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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』109シネマズ木場3

◆『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』109シネマズ木場3
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★ヒキタさんに好意持ちづらい】
妊活を題材にした松重豊の初主演作。
コメディーではなく、極めて真面目に撮っている。
でも、題材に滅入る内容が充填的に詰まってるので、
節目節目細かく分断して気分転換になるコメディーとして
作った方が向いていたのではなかろうか?

妊活でやる事の流れや、各妊活での細かい体験談など、妊活を始めようとする人には有益な情報も多いかもしれない。ただ、私がガッツリその対象外だっただけだ。

松重豊が演じるヒキタさんが私にはあまり魅力的に感じられない、つらい妊活にノイローゼ寸前になりながら気合で乗り切るヒキタさんであるのだが、何かあまり善人に見えず、悪人が自己中でジタバタしてるように見えてしまう。ここいら松重豊というコワモテな顔を連れてきた事の悪影響か。松重豊がソフトな演技をすると、だらしなさは出るが、優しさが滲み出ないのだ。特別、何もしなくても北川景子が甲斐甲斐しく見えるのに、とても不公平な結果である。でもまあ、そういうものだからしょうがないとしか言えない。

北川景子の父役で伊東四朗が出てる。
松重豊が伊東四朗に5回「にんっ!」ってギャグかましたら、、、、、、、、そういうダジャレかよ。


【銭】
109シネマズ会員デー(毎月19日)、会員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヒキタさん! ご懐妊ですよ@ぴあ映画生活
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『任侠学園』『蜜蜂と遠雷』『ヘルボーイ』『HiGH&LOW THE WORST』トーホーシネマズ日本橋2、1、錦糸町オリナス6、7

◆『任侠学園』トーホーシネマズ日本橋2
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★こういう敷居が低いコメディーが好きなんや】
映画的じゃないし、脚本や伏線で笑わせるような上質さとは縁遠いけど、ドラマ寄りの、こういう誰もが楽しめるようなお茶の間なコメディーが好きだ。
必死に頑張る様がかっこよくもいじらしい西島秀俊。この人、年を取ってどんどん中身に身がある役が回ってくるようになった。ヤクザだろうが何だろうが中身はちゃんとしているという信頼感のあるいい顔なのである。「ググる」が分からないのが可愛い。
西田敏行は若い時と変わらない「外見に似合わないお茶目な演技」をするのだが、このもう死ぬ間際みたいな老齢でそれをやると、そのバカらしい芸が山海塾系の芸術に見えなくもない。カバが白塗りしてチュチュを着込んでバレエを踊ってるような異常な可憐さがある。そんな事をやりながら、ちゃんと締める演技は締めるから役者として安心できる。エンディングが二曲あり、その一曲目を西田敏行が歌っているのだが、かってヒット曲を出したとはいえ、西田敏行の歌は別にそれほど有り難くはないので、本来の東京スカパラ~の一曲のみで充分である。この起用は大御所西田に対する忖度に思えてならない。
伊藤淳史は役者の中に放り込んでおくと、ちゃんとそこに自分の居場所を見つける感じが頼もしい。伊藤淳史は惚れ惚れするほどいつも伊藤淳史であり、「え、これ、誰? 伊藤淳史なの?」みたいな意外性を味合わされたことが一度もない。でもまあ全然それでOKよ。
ヒロインとしては葵わかな・桜井日奈子のダブルキャストになるのかな。どっちも小振り。桜井日奈子の天然のアヒル口が邪魔なのはしょうがないとして学校に対する影の反抗の理由が気分的な物に収まって明確にならないのはいかん。
白竜さんがお年を召して本物にしか見えない。
高木ブーがとても高木ブーな、よいキャスティング。チラシの写真もそのまま使われてるのがおもろい。これがブーの全てであるような感じ。

話の伏線が雑だったり、事務所経営的に資金回収スパンが長すぎるだろみたいに思うのだけど、その辺はそこそこ雑でもいいユルさが作品の空気に漂っていたので無視して良いかな。


◆『蜜蜂と遠雷』トーホーシネマズ日本橋1
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★ピアノ】
ピアノかっけー。前半置いていかれたからフリーパスでもう一回見たい。


◆『ヘルボーイ』トーホーシネマズ錦糸町オリナス6
五つ星評価で【★★やはり、そんなに面白くはない】
二回目。これは前回全般悪夢のようにフワフワした気分で見てしまったので、ひょっとしたらバリバリ面白かったりするのかもと見直してみたが、やはり面白くないという当初の見解は正しかった。最初、それはヘルボーイがネガティブだからだろうと、そこのみが悪さの原因だと思っていて、勿論それもあるのだが、御多聞に漏れず脚本が荒い。敵も見方も万能ではないが、それぞれの強さや弱さの設定が曖昧だし、バーバヤーガは面白いけど、会いに行ったり、元の世界に戻ったりがヘルボーイ自身によって制御できないのは問題。巨人退治、バーバヤーガ、魔術師、仲間との出会い、みたいなのが極めて行き当たりばったりに並んでいて、ヘルボーイの振り回され感が半端ない。主人公なんだから全部は無理でも振り回されるだけではなく、そこそこ切り開かないといけないが、そんな風に見えない。これはボヤキキャラが悪い方に影響してしまっているかもしれない。力が強いだけの猪の悪役も面白くない。何で面白くないかと言ったら、そのスキルがヘルボーイと被っているからだろう。
語れば語るほど魅力が減ってしまう。
なるほど「減るボーイ」か。ちゃんちゃん


