ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

マンガ『村人ですが何か? 第一巻』原作 白石新 作画 鯖夢、ドラゴンコミックスエイジを読書する男ふじき

『ありふれた職業で世界最強』が鍛冶屋なのに勇者より最強という物語なら、これは村人なのに勇者より最強というパラドックスを描く。ただ、これも村人が勇者以上を得るために常人以上の努力をするものの、基本的には世界全体の構造をだまくらかして強くなる物語なので爽快感が薄い。別に主人公は卑怯でもかまわないし、物語の上で誰をだまくらかしても構わないのだけど、JOJOがそうであるように、そういうだまくらかす姿勢そのものを嫌悪感を抱かせないように作者側は何らかの手を打たなければならない。何だろう。この物語では読者が主人公を信頼できない感じがする。それは主人公が自信たっぷりに実績も読者に見せていないのに、そこそこ万能だからじゃないだろうか? 種は明かせないが、自信たっぷりで上から目線って感じがちょっとイラっとする。うーん、私はそう。
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『女の一生(再公開短縮版)』をシネマヴェーラ渋谷で観て、こらいいで★★★★

五つ星評価で【★★★★長い話をとてつもなくカットしてるらしく、それが逆にスピーディーなテンポでええんやわあ】
特集上映「新東宝のもっとディープな世界」から1プログラム。
1953年、モノクロ、136分から70分にカットされた。
乙羽信子が婚前から孫がいてもおかしくない年までを演じ切る。何が凄いって乙羽信子の兄役の宇野重吉が学生服着て若者役なのだ。宇野重吉は物心付いた時から年齢不肖ながら謎の貫禄で爺さんだったけど、学生服着ても貫禄あって若者に見えない。若者の中に潜伏してる何か怪しい奴みたいだ(演じてる時点で若いかどうかはよう知らん)。
で、乙羽信子もいい。何か度胸がすわってる。気持ちいい。ファニー・フェイスでもってして、キツイ口調で正論かます。割と周りの男がクズばかりなのを包みながらいなしていく。しかし、夫もクズで舅もクズで息子もクズってのは因果応報だとしたら祖先供養か何かをやり直した方がいいレベルだ。自分が傷付きながら、無理を通して、周りを幸せにするようなキャラは日本人だったら大好きである。そして、そういうキャラに乙羽信子が似あう。
殿山泰司が帳場を預かる番頭役で出てるけど、何かとても普通の端役。女好きっぽい顔はそのまま、全然、事務的に番頭をこなしている(まあ、エロい部分がカットされてる可能性もあるけど)。

あのラストで終わりってのは逆にいいセンスかもしれんが(秘密)、ポンと10年くらい簡単に飛んでしまう編集はとても小気味よい。旦那も舅も変死、旦那が他の男に孕ませた不義の子を育てるなど、そんなレアな人生を『女の一生』扱いするのもどうかとも思うが、庶民的な顔立ちの乙羽信子が演じる事で『彼女の一生』から『私たち女の一生』になってるという訳だ。全ての女が乙羽信子にはなれないが、全ての女が乙羽信子の朋友であり、「乙羽信子と私たち」の関係を築く事で、最終的に『女の一生』という題はやはり違和感がない。やるなあ。

PS 原因は謎だが日一日と女性になってしまう男、高橋一生を描いた『女の一生』という作品があっても良いと思う。



【銭】
通常二本立てて興行価格1500円-200円(夜間割引)-400円(会員割引)。カップリングの『新遊侠伝 遊興往来』は時間の都合で全く見れず。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
女の一生〈1953年 target="_blank"〉@ぴあ映画生活

『エイリアン:コヴェナント』『僕のワンダフル・ライフ』『スクランブル』『アナベル死霊人形の誕生』をユナイテッドシネマ豊洲10,9,4,2で観てざっと感想

ユナイテッドシネマ豊洲括りで4本まとめてレビュー

◆『エイリアン:コヴェナント』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲なんか地味な画像引っ張ってきてしまった。

五つ星評価で【★★★★頭が悪いのでお気にです】
あのエイリアンが神戸南東のぶぶ漬け婆さんに礼儀がなっとらんと説教される映画(嘘)。
いやー、惚れ惚れするくらい地球人頭悪くない?
初めての未開の惑星で宇宙服を脱ぐんじゃない。何だろう。躾けがなってないのかな。よそ様のお宅でそんな気ままに振る舞えるちゅーんは。顆粒の龍角散とかエイリアンとかとは別に、どんなウィルスがあるか分かったもんじゃない訳だし。まあ、あまりよそ様のお宅を雑菌だらけみたいな扱いするのもなんだけど。ただ『宇宙戦争』では、それで火星人全滅したんだし。まあ、同じ太陽系の宇宙人として同程度の知能だったという事か。人類(火星人も含めて)みな兄弟。
映画その物は娯楽にずっぷり足を踏み入れてる感じが、たいそう面白かったです。Hしてると斬殺鬼が現れるとか。ええい、どうせならホッケーマスク被って来いよ。
とは言え、顆粒の奴はよく分からないよ。あれがあるならフェイスハガー形態とかいらなそうだもの。まだまだ生物としてのエイリアンは謎がいっぱいだ。

あと、たいそう皆様が喜んでるのはマイケル・ファスビンダー祭になっている点。
エンドロールで百人のファスビンダーが歌って踊ってミュージカル映画もかくやという感じになっても誰も反対できないと思う。そして、ファスビンダーはいまや『おそ松さん』がハリウッドで実写化される時の主演第一候補である、私の中では。


◆『僕のワンダフル・ライフ』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲この後、犬は一飲みされた。

五つ星評価で【★★犬だな】
犬は好きでも嫌いでもない。こういう風に犬に思っていてほしいなあという気持ちはよく分かる。だから、映画その物の成立が犬に対する人間からの片想いのラブレターなんじゃないだろうか。そう考えると切ないけど、そこまで深読みしながら映画は見ないから、まあ、普通の映画だった。個人的にはそんなに犬に希望を持てるような生活をしてないという事だろう。デニス・クエイドはかなり前から中年で、今はもう中年から初老という佇まいだけど、黙っていても人生を感じさせるいい風貌になってきましたね。

チラシに次みたいに書いてある。

「名匠ラッセ・ハルストレム、ドッグシリーズの集大成」

このドッグシリーズの根拠が『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』『HACHI 約束の犬』なのである。おいおいおいおい。そらないだろ。タイトルに「犬」って付いてるけど『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』の犬なんてカルタ札で読まれる「犬も歩けば棒に当たる」程度の犬でしかないんだよ。これで「ドッグシリーズ」だったら監督違うけど『ゴースト・ドッグ』とかだってシリーズに入れてもいいよ。変な宣伝しようとするんじゃないよ。


◆『スクランブル』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲4Pしそうな四人組。

五つ星評価で【★★★頭使わなくて面白いのがえーやん】
東急レックスで一年に一回くらいかかる痛快なんだけどガラガラの映画みたいな雰囲気。
仕留めておかないと、後からヒドイ目に会うという正統性があるんだけど、敵にはとことん優しくないのがちょっとギャップ(ギャップ萌えはしない/どっちかというと良くない印象)

邦題が『スクランブル(緊急事態?)』だけど、原題は『OVERDRIVE(運転しすぎ)』で、原題の方が分かりやすくていい。『スクランブル』なんて10年に一回くらい同じ題名の内容が異なる映画が公開されそうな題名だ。内容にリンクしてない。いや、内容はないからそこそこ何でもいいという感覚も分からなくもないけど。将来的にスクランブル・エッグを作る料理人の一生を描く映画とかが出来た時に「題名残しておけばよかった!」と後悔するぞ。

あっ、イーストウッドの息子(役柄的に兄貴)の相手になる姉ちゃんが整ってて卒がないと言う感じの美人でした。でも、なんかほんま特徴がない。きっと、この後、凄く有名になってこの映画にも出ていた筈なのに、あまり覚えがないとか思ってしまう羽目に陥りそうな予感がある。

犯罪グループのリクルートするシーンでドライバー達に「運転だけ」という約束がされて、実際のヤマを踏む時に本当に「運転だけ」であったのにちょっと感心した。そういうドライバー達であり、頼りがいはないけど安く雇うなら、想定以上のスキルは要求しないというのが潔い。あれ、渋谷とかでゴーカート転がしてるマリオ・カート・ドライバーみたいだな、とか思った。そこそこリスクはあるけど、そこそこの身入りみたいな意味で。


◆『アナベル死霊人形の誕生』をユナイテッドシネマ豊洲10,9,4,2

▲ドキっ美少女だらけのちびっ子ハウス。

五つ星評価で【★大きな音は出るけど何が怖いのか】
大きな音が出る、音に合わせて不気味な映像が一瞬浮かび上がる、
ショック表現は中々堂に行ってるのだけど、そもそも
何がどうしてそういう事が起こるのかがよく分からない。

つまり単に変な現象が次々に起こる事だけで怖がってください、
と言う事なのだけど、この超パワー、ぶれがひどい。
成人男子の指をボリボリ折るかと思えば、
美少女たちを追い回して追い回して追い回した挙句
被害は僅少。
呪う側が何の目的で誰に対して何をどう呪うのかが
ブレブレで分からない。

あと出てくる少女はみんな可愛いが、
人形は「何でアレ」って怖い外観が説得力を削ってる。


【銭】
『エイリアン:コヴェナント』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
『僕のワンダフル・ライフ』:ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
『スクランブル』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
『アナベル死霊人形の誕生』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
エイリアン:コヴェナント@ぴあ映画生活
僕のワンダフル・ライフ@ぴあ映画生活
スクランブル@ぴあ映画生活
アナベル 死霊人形の誕生@ぴあ映画生活
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エイリアン:コヴェナント@SGA屋物語紹介所
エイリアン:コヴェナント@或る日の出来事
スクランブル@ここなつ映画レビュー
スクランブル@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
僕のワンダフル・ライフ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
僕のワンダフル・ライフ@SGA屋物語紹介所

