FC2ブログ

ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『日日是好日』シネ・リーブル池袋1

▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★これはこれでよし】
黒木華+多部未華子+樹木希林の割合が見る前は「4:3:3」くらいかと思い込んでた。
黒木華と多部未華子が茶と出あい惑いながらも、樹木希林に教えを受けて少しずつ茶に親しんでいく、そんな軽コメディーという認識だった。見終わった後は「7:1:2」。もう、純粋に黒木華の主演映画で、樹木希林と多部未華子ははっきり助演だった。個人的にはもう少し多部未華子側独自の心情やドラマも見たかったが、多部未華子も樹木希林も黒木華と共演している場面でしか出てこない。あくまで映画の主観が黒木華にあり、黒木華が体験していない事は登場しない。黒木華はエスパーではないので、多部未華子や樹木希林の思っている事は発言したセリフやその時の表情からしか窺い知れない。
小説ではなく、エッセイが原作という事で、作者が感じた事を羅列するという姿勢が貫かれている。劇のように伏線が張られたり、ドラマチックな展開はほぼない。あえて避けているのかもしれない。淡々としすぎていると低い評価を付けてしまう人もいるかもしれないが、この映画の描き方は「茶」という主題と相まって、実に適していると思う。私自身は大声を張りあげたり、喜怒哀楽が500%増しみたいな嘘のようにドラマチックな映画や爆撃のように落涙を誘う映画が好きではあるが、これはこれで居心地の良いいい映画だと思う。あ、ただ、そういう描き方だとは分かっていても天才の女の子のその後とか全く触れられなかったのは「ちょっとどうよ」と流石に思った。勿論、あの子はそういう劣等感を刺激するような出来事ですら後になって考えてみれば「日日是好日」の一端であったのだろうという意味合いで再度出す謂れはないのだけど、やはり気にはなるじゃん。

贅沢なのは黒木華の演技に使われる間だ。間がたっぷり長い。お茶をゆっくりじっくり味わうように黒木華の表情の代わりゆくさまを堪能できる。こんな映画を主役として作ってもらえて黒木華は幸せだ。そして、その幸せに答えるような演技で映画に報いている。

多部未華子は風が吹くように黒木華と笑いあっている。トロトロのお湯ではなく、水が跳ねるようにキャッキャッ笑う二人の音の可愛く気持ち良い事。ハァハァ(←おいおい)。

樹木希林は流石、ちゃんとしていて、演技に嘘がないように見える。いや、多分、演技とは演技その物が嘘であるのだから、その嘘すらないようにその人の佇まいが正しく見えるという事か。犬の椀の話とか、病んだ身で、ああ軽やかに受けている事を考えると凄い女優なのだと再認識する。何、いつも通りの樹木希林と言うだけなのだが。日本映画界は樹木希林の座を継ぐ「癖が強い癖に威圧感の薄い老婆」を探し出さなければいけない。一応、癖の種類が違うのだけど、かなり近い所にいるのが中村玉緒か。樹木希林か「あぶらすまし」のように画面の脇にいる存在なら、中村玉緒は「天狗」のように主役に突っかかってきて話を能動的に動かしてしまう空気感があるから、やっぱり違うは違うんよなあ。樹木希林、絶妙な添えもの感。最近、出演本数が増えてる富司純子は閻魔大王並に威圧感が大きいし。

★ここからはオマケ
※① あのメンツだからもっとやれたのではと言う感想ツイートを読んで思った事。
茶の道に対してみな超プロに徹した映画として作ったらどうだろう?
19秒で茶をたてて、19秒で飲み干して、19秒で茶室を出る。
※② これ以上のキャストはあまり思い浮かばないと言う感想ツイートを読んで思った事。
でも、試しに教わる側が叶姉妹、先生が富司純子みたいな限界突破の組み合わせも見てみたいと思わなくもない。まあー、でも、それははっきり言って別の映画だよなあ。
※③ せっかく畳がいっぱい出てきたのだから一回くらいは誰かが畳返しをしてもよかったのではないか(いや違う)。
※④ 一回くらい黒木華、多部未華子、樹木希林の三人で腹ふりダンスを踊ってくれてもよかったのではないか(何だよソレ、おいおいおいおい)。
※⑤ ドラマチック要素をもう少し増やすなら、黒木華が小さい頃に見た映画をフェリーニの「道」ではなく、冒険する熊ブリグズビー・ベアの冒険ドラマにしておいて、小さい頃は誘拐されていた事にする。黒木華は怒られる。熊の事は忘れて茶に専念しなさい!
※⑥ ドラマチック要素をもう少し増やすなら、黒木華と多部未華子が遊ぶ浜辺に巨大メガノドンが漂着する(もう何でもええんやろ、それなら)。
※⑦ 「日々是好日」で思いだすのはヒカシューのアルバム「噂の人類」の中の一曲「匂い」の歌詞。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
日日是好日@ぴあ映画生活
スポンサーサイト

『パンク侍、斬られて候』丸の内TOEI②、渋谷TOEI②(ネタバレ)


▲バックのピンクが映画の特殊効果を思い出させて綺麗。

バリバリネタバレするで

五つ星評価で【★★★,★★★★見直してやられた】
見る前にまず、大当たりか大外れかのどちらかだろうなあ、と思ってた。石井岳龍はそういう監督なのである。近年更にその傾向が強まってる深まってる。だから、そんな石井岳龍に金を渡してこんな怪作をホイホイ作らせてしまった東映は流石にカタギの映画会社じゃないと言おうか、それでこそイカガワシイ見世物屋風情と言おうか、いやいやいやいや褒めてるんです。まあ、興行なんて博打ですから。 当たる時もあれば外れる時もある。石井岳龍の映画で当てようなんて、それがそもそもの矛盾だもの(そこまで言うのもどうか)。

で、鑑賞一回目。予告編に流れるロック同様、音楽と絵がかっけーくて、頭から尻まで目茶苦茶で、決してそんなに嫌いじゃないけど、褒めるのは恥ずかしい。だって前半の中弛み具合が半端ないし、主役の綾野剛もかっこ良くなければ、横に立つ北川景子もダンスシーンを除けばそんなに良くないんだもの。しかも、ダンスシーンは予告で見た所以上の尺はないし。
うん、褒めつらい。褒めづらい。
永瀬正敏が猿やってるからって褒めないでしょ、そこは(ナレーションは味があって変に良かった)。
だから、ツイッターでの感想も、北川景子がやってくれるなら「パンツ侍」が一番見たい、とか書いた。それはそれで心の声だ。見たいよ、北川景子のパンツ侍。いや、パンツがダメならノーパン侍でもノーパン始球式でも一向に構わん。ノーバン始球式はどっちかと言うといらない。

何か、見逃したり見落としてる気がして(実際中弛む箇所でちょっと寝落ちしているが)、前売券が値下がりしてたのでもう一回見に行った。 そしたらドンピシャ面白かった。別にヤク打って見に行ったとかじゃねーよ。
次、二回目見た後のツイッター感想。

物凄く酷評してる人もいる「パンク侍」再鑑賞なう。メタで面白い。最初に殺されるのは原作者の町田康。そしてその子供(物語)が名前通り物語の最後になる。浅野忠信が最後にいたのは便器だろうし、次のカットで綾野剛が水を飲んでるのは便器から。猿は形而上。バカは形而下

混乱しながら法則性が発見できてとっても楽しい状態。
前回同様、中弛みはあった。綾野剛が豊川悦司に丸め込まれて腹ふり党を再起させ、それが東出昌大の藩に雪崩のように押し寄せてくるまでは何だかテレンコテレンコだらだらで停滞してる。すっ飛ばしたい。
ただ色々な構造に理由を付けて解釈していくと繋がって面白い。
とてもメタな話だが、物語の冒頭で主人公に斬られるのは原作者の町田康。最初っからオリジナルを全否定する宣言の体現。そら、パンクだなあ。
そして、その斬られた原作者に寄り添っていたのが目が見えない振りを強要されていた「ろん」と言う少女。町田康の娘である。町田康が作者なら、この娘はこの物語その物と言ってもいいだろう。
では「ろん」とは何か? 麻雀の「ロン(終了宣言)」ではないか? 
物語を作る世界創成の神である父(町田康)に寄り添う物語の成り行き「完(ろん)」。最後の最後で主役にして世界を冒頭から破壊した最大の異物・綾野剛の命を奪い、物語を終了させる。物語を破壊する者が物語から斬られて「斬られて候」と名付けられるのが、この物語。とは言うものの、この「ろん」自身は面白くない。「ろん」は美貌だけの女、形だけの女なのだ。だから、形通りに終わりを呼ぶだけの役目だ。

実質の終わりを引っ張ってくるのは浅野忠信演じる危ない男、茶山半郎。ちょっと訛って「半ろん」。半分終わり。「腹ふり党」の元党首をも裏で操っていた幹部。この男のみが物語の中で解脱して、ステータスをあげる。他の者は置き去りになるか、死して退場するか、彼の養分になる中、それら全ての事象を自分に使いきって、神の様式便所にまで辿り着く。その先の事は誰にも分からない。それはこの物語の中の事ではないからだ。神の便所から流されてしまうかもしれないし、神の便所から神の尻の穴に逆流するやも知れぬ。洋式便器にいる浅野忠信のカットのすぐ直後に便器らしき物から水を飲む綾野剛のカットに繋がるので、浅野忠信もまた、綾野剛に人知れず吸収されたのかもしれない。

この物語で戦うのは二つの勢力、猿と腹ふり党である。腹ふり党はともかく梵我一如の為には腹を振って踊るという謎の集団である。猿は猿としか言いようがない。腹を振るというのは腸を刺激して快便に努めるという事であろう。この教義は下世話に見えて実はそんなに馬鹿にした物でもない。弱肉強食の頂点に立つ者は、言って見れば糞をひる事が世界に対しての仕事だ。この集団の中でトップに立つ者が実は綾野剛が差し出した間者である士分、染谷将太演じる幕暮孫兵衛である。彼がトップに立つのは「腹ふり党」が「腰振り刀」に準じ、実は弱肉強食の頂点、更に士農工商の頂点、惰眠を貪り糞をひると言う侍の属性とリンクするからではないか。つまり、腹ふり集団内で唯一の存在に見える侍こそ、特に惰眠を貪ってきた侍こそ、腹ふり党トップの資格に値する。この腹ふり党は形而下(肉体)から解脱に至ろうとするチーム。手塚治虫版ブッダでいうところの苦行から解脱しようとするチームだ。

それに敵対するのは猿。
直感的に感じるのはどう見ても腹ふり党より猿の方が知的である。更に侍集団より永瀬正敏演じる猿の方が知的である。おそらく映画を見ている観客の誰よりも永瀬正敏の猿の方が知的である。恐るべし猿。という訳で、猿は形而上(精神)から解脱に至ろうとするチーム、という事にしておこう。猿はどこかに辿り着いたようであったが、それがどこであるかは分からない。

知恵がある者がその知恵から世界を再認識する時、俗界に蠢く有象無象が自分の身一つで世界を捕えようとする時、彼らはそれぞれ別の次元に転生する。その餌になる凡人凡夫達はただ斬られて命を捨てるばかり也。

役者で面白いのは異常な外見と内面をさらけ出す浅野忠信。
気持ちいいくらいにバカ染谷将太この二人が白眉。

綾野剛が剣を振るうと背景が変わるシーン、激カッケー。

豊川悦司はパンク侍でも、パン粉侍でもない。
豊川悦司はうどん粉侍なのである。


【銭】
『パンク侍、斬られて候』(1回目):6回分東映株主券2000円をチケット屋で買って6回分のうち1回(6枚目)。
『パンク侍、斬られて候』(2回目):前売券をチケット屋で650円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
パンク侍、斬られて候@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
パンク侍、斬られて候@お楽しみはココからだ

無印良品「アップル烏龍茶」


無印の新商品。商品名下に「無果汁」とわざわざうたっているので、「あ、香料でリンゴ風味を付けてるのね。最近そういうの多いよね」と納得しようとしたのだが、原材料欄見ると「烏龍茶、りんご果汁、香料、ビタミンC、酸味料(クエン酸)」って果汁入ってるじゃん。エネルギーも0Kcalなので、おそらくあまりに微量なので「果汁入り」とうたえないのだろう。原材料欄は確か製品に占める割合が多い順に並んでるので、「「香料、ビタミンC、酸味料(クエン酸)」とか入ってなくてもいんでね?」ってくらいしか入ってなさそう? まあ確かに「烏龍茶」より「ビタミンC」の方が上位に並んでいたら液状にすらならないかもしれないけど。

あ、味は美味いよ(俺基準)。

上野オークラで城定新作と白衣の横浜ゆきと椎名りく20181005-20181011

新作が城定監督の作品と知り足を運んだ。ナポレオン睡眠の効果で城定作品以外の2本は割とスカーっと寝た。

◆『世界で一番美しいメス豚ちゃん』

▲一番美しいシーン

五つ星評価で【★★★普通にいい感じよ】
百合華 主演、並木塔子、守屋文雄 出演。
城定秀夫監督、鈴木愛、城定秀夫脚本。2018年のピンク映画。
R15作品『恋の豚』のレイティングR18作品。

思い付いた事を断片的に。
・美津子(並木塔子)の家には部屋の中に花が活けてある。
 生きるだけのマリエ(百合華)とは生活のレベルが違う。
 そういう生活ランクにこだわりを見せないのがカズ(守屋文雄)。
 ただ、エアコンはないとキツそう。
・美津子の車、値段も高そうだが防御力が高そう。
・冒頭、マリエの折れるヒールはハート型。
 その後マリエの厚底は常に全面厚底。
・マリエが自販機の下にうずくまってるのに
 関係なく自販機を使うカズが異常で面白い。
・SEXに直面して仏像が困った表情するの趣きがある。
・借金取り事務所シーン、2回あってどちらもおもろい。
・顔面騎乗を受ける男の手足のピクピクバタバタの演技がたまらない。
・成人映画サイトPGに載ってる粗筋がかなり企画最初期の物らしい。
 『もののけ姫』がノホホン路線だったくらい信じられない。
・テアトル新宿と比べて喘ぎ声の高音がよく響いてるような気がする。フィルム違いのせいというよりは気のせいかもしれない。


