの話だが、ゲーマーが使っていたソフトが「グランツーリスモ」である。おそらく今回の映画の実話にインスパイアされて出来た話だろう。本家の話より1年早く公開してるのは立派。名画座で二本立てにしてほしい中々いい出来の映画である。


【銭】
ピカデリー前回有料入場割引1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
グランツーリスモ@映画.com
▼関連記事。
ALIVEHOON アライブフーン(参考)@死屍累々映画日記・第二章

『ミステリと言う勿れ』ユナイテッドシネマ豊洲10

◆『ミステリと言う勿れ』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲前列4人が命がけの遺産相続をする遺産相続対象者。後列は部外者枠。柴咲コウの旦那、野間口徹と原菜乃華の恋人という位置づけの菅田将暉。野間口徹ムチャクチャ出番が少ない。ウエストランドの井口が眼鏡かけたら代役通りそう。きっと同じ服着て眼鏡とモザイクかけたらどっちがどっちか判別できないだろう(大概誰もがじゃ)。

五つ星評価で【★★★★テレビドラマ見てないのが申し訳ない感じなくらい面白かった。】
原作マンガ未読。ドラマ未見。
原作マンガの表紙くらいは見た事があるので、直接の外見から「菅田将暉はちょっと違うよなあ」とは思っていたのに、演技見て「ああ、これはあり」の配役だと納得させられた。菅田将暉の努力とアウトプットで出される演技にはしごく敬意を表する。まあ、本当にマンガ読んで「どう」かは、別問題で残っているが、それはそれで今は置いておく。

基本的にネタバレなしで書こうと思うので、具体的には書かず分かりづらくなるが、そこは許してもらおう。

※ それでも、察しのいい人は分かるかもしれないので、鑑賞後に読まれる事を推奨としておきます。後は自己責任で

加害する側と被害を被る側がいて、加害する側の動機がいわゆる「とんでもない動機」なのだけど、物語を進める中でちゃんと説得力が付いているのが素晴らしい。つまり、この「そんなバカな動機」が普通だとありえない。ありえないだけに逆に面白い。たいへんSF的で、その動機を信じる者の常識と世間一般の常識が異なる。そこが私がこの物語に魅せられた最大の魅力である。ありえないヨタ話なんだけど、あってもおかしくない。そういう展開が面白かった。つまり、これは藤子不二雄F先生の『ミノタウロスの皿』みたいな話で、殺されたり、食べられたり、みたいな禁忌を禁忌として捉えない的な考え方と、そこに至るまでの歴史や日常性がドラマの中に溶け込んでてドキドキするのである。

横溝正史の『獄門島』で「キが違うからしょうがない」というセリフがあるのだが、この物語をそれに合わせると「ケが違うからしょうがない」になる。推理ドラマらしくブラフも入れておくと「気」だったり、「華(人形の衣装の柄)」だったり、「家」もあるか。ミステリードラマとしては、あの人が浮かび上がるのは何となく後半見えてしまう。他に適当な人物が見当たらないので、そうなってしまうが、それをもう一転させて、例えば事件と全く関係のない人物を真犯人が裏から操ってたみたいな構造を立ててしまうと、アガサ・クリスティーの一部のミステリーみたいに「犯人誰でもよし」になってしまうので、あれはあれでよかったと思う。冒頭近くに『犬神家の一族』が引き合いに出されるが、構造的には『獄門島』の方が近い。あれもブラフなのかもしれない。『犬神家の一族』だったら、ヒロインは原菜乃華で恋人枠は別にいるので、菅田将暉はヒロインを守る猿蔵になってしまう。まあ、肉体性を持たない猿蔵というのも異色で面白いかもしれない。『犬神家の一族』的に一人ゲスいシズマみたいな役の人物が出てきて、ちょっと徹底的にゲスい役柄なんだけど、見終わってその役者に悪い印象ないってのが凄い。

原菜乃華がヒロイン枠で高校生のくせに年上の菅田将暉を「久能整くん」と目下扱いで呼んで、無理に距離を縮めようとする感じがちょっと萌える(トトノウ君的には余計なお世話だろうけど)。一人っ子だし、いとこ達とは年が離れていて、資産家一族の娘なので、序列には疎いのかも。つーか、そういうのが今のJKなのか。今のJKと接点ないからさっぱり分からん。キャスティング的に明らかに子供が残ってる少女という感じでよいキャスティングだ。トトノウくんの「子供の時、バカでしたか」というセリフが別の人にかけられるが、そういう意味ではけっこう「バカな子供」の役。バカかどうかは本人では自覚できないし、バカになるよう入念にセメントを踏み固められたとも言える。あれ、ちょっと深い。原菜乃華の母親役が鈴木保奈美。そこそこ大事な役なのに、ムチャクチャ存在感ない。多分、松坂慶子と同居してるなら大変な筈だ。そういうシーンは一か所もないし、松坂慶子もそろそろ「圧のある老人」役は脱したいだろうけど。でも、鈴木保奈美はチョイ出演だけどトトノウ君のパンツも洗った事だし、一番普通で流されやすい感じなので、割とトトノウ君と合わないでもない気がする。と言うより、単に俺が今の鈴木保奈美が好きなのか。

筒井道隆、尾上松也、伊藤沙里、永山瑛太がドラマのレギュラー陣でちょっとだけ出てくる。瑛太は瑛太って分からんかったなあ。この辺、全く今回の事件の内容に関わってこないのは気持ちいい。前者4人のうち頭3人が警察関係者で、地元の警察担当がでんでん。この人は牢屋に入ってれば犯罪者だし、刑事部屋にいれば刑事だし、特別な事は何もやらずとも、何やってもその役にしか見えない。まあ、あまり変な役をオファーする人もいないだろうが。ひょっとすると久能整くん役とかでもばっちり演じるかもしれない。

柴咲コウを予告で見た時、中谷美紀かと思った。直虎じゃん。目線がきつい。
松下洸平、芋のシーンに萌える。普通に大きい芋をくれる人はいい人じゃん。

ダンディ坂野がエンドロールに出てたが、黄色いスーツを着てないとあの人は分からないのよ。瑛太の役を実はメイクしたダンディ坂野が演じてたら凄いよな(ダンディな役だし)。

「クノウトトノウ君、広島の人?」
「東京から来ました」
「遠いところから、わざわざモテにきたんでしょう?」
「ミステリアンと言う勿れ」


【銭】
ユナイテッドシネマ発行のクーポン割引で1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ミステリと言う勿れ@映画.com

PS NHKドラマで活躍した人が妙にいっぱい出てないか?

『キングダム 運命の炎』ユナイテッドシネマ豊洲1プラスα(ネタバレ)

◆『キングダム 運命の炎』ユナイテッドシネマ豊洲1(ネタバレ)

▲信の背後のドラゴンボールみたいな光なんよ?

※ 記事の内容にほんのちょっとネタバレを含みます。

五つ星評価で【★★★★毎回流石、佐藤信介】
キングダムシリーズの三作目。安定の面白さ。
前半と後半は別の話のつぎはぎで、後半は話の途中で終わるという嫌なサプライズを仕掛けられるが、それでも全体つまらんなどとは口が裂けても言えない。いや、口を裂こうとか試そうとするな。蛇柱じゃないんだよ、俺は。
前半、秦の若き王の人質不遇時代と、人質からの脱出劇。目に付いたのは貧乏人の子供の衣装。趙に屠殺される子供の衣装も、杏の子供時代の衣装も、どちらも貧乏で安そうだが、少し大きめの衣装で厚手だ。少しくらい成長しても着れるもの、冬季寒い思いしないで済むよう防寒がしっかりしているものが選ばれていて、とても理屈が通っている。親の愛が衣装から透けて見える。趙の人質になっている若き秦王の服は地味な色で設えも良さそうだが、周りに比べて薄手で寒そうに見える。体裁のみで大事にされていない事が分かる。彼自身、五感に疎くなっているので、それが苦ではないのかもしれないし、そういう所も含めて五感が疎くなったのかもしれない。この何も持っていない王に最初の光を与えるのが、信念を持っているアウトローというのがかっけー話だ。このアウトローから優しさという果実を受けて、若き王は亡霊に憑りつかれた人形から信念を持つ人間へと戻っていく。いいね、いいね。「秦国王に俺はなる!」ええと、麦藁帽子は被せるな。