『おかしなおかしな大追跡』を新文芸坐で観て、ドタバタが楽しいけど恋愛映画としては地獄★★★


▲最近、こういういかしたイラストの映画ポスターってないね。

五つ星評価で【★★★マデリーン・カーンが出てる】
ワーナークラシックの特集上映二本立てで時間の都合で夜間割引一本だけ。初見。
四つの鞄の取り違えコメディー。
場内貼りでプレスシートが貼ってあったが、最初の日本語タイトルが「ファニーなんとか(失念)」であったのがハンコが押されて「おかしなおかしな大追跡」に変わってる。あと、プレスシートに漢字違いがあって「四つの靴」を間違える話とかになってる。うーん、俺が見間違えてる訳じゃないよねー。

もう、次から次へと他愛のない笑いが仕込まれてて楽しい(ガラスとか左官とか鉄板)。笑い的には難しくなく、罪がない。ただ、話の真ん中に鎮座する、人のいいヤング博士と、その婚約者と、トラブルメイカーの偽婚約者は、喜劇を作らんが為の都合が良すぎる性格設定じゃないかと思う。特に偽婚約者については、人の迷惑を顧みない自己中性格で、やはり好きになれない。あの性格に何かしら理由があると言う所まで作り込んでくれれば良かったのに。
お人好しの主人公が、理由も分からずに相手をブンブン振り回す見ず知らずの女と、ヒステリーの婚約者の間で目を白黒させる構造はちょっと地獄だ。
このヒステリーの婚約者はマデリーン・カーン。『ヤング・フランケンシュタイン』で怪物に襲われながら巨根でオペラのように歓喜を歌ってしまうジーン・ワイルダーの婚約者。あの映画はテリー・ガーの方が可愛くってマデリーン・カーンはベクトル変だった。つまり、人並に美人なのに果敢に変な事できる役者なのだ。

映画の前半で軽く「エニシング・ゴーズ(インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説のOP)」が耳に入る。なんか良いなあ。


【銭】
夜間会員割引で1000円(おそらくワーナー映画特別価格)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
おかしなおかしな大追跡@ぴあ映画生活

『スウィート17モンスター』『アメリカン・スリープオーバー』をキネカ大森2で観て、悶々悶々また悶々

キネカ大森の名画座企画「甘くて苦いティーン・ムービーの青春」

◆『スウィート17モンスター』キネカ大森2

▲××××くん全開。

五つ星評価で【★★★悔しいのだけど主人公ネイディーンから目が離せない】
基本、誰もが通る「自分は特別な人間」と、でも、「自分がダメである事も徹底的に自覚している」と。うんまあ、自意識過剰で自分が世界の中心にいるそんな主人公がちょっと大人になる話。もう本当洋の東西を問わずみんな同じような事に躓いてんのね。一時期はナチュラル・ボーン・キラーだったのに、とっても地味に収まったウッディ・ハレルソンがいい味、出してる。この手のティーン・ムービーで王子さまに位置するのがアジア系って珍しい。

そしてネイディーンの顔がどこかで見たような気がする。

あれか、金子信雄か?
それとも財津一郎か?
いやいやいやあばれるくんだ。
書いてて可哀想になったが、でも、俺は顔があばれるくんの女の子とHするのを想像すると申し訳ないけどちょっと萎えるよ。


◆『アメリカン・スリープオーバー』キネカ大森2

▲噂の2×1。

五つ星評価で【★★ちょっと登場人物が多すぎて平坦】
「スリープオーバー(お泊り会)」という行事がアメリカにはあるのね。知らんかった。いや、見終わった今でもどんな行事なのかピンと来てない。
何でも『イッツ・フォローズ』のデビィッド・ロバート・ミッチェル監督の長編デビュー作なのだとか。そう言われてみれば空気が似てるかもしれん。下手に世慣れず静かに多面的に色々な事が展開してる。群衆劇でキャラが多すぎて何人か分からずに混同してしまって混乱した。双子のインド系はいるだけで神秘的でいいなあ。『モスラ』のパロディーが入ってくるとは思わなかった。


【銭】
2017年10月始まりで新しく購入したキネカード(名画座回数券)。半年間で3回入場券付で3000円。うち1回分を使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スウィート17モンスター@ぴあ映画生活
アメリカン・スリープオーバー@ぴあ映画生活

『74歳のペリカンはパンを売る』『デンジャラス・ドックス』をユーロスペース1,2で観て、ふむ、おおおおおお★★,★★★

同日鑑賞、ドキュメンタリー2本。

◆『74歳のペリカンはパンを売る』ユーロスペース1

▲「これは何だ?」「パンだ!」

五つ星評価で【★★眠りそうな内容にも関わらず起きていられたけど饒舌ではない】
見た直後のツイッターの感想。

映してる物は変わらないし、言ってる事も少ないのに意外と場が持つ不思議な映画。

「ペリカン」ブランドのパン屋のドキュメンタリー。
このパン屋はロールパンと食パンしか作らないのだ。
基本、「褒め」だけで出来てる映画だが、そこはまあ構わない。
パンという単価の安い物に対するブランディング(ブランド化)と、
そのブランディングを守るための品質の安定はちゃんと伝わってくる。
そして美味そうである。

疑問なのはパンの製造工程の撮影で、延々とロールパンを型にする部分と、食パンを焼き型から取り出す部分の工程だけが何度も何度も映画に挿入される事だ。一応、一々別に撮影されている物みたいなのだが、パン工程はその二つしかないのだと言わんばかりに、そればかりが繰り返し挿入されるのは何でなんだろう? 製造工程の秘密遵守だろうか?


◆『デンジャラス・ドックス』ユーロスペース2

▲群れる恐怖。

五つ星評価で【★★★ちょっと見た事のない物が見れる】
こっちは短編ドキュメンタリー3本からなるオムニバス。
『男が帰ってきた』:レバノン発。結婚する為に国に帰ってきた男はヘロイン中毒。しごく当たり前に身体に刺さってプルンプルン揺れる注射器が実に非日常。
『渦』:日本の喧嘩祭り。映るおっちゃんの殺意秘めた顔やら紋々やら何気にヤバい感じがヒシヒシ伝わってくる。
『シット・アンド・ウォッチ』:ロンドン発。もう内容は毛ほども覚えてないが、音が凄い。石井聰亙の『半分人間 アインシュテルツェンデ・ノイバウテン』みたいと言えばみたいだ。もっとも爆音上映にふさわしいドキュメンタリー。と言うか、他に爆音上映と相性のいいドキュメンタリーなんてないわ(いや、『半分人間 アインシュテルツェンデ・ノイバウテン』がそれと言えばそれだ)。


【銭】
ユーロスペース会員割引で各1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
74歳のペリカンはパンを売る。@ぴあ映画生活
《デンジャラス・ドックス》@ぴあ映画生活

『映画の教室2017下(第一回)』をフィルムセンター小ホールで観て、なるほど今回はカラー★★

五つ星評価で【★★鈍いからか、ああ、カラーだねとしか思えなかった】
フィルムセンターの企画上映。
全五回で今回のお題は「色彩の探求」
一回目は「さまざまなカラーシステム」。

『かわいい魚屋さん』はコニカラー。
『ふくすけ』はイーストマンカラー。
『ダービーを目指して』はアグファカラー。
『黒いきこりと白いきこり』はフジカラー。

それぞれ異なる方式のカラーシステム(カラーフィルムと言った方が伝わるのか?)で、カラーシステム黎明期の1950年代(約70年前)の作品。発色の中でこの作品は赤が強く、こちらの作品は緑が強くとかかましたいところだが、そういうの全然気づかず、漫然と「カラーだなあ」としか思えなかった。目も感性も悪いか、俺? 逆に特殊な使い方、例えば市川崑が『犬神家の一族』で使ったような超コントラスト発色とかをしなければ特段、カラーって気にならないのかもしれない。それだけ自然だし、最初からある程度、完成された技法だったという事だろう。
名画座で古いカラー作品を見ると白黒と見間違えるような退色が起こっていたりするが、流石フィルムセンター収納の映画は管理が良いらしく、全く劣化を感じさせない綺麗なカラーでした(勿論、公開当時の状態を知っている訳ではないから現時点で推測しているだけなのだけど)。


【銭】
フィルムセンター一般入場料金520円。前回のアニメ特集と比べれば、かなり空席が目立った。今回、特集会員証を300円で購入。この会員証があれば定員人数内なら必ず入場可能という代物。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
《映画の教室 2017/さまざまなカラーシステム》@ぴあ映画生活

『RWBY volume4』をシネ・リーブル池袋1で観て、総論賛成★★★


▲ワイス(かーいーやんけ)。

五つ星評価で【★★★アメリカ発萌えアニメ第四弾】
アメリカ製の3DCGアニメの続々々編。

ビックリ仰天展開の3に続くのは地道なコツコツ回。
まあ前回のでガッチリ、ハートを掴まれたからこれでも大丈夫。
誰一人として一緒ではなく、チームRWBY四散してしまったのね。
四散の一人一人を追いながら、話は進んでいく。

次の5に引き継ぐための中間回という感じがありあり。

意図的かどうか分からないがルビー大きくなった気がする。
ワイズの私服がエロくて好き。歩き方がより内股チックに「ちょちょちょちょちょ」という感じになった。四人の中ではブレイク推しなのだけど、今回はワイスが一番好き。
ブレイク、いや、うーん大きな変化なし。なんかサンといい空気になってきたけど獣じゃないんだから処女は守れよ。
ヤン、こんな簡単に復調してしまっていいのか?