◆『白衣絶頂 夜の天使たち』
旧題『おしゃぶり天使 白衣のマスコット』
五つ星評価で【★★寝ちゃったからなあ】
横浜ゆき 川瀬陽太 主演 林田ちなみ 奈賀毬子 出演。 
榎本敏郎監督、井上紀州、榎本敏郎脚本 2000年のピンク映画。初見。

・映画『銃』の予告でリリー・フランキーが言う「人を殺すと普通の理性ではいれないそうですよ」と言ってるセリフの実践編みたい。先付けムービーでキネカ大森の館長にまで伸し上がった男、川瀬陽太の若い時はちょっと小栗旬似じゃない? フライパンで2、3発叩いてそうだとしても。胸毛の生え方がブラっぽくてかっこ悪い。でも、世界にがっぷり四つで向きあって、じっくりと狂っていく川瀬陽太の姿はアナーキーでよい。
・その川瀬陽太とヨットの先端部分に乗ってFUCKする横浜ゆきもなかなかステキ。
・そう言えば奈賀毬子なんていたなあ。


◆『祇園エロ慕情 うぶ肌がくねる夜』
五つ星評価で【★★】
椎名りく、大野ゆか 主演
加藤義一監督、岡照男脚本 2009年のピンク映画。

私、椎名りくが好きだったから、崩した顔の演技とかできるの知ってる。でも、そっち方面ばかりやられるのもちょっとキツい。


【銭】
上野オークラ、一般入場料金1600円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
世界で一番美しいメス豚ちゃん@PG
おしゃぶり天使 白衣のマスコット@PG
祇園エロ慕情 うぶ肌がくねる夜@PG
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
世界で一番美しいメス豚ちゃん@横浜のロマンポルノファンのブログ
▼関連記事。
恋の豚@死屍累々映画日記

『座頭市地獄旅』シネマヴェーラ渋谷

五つ星評価で【★★★★やべーおもしれー】
1965年、カラー、87分。初見。
三隅研次監督。
特集上映「映画は大映、ヴェーラも大映」から1プログラム。
勝新太郎の座頭市はこれで3本目。ほとんど見てない。

やべー。おもしれー。陽の部分も陰の部分も合わせ持つ成田三樹夫がすげーいい。困っている人を見れば助けるし、気に入った相手とはトコトン付きあうが、癇癪持ちの気もあり、自分が起こした事件に対しての始末を誰に知られる事なく着々と片付ける計略家の側面も見せる。そして勝新太郎の座頭市と気配で殺気を探り合うような剣の達人。
座頭市の方が、この成田三樹夫と一戦を交える心情に付いて映画内で語られないので、とてもチグハグに見えてしまう。座頭市は「極悪」でこそないが、単純な「善人」という設定でもない。仇討の兄妹に同情したとしても、それで自分を何回か助けてくれた成田三樹夫に刃を向けるのは感情の流れとしてどこか淀みがあるように見えてしまう。整理が付いていない。
風呂場から浮きを持って帰り、それを隠した座頭市に対して、強烈な殺気を浴びせる成田三樹夫。あの場面の近くに成田三樹夫に「自分が摘んでしまう前に余計な動きをする駒は取り除いてしまわないといけないからな」とか言わせておけば、対決の気運が高まったのに。おそらく、あの殺気のやり取りをした時点で、対決は避けられなかったのだろうが、それをスムーズに観客に提供できなかった脚本か演出はちょっとしくじったと思う。

音楽が伊福部なので座頭市がどこか大魔神っぽい。

ヤクザの親分、遠藤辰雄。この人の演技、違う演技を見た事がない。いつもあまりに同じなので癒される。

仇討兄妹の妹役が林千鶴と言う人で顔立ちが志保美悦子に似てる。この男装がまあ、カワイコちゃん男装で、ついついグッと来てしまう。それでも遠目からは男に見えるだろうから、長旅で男装している理由がないとは思わない。ただ、戦国時代から江戸時代に関して士分階級ではそこそこBL関係も華やかだったから、ナヨナヨしてる男装女子だったら「男と思われて逆に」とか妄想が止まらない。座頭市が目明きには分からなくともと言って、この妹の男装を見破るのが「何故、分かったのか」をバラさないのが無駄にエロい。匂いとか違うのかなあ。クンクン。

ラストがびっこ戸浦六宏との身障者対決。もう少し時代が勝新太郎の寿命を延ばしていたら乙武洋匡との頂上身障者対決とかも見れたかもしれない。



【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
座頭市地獄旅@ぴあ映画生活

『散り椿』『夏目友人帳 うつせみに結ぶ』『クワイエット・プレイス』『太陽の塔』

同日鑑賞をまとめてレビュー。

◆『散り椿』トーホーシネマズ新宿11

▲「お褒めいたしまする」。でも、長生きさせたいなら故郷には返さない方が良策ではないか? 返せばモメる事は分かってるのだし、現にモメて、岡田准一が生き残ったのは偶然にすぎない。

五つ星評価で【★★まあ、殺陣と役者はいいけど、脚本はきっとそんなでもない】

ネタ
P「この映画の売りは岡田准一の殺陣だ。だから殺陣にモザイクを掛けて、完全版で外す」
男客「岡田准一の殺陣がすんげーイヤらしくてモザイク入ってるらしい」
女客「何それ、さいてー、絶対行く」

殺陣は良かった。しかし、あの剣法は大上段から骨を断つような剛の剣ではなく、人体の弱点に対して着実にヒットさせて相手を出血させて死に追いやるナイフのような剣である。なら、最初の雪上の戦いからバシバシ流血させるのが本当だろう。演出としてはあそこでバシバシ流血させてないからラストの流血が効果として効くのだが、全体として嘘が残った。野討ちなどに関して、逆討ちしないという方針を取ってるなら別だが、そこまで寛容な態度を取ってるようには見えなかったし、取ってるのなら観客にそう見えるように見せるべきだ。返り血を浴びると麻生久美子が気遣うだろうから、刀による服の綻び同様知られたくはないのだろうけど、刀で服を斬られるような相手に流血を避けるために殺法を変えていたと言うのも又リアルでないだろう。いや、それより単純に妻を人質に取って嬲り殺しに掛ければいいのに、敵のバカ。
あと、下から来る太刀筋は防御しづらいから、実戦剣法として岡田准一はあの低い姿勢を取っているのだろう。なら、敵側は少し練習をさせた薙刀を使って複数で取り囲めばよい。襲撃者側からの間合が遠く取れ、間合を狭められても角度を変えた横薙ぎが出来る分、対処がしやすい(その点、槍は間合を狭められたら弱い)。と言う事も思い付かない敵のバカ。

で、そのバカの敵の奥田暎二はいい感じに爺になった。爺は近寄ると何もしなくても皺が悪さを演出してくれて良い。この人の皺は貫禄とかでなく、臆病な老人特有のそれだ。
あまり、出番がなく静かだが、蛍雪次朗の爺具合もいい。こちらは善悪関係なく、ただ老けてるっぽい。
この映画の一番の恐怖は富司純子。怖い怖い。『恋妻家宮本』でも怖かったけど引き続き怖い。
黒木華の「お優しすぎまする」がいい。あのセリフを成立させるために麻生久美子は心ビッチ女でも良かった。その方が話が分かりやすくなるし、岡田准一の孤高が引き立つ。みんな八方美人にしてしまった為、話が分かり辛くなった。
麻生久美子は恋愛を乗り越えた孤高の善人になるよりも、問題はあるが一生懸命生きた人にしてあげた方が、善人ではなくなるがチャーミングだったのではないか。
ただニコニコ笑ってるだけで芝居をさせてもらえないみたいな芳根京子も強烈。芝居をしない事が芝居と言う強烈なパラドックス。
池松壮亮がどこかチグハグ。言葉の使い方、テンポが彼だけ現代劇みたいだ。これは半分以上脚本の責任だと思うが、池松壮亮が岡田准一に心を開いていく過程が分かりやすく描かれていない。だから都度都度の態度が観客側が読み取れず、更にギクシャク感じてしてしまうのではないだろうか。

昔の事件の誰が誰を切って、どう自害に繋がったかとかはミステリー仕立てになってるが、分かっても何にもならないのであそこをそんなに深く踏み込まなくても良かったと思う。

スタッフロール、キャストロールは監督自ら書いたのだと思うが、あれは「おま、日ペンで勉強しなおせ」ってレベル(断言)。少なくとも私はあれ見て見苦しいと思った。何か達筆というよりは中学生とかの子供に書かせたみたいな字。

『散り椿』チリだから辛いか、とかも呟いてたな。


◆『夏目友人帳 うつせみに結ぶ』トーホーシネマズ新宿8

▲「こんな写真使うなよ、俺」という一枚。

五つ星評価で【★★★悪くない】
一見さん状態で鑑賞。基本、見ていてストーリーに支障を来す程分からない部分はないが、妖怪払い人・名取と夏目の関係や、夏目の同級生が夏目の能力をどこまで知ってるかなどについて、当然、知ってるよねという体で解説されないのはちょっと歯痒く感じた。

祖母から受け継いだ「夏目友人帳」。これに載る妖怪は所持者の命令に逆らえない(らしい)。んー、形を変えたポケモンだったり、妖怪ウォッチだったりみたい。

エンドロールで脚本を村井さだゆきが手掛けている事を知ったので、「あっ、いい話だけど迷走する話だったな」と得心した。でも、村井さだゆきは劇場実写版『ブギーポップは笑わない』以来、その手腕に対してかなり信頼している。

柊、笹後、瓜姫とかのデザインは好き。あの妖怪三体にいやらしい事されたい(おいおいおいおい)。


◆『クワイエット・プレイス』トーホーシネマズ新宿3

▲ヤンマーの新型ディーゼル・トラクター「駆動静香」と言う商品が売れそうな世界。

五つ星評価で【★★★★単純にこーゆー「それしかない」系の映画が好き】

ネタ
「怖い越冬プレイス」って八甲田山みたいな映画かしら(音を立てると雪崩が!)。

静かにしないと『ドント・ブリーズ』のあの男がどんな所であろうとやってくるぞ、という映画。しかも高速で破壊力抜群。

やはり、あの釘はどうにかしとけよとは思うが(しょうがないな、やっぱやっちゃったよとも思ったが)全般、問題なく見た。これはイベント映画だから多少のありえなさや設定が正しいかどうかについては目を瞑る方向。と言うよりは私、ゆるいんでそういうのあまり気づかない。

あいつがいるのに新聞社の輪転機は回せないだろうというツイートが回ってきたが、あれは回せると思う。あいつが隕石に乗って世界各国にやってきたとしても市町村レベルまで満遍なく隕石が降り注いだとは思えない。例えば日本だったら怪物映画の経験則で一箇所か二箇所。産経新聞などは東日本で印刷工場を四つ持っているので、隕石が落ちてから被害者が出始めて蔓延する中でも、その全ての工場にアレが到達するまではタイムラグが発生すると思う。だから、そのタイムラグの間、輪転機は回せる筈だ。あと、あいつが蔓延しすぎている件については『ガメラ 大海獣空中決戦』のギャオスやエメリッヒ版『ゴジラ』のように単性生殖で爆発的に増殖が可能なのだろう。『ドント・ブリーズ』のあの男みたいにスポイトをいっぱい用意してるのかもしれない(イヤすぎる)。

『カメラを止めるな2』はこの映画の設定をいただいて作れ。予算は500万だ。


◆『太陽の塔』シネマカリテ1

▲芸能山城組とか似あいそう。

五つ星評価で【★★★前半のビジュアル・ショックがもっと後半まで続いてほしかった】
最近見た予告の中でこれは凄い。見ずにはいられないと思ったのが『太陽の塔』。予告編から感じる映画としての異物感が半端なかった。

鑑賞し終わって、前半が面白い。
それは前半は太陽の塔についての議論だから。
中盤以降は塔を引き合いにしながら岡本太郎論だったり、岡本太郎を引き合いにしながらの文化論だったりで、太陽の塔その物から話が逸脱してしまうのが寂しい。「太陽の塔をより深く知る為に、そのバックボーンを」という構造なのだけど、ちょっとそのバックボーンを広げすぎてはいないか? 冒頭とラストのビジュアル的な見せ方は興奮する。ラスト、骨の代わりに縄文土器が飛んで、『2001年宇宙の旅』のスターゲイトが開くとは思わなかった。確かに『2001年宇宙の旅』の2001年は未来だけど過去だし、過去だけど未来だ。その上、あの未来は一応「人類の進歩と調和」が満たされた上に構築された未来であると思う。

▲珍しい横から見た写真。「ぱお~」


【銭】
『散り椿』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『夏目友人帳 うつせみに結ぶ』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『クワイエット・プレイス』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『太陽の塔』:映画ファン感謝デー料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
散り椿@ぴあ映画生活
劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~@ぴあ映画生活
クワイエット・プレイス@ぴあ映画生活
太陽の塔@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
散り椿@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
散り椿@お楽しみはココからだ
クワイエット・プレイス@ノラネコの呑んで観るシネマ
クワイエット・プレイス@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記

『月と接吻』神保町シアター

五つ星評価で【★★★小振りな映画】
企画「伴淳三郎と三木のり平」から1プログラム。
1957年、白黒、49分、初見。
短さに釣られて見てしまった。『ちゃっきり金太』もリメイクだが、これも戦前に成瀬が『女優と詩人』と言うタイトルで映画化してるので再映画化作品である(そっちは当然のように未見)。プログラム・ピクチャーの時代だから、この頃はこの頃でコンテンツが足りなかったのかもしれない。

女優として成功してる妻、詩人として大成せず主夫を引き受けてる夫の夫婦喧嘩ドラマ。勿論、悲惨な終わり方にはならず、割れ鍋に綴じ蓋式にまとまってハッピーエンドで終わる。まあ、そうだろ。タイトルの『月と接吻』『月とスッポン』のモジリ。上手いか下手か微妙なライン。スッポンが三木のり平。月が淡路恵子。何やるにしても上手く進まずピントがずれてる好人物にヤングのり平は似あっている。時代がもう少し後なら藤村俊二でも良かったかもしれない(稼ぎ悪そうで常に変な方を見てそう。でも悪い奴じゃない)。


