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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『殴られる彼奴』シネマヴェーラ渋谷

◆『殴られる彼奴』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★無私の映画は好き】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1924年、白黒無声サウンド版、72分、初見。
研究の成果と妻をパトロンに奪われた素人学者は落胆して失踪、今はサーカスの道化師として、一日に何十人もの人間に只、殴られる事を芸として暮らすようになった。彼は学会での嘲笑が元で、どんな辛い事でも耐えられるようになってしまったのだ。と言う設定が怪しい事この上もない。
ずらっと百人くらいに殴られ続ける男を見て、発作のように笑うアメリカのサーカス客の心情は伝わって来ないが、この辺はどつき漫才だったり、ちゃんばらトリオだったり、ゴム紐ぱっちんだったりと地の底では赤い糸のように繋がってるのかもしれない。この道化師が自分に優しくしてくれた馬術芸の娘の危機に立ちあがる。金で娘を好きにしようとする悪漢は奇しくも自分を追い込んだパトロンの貴族である。おいおい、そんなん都合良すぎ。
学者だった男(とは言え自称なのだが)が転落の末、道化師になると言うのは当時はリアリティのあった話なのだろうか。90年も前の事実は分からんなあ。殴られ芸で抱腹絶倒ってのも信じがたいが。
哀しい顔を白粉で塗り固め、それでも伝わってくる喜怒哀楽、ロン・チェイニー上手い。白塗りになった時点の顔は東野英治郎っぽい。
途中サーカスの出し物の一つとして猛獣使いが扱うライオンが出てくる。このライオンと役者を一緒に共演させる事は出来ない(役者が食われちゃうから)。それで、小部屋の中でロン・チェイニーとライオンが一緒に映るカットは前面からか後方からかは分からないがスクリーンにライオンを映して、その前でロン・チェイニーが映写されたライオンと息を合わせた演技をする特撮が使われた。ヒッチコックの白黒映画などで、運転席の後方に動く景色が映るなどと同じ手法である(そもそも初期の撮影用カメラは大きすぎて車のボンネットなどには乗らなかった筈なのでこういう方法が取られた)。
あとムチャクチャでかい5メートルくらいのクルクル回る地球儀の前にいる10人くらいの道化が「殴られピエロ」を地球儀の前方に皆で放り投げるファンタスティックなカット、これも映写時にチカチカする部分があるのでここでは光学合成が使われているようだ。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
殴られる彼奴@ぴあ映画生活
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『人数の町』シネクイント1

◆『人数の町』シネクイント1

▲青(左/すすめ)と赤+黄(右/注意+止まれ)。

五つ星評価で【★★★薄気味悪いホラー】
プロットは単純。おそらく社会基盤を握る組織(現政府)によって作られた町、そこでは集められた人数により、ネット上の世論操作をしたり、特定地域に出向いて、選挙の票操作をしたりする。出入りは自由であるが、投与された電子機器が脳に騒音を感じさせるシステムにより、事実上逃亡は不可能。又、逃亡後はおそらく政府の手配により無戸籍者に落ちるので、物理的・身体的に逃げられたとしても、生活の目途が立たず、長期の逃亡は難しい。
この食って、寝て、SEXしてという、ただそれだけの「豚のような」生活に甘んじるなら、いつまでも生きていく事が出来る。だが、それを「生きる」と言えるのか。「町」という存在に人間がペットとして飼いならされている。そういう状態だろう。

システムが単純なだけに現実に実現可能に思える。全くもって今現在存在していても違和感がない。そこが怖い。ゾクゾク来る。
中村倫也と石橋静河には良くも悪くも個性を出しながら逆オーラ的な埋没性がある。
つまり、ちゃんと他者と区別の付く個性がありながら、極めて普通に見えて群れに紛れる。

中村倫也、この人くらい無気力が似合う人もいない。
石橋静河、顔は整っているのだが、華がなくて、そこらから連れてきた人オーラが強い。

中村倫也は「蒼山」
石橋静河は「紅子」
石橋静香の妹役が「みどり」
その妹の娘が「桃子」
ゴレンジャーカラーである。「キレンジャー」がいないのだが、「紅子」は「木村」でもあるので黄色兼任。

熱血レッドの石橋静河がグイグイ引っ張っていって、
中村倫也はクールキャラ。
みどりはレッドを信用出来ていない(このパターンは戦隊的には珍しい)。
桃子は可愛さだけ。

▲みどり(立花恵理)

しかし、あのラストは又、事態の解決方法としては「そうなってしまいそう」と考える説得力のある物ではあったが、想像の範囲内でもあるし、みんなが思うイヤな方向性だったから、できうるなら違う終わり方を見たかった。

女性客多し。このメンツで人数の町にそのまま移管されたらハーレムやんけ(豚だな俺、豚でいいや俺)。
でも都度のところSEXしか娯楽がない施設に収容されるのはキツい。そんなにSEX得意じゃないし(告白すんな、そんなん)。


【銭】
シネクイント水曜1200円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
人数の町@ぴあ映画生活

『笑ふ男』シネマヴェーラ渋谷

◆『笑ふ男』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ジョーカーのモデルと言われている男の話】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1928年、白黒無声サウンド版、110分、初見。
謀反の疑いで父は処刑され、その父の惨状を見ても気丈に振る舞えるようにと、口の両端を割かれて常に笑った顔になるようにされた息子の数奇な物語。息子は見世物興行師に盲の少女と一緒に拾われ、道化「笑ひ男」として人気を得る。人気を妬んだ他の興行師からのタレコミにより、彼の出自が没落した貴族である事が分かり、彼の財産を継いだ公女との政略結婚が用意される。

彼の悲惨な生涯が浪花節で語られる前半は冗長、後半、彼が女王率いる英国議会に反旗を翻す所からがテンポもアップして俄然良い。
貴族装束のまま笑顔で逃げだして来る彼、追う甲冑の騎士団。混乱する町中。
建物の屋根に上った笑う男は何か得体の知れない物がそこにいる風で実に良いビジュアルだ。
この口元がコンプレックスで、常日頃隠して生活している「笑ふ男」をコロナ禍のため、劇場にいる人間か全員マスク姿で観てるのも皮肉な話だ。コレラ菌の恐怖を秘かに描いてるとも言われる『吸血鬼ノスフェラトウ』が番組選出に含まれてるのも皮肉な話だが。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
笑ふ男@ぴあ映画生活

『宇宙でいちばんあかるい屋根』シネ・リーブル池袋2

◆『宇宙でいちばんあかるい屋根』シネ・リーブル池袋2

▲この圧倒的普通少女感。

五つ星評価で【★★★★大傑作という感じではないのだけど、この星の数は清原果耶ちゃんへの好意の現れです/ちなみに「青くて痛くて脆い」で同じように星四つ付けて吉沢亮を褒めてますが、ホモじゃないからあれは好意というよりはリスペクト、、、と言うよりは作品が好き】

※ 「屋根」はともかく、『宇宙でいちばんあかるいや~ね~』は『マカロニほうれん荘』のきんどーさんの「や~ね~」。

清原果耶ちゃんがかーいーじゃないですか。
いじらしいじゃないですか。
何か梨っぽい。硬くて熟していて清々しい。
この路線ではこの娘が一番。
もう、孫を見る目で見た(年齢的には清原果耶が孫でも全然おかしくないんだけど)。
だから、性的な視線では全然見てない。逆にそういうのが見えづらい子で今時では大丈夫なのか?
桃井かおりとのセリフの応酬が聞き取れないほど早くて漫才的。

「するめちゃんさー」
「つばめ!」

ラリーのような速さと的確さにわろうた。

桃井かおりが年を取るとこうなるのね。若い頃は、どうなるかは分からなかったがこんなイメージではなかった。劇中で言われている「態度が悪い」と言うのがしっくり来る。最終的に手紙を取り返すとか、がある事から「ファンタジーに片足突っ込んだ」存在として扱われ、ラストカットはそれを利用しているようでさえある(ちなみにあのラストはちょっと違う気がする)。

伊藤健太郎これにも出てるのね。

山中崇の習字の先生みたいな職業と生活が理想かもしれない。


【銭】
テアトルの会員券を使って割引、1300円也。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
宇宙でいちばんあかるい屋根@ぴあ映画生活

『山猫リュシュカ』シネマヴェーラ渋谷

◆『山猫リュシュカ』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★ルビッチ、うわ、ちょっと驚く】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1921年、白黒無声サウンド版、81分、初見。ルビッチ。
ルビッチ無声映画自体のドタバタ・ラブコメ。
政府軍人の超モテ男と山賊の娘が恋に落ちるが、、、、、。
ラブコメって無声でやるとちょっとキツいな。
やはり感情はキャストの声に乗る。

中心にモテ男と山賊の娘がいるが、
政府側にも、山賊側にもそれぞれ二人を懸想してる人間がいて、
恋愛マンガにありがちな三角関係のW状態になってる。
しのぶ-(あたる-ラム)-レイ、の関係。
無声映画時代にしてなんつー新しさ。
いや、色恋沙汰は古くなったりしないだけか。