後半は百人長になった山崎賢人の初手柄。そんな無茶なという使命を遂行する。
これが映画として実によくできていて、ストーリー的には、山崎賢人が指揮する百人隊が無茶に無茶を重ねて、我慢に我慢して、最後に戦況を引っ繰り返す。これ、演出が下手な人がやるとただただ我慢して、より我慢した方が勝ってしまうみたいな我慢比べしかない最悪な描写に落ちそうな部分なのだが、そうはならない。ちゃんと撮られている。いろいろ散らしたり進めたり、演出の塩梅が上手いので、ただただ我慢してるだけに見えない。だが、感想書かないでほっておいたら細かい事は忘れてしまった。だから、もう一回見たい。長いのだけど、見る事が苦痛じゃないのよ、ずっと面白いから。

片岡愛之助は白い人なのね。あれ、大森南朋かとずっと思ってた。

エンディング、宇多田ヒカルかかった時は、きっといい曲なんだろうけど、エヴァンゲリオン風味が見てる自分に抜けてなくて、単純に染みないなあと思った。


◆『キングダム2 遥かなる大地へ』新宿ピカデリー3
五つ星評価で【★★★★よきよき】
前作、一回目は7月15日に見て、いい感じに抜けてきた8月15日に二回目を見てきた。
二回目でも相変わらず面白かったが、一年と一か月経って、ただ一つだけ残しておきたい感想がある。
第一作目から出ていて捩じ伏せるような圧倒的な演技で見るものを納得させている大沢たかお。だが、なんかてめえいい加減にしろよ感もあり、素直に褒めたくないというわだかまりがずっと胸の内にあった。そして、何でそうなのかがパッと気づいて腑に落ちた。それだけ言いたい。それは大沢たかお、その演技メソッド ロバート秋山っぽくなくないか。そういうことだろ(どぶろっくで)。


【銭】
キングダム 運命の炎:ユナイテッドシネマ金曜メンバーズデーで1100円。
キングダム2 遥かなる大地へ:6回分の有料入場ポイントを使って無料入場。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
キングダム 運命の炎@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
キングダム 運命の炎@徒然なるままに
キングダム 運命の炎@ノラネコの呑んでみるシネマ
▼関連記事。
キングダム2 遥かなる大地へ(前作)@死屍累々映画日記・第二章

『マイ・エレメント』ユナイテッドシネマ豊洲3

◆『マイ・エレメント』ユナイテッドシネマ豊洲3

▲命がけのETごっこ。

五つ星評価で【★★★★キャラの悩みが現代的】
公開前にポリコレ的な側面で話題になって、逆に面倒くさく感じた。日本にいる限り人種ヘイトみたいなのはリアルには感じづらい。「リアルには」というのは「ツイッター改めⅩ」なんかでは、東洋人差別(と言うより東洋人に対する嫌悪意識発揚)がかなり色濃く漂っているからだ。啓蒙的に「違う文化の人間を尊重しよう」という作品を作るのはもちろん間違いではないが、けっこうそれでネットなど読むと疲弊しているので、全然筋違いの『天才バカボン』みたいなアニメがみてーなとも思う。とはいうものの、見てみるとそんなに「啓蒙」が強い訳でもなかった。
だから、人種・民族みたいな事は語らない。語りたくない。もしくは語れない。
驚いたのは火・水・土・風の四大エレメントが人間ではなく、エレメントそのものだった事だ。エレメントの気質を色濃く持つ風族、水族みたいな世界での部族特性みたいなものかと思っていたら、元素その物だとは。この四つのエレメントはアリストテレスの時代からある西洋占星術にも影響しているヨーロッバ圏の人たちにはベーシックなものらしい。これに五つ目の「愛」を加えたのがリック・ベンソンの『フィフス・エレメント』。さっぱり覚えてないわ。エレメントの話ではなかったからな。日本では中国由来の「木・火・土・金・水」の五行の方がセーラー戦士よろしく馴染んでいる。ちょっと水増しして『レインボーマン』の七曜(月火水木金土日)、『忍者キャプター』も七つだが「火風金土花水雷」と要素が違う。とりあえず言える事は西洋の四エレメントな集団と戦っても一人一殺で日本のエレメントが勝つから凄いぞ日本人。いやいやいやいや、そんな言い分がダメだろう。やはりベンソンの「愛」には敵わない。『ジャッカー電撃隊』の「原子力・電力・重力・磁力」というエレメントも凄いが。いや、それは指向性が違うのだが、「愛」に対抗できるエレメントはやはり「原子力」くらいしかあるまい。

映画はまあ、よかった。
水の彼がブヨブヨしてるのも御愛嬌で、水の一族は筋肉質がいないのね。泣き虫ばかりでジョジョ第二部のエシディシ予備軍のよう。火の女の子は可愛い。あんなミニスカート履きやがって、めくりたい(ダメダメ)。出てきてないけど、若い火の男とかDVしそうなイメージがある。
火の女の子の自分ですら気づいてなかった悩みを急遽自覚するシーンがたいそう現代的で、感心した。昔からある悩みではあるが、突き詰められた時に顕在化するプロセスがあまり、今までなかったという事か。

ちなみにやはりエレメントではないが、『鬼滅の刃』の柱は9人。
「水・蟲・炎・音・恋・蛇・風・霞・岩」。「蟲・蛇」あたりに意表を突かれるが、「音」はなるほどと思い、「恋」は考えようによっては「愛」に勝ちそうだ。だから勝ち負けじゃないんだよ俺。


【銭】
ユナイテッドシネマ発行のクーポン割引で1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
マイ・エレメント@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
マイ・エレメント@ノラネコの呑んでみるシネマ

『特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト』トーホーシネマズ上野8

◆『特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト』トーホーシネマズ上野8

▲仲良し四人組のマフラーの形態が四者四様って細かさが実に京アニテイスト。

五つ星評価で【★★★★なんて君たち可愛いの】
ツイッターでの最初の感想(↓)

黄前ちゃんを初めみんな可愛いのう。人生を賭けるように罵りあったりみたいな空気はすっかり鳴りを潜めて、静かに正しいかどうかは分からず熟成していく感じ。作画監督や音響監督は当然いるだろうけど「楽器作画監督」という役職があるのが京アニの凄み。

という事でオープニングロールに「楽器作画監督」というクレジット見てビックリして、エンドロールでマジマジ再確認してしまった。そういう細かさから言ったら「マフラー作画監督」がいてもおかしくない。女の子の脚がJKらしくピチピチして魅力的だったので、「女の子の脚作画監督」もいるかもしれない。いずれもノンタイトルだが、陰でいるかもしれない。尊い事だ。「女の子のパンツ作画監督」とかもいてほしいが、パンツ見えるカットが1カットもないから出番がないな。いや、「女の子のパンツ作画監督」が活躍してくれても私は全然OKよ。真剣に取り組むように「脱衣麻雀ゲーム」のように、対戦形式で負けた方が脱衣する「脱衣アンサンブルコンテスト」でも私個人は全然かまわない。まあ、構う人もいるだろう。そこは否定しない。

ゴリゴリの技術的支柱じゃない「おーまえちゃん」部長が何気に天才でないからこそ分かる悩んでる人の技術の底上げが出来るという世界観が優しい。ただただしごいたりしごかれたりしても(エロい表現よのう)、それだげでみんな上手くなれたりはしない。気づきやキッカケって大事だ。そういうの自然に身についてる天才の人もいるのだろうけど。こういう部長としての加点を描きながら、過去の回想シーンで「優しいだけじゃないの?」という辛辣な評価を対極に入れてくるのが上手い。ああ、「おーまえちゃん」部長に優しく、しごいたりしごかれたりされたい(パンツ作画監督が活躍する方向で)。れいな先輩から厳しく、しごいたりしごかれたりされるのは一歩間違えると命に係わる気がするから辞退したい。そういう意味ではれいな先輩が1年のマリンバ後輩を裸に剥いて、マリンバの気持ちがわかるようにマリンバのポンポン棒でマリンバ女体盛りみたいな指導をする薄いマンガが実に読みたい。欲望まみれだな、俺。

今回は「中編」に仕上げた為、アンサンブル・コンサートに辿り着くまでのグループ作りや、その練習がメインで、コンサート(と言うより、その選考会)の演奏や評価は凄くザックリ刈り込んだ。いやいや、やっぱりそこはあと10分、20分足して中編から長編に格上げになっても見たかったという人が多いでしょ。


【銭】
番組特別価格1500円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト@或る日の出来事
▼関連記事。
響け!ユーフォニアム関連記事リンク▼@死屍累々映画日記・第二章

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②・劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディー~@死屍累々映画日記・第二章
③・劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~@死屍累々映画日記・第二章
④・リズと青い鳥@死屍累々映画日記・第二章
⑤・特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト@死屍累々映画日記・第二章

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①・トランスフォーマー リベンジ@死屍累々映画日記・第二章
②・トランスフォーマー ダークサイド・ムーン@死屍累々映画日記・第二章
③・トランスフォーマー ロストエイジ@死屍累々映画日記・第二章
④・トランスフォーマー 最後の騎士王@死屍累々映画日記・第二章
⑤・バンブルビー@死屍累々映画日記・第二章
⑥・トランスフォーマー ビースト覚醒@死屍累々映画日記・第二章

『トランスフォーマー ビースト覚醒』トーホーシネマズ日比谷2、錦糸町4

◆『トランスフォーマー ビースト覚醒』トーホーシネマズ日比谷2、錦糸町4

▲ユニクロンというでかい悪役が出てくるが、奴はでかいだけ違うか?