◆『HiGH&LOW THE WORST』トーホーシネマズ錦糸町オリナス7
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★素晴らしい出来なので見てほしい】
マンガ(未読)とドラマシリーズの「HiGH&LOW」のコラボ映画という事で、キワモノ感満載だが、思った以上にベースを知らなくても全然楽しめる快作として出来上がっていた。
物語は単純でイキガッテル兄ちゃん同士の巨大な二つの組織、それなりにみんな筋を通してイキガッテルのだけど、それぞれがドラッグを扱ってる町の屑と揉めてしまう。町の屑は二つの組織を同士打ちさせようとする。うわ、これは『湘南爆走族(まんが)』とかから延々とやられてきたどっちもが引き立つ王道のストーリー。
舌を巻いたのが、物凄く扱ってるキャラクターの人数が多く、みんなオラオラ系の喧嘩バカばかりなのに、キャラクターの混同が全くなく見れたという事だ。ざっと20人くらいがメインキャストとかそんな映画ないだろ。それでいてそれぞれにいい見せ場を持たせている。しかも、これらのキャストは「HiGH&LOW」なんて前作からの引継ぎが2,3人で後は全部、今回の映画の中での初見キャラなのだ。こんなの脚本と演出と全体のプロデュースが上手く回っていないと出来はしない。
主役の幼馴染グループが6人、鳳仙は四天王にトップに妹にオマケ一人で7人、鬼邪高定時が2人、鬼邪高全日が三つのグループが貼りあってて大体8人。大所帯すぎる。いやまあ、混同が全くなかったかと言われたら多少はあった。まあ、これだけ数がいるんだからしょうがないだろ。
それと喧嘩の場面での広角ドローン撮影が素晴らしい。アクション・シーンの中、ドローンのカメラが動くので見づらくなって当然だが、被写体を中心に据えたままブレずにスムーズに動くので、多少の変な映像感はあっても、見ている事によるストレスはたまらなかった。逆に、ドローンを起用した事によるスムーズな流れの中で全ての戦いが繋がって見える景色をやれてしまった事の方が凄い。おそらく、これは撮影者や演出のテクニックに負う所が多い筈。この200人くらいの集団がどこでも戦っているというのをドローンを使わずに同じように繫げて見せたのが『アベンジャーズ エンド・オブ・ゲーム』。もうすっかり細かい事は忘れてしまったが、ずっと戦っていて途切れる事がないというのをこちらは編集とCG繋ぎなどで見せているのだと思う。いやあ、資金力の差。みんな違ってみんないい。
鳳仙のトップを今まで甘いマスクのメロメロなソフト美男子やオカマキャラなどを演じてた志尊淳がやってて硬派喧嘩キャラに違和感なく溶け込んでるのも凄い。ちゃんと喧嘩の殺陣が付いていて重いというよりはキッチリ鋭く形のいい拳という感じ。ただ、セリフは「もちっと声張れや」と思った。志尊淳の妹役がただ一人恋愛対象になる外見の少女な訳だが、流石にずっと喧嘩の映画なので彼女が引き立たなかったのは勿体なかった。

あと、小沢仁志が脚本的にも役的にも美味しい。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その11~14本目
▼作品詳細などはこちらでいいかな
任侠学園@ぴあ映画生活
蜜蜂と遠雷 @ぴあ映画生活
ヘルボーイ@ぴあ映画生活
HiGH&LOW THE WORST@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ヘルボーイ(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・ヘルボーイ(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

マンガ『ラーメン大好き小泉さん 第一巻』鳴見なる、竹書房を読書する男ふじき

小泉さんがラーメンが好きというだけでマンガを成立させてるのが凄い。
これを成立させるのは画力。
「美味しそうに食べる」それがマンガでの満足度を上げる。
セックスのエクスタシーに近いが、いやらしさはない
(いやらしく見えなくもないようなギリギリな描き方をしてるとは思う)。
ただ、人は他人の幸せな表情を見るだけでも癒される事はある。
自分が不純な人間だから、そう思いたくなるのかもしれない。

小泉さんはコミュニケーションを取れないのではなく、取らない。しかし、世間はそれを許してはくれない。考えようによっては有り難いが煩わしい話である。

『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』新宿ピカデリー10

◆『銀河英雄伝説 DIE NEUE THESE』新宿ピカデリー10
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★ちゃんとしてる】
『銀河英雄伝説』の映像化作品を見るなんて、オタクの必須授業みたいなもんだから、そりゃ見るわな。ツイッターの感想に流れて来た通り「なんとも美しい」作品だった。この世界にはミミズとかいなそう。釣り餌は全て毛針じゃ。男子はみなツルンとしてスネ毛とか生えてなさそう。スネ毛が生えるような輩は帝国軍人として死刑に処する。そんな世界であって、そういう統制の取れた世界にはナレーションがよく似あう。
粛々と歴史は進み、記録されていく。
ちょんまげは生やしてないがとても大河ドラマ的。
そしてヅカっぽい。ヅカやったら嵌ると思うな。

物語の開始と同時にこれまでの粗筋がでたのには驚いた。
どうやらTV版のセカンドシーズンを一章4話程度でまとめて三章仕立てで公開する予定のようだ。今回はTV版の第13話から16話にあたる。という事は第1話から12話にあたる部分がファーストシーズンと言う事になるだろう。順番に公開すればいいのに。

エンドロールの「協力:麻宮騎亜」は分からんでもないが「強力:新潟」ってのは何だ?聖地か?