モテ男の登場シーンがモテを表現しすぎてて笑う。
モテ男が現れる。
カメラ一面に女、女、女。
キートンの『セブン・チャンス』みたいで驚いた。キートンの『セブン・チャンス』は1925年、おそらくこの映画にインスピレーションを受けたのに違いない。ただ、見せ方は違う。『山猫リュシカ』は比較的綺麗な少女だらけ。1対500くらいの不均衡さはあるのだが、それでも恋愛するのだからあまり凄いのはいない。逆に『セブン・チャンス』は遺産を持つキートン目掛けて7000人の行かず後家が追いかけてくるのだから、絵が怖い。バリバリ、サスペンス。抜きだして、加工して1本の映画を作ってしまった。流石、キートン。

【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
山猫リュシュカ@ぴあ映画生活

『青くて痛くて脆い』トーホーシネマズ上野4(ネタバレ)

◆『青くて痛くて脆い』トーホーシネマズ上野4(ネタバレ)

▲仲良しだった時代の二人。

※ ネタバレ、もしくはそれを暗示する内容を含みます。

五つ星評価で【★★★★ホモじゃないけど吉沢亮くんが良い】
『君の膵臓をたべたい』の作者による表裏一体の作品。どちらも活発な少女と自己の殻に閉じこもりがちな少年が一定期間、一緒に同じ時刻を過ごす。それによって、元々全然、別の人間である二人が分かりあい、全く同じ人間であるかのように呼応しあう関係になるのが『君の膵臓をたべたい』。そんな良好な関係にはなりえず、彼氏彼女はそれぞれ別の人間であり、別の人間であるからこそ、分かりあう為にぶつかり合わなければいけないのだとの結論に達するのが『青くて痛くて脆い』。前者はある意味「そういう事があったらステキだね」というファンタジーであり、後者はリアリスティックな寓話である。

主役の二人がとても良い。
人の善性を信じてやまない杉咲花。彼女が笑うとスクリーンの温度が上がる。
自分をよく知っており、常に痛みから目を背ける事をしている吉沢亮。吉沢亮、あんな整った顔をしていながら、いつも目が何かに脅えている。大した演技力である。彼は途中に出てくる社会からスポイルされた女子高生森七菜同様「役立たず」なのであるが、偶然それがばれるような局面に立たされていない事でそれが露呈せずにいる。

この二人が立ちあげた世界を変える秘密結社モアイが、彼女の死をきっかけに変節してしまい、彼がその変節した秘密結社をどうにかして社会から葬り去ろうと企むというのが粗筋である。彼の計画は功を奏し、モアイは葬り去られる。

物語の後半で彼は彼女の亡霊と対峙する。
彼は彼女にその出会いを責め立てる。
「僕じゃなくても誰でもよかったんだろう」
「ち」
彼女は「違う」と言えない。言葉が詰まる。彼である必要は全くなかった。もう、ここでドッと刺された。だって、俺もクズだし、カスだし、自己主張が苦手な内弁慶だもの。心あるカスはみなここで刺される。みんな自分だけは特別と思い込みたいが、自分だけが特別である筈もない事を知っている。
彼女の亡霊は彼に問いかける。
彼等のモアイの目指す先が違ってしまったのなら、そう言えばよかったのだ。機会はいくらでもあった。変える事は出来たし、変えていれば自分だって死にはしなかっただろう。そんな事は言ってくれなければ分からない。
そんなの言えるかボケ。
彼は言えない。あんなに長く過ごしているにもかかわらず、彼が言えない事自体を彼女が思いも寄らないという事自体が、彼女が彼を考えてない証拠である。それすら言えない。その閉じた迷宮ぶりにグサグサ刺される。彼は彼女に対峙すれば対峙するだけ、劣位に立ち、刺され続ける。そして、それは恐ろしい事にどちらが悪いと言う訳ではないのだ。ただ、そうなってしまうという事が決まっているだけで。
結果、亡霊の彼女は「暴力なんてみんなが暴力がイヤと言えばなくなるでしょう」という大学の教授に突き付けていた質問の回答を自分の体験で受け取る事になる。暴力は誰もがイヤだが、その暴力への道筋を照らしてしまったのは彼女なのだ。

女子高生森七菜を教室に戻そうと施設に学校の先生である光石研がやって来る。森七菜はパニックになり、大騒ぎになってしまう。実は、この光石研が杉咲花の成長した姿なのではないかと勘ぐっている。外見的に微妙だから、あまりそうは見えないが、光石研にも悪意はないだろう。彼が森七菜を教室に戻したいのは単に善意であると考えたい。ただ、それを望む事とは別に戦略をちゃんと立てて進むべきなのだ。戦略を立てずに闇雲に正義を遂行する所に「暴力」や「戦争」が発生する。

杉咲花にとっての「モアイ」は「模擬・出会い」を縮めた言葉で、
吉沢亮にとっての「モアイ」は「模擬・愛情」を縮めた言葉ってのでどうでしょう。


【銭】
トーホーシネマズソの有料入場ポイント6ポイントを使って無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
青くて痛くて脆い@ぴあ映画生活

『吸血鬼ノスフェラトウ』シネマヴェーラ渋谷

◆『吸血鬼ノスフェラトウ』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★バリ、ムルナウ】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1922年、白黒無声サウンド版、95分、初見。ムルナウ。
荘厳で論理的で大袈裟で重々しく、見せ場はここぞとばかりに見せる男ムルナウ。まさにムルナウっぽい。でも95分は長い。基本、聞いた事のあるような話なので20分もあれば充分。
主役のドイツ男子、笑顔が薄いところが中村倫也似。
その彼女、ドイツ人と化したアン・ハサウェイっぽい。なんか顎の下がムチムチしてる。
ノスフェラトウは誰にも似ずに独特なのだけど、
あえて誰かを選ぶなら柄本明か、その次男(柄本時生)。

ドラキュラの版権が取れなかった為、坊主頭にさせられてしまったノスフェラトウだが、彼が坊主頭でなければ明らかに歴史の中に埋没していたに違いない。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
吸血鬼ノスフェラトゥ@ぴあ映画生活

『Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song』トーホーシネマズ日本橋3

◆『Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song』トーホーシネマズ日本橋3

▲「桜、ものすごい魔力を身に付けたが服のセンスは最悪だな」と誰か言ってやってください。

五つ星評価で【★★話が雑い、でもBGMがステキなのが相変わらず】
私、ゲームをやらない人なので、詳しくは知らないのだが、「Fate」って立派なエロゲーという事らしい。今回の三部作以前の映画はその辺を上手い具合に避けて、アクション・ゲームのように振る舞っていたのだけど(勿論そういう側面もあるのだろう)、今回の三部作では前二作目で遂にその「箍」が外れまくって、一作目で純情ヒロインとして売りだしていた間桐桜を売女的に闇落ちさせて観客を唖然とさせた。その落とし方があまりに非道でおっちゃんつか爺さんはいたく興奮した。なまじっかのSM映画よりひどい被虐だよ。一つ分かったのは、ファンタジーを味方に付けた被虐はけっこう無敵。ゲラゲラゲラゲラ、そんな真理発掘すんなよ。
さて、なのだけど、にも関わらず二作目でそれだけの事をやってのけたので、三作目はエロゲー的な側面は減じた。今回のシリーズでの「エロ」のボルテージを数字で表わすなら、
一作目:10/100
二作目:90/100
三作目:15/100
てな感じじゃないだろうか。桜さん恥ずかしいビジュアルの、妙な服を着てるだけで、悪役としては機能するけど、エロとしてはそんなに機能してない。そこはお前がその立場になったのなら、他の女子キャラを闇落ちさせるのがお前の使命なんじゃないのか?
このシリーズや似た系統の「空の境界」シリーズで、強く心に刻まれる「大事な何かを失う痛み」が今回の三部作で一番色濃かったのが二作目であり、三作目はそのケツを拭くだけで終始してしまった感じであり、衝撃が弱い。非道な事をあからさまに言うなら幼女を目の前で斬殺してもいいし、桜の姉である(らしい)遠坂凛を性に溺れさせてもいいし、主人公の衛宮士郎を多数の男達に犯させてもいい。お、俺、おかしいっすか。一回外した「箍」はどんどん外すべきだ。躊躇してはいけない。

とは言うものの、そういう事を言うのにも実は躊躇がある。私は「Fate」というゲームをやっていないし、この三部作の映画を通してですら、あまり話がよく分からなかったからだ。明らかに説明不足である。三本も映画があって何をやってたんだよ。こういう設定であるという事は説明されるのだが、その設定が「確からしい」という説得力が薄い。「聖杯戦争」という物がある事は説明されても、そもそもその「聖杯戦争」の根拠が曖昧である。そこに投入される「大いなる力(聖杯戦争の根拠)」の出自さえ明確でない。ユダヤ・イスラム・キリスト教的な一神教の何か(エホバ=アラー)なのか、それ以外の何かなのか。別にそれが何であってもいいのだが、そういうのちょっと匂わすだけでも深みが増すのに。料理で言うなら、出汁を取らずに調味料だけで味を調えたスープみたいである。