【銭】
有料入場時に捺印するスタンプ5ケで無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
月と接吻@ぴあ映画生活

『ちゃっきり金太』神保町シアター

五つ星評価で【★★その締め方はいかんやろ】
企画「伴淳三郎と三木のり平」から1プログラム。
1958年、白黒、72分、初見。
エノケンの同名作品のリメイク。巾着切り(きんちゃくきり=スリ)が訛って縮んで「ちゃっきり」。~の金太=のり平が薩摩の田舎侍から密書入りの財布を掏った事により追われる身になる。この密書はのり平がトイレに置き忘れてきたので、理由なく追われるナンセンスになるのだが、思ったよりこの追っかけによるギャグが展開されないし、思い切ったドタバタも見せてくれないしで、終わり方もテキトーでゆるい映画になった。
主役の金太に三木のり平。ふーん、こーゆー人なのね。一つ一つの挙動におかしみがある(寄席的に言うと「フラがある」って奴)。強烈なギャグを手持ちにしていると言うより、他のキャストとの関係性やはめ絵が嵌らないようなおかしさが持ち味なのだろう(これ一本しか見てないから判断付かない)。「ごはんですよ」ののり平と違うのは時代劇だからか眼鏡がない。眼鏡は顔立ちをソフトにする。
スリの金太にべったりくっ付いてるルパンに対しての銭形みたいな岡っ引きが有島一郎。こっちも時代劇だからか眼鏡なしである。眼鏡がない有島一郎って初めて見たけど、けっこう人相悪い。何か唐突に犯罪とか犯しそうな顔。手足が長くてルパン三世みたいである。
財布を掏られる薩摩の田舎武士・西郷泡盛が由利徹。おいしい。由利徹出てきただけで笑いを取る。スタンスが没年時と全く変わっていない。まんま由利徹であるのが見ていてしっくり落ち着く。はっきり言って由利徹の方が好き勝手やってて三木のり平より美味しい。
どこが良いのか分からないちゃっきり金太にゾッコンな酒場の可憐な少女に扇千景。かーいーのう。有島一郎にセクハラ受けるカットは今だったら没だろう。
密書に絡んで三木のり平を付け回す謎の女に中田康子。味のある顔である。

あんな適当な終わりはないだろう。
尺分もう撮れたから終わりです、みたいな終わり方だよ。


【銭】
一般料金1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ちゃっきり金太@ぴあ映画生活

『ジャズ娘乾杯』神保町シアター

五つ星評価で【★★★話が鉄板すぎ。まあ、気楽で良いか】
企画「伴淳三郎と三木のり平」から1プログラム。
1955年、白黒、100分、初見。
芸能界でスターになりたい三人姉妹(雪村いづみ、寿美花代、朝丘雪路)と許さない芸人の父親(伴淳三郎)の衝突と邂逅。
予定調和の話に驚きはないが、井上梅次がドラム鳴らしてホーン吹かせたら、それだけでとても気持ちいい音楽とダンスの映画。細かい設定が異常に適当で、三人姉妹は姉妹ワンセットで、それぞれの役割や個性もない。三人姉妹の兄、フランキー堺の役名が「フラさん」、撮影所の助監督役・キリヤマ隊長こと中山昭治の役名は「ショーさん」。何かテキトー。中山昭二、若い頃から苦み走った実直な顔だが、けっこうダンスパートを乗り乗りで踊っていて筋肉もアリーの、なかなかの中山きにんくんなのである。そう言えば当たり前のように伴淳の妻役はいない。この手のよくある設定で男で一つで育てる為に母ちゃんは死んでしまってるのだろうな。
伴淳に関してはまだ面白さを見つけられないでいる。


【銭】
一般料金1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ジャズ娘乾杯!@ぴあ映画生活

『ザ・プレデター』『MEG ザ・モンスター』『愛と法』『すばらしき映画音楽たち』『ネバーエンディング・ストーリー』

摘まんで5本まとめてレビュー。

◆『ザ・プレデター』トーホーシネマズ渋谷4

▲「廊下でケンカしてるって先生に言い付けてやるんだからね」的なショット。

五つ星評価で【★★★プレさんは外さないっしょ】
プレさん相変わらず強くておもろいなあ。
掴みはOKみたいな最初の出会いから、研究所抜けだして、
でっかいプレさんといざこざ起こして、
そのでっかいプレさんをどうにかするまでが今回。

シュワちゃんグループをシュワちゃんを除いて壊滅させた1の圧倒的な強さを考えると、ちょっとお手頃な弱さにスケールダウンした気がする。色々条件が異なるにせよ、伝説のハンターなんだから、強さにあまり違いがあるのはいかんだろう。いろいろバタバタした展開で、今、思い起こしてもどっちがどっちのプレデターだか曖昧なのだけど(多分、子供浚われる前までが実験体で、攫われた後が図体でかい奴)、主人公の軍人の動きに話が乗っかっていて目的がブレないから見ていて見やすい。

プレさんがでっかいのは良い。
プレさんの宇宙船と米軍戦闘機の空中戦があるのは良い。
ラスト始末を付ける所のアイデアはよく考えてあるが、案外狂人とか含む地球人の軍団とプレさんが互角に戦ってるように見えるのはよくない。そもそも昔は場所も分からず銃撃不可能だったし、被弾しても効果がなく絶望的になるのが定番だったのに、今回は恐れ知らず。狂人だからか。

プレさんのメンタリティーは「キカイダー01」のワルダーにちょっと似てるかもしれない。
じゃあ、ビジンダーも出して胸の第三ボタンを開けるかどうかでドキドキさせてほしい。


◆『MEG ザ・モンスター』109シネマズ木場7

▲「積年の鱶鰭の怨みを受けるがよい蛸坊主」「蛸坊主言うな」

五つ星評価で【★★★鮫にステイタスなら外さないっしょ】
鮫がでかいだけでおもろい。映画の構成なかなか上手いし。
その上にステイサム。
女の為に勝てない鮫に向かうステイサムかっけーわ。
効果として血がドバドバというのは無しにしてるそうで、
なので年齢指定制限が付いていない。人間そのものが噛み砕かれるような描写もなかったし。では怖くないかと言うと、鮫をでかくした甲斐があって丸呑みOKなのだ。なるほど。ラストシーン、メガロドンとは別に通常サイズの鮫がチリメンジャコみたいな感じで出てくるのだが、それってメガロドンが出ないとしても、あのビーチあかんという事じゃないか?
中国人のヒロインが出てくるのは無理やり作った必然性から分からなくもないが(妥当かどうかは別)、前の奥さん出すなら、その辺りの役は前の奥さんに振った方が自然じゃないか? ステイサムとヒロインを恋愛関係に持っていくのはちょっと距離が開いてる気がする。ラストちょっとダレて意識失った。


◆『愛と法』ユーロスペース2

▲サバサバしてていい人感強いろくでなしこ氏。

五つ星評価で【★★★妙に冷静な同性愛ドキュメンタリー】
リアル『チョコレート・ドーナッツ』 in JAPAN。
でも、泣いたりわめいたり女装したりエイズで死んだりがない同性愛映画。
じゃあ、エモーショナルなのは二人が関わる裁判なのか?
それも極めて淡々と進行する。良くも悪くも上品である。
無理に下品にするのもおかしいからこれは正解かもしれんが
無駄にエモい展開が下品な私は欲しかった。
だってその方が盛り上がるじゃん。


◆『すばらしき映画音楽たち』シネマ・チュプキ・タバタ

▲「これが全部内臓だったらキモイ」とか無駄連想するダメ俺。

五つ星評価で【★★★楽しいんだけどな】
とってもよく出来た蘊蓄ドキュメンタリー。
まあでもどんなにいい蘊蓄でも2時間インタビューしかない
映画を見てるのはやっぱキツい。
『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』『スーパーマン』『卒業』『めまい』『サイコ』『バットマン』『レイダース』『スター・ウォーズ』『ロッキー』『猿の惑星』etc,etc。そら音楽かかるだけで楽しい。
久々に聞くJAWSのテーマはやっぱり大リーグボール3号のテーマに似てた。


◆『ネバーエンディング・ストーリー』シネマ・チュプキ・タバタ

▲何か姫の顔ながくね?

五つ星評価で【★★やっぱつまんねーよなー】
公開以来2回目。あのリマールが歌う「ネバーエンディング・ストーリー」が冒頭からかかって、これが小洒落たポップスでもう出だしからグズグズセンス悪い。リアル・ワールドとファンタージェンの二つの世界の物語なのだけど、リアル・ワールドに時間を割いていない分、大半はファンタージェンなのだが、ここの世界が子供だましに見えて仕方ない。荒野ばかりで、そこに岩男や魔法使いや小鬼がいる。このキャラが感情表現がダダ漏れてるぶん、ちょっとお金を掛けた着ぐるみに見えてしまう。そんな中、少年の英雄が窮地を脱する為に冒険の旅に出るのだが、この旅がひたすら場所から場所に移動する地味でつまらない旅。あ、曲がジョルジョ・モロダーだ。
最後の10分だけ面白い。

【銭】
『ザ・プレデター』:トーホーシネマズの会員ポイント6回分を使って無料入場。
『MEG ザ・モンスター』:109シネマズの会員感謝デー(毎月19日)で1100円。
『愛と法』:ユーロスペース会員割引1200円。
『すばらしき映画音楽たち』:期限無期限のシネマ・チュプキの12回券を10000円で購入、2回目使用。
『ネバーエンディング・ストーリー』:期限無期限のシネマ・チュプキの12回券を10000円で購入、4回目使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ザ・プレデター@ぴあ映画生活
MEG ザ・モンスター@ぴあ映画生活
愛と法@ぴあ映画生活
すばらしき映画音楽たち@ぴあ映画生活
ネバーエンディング・ストーリー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ザ・プレデター@ノラネコの呑んで観るシネマ
ザ・プレデター@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
MEG ザ・モンスター@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記

『夏の娘たち~ひめごと~』『憐 Ren』シネマヴェーラ渋谷(両ネタバレ)

特集上映「堀禎一監督特集」から2プログラム。

※両方ネタバレ感想です。

◆『夏の娘たち~ひめごと~』

▲オシャレ絵調だが可愛くない。

五つ星評価で【★★そんなに長くないけど後半しんどい】
2017年、カラー、75分。初見。
冒頭から込み入った設定。
養父を見取りに来た主人公の西山真来は、養父の実子で義理の弟にあたる鎌田英幸と男女の関係になった過去がある。西山真来の実父は不明であるが、養父=実父の可能性も噂されている。西山は養父の妹の元で暮らしているが、実の母については映画内に登場しない(と思えた)。
映画は西山が養父を見取りに田舎に戻った事で弟の鎌田との関係を再燃したり、父との血の繋がりが明らかになったり、それでも、鎌田と結婚に結ばれようとする中、唐突に他の男に乗り換えたり、みたいに進む。西山の結婚式の夜、鎌田は首を吊る。

書いてて話の流れを再認したが、後半、話が進むに従って西山への感情移入がどんどん妨げられる。西山も鎌田もSEXの相性がいいのか、動物としてはお互いが好きなようだ。なので、鎌田の熱意に押され、西山は近親相関である事を知りながら結婚を一度は決意する。だが、「運命の人」というフレーズにただ合致しないという一点で西山は鎌田を振る。ここの描写がほとんどない。強い衝突もなく、いつの間にか自然に振っている。そして、強い情熱の有無も観客にアピールされないまま、新しい男と付きあってしまっている。空回りする鎌田の熱意に比べて激昂したりしない西山の心の動かなさに私はピンと来なかったのかもしれない。

西山真来はガシャ髑髏を思わせる痩せた異相。同じように痩せてて、どこか風貌が似ている(でも全然美人の)『美人スチュワーデス 制服を汚さないで・・・』の桜田由加里を思いだす。どちらかと言うと桜田由加里よりは西山真来に対しての視線の方が好意的である。スチュワーデスではなく、田舎の行き遅れている女という身の丈に合った役のせいだろう。西山真来はバストが全然ないのだが、映画内では和服を着るシーンが多い。和服の襟のシーンがたるんでしまってだらしない。こういうのは誰かがちゃんと直して綺麗に着付けてあげるべきだ。綺麗な着付けができないほどのエグレ胸と言う訳でもあるまい。



◆『憐 Ren』

▲岡本玲可愛いんやけどなあ。

五つ星評価で【★★やはり商業サイズとしてはそんなに長くないけど後半しんどい】
2008年、カラー、101分。初見。
見逃してたが岡本玲見たさに足を運んでやっと見れた。
でも、岡本玲が素材以上にあまり可愛く撮れてない感じ。そういう監督と言ってしまえばそうなのかもしれないが、堀監督は岡本玲に踏み込まない。バストアップくらいはあるが、いつも遠くから全体映してるようなショットばかりだ。

アイデアは面白い。交友範囲の狭い女子高生が未来から送られた囚人で、未来永劫彼女は高校生活をループさせられる。これは「サザエさん」が実は囚人だったらというアイデアなのだ。

全てクリアされたかのようなラストもはぐらかされた感じでよく分からない。



【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
夏の娘たち~ひめごと~@ぴあ映画生活
憐 Ren@ぴあ映画生活

『スカイスクレイパー』109シネマズ木場4


▲最強夫婦。

五つ星評価で【★★★★相変わらずロック様は外さない】  
飛んだり跳ねたり殴ったり、相も変わらず大活躍のドウェイン・ジョンソンことロック様である。今回は片足義足で人質を取られる事にトラウマを持つパパさんなのだが、この片足義足ってのがどう考えてもハンデでしかない。なのに、その片足をあんな事やこんな事そんな事まで。『燃えよドラゴン』リスペクトの部屋が出てくるのだから、あの足も大富豪が「実はこんな事もあろうと、こんな物を作ってたんだよ」と『燃えよドラゴン』の鉄の爪みたいな鉄の足の爪を出してくれても良かったのに(出るか、そんなん!)。
しかし、片足がハンデかと言うと、実は最初の方の肉弾戦で片足がないロック様と戦う男が実にキツそう。片足しかないから、バランスが取れないロック様がムキムキの身体に体重かけてぶつかってくるのである。そら、勝てないよ。