【銭】
企画特別料金1800円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
《銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第1章》@ぴあ映画生活

マンガ『祓ってませんよ 全二巻』カガミツキ、MFコミックス フラッパーを読書する男ふじき

一巻だけブクオフで安値で買ってて、1年くらい経ってか二巻も見掛けたので買ってまとめて通読。

霊が見える為、霊に説教してるうちにボッチになってしまった少女が高校デビューしようとするが霊まみれになるお祓いコメディー(そんなジャンルねー)。ラスト主人公の父親の霊をお祓いする事で、ちょっといいマンガ寄りになろうとするが、割と照れがあるのかきっちりギャグとして回収して終わらせている。

主人公がオカッパ眼鏡の地味子で、容赦なく顔を崩すと思ったら作者は女性。表紙のエロさはマンガ内容に微塵もない。表紙のセーラ服の薄絹具合がなかなか上手い。

表紙下のエッセイ部で、主人公の外観が作者の姿の投影と書いてあって、それは実に隠れた「萌え要素」じゃないかと思った。

『まぼろし鷹』シネマヴェーラ渋谷

◆『まぼろし鷹』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★のんびり】
1959年の白黒映画、79分、初見。
特集企画「玉石混淆!?秘宝発掘!新東宝のとことんディープな世界」から1プログラム。
スタッフもキャストも誰一人として知らない。
話は殿様パートと忍者パートに分かれていて、
殿様パートでは長男月丸と次男星丸の家督争いが本人達をよそに起こり、忍者パートでは二つの忍者組織の男女がロミオとジュリエット的な運命の下、殿様パートの家督争いに巻き込まれる(御膳試合で勝った一族のみ生かすという山田風太郎的展開になる)。
「まぼろし鷹」とは忍者パート側の主役・伊吹幻四郎がいつも肩に止まらせている鷹の事だろう。話の前半部ではずっと肩に止まっていたが、アクション続く中盤以降はずっと肩に止まらせている訳にもいかず、鷹はどこかに行ってしまった。いい加減だな(笑)。

個人的な見所を幾つか。
①、落馬により三日間寝込んた月丸が目を覚ますと気がふれていた。その気の触れた演技がちょっと見事。
②、出番は少ないが姫様は現代風の美人。
③、悪玉忍者がちょっと山城新伍に似てる(見所ではないか)。
④、忍術表現が昔の8ミリ映画みたいにアナログ。
・消える。また何もない所から現われる(カメラの停止、再稼働)。
・高所に飛び乗る(カメラの反転)。
・急に火に囲まれる(カメラの停止、再稼働)。

なんか心が洗われるよう。


【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
まぼろし鷹@ぴあ映画生活

『3人の信長』『ホテル・ムンバイ』『ロケットマン』『ガーンジー島の読書会の秘密』トーホーシネマズ日比谷11,9,13.シャンテ3

同日鑑賞を4本まとめてレビュー。

◆『3人の信長』トーホーシネマズ日比谷11
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★解説付きで絵解きで見せる技術がなかなか巧み】
捕まえてみれば信長か3人と言う事態、まあ、全員の首を斬ってしまえばいいじゃないかと素人考えでは思うのだが、亡き殿の墓前に手向けるにはそういう雑な事は出来ないらしい。勿論フィクションだろうが、納得のいくアイデアであり、上手い事を思い付いたものだ。ただ、物凄く試行錯誤しすぎて一分の隙の無いパズルのようにしすぎてしまったキライはある。あまりにピッチリバッチリ型に嵌っているのは、頭で作った物感が高まってしまって心に届かなくなる。なんや難しいのう、われ。
冒頭から戦国時代の勢力構造を分かりやすく絵解きで見せて、たいそう親切。こういうのは素直に評価したい。
三人の信長を演じるTAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳はいいバランス。欲を言えば、後者二人が曲者だから前者一人ももうちょっと曲者を連れてきてたら又違った味わいが出来たのかな、と。TAKAHIROって良くも悪くも普通のあんちゃんだ。信長っぽくはない。この辺のキャスティングは姫様も含めてエグザイル系が絡む事で企画がクリアしてそうなので、大人の事情的にしょうがなさそうだけど。
3人の中では岡田義徳の得体の知れない食えない感じが良い。
相手にされながら相手にならない相島一之の盤石の一手足りない感じもよかった。この人は好敵手の一歩手前が似合う人。色濃い小者感をそもそも持ってるので、この人に主人公が苦しめられていると、バカにバカにされてるような居心地の悪さが高まって、たいそうドラマとして盛り上がる。
髭が濃い役をやる時は武将でも自衛隊でも基本変わらない演技の高嶋政宏も適材適所で問題なし。ただ異常にいつも通りで、見ていて「やはりいつもと同じなのだけどこれでいいのだろうか?」と客側に思わせてしまうほど同じなのだけど、本当にこれでいいのか? そういう意味で謎の役者である。高嶋政宏はもう高嶋政宏という記号でしかない気がする。

3人の秀吉や3人の家康も出てきてほしかった。


◆『ホテル・ムンバイ』トーホーシネマズ日比谷9
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★圧倒的なその場へ放り投げられ感】
ホテルに来た4人のテロリストに普通の人、殺されまくりの映画。
たった4人でも火力を持ってさえいれば100人でも200人でも制圧できるのだなあ。ブルース・ウィリスのいない『ダイ・ハード』がどれほど悲惨かと言う実証映画。主人公や他のホテル関係者の誇り高い行動を称賛しつつも、最終的に何一つ解決もしていず救いようのない話でもある。
主演のデーヴ・パテール、『ライオン』の人なのね。かっこいいんだけど覚えづらい顔。整っているけど髭生やしてデコ出すと、申し訳ないけど、ハイグレードな「なすび」っぽい。