五つ星評価で【★★★★,★★★熱が見せた幻か】
「トランス(酩酊)状態のファーマー(農夫)?」
「それで構わんから変形してみい」
ガコガコガコ
「ぐげげげげげげげげ」
「キャー」

ツイッターでの最初の感想(↓)

突っ込み所は無限にあれど普通にちゃんと面白い。風邪引いてる間にどこも上映回数が1回か2回になって見るのが難儀だったが、不入りであるなら宣伝の失敗だろう。浪花節が効いてウェットなストーリーに、悪役以外全キャラ負け犬って好き。

なんすか? 割と評判悪いが、負け犬の主人公が巻き込まれてダメダメな武闘派ヤクザの龍虎対になる家宝の片っぽを奪われた挙句、挽回する間もなくもう片っぽも奪われ、家宝のアブラカダブラな不思議な力で呼び出された地上最大ヤクザの顔に壊した家宝叩きつけて追い返す的な大冒険の中、地元のヤクザと割と仲が良くなって、それを監視するオマワリさんにリクルートされる的な話は割と人間側のどちらも壁にぶち当たってる主人公に寄り添ってて良いと思う。

ただ、いろいろ問題があって、オートボット組の組長オプティマス・プライムは人間差別主義的な頑固おやじで、人間と友達的なパンブルビーは早々に退場し、主人公の相棒ミラージュは言動が軽くて組長からの信頼が低い。で、他のオートボット達は特に意見のない指示待ち野郎どもだ。だから、人間の肩身が狭い。ダメなのは機械生命体も一緒だろうに。バイク姉さんなんて面白い形してるのに、個性何もないわ。絵的に凄い事をやってるのだけど、変身シーンも見慣れてしまって、どうせ子細が分からないんだからどんな変身しても驚きはしない、という感じになってしまった。一回ゆっくり見せてほしい。あと、対人間相手の戦闘がないので、変身したり形変えたりとかの意味が乏しく、銃撃とパンチキックのみのアクションはそんなに面白くない。

ラスボスのユニクロンはワープキーみたいのを欲しがっているのだが、子分はあちこちに結構行き来できるし、その子分とも「どこでもドア」的にやり取りは出来てる。ワープキーを欲しがる理由がどうも分からん。図体でかいユニクロンが
移動する為にはあの機械がないとあかんという事なのだろうか? 

字幕と吹き替え一回ずつ見たが、ミラージュの藤森慎吾がいつものチャラオ節で面白い。ここが字幕版より確実に良い部分だ。そんなん藤森慎吾の顔が浮かんでイヤと言うほど藤森慎吾の近くにいないし、どんな役でも同じ声を充てて臆さないというのは広川太一郎みたいに、需要があるなら認めてもいいと思う。

善玉側で冒頭のゴリラ先代を除いて、みんなピョコピョコ蘇ってるのに、最後までそういう話から無視されるエアレイザー姉御の事をみんな忘れないでやってください。


【銭】
雑誌の懸賞で当たったのだ。一枚誰かにあげようと思ってた矢先に夏風邪を引いて、人にあげるようなタイミングを逸してしまった。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
トランスフォーマー ビースト覚醒@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
トランスフォーマー ビースト覚醒@徒然なるままに
トランスフォーマー ビースト覚醒@或る日の出来事
▼関連記事。
トランスフォーマー関連記事リンク▼@死屍累々映画日記・第二章

『バービー』ユナイテッドシネマ豊洲11

◆『バービー』ユナイテッドシネマ豊洲11

▲ピンクに差し色がパステルカラーという地獄と言えば地獄のような感性。

五つ星評価で【★★★だって、バービーで遊んだ事はないもの】
「根津甚八が飲んでた缶コーヒーね」
「それはバーディー」
「ダムを造って、ごくまれにゾンビになる奴ね」
「それはビーバー」

しかし、ギャグ的には一番最初の『2001年宇宙の旅』のパロディーが一番面白かったな。
あと、『ウェストサイド・ストーリー』の様にミュージカルな喧嘩をするケンがステキ。

ケンには同情を禁じ得ない。自分が物語の主人公でない事を自覚するのは切ないものだ。そして、リアルワールドの場合、自分が物語の主人公でない事は世界の99%が自覚する認識ではあるだろうが、視点を変更する事によって、圧倒的な勇者でなくても、一般市民として生きる事に価値がない事もない、と言う逆説も与えられるのだ。自分も主人公ではないが、隣の旦那も主人公ではない。でも、そんな世界でも生きるのだ。生きなくてはならない。ひょっとすると努力によって主人公になれるかもしれない。この1%の曖昧さがケンにはない。ケンは添え物として作られ、添え物としての人生が決定づけられている玩具なのだ。バービーが「あなたはあなた自身で生きればいい」と言ってくれようが何だろうが、世界におけるケンの認識が変わる訳でもないだろう。

ケンが改竄する前のバービーワールドが全能の神が知恵の実を授けなかった約束の地と相似してる気がしないでもない。その世界ではアダムの肋骨でイブが作られたのではなく、イブの肋骨でアダムが作られたという転倒があるのだが。


【銭】
金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
バービー@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
バービー@ノラネコの呑んで観るシネマ
バービー@風に吹かれて

『MEG ザ・モンスターズ2』ユナイテッドシネマ豊洲8

◆『MEG ザ・モンスターズ2』ユナイテッドシネマ豊洲8

▲こんなんステイサムじゃなきゃ許されんシーン。

五つ星評価で【★★★★面白えけどそれでいいのかと不安に落ちなくもない】
ステイサムの映画のうち、もっともIQの低い人向けに作られた映画。まあ、どの映画もそんなに高いIQの人向けには作られていないが、この映画の低さは格別で、海溝のように底なしに低い。よし、繋がった。

ピンチ、ピンチ、又、ピンチとピンチが連続で続くが、そのピンチがシナリオライターの家族を監禁して5分に一度のピンチを思いつかなければ処刑するぞ的に捻り出した感じで、ギリギリ、リアリティーがアウトだ。でも、連続で出てくると麻痺するから、そんなに目くじらを立てないでおこう。メガロドンだけに。メガロドン鯨じゃないぞ。重さ20トン、全長23メートル(大型バス2台分の大きさ)の鮫に槍で立ち向かう映画にリアリティーも糞もないか。多分、ラストの方でトランスフォーマーが現れて、メガロドン、フルボッコにしてもそんなにリアリティーのなさが変わらんと思う。そう言えば、そら絶対ステイサムに着装させるだろうと思ってたパワードスーツの出番はなし。どーした、どーした、ワハハハハハハ。まあ、鮫に着装させなかっただけでもいいか(やらなくなさそう)。

▲いかにもトランスフォームしそうな水上バイク。

鼻から息を抜けば深海でも大丈夫、深海魚だってやっているし。と言うのも、やれば出来るなぜベストを尽くさないのかね的で怖い。こういう理屈でグイグイ来る人を教師や企業トップに据えてはいけない。しっかり支えていれば大丈夫、大体の鉄筋建築物はそうやって成り立ってるのだからといって運動会で『北斗の拳』のサウザークラスの人間ピラミッドとか作らせそう。

エンドロールRAPのIQがやはり低い感じで微笑ましいのだが、小松政夫が出てきて「どうすりゃいいのさ タコのフンドシタコさんプールで泳ごうとフンドシかついで行ったけどここかな、そこかな、あそこからどうすりゃいいのさ タコのフンドシ」とタコフン音頭を歌ってもそれなりに成立すると思う。「小松魔棹」はやめろ、漢字変換。

多分、前作に出てた幼女が大きくなって続投した結果らしいのだが、中国人少女がアイコラみたいな顔立ち。いやー、普通に美少女がいいよ。この少女がステイサムのハンデになる訳なので。あんな状況でハンデまで付けられるステイサムって凄い、きゃー、素敵ーっ。タコフン音頭を歌ってほしい。