粗製チーム組んでるノーラは服のセンス(特にスカートの広がり)がアイドル歌謡みたいで逆にイヤだ。
ダメな子ジョーンは感情移入するなあ。でも、キャラとしてはつまらん。
ライ・レンはノーラの片割れ。抑制キャラは好みではない。

グリム(化け物)はラストのが咆哮込みで実に良く出来てる。あんなん怖いがな。
ルビーよう動きよるのう。


【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
RWBY Volume4@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
RWBY Volume4@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
RWBY Volume1@死屍累々映画日記
RWBY Volume2@死屍累々映画日記
RWBY Volume3@死屍累々映画日記

PS 主要四人の衣装が変わった。
 新しいのと比べると前のって確実に野暮ったい。

マンガ『ありふれた職業で世界最強 第二巻』原作 白米良 漫画 RoGa、ガルドコミックスを読書する男ふじき

やはり気になるので続巻を購入。
幽閉されていた女の子と一巻まるまる使って
コミュニケーションを上げていく話。

ところどころに魔物とのアクション・シーンが入るのだが、
絵を描いてる人のスキルがあまりよろしくない。
怪物の全貌や外観上の特徴がパッと見で分からない。
これがストレスになる。
カラーページを白黒として格納しているみたいなので
単行本だけ見ている私だけが見辛いという可能性はある。

どんなもんでしょうねえ。

『スイス・アーミー・マン』『亜人』『あさひなぐ』『ダンケルク』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

またぞろ感想UPを5本終わらそうという目的のレビュー
ちょっと困った縛り。巻くぞ。

◆『スイス・アーミー・マン』東宝シネマズシャンテ2

▲「はいよー、しるばー」

五つ星評価で【★★いい話にしない方が好み】
ダニエル・ラドクリフが全編死体の役、というのに惹かれて行った。
まあ、死体なんだけど話すんだよな。
今時はゾンビだって話す亜種がいるけど、
ダニエルのはキチガイのロンリー・ボーイが
「死体が話してくれたらステキ」が高じた上での妄想なんである。
ちょっとガッカリ。
せっかくなので、ただの死体(物体)だけどチャーミング
みたいなラインで見たかった。
そら、そんなの相方側の芝居も大変だけど。
タイトルの「スイス・アーミー」は「スイス製ナイフ」で、
スイスの十徳ナイフ(多用途汎用ナイフ)は有名らしい。
ならば、死体の性能がもっといっぱいあってほしかった。
基本オナラばかりで大した機能がないと思う。
あと、こんな只の与太話を「いい話風」に仕上げようとしたのは
どっちかって言うとダメ人間側だからか、ちょっとやだった。


◆『亜人』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲アクションで評判が良い川栄李奈さん。

五つ星評価で【★★アクションはともかくとして】
ユナイテッド豊洲オーシャンビュー大画面、平日18:30の回はちょっと時間が早かったからか10人入ってなかった。この後のレイト時間はもっときつかろう。終末ランキングは動員1位だったがちょっと惨憺たる入りだ。でも、その入りに応えるかのように作品の出来もそう良くない。
この実写化の前に三部作で作られた出来の良いアニメがあり、実写化はこれがお手本になる訳なのだが、尺が違うとは言え、かなり劣化が激しい。実写化の売りは人間が実際に演技する事でリアルを得るアクション。それはいいし、単品でそれだけ掬い上げると決して出来は悪くない。ただ、そのアクションを成立させるための世界観の説明がともかく下手だ。「亜人」という存在や、その亜人を取り巻く人間の気持ちや行動が絵空事にしか見えない。
原典が持ってる「亜人捕獲に協力したら1億円」というデマ、亜人差別感みたいなのを強調するセリフ、米国が国をあげて亜人研究に取り組んでおりIBMも科学的根拠がある物として理由は不明であるが説明されている事、この辺りの物語の嘘と現実を埋める設定がないがしろにされている。だから、この物語の「亜人」は「魔法使い」と言葉を置き換えてもそんなに違和感がない。「魔法使い」なら黒い巨人の召し使いとかいてもおかしくないし。
個人的に残念なのは佐藤健が演じていたからなのか主人公がクズという設定がなくなっていた事。佐藤や田中のメンタルと合わせて永井圭のメンタルが「人間らしくない」ところが、亜人の面白さでもあるのだから。

綾野剛はいい役作りをしている。
佐藤健は原作とは設定変えてるからあんなもんだろ。
下村泉の川栄李奈もいいコピーをしてる。アクション激しいな。
城田優は国内二体目の亜人「高橋」。高橋あんな美形になって(笑)
千葉雄大の役は車椅子の亜人「奥山」圧倒的な説明不足。
浜辺美波は今回は普通。
アクションするIBMは嬉しいんだけど、果てしなく説得力がない。アニメだとCGっぽい動きが人間のアニメキャラから浮かび上がるのでリアルになのだけど、実写だとCG丸出しのIBMと比較されるのが実物の人間なので、どう見てもIBMの方が嘘にしか見えない。


◆『ダンケルク』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲綾瀬はるかに走ってもらいたかった。

五つ星評価で【★★ノーランさんはそんなに】
がんばるぞー。死なんぞー。生き残るぞー。
基本、そういう局面だけの映画。
どーせ、人が死ぬのなら、もっとベタな死を見たいのかもしれない。
大量に「死ぬ」という事は一つ一つの死(又は生)の意味を奪う事だ、
という逆目かもしれないが、どちらかと言うと私は
絵(情景)としての映画より、話(物語)としての映画の方が好きなのだろう。
陸・海・空の救助が一点で交わる瞬間はそれは美的には
そそるかもしれないが、やはり単にカンバスの上の構成にすぎない。


◆『あさひなぐ』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲可憐。だがそれだけでは不足だ。

五つ星評価で【★★原作読者なので】
映画化に際して、主要メンバーを乃木坂46で揃えようという事になったのが、そもそも誤りなのだと思う。いや、彼女たち自身は最大限に努力をしているのかもしれないが、起用した事によりゆるい仕上がりになってしまったのは事実だろう。
原作の一巻から二巻の入部から三年引退試合、國陵との練習試合、四巻の夏合宿を取り込んで再構成した脚本のベースラインは悪くないと思う。
限られたメンツから割りと似た人達を選ぶ事により成立しているキャスティングなのだが、演技その物は特に「こいつのせいで!」みたいなドベタな演者はいなかった。だが、しかし、みんなそれぞれ原作と少しずつニュアンスが違う。いや、そこは乃木坂に合わせるのではなく、マンガに合わせていこうよ。

主人公の旭は西野七瀬。かーいらしい。かーいらしいのとあまり小さく見えないのが問題だ。彼女は連れてこられてやってるだけなのだから(当然なぎなたは吹替えが付くと思ってたと言うインタビューが如実にそんな感じ)、出来ないのなら演出側がサポートすべきだ。小さく見えるように撮ってやれよ。小さく見えるように演技して成功するプロの役者とかもいるけどレベルが違うんだから。問題はも一つ。かーいらしいこと。原作の旭は「ぶざま」なのである。でも、ブザマでも何でもやって、進んで、乗り越えていく。そこに旭らしさがある。西野七瀬は弱くてできないなりに努力してという形は出来ている。でも、それは圧倒的に軽い。それは彼女がアイドルとして「出来てきた」人だからかもしれない。
旭の同輩、紺野さくら。松村沙友理。この子は逆にノッポで金持ちで実は腹黒という役なのだが、あまり長身でもなく、ただニコニコ笑ってるブリッコになってしまった。
旭の同輩、八十村将子。桜井玲香。この子は中肉中背、ヤンキールックスで鼻柱が強い。見た目は違うが原作とのギャップは小さい。ただ、同輩二人は旭との対比に使われなければならないのに出番が少なく、内面にまでは入り込めなかった。
二年の三人もそうだが事実を淡々と描くだけで内面がない。
ようはみなキャラが立っていないか、キャラがゆるまっているのだ。
集団ドラマで、これで面白くなる訳がない。
このキャラを見た目くらいでしか選別しない事で一番損をしているのが
生田絵梨花の一堂寧々。彼女には彼女の怒りの理由があるのに
一切何も触れなかったので単にいつも不機嫌な
「あの子、生理なのかしら」みたいなキャラみたいになってしまった。

あと、なぎなたの試合パートが長いが、撮り方が引いて撮っていて平坦。
演者も観客も素人なので、なぎなたの腕の良し悪しは分からない。
だが、それは分かるように描くべきではないか。
そして、勝つべき人が勝った時は
とても気持ち良くなるように撮るべきではないか。
伴奏もずっと同じものが鳴りっぱなしでメリハリなかった。
対戦者がどちらが味方なのか分かるような配慮もなかったし。

なんかないない尽くしで表面だけ似せて作った気がしてならない。

あ、尼さんの江口のりこだけはよかった。
何かそこにいる事に必然性があって、マンガともぶれない強いキャラだった。


◆『ナミヤ雑貨店の奇蹟』ユナイテッドシネマ豊洲4

▲「愛人にならないか」という悩みの尾野真千子。おまえら愛人になった事もないのに杓子定規に愛人否定しちゃあかんのではないか?と思いつつも、とても定番な回答に着地する。

五つ星評価で【★えーと】
何でだろ。何でだか分かんないけど無性につまんなかった。
あっ、久しぶりに山下リオちゃん見れたのはよかった。そんだけ。
ナミヤは悩み(783)に通じる。そしてこの783に警察(110)事が
加わるとヤクザ(893)になるんだよ、バカヤロ、コノヤロー

そうだ。子役の演技が凄かった。


【銭】
『スイス・アーミー・マン』:映画ファン感謝デーで1100円。
『亜人』:ユナイテッドシネマメンバーポイント2ポイント使用で1000円。
『あさひなぐ』:ヒューマントラストシネマ渋谷水曜割引で1100円。
『ダンケルク』:ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』:ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スイス・アーミー・マン@ぴあ映画生活
亜人@ぴあ映画生活
あさひなぐ@ぴあ映画生活
ダンケルク@ぴあ映画生活
ナミヤ雑貨店の奇蹟@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
スイス・アーミー・マン@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
亜人@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
亜人@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ダンケルク@いやいやえん
ナミヤ雑貨店の奇蹟@映画的・絵画的・音楽的
ナミヤ雑貨店の奇蹟@タケヤと愉快な仲間達
ナミヤ雑貨店の奇蹟@☆映画ライター渡まち子の映画評