キャラは、横綱相撲的に強いセイバーさんより味方だと頼れるし、想像以上に運動性能の高いライダーさんがステキだった。
逆にセイバーさんは乗り越えられる壁という位置しかもらえなかったので、キャラにさえ到達していない感じが不憫。
衛宮士郎くんは左手の封印を解くと無双。サイコガン扱うコブラかよって例えが古い。しかもあれは右手だった気がする。あの継ぎ接ぎした太い手で大リーグボール3号を投げて左腕の神経をイワしてほしい(何じゃそりゃ)。勿体ぶって封印を解いた割には、そんなに困った事になってない。そこを丁寧にやるには時間が足りないか。
遠坂凛はギリギリの線でちゃんとキャラとして成立、いやあ、鼻っ柱強いんだからへし折ってほしくはあった。逆に「へし折られはしない」というのが遠坂凛の個性なのかもしれないけど。
残り、神父と爺ちゃんの壊れっぷりが目を引くがあまりに人間感情として異質なので感情移入ができない。だって、ごくごく近くに神父さんみたいな人はいないから。私がSMの人で身近に究極のMみたいな人がいたら分からなくはなくなるのかな? まあ、実生活において分からないで充分である。

桜がずっとエロい仕打ちを受け続けて、それがプラトニックLOVEな士郎にバレて、化け物みたいなパワーを爆発させてしまうと言うのがシリーズの肝なのだけど、士郎が「ナイスですねえ」というようなタイプだったら、実は単にエロいバカップルが一つ爆誕するだけで終わってしまう話ではないのか? 士郎が気取らず「そんな桜にいつも勃起してたのでございます」と言ったら、桜は闇落ちしなかったのではないか? 士郎の封印してる左腕ってチンチンのメタファーじゃないのか? まあ、そこまでダイヤモンド映像的な「Fate」は皆に求められていないのかもしれないけど。

相変わらず音楽がいつも通り良かった。あの良すぎる音楽で「志高」的な何かのように勘違いさせられるのだけど、その実、日本の奇祭とかでチンチンの張り子を振るうような盛り上がりと素地がいっしょっぽいってのが「Fate」の愛される「変さ」なのだと思う。


【銭】
チケット屋で前売券1200円で見つけてGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song@ぴあ映画生活
▼関連記事。
Fate
◎Fate/stay night [Heaven's Feel]三部作
劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]I.presage flower@死屍累々映画日記・第二章
劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly@死屍累々映画日記・第二章
・劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song@死屍累々映画日記・第二章

◎三部作以外の傍流
劇場版 Fate/stay night Unlimited Blade Works@死屍累々映画日記・第二章
劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い@死屍累々映画日記・第二章
Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム@死屍累々映画日記・第二章
Fate/ゼロカフェ@死屍累々映画日記・第二章

コロナ立寄り箇所備忘録(2020年9月)

9月の部。

■9月1日(火) 狛江皮膚科に通院、昼は阿佐ヶ谷「一番館」、ラピュタ阿佐ヶ谷、新宿バルト9-7立寄り。夜は新宿「粥餐庁」。
■9月2日(水) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「庄屋」。夕食は代々木上原「とんかつ工房」。
■9月3日(木) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は飯田橋「龍門酒家」。飯田橋ブックオフ立寄り。
■9月4日(金) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「大手町厨房」の弁当を買って食堂。夕食は飯田橋「松屋」、ギンレイホール立寄り。
■9月5日(土) 朝8:00-夕13:30まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。ユナイテッドシネマ豊洲1立寄り、夕食は代々木上原「とんかつ工房」。
■9月6日(日) 昼は自宅、狛江市役所前のクリーニング屋、シネロマン池袋、シネマヴェーラ渋谷立寄り、夜は渋谷ファミマで買ったパン。
■9月7日(月) 朝8:00-夕15:30まで木場で工場勤務、昼は潮見「酔って家」。夕食は新橋「からたま亭」。上野オークラ立寄り。
■9月8日(火) 新宿三井クリニックで健康診断、新宿「バーガーキング」、喜多見「サミット」立寄り。
■9月9日(水) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は大森「白胡麻屋」、キネカ大森1立寄り。
■9月10日(木) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「庄屋」。夕食は渋谷「天や」、ヒューマントラストシネマ渋谷1立寄り。
■9月11日(金) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。門前仲町ブックオフ立寄り。夕食は代々木上原「ふうらい坊」
■9月12日(土) 昼は自宅、狛江市役所前のクリーニング屋、新宿ピカデリー6立寄り、夜は飯田橋「松屋」、飯田橋ギンレイホール立寄り。
■9月13日(日) 昼は自宅、シネマヴェーラ渋谷、飯田橋ギンレイホール立寄り。夜は阿佐ヶ谷「あさが屋」、ラピュタ阿佐ヶ谷立寄り。
■9月14日(月) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は潮見「酔って家」、夕食は大森「一番館」。キネカ大森3立寄り。


■9月15日(火) 昼は自宅、トーホーシネマズ上野4立ち寄り、夜は上野「」
■9月16日(水) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、
■9月17日(木) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、シネマヴェーラ渋谷立寄り、夜は渋谷「なか卯」
■9月18日(金) 朝8:00-昼13:00まで木場で工場勤務、昼は木場「」。13:30から大手町で総務。
■9月19日(土) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「どさん子」の弁当を社員食堂で、夜は池袋「キッチンabc」、シネ・リーブル池袋2立寄り。狛江小田急OX立寄り翌日用の弁当購入。
■9月20日(日) 朝8:00-夕16:00まで木場で工場勤務、昼は前日購入弁当を社員食堂で食べる。
■9月21日(月) 昼は自宅、上野オークラ立寄り、夜は上野「」
■9月22日(火) 昼は自宅、シネマヴェーラ渋谷、新宿ピカデリー3、シネマート新宿1立寄り、夜は新宿「万世拉麺」
■9月18日(金) 朝8:00-昼11:00まで木場で工場勤務、昼は木場「あっぱれ」。13:00から大手町で総務。夜は渋谷「カツや」。シネクイント1立寄り。

コロナ立寄り箇所備忘録(2020年8月)

8月の部。

■8月1日(土) 外出なし。
■8月2日(日) 昼は自宅、狛江市役所前のクリーニング屋、EJアニメシアター新宿、池袋ブックオフ、立寄り。夜は代々木上原「ふうらい坊」。
■8月3日(月) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「水信」。夕食は池袋「なか卯」、トーホーシネマズ池袋1立寄り。
■8月4日(火) 昼は自宅、下高井戸シネマ、立寄り。夜は下高井戸「家宴」。
■8月5日(水) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「北海道マルハ・バル」。夕食は池袋「狸穴」、トーホーシネマズ池袋4立寄り。
■8月6日(木) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は渋谷ラーメン屋「たちひら」、ユーロスペース2立寄り。
■8月7日(金) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「北海道マルハ・バル」。夕食は代々木上原「とんかつ工房」。
■8月8日(土) 朝8:00-夕16:30まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は豊洲「箱根そば」、ユナイテッドシネマ豊洲5立寄り。
■8月9日(日) 昼は自宅、狛江市役所前のクリーニング屋、丸の内TOEI①立寄り。夜は銀座「よもだ」。豪徳寺ブックオフ立寄り。
■8月10日(月) 昼は阿佐ヶ谷「王将」、ラピュタ阿佐ヶ谷、阿佐ヶ谷ブックオフ立寄り。夜は阿佐ヶ谷「ひむろ」。喜多見サミット立寄り。
■8月11日(火) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は狛江「達磨の目」。
■8月12日(水) 昼は自宅、UPLINK吉祥寺2、ラピュタ阿佐ヶ谷立寄り、夜は阿佐ヶ谷「ラーメン屋」。
■8月13日(木) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「庄屋」。夕食は代々木上原「ふうらい坊」。
■8月14日(金) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「水信」。夕食は豊洲「箱根そば」、ユナイテッドシネマ豊洲10立寄り。
■8月15日(土) 朝8:00-夕16:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「水信」。夕食は豊洲「箱根そば」、ユナイテッドシネマ豊洲3立寄り。
■8月16日(日) 昼は自宅、狛江市役所前のクリーニング屋、EJアニメシアター新宿立寄り。夜は渋谷「たちひら」。シネマヴェーラ渋谷立寄り。
■8月17日(月) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「庄屋」。夕食は池袋「なか卯」。トーホーシネマズ池袋4立寄り。
■8月18日(火) 昼は自宅、渋谷TOEI②、ラピュタ阿佐ヶ谷立寄り。夜は阿佐ヶ谷「男の晩ごはん」。阿佐ヶ谷ブックオフ立寄り。
■8月19日(水) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町洋食屋の弁当を買って食堂で。渋谷TOEI②立寄り、夕食は渋谷道玄坂「丸亀製麺」、帰りに喜多見サミット立寄り。
■8月20日(木) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町ラーメン屋「どさん子」の弁当を買って食堂で。夕食は代々木上原「とんかつ工房」、帰りに喜多見サミット立寄り。
■8月21日(金) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は渋谷「たちひら」、シネマヴェーラ渋谷立寄り。
■8月22日(土) 朝8:00-夕16:30まで大手町で総務、昼は大手町ラーメン屋「どさん子」の弁当を買って食堂で。夕食は渋谷「たちひら」、シネマヴェーラ渋谷立寄り。
■8月23日(日) 狛江市役所前のクリーニング屋立寄り、昼は狛江「魯×菜館」。東宝シネマズ日本橋3、神保町シアター立寄り、夜はファミマでパン。
■8月24日(月) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は潮見「酔って家」。夕食は新橋「からたち」、キネカ大森1、大森ブックオフ立寄り。
■8月25日(火) 昼は自宅、ユーロスペース2、ヒューマントラストシネマ渋谷2立寄り。夜は渋谷「丸亀製麺」。
■8月26日(水) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「庄屋」。夕食は代々木上原「とんかつ工房」、UPLINK吉祥寺5立寄り。
■8月27日(木) 朝8:00-夕17:00まで大手町で総務、昼は大手町「」。夕食は飯田橋「」、飯田橋ギンレイホール、飯田橋ブックオフ立寄り。
■8月28日(金) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は枝川「枝燦亭」。夕食は新橋「からたま亭」、ラピュタ阿佐ヶ谷立寄り。
■8月29日(土) 朝8:00-昼13:30まで木場で工場勤務、昼は新橋「からたま亭」。夕食は大森西友でパン、キネカ大森3立寄り。
■8月30日(日) 狛江市役所前のクリーニング屋立寄り、昼は家、新宿ピカデリー1立寄り、夜は渋谷「丸亀製麺」、シネマヴェーラ渋谷立ち寄り。
■8月31日(月) 朝8:00-夕17:00まで木場で工場勤務、昼は潮見「酔って家」。夕食は豊洲「箱根そば」、ユナイテッドシネマ豊洲9立寄り。