けっこう善悪関係なくボコボコ人が死ぬのだが、それでも夏のリゾートの空気の下では素晴らしい事なんだぜアモーレ、アロハみたいに湿っぽくならない。ちょっとほんのちょっと一瞬だけ、こういうラテンな明るさに包まれた『福田村事件』を見たいかもと思ってしまった。
「お前ら鮮人だろー!」
「まんまみーや!」
どんな映画だよ。


【銭】
ユナイテッドシネマ発行のクーポン割引で1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
MEG ザ・モンスターズ2@映画.com
▼関連記事。
MEG ザ・モンスター(前作)@死屍累々映画日記・第二章

『ミンナノウタ』新宿ピカデリー5

◆『ミンナノウタ』新宿ピカデリー5

▲このザラザラした解像度の低さがツボ。

五つ星評価で【★★★★こえーのが嬉しい】
GENERATIONS10周年記念の記念ドキュメンタリーを撮る企画が「せっかくだからホラーにしませんか」という松竹からの申し込みにより作られる事になったそうだ。何が「せっかくだから」なのか分からないが、そういう頭のおかしい人がいて、社会は思いもよらぬ恩恵を受ける事がある(恩恵にならない事もよくある)。今や「ホラーの巨匠」だが、最近ルーチンワークで小遣いを稼いでる感のある清水崇監督久々の傑作である。
「怖くてゴメンディー」
「話も面白くてゴメンディー」

私、GENERATIONSが何人かも知らなかった。7人らしい。この間TVで見た舞台挨拶6人しかいなかったぞ。さなの世界に行って一人だけ戻ってこれないでいるのか。とりあえずマキタスポーツを7人目にして活動する事を許す。俺が許してもしないだろうが。

しかし、7人は多いな。七人の侍かよ、ワイルド7かよ、そうさこの世のドブ浚いかよ。と言う訳で7人全員認識できなかった。
白濱亜嵐、片寄涼汰、関口メンディー、佐野玲於あたりはもともと映画出演もするメンツなので元から知っていた。白濱亜嵐が関口メンディーと呼ばれて怒るのは至極まっとう。ブロッケン伯爵がピグモン子爵と呼ばれたら起こるだろう。ちなみにあしゅら男爵は片寄涼汰と土屋太鳳で良い感じ。
中務裕太は映画内の特異な役柄で見分けが付いた。ちょっと霊能ありそうっておいしい役どころだ。
小森隼はトップに出てくるからわかる。
数原龍友氏だけ申し訳ないが分からなかった。こいつか、こいつが霊か?

徐々に明かされていく陰惨な話と、頭のおかしい登場人物。あの家の母のリフレインが怖い。
俊雄くんはまあ、監督のファンサみたいなもんだろう。全体の足枷になってないから、あれはギリ問題なし。
『呪怨』の家もそうだったが、玄関入った所にある上り階段が異界に通じている。今回は中学校の屋上もある意味、祭壇として使われるので、清水監督は地べたに接してない空間に何か謂れのない怪異を感じるのかもしれない。メンディーが襲われるのも子供が大地から足を話した瞬間だし。
母リフレインも怖かったが、一見単に可哀そうに見える女の子が、その実、そんな理屈が通用しない理解不可能な異物だったというのが怖い。恐怖というのは突き詰めれば、相手と分かり合えないという事だと思う。

あ、スタジオの鏡に足が映るの怖い。

マキタスポーツの現実その物みたいな空気感よき。マキタスポーツと「養育費支払い」はもう本当しっくり来すぎる。子供が可愛い感じじゃないのも妙にリアル。

妻の土屋太鳳が出産してる間、映画で乳首見せている夫の片寄涼汰。なんか不思議な夫婦だな。


【銭】
ピカデリー前回有料入場割引1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ミンナノウタ@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ミンナノウタ@ノラネコの吞んでみるシネマ

『Gメン』トーホーシネマズ上野4

◆『Gメン』トーホーシネマズ上野4

▲凄い凄い吉岡里。惚れ直す。

五つ星評価で【★★★ペース配分が悪いんちゃうかな】
こういうくだらない映画は大好き。でもなんか胸熱で盛り上がる感はない。つか、最初から最後まで事あるごとに諍いを起こしてすぐケンカになって、それが延々とエンドレスでダラダラ続く。ちょっとみんなよう動いてるな。アクションそのものはきっちり仕上げてるけど、印象としては「ダラダラ」なんである。これはおそらくアクションのペース配分が悪い。
ずっとアクションしていて、それが並列で並べられている。アクションごとに優劣がない。するとぼんやりダラけてしまう。「あれあれ、あのアクションが凄かった」という旗印みたいなアクションがない場合(そういうのはなくって普通)、アクションにあえて優劣をつけないと最後、映画観終わった後の達成感が得られづらい。序盤のどうでもいいケンカは短く、終盤の大ケンカは長目を確保する事は勿論だが、主人公とラスボスとの感情のぶつかり合いを他のメンバーの戦いを差し込む事で阻害しない。その辺の配慮がもうちょっとだったと思う。一本の映画としてはラストに山場をドーンと打ち上げる事でカタルシスが爆発して気持ちスッキリになるのに、そこんところもうちょっとだったと思う。いや、一つ一つくだらない小ネタとか好きだけど。
青ネクタイとの校舎裏の戦い、町の不良と高良健吾との戦い、恒松祐里との町中の逃避行、吉岡里ストーカーとの戦い辺りはもうちょっと軽めにする方向で刈り込めたと思う。つーか、本当にアクションだらけの映画だな。

主人公の岸優太はキンプリの人なのね。あまり顔にカッコよさを感じないけど、アクション頑張ってて偉い。ジャニーズだけど、爽やか感がないので(失礼)、「童貞」という言葉に説得力がある。まあ、本当はそんな事ないだろう。
竜星涼、気持ちのいいイケメン枠。足に特化したアクションが背が高いからドーンドーンという感じで気持ちいい。しかし、G組以上に頭は悪いのだけどあの学校、大丈夫か。
矢本悠馬、原作マンガをどんなんか知らんのだけど、明らかに矢本悠馬が筆頭で映画の空気をマンガにしてる。「にちゃあ~」という感じの笑顔で「童貞」という言葉に説得力がある。まあ、本当はそんな事ないだろう。かなりそこそこ美味しい役。
森本慎太郎、昭和番長。最初に岸優太に「半分以上ナニ言ってるか分からない」と言わせたのが偉い。これで、感情だけ追ってればこの人のセリフは聞き逃してOKとなった。りんたろー、矢本悠馬とG組三人で、オチャラケてるが、実はこの三人そこそこ強いのがラストの戦いでいきなり分かって違和感出た(戦えば強いが、劣等感から戦わなかったという繊細なベースがあるのだろうけど)。いや、ラストの戦いは女三人もそこそこ戦力になってたから本当はみんな悪役側も含めて強くないのか?
りんたろー。G組のウマヅラの男。実は森本慎太郎よりこっちの方が活舌悪いと思う。と言うか、ニギヤカシとしてちゃんと機能してるから良し。
高良健吾、かっけー。高校二年生にはとても見えないが(とても見えない面々ばかりだが)、人生の酸いも甘いも嚙み分けてきた感が良い。そういうキャラ設定に尻は提供しないが惚れる。そうそう、こんな高校二年生はいやしないのだけど嘘でいいのよ、映画なんだから。
田中圭、どう見ても高校三年生には見れないと同時に高校近くの喫茶店のマスターもやってて、スポーツカー乗り回してあちこちぶつけてる謎の人。いやもうちょっと説明あっていいだろ。イカツイ顔の高良健吾より強くは見えないが、年の功で強く見れるところがムービー・マジック。
尾上松也、悪い奴らのラスボス。性格悪いの押しは分かるが、顔がでかくて、あまり強そうに見えない(顔がでかい事は強さと関係ないか?)。ネームバリュー的にこの人がラスボスなんだろうけど、天王会二番手の顔が本気で怖い人がラスボスの方がラストバトル盛り上がったと思う。
恒松祐里、ヒロイン枠なのにチラシに名前が載ってない不遇な人。この人が「処女」なのは説得力がないが、嘘だからいいだろ(本当に処女だったらごめんなさい)。いろいろ着せ替えさせられて可愛い。実年齢25歳だが童顔なうえに頭が悪く見えるのはセールス・ポイント。童顔が勝って特攻服姿がブカブカでワークマン女子っぽく見える。制服姿も見たかった。そういう意味では下着姿も、全裸姿も見たかった。監禁されるんだから必然性はあるのに。恒松祐里にはいつまでも「処女」の役をやってほしい。岸優太と矢本悠馬がいつまでも「童貞」の役をやるかどうかはどうでもいい。
小野花梨、ヤリマン女子。めちゃくちゃ汚れ役。役者としてはこういうのやり甲斐がありそうだけど、強烈なので、このイメージが固定しないかみたいな意味での不安はある。矢本悠馬と一緒にいて、同じ種類のダメさ加減を醸し出すのは役者としての地力だろう。
吉岡里。おもろくて強烈でかわいい。今回の映画で一番好き。こういう役自体があまりないというのもあるので、他の役者で上手くやれるのかどうかが全く予測できないのだが、これが今後の見本になるだろうという感じにちゃんと演じ上げた吉岡里偉い。ラストの方で告白されて「強肩モード」が出たり出なかったり自壊してしまうシーンも凄い。
吉岡里が一番好きだが、二番目は田中圭の止まれないスポーツカーかもしれん。