『1000年女王』『わが青春のアルカディア』を目黒シネマで観て懐かしや懐かしや★★,★

「目黒シネマ★なつかし秋のアニメ祭り」

◆『1000年女王』
五つ星評価で【★★珍品】
初見。
実際、物語は破綻してると思う。
文明を監視、先導する「1000年女王」が実は異星人であり、母星の命令に背き地球人を守ろうとするというアウトラインはそんなもんだろうという感じだが、ディテールがメチャクチャ。
(1) 雪野弥生こと1000年女王は大きく分けて衣装が違うだけ。詳細に見比べてないがメイクすら違わないと思う。それなのに誰も同一人物と疑わない。鉄郎もどきよ疑えよ。お前がそんなだとラーメタル星の奴らが「猿と共存生活できない」と言ってた事を認める事になるぞ。アニメ表現上では分からなかったが、デーモン小暮張りのメイクをしてると言うなら話は別だが。
(2) 宇宙船が変。関東平野がそのまま巨大な宇宙船だった事になっているが、戦いが終わると元の大地に戻る。そもそも宇宙船として空を飛ぶ必要があったのか? 敵ラーメタル人の高貴な人たちが住んでいる宮殿も宇宙船化して「宮殿船」と言われている。これも特に居住区の宮殿周辺を壊しながら宇宙船化する必要は全く感じられない。乗る必要のある人が宮殿から宇宙船に移ればいいだけである。 1000年女王の戦艦施設内(多分)に歴代1000年女王が弔われている。その旧1000年女王達が自分達のアイデンティティの発露として自分達専用の戦艦を飛ばすのだが、最終的にボコボコ特攻していく。いいんか、それ?道義的にも? 
(3) 雪野弥生の妹が1000年盗賊と言われていたが、1000年女王の部下なのか、反組織なのかもよく分からなかった。普段、何してるんだう? TV版ではそれなりに暗躍してたらしいが、映画版では出てきた途端、間に挟まれてやられキャラである。
(4) 1000年女王が現われたデッキみたいな所はおそらく天文学観測施設なのだが、いつの間にかブリッジみたいになってる。そもそも関東平野をどこで誰が操縦してたのかよく分からない。天文学研究所の所員とかが動かしてたのか?
(5) 鉄郎もどきが歴史博物館に行って武器をGET。ギリ銃までは許していいけど、戦車を収集してる博物館(しかも武器として使用可能)はヤバいな。
(6) あまりにも彼我の戦力差がありすぎてラーメタル側が戦えなくなってしまうのは皮肉で面白いがリアルではない。確かに光線銃で戦う相手にとって竹槍とか突き出されたらエポック・メイキングかもしれんが。
(7) 劇中ラストであるセレモニーが行われ、映画は終了になるのだが、よく考えたら地球とラーメタルの運命がどうなるかはよく分からなかった。移住するのか、追放するのか。次の千年、何がどうなるのか?
(8) 劇中、関東平野にいた現地人がラーメタル星人と戦ってレジスタンスのように美化されるのだが、その多くて100人くらいの人間が人類50億を背負って戦ってたのか? 人類、他にも助け寄越してやれよ。
(9) 最終的に圧倒的な戦力差を埋めるのは痴話喧嘩である。

こんなかしら?

冒頭、松本美女が眠る寝室。ベットに何のお守りなのか、松本メーターがくっ付いている。
映画内の松本メーターは割と淡泊。あまり気持ちが籠った描かれ方をしていない。

1000年女王、脱ぐ必要がないのに、全裸に剥かれて脱がされる。
ちなみにパイパンである。

歴史博物館で戦う連中の中に松本零士がいる。
歴史博物館で戦う連中の中にジャイアンツのユニホームで背番号1の男がいる。


◆『わが青春のアルカディア』
五つ星評価で【★長いよお】
こっちは公開時に見てて2回目。公開時も面白いとは思わなかったが。
大過去、中過去、現在の構成を持つ。
冒頭、大過去の飛行機乗りハーロックの声を演じるのは石原裕次郎。裕次郎そのままの声なのでアニメに合うかと言われれば合わない。ラジオの朗読番組に絵が付いたような状態。
中過去は第二次世界大戦中のハーロックとトチローの因縁譚。遺伝子から先祖の記憶を探る機械が出てくる。『アサシン・クリード』かよ。

現在は『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』のパート0にあたる物語。この部分が長くてタルい。三つの構成合わせて130分は長いよ、やっぱ。

食うや食わずやは置いといて、たった一人で宇宙船を手作りしてしまう男は異能すぎる。

小松原一男の作画は最高レベル。
松本メーターもかっこいい。魂が籠っている。


【銭】
通常二本立てて興行価格1500円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
1000年女王@ぴあ映画生活
わが青春のアルカディア@ぴあ映画生活

PS ナドレックさんのコメントで指摘されたので
 「千年女王」は全て「1000年女王」に差し替えました。
 PCのタイピングが「ぬわわわ女王」だったのが
 ちょっとおもろかった。
PS2 そう言えばツイッターで贔屓目に見れば
 『サイレント・ランニング』と似てるかもと擁護したなあ。
 為政者によって派遣された技術者が派遣先を破壊しろと
 為政者に迫られて反撃みたいなアウトラインだけが似てる。
PS3 今回の二本立ては映画は両方つまらないのだが、 
 見て損したとは思えない。まあ、映画は映画だけでもないし、
 出来不出来だけでもないよ。勿論、面白いに越した事はないのだけど。

カツや「チャーシューエッグチキンカツ丼」

チキンカツ+チャーシュー+目玉焼き+丼飯。これはまごう事なきデブのエサどんぶり。その意気やよし。

『仁光の受難』を角川シネマ新宿2で観て、これはえげつない変映画★★★


随所にアニメが挿入されますが実写映画です。

五つ星評価で【★★★スッキリはしないが、とりあえずすげーもん見たと心地よい疲労感】
「勤勉な修行僧、仁光の悩みはめちゃくちゃモテること。」という
チラシのコピー通り、僧侶の癖にモテてモテて修行が身に付かない仁光(にんこう)。仁光が煩悩と戦い、組み伏せられながらも修行の旅に出たある寒村で宿命の相手に出会うまで。

仁光の「モテりょく」が人のレベルを超え、「あやかし」と称されるのが面白いながらも切なく、そして怖い。
煩悩を抑制する事で更に高まるモテりょく。もう、地獄への一本道まっしぐらなのだけど、融通が利かないなあ、と。「適当にやる」というのは良く言われないが、実は思った以上に生活を守る美徳なのかもしれない。その美徳が備わっていないと悲劇になる。仁光が高田純次なら何の問題もなかったのに。いや、高田純次は「適当を極めている」であり、それはそれで又、人の生きる姿勢とは違い、新たな悲劇を産むかもしれないが。

ラスト仁光も含めて、人かどうか分からぬ「あやかし」三体が邂逅する。
この時の情動の流れが『うしおととら』の妖怪譚のようでステキ。
基本、仁光と「あやかし」が接触し、仁光の底知れなさが分かる所が凄く興奮する。そこがこの物語の核だろう。ずっと和奏で流れるラベルのボレロのラスト、急転直下全てが瓦解する演奏に相当するカタルシス。

面白いと思いながらも、全編、仁光僧がずっと苦悩してる顔が映りっぱなしなので居心地は良くない。
この仁光僧のモテ外観は許せるが、その他の僧侶がそんなに格好悪くないのは良くない。落差をガツンと示せるくらい、他の僧侶が芋とか南瓜にしか見えない人選にすべきだったと思う。そこが不満だ。それとラストは突き放して終わったな、と。もう一つ何かサゲを作るべきだったんじゃないかな、と思った。

でも、全体のもの狂おしく気が狂ってる感はこの映画特有で、そこはきちんと「素晴らしく狂ってましたよ」と言ってあげたい。曼荼羅がカーマ・スートラのようになっていくなんて奇想ふつうじゃ思い付かないよ。


【銭】
角川系水曜1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
仁光の受難@ぴあ映画生活

『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディー~』を新宿ピカデリー6で観て、落ち着いて見れる良作★★★★


▲劇中「ユーフォな女の子」と言われる主人公のオーマエちゃん。そうね、そんな感じね。

五つ星評価で【★★★★相変わらずちゃんと作ってある】
原作小説、総集編の元になったアニメシリーズ前作同様未読未見。
つまり劇場用1作目のみ見てる状態。しかもかなり前に。
流石に細かい所どころかキャラを全忘れしてる状態。
でも、見れてしまう。一本の作品としての独自性が高い。

前作がTVシリーズ一期の総集編。
今作がTVシリーズ二期の総集編だそうである。

前作同様、シリーズの枝葉や、
本作同様の本幹になる部分もバシバシ削り取って
本作の核になる黄前久美子と田中あすかのシーンに
絞り込んでる。もう、総集編と思えない立派な一本の映画である。
おそらくTVシリーズの成り立たせ方と、
劇場版の成り立たせ方が違う事を製作スタッフが
驚くほどのシビアさで理解しているに違いない。

でも、逆に、なら、もっとこの映画に人が入ればいいのに。
凄く良く出来てるし、「京アニ」というブランド力もある。
でも、「売ろう」という勝負にはあまり出てない気がする。
観客はTV版から引き継いで確認しに来た観客ばかりではないだろうか?
うーん、勝負に出るには、やはり映画が多すぎるのかな。
あれもこれも勝負には出ていられない。

久美子とあすかの表面的だったり、ぐっと深かったりする会話の妙が素晴らしい。面白い。
あすかの表面と奥深さが見えたり見えなかったりする鉄壁を、久美子の一面しかないのだけど凄く誠実な表面が丹念に穴を穿つことの面白さったらない。その穴を穿つ久美子も強い訳ではなく、ボロボロになりながら穴を穿つのである。かーいーね。

あすか先輩は黒タイツなので性癖上好き。
久美子はもう見えそうなミニスカートなので性癖上こっちも好き。

久美子のぼーっとしてるようで大事な所では芯が強い感じ。それでいてスローで誰をも落ち着かせる雰囲気、既視感があった。あー、そうだ。『ひよっこ』のみね子じゃん。うん、納得納得。男はみんな隙のある女の子が好きなんだよね。これはおそらく遺伝子上。

ラストに分かるユーフォニアムの曲名も素晴らしい。やりおるなー。


【銭】
新宿ピカデリー前回有料入場割引+ネット割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~@死屍累々映画日記・第二章

ドトール「シュークリーム」

・シュー生地が「シュー」ではなく「クッキー」で、高級感を演出するものの中のクリームとあまり相性が良くない。
・クリームの量が多いのは嬉しい。
・シュークリームに限らず、ケーキの類はちょっと値段に釣りあってない気がする。と言うより、逆に考えれば上手いコーヒーの方が安いという事かもしれないけど。