シネロマン池袋で浅草ロックとか20200904-20200906


▲画像シネロマンさんとこから借りてきた。

◆『兄嫁と義弟 近親痴態』
旧題◆『一度はしたい兄貴の嫁さん』
五つ星評価で【★★★★役者が皆かーいらしい。】
彩野まこと主演、水乃麻亜子、泉由紀子、出演 
久万真路監督 2002年のピンク映画、多分、初見。
かっての同級生が兄の嫁、同窓会の後、接近する兄嫁と弟。
寝取られが発生した後、弟の今の彼女と兄のやるせない心情
変わっていく部分や変わらない部分なんかを繊細に描写。
いい意味で映像系の学校の卒業制作みたい。
脱ぐ女優は3人なのだけど、それぞれちゃんと魅力的に撮ってあげようちという気持ちが見ていて伝わって来る。


◆『実録・元祖マナ板ショー』
五つ星評価で【★★★★みんな優しい/出前持ちお前は別だ】
夕月マコ主演、山科ゆり、森みどり、風間杜夫出演
藤井克彦監督、1975年のロマンポルノ。73分。初見。
浅草ロック座を舞台にマナ板ショーの始まりを描く。
主役の夕月マコの役名は「夕月マコ」。おそらく本人なのだろう。セリフがちょっと棒。
レズ演技のストリッパーとヒモの織りなす三角関係みたいなねちっこい部分より、当時のストリップの踊り子と観客の猥雑なエネルギーみたいなんが見てて楽しい。
若い頃の風間杜夫が本番マナ板ショーに選ばれる兄ちゃん役で、童貞か、童貞に毛が生えたような役で、舞台の上で衆人環視の中、夕月マコにリードされながら、いたした後、観客から「よくやった」「よかった」とかの声がかかるのが優しい共同体が小さな雛を皆で見守ってるようで微笑ましかった。見守られていた雛の風間杜夫は演歌のかかるストリップ劇場を後にして、BGMがバッハの自室で以前は不安ではち切れそうになっていたセックスをガールフレンド相手にするのだった。童貞が似合ってたなー風間杜夫。


◆『はじらい夫人 玩具で感じて』
旧題◆『人妻交換 恥じらい狂い』
五つ星評価で【★★★★エロ妄想満開】
つかもと友希主演、葉月螢、佐々木基子、柳東史、杉本まこと、出演。
佐々木乃武良脚本監督。 2007年のピンク映画。多分初見。
柳東史とつかもと友希が夫婦、佐々木基子と杉本まことが夫婦、
葉月螢は柳東史の会社の同僚。
つかもと友希が淫乱である事を知った杉本まことが夫に内緒でつかもと友希をバンバン調教する。
つかもと友希の「ダメダメ、ダメなんだけど身体が求めてしまう」演技がエロくていいわあ。あんな身体と心であって欲しいと全ての男が思っていると言っても過言ではなかろう(敏感すぎボディーと凄く高い貞操観)。
杉本まこと、今でこそ爺だが、この頃は随分としっかり極悪非道を演じれていた。この人、体幹がしっかりしてるんじゃないだうか? 濡れ場見てそんなこと思うのも変かもしれないけど。


【銭】
一般入場料金は1800円だが、劇場に無料で置いてあるスタンプカード割引で1500円(スタンプ六つ目で満スタンプ/期間一カ月無料の招待券になる/ちなみにいつからかは分からないが現在のスタンプカードはスタンプ8つで満スタンプである)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
実録・元祖マナ板ショー@ぴあ映画生活

『水戸黄門』『旗本退屈男 謎の南蛮太鼓』ラピュタ阿佐ヶ谷

ラピュタ縛りで2本まとめてレビュー。

◆『水戸黄門』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★もちっと感】
特集「痛快!時代劇まつり」から1プログラム。
1960年、カラー、94分、初見。
黄門様の映画なのに黄門助さん格さんより、浪人の大友や火消しの錦之助の方が主役を食ってしまっている。これは黄門様が東野英治郎みたいな糞爺ではなく、推理も扱う知恵者として捕えたのに違和感があるのだろう。一方いつも通り、侍という身分をはみだして誰よりも善人な大友柳太郎と、悪人じゃないから許されるテンション高すぎて異常者に見える錦之助のラブラブっぷりの方が見てて面白い。ラスト全員揃ってのチャンバラも黄門一行にそんなにスポットライト当たってない。まあ、全方位チャンバラって言われりゃそんなんかもしれんが。


◆『旗本退屈男 謎の南蛮太鼓』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★こっちももちっと感】
特集「痛快!時代劇まつり」から1プログラム。
1959年、カラー、87分、初見。
退屈を紛らわすのが市井の大事件って、実はとてもタチの悪い市川歌右衛門の旗本退屈男。
歌右衛門の太刀筋は綺麗だが、あまり骨を断ち切ってる感じがしない。日舞っぽい。別にそれで問題はない。
歌右衛門顔でかい。別にそれで問題はない。
最初の中華雑技団パレードが華やかでよい。
「南蛮太鼓の謎」がよう分からんかった。「南蛮太鼓」出てきてたっけ?
退屈男の元に切支丹、女掏摸、街の穀潰しみたいなのが集まるのは面白いけど、その辺りがそれぞれの特技を活かして退屈男をサポートするような展開が乏しく、集まり損な感じがどうしてもしてしまう。


【銭】
『水戸黄門』:一般1300円。
『旗本退屈男 謎の南蛮太鼓』:ラピュタ阿佐ヶ谷1日全員割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
水戸黄門〈1960年〉@ぴあ映画生活
旗本退屈男 謎の南蛮太鼓@ぴあ映画生活

『男になったら』シネマヴェーラ渋谷

◆『男になったら』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★これもルビッチのかーいー映画】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1918年、白黒無声サウンド版、45分、初見。ルビッチ。
奔放な若い娘オッシは「淑女たれ」と教育されてウンザリ、
町でタキシードを作って男装してボールルーム(ダンス場)に
出かける。
女にうんざりして男になったら、男は男で決して楽じゃない
事を知るってベタな展開かつ、最後はハッピーエンド。
まあ、ええのんちゃうの。ショットショットは面白いけど、
とってもありきたりな筋がマイナス。

男装前のオッシが銭賭けてカードはする、煙草も酒もやる、
男には軽い、みたいな中々のビッチなので、
胸がパッツンパッツンで脚線美を見せるショットも
ありーのな男装後のオッシの方が倒錯しつつも魅力的。

酒を飲んで体調崩したオッシが女子便所手前で入らず
(追いだされカットがなく)、男子トイレにも「ここは違う気がする」
と入らない、みたいな展開に牧歌的な時代の流れを感じる。

ドイツ映画の言語は『男になったら』だが、英語版の題名は『男になんかなりたくない』だ。どっちもあり。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
男になったら@ぴあ映画生活

『はたらく細胞!! 最強の敵、再び。体の中は“腸“大騒ぎ!』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『はたらく細胞!! 最強の敵、再び。体の中は“腸“大騒ぎ!』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲ポスター画像。

五つ星評価で【★★申し訳ないが分からん】
白血球、赤血球、乳酸菌、癌細胞などを擬人化して絡ませる。
そのあくなき擬人化への執念と、その擬人化キャラの設定を
科学考証に正しく成立させているところが見所なのだろうと思う。
割と殺伐とした内容なのに、教育マンガ的側面として
連れてこられた子連れ客が多かった(いーんか?)。

もともとのTVアニメとのギャップで笑かそうとしてるとかだったら全く分からんが、人体内部の病魔に対する化学合成作業が擬人化キャラによって正しく遂行されたとしても、それがそれほど面白いとは思えない。いや、本当、どこが面白いのか、自分には面白味が分からなかった。
ちなみに癌細胞は転移などで多臓器を悪くするのだから、最後まで一人で戦っていたけど、表現手段としては他の正常な細胞に移って何人にもなると言う描き方をする方が妥当だと思うのだがどうだろう。