◆『ロケットマン』トーホーシネマズ日比谷13
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★ビッチ女のロケットみたいな「まん」の映画って方が見たいかもしれない】
いたたまれない内容をロック・ミュージカル化。最初に出て来るオレンジの悪魔にハートの眼鏡が凄い。顔は冴えない中年男で、心の荒れが顔に滲み出てる。『必殺仕事人Ⅳ』でひかる一平を追い回していた梅津栄に似てる。そりゃあ地獄だ。監督の前作クィーン映画でもそうだったが洋楽は疎い。耳に覚えのある知ってる曲は2曲だけだった。周りもそんなもんなんだろうか。
神様は彼に音楽的才能を与えたが、愛は与えなかった。このもっともキツいケースが『ロケットマン』であり、音楽的才能を神の愛に置き換えて昇華させる事で宗教的な法悦境みたいな領域に押し上げたドラッグムービーが『蜜蜂と遠雷』のような気がする。『蜜蜂と遠雷』で神童達が酒やドラッグやセックスに溺れないのはクラシックという高貴な世界だからではなく、『ロケットマン』のポップ・カルチャーの世界のように巨大な金が唸る市場が近くにないからに過ぎない。金が唸る所にはクズが集まる。
ちょっと『ロケットマン』からはみ出す話だが、いい演奏だけ聞かせてもらえるのなら、酒やドラッグやセックスに溺れた、溺れる事によって得た感性での演奏を「より」聞いて見たいと思わせるのが『蜜蜂と遠雷』の鬼畜な結論である。ただ、バランスを取ってそんな結論は表面に出さないが。
あのオレンジの悪魔の服、ずっと見てると美空ひばりの黒い派手派手衣装を思いだした。そりゃあ、どちらにも怒られそうな人選じゃないか、俺。


◆『ガーンジー島の読書会の秘密』トーホーシネマズシャンテ3
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★ちょっとウトウトしてる間に話に追いて行かれてしまったので好き星が低いって俺のせいじゃん】
リリちゃんは可愛いし、作家として生計を建てているからか、実にオシャレで金のかかった服を着ている。それで、愛情とかよく分からない婚約者からダイヤの指輪もらって、取材旅行に行った土地の男と恋愛してしまう。ビッチじゃん。成人映画だったら両方とも関係するシーンが映されるだろうが、もちろんリリ・ジェームズにそんな事をさせはせずにスルー。少なくとも婚約者とは肉体関係あるだろ。リリ・ジェームズが作家先生と言うのは、浜辺美波が文豪というくらい違和感がある設定ではないか?
秘密と言うか、謎が凄い謎ではない。いや、日本人だからフランスとドイツの愛憎関係に疎くてピンと来ないというのもあるし、そもそも読書会と言う設定が日本人には、いや、私自身には縁遠いからかもしれないが。ピンピンもビンビンも来ない(やめろよ下ネタ)。
あっ、ガーンジー島ってイギリスなの。第二次大戦中に唯一ドイツの占領下にあった島。それすら理解してなかった。
リリちゃんは可愛い。ビッチだとしても。イギリス人のビッチっていいなあ。えへへへへへへ。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その7~10本目。
映画ファン感謝デーなのだが、わざわざその日に6ポイント使って鑑賞する人も少なく、フリーパスとしては席を取りやすかった。まあ、満席にならない事だけ注意しなければいけなかったけど。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
3人の信長@ぴあ映画生活
ホテル・ムンバイ@ぴあ映画生活
ロケットマン@ぴあ映画生活
ガーンジー島の読書会の秘密@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ホテル・ムンバイ@ノラネコの呑んで観るシネマ
ホテル・ムンバイ@yukarinの映画鑑賞日記α
ロケットマン@ここなつ映画レビュー
ロケットマン@ノルウェー暮らし・イン・原宿
ロケットマン@SGA屋物語紹介所

『暴力五人娘』シネマヴェーラ渋谷(おかわり)

◆『暴力五人娘』シネマヴェーラ渋谷(おかわり)
五つ星評価で【★★★後半テンポ悪】
初見時、ちょっとうつらうつらしてしまったのでポイント使って再チャレンジ。あー、すげー、後半テンポ悪い。

気が付いたり書き漏らしたりしてた事。
・チンピラの一人がスカジャンの下にTシャツ着てて、図案がダッコちゃんで、なかなかイカス。
・「お脳が悪い」と言われる理事長は発明狂で、人間よりちょっと大きめのロボットを作っていて、チンピラとの戦闘でちゃんと役に立った。月へ行くための「宇宙艇」とか作ってるのが映画前半で眉唾なのだけど、映画全部見てから理事長の発明で特別、失敗している物もないのに気が付いた。案外ちゃんと宇宙に行けるかも。
・「暴力五人娘」、そうでもないと前回は書いたけど、やっぱり思った以上に暴力的だった。少なくとも菅原文太よりは五人娘の方が暴力的である。
・沢井三郎演じるカマっぽい副理事。ソロバン持たせたい感じでトニー谷を意識しているような演技。
・ラストシーン、善人も悪人も、お脳の弱い理事長の「踊りましょう」の一言で踊り出す。約60年早い『カンフー・ヨガ』的エンディングと言えよう。
・安いカレーが50円、一流洋食屋の高いカレーが400円。物価1/10くらいか。
・文太のあの短いステッキがベム的。
・文太のパンチラつーか、パンモロカットあり。


【銭】
有料入場ポイント9ポイントを使って無料入場。
▼関連記事。
暴力五人娘(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
・暴力五人娘(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『暴力五人娘』シネマヴェーラ渋谷