『ハイキュー!! 才能とセンス』『ハイキュー!! コンセプトの戦い』をトーホーシネマズ日本橋4,3で観て、相変わらずおもろいやんけ★★★★,★★★★

◆『ハイキュー!! 才能とセンス』

▲かっけーな。

五つ星評価で【★★★★おもろいんだよ】
劇場版総集編の第三作。及川率いる青葉城西高校戦。
及川は主人公の一人影山の同じセッターというポジションでの乗り越えるべき壁なのだが、今回はセッターというよりアタッカー、サーバーとしての描き方に重点を置かれていた。見どころとしてはこの一対一では敵わない難敵に烏野高校排球部が一丸となって打ち崩していく一体感にある。いつもの如くバックの選曲とテンポを作る編集が見事でアレヨアレヨと引きつけられてる間に翻弄されて終わりを迎える。他に青葉城西の両刃の刃・京谷の場の乱し具合、主人公の速攻の進化、一芸に秀でたピンチサーバー山口の復権など見せ場多し。


◆『ハイキュー!! コンセプトの戦い』:
五つ星評価で【★★★★おもろいんだよ】

▲こっちもかっけー。

劇場版総集編の第四作。牛若丸こと牛島若利率いる白鳥沢学園高校戦。
王道のチームを相手に烏野がこれでもかとげ揺さぶっていく姿がひたすら面白い。
ゲスブロック攻略、月島のバレーへののめり込み証明とか熱い熱い。
そもそも試合前に偶然、敵陣で名乗りを上げてしまうとっかかり辺りがもうずば抜けてハナから熱い。

どちらも立っていられないような激戦を終えて、勝った者も負けた者も涙を流している様が美しい。特に通常、冷静さが過ぎて冷血漢に見えなくもない女子マネージャーの大粒の涙はホント「いただきました」という感じだった。

PS 試合が始まる前に開始宣言する女子のアナウンスが入るんだけど
 それがどこからどう聞いても抑揚があまりに素人で凄く萌えた。



【銭】
『ハイキュー!! 才能とセンス』:一般入場料金1800円。
『ハイキュー!! コンセプトの戦い』:映画ファン感謝デー料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版総集編『ハイキュー!! 才能とセンス』@ぴあ映画生活
劇場版総集編『ハイキュー!! コンセプトの戦い』@ぴあ映画生活
▼関連記事。
劇場版総集編『ハイキュー!! 終わりと始まり』@死屍累々映画日記・第二章
劇場版総集編『ハイキュー!! 勝者と敗者』@死屍累々映画日記・第二章

『男はつらいよ』を神保町シアターで観て、ようできとるのう★★★★

特集「女優倍賞千恵子」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★うむうむ】
1969年カラー、初見。実は寅さん自体、通して見るのが初めてである。「寅さん処女」っつか「寅さん童貞」なのである。そう言えば昔「寅さんが一生涯童貞」であったか否かについて議論したもんだ。この映画の中の寅さんはまだウブい空気をバリバリに醸し出しているので、童貞でもおかしくはない。

冒頭の寅さんが柴又に帰ってくるシーンに違和感。あー、寅さんネクタイしてるのね。ほどなくネクタイも取っていつものスタイルに。服がまだ新しめな事を除けば後期の寅さんと何も変わってないのが凄いな。笠智衆も最初から出来上がってて後期の最後まで変わらない。
逆にダブルキャストかと思ってしまったのが佐藤蛾次郎。天パーがモジャモジャというほど乱れていず、ヒゲが生えていない。ヒゲでイメージがかなり変わる。オーラを削ぎ落した林隆三チックである。

「♪俺がいたんじゃお嫁にゃ行けぬ、わかっちゃいるんだ妹よ」のフレーズで主題歌が始まるのに、このシリーズ1作目で妹のさくらは結婚してしまう。倍賞千恵子はおとなしいながら常識的で頑固っぽい感じが渥美清の成長して海千山千の会話を身に付けたガキ大将みたいな個性と好対照でピッタリ。『霧の旗』みたいに思い詰めなくて良かった(そらそうだ)。この元々、人はいいけどトラブルメイカーの身内が酔って壊滅的に事態を悪くする、それに付きあわされるとてもしっかりした家族、というのは鶴瓶・吉永小百合の『おとうと』ソックリだな。監督もいっしょだし、あわよくば『弟はつらいよ』で続けたかったのかもしれないけど、そんなにヒットしなかったんかな。
主題歌歌詞の中の「奮闘努力の甲斐もなく」というフレーズ「ふーんっと努力の甲斐もなく」と勘違いしてた(『巨人の星』のコンダラみたいなもんだ)。

寅さんの舎弟が秋野大作。流石に若い。この頃はダメな弟系役者だったのだよなあ。童貞大好き姉さんから狙われそうな感じでウブい。

さくらのお見合い相手が広川太一郎。でも、ダンマリなのである。広川太一郎がベシャリ出したら、寅さんが酔うまでもなく縁談は破談になったりなんかしたりして。

さくらは東京丸の内の一流電機メーカーオリエンタル電機でOL(映画内ではBG(ビジネス・ガールの略)言うてた。実はBG(商売女)は英語では売春婦の隠語。いかんいかん)やってる。職種はキーパンチャー。コンピューターの入力業務。1969年でコンピューター、さくら最先端じゃん。映画内でも「これからは電子」とか言われてた。あっ「コンピューター=電子計算機」と呼ばれていたんだっけ。「計算機」はともかく、「電子」とだけ言われて「コンピューター」を喚起するのは今では逆に難しいなあ。仕事の様子が描かれてはいなかったので、さくらが有能かどうかは不明。



【銭】
神保町シアター平日三回目の回に見たのでマチネー料金1000円(スタンプ捺印なし)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
男はつらいよ@ぴあ映画生活

『プロデューサーズ』をキネカ大森2で観て、ふんふんでもなげっ★★

五つ星評価で【★★インタビュー映画】
キネカ大森の名画座企画「仕掛け人のドキュメンタリー、映画製作の世界に迫る」から一プログラム。

メル・ブルックスのコメディーか、そのリメイク映画かと思いきや、国内独立系プロデューサーのインタビューを大量に集めたドキュメンタリー映画。一人一人の話は面白いがトータル長い。延々と話を聞くというスタイルが変わらないので、ちょっとキツイ。インタビューの中でどなただったか本人が言ってたように「プロデューサーは変人」と言うのがライトに伝わってくる。いい意味でみんな自由でユニークな感じ。
呪怨の一瀬Pとか北野映画の森さん(Pなのか?)が大きな金を扱ってそうで異質。やはり職種上、銭の匂いがする人の方が面白い気がする。銭がなくてもどうにかするという人も大したものなのだけど。
エンドロールにかかるエンケンが歌う「不滅の男」はやはりいい曲だ。

PS 面白いと言ってる割には星の評価が悪い。
 それは個々人の話は面白いのだが、
 映画としては核になるようなドンとした発言がなく、
 ちょっとダラダラした話を繋いだだけの
 物になってしまっているからだ。
 下品だろうが何だろうが、ポイント取るような
 いい発言があったらテロップ出して、
 それをコアとして成立させるくらいの編集的な勘が欲しい。
 話を出来る限り多く詰めておくのは
 資料的な価値を考えた上かもしれないが、
 私は映画を見に来てるのであって、
 断じて後世の為の資料を先見しに来てる訳ではない。
 資料ではなく、映画にする為の決断を心がけてもらいたい。



【銭】
2017年4月始まりで購入したキネカード(名画座回数券)。キャンペーン期間中につき半年間で3回入場券付で2000円。うち3回分の使用を終わったので一回1000円で見れるフリーパスとして使用して、5回目までスタンプポイントがたまったので無料入場(同時上映の『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』は見た事があったので今回は見なかった)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
プロデューサーズ@ぴあ映画生活

『怪談蛇女』『象を喰った連中』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ぞぞぞーふふふ★★★,★★★

特集上映「安倍徹生誕百年記念悪い奴ら」から2プログラム。

◆『怪談蛇女』
五つ星評価で【★★★ポップで生臭くて怖い】
中川信夫ってもうオープニングから生理的に怖い。日本人の恐怖の根源を知りぬいてる気がする。だから逆に外人がこれを見て怖いと思うのかはよく分からない。オープニングにも映っている物凄く年季の入った仏壇(何故かただ古いだけで怖い)が呪われた地主が近づくとありえない速さで奥に逃げていく。これは外人に見せたらあまりに突飛で笑うんじゃないだろうか。でも、私はかなり怖かった。仏壇を設置する場所に「奥」があるというのは通常ありえないし、確かなる信教を表わす筈の仏壇が怪異現象にあたかも賛同するかの如く自在に動いてしまう事が怖い。タイトルの「蛇女」のビジュアルが中々よい出来なのだけど、思ったより「蛇」と「女」の間に強い関連性はなかった。しかし、被害者をいびっていた当事者が復讐に会うのは構わないのだが、嫁に来た無関係な若妻がトバッチリにあってしまうのは哀れだなあ。
極悪地主は河津清三郎。女中にすぐ手を出す。小作人を同列の人間と捕えられない所は『それでも夜は明ける』の白人主人を思い出させられた。
地主のバカ息子に山城新伍。チンチンたぎらせてるバカのボンボンが本気で日本一似あう。
そして圧巻は西村晃。生きてる時は「おねげえだぁ旦那様、借金もうちょっと待ってください」を走る馬車にすがりながら連呼。もう一生のうちに1回見れるかどうかというくらい強烈な「卑屈」その物の姿。そしていよいよ命を落とし、憑依霊として主人に憑りつくのであるが、あくまで低姿勢。「土を食ってでも借金返します」と言いながらあちこちに現われる。ともかく恨み言を言うでもなく、ただただ呪う相手に謝り続けるという狂った展開。でも怖い。