【銭】
ユナイテッドシネマ前回有料入場ポイント2ポイントを割引に使って1000円鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
はたらく細胞!! 最強の敵、再び。体の中は“腸“大騒ぎ!@ぴあ映画生活

マンガ『年齢イコール彼女いない歴の魔法使い 田中 全3巻』原作 ぶんころり 漫画 刻田門大、ライドコミックスを読書する男ふじき

「田中」の苗字違いで異世界転生した冴えない田中が
授かったチート能力で、どうにか居場所を見つけて、
お世話になった人の問題を解決するまで。

つー書き方だと、田中が魅力的に見えてしまうが、
田中の魅力はチート能力以外の魅力がない所である。
カラーイラストで描かれる表紙の田中はボソボソした感じで
肌の色は死人のように薄茶色い。
悪役にまでいけないザコキャラみたいで、真剣に描いてる感がない。
チート能力も効率の良い使い方とかせず、割と出たとこ勝負だ。
そして、童貞で女に持てる要素がなく、外見不審者。
彼がやむにやまれず冒険に足を突っ込むが、基本、
そんなにやる気はない。生き方が漂うようだ。
でも、決めた方向には歩みは遅くても進むし、
ラッキースケベは享受する(視姦レベルまで)。
そして、田中の一番好きなところは、
自己評価が無茶苦茶低い所にある。

モテる筈がない。基本、嫌われこそすれ好かれる筈がない。
ル・サンチマンのように性根に沁み込んでて、こんな奴は大好きだ。
こいつは俺っす。俺すぎる。チート能力はないけど。
だから、このマンガは好き。

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』ユナイテッドシネマ豊洲9

◆『コンフィデンスマンJP プリンセス編』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲かっけーけど1ミリも内容が伝わって来ないチラシ。

五つ星評価で【★★★★娯楽やないけ】
バカみたいにただ娯楽。あーもーこーゆんは気楽でいい。敬意を払わなければいけなかったり、立派だったり、ちゃんとしてたり、とかよりは、身体や脳が疲れきってる時は、単に面白いだけで、他はどうでもいい。そんな強烈に面白くてどうでもいい映画が見たい時がある。それに適ってる作品。

「盗む」が悪くてもルパン三世が面白いように、「騙す」が悪くてもコンフィデンスマンJPが面白いと言う構造は偉い。「盗む」より「騙す」の方がタブー意識が強いと思うのだけど、主人公達の「騙し」はもうすっかり罪に問うみたいな次元を感じられなくなっているのが凄い。

柴田恭兵は「あぶない刑事」のユージの人生の延長にはとても見えない(いや、見えないのが正解なのだけど)。シンガポールで50年くらい戦っていたんだろうみたいな、とても人生が詰まったいい顔立ちだった。
狂犬のようでいながら、ちょっと可愛げのある江口洋介も良い。この人の凶悪な顔立ちにも関わらず、おトンマにいつも騙されてしまう所にコンフィデンスマンJPのバランスがかかっている。片足シリアスに突っ込んでる銭形警部みたい。
あと、シレっと富豪の我儘長女を演じてるビビアン・スーも、私、ビビアン・スーというだけで好きです。ビビアン・スーが好きな人ってみなそうじゃないだろうか。それってデビ夫人が好きな人みたいでちょっとイヤだなあ。
プリンセスの女の子(名前分からん、関水渚か?)は、ぽわーんとしてて良い。ただ、見たまんま性格がいいという事を裏付けるエピソードがまとめてドドっと展開するので、凄く「騙し」くさく感じて困った。チッ、それが目的か。ただ、そんな彼女の為にダー子達が全損を被るというのは脚本的につたないだろう。峰不二子がそれでもカリオストロからニセ札の原板をかすめ取ったみたいに何かあるだろ、何か。
昭和の虐待ババア。短い場面でもちゃんと爪痕を残す濱田マリ。
三浦春馬(合掌)と広末涼子を食いあわせたかった。

それにしても公開からちょっと時間がかかってしまったのだが、それは予告編がしんどかったから。「サーギ」はないだろ、「サーギ」は。あんな自分勝手な予告編見せられて見る気を捻出するのが難しかった。コロナ騒動の後、TVスポットで流れた「笑おう」というコピーにはグッと来た。


【銭】
ユナイテッドシネマ前回有料入場ポイント2ポイントを割引に使って1000円鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
コンフィデンスマンJP プリンセス編@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
コンフィデンスマンJP プリンセス編@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
コンフィデンスマンJP@死屍累々映画日記・第二章
・コンフィデンスマンJP プリンセス編@死屍累々映画日記・第二章

『事故物件 恐い間取り』新宿ピカデリー1、『ウィンダミア夫人の扇』シネマヴェーラ渋谷

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『事故物件 恐い間取り』新宿ピカデリー1

▲この写真以外、スチールがみんな無人の部屋写真ばっか。

五つ星評価で【★★★見所はいろいろあるけど筋物としてはつまらんかな】
いい所も多々あれば悪い所も多々ある、微妙な一本。
いい所の最大最高の一番手は菜緒の怖がり演技。これは金を払うに値する演技だ。恐怖シーンが「CGバリバリやなあ」思った直後に彼女の怖がり演技がカットインすると、恐怖カット塗り替えられて怖くなる。それほど素晴らしい怖がり演技。
恐怖映像は頑張った物と頑張り損ねた物が適当に混ざってる感じ。赤い服の女やエレベーターを降りて殺しに来る男など、どちらかと言うとリアルタイプの幻覚の方が演出に合っているのか出来が良い。
まず、元の芸人、松原タニシを知らないのだが、亀梨君は致命的と言うほどではないが、ちょっと合わない気がする。と言うのは、現役アイドルである為「絶世の美少年」みたいには見せてはいないが、人間としてのポテンシャルの高さがあちこちで見えてしまう。亀梨くんガタイいい。頼り甲斐がありそうに見えるのは構成状マイナスじゃないかと思う。亀梨くんが髪をアップにして頭に手拭巻いてるシーンなんかは、アイドルの美肌にしか見えない。
4軒回るがどこも事象的には解消していない。なのでヤキモキする感じが残る。原因等が明確に分からんからつまらん訳ではなく、誰にでもありそうな話に見えて、そこは恐怖映画としていいのだが、やはり何かしらのレポートは付けないと、映画として雑に見えてしょうがない。


◆『ウィンダミア夫人の扇』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ルビッチのかーいー映画】
特集「素晴らしきサイレント映画Ⅱ」から1プログラム。
1953年、白黒無声サウンド版、89分、初見。
ルビッチが描く社交界を舞台にしたラブコメ。
ルビッチの描く主人公ウィンダミア夫人がお目めキラキラで、尻軽で可愛い。
ウィンダミア公はある日、アーリン夫人からある秘密を相談される。
ウィンダミア夫人は夫とアーリア夫人の不貞を疑うが、
自身も夫の知人から恋愛を告白される。

いやあ~、少女マンガ(笑)


【銭】
『事故物件 恐い間取り』:ピカデリー前回鑑賞割引で1300円
『ウィンダミア夫人の扇』:一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
事故物件 恐い間取り@ぴあ映画生活
ウィンダミア夫人の扇@ぴあ映画生活

『痴漢電車 車内で一発』ラピュタ阿佐ヶ谷

企画「最後のプログラムピクチャーと呼ばれて 滝田洋二郎監督と異色のフィルムメーカーたち」から1プログラム。

◆『痴漢電車 車内で一発』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★これが普通というのが異常な滝田の快進撃】
1985年、カラー、60分、2回目。
2年前に大杉漣の追悼上映をやった上野オークラで初見していた。
女優が織本かおる、星野マリ、竹村祐佳、男優が池島ゆたか、蛍雪次朗、大杉漣だが、大杉漣濡れ場がないのである。
主役は蛍雪次朗、ジョーク東郷こと、ゴルゴ17。時代がもちっと後だったら竹中直人にオファーしてたかもしれないような役。ヒットマンで松田優作みたいな場面もある、シリアスだったら大杉漣がやはり何本か撮ってる。
脚本が片岡修二なのでコメディーっぽい話の転がりは少なめ。驚くのは滝田洋二郎の濡れ場の上手さ。女優三人でそれぞれ色実を変えてエロく撮影してる。竹村祐佳なんて特異な顔立ちで、映えるように撮るのが難しい女優なのに、あー、こんなん上手く撮ってもらって良いなあ。


【銭】
番組料金一般入場料金各1300円。
【関連記事】。
痴漢電車 車内で一発(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・痴漢電車 車内で一発(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―』UPLINK吉祥寺5