予告編で使われて劇中一切使われない「カルメン」が実にキャッチーでいい感じ。


【銭】
映画ファン感謝デー料金で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
Gメン@映画.com

『SAND LAND』新宿ピカデリー10

◆『SAND LAND』新宿ピカデリー10

▲悪魔の王子ベルゼブブ。ムチャクチャ強い。

五つ星評価で【★★★★客入りに反比例するようないい出来だ】
驚いたのは鳥山明の絵がまるで鳥山明を監禁して全ての絵を描かせているように完璧に動くというだけで、人はもうそれだけでかなりの満足を覚える、という事だ。おそらく監禁や幽閉はしていないだろうが、この感覚は『アキラ』で大友克洋の絵が完全にアニメとしてトレースされていた時の感覚に近い。あれも本人が監督だから、かなりの絵を描いていたかもしれないが、しかし、大友の絵よりも鳥山明の絵の方が動くと気持ちがいい。大友の絵はリアルな人間に近いから、人の閾値を超えるような動きをすると逆に嘘くさくなってしまう。『SLUMDUNK』も又、リアル志向でマンガ家が自らの絵を映画に昇華しているが、ビジュアルは素晴らしいがアクションとしては鳥山明の方が気持ちがいい。『SLUMDUNK』に殴る蹴るがないからとも言えるが、実際の人体を使うより、デフォルメされた人形を使う方が、力の入り方が目に見えやすくなる。そして、アニメならではのオーバーな表現がおかしく見えない。実験的にAがBを殴るという映像を同じ「ガコーン」という音で、パフォーマンス・キャプチャーのアンパンマンと同じカラーリングをした人体で比べてみたら、アンパンマンの方が絵として響きそうに思える。アニメート技術による点も大きいかもしれないが。

でもまあ、今作欠点もある。
美少女キャラがいない。
主役は老人だし、ハゲだって、デブだって、マッチョだって、出てくるのに。
俺はジャニーさんじゃないからベルゼブブに欲情なんかしないぜ。

戦車戦がちゃんと理路整然とテクニックとして描かれていたのも好感が持てる。
ダメな人が話を書くと、ただひたすら頑張ったり、ただひたすら耐えて、ラッキーパンチで勝ったりするのだけど、ちゃんと勝利に理由があるのは見ていて気持ちいい。

エンディングの曲はなんか軽くて、らしくない。まあ、タイアップとか大人の事情がいろいろあるんだろうけど。


【銭】
ピカデリー前回有料入場割引1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
SAND LAND@映画.com

『ヒットマン・ロイヤー』『不思議の国の数学者』『テリファー 終わらない惨劇』『アキはハルとご飯を食べたい』シネマート新宿1,2,1,1

新宿シネマートで4本。シネマート番組選びが暴れん坊な感じで好き。どっちかというと今回は暴れすぎて零れ落ちたみたいな4本になってしまった。

◆『ヒットマン・ロイヤー』シネマート新宿1

▲主人公が狩野英孝的な夜の街っぽさがある。『テリファー』のアート・クラウンにもどこかちょっと似てるかもしれない(そらあかんやろ)。

五つ星評価で【★★ゆるいけどふわふわではないアクション】
法律事務所の筆頭弁護士が幕末の人斬りの地を受け継ぐ殺人者。
「筆頭ヒットマン」だな。
アクションが『国岡』『ベイビーわるきゅーれ』見てるからか凡庸に見えてしょうがない。主役の黒ずくめ長髪兄さんホストっぽい空気。裁判をあれで勝つのはつまらん。


◆『不思議の国の数学者』シネマート新宿2

▲「正解よりも大切なことがある。」って、地味だけどいいコピーだ。

五つ星評価で【★★★★チェ・ミンシク渋い】
タイトルはそうじゃないだろうと思うが、話は王道でよい。
用務員さんがノーベル賞取りそうな天才というのは「舐めてた奴がとんでもない奴だった」の数学バージョン。チェ・ミンシク演じるこの数学者の「受験勉強(ただ回答を得る為だけの方法)は教えない。数学(回答を得る為の考え方)は教える」と言う理念が素晴らしい。もちろん、この理念は進学校の方針に反するので、数学者の弟子である主人公の少年は学校からスポイルされそうになる。それが正しい理念に裏打ちされて勝利するのは甘いかもしれないが、よきよき。私も方法論で解く数学にドップリ浸かってる人間だが、何故それがそうなのかは知ってたら楽しいだろうと思う。でも、学生時代にそこでゆっくり時間を使っていると、あまり良い人生を送れない、と言う日本の実情では他を考えづらいのは悲しい事だ。
チェ・ミンシクのちゃんと肉体労働者っぽく骨太に見える身体が説得力を上げている。


◆『テリファー 終わらない惨劇』シネマート新宿1

▲「照り焼きファースト・キッチン」的な何か。

五つ星評価で【★★一作目の方が全然好き】
一作目が当たって製作費も跳ね上がり、ダンチに好きな事ができるようになったらしく、悪乗りはいいにせよ、単純になげーよと思う。138分はないわ。そして、話が分からん。あのアート・クラウン女の子は好きは好きだけど、何者? ちゃんと一作毎に完結して作ってほしい。それはこの映画に限らんけど。
アート・クラウンの殺しや傷めつける腕は技量が上がったが、単に肉体損壊の強度が上がっただけとも言える。その強度を果てしなく上げることは可能だが、そうするとその惨状はリアルを損なっていく。バランス難しいな。


◆『アキはハルとご飯を食べたい』シネマート新宿1

▲かーいらしい。

五つ星評価で【★★共感できず】
元はBLマンガらしいのだが未読。
極端につまらない感じではないのだが、アキとハルの関係がBLであるだろうに、その部分にきっちり踏み込まないので、ただの友人にしては違和感あるような空気感が強くて、一見さんとしては見てて頭がバグる。そこいらが乗れなかった理由だと思う。


【銭】
ヒットマン・ロイヤー:テアトル会員割引で1300円。
不思議の国の数学者:テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
テリファー 終わらない惨劇:テアトル会員割引で1300円。
アキはハルとご飯を食べたい:テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ヒットマン・ロイヤー@映画.com
不思議の国の数学者@映画.com
テリファー 終わらない惨劇@映画.com
アキはハルとご飯を食べたい@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
テリファー 終わらない惨劇@ノラネコの呑んでみるシネマ
▼関連記事。
テリファー(前作)@死屍累々映画日記・第二章

パソコンの故障と回復

経緯

8月18日金曜深夜にブログ更新用のパソコンが
 電源ボタンを押してもうんともすんとも言わなくなる。
 正確には「ジッ」と単音出して停止。リセットボタン無効。
8月19日土曜に購入元の保守に電話かけて修理依頼。
8月20日日曜に修理のため宅急便が自宅に来てくれて引き取り。
8月23日水曜に保証書無効、有償修理の連絡を受け呆然とする。
 装置内部に液体付着の形跡を確認し、という事で、
 その場合は有無を言わさず有償になるらしい。
 それ、あんたんとこの商品の生活防水が未熟って事
 じゃないのかみたいな煩悶を抱えつつ(水に落としたりしてない)、
 修理に踏み切った。修理代金101904円。
 購入代金とほぼ同額なので気が狂いそうだったが、
 修理キャンセルして6000円強の手数料を払うのも断念。
 パソコンとか新しく買うの機械音痴だからしんどい。
 ネットで修理依頼の線で回答。
 101904円の内訳
  MB-メインボード 38670円
  INTELラベル 200円×2
  アッパーカバー 6740円
  インストールSSD 29830円
  技術料金 17000円
 これが正しいかどうかは全く分からん。
8月24日木曜修理開始、及び、修理終了のフラグがネットに立つ。
 但し、INTELラベル一枚が部品取寄中になっているので
 本当に修理終了とは思っていなかった。
8月25日金曜に配達されるが不在。
 INTELラベル一枚は部品取寄中のままだ。
 おいおい素人相手に杜撰な事するなよ。
8月26日土曜再配達されて受取。
8月29日火曜放置していたパソコンを開封し再インストールやら何やら。
 めんどくさいが新品を買ってゼロからよりは楽か?
 (まず新品を買う事がストレスだからそこはよかろう)
 セキュリティソフトが購入時の契約対象だったかどうかが
 購入時の資料にないので分からなかったが、そのまま稼働してるようなので
 大丈夫そうだ。個人的には無線LANとして機能するようワイファイ繋ぎなおすとか、
 グーグルクローム最優先にしようとするとエッヂが何回も
 「それでいいんですか?」と聞いてくるのがウザかった。