◆『暴力五人娘』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★まあ、もう一度見たいかも】
1960年の白黒映画、80分、初見。
特集企画「玉石混淆!?秘宝発掘!新東宝のとことんディープな世界」から1プログラム。
空気感が適度に適当でゆるくていいっす。
それにしても凄いタイトルだ。
全く暴力を振るわんという訳でもなく、気持ち暴力寄りであるが、女囚物のように暴力や腕力が全てを決めるような弱肉強食な世界観ではない。だからやっぱり「付けてくれるなよ、こんなタイトル」という感じである。

主役は女子ラグビー部。WC開催中になんてベスト・タイミングの上映だよ。
男子ラグビー部と試合をして、タックルされそうになると「えっちぃ」とかいなしたりする。おいおいおいおい。
この女子ラグビー部を設立したのが「お脳が弱い」と揶揄される世襲理事長。この「お脳が弱い」という表現がなんかええなあ。お脳が弱いからと副理事長派一派が追い落としに掛かろうとするが上手く行かない。そこで取られる手段が「殺し屋を使って理事長を亡き者にする」、おいおいおいおい、その案、どうにもこうにも身の振りようがなくって末ではなく、割とすぐに出て来たぞ。
出て来る殺し屋が菅原文太。ダンディーで、ちょっと妖怪人間ベムのよう。サービスでだか何でだか女装まで披露。無駄にサービス精神が旺盛だが、そう言えば文太ってけっこう変な役でも蹴らない印象だわ。
あと、お脳が弱い理事長も、存在がぶれまくる殺し屋もけっこうキャラが立っているが、上流階級というファクターなのか、会話がお姉口調の副理事長が存在感がマンガマンガしてて良い。

デジタル上映だが、解像度が低い状態でマスター化されてしまったらしく、かなり画質が荒い。とは言ってもキネコ映像を知ってる私には何と言う事もないが。


【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
暴力五人娘@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・暴力五人娘(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
暴力五人娘(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『プライベート・ウォー』トーホーシネマズシャンテ2

◆『プライベート・ウォー』トーホーシネマズシャンテ2

▲「綾波レイ」「眼帯だけの共通点で嘘いうの止め!」

五つ星評価で【★★★臨戦気分たかまらず】
黒眼帯の女ジャーナリスト、メリー・コルヴィンの瞳に映った戦場の真実、と言うのが宣材のコピー。。
つーか、ドッカンドッカンガツンガツン響く戦場の音はかなり怖い。臨戦気分がバリバリに上がっていく。面倒くさいのは主人公の戦場ジャーナリストメリー・コルヴィンの見ている筈の戦場が切り取ったアングルからはあまり見えてこない所にある。
ロケット砲で左目を吹っ飛ばされ、心的外傷ストレス障害に悩まされながら、戦場は嫌だ嫌だと言いながら、目の前で何人もの同僚を失う辛さが分かるかと上司に激昂しながら、不正義が遂行されている戦場があると、彼女はチームと一緒にポツンとそこにいるのである。
何でいるのか。何故来てしまったかについてはぼ明かされていない。極端な言い方をしてしまえば、不正義に我慢ならないのかもしれないし、それが単に彼女の職業だからかもしれない。そこが分からない。子供頭にもすんなり入るように明確に語られていない。憶測は出来るが、逆に言えば憶測を許す程度のゆるく雑な描き方という事だ。
人間ドラマであるなら、その部分が「肝」なんじゃないだろうか。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その6本目
▼作品詳細などはこちらでいいかな
プライベート・ウォー@ぴあ映画生活

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『SHADOW/影武者』『ヘルボーイ』トーホーシネマズ日比谷5、シャンテ3、日比谷7

◆『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』トーホーシネマズ日比谷5

▲シャロン・テート役のマーゴット・ロビー。名前が似てるからロビンちゃんのコスプレしてほしい。

五つ星評価で【★★★タラちゃんをただで】
なげーよ。
これが第一声の感想。
ラストシーンの強烈さは全般的なダラダラ具合を補って余りある、と、ないの境目。無駄にダラダラしてるのは好きじゃない。レオ様の見せ場もちゃんと用意してあるけど、ブラピがかっけーの。何もしてなくてブラブラしてるだけでも皺がかっこいい。アロハで皺が渋い。シャロン・テート役のマーゴット・ロビーが可愛い。とはいう物の、彼女の映画に対する立ち位置はとても特殊。この一本の映画だけ見たら彼女は映画内に存在しなくても実は成立する。でも、シャロン・テートという時代のアイコンがいる事で、彼女の事件の不在が浮かび上がる。つまり、タイタニック号を登場させておきながら氷山が別の客船エリザベス号にぶつかってしまいました的なインチキな話なのだ。日本映画だったら地下鉄で鞄の中の薬物を傘で刺す男達をブラピがコテンパンにやっつけるみたいな話だったかもしれない。
シャロン・テート、映画館で足を前の席に乗っけちゃうところだけはどんなもんか。
話の中盤辺りに出て来るヒッピーが妙に怖く画面に映ってる。
ラストのヒッピー四人組の東洋人っぽい黒髪女のテンションが高まってく所が好き。


◆『SHADOW/影武者』トーホーシネマズシャンテ3

▲てっきりこの傘でと思ったら、、、、、、

五つ星評価で【★★傘映画】
ツイッターで「あの傘」と妙に傘が話題になった映画。
見てみたら確かに「あの傘」という映画だった。
傘は面白いけど、あれ、重いし、雨降ったらビショビショだよ。
登場人物が多くないのに、誰が誰だか分かりにくい。みんな似たようなとっちゃん坊や顔。なのに、一人二役をやっている筈の将軍と影武者が既に同一人物に見えない。
誰も幸せにならない映画はキツい。