▲中国人大富豪。何か見覚えあるなと思ったら枝野さんに似てるのだな。耳はそんなに福耳じゃないな。

しかし、高層ビルが火事になるからパニック映画になるのかと思うと、中にほとんど人が入ってないから、そういうドラマをバッサリ割愛できたのは逆に良かった。そういうのはそういうのでロック様以外の映画で見るからいいや。

予告が最近のロック様の予告らしい「がなりたてるバカ予告」なのだけど、あの狂った予告のせいで中身が全く伝わって来なかったのは逆に良かった。ネタバレするような内容があるかどうかは微妙に難しいかもしれないが。

ロック様の奥様役、昔ホラー映画にいっぱい出てたネーヴ・キャンベルなのね。割と素行が悪い役が多かった筈だけど、遂に奥様の役をやるようになったか。昔の役柄のままだったら主婦売春かドラッグのディーラーくらいやってるに違いないが、そうでもなさそうだった。ただ、映画の中でも何気に強い。案外、若かりし頃は宮崎萬純くらいスカート長くて、鞄ペッタンコだったみたいな逸話があるのかもしれない。
基本、最強夫婦である。
物理的に強い夫と霊的に強い妻。

まあ、しかし、勿体ない犯罪だ。
あの現場跡地、問題建築物を撤去するの大変そう。

ロック様はこういう次に続き出来そうにない映画でもポンポン出演して、大概面白いから凄い。
これも続き作るの難しそうな一本で、仮に続きが出来るとしたら、追加ハンデとして、どこか身体の部位を一つ削らされたりして。桑原桑原。
いろいろ辻褄が合わない事もあるかもしれないけど、まあ、それはいいじゃん。ロック様の映画でそこに捕らわれなくてもいいじゃん。


【銭】
109シネマズ、20時以降のレイトショー割引料金で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スカイスクレイパー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
スカイスクレイパー@yukarinの映画感想ぷらす日記

シネロマン池袋で将棋とOLとSMと20180817-20180823

乱れ指牝穴襦袢
▲シネロマンさんから借りてきました。

◆『女真剣師 色仕掛け乱れ指』

五つ星評価で【★★★田中康文監督目当てで見に行った】
菅野しずか主演、佐々木基子 山口真里 池島ゆたか出演
田中康文脚本監督、2011年のピンク映画。
最近、新作を撮っていない田中康文監督だが(いや、少なくともピンク映画ではお目にかかってない)、品質が良質で外れのイメージがない好きな監督である。なので、これを目当てに見に行った。今回は将棋もの。将棋の盤面の進退を濡れ場で表わすというアイデアが最高。あとタイトルとポスターの出来が良くてドキドキする。ラスボスは多大な借金を主人公に背負わせている池島ゆたか、この勝負の後に人情話のようにまとまる。普通に満足。


◆『OL日記 あえぐ牝穴』
五つ星評価で【★★★★この映画の佐々木日記にゾッコン】
佐々木日記主演、片岡命、色華昇子出演 
森山茂雄監督、佐野和宏脚本、2003年のピンク映画。

夢に見たSEXを相手と共有しているらしい佐々木日記。『心と体と』という洋画で同一の夢を鹿の形で共有している男女が出てきたが、日本の成人映画なので、そんなオブラードには包まず、相手の好き嫌いに関係なく、人間同士でSEXの最中だったりから夢見てしまう。会社では夢を共有する嫌な上司から強烈なアプローチを受け、極力、寝ないように寝ないようにノイローゼになっていく。彼女を気遣う後背とオカマバーのマダムは彼女が片想いしてるイケメンと恋の橋渡しをするのだが、、、。
成人映画なので、こいつが顔はイケメンだが女性の事を考えない変態野郎な訳だ。ひどい目に会った彼女は、、、、、みたいな話なのだが、恋に恋しながら悪夢のSEXに振り回される佐々木日記がすんげ可愛い。彼女に惹かれながらも男として強い立場に出れない後背くんの誠実さも気持ちいい。見るからにドラッグクィーンで只物じゃないマダムの的確なツッコミも気持ち良い。


◆『襦袢を濡らす蛇 SM開華編』
五つ星評価で【★★あかんかった】
山口真里主演、牧村耕次出演。
池島ゆたか監督、五代響子脚本。 2005年のピンク映画。

評判いいけどあかんかった。女子大生が美術評論家からSMの手ほどきを受ける。
なんか牧村耕次も、山口真里も芋い感じがしてあかんかった。


【銭】
一般入場料金は1800円だが、劇場に無料で置いてあるスタンプカード割引で1500円(スタンプ三つ目)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
女真剣師 色仕掛け乱れ指@PG
OL日記 あえぐ牝穴@PG
襦袢を濡らす蛇 SM開華編@PG

シネロマン池袋で探偵とスッチーとオカルトSEX20180924-20180927


▲シネロマンさんとこから借りてきたずら。

◆『セミドキュメント オカルトSEX』

▲超能力課長ドーン!超能力係長もドーン!超能力平社員(主人公)もドーン!

五つ星評価で【★★★はっきり言うがエロさで興奮はしない。時代風俗の違いでバリバリ楽しめる。あと山本晋也頭がおかしい(褒めてない)】
野上正義主演、山本晋也脚本監督、1974年の独立プロのを買い付けて日活が配給した映画だから一応ピンクではなくロマンポルノなのかな。ピンクかつポルノか?

辞書曰く【セミドキュメンタリー】映画・放送・小説などで、ドキュメンタリーの手法を用いた作品。事実に創作を加えて劇的効果を高める。

おいおい、どこが「セミドキュメント」やねん。
11PMを放送してるモニターがそのまま映されて、巨泉やユリ・ゲラーがスクリーンに映る1分くらいだけは無理無理「セミドキュメント」と言ってもいいかもしれんが、他は安っぽいか、頭おかしいか二択のドラマである。

冒頭、女性胎内にチンコが入ってくるのを胎内から見てるイカれたカット。こーゆーの滝田洋二郎が最初かと思ってたが、こっちの方が全然古い。でも、医学的に適当。滝田のはそれなりに「らしさ」があった。その後、それぞれの性器が自我を持ち、指にボディー・ペインティングして作った女性器と腕にポディー・ペインティングして作った男性器が会話をする。おかしい。明らかに山本晋也の頭はおかしい。これで山本晋也の頭がおかしくないと言うなら、山本晋也以外の全人類の頭がおかしいという事に他ならない。それくらい異常な演出だ。

冴えない社員の野上正義が念じる事で女とやりまくれる能力に開眼(開珍か)。ガンガンやりまくる。やりまくった後の野上のまるで爆弾コントにでもあったようなスーツの着崩しが実に素晴らしい。確かにあれは20時間くらいぶっ通しでSEXしたような服の着崩し方だ(体験はしてないが何となく類推出来る)。

ロケ場所として、かの「目黒エンペラー」が使われるのだが、オープニングロールで燦然と一枚絵で「協力 目黒エンペラー」とバーンと出たのはかっけーかった。このオープニング・ロールで目黒エンペラーの電話番号がスクリーンに映る。ラブホの電話番号が告示される映画なんて初めて見たわ。

課長と部下の濡れ場の連れ合い旅館にコケシが飾ってあった。ちょっと和んだ。


←やられちゃう社員女子。顔だけ抜くと千秋に似てる感じ。

ロケ場所は主に新宿界隈。
野上正義がカレー食う新宿京王線改札外の「C&Cカレー」は44年後の今でも同じ場所にある。恐ろしい事に値段があまり変わってない気がする。皿は違うような気がするがどうか? それと直前に映る高尾山の天狗面、昔は京王線新宿駅に確かに飾ってあった。ある意味ナマハゲみたいで怖かった。駐車違反を取り締まるのは小田急と京王の前辺りだろう。車少ない。ガラガラである。場所の見立てがあってるなら新宿から徒歩で目黒エンペラーまで行った事になる。ご苦労な。

女子の下着、パンティーがみんなズロース。男の白ブリーフの女版みたいな感じでまだ勝負下着の概念はないと思う。多分、履いてさえいればよいと言う意識であろう。下着にオシャレの概念が入ってくるのはまだ先であり、きっとこの辺りは清潔(白)でさえあればいい時代だったのだ。永井豪がパンチラを描いたハレンチ学園の連載が1968年から1972年だから、山岸君がスカートをめくって見てたパンツはおおよそみんなこんなパンツであった筈だ。色気ないのう。


◆『美人スチュワーデス 制服を汚さないで・・・』
五つ星評価で【★★申し訳ないが女優のみなさん好みでない】
桜田由加里主演、風間今日子、佐々木基子、しのざきさとみ出演 
下元哲監督、2002年のピンク映画。

主役の桜田由加里のボツボツ出来てる肌としゃくれた顎と真剣だとキツめの顔が申し訳ないが好みでない。スチュワーデスの衣装を着た上での着衣ボンデージは良かったが、一回全裸になった後だったから、あの後、1枚1枚着て、その後、縛られたのかと考えるとけっこうマヌケ。いきなり日焼けしたカットがあるのは基本AV女優なので、繋がり無視した日焼けロケとかが撮影中に入ったりしたのではないか? 照明で色を飛ばしてたけど明らかに肌の色が違う気がする。その飛ばすための照明の強さでドラックらりらり映像みたいな効果になったのは怪我の功名。あと着衣オナニーの厚手のパンストのモッサリ感がエロかった。ビンビン。

他の三人は普通にそんな嫌いな女優じゃない筈なのだが、何かスチュワーデスの衣装は似合わない気がする。無理がある気がしてしまう。衣装負けしておばさんっぽい。自分がそんなにスチュワーデスにこだわり持ってるとは思わなかった(基本ナースは好きなのだが)。なので、風間今日子としのざきさとみについてはスッチー姿よりブラ・パン着用でのウェット&メッシー・レズの方がビンビンくる良さ。桜田由加里も含めて、『オカルトSEX』のズロース下着見た後だったので、革命的に下着がハイセンスに変わっててSEXの為の戦闘服みたいだ。流石時代差28年。

パイロットが虫歯だとフライト見合わせるような管理の中、エアフライト中に客同士ならともかく(それもどうだか)、パイロットとスッチーがSEXをしてはいかん(いや、そんな当たり前な事言うなよ俺)。飛行機の中シャワールームとかないから、ごっつい顔射とかやってたのは客サービスとして見逃せない問題であろう。そうそう航空機の会社が新日本航空。全日に対する新日ってプロレスかよ!(それでシャクレてるのかよ!ってのは明らかに考えすぎだ)

エロいシーンがどうとかより、明らかに本物の空港なり、飛行機を使わせてもらえてはいないだろうから、それをどうやって自然にあたかも空港や飛行機で撮っているかのように見せるかの演出や編集が垣間見える事が面白い。これを題材に『カメラを止めるな』みたいな事をやったら絶対面白いのに。いや、そら、やらない事は分かってるけど。


◆『三十路妻の誘惑 たらし込む!』
旧題◆『団地妻 不倫つまみ喰い』
五つ星評価で【★★★★何つか普通にいいドラマよ】
池島ゆたか主演、西野奈々美、如月しいな、しのざきさとみ出演。
池島ゆたか・鳥丸杏樹監督、五代響子脚本。 1992年のピンク映画。

池島ゆたかが探偵になって新宿を駆け回る。成人映画には珍しく、割とちゃんと自制する探偵で、女の隙を見るや否や襲ったりはしない。そういうのが珍しいってのも何だか、ハードボイルドで優しく、SEXには理由がいるという役どころ。ただ、池島ゆたかが体型だけ見ると山本竜二みたいなおデブちゃんなので、もう少し痩せていたら役柄と合わせてもっとかっこよかったのにと思う(基本、かっこいいいい役なのよ)。
西野奈々美は依頼人、28歳の役で14歳で出産した子供を探している。なので、14歳の時の凌辱シーンがある。これは今の映倫だと弾かれるんじゃないだろうか? SEXその物は見えてなければOKだろうが、若年者のSEXは演者が大人であっても子供に見える物は規制されても文句は言えないだろう。
そして、この映画ではその西野の娘がまた早熟で恋人と和姦SEXをして、それも濡れ場として盛り込んである。これも規制対象だろう。えーと、山本竜二とか規制しろよ(八つ当たり)。
西野奈々美と如月しいながロリ可愛い。
この二人が「ロリ可愛い」だけでなく、流石、池島ゆたか演出であり、出てくる女優はみんな魅力的に撮られてる。女好きだなあ。と言うか、濡れ場も多く女優の出演も多く、何て贅沢な。

杉本まこと時代のなかみつせいじがごくごく普通に好青年。こんな真っ当ななかみつせいじを見たのは初めてかもしれない。いやまあ、そんなになかみつせいじを見る事に注力してる訳じゃないから確固とした事は言えんけど。なかみつせいじ専用ホモとかでもないし。

新宿の町が映っていろいろ面白い。
シネマアルゴ新宿(旧新宿にっかつ)では西村知美が爆弾飲みこんじゃう『爆』を上映してるし、今はなき新宿国際もチラっと映る。三丁目ではヘルス「ワンダラー」の派手な看板、歌舞伎町ではいつの時代でもある「とんかつのにいむら」、南口階段下あたりで池島ゆたかが飲んでるジュースはメッコール(麦コーラ)だ。そう言えば、今ではメッコール置いてる自販機とか新宿で見掛けない。そら、そうか。

1974年の『オカルトSEX』ではズロース下着、2002年の『美人スチュワーデス 制服を汚さないで・・・』ではスッチー高級戦闘下着、1992年の本作ではファンシーなお洒落パンティーなのである。こう、時代の違いでパンツが全部違うというのは面白いな。
ちなみに野郎のパンツはどの時代でも似たり寄ったり。いや、そんな注視してないから分からんけど。気になる人は自分で確認してくれろ。


【銭】
一般入場料金は1800円だが、劇場に無料で置いてあるスタンプカード割引で1500円(スタンプ四つ目/三つ目の感想さぼってる分書かないと)。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
美人スチュワーデス 制服を汚さないで・・・@PG
団地妻不倫つまみ喰い@PG
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
オカルトSEX@横浜のロマンポルノファンのブログ
団地妻不倫つまみ喰い@横浜のロマンポルノファンのブログ