とりあえず、今日からブログ復帰です。
元々そんなに更新ゆっくり目なんですが、またよろしく。

PS  INTELラベルいまだ部品取寄中である(2023/8/29現在)。
PS2 購入した時の金額が101800円。
 修理費用のほうが104円高くついた。

『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』シネクイント2

◆『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』シネクイント2

▲役付き4人の前後左右にいるオタ達が果てしなくリアル。

五つ星評価で【★★★★感心】
原作のマンガ、それを元にしたドラマは未読未鑑賞。
感心したのは女子の扱い方。7人組地下アイドル、ライバルの3人組、主人公、主人公の妹分、主人公の会社の同僚、ここまでがメインキャラクターでの女子(あとマネージメント側に一人いるがこれは枠として女子でなくても成り立つ)。多い。多いよ。そして、マンガだとこれらをちゃんと描き分けなければいけないが、実写でもそれはある意味同じ、混同して誰が誰だかでは困る。そして、これら全員がみなちゃんと納得のできる形で美人ないしは不快感を与えない好感度を持っていなくてはいけない。キャスティングされた人はみな芸能人だから(そら素人やないやろ)、みなそれぞれ美人オーラがあるのだけど、アイドル側はちゃんとアイドとしてのオーラを持ち、一般人はそれを凌駕しない感じの親しさに溢れてなくてはいけない。この配分が絶妙だった。一般人もみな好感度の高い美人がキャスティングされているが、決してアイドルとして並び立つ感じではない。役としてちゃんと生きているという事だろう。主演の松村沙友里はオーラ出まくりで、やはり一番の美人だろうが、常に推しに対して「デレっ」とさせる事で、美人オーラをちゃんと打ち消している。
にしても7人は多いだろ。そしてメンバーカラー「ピンク」の子がいるのに「サーモンピンク」の子も配置するって頭が膿んでるとしか思えない。
「サーモンピンク」の子は一人だけ独特な空気感。あっ、他の子はアイドルなので通常モードが笑顔だけど、彼女は基本、歯を見せないでいるのだな。

ラスト商店街でのリベンジイベント。ステージにアイドル、そのアイドルを囲む形でオタ。ここまでがエキストラも含めた演者。みんな「マスク」を付けずに新型コロナウィルスがやって来なかった延長上の歴史を生きてる。そして、オタからステージを見たり、ステージからオタを見る時に、その対角線上だったり延長上にエキストラではない普通の人が見切れてしまう。そういうの別に普通にある事なのだが、彼らはみな、マスクを着用している。画面の中に見えない境界が存在する。ちょっと不思議な感じだった。

松村沙友里の明るいバカみたいな昭和感が良い。そういうのは貴重。

オタ代表のジャンボたかおの裏表ない善人っぷりも良い。疲れてるな、俺。ジャンボたかおみたいな男を恋愛対象として好きそうな男はいそうだけど、恋愛対象として好きそうな女子を思い描きづらい所に、この世の地獄があるのだと思う。


【銭】
水曜シネクイント、サービスデーで1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ@映画.com

『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』ユナイテッドシネマ豊洲4

◆『劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲『サンダ対ガイラ』スケールで登場人物が全員この大きさだったらおもろい。

五つ星評価で【★★★★★こんな映画大好きで恥ずかしい!】
まっすぐすぎる救命医鈴木亮平が自分の命そっちのけで緊急救命に向かうが、それを上回る事態に約2時間オロオロしまくるのを映画館観客一同ハラハラホロホロしながら温かく見守るという、大衆芸能の行きつく先、未来形の何つーか、下品に味が濃いけどチーズのように洗練された味噌みたいな映画。なので、物語としての破綻を問うてはならない。話を盛り上げる為には、話の破綻はあえて見逃さないと。だって、その方が面白くなるのだから。
私は正月に一挙再放送していたTVを半分くらい見ていたので、多分、直前に流したスペシャルドラマから出演の佐野勇斗とジェシー以外の登場人物の背景は分かっていたのだが、登場人物が多いので初見観客にはちょっとキツいかもしれない。でもまあ、大丈夫な気もする。人数は多いがあまり極端にセオリーを外れた過去、宇宙人に浚われて以来、軟体動物が苦手、みたいな人物はいないので。
相変わらず筋肉泣き虫鈴木亮平の無茶ぶりなリアリティーが素晴らしい。こんな筋肉で全てを解決するみたいなブラック・ジャックありえないだろうと思わせない鈴木亮平のキャスティングが作品世界を成り立たせてる。必要以上に有能で冷静な彼が動揺する時は観客も合わせて動揺する。あー便利。しかし、120%死んでしまうような現場に嬉々として飛び込んでいくので、彼よりも彼の上司の方が普通に考えたら可哀そうだと思う。
要潤が鈴木亮平に毒されて単純いい奴死んでも他人は死なさない野郎なのだが、朝ドラ「らんまん」みたいに、功名心に溺れてもらいたい気もする。しかし、要潤も懐深いなあ。と言うより、この役は懐浅くても出来る様な役だな。
杏ちゃんが鈴木亮平のライバル医師。たいへん厭味ったらしいセリフなどを予告編でバンバン流しているが、基本、鈴木亮平と同じ血が流れているので、徐々に鈴木亮平に寄っていく。この辺はキャスティング上から最後まで悪役のままでは終わるまいと思っていたがその通り。本当に鈴木亮平のアンチテーゼを作るなら、「最高の医療技術を持ちながら人命救助には鼻くそほどの興味もない」みたいな人物像になるから、それはそれで無理な話だ。
いやまあ、でも、面白かった。


【銭】
会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室@映画.com

高熱発生

2023年8月7日月曜日の元ツイッターXさんから引用すると、

土曜に39度の熱が出て日曜にインフルとコロナどはない事が分かった。薬で熱抑えて勤務中。

原因不明の高熱を出してました。以下、経緯。

8月5日土曜朝、36度8分くらいで熱っぽいが、外気温が高いからだろうと通勤。外気温に合わせて体温も上がる。流石変温動物。普通に作業を終わらせて、鼻水が滝のように(比喩表現であり本当に滝のように鼻水が出たら死ぬ)出るので、映画的な寄り道はせずに帰宅。家に帰って熱を計ったら38度台になってる。ヤバい。だが、高熱の自覚症状はない。これはコロナかと思い、とりあえず近隣で調べてもらえる医者をネットで探す。徒歩5分圏内にある。持ってるじゃん、俺。そうこうしているうちに39度に突入。熱はちょくちょく測ってしまう。他に病気に対してやる事がないから。味覚落ちてない事がコロナじゃないと言う心の支え。

8月6日日曜朝7時、近くの病院のネットよーいどん予約に負けて13番に。熱はいったん下がって37度。だがしかし、日曜診断やってもらえる町医者はありがたい。「高熱」である事を病院に8時45分くらいに電話。病院側に緊張が走る事が電話を通じてでも分かる。番号13番とか開業9時とか無視してすぐ来いと言われる。すぐ行く。普通に他の患者に出来る限り接触させないと言う配慮だろう。病院に着く。まだ客はゼロ人。看護婦さんだらけで、何かの間違いでアラブの油田王の財産が手元に入るなら、こういう専門の風俗を作る。基本的に何も触らないように腫れもの扱いで奥の個室まで。外に向けてドアが開いていてサーキュレーター回ってるとても喚起のいい部屋に通されて問診票を描く。「暑くてすいません」と言われるが、ちょっと寒いくらい。実は、医者の先生が渋滞に巻き込まれ到着に時間が掛かる事が分かり、40分ほど自宅に戻ってはと促される。やる事ないからそうさせてもらって、又、ボッチ部屋へ戻ってくる。診察する。鼻の中に針金みたいの入れられてコロナでもインフルでもない事が判明。これが判明した時点で通常の診察室に移される。病因は何?と言うとそれは明確には分からんらしい。でも、大雑把には身体を悪くする雑菌を体内に入れたのだろうという事で抗生物質を処方される。抗生物質そのものとアンチ抗生物質。抗生物質その物のみだと、雑菌だけでなく全てを滅ぼしてしまうから抑えが必要であるらしい。何それ怖い。コーヒーにミルク入れるようなもんか。このセットを毎食後バッチリ七日分。それとは別に頭痛痛み止め解熱剤合わせた奴を5回分。薬飲んで一日寝てる。