◆『ヘルボーイ』トーホーシネマズ日比谷7

▲右から、ツッコミ、ボケ、猫喫茶。

五つ星評価で【★★おそらく真面目すぎる】
昔のヘルボーイってもっと適当だったと思う。それで良かった。
今回のヘルボーイはウェットで、凄く悩む。そこに問題がある。
彼が悩めば悩むほど、映画としてスッキリしないのだ。
前のもグチはよく吐いた。でも、「減らず口だなあ」みたいな印象で「ペシミストすぎる」とかは思わなかった。そもそもあんな外見で地球に一人、悩まん方がおかしいのに、そんなん減らず口叩くだけで、心底悩んでるように見えなかった、ってのがヘルボーイの魅力なんだと思う。
ミラ様妙な迫力。
バーバ・ヤーガは変で好き。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その3~5本目
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド@ぴあ映画生活
SHADOW/影武者@ぴあ映画生活
ヘルボーイ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド@ノラネコの呑んで観るシネマ

『アイネクライネナハトムジーク』トーホーシネマズ日比谷13

◆『アイネクライネナハトムジーク』トーホーシネマズ日比谷13

▲二人とも凄く安そうなスーツに見えるのが衣装の「腕」。

五つ星評価で【★★★★多部未華子無双】
まず二部制の群像劇だけど、一部と二部のキャラの繋がり具合の面白さや、キャラが普通かつ平凡なのが逆に良い。一人一人に対して深く描かれないのだけど、平凡である事によって、身近な人物として補完されて見れてしまうのかもしれない。

特に、今更そんなこと言われても感は本人凄くあるだろうけど、多部未華子お嫁さんにしたい女優ベストワンすぎる。だってごくごく普通のお嬢さんのいい所だけ集めて作ってる感じがする。そして万能(いや、万能でなくてもいいのだけど)。割とちゃんとコミュニケーション取れるけれど怒りそうにない。これはダメンズにボロボロにされるタイプだ。でも、可愛い。この人は幾つになっても変わらないなー。顔の造形的にけっこうゴツイのだけど、受けが柔らかいので、そういう風に感じさせないのが、この人の持ち味。まあでも、この映画に出ている女優は全て良いので、監督はきっと女好きだと思う。
この多部未華子と一緒に物語の中核に鎮座するのが三浦春馬。三浦春馬は勿論若いんだけど、10年の月日を映画の中で過ごしてちょっとくたびれた感じになっても、青春の青臭さが抜けない感じが見事だった。彼が最初から未完成で、最後のシーンでもちょっとだけ成長したけど、まだまだ未完成でノビシロがありそうなところが三浦春馬の良さだと思う。
愚者だけど愚者なりに完成した人物として出てきたのが矢本悠馬。こういう癖のある小さい役をやらすと外さない。馬鹿なようで馬鹿、でも、愛される馬鹿というのは美味しい役。
垣松祐里がちゃんと普通にJKしてて『サクラダリセット』の野獣みたいな役じゃなかったので安心した。
サンドイッチマンおいしいチョイ役。この使い方はアンパンマンのダダンダン(バイキンマンが作るロボット)の声とかと同じくらいのちょうどいいどうでもいい役。
柳憂怜なんて出てたか。あー、あの歯車の父ちゃんか。
濱田マリは多分、あの世界の中で口喧嘩させたら最強。

あと原田泰造に「しょんぼり」という役を宛てたのは意外で良かった。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その2本目
(『プライベート・ウォー』見ようと思って弾かれて19時代に見れる作品がなく、2時間待ってレイト。相変わらず制度が変わってから、全然フリーパスじゃないぜ)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アイネクライネナハトムジーク@ぴあ映画生活

『アド・アストラ』トーホーシネマズ日本橋9

◆『アド・アストラ』トーホーシネマズ日本橋9

▲ブラピ渋い。

五つ星評価で【★★ブラピはかっこいいけど、おらホモじゃないからその辺はどうでもいい】
この映画のブラピはかっこいいと思う。なのでホモ、ノンホモに関わらず、このかっこ良さに浸れる人には評判いいんじゃないだろうか。私は浸るにしては長いなと思ってしまった。これ、ブラピじゃなく、安田大サーカスの黒ちゃんの外見と声で作ったら大失敗するだろう。いやまあ、逆にあの外見と声で成功する映画も思い付かないけど。

あと割と海王星で起こる爆発とサージ(電気嵐)の因果関係が分かりづらい。あれはジャミラのようになってしまったトミー・リー・ジョーンズが意地悪して地球に悪意的な行動をしてるのかと思ったら、事故で仕方なく発生してしまっているという。海王星から地球に影響を及ぼすほどの事故で当の海王星にいるトミー・リー・ジョーンズがノホホンと生命も落とさずに暮らしていられるって因果関係的におかしくない? もっとも宇宙空間はその間が「無(SPACE)」の空間だから、近いとか遠いとかは関係ないのかもしれないけど。火星から海王星まで妙に近かったし(と言うよりそこにゆっくりやるに足るトピックスがないんだよな、きっと)。

これがマーベル映画だったら、エンドロールの後にトミー・リー・ジョーンズが再登場する筈。

宣伝で使われていた「ブラッド・ピット初の宇宙飛行士役」って、そんなに取りあげるほどの事か?
ブラピの役は安藤明日虎、「ブラッド・ピット初の日系外国人役」だ(嘘)。

「えーと、あれだな。ジャコビニ流星サーフィン」
「アド・アストロ球団!」

ある意味、トミー・リー・ジョーンズが星一徹風父ちゃんなんだよね。「俺を乗り越えてみせろ」とは言わないけど、そういう展開にはなる。


【銭】
2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その1本目。
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アド・アストラ@ぴあ映画生活
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アド・アストラ@yukarinの映画鑑賞α
アド・アストラ@ノラネコの呑んで観るシネマ