PS シネロマン池袋の男子用個室トイレで荒い声。おっ、オナニーしちょんのか。息止まって個室から男二人出てきやがった。ババババーロー。こええだろ。そーゆーの一人ずつゆっくりタイミングずらして出てこいや。

『SUNNY』『クライング・フリーセックス』『スティール・サンダー』『のんのんびより ばけーしょん』『大人のためのグリム童話』

摘まんで5本まとめてレビュー。

◆『SUNNY』ユナイテッドシネマ豊洲6

▲酔っぱらって打ち解けるすずとエライザ。成人映画ならこのあと濡れ場なのに。

五つ星評価で【★★翻案はかなり上手くやっているが、一番大事な部分が無視されていないか?】
息も出来ないほど涙を流した韓国オリジナル版、と言いながらもう、あまり細かく覚えていないのだけど、それに比べると、上手く翻案した物の、やはりどこか借り物感を払拭できず、瞳が潤みはしたが涙は流さなかった。

大きく違和感を感じたのは篠原涼子が娘の制服を着て自宅でJ-POP歌ってる所。確かに韓国版にもあるけど前置きも何もなしで制服着せるのかよ。あそこで歌わせる理由が希薄。篠原涼子の娘に関しては、娘側の問題を親が解決するシーンが皆で制服着て浮気夫フルボッコに変わってしまった。いや、日本人は大人になってから、待ち合わせ相手をビビらせるだけの為にJKの制服を着ないと思う。篠原の娘を残した理由が制服着せたいというだけの理由しかないのか? 韓国版では色々、過去と向きあいながらも自分の家族も蔑ろにしないという意味で、娘も夫もちゃんと最後に帰るべき場所として提示されていたと思うが、日本版はほったらかしだ。
韓国版はこれから自分達が掴むはずの輝かしい未来を思い描く若者パートと、ことごとくそれが実らない中年パートがかなり残酷に対比されていた。日本版ではコギャルが明るくふんぞり返って無敵に見せてるだけで、それぞれが未来の展望を描く部分が薄まってるので残酷な対比にならなくなっていた。
韓国版の方がメンツが一人多いのに、キャラの混同を誘うのは日本版。
田舎者、デブ、美人は合格。他の三人(リーダー、貧乳、美容師志望)が同じような顔、同じようなメイク。メリハリを付けようという意思が感じられない。ちょっと考えてからでないと見分けがつかない。それではダメなのだ。一人ガングロにして、一人眼鏡にして、一人色付きヘアピースとか見た目だけでも変えればいいのに。
全員がコギャルの女子校な訳だが、売春やドラッグをやってるのはSUNNYの敵対組織だけ(っぽい)。そういう配分にリアリティーがない。田舎者の広瀬すずを除いて、他の6人はコギャル・ファッションをちゃんと着こなす為にそこそこ裕福な筈だ。でも、裕福たらしめている理由が描かれない。別に稼ぐ方法はどんなでも構わないのだが、それが描かれないとみんな妖精のようにコギャルになってしまった事になり、リアリティーに問題が生じる。それは学園で生活する全てのコギャルがそうだ。
敵対組織がいちいち絡んでくるのも韓国版がそうだからと言う理由だけだろう。売春やドラッグをやってる敵対組織が本気で気に食わない奴を叩きのめすなら、ドラッグ・ディーラーやチーマーのツテで男の不良に襲わせたりするだろう。女でドラッグやって、やめられない。その為に援交でも何でもすると言うのは手だしすると危険なカスだ(少なくとも日本ではそうだ)。そんな相手と牧歌的な喧嘩などできない。殺るか、殺られるかだ。
コギャルの外見は描かれている。でも、生活が描かれていない。だから、映画としてただ騒いでいるだけに見えてしまう。
敵対組織で昔、芹香と仲が良かった相手鰤谷が「よくも捨てやがったな」と怒る。
どちらかと言うと捨てられた方が怒るのは当然だ。
捨てた方が悪く見えないように、捨てた女が仲間もドラッグに引きずり込もうとしたとかをちゃんと描くべきだ。
こういう描写が韓国通りになぞってしまった為に、逆に日本に生きていた少女たちのリアリティーを失ってしまった気がする。韓国の少女たちが日本で考えられない奇天烈な事をする分には「まあ、韓国ではそういう事もあるかもしれない」で済むのだが、日本が舞台で日本のJKが主役ではそうはならない。その辺にもうちょっと注意を払うべきだったのではないか?

演技的に凄いのは三人。
① ともさかりえ。こえー。すげー。
② 広瀬すず。相変わらず達者。
③ 小野花梨(鰤谷)。


◆『クライング・フリーセックス』K'S cinema

▲絵がすこぶるマヌケ。

五つ星評価で【★★★★ゲラゲラ】
これはどんな人でも上から目線で「くだらない」と言える大傑作。
まあ、こーゆーんは許す。ええやんけ。


◆『スティール・サンダー』キネカ大森3

▲うーん、ヴァンダム(古うーっ)。

▲そして、強すぎて何で捕まってるのか分からんドルフ・ラングレン。趣味か何かで捕まった体で独房で静養してるようにしか見えない。

五つ星評価で【★★アクション映画だけどアクションが今一】
「ヴァンダム&ドルフ・ラングレン最強タッグ結成25周年記念!」だそうだ。
なので、ヴァンダム、ラングレンの存在感だけ異常に際立ってる。

アクションが潜水艦の中なのに、
人体にのみ影響を与える銃を使わせたガン・アクションが主体。このガン・アクションがさして面白くない。中に挿し込まれるヴァンダムやラングレンの白兵戦は面白いが、尺が短い。
銀座シネパトスっぽい一本。


◆『のんのんびより ばけーしょん』角川シネマ新宿1

▲カメ止め的に「ぽん」と言いそうな宮内れんげ。

五つ星評価で【★★ぼけーっと見てられる】
一切元の設定を知らずに一見さんで見たが大きな問題はない(もちろん当然知っている方が楽しめるだろう)。ただ最初から全く説明する気もなく、何人もの主要登場人物を出して、それぞれの個性がそんなに前面に出ない状態を見させられていると、客を絞った商売と言う見切りで作っているのだろうが、才気もないよなあと感じさせられてしまう。
大きく何が起こる訳でもない4コマ漫画的な日常を、いつも通りにゆったりやってる感じ。安定してるが新味はない。
放送事故かと思うくらい、絵を止めて作る間の長さが観客を信頼している事が分かって心地よい。
一番ちびっ子のれんげが沖縄旅行で絵を描く予定だったイルカの代わりに何を描いたのかはっきり言わなかったのは何でだろう。謎である(俺の気づきが足りなかっただけか?)。


◆『大人のためのグリム童話』ユーロスペース1

▲金もいらなきゃ、女もいらぬ~、わたしゃも少し手が欲~し~い~。

五つ星評価で【★★★基本的に新手法の長編アニメには厳しい】
海外のアニメ作品などを見てる人にはそんなに珍しくない手法だとおもう。
これで長編持つのは一見適当に描いているように見えるキャラの顔や表情が不鮮明な写真を見た時のように脳内で一つの像に補われるからだろう。はっきり描かない事により浮かび上がる絵は現実でも行っている脳内操作だから、結果としてリアルに見える。ただ、個人的にはあの芋っぽい主人公の顔は嫌い。
悪魔の悪巧みが何か他にやってる事がある様にも見えず暇そうなのに手ぬるい。


【銭】
『SUNNY』:ユナイテッドシネマのポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
『クライング・フリーセックス』:短編特別価格500円。
『スティール・サンダー』:テアトル会員割引1300円。
『のんのんびより ばけーしょん』:テアトル会員割引1300円。
『大人のためのグリム童話』:ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
SUNNY 強い気持ち・強い愛@ぴあ映画生活
CRYING FREE SEX@ぴあ映画生活
スティール・サンダー@ぴあ映画生活
劇場版 のんのんびより ばけーしょん@ぴあ映画生活
大人のためのグリム童話 手をなくした少女@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
SUNNY 強い気持ち・強い愛@或る日の出来事
SUNNY 強い気持ち・強い愛@映画のブログ
大人のためのグリム童話 手をなくした少女@ノラネコの呑んで観るシネマ

『怪談新耳袋Gメン冒険編 後編』『心霊ツアーズ』キネカ大森1

2018年夏のホラー秘宝祭しばりの後編。
前編は新作3本、後編は新作2本。

◆『怪談新耳袋Gメン冒険編 後編』キネカ大森1
五つ星評価で【★★怪異に出あうのは難しい】
前編が姉妹遺棄山道、E字老人ホーム、自殺橋
後編が心霊マラソン、心霊トンネル、山小屋
書いておかないと分からなくなる。もう、忘れかけてる。

後編三つの怪異に挑むが尻窄みにつまらなくなる。
ちなみに前編も冒頭の山道がピークで、老人ホームと自殺橋はそんなでもない。

各心霊スポットで不謹慎な行動を取るのは、道義的には見ていてイヤなのだけど、そうしてでも怪異に会いたいという熱意の現れだから、それで気が狂ったメンバーがいる訳でもなし、行きつく所まで行くしかないのかもしれない。

前編後編合わせて「姉妹遺棄山道」と「心霊マラソン」が怖いのは、「山道」は具体的にイメージしやすい事件が現実に存在するリアル感がある事、そして「山道」「マラソン」とも一人ぼっちに突き放された、原初的な肝試しの怖さがある。どのスポットでも体験は基本一人ずつなのだが、「山道」は心霊スポットに付くまでが遠いので放置具合がひどい。「マラソン」は各心霊スポットに一人ずつ配置される事から、もし、何か本当の怪異が現われた所で、誰も助けに来れないという、ぼっち感が強い。これが観客にも自然、伝わるのだと思う。

「トンネル」はともかく、「山小屋」はやってる事の怖さが伝わって来ない。「何もしない」のはメンタルで考えると一番怖いのかもしれないが、そのメンタルが観客には伝わらないからだ。ただ、逆に「何かを仕掛ける(=ミッション)」と言うのはミッションを仕掛ける事により、怖さを逆に忘我する面もあるのではないか? でも、映像としては伝わりやすい。この辺りの匙加減が難しい。

「トンネル」「山小屋」での怪異が寄りやすくなる新しい仕掛けは、明確な結果(パンクは含まない)が出なかった分、「口だけ」感が強い。使用時と未使用時での機械故障率や明らかに異なる状況が分かれば良いのだが、特に変わった感が感じられなかった。

藤田恵名のEDテーマ曲『境界線』が死ぬほどカッコいい(死なないけど)。
一回目は時間を間違えて冒頭5分見損ねた上で、山小屋のラスト寝落ちしたのだが、スタンプ5つ集まって旧作見るのとこれを再見するのでこっちを選んだが、EDだけで満足した、という事にしておこう。


◆『心霊ツアーズ』キネカ大森1

▲みんな悪い子じゃなさげだけど誰が誰だかは分からない。

五つ星評価で【★★若い肝試し系】
基本、『怪談新耳袋Gメン冒険編』と構成は変わらない。怖い心霊スポットにグラビア姉ちゃんを行かせて、ミッションやお札を取って来させるリアル肝試し。「2019年ホラー秘宝イメージガール」の冠を争ってと言うが、それは争うに足るような冠でない事は、ホラー秘宝の観客ならみんな知っているだろう。みんな頑張り屋さんだが、映画としては何が起こる訳でもなく、誰が誰だかも最後まで覚える事も出来ず、怖くもなく、可愛くもなく、ナレーター癖強くてうるさいなみたいなだけ。

2018ホラー秘宝新作5本のうち、3本が山口幸彦プロデューサーのプロデュース兼出演作品ってのはどうなの? 『怪談新耳袋Gメン冒険編 後編』で軍人の霊に「会社の仕事の辛さ」をグチっていた山口Pであるが、その山口Pのガス抜きにこの作品があったのか、ガスが貯まる元凶として、この作品があったのかは分からない。


【銭】
『怪談新耳袋Gメン冒険編 後編(1回目)』:テアトル会員割引1300円。
『心霊ツアーズ』:テアトル会員割引1300円。
『怪談新耳袋Gメン冒険編 後編(2回目)』:ホラー秘宝スタンプラリー5スタンプ集まったので無料。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
怪談新耳袋Gメン冒険編 後編@ぴあ映画生活
心霊ツアーズ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ホラー秘宝2018前編@死屍累々映画日記・第二章

『恋のクレイジーロード』+『劇場版シネマ狂想曲』『マンドリンの女』UPLINK2

『恋のクレイジーロード(表題作を含む短編3本)』+『劇場版シネマ狂想曲』で興行。及び、
『恋のクレイジーロード(表題作を含む短編3本)』+『マンドリンの女』でも興行。

◆『超エドガー・ケイシー』
五つ星評価で【★★★くだらねー】
14分。初見。
くだらねー、けど瞬間移動の移動感が実に気持ちいい。
コードネーム付けてる人が既にいたらどうするんだろう?
金子修介監督の息子(チンコではなく)と御宅拝見も付きます。


◆『恋のクレイジーロード』
五つ星評価で【★★★★白石晃士監督の新作】
18分。初見。
役者が振り切る話は燃える。
宇野さんが無茶苦茶凄い(「良い」という表現は違うと思う)。あんな役でも説得力を持たせるのが役者だろう。スコップ(でもシャベルでも)のザラッとしたグラニュー糖煮詰めたような肌触りがステキ。
インドネシアの作曲家が気が狂ったようにがなり鳴らすような劇伴もステキ。
これ見るまで知らなかった田中俊介と芦那すみれもいい空気出してる。
しかし、これが18分で、エドガー・ケイシーが14分って、詰め込み密度が違いすぎて笑う。


◆『メイキング・オブ・クレイジーロード』
五つ星評価で【★★★こんなんか】
29分。初見。
現場の空気が分かる。が、決して2回や3回見る性質の物ではない。併映変えての3本目を断念したのはある意味こいつのせい(ちょっとだけ超エドガー・ケイシーのせい)。多分、ワンコイン鑑賞で『恋のクレイジーロード』だけか、値段変わっても併映+本編1本だったらもう1回か2回見たかもしれない(無条件にとことん付きあってしまうほど狂信者ではない/そこがきっと自分の弱点だろう)。