8月7日月曜。解熱剤で37度くらいまで熱を抑えて通勤。人手が必要な朝シフトをこなす。13時で希望早退。翌日火曜は公休日。翌々日水曜日はシフト上、早退が可能なので、できるだけここ三日で短期で直したい。ともかく温かくして寝る。汗をかく。他が分からん。薬の合間で熱が38度8分まで上がる。不安。

8月8日火曜。熱38度台。不安になってネットで薬を検索。即効性ではないらしく、それで逆にちょっと安心。少しずつ燃料投下し、最終的には有無を言わさず近辺を制圧する的な攻め方をするらしい。敵にしたくない。年老いた母に再度病院に行けと言われるが、薬はすぐ効く訳でない事をタテにして断る。

8月9日水曜。熱37度2分で出勤。13時で希望早退。午後、鼻水は変わらないが熱はぐんぐん下がる。37度台から36度とかへ。結果が伴うのは良い。嬉しい。

8月10日木曜。熱35度2分で出勤。17時までフルタイム出勤。熱は下がるが病状に変化がないのは本当に治っているの?このまま熱だけぐんぐん減ってお仕舞じゃないよね。

8月11日金曜祝日。熱35度5分で出勤。まだ確かに風邪ではある。病状も改善されてない。でもまあ、もう少し待ってみるか的な気分。13時半早退。

ここまでで一回UPして、薬が終わるまで徐々に書き足していって終わりにします。

8月12日土曜。熱36度5分で出勤。普通に仕事はできるが鼻と喉はまだダメな状態存続。13時半早退。

8月13日日曜。普通に休日熱36度0分。鼻はかなり乾いてきたし、喉もいがらっぽいんだが納まってきたように感じる。日曜の朝で処方箋は終了、ここから市販薬に移行。まあ、自分目分量的にかなり大丈夫そう。グツバイ高熱。

『グリーンバレット』『最強殺し屋伝説国岡 外伝 国岡ツアーズ大阪編 蘇る金のドラゴン・なにわアサシンの逆襲』『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

阪元裕吾で未レビュー3本。

◆『グリーンバレット』シネ・リーブル池袋2

▲てんこ盛り(決してチンコ盛りではない)

五つ星評価で【★★★★国岡快調】
ツイッターでの最初の感想(↓)

おおお。ラストに向かってエモさが増す展開に萌える。タイトル出る瞬間がかっけー。国岡が呑み込んだ話は何なんだろう。国岡アクリルキーホルダーが劇場で売り切れてたの草(笑)。

ミスマガジンの女の子全員を殺し屋候補としてキャスティング、みんなダメダメで、ダメダメなので後半あがる。国岡自身の見せ場は勿論だが、女の子一人一人にも見せ場を用意してあげるのがとても優しい。


◆『最強殺し屋伝説国岡 外伝 国岡ツアーズ大阪編 蘇る金のドラゴン・なにわアサシンの逆襲』シネマロサ1

▲とは言え、アクションは本気だから燃える。

五つ星評価で【★★乗れなかった】
まあ何つーかタイトル長いわ。もう覚えとらん。


◆『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』新宿ピカデリー4

▲最下層側。

五つ星評価で【★★★★★超ノリノリ】
ツイッターでの最初の感想(↓)

内容ねーんだけど無茶苦茶おもろい。ジョン・ウィックより断然こっちが好み。


相変わらずダラダラしてて、普通の事が出来ない二人だが、今回は敵役が驚くべきことにスケールダウン(普通そんな事しないでしょ)。彼女たちの座を奪おうとする新人の殺し屋で、彼女達以上に生き方が不器用。この底辺決戦が泣ける。どちらが勝っても悲しい話だ。もちろん主人公が勝つのだが。「みんな幸せになりました」みたいな逃げ方をせず、決着を付けたのは偉い。


【銭】
グリーンバレット:テアトル会員券割引1300円。
最強殺し屋伝説国岡 外伝 国岡ツアーズ大阪編 蘇る金のドラゴン・なにわアサシンの逆襲:シネマロサ水曜割引1100円。
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー:ピカデリー前回有料入場割引で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
グリーンバレット@映画.com
最強殺し屋伝説国岡 外伝 国岡ツアーズ大阪編 蘇る金のドラゴン・なにわアサシンの逆襲@映画.com
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー@ノラネコの呑んで観るシネマ
▼関連記事。
阪元裕吾関連記事リンク▼@死屍累々映画日記・第二章

阪元裕吾関連記事リンク▼

▼関連記事(阪元裕吾関係)。
①・ファミリー☆ウォーズ@死屍累々映画日記・第二章
②・ハングマンズ・ノット@死屍累々映画日記・第二章
③・ある用務員@死屍累々映画日記・第二章
④・ベイビーわるきゅーれ@死屍累々映画日記・第二章
⑤・最強殺し屋伝説国岡 完全版@死屍累々映画日記・第二章
⑥・グリーンバレット@死屍累々映画日記・第二章
⑦・最強殺し屋伝説国岡 外伝 国岡ツアーズ大阪編 蘇る金のドラゴン・なにわアサシンの逆襲@死屍累々映画日記・第二章
⑧・ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー@死屍累々映画日記・第二章

『虎鮫島脱出』『河上の別荘』『最後の一人』『血涙の志士』『四人の復讐』『ハリケーン』『ドクター・ブル』『世界は動く』『ウィリーが凱旋するとき』『贅沢は素敵だ』『密会』

旧作囲みで10本。

◆『虎鮫島脱出』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★みんないい人好きじゃん】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1936年、白黒、97分、初見、ジョン・フォード監督作品。
リンカーン暗殺事件の犯人を看病したために、事件の共犯として捕らえられた男の囚人島での辛い生活とその名誉回復。後半の「そうだろそうだろ、いい人、苦しめやがって」感の競り上がりが強い。みんないい人が好き。


◆『河上の別荘』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★記憶にございません】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1930年、白黒、85分、初見、ジョン・フォード監督作品。
河上の別荘は刑務所であり、『必殺仕置人』の天神の小六みたいに有力な受刑者が好き勝手に外に出て、外の善人が詐欺に苦しんだりするのを防いだりして、最後は刑務所内の野球大会で大活躍みたいないかれた筋書きなのだが、全く覚えていない。もういい歳ではあるのだが、まだこの映画を見るには早かったみたいだ。


◆『最後の一人』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★熱いダチョウ倶楽部展開が見られるが、おでんは関係ない】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1930年、白黒、74分、初見、ジョン・フォード監督作品。
潜水艦乗り奇譚。
A「最後の一人は死ななければならない。誰がやる」
B「俺だ」
C「俺だ」
A「俺がやる」
BC「どうぞどうぞ」
みたいなダチョウ倶楽部展開が見られる。


◆『血涙の志士』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★おんまさんはいい】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1928年、白黒無声、71分、ブログを見ると2回目らしいが初見の記憶なし、ジョン・フォード監督作品。
親の勧めで恋人がいるのにクズ男と結婚してしまうヒロイン。最初からそんなん上手く行く筈ないだろ感抜群で、勿論、上手く行かない。元の恋人と復縁が分かっていてもクズ男を見てるのが割と苦痛。


◆『四人の復讐』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★四人も息子がいるなんて絶倫。母親がいないんだよなあ】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1938年、白黒、86分、初見、ジョン・フォード監督作品。
四人兄弟が殺された父の汚名を晴らすために駆け回る。最終的に黒幕らしき人物が浮かび上がってくるのだが、それは次男の恋人の父親。四人はその黒幕らしき人物に会って尋ねる。「あなたが犯人ですか?」。いや、そんな直接的な。4人いるとそれぞれ観客が自分に合った推しを見つけられそうだが、『一人息子の復讐』でも、脚本を練ればいけそう。四人それぞれを活躍させないといけないから話が浅いのに取っ散らかった気がする。