『アメリカが恐れた男カメジロー 不屈の生涯』ユーロスペース2『恋の應援團長』『青い指紋』シネマヴェーラ渋谷

ユーロスペースとヴェーラで3本をまとめてレビュー。
ヴェーラは特集企画「玉石混淆!?秘宝発掘!新東宝のとことんディープな世界」から2プログラム。

◆『アメリカが恐れた男カメジロー 不屈の生涯』ユーロスペース2

▲「あっと驚くカメジロ~お!」「驚いてない」

五つ星評価で【★★★悪くないけど良いかと言われれば疑問がある】
リバイバルかと思ったら同題材同監督での二作目。一作目の題名が『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』。タイトル似すぎ。タイトル中心の「恐れた男 カメジロー」が被ってるのが混乱の元だろう。プロデューサーが悩んだ「2」を付ける題名も、一作目前提の続きの話ではないから違うとは思うけど。『瀬長亀次郎 その不屈の生涯』辺りが一作目とは違うと主張する妥当な題名だろうか。
一作目と二作目では切り口が違うので、どちらも独立して鑑賞可能。一作目を見ていなくても二作目から見ても全然大丈夫。でも、一作目から見る方がよいと思う。それは一作目は「瀬長亀次郎」という男がどういう男だったかを表現するのに事件、事故、闘争などセンセーショナルな部分を組み合わせて作られてるから派手で分かりやすい。二作目は230冊を越える彼の日記を元に時系列に並べた「その時、カメジローは?」という構成だから、独立して見れはするが、やはり一作目の方が「知りたい意欲を映画にする」ドキュメンタリーというジャンルに普通に適している題材なのである。二作目は一作目より視点がマニアックになった分、大衆性は薄れた。

与党の佐藤栄作との国会審議が普通に日本語の会話でキャッチボールされている。
今の国会審議のひどさが浮かび上がる。ちゃんと中身のある言葉と内容で喋れよ首相。


◆『恋の應援團長』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★キャー、應援團長ステキーっ】
1952年の白黒映画、85分、初見。
んもう最高に面白い。
應援團伝統の髭により外見は冴えないけど、あまりに善人なため軒並み女子をキュンとさせるのだけど、そのキュンとさせた事を本人だけが最後まで知らずにモテないと言う小林桂樹がたまらない。
井上梅次の初監督作、梅次は私と相性いい。
高島忠夫のデビュー作でもあり、何か絶妙にヒョロつとしてて恰好悪い。カラー映画時代の高嶋忠夫はなるほど随分余裕のある顔立ちに仕上がった、そんな感じの顔である。


◆『青い指紋』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★分かりづらいけど風俗確認するのにはとってもよし】
1952年の白黒映画、64分、初見。
ドキュメンタリー風に仕上げてる目新しさはあるものの、プリント自体の経年劣化からか、セリフが無茶苦茶聞き取りづらく、犯人逮捕までの筋運びが全く分からなかった。
1952年の渋谷駅前に既にいる甘栗太郎が映る。
当時の新宿、飯田橋、五反田、渋谷などが映るがどこも校外の田舎にしか見えない。
犯罪者がプールバーで女口説く遊び人ってのは今と変わらん。


【銭】
『アメリカが恐れた男カメジロー 不屈の生涯』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『恋の應援團長』:通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
『青い指紋』:通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯@ぴあ映画生活
恋の應援團長@ぴあ映画生活
犯罪ドキューメタリー映画 青い指紋@ぴあ映画生活
▼関連記事。
米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー(一作目)@死屍累々映画日記・第二章
・米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯(二作目)@死屍累々映画日記・第二章

マンガ『今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画 第3巻』マツモトケンゴ、シリウスKCを読書する男ふじき

表紙の第二の女騎士の赤ら顔が激可愛い。
増えたキャラは夢魔と次期魔王くらいだが、とても自然な増員なので、ネタに困って増やしたようには見えない。次期魔王のあまりに子供チックな戦線離脱で分かったのだが、この世界の冒険者や騎士、魔族などは身体は大人だが、メンタリティーはみんな幼稚園児の子供のようだ。だから、安心してニコニコしてマンガを読んでられる。可愛らしさが微笑ましい。多分、クレヨンしんちゃんの野原しんのすけと春日部防衛隊の方がザッと10歳くらい精神年齢が上である。というより、しんちゃんサイドが幼稚園児というより中年っぽいテイストが強い。

『ハロー・ワールド』もういっちょ(ネタバレ)

◆『ハロー・ワールド』もういっちょ

▲左から、僕、彼女、俺。

※ ネタバレ記事です

ネタバレを踏みながら、何でこの話に自分がひかれないのか考え直してみたい。
物語の主要登場人物は三人、「僕」と「彼女」と「俺」。
「俺」は10年未来の「僕」である。
「僕」と「彼女」は10年前の仮想現実であり、
「俺」はその仮想現実で起こる流れを「僕」を使って意図的に変えようとする。
「僕」と「彼女」が「のび太」と「しずかちゃん」で、「俺」が「ドラえもん」、
「ジャイアン」と「スネ夫」は「僕と彼女以外の全図書委員」だろう。
「俺」は仮想現実のプレイヤーではないので、
直接は仮想現実に介入出来ないらしい。

「俺」は「僕」に「彼女」を恋愛対象として意識させ、同時に仮想現実が仮想現実であるが故の法則性を意識させる事で仮想世界で物質や特異空間を生みださせる技術を身に付けさせる。その技術により、彼女が事故死に合う事を防がせようとするのだ。
「僕」は「彼女」といい関係になり、「彼女」の死の瞬間も回避する事が出来た。だが、その時、「俺」が「彼女」を幽閉し、高次元の世界に吸い上げてしまう。