◆『8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―』UPLINK吉祥寺5

▲メインビジュアル。っつか、スチールが会議ソフトの上半身撮影ばっかや。

五つ星評価で【★この長さで、この金を取るべき作品ではない】
「8日」と言うのは映画作品内の怪獣が生きていた時間で、主人公が通販で怪獣を買って届いた日から数えてラストカット(映画内では怪獣が死んだという表現は取られていない)までの期間が8日間である。
では「12日」と言うのは何かと言うと、その怪獣のドラマがインターネットで配信されていた期間だ。
だから「12日」は作品内部の物語の時間とは全く関係がない。「メタ」って奴である。例えば、単に『マクベス』という題では満足せず、『ネットフリックスでマクベスを』ってタイトルその物に公開時の条件を付けちゃうに等しい。そういう感覚は恥ずかしくない?
配信の短い単元の映像を繋ぎ合わせて映画にしたのであるのだろうが、きっとこれが配信なら、そう怒らなかったに違いない。単純に短いからだ。そして、寄せ集めて拵えた物語のテンポは悪い。ふわふわしたニュアンスな話であり論理的な理屈に欠けている話なので、これくらいの物語をまとめて見せようというのなら、30分くらいの長さが妥当じゃないかと思う。それは話に論理的整合性がなさすぎるからだ。御都合主義すぎる。これは美しく装飾されていても他人ルールが支配している他人の夢に他ならない。ルールに口を挟めない他人の妄想を長い時間見るのはしんどい。
主人公が買った怪獣の形が毎日変わる。目まぐるしく変わるが、そこに「何故」とか「理由」はない。強いて言うなら、変わる事によって怪獣談議が花開く。ただ、製作してる人達が楽しく怪獣の話をしたいだけなんじゃない? なら、逆に物語いらなくない? そんな訳でたいそう苦々しい心持ちで見てしまった。
役者は普通。本業から素人に至るまで、下手でもなければ括目して見るほど上手さに圧倒されもしない。いやいやいやいや、別に下手じゃない。映像はシックな白黒で綺麗。そこに関しては流石岩井俊二監督と思った。
そんな規模の作品じゃないと言い返されたら終わってしまうのだけど、怪獣には動いてほしかった。単純に「動く」という要素が怪獣の魅力の一つなのだ。私はそう信じる。


【銭】
UPLINK水曜全員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
8日で死んだ怪獣の12日の物語―劇場版―@ぴあ映画生活

『唐獅子株式会社』神保町シアター

◆『唐獅子株式会社』神保町シアター
五つ星評価で【★★★横山やすしの味】
1983年、カラー、102分、初見と思ったら全く忘れてるだけで昔一回見てた。
特集「80年代ノスタルジア」からの一本。
曽根中生って確か『嗚呼花の応援団』『野球狂の詩』の併映で見て、汚い絵を汚いまま撮るなあという印象だったが、その辺は変わらない。どこかゴミゴミしてて、日常的。コメディーカットが多いからコメディー映画なのだが、キッチリ落ちを付けるような技巧的な雰囲気がない。鈴木則文から茶目っ気を削って一晩覚ましたみたいな感じ。
そこに横山やすし。横山やすしにヤクザやらそうなんて考えた人は天才でその物ズバリである。ヤクザのいい所も悪い所も入っている。美しいヤクザがいるなら高倉健であり、そうでないヤクザがいるなら横山やすしである。男の意気を賭けてドスを振り回すヤクザがいるなら菅原文太であり、同じ心根を持ってるのにそういう見せ場もなく、地べた這って生きてるのが横山やすしである。見た目も中身も横山やすしのまんまなので(競艇のボート乗ったりするし)、違和感がない。けっこう味があってペーソス溢れる。
そのやすしの兄貴役に伊東四朗。基本いつもと同じ演技だが、やすしと合わせるのは相手が狂犬みたいなやすしだけに安定感があって良い。そう言えば西川きよしは出ていなかったが、カメオだけの出演なら必要なかろう。若い時の紳助とさんまも端役で出てる。どっちもそれなりに美味しい役である。
丹波哲郎親分の命令一下なれないカタギ仕事をさせられるやすし、最初は雑誌編集、次はビデオ撮影、そして最後にタレント発掘。タレント発掘の金の卵は甲斐千恵美。なつかしー。丹波親分作詞の演歌歌手をこれはあかんとロック歌手に変更して、東京のオーディション番組で一発当てる。だがまあ、甲斐千恵美、別に下手じゃないから演歌歌っていてもそんなに違和感はなかった。ロック歌ってる最中、やすしに「胸と声がデカいのが売りだ」と言われるが、そんな胸でかい印象はない。すったもんだで歌が当たって、甲斐千恵美は横山やすしに抱かれたいのだが、横山やすしは我慢する。なかなかクラリスを抱きしめてやれないルパン三世みたいである。『凶悪』のピエール瀧みたいにシャブ打ちながら甲斐千恵美抱いたらまずかろう。横山やすしなんて常にアッパーでヒロポンとか打ってそうだったから、濡れ場のシーンとかあったらはりきっちゃいそうでマズい。ちなみに、横山やすしと一緒に甲斐千恵美をレッスンするピアノが引けるヤクザが桑名正博。コカインで捕まっとるがな。

あとTVオーディション番組の審査委員長が、なぎら健壱。このなぎら健壱がホモで横山やすしに色目を使う。う~ん、ホモで色目を使う、なぎら健壱の存在感が素晴らしすぎる。なぎら健壱は歌手だから当然、歌も上手いのだけど、もし、歌手じゃなかったら、このホモの演技をやるために生まれて来たのだと思う。


【銭】
神保町シアター一般1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
唐獅子株式会社@ぴあ映画生活
▼関連記事。
唐獅子株式会社(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・唐獅子株式会社(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『怪談新耳袋Gメン 2020』キネカ大森1

企画「夏のホラー秘宝まつり2020」から1プログラム。

◆『怪談新耳袋Gメン 2020』キネカ大森1

▲Gメンの雄姿。

五つ星評価で【★★★またまた通常営業】
変異や怪異はゼロではなく起こっているのだが、バエない。ただ、バエないのだ。
音の変異は怖いが地味。
今回シリーズ初演出になる佐藤監督のテンション上げが地味に人体実験みたいで怖い。

はちか可愛いのはいつも通り。


【銭】
テアトル会員割引で1100円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
怪談新耳袋Gメン2020@ぴあ映画生活

『熱砂の秘密』シネマヴェーラ渋谷

◆『熱砂の秘密』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★ああワイルダー】
特集「ナチスと映画Ⅲ」から1プログラム。
1943年、白黒、97分、初見。
オーソン・ウェルズとビリー・ワイルダーだったら全然ビリー・ワイルダーが好き。でもまあ、正しいのはウェルズの方だろう。ワイルダーの脚本でこんなんは本当にあったとは思えないみたいなのは、山ほどある。まあ、すげえ嘘ツキなんじゃないかなと思うんですよ、ワイルダーは。話が面白くなるのなら躊躇なく嘘を付く。整合性なんて最終的に合ってなくても構わない。建て付けだけ、立ってるように見えればそれでいい。ワイルダーはそういう資質の持ち主だと思う。
そして、この『熱砂の秘密』も嘘が顕著。でも、好き。そもそも、砂漠のホテルに迷い込んだ敗戦の英国将校が後からホテルを接収しに来たドイツ軍から身を守るために事故で死んだ給仕になりすますというのが、もうコメディーバリバリのプロットである。その給仕が実は潜伏して潜入しているドイツ側のスパイである事が分かる追加設定により、英国将校に迫る危機また危機。でも、プロットは成りすましだったり、AさんがBさんとしての顔やCさんとしての顔を持つ事の混乱、というやはりコメディーっぽいプロットなのである。
そのくせ、史実であるロンメルの敗走が、このホテルでの独英仏伊の4人の痴話喧嘩に端を発しているなど、まことしやかに嘘を付き、物語の中ではこれはこれでそれなりに納得出来てしまう筋立てになっている。「なっている」じゃねえよ。力技もいいところだ。でも、そんな嘘が随所随所、面白い。
劇中ホテル従業員のフランス女性が英国将校をなじる場面がある。彼の弟が、あのダンケルクで捕虜として捕まったらしい。映画『ダンケルク』では困難の末、英国軍が兵隊全員を魔法のように撤退させ、ドイツに一泡吹かせた、みたいなまとめ方になっていたが、実際の所はどうにかイギリス人のみは潮が引くように片付けたが、イギリス人以外はそこそこほったらかし、みたいなニュアンスだったらしい。連合国全体から見たら決して作戦成功ではなかったのね。おもろ。
『熱砂の秘密』というタイトルだけに、割とちゃんと驚くような「秘密」が用意されているのだが、ちょっと、ザ・ぼんちの「恋のぼんちシート」を思いだした。「♪A地点からB地点まで、行くあ~いだに、ボクは恋をしてたんです」って奴。勿論そのままでは使えないので「A地点」と「B地点」は「P地点」「T地点」に変えないといけないのだが。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
熱砂の秘密@ぴあ映画生活

『謎のストレンジャー』シネマヴェーラ渋谷

◆『謎のストレンジャー』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ウェルズ節に乗り損ねる】
特集「ナチスと映画Ⅲ」から1プログラム。
1946年、白黒、94分、初見。
隠れナチスを探せ、狩り出せ、吊し上げろ的な第二次大戦終結1年目のオーソン・ウェルズの映画。
コントラストが厳しい画面がウェルズっぽい(かな?)
♪日曜日はストレンジャー
いや、石野真子かんけーない。
メイン・ヒロインになるお嬢さんが「美しい」とか「可愛い」とかより、「フランケンシュタインの花嫁」っぽい。コントラストが強く、そのコントラストに負けないように化粧や隈取りが強く、良くも悪くも強烈に画面に映える。
もっとも、それはメインヒロインのみではなく、追う側も、追われる側も、セリフが付いてるような役者はみな同じように濃い。
あと、BGMや効果音が嵌るところにポンと嵌る。逆に言えば、今ではバラエティーでさえやってる、音での効果強調を凄く地道にやっている。
会話内容とか上手く転がしてる。逆にアクション一辺倒になるラスト前、映画が目には映っているのに心に沁み込んでこないと言うエンジン空ぶかしみたいな状態になってしまった。睡眠不足が悪かね。