◆『象を喰った連中』:
五つ星評価で【★★★まさかのライトコメディー】
象を喰った科学者たちが潜伏菌による恐怖(感染後30時間で致死)に怯えながら過ごす。しかし、こんな実のないライトコメディー今では作れないに違いない。シネコン全盛の昨今、映画を作るという事は1本立てに耐えられる作品を作るイコールになってしまった。こんな添え物みたいな、やくたいのないコメディーもいいと思うんだけどね。

役者で分かったのは笠智衆と安倍徹。
笠智衆かなり若目なのに演技があまりに変わらないので客席から温かい笑いが起こっていた。
安倍徹、新婚の科学者。うーん、そんな役もやってたのね。
数人出てくる女優が何やらみんなテカダンで大正的。時代とともに美醜は変わるんだろうけど、本気で可愛いとも美人とも感じなかった。



【銭】
『怪談蛇女』:通常二本立てて興行価格1500円-200円(夜間割引)-400円(会員割引)。カップリングの『誘拐』は時間の都合で全く見れず。
『象を喰った連中』:興行特別企画価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
怪談・蛇女@ぴあ映画生活
象を喰った連中@ぴあ映画生活

『アサシン クリード』をよみうりホールで観て、ガン寝★


▲バカ機械。

五つ星評価で【★よく寝た】
寝る子は育つ。いやいやもう育たなくていいよお。
題材がDNAに眠る先祖の記憶を読み覚まし、隠された謎を探る、
と言う事で360度可動可能なバーチャル・リアリティー装置を使い、
ある過去を再現し、その時の実験主体の五感を計測できる
みたいな事をやってるようである。
御大層な機械を使っているが、被験者に昔の人間の人格を
憑依させるのだから、科学潮来と言っていいだろう。
なんかご苦労な事に再現される人格が前後左右上下5メートル
くらいは自由に飛んだり跳ねたりできるので、計測機械が
それに合うように作られている。
こんなん過去の人間の超体力を想定して作っておくなんて
常軌を逸しているね。流石わるもの。

で、そんな機械で過去を仮想空間に蘇らせるので、
蘇った過去が霧や霞のようであまりハッキリしていない。
そして、よみうりホールの映写って建築構造上そんなに
上質の映写にはなりえないのだ。場内が真の闇ではなくほの明るい。
スクリーンに映る映像にシャープさが欠ける。
まあ、言い訳だけど、それにやられたね(言い訳だなあ)。

それにしても「DNAに眠る祖先の記憶を呼び覚ます」ためには
祖先が冒険した後に子を成さなければならない。
祖先はみんな晩婚だったのかなあ。


【銭】
平日、夜の部がない朝から3回の上映の招待券を常設ダフ屋で180円で買った。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アサシン クリード@ぴあ映画生活

『大魔神逆襲』『透明人間』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ダラダラぴんぴん★★,★★★

特集上映「安倍徹生誕百年記念悪い奴ら」から1プログラム。

◆『大魔神逆襲』
五つ星評価で【★★大魔神登場からとその前が乖離しまくり】
逆襲も何も大魔神は全く窮地に落ちないので、この題はイメージ題。近場の殿様の築城武装のため不当に労働酷使される百姓と、その百姓の親を助けるために禁断の山に入った子供たちという設定で、子供たちの冒険が話の大半を占めるのだが、これがタルい。いや、殊更演技や演出が劣っている訳でもないのだが、やっぱりそういうのが見たかった訳ではないので気分がダレる。
なので、やっと大魔神が出てくると気分が上がる。やってる事は前二作と変わらない。歩いていって攻め落とすだけだ。何者も大魔神を止める事は出来ない。抜群の安定感でありながら、目新しい攻防戦もそんなになく、何となく終わってしまう。相変わらず伊福部昭の音楽が超絶重くて、エア子宮にズンズン来る。安倍徹は悪い殿様。「心が籠ってない演技」が秀逸と書きたいところだが、何かやっつけで「よくある背景のないただの悪い奴」。通常営業っぽい感じ。
あ、雪の大魔神は中々綺麗。盆栽みたいな味わいがある。



◆『透明人間』:
五つ星評価で【★★★透明特攻隊ってネーミングがグー】
モノクロ映画。光学合成で肌の地色を飛ばして透明人間にするのだが、特撮は大味。そして透明人間弱い。まあ、可視化できないだけでマッパの人間だからムチャクチャ強いのも嘘くさいけど。日常生活に支障を来たさない為、ずっとピエロ姿のサンドイッチマンで生活しているのだけど、下宿だろうが何だろろうがメイクを落とさないでいるのは普通に不自然というよりなんか犯罪の匂いがしてもいないのに漂ってしまいそう。
ちなみに、この映画の中でガス人間の土屋嘉男が透明人間と共闘を張り、最初に轢死して姿を現してしまう透明人間が実は中島春雄、ゴジラである。全然そんな事はないけど和製アベンジャーズっぽいと言っちゃえば言っちゃったもの勝ちだ(笑)。



【銭】
通常二本立てて興行価格1500円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
大魔神逆襲@ぴあ映画生活
透明人間〈1954年〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
透明人間〈1954年〉@或る日の出来事
▼関連記事。
大魔神怒る(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
大魔神怒る(2回目)@死屍累々映画日記・第二章

『奥田民生になりたい~』と『散歩する侵略者』をユナイテッドシネマ豊洲11,6で観て、まずまずダメダメ★★★,★★(ネタバレ)

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『奥田民生になりたい~』

▲まだ幸せな二人。

五つ星評価で【★★★楽しめなくもないが、割と予告編通りと言うか、思った以上の展開にはならない】
題名なげーよ。

ネタバレ感想です。
映画が出来て、とりあえず一番得したのは奥田民生だと思う。
あと、水原希子は名刺代わりの一本を作って貰えてラッキーだ。
でも、奥田民生はとても良い人選だし、
ブラ見せるだけでドキドキさせる水原希子も納得にフォトジェニックだ。

予告通り冴えないボクが超美人の彼女に振り回される話で、こんなのは恋愛作品の基本であって、物語に目新しさはない。チラシに書いてある「最狂にポップで、かつてないエンターテインメント!!」という自画自賛は過剰広告だろう。でも、旬の役者をはめて、オシャレに撮ると、ちゃんと商品になるのだから不思議だ。
主役がジャニタレにAKBとかでなく、ちゃんとした役者なので演技が良い。このポップでチープな世界観の中で演技できない人を泳がせたらJKと超S彼氏の壁ドン映画みたいな映画になってしまう。そう言った意味で役者はトコトン演技の出来る人が集められていた。スキがない。如才ない。
最終的にボクが振られるのは自明の理であり、最後に出てくる同次元にいる新しい男との邂逅は正確には違うんだけどツルゲーネフの『初恋』っぽい。この大混乱な状態で話を閉じず、成長後のボクを映して閉じたラストの味わいが中々いい。そこでボクは自分とはレベルが異次元に近い相手を確認させられ日常に戻っていく。その格好はブザマだし、ズボンには立ち食い蕎麦で付けた染みが奥田民生のエピソードよろしく付いている。ボクは自称、奥田民生にはなれなかった男なのだが、この時の彼はどこからどう見ても奥田民生になった男なのだ。奥田民生とは日常で戦い続ける男なのではないだろうか。そして、それを見た彼女が「ふふふ、ちょっとかっこいいじゃない」という微笑を漏らす。その微笑は決して彼から見える事はない。このラストカットがなかなかかっこいいわあ。

妻夫木くんはいつもちゃんと役に生きてていい感じ。
松尾スズキはともかく、リリー・フランキーが役に生きてて、あの役が普段の生活で抜けなくなったら芸能界からいなくなってしまいそう。あとさらっとリアリティーを底上げするような江口のりこは何気にいい。

チョイ役で出てた松本まりかちゃん相変わらず可愛かった。


◆『散歩する侵略者』

▲この後、みんな首が伸びてろくろっ首になります(嘘)。
 中央が垣松祐里、右が高杉真宙。

五つ星評価で【★★そもそも黒沢清が合わないのだ。いつも通り合わなかった】
原作があるので、その原作を書いた人には申し訳ないのだけど話がつまらなかった。
概念を盗む事と侵略その物が関係ないという構図には驚いた。
何か侵略の効率が悪い。
概念など盗まず、メンツが複数であるなら同一場所に移送し、通信機も現地調達せず持って行けばいい。これでスムーズに進行するだろう。

役者で面白かったのは高杉真宙と垣松祐里。あと前田敦子。
垣松祐里は『サクラダリセット』の100倍くらいいい。


【銭】
ユナイテッドシネマ、メンバー割引キャンペーンデーで各1プログラム1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール@ぴあ映画生活
散歩する侵略者@ぴあ映画生活

『モンキー・シャイン』『ダーク・ハーフ』を新文芸坐で観て、ロメロったらんもう★★★★,★★★

新文芸坐が企画したロメロ追悼レイトショー(一本立て×2)。

◆『モンキー・シャイン』
五つ星評価で【★★★★無茶苦茶面白かった】
事故により四肢機能不全になった患者のケアを訓練した猿にやらせる実験。だが、そこに特殊な臨床実験中の猿が紛れ込んだ事により、患者の近親者の命が奪われていく事件が多発する。
ファーストランの時に見てて2回目。
もうメチャクチャ面白かった。

高知能猿エラと同調して見る猿目線カメラの気持ちいい事。
エラが牝猿である事から、主人公にラブ目線送って、間を遮る者は敵になる。なので、被害者の大半は女性。でも、看護婦も、元カノも、母親もゲスい奴等オンパレードで全く同情できない。特に母親については「もうほんま許してやれよ」という主人公最大の罰ゲーム状態で、居たたまれなかった。エラさまさまである。

あと、スタンリー・トゥイッチがまだ全ハゲじゃない所が見どころ。


◆『ダーク・ハーフ』
五つ星評価で【★★★雀】
初見。『雀たちの沈黙』かよ!
雀のカットいい。
手術という物理的な兆候から始まって、
後半ではそれを超自然的な存在として処理する。
何やら不整合でギシギシ言ってるみたい。
まあ、そんな方がキング原作らしいか。


【銭】
新文芸坐・会員割引なし均一料金1プログラム1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
モンキー・シャイン@ぴあ映画生活
ダーク・ハーフ@ぴあ映画生活