◆『ハリケーン』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★ハリケーン!】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1956年、白黒、79分、初見、ジョン・フォード監督作品。
ハリケーン描写に鬼気迫るものがある。
人種と宗教・政治の対立などは融通通せよとしか思わんが、通せない所がドラマを生むのだからしょうがないか。


◆『ドクター・ブル』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★頑張れウィル・ロジャーズ】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1937年、白黒、110分、初見、ジョン・フォード監督作品。
『プリースト判事』のウィル・ロジャーズが今度は医者になって、下町の世話を焼きまくる。一生懸命仕事をしてもゴシップに掻き消され、正当に評価されないのが身につまされる。社会から評価されづらい毒舌の立派な善人という役どころがウィル・ロジャーズに合っている。


◆『世界は動く』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★スケールでけえな】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1934年、白黒、105分、初見、ジョン・フォード監督作品。
アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスを拠点とする事業家一族の愛と闘いの日々。第一次世界大戦から世界恐慌を経て、第二次世界大戦の手前まで。スケールで絵画、登場人物が多くてちょっと置いていかれた。


◆『ウィリーが凱旋するとき』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★★むちゃくちゃおもろい】
特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」の1プログラム。
1950年、白黒、83分、初見、ジョン・フォード監督作品。
前半が鬱、後半が躁。どっちも振り幅が広すぎて話の展開がムチャクチャで、それがたまらん。面白い。
『博士の異常な愛情』のキングコング少佐の曲が掛かるのが嬉しい。


◆『贅沢は素敵だ』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★素敵らしいよ】
特集「初期ドン・シーゲルと修業時代」の1プログラム。
1952年、白黒、80分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
登場人物がみな腹に一物抱えてるような映画は頭が悪いから苦手。


◆『密会』神保町シアター
五つ星評価で【★★★★★きゃーサスペンス】
特集「サスペンスな女たち」の1プログラム。
1959年、白黒、72分、初見、中平康監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

あーおもしれえ。いざとなると女の方がずぶとい。ラストの畳み掛けが超スタイリッシュ。女中の頭悪そうな感じも凄い。野良犬いい仕事。小田急線梅ヶ丘の四番ホームというのが今となっては謎。

あと、ラストちょっととだけ出てくる基本、話の筋に関係しない老婆が妙に禍々しくて怖い。
密会する教授夫人とその教え子の男子生徒。彼らは密会現場に乗り付けてきたタクシーの運転所が客に殺される現場に出会う。目撃事実を明らかにすれば、密会がばれてしまう。ノイローゼのように警察に駆け込みたがる男子生徒を夫人はなだめるのだが。
すぶとく利己的だが魅力的でもある婦人を桂木洋子が好演。
ラスト5秒まで気が抜けない素晴らしい映画。


【銭】
虎鮫島脱出:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
河上の別荘:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
最後の一人:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
血涙の志士:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
四人の復讐:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
ハリケーン:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
ドクター・ブル:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
世界は動く:シネマヴェーラ渋谷一般料金1200円-会員割引400円。
ウィリーが凱旋するとき:シネマヴェーラ有料入場9ポイントを使用した無料入場。
贅沢は素敵だ:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
密会:神保町シアター一般入場料金1300円。

シネマヴェーラ渋谷が特集「二十一世紀のジョン・フォード PartⅢ」を最後に値上げ、無料入場時のポイント回数が変わる事が分かってポイントを使いまくった。一般料金1200円→1300円。無料入場時のポイント回数9ポイント→10ポイント。

▼作品の概要はこの辺り見てください。
虎鮫島脱獄@映画.com
河上の別荘@映画.com
最後の一人 潜航艇哀話@映画.com
血涙の志士@映画.com
四人の復讐@映画.com
ハリケーン(1937)@映画.com
世界は進む@映画.com
密会(1959)@映画.com

『虎鮫島脱出』は映画.com内では『虎鮫島脱獄』というタイトルで表記。
『世界は動く』は映画.com内では『世界は進む』というタイトルで表記。
『ドクター・ブル』、『ウィリーが凱旋するとき』『贅沢は素敵だ』は@映画.comに作品情報なし。
▼関連記事。
血涙の志士(初見)@死屍累々映画日記・第二章

『サマーウォーズ』ユナイテッドシネマ豊洲5

◆『サマーウォーズ』ユナイテッドシネマ豊洲5

▲ヒロイン枠の女の子の服がすげーシンプル。

五つ星評価で【★★★★★物語に没入する面白さ】
特集「夏に観たぃアニメーション映画特集」の1プログラム。
2009年、カラー、114分、二回目、細田守監督作品。
おもれーのなんの。
ありえそーなラインで、ありえない事を描く。それも見た事のないような角度で描く。そして、観客に与えられる感情の緩急が素晴らしい。主人公、女の子、女の子の祖母、女の子の初恋のおじさん、ネット対戦する女の子の従弟。これが主要5人で、後はガヤ扱い。但し、ムチャクチャ設定が細かいガヤ。このガヤがちゃんと描き分けられているけど、観客からは個人個人ではなく、「家族集団」という大きな単位に変換され、ストレスなく見れるのが素晴らしい。消防士や救命士や自衛隊の兄ちゃん達なんて、誰が誰だか分からないけど、それはそれでどうでもいいし、女の子の親世代も容姿は違えど集団的には全部パックで動くのが親切。
女の子が整っていて可愛いんだけど、作画がそこに注力する訳でもなく、「どっちかって言うと美人」程度に描かれているの好感度上がる。また、主人公らしくない声がピッタリの神木隆之介のヘタレ振りもステキで絶妙だった。そして永井一郎がやっぱ永井一郎声でいいんである。聞いてて安心。


【銭】
企画特別料金1600円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
サマーウォーズ@映画.com
▼関連記事。
サマーウォーズ(初見)@死屍累々映画日記・第二章
サマーウォーズ(初見時プレ)@死屍累々映画日記・第二章

『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』MXTV

◆『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』MXTV

▲みんな黒タイツ好きすぎだろう。

五つ星評価で【★★★★やべえ。おもしれえ。】
2019年の劇場公開時にタイトルに惹かれて見て全然分からなかったのだが、今回はTVシリーズ全話を見てからの再鑑賞である。やべえ。むっちゃおもしれえ。前回鑑賞時はともかく出てくるキャラの多さに翻弄されたのだが、TVシリーズ見た後だと、TVシリーズの登場キャラを一人も逃さないように頑張ったのだという事がよく分かる。ただ、一見さんには冷徹だ。そもそも「思春期症候群」なる物が何であるかが分からずに見ているのと、分かって見ているのとでは話の引き込まれ方が違う。と言ったそばから今でも「思春期症候群」が何であるかは良くは分かっていない。どうもアニメのTVシリーズは原作の最初から作られている訳ではなく、「思春期症候群」はその世界にある物として言葉が使われ、その言葉の意味その物は説明されていないのだ。思春期の少年少女の強い思い込みに端を発する常識を超越した変な事。例えば、世界から見えないものとして切り離される、同一時間が繰り返される。同一人物が同時存在する、等。物語が進めば実践として理解は進むが、いい大人としては「理屈が勝ったウソ話」だなと思う。でも、「ウソ」でも「本当」でも説得力を持たせれば「話」は成立する。だから、いい大人としては、これはこれで「面倒くさい話」を作ったもんだとは思うし、リアルとも思わないが、話に溺れるくらい面白いとは思う。ただ、物理音痴なので時間を巻き戻せる理屈とかはよく分からない。この辺、不動産や儲からない金融商品を売りつけようとする詐欺師と相対しているみたいだ。何だか分からないが言いくるめられる。物語ならそれでいいだろう。
主人公なのに社会的にヒエラルキーの低いサクタ、だが、優しくて人の不幸を見過ごせない。こんな人物は嫌いになれない。であるが、そのヒエラルキーの低いサクタに何かとオモチャのように振り回される「こがちゃん」が一番好きかな。

二作目の映画同様、サクタが恋人からタイツ足でつねられるシーンがある。青少年の性癖を狂わせるカットだな。青少年でなくなってから既に干支を3か4回転くらいしてると思うのだが、ああいうのはされてみたい。あれだけやる風俗があっても行かないと思うけど(それがあって、それだけじゃないなら行かないとは言えない)。


【銭】
地上波TV放映で見たので無料。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない@映画.com
▼関連記事。
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(映画第一作一回目)@死屍累々映画日記・第二章
青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(映画第二作)@死屍累々映画日記・第二章
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fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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