【銭】
一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
謎のストレンジャー@ぴあ映画生活

マンガ『異世界からの企業進出!? 第1~2巻』原作 七士七海 漫画 鵜山はじめ、ヤンマガKCを読書する男ふじき

ブラック企業を勢いでやめてしまった社畜の主人公が魔界の企業に就職。持ち前の頑張りで異世界のダンジョンを切り開いていく(というのが仕事なのだ)。
1巻。主人公が凡庸なコツコツタイプって好き。人事部のダークエルフ、スエラさんが可愛い。
2巻。晴れて社員になった主人公が徐々に頭角を表わしていく。よいぞよいぞ。
ラスコマの引きが挑発的。早く次が読みたいわい。

『王の涙 -イ・サンの決断-』トーホーシネマズ池袋4

◆『王の涙 -イ・サンの決断-』トーホーシネマズ池袋4

▲五分割してる左二つ目のコマが恐るべき祖母。

五つ星評価で【★★★★ヒョンビン繋がり】
ヒョンビンの旧作『王宮の夜鬼』見たら、同じく旧作のこれを勧めてくれる人がいて、ちょうど1日だけ上映があったので見に行きました。
おー、おもろい。
ヒョンビンだけの手柄でもないけど、『王宮の夜鬼』よりはこっちの方がストレートに苦労人な役で良い。こういう役柄は日本人として凄く好感持つ。怠け者よりは誠実な努力家が好きよ、ごくごく普通に。

半島の歴史的な素地は分からんので、最初に軽く説明してくれたのは助かった。配給会社はこういう労を惜しんではならない。
権勢のない王様を主役に、濃いキャラの男女が王宮に渦巻く。ゾンビは出てこない。
が、ゾンビ以上に、王の祖母(祖父王の再婚相手なので若い)が怖かった。人としての考えが読めない。これがとても怖い。同情心や憐憫などを感じず、痛痒なく敵を退ける。敵でなくても1%でも敵の可能性があれば摘む。どちらかと言えば楽しんでる素振りさえ見せてやる。こわいわ、人間離れしてて。
同様に怖いのは、王宮の役人に盗みや殺しなどの汚い仕事をさせる奴隷を売る人買い、これもメンタリティーの壊れ方が並以上で怖かった。リアリストを突き詰めるとこの二人のようになるのかもしれない。
あと、強烈なキャラは王宮に売られた3人の奴隷。
自分達の仕事に疑問を持ちながらも雁字搦めに縛られてひっくり返す事は出来ない。
彼等は自分達も、仲間も、卑しいが故にどちらの勢力からも捨て駒として使われる事を知っている。
そして奴隷の一人は遂に知る。この連鎖を断ち切れる才能が王かもしれないと。そして、その芽は今、摘まれようとしていると。

王の実戦的な短弓がかっけー。

物語の冒頭で時制が順序ポコポコ変えるのは面食らう。


【銭】
旧作公開価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
王の涙 -イ・サンの決断-@ぴあ映画生活
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王の涙 -イ・サンの決断-@いやいやえん

『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』EJアニメシアター新宿、『第十七捕虜収容所』シネマヴェーラ渋谷

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』EJアニメシアター新宿

▲イカレ主人公。

五つ星評価で【★わはははははは、ダメだろ、こんなん】
上映時間25分、学校を模したと思われる閉鎖空間内で準精霊、精霊と呼ばれる少女たちが武器を使って最後の一人になるまで殺し合う。最後の一人にはどんな願いでも叶えられる権利が与えられる。『ハイランダー』とか、『仮面ライダー龍騎』のアレである。しかし、殺し殺され合う人達は何の保証があって、「何でも叶えられる権利」の有効性を信じるのかね。それに、主人公達が最強であり、「どんな願いでも適えられる能力」を持つ者がいるのなら、そんなんそれぞれが殺し合いなどするより、ゲームメイカーを制圧して、いくらでも望みを適えさせた方が効率的だと思うが、そうは考えないらしい。まあ、ラスボスがゲームメイカーという可能性が亡きにしもあらずだが。
ゲームか、ラノベか、元々のオリジナルがあり、これはスピンオフ作品らしいので、見に来てる観客は基本設定を知ってるらしい。ちっ、俺だけハブかよ。
「せんそう」とルビを振った「デート」は視覚効果から、それなりにおもろい。でもまあ、25分の長さで、これだけ何も説明もせず、冒頭から爪先ちょっと線の外に出してみました的なはかどらないシナリオの癖して、堂々エンドロールをバンと出してきた時には笑った。


◆『第十七捕虜収容所』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★★おもしれーのなんのって】
特集「ナチスと映画Ⅲ」から1プログラム。
1953年、白黒、121分、初見。
流石ビリー・ワイルダーと言う感じで捨てる所がない面白さ。
裏切者の汚名を着せられた一匹オオカミの男が真犯人と対峙する場面のサスペンスがたまらん。
この映画を元にいろいろな方向に間口を広げたような映画に『大脱走』があり、あれはあれで傑作だが、それでもこっちの方が全然好き。多分、あれはあれでスティーブ・マックイーンが主役のようで、他の捕虜それぞれにスポットライトがあてられて、みな全員に花を持たせてるような映画だけど、これは全員均等にそれぞれを主張させつつ、最後は捕虜の中に埋もれていたウィリアム・ホールデンに強烈なまでにスポットライトを当てて、強引に彼の映画にしてしまう。そこが気持ちいいのだろう。


【銭】
『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』:イベント上映番組価格1300円均一。30分しかないのに高っ!
『第十七捕虜収容所』:一版1200-400(会員割引)
▼作品詳細などはこちらでいいかな
デート・ア・バレット デッド・オア・バレット@ぴあ映画生活
第十七捕虜収容所@ぴあ映画生活

『弱虫ペダル』ユナイテッドシネマ豊洲10

◆『弱虫ペダル』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲「御堂筋くん出せや、出さんかい」「予算不足です」

五つ星評価で【★★★器用に作ってあるのに原作ファンがワクワクできない理由】
いやらしい言い方をするならとてもいい戦略が練られており、それは成果を上げているので、初めてこの作品に触れる人はちゃんと面白く感じると思う。私は劇場版アニメを見た後、マンガを読み進んだ今回珍しく一見さんでない立場なので、原作ファンから見た物足りない点を少し書きたいと思う。
見る前は不安だった。
と言うのは販促のチラシや予告編からあまり登場人物などを原作に寄せようという努力が見られなかったからだ。「寄せない」とか、あえて「変えてきている」という風には見えないが、ある程度、寄せるのはマンガへの敬意の現れだと思っているので、『あさひなぐ』みたいに中途半端な感じがしてイヤだなあ、と思った。『あさひなぐ』はアイドルを起用する事で、明らかに原作のメイン3人の身長バランスとかを崩していたし、サブ3人も含めて、ちょっと考えないと原作の誰だか分からないようなキャスティングは映画自体の出来にも影響を与えていたと思う。
ちなみに、『弱虫ペダル』もメインが3人、サブが3人という構成であり、身長差などに関しては原作をあまり踏襲していない。スカシ今泉は高身長に見えないし、赤い髪の鳴子は全然チビに見えない。それよりも先輩の3人は体格が全然違うのだが、本気で体格を合わせたらキャスティング全員が日本人でなくなってしまうから、そこはもう切り捨てて現実にいる高校生で、というラインに抑えたのだろう。それは寂しいが間違いとは言えない。彼等はマンガ特有の体格は再現できなかったが、スカシ今泉のメンタルの弱さ、赤髪鳴子の楽観的だが最後まで意地を貫き通す点、田所っちの高校生に見えないオヤジな豪快さ、金城のカリスマ性、巻島の人付き合いは苦手でクールだが実は人の事を良く見ていて面倒見がいい所などをちゃんと掬っている。身体がダメな部分は心でカバーだ。そして、割とみんな芸達者で演技が上手いので違和感がない。まあ、あと、メイン3人の体格差問題が『あさひなぐ』ほど直接、競技に関わって来ないというのもある(現実的にはともかくマンガでは強く強調されない部分である)。
ただ、マンガで言ってるように傍から見て「真っ赤っか」が分かるようには鳴子の髪はなっていないし、巻島の髪は全然、緑の色が付いているように見えないし、金城がエースでオールラウンダーって描かれてないし、巻島なんて彼独自の(それが彼の特異なメンタルのアイデンティティである)ダンシングすら披露させてもらえなかった。つまり、ちょっと表現が難しかったり、現実の高校生に見え辛くする点などは最初からチャレンジせず、バサバサ切り捨てているようなのである。えー、本気かよ。それはこれを一本の映画として作る上では賢い選択なのだが、原作にある自由さを少しずつ捨てているようで、ちょっと残念だった。まあ、こういった面はマンガを映画化する際には必ず発生する問題である。そして、外見を似せる事に傾倒するあまり内容がゼロになってしまう映画だってあるのだから、割とバカに出来ないいいバランスなのかもしれない。
にしても削ったなあ。羅列してみよう。
・鳴子章吉の燃えるような赤い髪、低身長。
・今泉俊輔の高身長。
・小野田坂道の白ブリーフっぽい童貞臭(いや、それはしょうがない)。あと、小野田坂道は落車しても決して眼鏡を落としたりしない。小野田坂道ママチャリの秘密。
・金城先輩の体格、ゲーム能力。
・田所先輩の体格と、その体格から来る防風スプリント。
・巻島先輩の緑の髪、スパイダー・ダンシング。
・自転車競技部部長(但し、これは削って正解)
・自転車競技部2年生。
・自転車競技部1年杉元(キャスティングはあるが注目度がほぼゼロ)。
・ライバル箱根学院とその6人。
・あの御堂筋。
・インターハイまでは1年の脚力は秘密にすると言う戦略。
・合宿での地獄の特訓(映画では1/10も特訓してない)