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』をユナイテッドシネマ豊洲2で、『プリズマ☆イリヤ』を角川シネマ新宿1で観て、どっちもおいおい★★,★★

今一だったアニメを2本一緒に落とす。

◆『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』『プリズマ☆イリヤ』

▲エウレカちゃんほとんど出ていません。

五つ星評価で【両★★どっちも配慮がない】
エウレカは既存のドラマ+新作を三部構成で新たに作るという物らしい。『まどマギ』の劇場版構成に近い構造と考えていいだろう。原典であるTVアニメシリーズを見てないので、今回の映画が原典の一部なのか、全部なのか、原典に描かれていない部分かなどは全く分からない。ただ一つ言えるのは、頭から作った物語であるにもかかわらず、一見さんには分からないように作られており、少なくとも一見さんにとっては大変、不親切な作りであると言う事だ。
物語の主人公レントンの成長具合はとてもよく描けているが、その背景である作品の世界観、背景は「そんなんお前ら知ってて当り前だろ」という傲慢さで全く描く気がない様である。リブートはリブートらしく、新規参入観客に納得がいくように作ってもらいたい。じゃないなら、単にシリーズの再構成ではなく、続編を作った方がいいと思う。
あ、でも、エンドロールの曲が予告編でも使われていた大変素晴らしい曲で、このエンドロールを聞き終わって大層素晴らしい作品を見たと勘違いしそうになった。恐るべし、音楽の力。


▲桜のお兄ちゃんのゲス具合は良かったな(図案の中にいないんだが)

『プリズマ☆イリヤ』は何本か劇場版アニメがつくられてる『Fate』の最新作。これも見終わって煙に巻かれたみたいに何だか分からなかった。今までの『Fate』の設定と微妙に外れているのだが、それが何故なのかは描かれない。いやいや、そんな今まで出された情報を何でも丸呑みして全て咀嚼してきたような親切かつ優良な観客ではないのだよ、私は(あかんのか、俺があかんのんか?)。という訳で、こっちもよく分からなかった。まあ、よく分からないなりにアクションシーンはパッション響いててなかなかかっこよかった。でも、夜の戦いが多く、スクリーンの光量にはちょっとコントラストが足りない感じで、かっこいいアクションが存分に楽しめる感じではなかったのは残念な事だ。ちゃんとやろうよ。仕事なんだし、お金を取ってるんだから。


【銭】
『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』:8,9月期間限定割引サービスクーポンを7月入場時に貰い割引1800円→1300円。
『劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い』:テアトル系会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1@ぴあ映画生活
劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い@ぴあ映画生活
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交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1@だらだら無気力ブログ
交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1@あーうぃ だにぇっと

マンガ『ありふれた職業で世界最強 第一巻』原作 白米良 漫画 RoGa、ガルドコミックスを読書する男ふじき

ロールプレイングゲーム的なファンタジー世界に学校のクラスごと飛ばされた凡人で心優しい主人公が、特に勇者的な能力の開花もなく、与えられた地味な能力を応用しながら最強の存在になっていく。

というアウトラインはワクワクするのだけど、思ったより「他人から注目されない授かった能力」を重用して強くなる訳でもないのが引っかかる。もうちょっと心優しい彼のまま、知力で能力を補完しながら頑張ってくみたいな話かと思ったのだが。彼はとても原始的に彼の授かった能力とはそう関係なく、生きる為に魔物を食らった事で魔物の能力を総取りしてしまうのである。なんかそれはずるい気がする。「人喰い」にも通じるが、食う行為そのものは相手の力を自分の中に取り込む事だからそれを否定はしないのだけど、それでスキルをばんばん上げていくというのは反則だろう(RPGやらんから何が王道だかは実はよく分からん)。とは言え、続巻は読んでみたい。気になる。

マンガ『すこしふしぎな小松さん』大井昌和、ヤングアニマル・コミックスを読書する男ふじき

帯によれば「SF小説好きJKのテンパリ読書コメディ」

テンパって赤面して、逃げて、逃げて、ちょっと距離が縮まって、という主人公は面倒くさい。
このキャラを許す読者はそういう人物像を愛すべきキャラクターとして認めてあげるという心の広い人なんだろうけど、こちとらキッチリ心が狭くってしょうがない人間だから、もうごめん。ただこういう人物像はリアルな世界に置き去りにして、空想の世界のマンガくらいはハッキリ物申すみたいな手っ取り早いコミュニケーションで満たされたいと思ってしまったりする。

「テンパって赤面して、逃げて、逃げて」って自分に自信がない事の表れだけど、ある意味、そういう風に自分を低みに設定しておけば、単に傷つかないっていやらしい憶測が充満してる感じでイヤなのだ。相手がこじ開けてくれるのを待つのではなく、もうちょっと譲歩して自分から近づく、そういう進歩をもうちょっと見たかった(そういう面もあるのかもしれないけど、私には感じづらかった)。

倍賞千恵子版『霧の旗』を神保町シアターで観て、傑作に震える★★★★

特集「女優倍賞千恵子」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★いやあ面白い】
1965年白黒、初見(『霧の旗』自体が初見である)。

倍賞千恵子が今の顔のイメージと違う。若いと言う事は勿論だが、眉毛が太くて濃い。その眉がしなやかさ、たおやかさより、田舎者の純情だけど野太い感じを上手く出している。倍賞千恵子怖い。頑固で一途。不退転。後ろに下がらない。ああ、怖い。この映画の4年後に『男はつらいよ』のさくらを演じるのだけど、この映画でも親のいない二人兄妹で兄の問題に悩まされる。そして兄の問題がどうにもならなくなった時、倍賞千恵子は静かに狂いだしてしまうのである。何という「裏寅さん」。この狂えるさくらの純粋だが手の付けられない感じが素晴らしい。心の底が見えない感じが怖い。ゾッとする。これは倍賞千恵子より松本清張の功績かもしれない。
兄貴が露口茂。また、山さんである。なんつか「山さん」に出会うまで、この人はろくでもない人間の役ばっかだったのだろうなあ。極悪ではないけど、善人よりは悪役の顔をしている。

倍賞千恵子が田舎から登って来たばかりの「オノボリさん」なら、同郷でママにまでなってるのが市原悦子。今とそう変わらないような感じなのが凄い。そら、流石に今の方が全然老けてはいるけれど。

ちょっと話が面白すぎて、山口百恵版も見たくなった。



【銭】
有料非割引時に貰えるスタンプ5回分で無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
霧の旗〈1965年版〉@ぴあ映画生活

『それでも夜は明ける』『ムーンライト』『ディストピア パンドラの少女』『ゾンビ処刑人』

キネカ大森の名画座企画「月が照らす希望とアイデンティティ」と
「未来はゾンビの手の中に!!!」と。二本立て×2

◆『それでも夜は明ける』キネカ大森1

▲主人公(左)とカンバ演じる飼い主(中)

五つ星評価で【★★★クロンボに生まれると大変だ、な一本】
自由黒人という人たちがいるのね。
彼等は常に自分が「自由黒人」であるという証明書を持ち続けていなければ、自分の立場を保持できない。現代日本で大袈裟にデフォルメするなら、免許証を携帯し忘れたら捕縛されるみたいな状態だ。人間の身分から家畜に落ちる。良くてペット扱いである。「うちのわんちゃんはペットじゃないんです、家族なんです」と言い張ろうが、射殺されてもお金さえ積めば保証は済んでしまう。そんな存在になるという事なのである。そういう位置への転落がとても簡単にシフトチェンジできてしまう事が怖い。1841年、日本では天保12年、明治元年の27年前、まだチョンマゲだ。それを考えるとアメリカの生活様式は見た目、ほとんど変わらない。逆に奴隷制度がなくなった事が日本がチョンマゲやめて世界に鎖国を解いたくらい大きな事なんだろうなあ。
今回この映画ではシスティマティックなビジネスではなかったが、自由黒人を奴隷として売る闇ビジネスが普通に成立してたと思うとこんな話はゴロゴロしてたに違いない。ただ、奴隷から自由黒人に戻ってきた例が希少すぎて規模も何も分からないと言うのが実情ではないだろうか。
奴隷商が奴隷を売るのに、古代ローマの市場みたいな競りにせず、全身裸に剥いた奴隷を室内に調度品のように立たせ、サロンのような雰囲気の中、売買しているというのが、絵空事でないリアリティがあった。ヨドバシカメラやビッグカメラの1フロアに奴隷専門のフロアがあるみたいな感じである。

SF小説の中でドイツ・日本が第二次世界大戦に勝利する、架空戦記物等は日本にもあるが、同じようにアメリカでは南北戦争で南軍が勝利を収めて奴隷が解放されなかった架空未来SFとかあるのだろうな。あまりに現実から遠くて日本人には予想できない。

カンバーバッチみたいに、いい人なんだけど奴隷制度に支えられた生活をしているので、奴隷制度は肯定せざるをえないという飼い主と、骨の髄まで奴隷制度を支持している飼い主とを併記している所は構造として良心的だと思う。

『それでも夜は明ける』って何かタイトル的にどこかで聞いたような気がすると思ったが、アレだ。藤圭子の『夢は夜ひらく』だ。せっかく思い付いたのに、そんなに似てないなあ。


◆『ムーンライト』キネカ大森1

▲色覚検査っぽい。

五つ星評価で【★★★切ない一本】
切ない話だ。
でもまあ、そんなに主人公に同一化できなかったので、思った以上にグッとは来なかった(人非人俺)。主人公の3世代を演じる役者はみんな真剣なよい表情をしている。麻薬ディーラーという存在は本来、撲滅すべき悪党だと思うが(アクション映画で唯一一切の背景なしに殺されても文句言われない悪役)、街の風景の中ではしっかり根を張って、それなりに人格者みたいな撮られ方をしてるのは面白いと思う。押し付けて売っているのでなければ、売る方より買う方が悪いという皮膚感覚が場所によってはあるのかもしれない。
章立てで使われる名前が
「リトル(チビという意味の別称)」
「シャロン(親からもらった社会的な名前、ウィキによると女性の名前)」
「ブラック(焦がれている人からもらった名前)」
という形で主人公が徐々に自己確立していく事を表わしているのではないか?