◆『劇場版シネマ狂想曲』
五つ星評価で【★★★ワイワイガヤガヤ】
65分。初見。シネマスコーレ副支配人 坪井篤史の評判記ドキュメンタリー。映画の話でワイワイガヤガヤずっとやってる映画は楽しい。竹中直人は役者としては色が強すぎて嫌いだが、ナレーターだと一声で竹中直人と分かる膨らんだいい声だと思う。


◆『マンドリンの女』
五つ星評価で【★★いや、あんまり】
22分。初見。日本が誇る二大白石の一人、こちらは白石和彌監督の短編。「白石祭」と言ってて看板に偽りなしなのではあるが、「祭」の規模がちっちゃくて残念。

【銭】
企画料金1回目1500円。リピート1000円
▼作品詳細などはこちらでいいかな
恋のクレイジーロード@ぴあ映画生活
シネマ狂想曲~名古屋映画館革命~@ぴあ映画生活

『クワイヤボーイズ』国立映画アーカイブ小ホール


▲「咥えろやボーイズ」だと、やんべえ下ネタだとか思う俺。

五つ星評価で【★★★あ、大笑いできずに終わってもた】 
子供の頃「クワイヤボーイズがやって来た!」というTVスポットを見た。そのまんま映画を見れないまま、今回が初見。
軽そうな喜劇映画的な売り方だが、冴えない警察官の群集劇でペーソスは溢れるが、笑いへの振り幅はそんなに大きくない。カラっと笑い飛ばしたいところなのだが、映画冒頭からベトナム戦争で戦火から逃げる米兵二人、いや、最初からこれじゃコメディにならんよなあと思っていたら、ラストまで戦争のトラウマに引きずられてしまう。ロバート・アルドリッチ監督のイメージ通り、男臭い。っつか、この映画の中に出てくる女性は男勝りの婦警か売女しかいないのだ。いや、奇跡的に投身自殺を謀るどちらでもなさそうな少女がでてくるが、彼女が婦警でも売女でもないという保証はない(おいおいおい)。で、その男臭い男どもが10人。もちろん顔は違うが、みんな「ザ・男」なんである。群像劇の中でもお人よし警官とお騒がせ警官とに分かれるが、みんな同じようなシケタ面してるので見分けが付きづらかった。


【銭】
ぴあフィルムフェスティでのアルドリッチ特集上映。特集上映価格1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
クワイヤボーイズ@ぴあ映画生活

『乾杯!女学生』『大虐殺』シネマヴェーラ渋谷

特集上映「新東宝のまだまだディープな世界」から2プログラム。

◆『乾杯!女学生』
五つ星評価で【★★★女学生だぜ】
1954年、白黒、95分。初見。
井上梅次監督。
画面が女学生(JC&JK)とジャズと赤ん坊で満たされる幸せな映画。
ジャズは井上梅次だけに得意満面でガンガン響く。
しかし、主役のトンちゃん雪村いづみが嘘つきで、
その嘘がばれる事なく、正義の嘘とばかりにOKと
されてしまうのはいかがなものか?
ウルトラ警備隊隊長中山昭二が数学を教え、
七人の侍の薪割武士千秋実が国語にかこつけ愛を教える。
寮に住む女学生は美人多い。それが一番いいなあ。



◆『大虐殺』
五つ星評価で【★★★大虐殺だぜ】
1960年、白黒、94分。初見。
冒頭すぐに始まる大地震、それに続いてどんどん進む世相の乱れと、それに乗じた軍部による朝鮮人、社会主義者を狩り集めての大虐殺。特撮班の頑張りもあって凄く見応えがある。しかし、山場の大きな事件が全部冒頭に集中するので後半は地味な闘争が中心になり、ちょっとキツい。主役は社会主義者側の天知茂でくりーむ有田似にも関わらず超美形なのだが、紆余曲折はあったにせよテロリストを応援するのはちょっと気がひける。
デジタル化した際に上下が合わずトリミングにより、見切れてしまっているようである(オープニングのスタッフロールがデジタル黒味により文字欠けしている)。



【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
乾杯!女学生@ぴあ映画生活
大虐殺@ぴあ映画生活

PS いやあ、「天知茂」を「天地茂」って書いちゃった(今は修正済)

『インクレディブル・ファミリー』『縄文にハマる人々』『ジュラシック・ワールド』『オーシャンズ8』『カメラを止めるな!』

摘まんで5本まとめてレビュー。

◆『インクレディブル・ファミリー』トーホーシネマズ渋谷5

▲常にイライラしてるヴァイオレットが可愛い。

五つ星評価で【★★★★あーもー無茶苦茶面白かった】
こー、すっかり時間の間、浮世を忘れて没頭できるのがえーわー。
俺ヴァイオレットが美人すぎないし、どっちかって言うと外見が冴えない所に心惹かれる(異常か?)。長いエンドロールも金管がとても気持ちいい。と言うか、全編金管楽器ぶちかますぜみたいな感じが好き。ヒーロー主題歌三連発もぐー。ジャック・ジャックの能力が多岐に渡りすぎてるのはちょっとうるさい感じ。怪力パパのミスター・インクレディブルよりゴム人間ママのヘレンが活躍する方が絵的にはおもろい。そう言えば冒頭のモグラ野郎って未解決案件だよね。


◆『縄文にハマる人々』シアター・イメージフォーラム2

▲「乳首見せたら5000円や。こら、何5000しか出さへんのや。5000は片乳分や。はよ1万出し!」

五つ星評価で【★★★縄文ワンダーランドだけど退屈しない訳ではない】
音楽と画像処理がオシャレで、空間恐怖症のように縄文の意匠が敷き詰められてるのが楽しいけど、ずっとインタビューだけで構成されるのはやっぱり眠い。ただ岡本太郎のように縄文の意匠は現代人の心を撃ち抜かずにはいられない。それはこの映画があろうがなかろうが変わらない(言っちゃった)。縄文の心は血に沁み込んでいるのだ。まあ、簡素で詫び寂びの弥生時代も別に憎むように嫌いな訳じゃないし、あれだってそこそこ心に沁み込んでるとは思うけど。あれは実用的でありすぎて無印良品の匂いがする(まあ、それはそれで優れたコンセプトではあるけんど)。
『縄文にハマる人々』だからいいけど、『縄にハマる人々』だったら成人映画だ。いや待て、成人映画だったかどうかは忘れたが『縄文式』と言う緊縛に関するドキュメンタリーがあった筈だ。うんうん、心に沁み込んでるんだな(違う)。

▲「着地成功10.0です!」


◆『ジュラシック・ワールド/炎の王国』トーホーシネマズ渋谷6

▲ハンドパワー

五つ星評価で【★★★映画がどうのこうのより前の席に座ったバカの座高が高かったのよ】
縄文時代からジュラ紀へと移って鑑賞。
何だよ、おい。クリス・プラット簡単に騙され過ぎちゃう?
基本どんな映画でも騙されてないか?
(どっちかと言えば騙される側だろう/頭よく見えないから)
恐竜に対する扱いが雑い。
スター選手みたいな恐竜が一匹ずつランウェイに出てくるのだから、そいつら一匹一匹の個性を引きだして、チェイスに繋げるべきだろう。何か外形変えてあるものの基本、動きや個々の恐竜が持っているであろうロジックがみな同じ物をあてがわれているような感じで、そんなに心、動かされなかったなあ。


◆『オーシャンズ8』ユナイテッドシネマ豊洲2

▲アン・ハサウェイにうどん粉塗られたい(そら蚤とり侍やなくても塗られたいやろ)。

五つ星評価で【★★意味が分からないで使うけどラグジュアリー感高そう】
中央の3人のキャステイングが超いい。サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウエイ、ドレス姿も含めてゴージャス。3人のパワーバランスがとてもいい。技術職としてハッカー、スリ、デザイナーは分かるが、ジュエリー担当や商品ディーラーって役職は違う気がする。ヘレナ・ボナム=カーターは顔がうるさい。最終的にプランが単独でないという点に関して、よくよく考えれば色々アラがあるのではないか。

映画の中で一番、良かったシーンはアン・ハサウェイがむっちり白い肌を何となく想起させながら、男とSEX直前まで見せるカット。これ以上になく上品なビッチで良かった。

▲むっちりもっちりアン・ハサウェイ(もう一枚)。

オーシャンズ8の女スリ、企画が20年前だったら浅野温子起用もありだろう。
企画が30年前だったらW浅野起用だって、なくもないだろう。
企画が今なので、同じ邪魔な演技という意味でヘレナ・ボナム=カーターと変えるか? アジア系二人になっちゃうからダメか。


◆『カメラを止めるな!』ユーロスペース2

▲右端手前に座ってる人がこの映画唯一の恐怖。

五つ星評価で【★★★★面白い事は疑いようもない】
これはちゃんと分かりやすく噛み砕いた三谷幸喜の「ショー・マスト・ゴー・オン」じゃないかな 。
同じく三谷幸喜の『ラジオの時間』にも通じる。
何にしても面白くてヒットするのはいい事だ。
面白い映画には「面白い」と言う言葉を贈る。基本、それで充分だろ。


【銭】
『インクレディブル・ファミリー』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『縄文にハマる人々』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『オーシャンズ8』:ユナイテッドシネマのポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
『カメラを止めるな!』:ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
インクレディブル・ファミリー@ぴあ映画生活
縄文にハマる人々@ぴあ映画生活
ジュラシック・ワールド/炎の王国@ぴあ映画生活
オーシャンズ8@ぴあ映画生活
カメラを止めるな!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
インクレディブル・ファミリー@映画のブログ
ジュラシック・ワールド/炎の王国@或る日の出来事
ジュラシック・ワールド/炎の王国@徒然なるままに
ジュラシック・ワールド/炎の王国@いやいやえん
ジュラシック・ワールド/炎の王国@ノルウェー暮らし・イン・原宿
ジュラシック・ワールド/炎の王国@SGA屋物語紹介所
ジュラシック・ワールド/炎の王国@ここなつ映画レビュー
カメラを止めるな!@ノラネコの呑んで観るシネマ
カメラを止めるな!@お楽しみはココからだ

『浅草四人姉妹』『風雲七化け峠』シネマヴェーラ渋谷

特集上映「新東宝のまだまだディープな世界」から2プログラム。

◆『浅草四人姉妹』
五つ星評価で【★★★姉ちゃん泣ける】
1952年、白黒、84分。初見。
佐伯清監督。
四人姉妹、上から女医、芸者、裁縫やってる子、代議士志望の高校生。
女医と高校生は見分けがつくが、次女と三女は私服になると混同して分かりづらかった。これは山口百恵と桜田淳子の顔を取り違えたりしないように、この時代の女優をもっと知ってれば大丈夫だったろうが、何と言っても高島忠夫以外、一人も知った役者がいなかったものだから難儀してしまった。メリハリの為に高島忠夫を四人姉妹に入れる訳にもいくまい。舞台は浅草なのでお決まりに浅草寺なども出てくるが、普通に下町に住む家族の物語であり、あまり浅草浅草してる風には見えなかった。ちょっと気になったのは映画を見に行こうと言って映った劇場が六区ではなくテアトル銀座だったこと(見間違いじゃないよなあ)。六区の劇場ではデートできん言う事か? 確かに私が出入りするようになった2,30年前ですら若者が出掛けるようなスポットもなく、何かおっちゃんがたむろするような劇場ばかりだったけど。
気立ては良くて、誰よりも苦労してるのに、口が悪いから恋が遠のいてしまう女医の長女が泣ける。
これが一本立てになって初めて入ったヴェーラ。
お客の入りは中々良く、二本立て好きとしては残念だが、興行形態の変更は成功であろう。



◆『風雲七化け峠』
五つ星評価で【★★★初アラカンかもしれん】
1952年、白黒、90分。初見。
鑑賞直後のツイート

牧歌的時代劇。大河内傳次郎人はいいが強くない。けっこうちゃんとしたどんでん返しもあるけどスッキリしない。

違うよ、大河内傳次郎じゃないよ。アラカンだよ。
多分、初アラカン(アラフォーとかそう言うんではなく)。
いや、高倉健の映画の客演か何かで見た事があったかもしれないが、バリバリの主役でアラカンと自覚して見たのは初めてである。「嵐寛寿郎」って百獣の王ライオンみたいな強さに溢れる名前だが、物凄い剣豪とかではなく、酒に溺れて浪人になってしまった気の良い正義漢のおじさん役だった。刀を持って立ち回りもあるが、弱くはないが、決して驚くような強さでもないのがこういう謎解き時代劇では珍しい。まあ、リアルであると言える。でも、圧倒的な強さで勝てない立ち回りは話のスピード感を削いで、ストレスを貯めてしまっていかん。
悪漢が逃げる村の祭りで村人が多数付けてるでっかいお面がちょっとアンデスっぽい。
グラマー女優三原葉子のデビュー作だそうで。私、三原葉子のあのあまり愛嬌がない顔が好きじゃない。うーん、猫と言えば猫っぽいから好きな人は好きなのかな。その三原葉子が隠れ住む「七化け峠」は単に地名で「化け」に意味はない。いわくありげな名前を付けるんじゃないよ、土地の人。
タイトルに付いてる「風雲」って煽り言葉も「風雲たけし城」以降、言葉のニュアンスが変わってしまったよなあ。勿論、発泡スチロールの大岩がバンバン落ちてくるようなギミックはない。「たけし城」以降、「風雲」って付いてると何か楽しそうだものなあ。



【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
浅草四人姉妹@ぴあ映画生活
風雲七化け峠@ぴあ映画生活