こんなんか。あと、一々立ち止まってはいられないという現実から自転車知識や競技知識の細かいウンチクはバッサリ切られてる。そこはしょうがないか。映画としては原作マンガの味っぽい部分を省略して、ドンと腹にたまる食い心地みたいなのに特化した作り。だから、初めての人が見ると楽しめると思う。あと、「御堂筋」は出せないのはよく分かる。「御堂筋」の存在そのものが今回の映画の作り方のアンチテーゼである。それは箱学にしてもそれなりにそうだけど。


・1年生3人はバランスもよく、頑張ってる。まあ、よし。
・橋本環奈はよい。原作では便利な知識紹介キャラであるが、今回はちゃんと一人の人間としての色が付いた。変に執拗な演出があるので、逆に嫌う人もいるかもしれないけど、まー、いーでしょ。橋本環奈は割と普通の女子の域を越えない感じが良い(絶妙に調節されている)。
・「自転車素人が漕いでるから下手」という感想を見掛けたけど、見る自分も素人なのでその辺の上手下手は意識できず。素人でラッキー。
・因縁の箱学をなくしたのだから、敵キャラはもう少し綿密な設定を背負わせてあげなければ可哀そう。
・金城先輩が『ぐらんぶる』なので、驚いた。
 なんだよ、空気抵抗減らす為に全裸で走る気かよ。そんな事したら興行収入あがるぞ。

・「恋の姫姫ペッタンコ」が編曲含めてあまりにもイメージ通りすぎて感激した。


【銭】
ユナイテッド金曜はメンバー割引で1100円。
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弱虫ペダル@ぴあ映画生活

『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』UPLINK吉祥寺、『丹下左膳』ラピュタ阿佐ヶ谷

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』UPLINK吉祥寺

▲いや、こんな映画だけどこんな映画じゃない。

五つ星評価で【★★★とっても変で冗長、でも最後に泣かせてくれる】
舞台は超昔の中国。どれくらい昔かと言えば、修行を極めると誰でも空が飛べるくらい昔の中国。登場人物は神仙みたいな人間しかいないから、ひょっとすると舞台は人間界じゃないのかもしれない。でも、カンフーは「気」のみで妖術の類は使わない。
主人公は小凡。10年前両親を正体不明の男に殺されて以来、修行に励んできたが、修行の成果が誰よりも出ない。他の一派も合わせて合同武闘会が開かれる。最弱の小凡は偶然、手に入れた悪魔の力で勝ち進んでしまう。その時、悪魔が復活する、みたいな話。拳法一派の話になっているが、フォーマットは群雄割拠タイプの番長物である。主役がとても心の清い子なのに悪魔の力を借りないとてんで弱く、同門の幼馴染の自分が惚れてる女の子に勝てないのが気の毒でたまらん。
隣の一派はエリート集団で、主人公はその中のトップ女剣士と何回かラッキースケベ的展開がある。彼女は委員長枠。時代が現代だったら眼鏡かけてるに違いない。
最後に主人公を惑わそうとする悪魔側からも主人公とアチチ展開になるべく美女が現われる。これがちょっとヤンチャな女不良枠。この子がちょっと酒井若菜に似てる(あー名前が出てこない出た)。右の緑の服の娘なんだけど。

途中までダラダラ学園・天下一武道会みたいなテイストでやって来てたのに、ラストになっていきなり「お前はこの世に災いを残す存在」って全否定されるの辛すぎる。

101分かあ。2時間くらいは見ていた気がしてたのになあ。


◆『丹下左膳』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★明朗快活】
特集「痛快!時代劇まつり」から1プログラム。
1958年、カラー、99分、初見。
日本初のカラー・シネスコ一年記念の映画だそうである。
大友の演技はでかくてヘボいけど気持ちいい。
今回ばかりは決して善人の役ではないのだけど、大友が演じると気のいいバカになる。
悪役は山形勲、欲と色の二本立て。美空ひばりを襲って胸に手を充てるけど揉んだり握ったりはしない。その辺り「悪」を演じていてもちょっと冷静だし本当はいい人なのかなあ、と。ここぞとばかり揉みそうな人もいなくはないから(梅宮辰夫あたり怪しい)。しかし、みんな美空ひばりにセックス・アピールを感じるのかあ。その辺は私はサッパリだなあ。
最後、悪漢の屋敷に雨が降る中、丹下左膳、柳生家家臣、捕り者の一群が駆け集まって来るところはあがる。
金魚占い最初の藩主は成田三樹夫じゃないかしら?


【銭】
『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』:UPLINK水曜全員割引で1100円。
『丹下左膳』:ラピュタ阿佐ヶ谷水曜全員割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。@ぴあ映画生活
丹下左膳〈1958年〉@ぴあ映画生活

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』ユナイテッドシネマ豊洲5

◆『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』ユナイテッドシネマ豊洲5

▲9人。

五つ星評価で【★★★難物】
9人の演者による歓声の取りあいを超現実的&超演劇的に描く、と言っていいのか。どうなのかと言われれば理解しきれていない。たぶん製作者側の圧が強い。演劇とアニメの両面から作り上げているらしく、9人の少女にはそれぞれ専用に演劇で演じる9人の演者がいて、彼女たちがボイスキャストも兼ねる。そういう背景があるからか、9人の強弱をできるだけ避けようとしてる気がする。それはとても優しく心情的に分からなくはないが2時間の作品で9人それぞれを深掘りするのは物理的に難しい。元になるアニメシリーズではそれだけの物理的な時間があったから問題なかったかもしれないが、ここは残酷でももう少し強弱をつけ、省略して問題の無いキャストの出番を減らすべきだろう(あれはあれでやった結果かもしれないが)。
そして、もう物語が分からなくてたまらない。感性に委ねられるほど感性が鋭くはないのだよ(そこは自慢するな)。どんでん返しが3回くらい越えると、元の地平が平らかどうかも分からなくなる。何が「正」か分からぬまま、終わりを迎えて、次回作の特報が付く。『魔法少女まどかマギカ』みたいであるが、あれはちゃんと次回作に向かう前に一見さんでも分かるようにその世界で起こった出来事を説明しきれていた(続きの話はどんなだったかもう覚えてもいないのだが)。これは独立度が高くない。オリジナルのTVシリーズに依存している。なので、ファン・ムービーの域を越えてはいない。そこが残念だ。

キャラ的には愛城華恋の同室の子のポワンとした感じが攻撃に転化されるのがおもろかった。
結局、キャラと名前が一致してるのは愛城華恋、神楽ひかり、大場ナナの3人だけだ。これがキャラを絞らなかった事の弊害である。そして、とてもオリジナルが気になっている。そういう罠か? 星二つと三つで迷った末に部分部分の出来はいいから星三つで。ただ、個人的な見解としては勉強してきた物にしか理解できないような映画は好みではない。


【銭】
ユナイテッドの会員ポイント2ポイント使って割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド@ぴあ映画生活

『鳳城の花嫁』ラピュタ阿佐ヶ谷

特集「痛快!時代劇まつり」から1プログラム。

◆『鳳城の花嫁』ラピュタ阿佐ヶ谷
五つ星評価で【★★★★明朗快活(最初、滅入ろう快活って出た)】
1957年、カラー、85分、初見。
姫の押し付けを嫌がる若殿がお江戸に嫁探しに出掛ける婚活コメディー。この城育ちの為、何も知らない大友柳太朗がおっちゃんなのに可愛い。バカが付くような善人で、人を疑う事を知らない。そして、小学生みたいな恋愛童貞ぶりがイカす。嫌いになれない。羽子板に描かれる美人姉妹(長谷川裕見子、中原ひとみ)に出会って用心棒の借り住まいをしながら妹の相手も合わせて4人であーでもない、こーでもない、と恋愛が進まないさまが楽しい。個人的には美人でツンツンしてる姉より、いつもデレデレしてる感じの妹の方が好き。
善と悪が非常に中途半端に両立している田崎潤の役どころが現代的。この田崎潤と大友柳太朗の組み合わせに違和感がないのは大友自身の役も案外現代的な役だからだろう。だってSEXこそしないが、これは『俺の空』だもの。

日本初のカラー・シネスコ映画だそうである。


【銭】
一版料金1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
鳳城の花嫁@ぴあ映画生活
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