◆『ディストピア パンドラの少女』キネカ大森2

▲ポスタービジュアルに使われてるマスクもそうだけど、拘束用車椅子とかアイデアやビジュアルが斬新。

五つ星評価で【★★★ムチャクチャ作り込んだ世界観に好感が持てる】
新種ゾンビもの。ハングリーズと呼ばれる新ゾンビはキングが手掛けた『セルラー』の携帯ゾンビと行動がちょっと似てる。襲う時は果てしなく襲い、静かな時は集団として統制が取れながら静か。キングのアレ、あくまで映画だけを見た限りにおいては設定が適当なので、この映画のゾンビの複雑な設定には太刀打ちできない。と言うか、行動パターンはゾンビであるが、もうこんなに設定を作り込まれたら単純に「ゾンビ」ではないわな。
主人公側のゾンビ特性を持ちながらそれを抑制している少女のゾンビ特性演技が素晴らしい。いや、彼女に限らず、ハングリーズになった者の演技はみな素晴らしい。従来のゾンビとは異なる特徴のあるボディー・アクションが付いており、それがとても良い。演出の演技付けが上手いのかもしれない。
エンドロール見てグレン・クローズが出てるとは思わんかった。グレン・クローズなんてじっくり撮ったら確実にゾンビより怖い女優だもんなあ。
但し、あの特に何も解決せずに時間だけ先延ばしにしてるように見えるあのラストはちょっと好きじゃない。


◆『ゾンビ処刑人』キネカ大森2

▲ふじき的にビックリする結末が待っていた。

五つ星評価で【★★割と安い】
冒頭とラストに付けた特殊な場所での行動以外は
今までどこかで見たようなデジャ・ブが蘇ってくるありがちな話。

と思ったら、今はなきシアターN渋谷で昔一回見てた。

おいおいおいおい。覚えてなかったなあ。
どうりで見た事があるような映画と思った筈だ。


【銭】
2017年4月始まりで購入したキネカード(名画座回数券)。キャンペーン期間中につき半年間で3回入場券付で2000円。うち3回分の使用を終わったので一回1000円で見れるフリーパスとして使用(4回目と5回目)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
それでも夜は明ける@ぴあ映画生活
ムーンライト@ぴあ映画生活
ディストピア パンドラの少女@ぴあ映画生活
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ディストピア パンドラの少女@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
ゾンビ処刑人(1回目)@死屍累々映画日記(コメとかTBとか)
ゾンビ処刑人(1回目)@死屍累々映画日記・第二章

『トリガール!』をユナイテッドシネマ豊洲5で観て、98分一発のリズム物か?★★


▲ムカデ人間やるとしたら土屋太鳳はつらいポジション

五つ星評価で【★★不思議な映画。明らかに嫌いな部分があるので点は辛目】
ジャンルで言うとコメディーになると思うが、意図的に記号として埋められているコロコロチキチキペッパーズ・ナダルの薄い美声や、これ見よがしの池田エライザのスマイル、矢本悠馬軍団の画一的なナーズ芝居とかを除くと、物語的なコメディー要素は低い。通常のコメディー作品のように、ドラマを引っ掻き回す異常な人間や異常な設定が用意されていない。にも関わらずコメディーのように見えるのは中央に位置する間宮祥太朗と土屋太鳳の丁々発止のやり取りが内容は別にしてテンポが異常にいいからだ。この内容とは無関係のテンポの良さはアレに似てる。オリエンタル・ラジオのネタ「武勇伝」だ。ネタの当たり外れ関係なく、押せ押せテンポが脳内麻薬を排出させる。この映画は漫才・コントのリズムネタを映画98分一本に凝縮させたリズムネタ映画だ。

なので、それを成立させた中心ユニット間宮祥太朗&土屋太鳳は凄い偉い。
間宮祥太朗、『帝一の國』『お前はまだグンマを知らない』と同一人物に見えない。引き出し多すぎ。
土屋太鳳はカマトト芝居でどちらかと言うと苦手な役者なのだが、この映画の土屋太鳳に関しては積極的に褒めたい。ちゃんとやってる。面白い。これ、素に近いんじゃないだろうか。

土屋太鳳を誘うイケメン部長の高杉真由。「イケメン」という設定しかない役。いーんか、それで。
池田エライザなんて要所要所、微笑むだけの役。いーんか、それで(あ、変にオッパイのでかさが気になるようなスタイリングしてる)。エライザはもうちょっと恋バナの線を広げようとしつつ、バッサリ切ったみたいだが、そこにいるだけの人間として深く扱う気のないキャラなら、回収されない恋バナの伏線とか中途半端に貼らず、もっとキッチリ、ネタ要員として機能させるべきだったのではないか?

間宮祥太朗と土屋太鳳のベシャリはいいのだけど、「鳥人間コンテスト」の映画化として本当にこれで良かったの?という疑問はとても強く感じる。中心になるパイロット3人(体育会系)を支える約100人の理系メンバーが一切の人格を認められていないのは不快だ。パイロットに奉仕する働き蟻みたいな描かれ方をしている。こっちにも熱いドラマはある、と言うより本当はこっちのドラマの方が熱い筈なのだ。でも全て捨てた。潔いが、あまりその選択に拍手を送りたくない。一生懸命な奴が成果を評価されないというのは単純にストレスがたまる。あと「鳥人間コンテスト」で、前走者チームがちょっと出てくるだけで他のチームが一切出てこない。分からん。これでは「鳥人間コンテスト」がどんなものなのか全く分からんだろう。ルールの解説もしないし、何が最高到達目標かも話さないし、何故、飛行禁止区域が設けられているかも分からない。いや、もうちょっとちゃんとやろうよ。コメディーとは言え、マルクス兄弟みたいにギャグの間をドラマで埋めるようなコメディー映画じゃないんだから。

って事で「すげえうめえイクラ丼を作ろうとしたのに、土台のご飯を赤飯を使って硬炊きしちゃったので、全体はボロボロだけどイクラだけ掬って食べれば美味しい」みたいな、おめ、例えが分かりづらいよな映画でした。


【銭】
ユナイテッドシネマの有料入場ポイント2ポイントを使って800円割引の1000円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
トリガール!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
トリガール!@だらだら無気力ブログ
トリガール!@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 坂場先輩と二人で殺し屋になる『トリガーガール』を作れ!

『おクジラさま ふたつの正義の物語』をユーロスペース2で観て、公平であろうとすること★★★★

五つ星評価で【★★★★イルカ問題の太地町に関する新しいアプローチ】
非常に冷静な映画で、偏見ありきで作られた『ザ・コーヴ』と、その反証で作られた『ビハインド・ザ・コーヴ』と比べると実に冷静に公平な視点で作られている。そもそも『ザ・コーヴ』が与太話の映画なので、『ビハインド・ザ・コーヴ』の時点で冷静さはあったのだが、今回の映画は更に冷静。

悪意があって(としか思えない)町を陥れようとしている問題発端となった『ザ・コーヴ』製作者達を除けば、対立してるけどみんないい人である。でも、対立軸は正しくぶつからないし、解消もされない。騒ぎは大きくなるばかり。

ちなみに私はバリバリの鯨なんか食ってまえ派です。
イルカ漁を反対するシー・シェパードも悪人ではない。このイルカ反対活動そのものが彼等のプロパガンダになり、それによって寄付金などの収入を得ているエコノミックな面はあるだろうが、イルカ漁をやめさせたいという彼等の熱意は伝わってくる。その根拠は「鯨・イルカは知能を持った高級な生き物であるから」。鯨やイルカは勿論、鶏や兎ほどバカではないだろうが、彼等が独自のイルカ語を持っているなどは、実は科学的には解明されていない「ぼやーっ」とした物らしい。そもそも、「賢い動物」という観点その物が「その動物の何を賢いとするか」という点によってバラつきがあるものであり、「賢い動物」というのはかなり茫洋とした概念にすぎない。そういう具体性のない物を根拠にするのは単なる感情論ではないかと思う。私は人間が人間以外の動物や植物を犠牲にして食べる事はそういうシステムで生物が作られているのだから、善悪で考えてもしょうがないと思っている。何を食べてもいいのだと思ってる。但し、諸事情があるから共食いは止めましょう。あと、絶滅種作成に寄与するような食べ方も未来の事を考えてやめましょうと思っている。シー・シェパードは「賢い生き物を食べるのはやめましょう」とは言うものの、「賢くない生き物を食べる事に問題はないのか」という論争には踏み込んでこない。賢い・賢くないが生殺与奪の観点になるのなら、犬と豚では豚の方が賢いというリポートだってある。でも、あんたら豚は食うけど犬を食ったら怒るだろ。
シー・シェパード以外の環境団体は太地町がイルカを斬殺し、絶滅に追い込んでいるような論調をSNSにあげ攻めてくる。でも、太地町が漁対象にしているのは絶滅危惧種以外のイルカである。この辺がすれ違っている。単に「殺している、殺している」と叫んでいるが違法ではないし、環境も悪くはしない。食べるための漁だからこれを非難するなら、牛や豚の「屠殺」をもっと騒いでもいいのではないか。ともかく、この「殺してる」コールが凄まじい物量でやって来て、太地町を「悪の観光地」として定着させてしまった。三千人の住民の町に対して全世界から「殺してる」コールが投げつけられる。単純に物量で勝てる訳がない。やはりここも感情論が論理を飛び越えてしまう。

私個人は鯨を食う事には賛成だ。
太地町を応援する派だ。
でも、捕鯨全面解禁になったからと言って鯨を食うかは別だ。
小学生の頃、給食で食った鯨に美味しい記憶がないからだ。
映画の中でも太地町の住民だが「俺は食わないね、それは不味いから」
と堂々と言う人間のインタビューがちゃんと残ってるのが面白かった。

「正義の反対は悪ではなく別の正義。」 というコピーはとてもクレバー。


【銭】
ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
おクジラさま ふたつの正義の物語@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ザ・コーヴ@死屍累々映画日記(コメント・TBあり)
ザ・コーヴ@死屍累々映画日記・第二章
ビハインド・ザ・コーヴ@死屍累々映画日記・第二章
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