『セクシー・サイン 好き好き好き』神保町シアター

五つ星評価で【★★★モーレツ娘】
企画「夢見る女優 野添ひとみ」から1プログラム。
1960年、カラー、84分、初見。

こんなタイトルの映画、そら、見るよ。と思ったらプリント上でのタイトルは『好き好き好き』。こっちの題の方が映画のニュアンスと合ってる。そんなに「セクシー」じゃない。公開時に「セクシー・サイン」ってタイトルを公開タイトルとして付け加えたらしい。うんまあ、そりゃあ「セクシー・サイン」が付いていた方が見に行くけど、見透かされたみたいでイヤだなあ(「みたいで」じゃなく、見透かされているのである)。
なんか女子がみんなじゃじゃ馬で活き活きしてる。もちろん、映画の中だからという事もあるのかもしれないけど、吉永小百合の『私、違ってるかしら(1966年)』を見た時にも、意外と女の子がフランクで目上の人にも敬語とか使ってないなみたいに感じたが、それと通じる物を感じる。小川ローザの「オー、モーレツ」が1969年なので、1960年代の少女たちはみんな今より生意気だったのかもしれない。1960年代の少女って言うとフジ隊員とか、アンヌ隊員か。隊員になっちゃうと生意気くささが減じるけど、戦後から豊かな時代になって、ミニスカートを着てパーマをあてる中で、都会の女子はどんどん勝ち気になっていったのかもしれない。男どもに対して全く物おじしない、金でも、プレゼントでも実利に対して取れる物は容赦なく取る、と言うのはつい先日『SUNNY』で見たコギャルにも似てる。
という事で生意気な女の子3人が偶然出来た「惚れ薬」を元に色男・川口浩をそれぞれ落そうとするドタバタ。
うーん、ヘリポート付きの屋上でファッションショーをやってるって池袋西武だな。流石セゾンはオシャレ。

野添ひとみはやっぱり広瀬アリスに似てる。


【銭】
有料入場時に捺印するスタンプ5ケで無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
セクシー・サイン 好き好き好き@ぴあ映画生活

『曇天に笑う 外伝3』『映画おかあさんといっしょ はじめての大冒険』『劇場版ほんとうにあったこわい話2018』

同日鑑賞3本をまとめてレビュー。

◆『曇天に笑う〈外伝〉 ~桜華、天望の架橋~ 』新宿ピカデリー10

▲てんてんどんどんてんどんどん、そら天丼マンの歌じゃ。

五つ星評価で【★★展開怪しい】
外伝の前編は物語の始まる前と全て終わった後をまとめて見せた。
外伝の中編は物語の中の裏の話を見せた。
外伝の後編は物語全てが終わり、前編の後に更にもう1エピソード挿話した。

全編「大蛇」と言う大難に立ち向かう物語だが、後編は、その封印した「大蛇」の力を人が軍事利用しようとする、ありがちな話。
逃げた実験体を追って、かっての仲間が対立する。この「人工大蛇」に仕立て上げられようとしている実験体くんの挙動が胡散臭い。彼は、物語全体の主人公、曇天火の「大蛇」の血を輸血されているらしいのだが、それで外見から格闘技能までソックリってのは嘘くさい。そして、その実験体くんが曇天火に会いたがっている理由もピンと来ない。話を無軌道に膨らませて、小さな話を無理やり大きく見せようとしてるだけじゃないの? 無理目を感じる。

末っ子、曇宙太郎、神社の息子なのに屋内でも帽子被りっぱなしという礼に背く行動をしている。ハゲでもあるのか? いやまさかあのラスタ・カラーリングが帽子の柄ではなく、地肌とかではないよね?

最終的に主人公の曇天火は外国に行きたがって話が終わる。これも幕末・明治物のパターンすぎる。

髪の毛がブラックジャックみたいなお姉ちゃんはタイプよ。


◆『映画おかあさんといっしょ はじめての大冒険』シネリーブル池袋1

▲全員お手上げ。

五つ星評価で【★★お一人様鑑賞にはキツい】
貸切で鑑賞。
やはりお母さんといっしょに見なかったのが敗因か、ムチャクチャ楽しめたとは言いがたい(でも、この為に「おかあさんになってください」と言ってデリ嬢呼ぶのもいやだった)。

構成はお兄さん、お姉さんが振り付きで歌を歌いながら、あちこちに冒険の旅に出る前半と、人形劇の、チョロミー、ムームー、ガラピコがアニメになってツムリ星の危機を救う3Dアニメが後半からなっている。もともと短い映画なのに、黒澤の長尺よろしく真ん中に6分の休憩時間が入る。フォント緩やかだけど渋い。
後半のアニメはまあ、普通。
前半の実写部分が観客との双方向やり取りが映画進行に隠されているので(筋は変わらない)、お一人様での貸切鑑賞だとちょっとキツイ。実写部分のストーリーが理路整然としてないのは、逆にそういう物語脳が未発達の客層に届ける作品だと考えれば逆に面白い気がする。ちなみに、アンパンマンでさえ価格は「2歳以上有料」なのだが、今作は「1歳以上有料」なのである。攻めてる。攻めてる。『センセイ君主』の「胸ボンババボン!」は「おかあさんといっしょ」の「ブンバボーン!」が元かもしれない。

あと、映画ラスト近くに記念撮影タイムが設けられている。こーゆーのは最初に告知しておいて、冒頭にあった方がいいよ。


◆『劇場版ほんとうにあった怖い話2018』シネリーブル池袋1

▲目がマジ。

五つ星評価で【★★★凄く良く出来ていながら掟破りはいかん】
四編からなるオムニバス。総計66分という短さは良い。
どれも一週間しかやらないのは勿体ない出来。
『音楽』:そう来たかという話術が功を奏した一本。リアル。
『孤独な女』:とてもオーソドックス。
 特別、変わった事をしなくても怪談は撮れると言う好例。
『殺人者』:霊体の怖さと、男の変貌の怖さと。
 ミニ『シャイニング』みたいな才気溢れる一本。
 『殺人者』というタイトルはミスリード狙いか?
『殺人者、その後』:やっちまった一本。
 リアルに見えるが、リアルな話である筈がない。
 こういうのをシレっと出してはいけない。
 全体の信頼度が揺らぐ。

 オムニバス作品の一部に、はきだめ造形
がかかわってる。


【銭】
『曇天に笑う〈外伝〉 ~桜華、天望の架橋~ 』:番組特別価格1500円
『映画おかあさんといっしょ はじめての大冒険』:テアトルメンバー割引1300円。
『劇場版ほんとうにあったこわい話2018』:テアトルメンバー割引1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
曇天に笑う〈外伝〉 ~桜華、天望の架橋~ @ぴあ映画生活
映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険@ぴあ映画生活
劇場版ほんとうにあった怖い話2018@ぴあ映画生活

『くちづけ』神保町シアター

五つ星評価で【★★増村保造デビュー映画】
企画「夢見る女優 野添ひとみ」から1プログラム。
1957年、白黒、74分、初見。

『負ケラレマセン勝ツマデハ』がえらく面白かったので、
勢いで、翌日も見に行ったのだが、普通の恋愛映画であって、
そういうのは向かん事をバリバリ思い知らされる。

野添ひとみ、目が大きいのう。「銃夢」のアリータかよ。
余談だが、アリータの目の大きさが予告見る度に慣れてきて
順応力って怖いと思い知らされてる。
話を野添ひとみに戻して、どこかぎこちなく、
身体が無理に大人っぽく成長してるところが
広瀬アリスに似てる。

そんな野添ひとみは、父は逮捕、母は病気と言う
絵に描いたような薄幸貧乏少女役。
お相手の川口浩はまだ冒険せずにナイーブな不良。
題名通り、口づけします。ヒューヒュー。

保造の撮る絵はいちいちかっこいいし、
野添ひとみも人形みたいなので、
とても保造が撮る絵に嵌るのだけど、何か話に乗れず。

映画内でローラースケート場のシーンがあって、
野添ひとみは役柄上コケてばかりの初心者。
この映画で上手くなったのか、元々、上手かったのかは知らないが
『負ケラレマセン勝ツマデハ』では
すこぶるスムーズにスイスイ滑っていた。


【銭】
水曜全員割引料金1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
くちづけ〈1957年〉@ぴあ映画生活

『負ケラレマセン勝ツマデハ』神保町シアター

五つ星評価で【★★★★面白くて時間を忘れるが冷静になるとちょっと薄気味悪くもなる】
企画「夢見る女優 野添ひとみ」から1プログラム。
1958年、白黒、106分、初見。

逆マルサの女的1本。小林桂樹の税務署員の憎らしいこと。
弁が立ち、心がない。なんてやな奴だ(映画内で復権するけど)。
 町工場vs税務署
この攻防戦が庶民の町工場が後手後手に回ってしまうので
必要以上にイライラしてしまう。

へそ曲がりの森繁、気狂いの伴淳、超甲斐性なしの有島一郎に、
冷徹な小林桂樹の対比が好対照で良い。

戦争帰りの伴淳は分裂症。
極度に緊張したり、酒を呑んだりすると戦時の人格に変わってしまう。自分がいる現在が吹き飛んで過去の戦場に意識が戻ってしまう。別人格と入れ変わるというよりは、記憶障害、アルツハイマーに近いかもしれない。昔はこういう人が沢山いたに違いない。

野添ひとみは森繁の娘で工場内でローラースケート履いてゴロゴロしてる。可愛いけど出番はそんなに多くない。


【銭】
一般料金1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
負ケラレマセン勝ツマデハ@ぴあ映画生活

PS なんか薄ら寒くなるのは、主人公達はへこたれてないけど、
 ラストシーンで彼等が幸せになってる訳でもないし、
 その幸せへの道筋ができた訳でもないからだ。
PS2 この映画の前年に撮った『くちづけ』では、野添ひとみが
 ローラスケート場でローラースケート上手く滑れないシーンが出てくる。

『ニンジャバットマン』『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』『ワンダー 君は太陽』『曇天に笑う 外伝2』『ジェイン・ジェイコブズ』

摘まんで5本まとめてレビュー。

◆『ニンジャバットマン』新宿ピカデリー8

▲♪ニンジャー、摩天楼キッズ、って曲なかったっけ?

五つ星評価で【★★★突き抜けてる部分が嬉しくもあり、悲しくもあり】
はっきり言ってよう分からん部分も多い。と言うのは、アメコミ読者鑑賞用に、アメコミ読者じゃないと分からないようなクスグリがいっぱい用意されてるからだ。つか、それはプロのシナリオライターならちゃんと一見さんでも分かるように紹介せえよと思うのだけど、扱い的には、『ウルトラマン・ザ・ムービー』の類にウルトラ兄弟が現われても「何だ、あのウルトラマンに似た赤い怪獣は?」とか思わないように、それは事前知識で知っておくべき事らしい。
えーと、そう言うの(いわゆるプロ向け作品である事)は事前に告知してほしいもんだ。客数減るから告知しないだろうけど。
うーん、そこまでアメコミ読者ではないよ。他の普通のお客同様。
正義の味方側バットマンと執事のアルフレッドは知ってる。ロビン役が4人いる。いや、一人のロビンしか知らんよ。どーも代替わりしてるらしい。代替わりしてるのにみんな一度に出てくるなんて、彼等同士の細かい事情は知らんが、どうも色々屈折してて、知ってる人にはそれがたまらないらしい。
悪役はゴリラ・グロッド(知らん)、デスストローク(知らん)、ジョーカー&ハーレイ・クイン、ペンギン、トゥー・フェイス、ポイズン・アイビー、キャット・ウーマン。実写映画に出ていたキャラは知ってるけど、今作がアメコミを準拠として作られているので細かい設定とか微妙に違いそうだ。まあ、数はいっぱい出てるけど、ジョーカーとゴリラ・グロッドを除けば、筋的にはにぎわかしのガヤなのであまり問題はないが。

ともかくジャパニメーションの総力を結集したかのような美麗な絵と素晴らしいアニメートには魅力がある。見応えがある。冒頭から楽しい。それは認めたい。

ジョーカーのイカレ具合もとてもジョーカーらしい。だが、「ジョーカーらしい」と言う事は、見ていて、とてもメンタルが疲れるという事なのだった。ゼイゼイ。いやあねえ。ハーレイ・クインはビジュアル好きだけど、もちっと内面の狂っているけど甘えてくるカワイ子ちゃんな感じで萌えたかった。割とジョーカーに尽くすだけのキャラでしかなかったみたいで個性が乏しくない?
城ロボは日本版ゆえのアイデアだろうけど活きてる感が低い。
スタイリッシュに仕上げたけど、そのスタイリッシュほどには面白くはならなかった。そんな感じだろう。一つ作れば充分で、くっつくならもっと美学に照らし合わせたくっつき方をしなければ意味がない。


◆『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』シネマート新宿2

▲なかなかかっけーショット。あっ、主役の子じゃないや。

五つ星評価で【★★後半の間が悪い】
「なるほどそこは新機軸」という部分がチョコチョコあるけど、
適度にゆるい笑いが収まる前半中盤と比べて、
アクションばかりの比重が高い後半の間が悪くてどうにもダラダラ。


◆『ワンダー 君は太陽』トーホーシネマズ新宿4

▲感染の話から『あん』のハンセン病を思いだしたりもする。もちろんオギーのはうつらないのだけど。

五つ星評価で【★★★★泣かせる話には弱いのだけど、作りがクレバーだから、これで泣いても言い訳が立つ】
超新星フラッシュマンのレー・ワンダを思い出していた俺。
そして、ワンダーウーマンとかこつけて「DCじゃないのかよ」と突っ込みながら、
ワンダーくん(いやそんな名前ではない)の顔がジミー土田にちょっと似てやしないかと思った。
チューバッカ美味しい。
本人のエピソード以上に姉ちゃんのエピソードがたまらん。あの視点の切り替えにはやられる。


◆『曇天に笑う 外伝2』新宿ピカデリー7

▲白黒ショー(違う、白黒ショーはそんな意味違う)。

五つ星評価で【★★何か凄く退屈してしまった】
これはつまらん。話し運びがルーチンに乗っ取りすぎてるからだろうか。そんなに長い尺でもないので別にどうでもいいなあと思ってたら終わってしまった。元々の物語に詳しくないので、取りあげられたスピンオフ・キャラに興味がサッパリなかったので、特にダメだったのかもしれない。


◆『ジェイン・ジェイコブズ』ユーロスペース2

▲ずごごごごごごご。

五つ星評価で【★★★★最近のドキュメンタリーでは白眉の出来】
すんげ体調悪くて、そんな時にドキュメンタリーもどうかと思っていたのだが、見ていて面白くて目が冴えてしまった。
都市計画の違いによる、都市の生き死にをジェイン・ジェイコブズ(善玉)とロバート・モーゼス(悪玉)の一騎打ち形式で見せる。最終的にロバート・モーゼスは都市開発の主役の座から追われるが、映画外の事ではあるが、大都市としてニューヨークを計画した人物として彼を再評価する動きもあるらしい。おそらく、それは結果論ありきで、彼が手掛けなかったら手掛けなかったで、もっとよい都市になってた可能性が皆無と言う訳でもないだろう。
このモーゼスの大量の金を集めて作る大規模な街づくりは下町や長屋を潰してハイウェイを隣接した団地を作るみたいな発想だから日本でも取り入れられている。日本の団地が米国ほど荒廃がひどくないのはひとえに日本の治安がいいからに他ならない。ヤクザが銃で警察官を撃ちながらさびれた団地を根城にドラッグを売ったりはしないからだ。
私が住んでる東京の狛江市で、狛江駅に隣接していた狛江第一小学校が移転して跡地の開発がとても適当に進んでしまった為に住民としては昔の方が町としてのバランスがいいと思ってしまう。荒廃と言うほどの荒廃ではないが、きちっとした見通しを立てないと都市は生きもすれば死にもする。死んだという程ではないが、ずいぶん活気が失われてしまったなあと実感している。


【銭】
『ニンジャバットマン』:ピカデリー前回有料入場割引で1300円。
『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『ワンダー 君は太陽』:トーホーシネマズメンバー割引週間で1100円。
『曇天に笑う 外伝2』:番組固定料金1500円。
『ジェイン・ジェイコブズ』:ユーロスペース会員割引で100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ニンジャバットマン@ぴあ映画生活
トウキョウ・リビング・デッド・アイドル@ぴあ映画生活
ワンダー 君は太陽@ぴあ映画生活
曇天に笑う〈外伝〉 ~宿命、双頭の風魔~@ぴあ映画生活
ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ニンジャバットマン@SGA屋物語紹介所
ニンジャバットマン@徒然なるままに
ワンダー 君は太陽@映画のブログ
ワンダー 君は太陽@お楽しみはココからだ
ワンダー 君は太陽@或る日の出来事
ワンダー 君は太陽@ここなつ映画レビュー

『泣き虫しょったんの奇跡』ユナイテッドシネマ豊洲2


▲「俺だって喫茶店でこんなウェイトレスさんに話しかけられたかったやい」

五つ星評価で【★★★極めて演歌的な一本】  
ずっと待ってたのに最後までショコタンが出て来なかったよ。

将棋と言うのは極限の論理ゲームと思うのだが、将棋その物の狂気には触れず、役者の芝居の積み重ねで世界を構築した。すげえ演歌っぽい映画。出ずっぱりの人から、ちょっとだけ出演の人まで、何とも役者が魅力的に映っている事。逆に言えば「それだけ」な感じもかなり強い。割と大した話ではないと思うのです。

将棋と言うゲームの特性に付いては、映画の中で全く何も語られない。おそらく語るのを避けたのだろう。
だから、この映画の中で将棋はただ「強弱」があるだけで、戦法の違いによる組み合わせや、相手の試合の棋譜を読む事による相手の指し方の予習など全く描かれない。大胆かつファンタジー。

主人公・松田龍平は腫れぼったい目とゴツイ手首が良い。らしい。
初恋の相手と同僚に上白石萌音と石橋静河。美人ではないが感情が露骨に顔に出るような癖が強い二人。リアルにいそうだし、いてほしい感じの人選。
イッセー尾形いいなあ。負けた男のかっこ良さが滲み出てる。
松たか子もああいう人いそうで、とてもいい。そして、松たか子が演じるからこその説得力。
プロ棋士を目指す三段リーグの住人達、妻夫木聡、駒木根隆介、永山絢斗、ナイーブで良い面々。渋川清彦は何の説明もなかったからプロ棋士とは思わなかったな(チラシにプロと書いてある)。
藤原竜也の贅沢な使い方。
渡辺哲の贅沢とは思わんけどそれしか出んのかいな使い方。
プロ編入試験の対極棋士は全員本物の棋士なのか。いや、強さが気持ち悪いくらい滲み出てた。

手足を折って『芋虫しょったんの奇跡』だ。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
泣き虫しょったんの奇跡@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
泣き虫しょったんの奇跡@あーうぃだにぇっと

『恋の豚』テアトル新宿

恋の豚2
▲スリムな並木塔子(左)とふくよかな百合華(右)。そー言えば、スリムはともかくムスリム(イスラム教徒)は豚は卑しい生き物であるとして、嫌うのだ。まさか「夢のようなスリム」で「ムスリム」とか。相変わらずコジツケが天才的だな、俺。ちなみに並木塔子は百合華が決して嫌いな訳ではないと思う。相反する位置にはいるけど。

五つ星評価で【★★★とても評価がいいけど私は普通。決して嫌いではないけど】
企画「OP PICTURES+フェス2018」で上映された一本。
日本映画で一番外れが少ない(と言っておおよそ間違いない)城定秀夫監督の最新作。ネットやツイッターでの評価はバカに良い。うーん、悪くはないし、愛すべき小品だけど、ドツカレてドーン感がない。

主演は百合華。性格良さそうで癒される。
「豚」と言う題名通りぽっちゃり女子だが、私、そういう性癖はないけど、あっ、この子ならポッチャリもいいかもしれないと思わせる。思わせる女優も女優だが、そう撮ってしまう監督も監督だ。相変わらず濡れ場に眼鏡は欠かせない。変態よのう。

彼女が好きになる適当な男「カズくん」を演じるのは守屋文雄。『痴漢電車 マン淫夢ごこち』のサソリさん(超絶痴漢)やった人。この「カズくん」のダメ男なのにきゅんきゅんがちょっと見え隠れする所が絶妙。彼はああ見えて育ちがいいと思う。目の前の欲望に飛びつきながらも、人に対して否定をしない。彼は優越感も劣等感も持たないし、人に持たせない男。

あと一人、話のキーパーソンとして出てくるのが並木塔子。彼女も育ちが良く、比較的、人に対して劣等感を刺激するような物いいをしたりする印象がないが、これはちゃんと教育で教えられ、抑制している様に見える。
恋の豚1
▲並木塔子(左)と守屋文雄(右)


【銭】
一般入場料金1600円だが、テアトルの会員割引+曜日割引が効いて1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
恋の豚@ぴあ映画生活
▼関連記事。
世界で一番美しいメス豚ちゃん@死屍累々映画日記

『タクシー運転手』早稲田松竹


▲顔の異種格闘技みたいな二人。

企画「1980年5月、映画が描くふたつの光州事件」。
できれば併映の『ペパーミント・キャンディー』の方を見直したかったのだけど、時間が合わずに断念。『殺人者の記憶法』の若き日のソル・ギョング見たかったなあ。で、最終日の最終回1本だけ。レイトショー時間帯と言うのに満席近かった。

五つ星評価で【★★★あちこちゆるい】
公開時、ツイッターなどで割と評判のいい映画だったけど評判ほどではないように感じた。光州のタクシー・ドライバーが自分達の身をもってソン・ガンホを守ろうとするところは、ちょっとそこは盛り過ぎだろうと醒めてしまった。
あと、あの強烈な個性のユ・ヘジンが借りてきた猫のようにおとなしく普通の人を演じていたのはアンサンブル的に全体の調和を乱さなかったのでちょっと良かった。しかし減らず口を封じられたユ・ヘジンはかなりアイデンティティを喪失していた。ジャッキーからユニーク・アクションを奪うような物か。何て残酷な。この映画とは全然無関係にソン・ガンホとユ・ヘジンとオ・ダルスの個性剥きだし三人組で何か一発きっついコメディーを作ってもらったりしてほしいな。
ユ・ヘジンの話の後で何だけど、民衆を殺戮する軍隊側を完全に感情のないシステムとして描いていて情動漏れ漏れの民衆と対比されてそれがごっつう怖かった。

ちなみに同じ時代を描いて、貧乏上がりのソン・ガンホが同じく根拠なく信じていた政府政策の真実を知って戦いを挑んでいく、根本の構成が似ている『弁護人』の方をより強く推します。


【銭】
一般入場料金1300円、夜間割引800円だがアンケート記入で招待券が当たって今回は無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
タクシー運転手 ~約束は海を越えて~@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
タクシー運転手 ~約束は海を越えて~@SGA屋物語紹介所
タクシー運転手 ~約束は海を越えて~@ノラネコの呑んで観るシネマ
タクシー運転手 ~約束は海を越えて~@お楽しみはココからだ

『アントマン&ワスプ』トーホーシネマズ日本橋7(ネタバレ部分あり)


▲ワスプ(雀蜂/左)とアントマン(蟻男/右)。二人ともスーツの色味が果てしなく地味。でも、カラーリングがミクロイドSだったら、それはそれで恥ずかしいからせんないか。

※ ラストについて触れている箇所がありますので未見の方はご注意ください

五つ星評価で【★★★快調なテンポと適当さ】  
アントマンの一番の魅力は他のマーベル・ヒーローと比べて適当な事にある。アントマンの能力はサイズを変える事だが、サイズが変わる事による生物学的なデメリット等は一切考慮されない。ただ無邪気に質感や重量とともにサイズだけが変わるのである。例えば身長が5倍になったら体重は容積の単純換算で5×5×5で125倍になり、その重さを支える骨の強度が従来の物では成り立たなかったりみたいな話は無視なのである。大きくても小さくても強度は変わらないと言うのは都合がいい嘘で、多分、スーツが外界と完全遮断されているなら可能だろう。でも、そうするとスーツを着用すると着用した途端に中の人間は死んでしまう。呼吸でも熱でも完全な遮断の上で人間が生きるのは難しい。
その辺、一切、無視して大きい小さいを繰り返すのは、とても都合が良いではあるのだが、効果としてはとても面白い。
一定の容量空間(例えば自動車車内)に占める密度の取り方を0から100まで変える事によってこんなに面白いアクションが可能だとは。これはカトゥーン・アニメの大袈裟なアクションの魅力に近い。物理的にありえないような大袈裟な衝撃。それを正義タイプではない適当な主人公が演じるのがたまらん。このスーツをキャプテン・アメリカが着たら悩みだしそうだ。
アントマンは考えない。
アントマンに比べて理性的理知的である筈のニューヒロイン、ワスプもいきなり出てきて大活躍するが、彼女も考えない。彼女にあるのは行動と信念だけなのである。この人は大日本帝国軍人の鬼軍曹に近い。科学は後から付いてくる。
そして、この超科学(魔術に近い)を開発したマイケル・ダグラス老博士は「超天才」、その設定だけで全て逃げきってる。うおおおおおおー、適当(褒めてる)。

今回このバックス・バニーみたいな面々がスクリーンいっぱいに追っかけっこするのをただ見てるだけである。基本、物語にヴィラン(悪玉)と語るほどの大悪党は出てこない。

極小化システムを盗んで売って大儲けしようとする悪党はマフィアと言うより、部下の少ないチンピラだし(メインは3人くらい)、あんなん、あーた、鼻くそですよ。鼻くそ。どっちかって言うとアントマン&ワスプ&博士(お荷物)の能力が「超人」の域に達していないからチンケな悪役とバランス取れてるってだけ。

マスクを付けてアントマン達と敵対する「ゴースト」もベクトルが違うだけで「悪」ではない。ゴーストもアントマン同様、考えなしに機能をだだ漏れさせながら使っているだけである。と言うよりもゴーストの場合は機能があって、人格がそれに引きずられてる訳だが。なので、ゴーストさんはもうちょっとちゃんとした人格を与えてあげて魅力のあるキャラにしてあげてほしかった。

アントマン&ワスプ&博士&ゴースト&チキチキ強盗団&FBIの家駆け付けチーム&ペーニャ、の仁義なきずっこけ追っかけアクション・ムービー。 in バックス・バニーみたいな世界。だから、蟻とかがたまに命を落としたりするんだけど、ほぼほぼ心が痛まない。あれはそういうシステムだから。俺、蟻とか虫に感情移入はしないんだ(虫は無視だ)。あれがルーニー・チューンズだったら、蟻に天使の羽根と神様の輪っかが付いて天国に召されただろうけど、流石にそれをやったらドラマとして破綻するから抑えたんだろうな。それはしょうがない。

チラシにゴーストの素顔載せてしまってるのはどうかしてる。
逆にゴーストのスーツ姿がチラシに載ってないのもどうかしてる。

ガクーンと気分が落ちたのがラスト。
これで、このラインも『アベンジャーズ』に取り込まれてしまうのだな。割と同じグループにいながらも、地上寄りの汚いコメディーやってますよって感じで極力、影響を受けずに別枠にいたのに。そしてそれが『アントマン』の魅力なのに。全体構想からして見ればしょうがないのかもしれないけど、実に勿体ない。これで、ゲスい話であり、アベンジャーズとかと同じ地球で働いてるけど、ご近所の話だから温かい目で見てやってね、という息抜きラインは『デッドプール』だけになったのだな。あー、あれは興行系列的に違う地球らしいのだけど。どんな些末なシリーズでも見ないと『アベンジャーズ』に差し障りありまっせというのは緩慢な脅迫で、ちょっとイヤだなと思う。

世界観的な意味合いでディズニー(マーベル)地球とソニー地球が融合する中、Xメンとデップーの20世紀地球が別の軌道にあるという事でいいのかな? ファンタ4はどこだろう? まあ、もっと遠い所にDC地球があって、デップーだけはそこに非常勤で出入りしてる感じなのが流石デップー。

相変わらずアントマンの娘が犯罪犯したくなるくらい可愛かった。

マイケル・ダグラスの奥さんが行きっ放しになった世界からやっと帰ってきて体質が変わってるって、ちょっとジャミラっぽいので、水をかけたら悶え苦しむかもしれない(やめてあげて)。

初代ワスプがどんどん小さくなり世界を救ったが(『火の鳥 鳳凰編』だがや)、アントマンが機械の故障で際限なく大きくなっていったら宇宙はともかく、地球くらいは滅亡するのでは?


【銭】
トーホーシネマズデーで1100円(サニー満席だったからこっちにしたよ/でもこっちも最前列)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アントマン&ワスプ@ぴあ映画生活
次のページ

FC2Ad