「俺」のやろうとしている事がよく分からない。「俺」は「僕」に介入して、「彼女」に恋をさせたが、データが全て揃っていて現実通りに未来へと進むなら、そんな事をせずとも「僕」は「彼女」に恋するだろうし、「俺」が「僕」に精神的に介入する事で、それが「彼女」のメンタリティまでも変えてしまうという可能性を考えないのは迂闊すぎる。「俺」が「彼女」を守りたいなら、「俺」が「彼女」に介入して、事故の落雷現場にどうにか行かせなくする方が自然だ。「俺」が思わぬ展開としてセキュリティーが「彼女」を落雷現場に転移させたとしても、落雷が落ちるより前に「彼女」を自分の次元に吸収してしまえばいい。落雷が落ちるというトリガーが与えられて、それを回避した「彼女」の精神が必要と言うのなら分からないでもないが、「俺」が「僕」に対して行っていた指導は「彼女」が落雷と合わない事の方を優先していたので、それは理屈に合わない。
「彼女」が仮想現実世界からいなくなる事で、仮想現実世界が崩壊するという理屈もよく分からない。「彼女」の存在がその心までもデータであるなら、「俺」は「彼女」の存在を仮想現実世界から「切り取る」必要はない。「コピー」すればいいのだ。わざわざ欠損を発生させ、仮想現実世界を危機に瀕させる理由がない。そこを「まあ、どうでもいい事」と考えたのだとしたら、町一つの全生命を根絶やしにするのを適当に扱うのだから、それこそ「俺」は極悪人である。逆にシステム・セキュリティー側も「彼女」を現実世界ではありえないような場所の転移という不条理な手段を与えておきながら、「彼女」の欠損一つも埋められないというのは世界構築に対するAI機能に不具合が生じているとしか思えない。場所の転移を行った時の「彼女」のデータがあるなら、欠損した「彼女」のデータを補填すればいいし、その上で落雷を発生させ、「彼女」を死に至らしめる方がセキュリティの狐キャラをわらわら集めてプレイヤーの「僕」とありえない戦闘をさせるより格段に世界に対するミスマッチが少ない筈である。


その後、「僕」はずっと見守っていたというカラスの力によって、「俺」の世界へ移動する。「俺」の世界では「彼女」が「僕≠俺」という事実から「俺」を拒絶。そうこうするうちに、「俺」の世界でもセキュリティの狐キャラがわらわら現れる。「俺」の世界に「僕」と「俺」の同一人物がいる事で不具合が生じているらしい。あまり説明がないので分かりづらいのだが、狐キャラも「僕」の世界から「俺」の世界にやって来たという訳ではなく、「俺」の世界も仮想現実世界であったという事らしい。「僕」か「俺」が二重存在なので、どちらかがいなくならなければセキュリティは暴走するという。

どんどん謎が増えていく。「俺」が「彼女」を「俺」の世界に吸い上げるのはOKだが、カラスが「僕」を「俺」の世界に吸い上げるのはいけないらしい。「俺」が吸い上げた「彼女」は物理存在の「彼女」その物ではなく、精神という彼女のエッセンスだったという事にしておくなら、ギリ矛盾はない。でも、だったら、「僕」の世界に「彼女」の身体くらい残しておけよと思うのだが。それに反して、カラスがやった「僕」の呼びだしはずっと杜撰。ちゃんとやれよカラス。外部から手を加えて世界を壊そうとする奴ばかり、というか壊れてしまうようなら脆弱な世界と言おうか。勿論「俺」の世界の「彼女」のように、精神だけない状態ではないから「僕」と「俺」は融合できなかったのかもしれない。逆に「僕」は身体を持って世界の移動をしなければ「俺」の世界での活躍は難しいからカラスにとっても、それは難しい選択だったのかもしれない。と言うより、カラスが「俺」同様、万能に二つの世界に干渉できるのなら、ちゃんと「俺」に対して話しかけて折衝するというのが正しいやり方だろう。それを本当にやったらお話にならないが。そもそもカラスが何者なのかは最後まで、いや、映画が終わっても謎のままだ。

すったもんだで「俺」がやられてしまうと、「僕」は目覚めて、ずっと「俺」の世界の「彼女」のように眠っていて、直前までの精神を持って来れたから蘇ったと伝えられる。

あー、これが予告編で言ってた「最後の1秒で世界が変わる」なのね。おそらく、最後に「僕」に声を掛けた「彼女」がリアル・ワールドの「彼女」だろう。第一層が「僕」の世界、第二層が「俺」の世界、第三層が現実世界の「彼女」の世界。実はそれらを見てる第四層の観客の世界と、「僕」達が図書委員として扱う本の中の物語の第ゼロ層もあると言えばあるが、それを言ってもしょうがないという感じバリバリ。多分、何も語られていないが、「彼女」がカラスの正体なのだろう。だが、目を覚ました男の前身は「僕」でも「彼」でもない。それでいいのか? おそらく、それでいい。「彼女」は全部見ていて、「僕」の葛藤も「俺」の葛藤も知っているから、「眠っていた男性≠僕」であっても、それは許せるという判断がおそらくある。ただ、どんな理由があるかは知らないが、「彼女」は「俺」が介入しない「僕」の世界から、おそらく「彼女」の目の前で落雷にあった「僕」の精神だけを吸いとるテクニックは持ててたのじゃなかろうか。持ててたとする根拠はない。でも、あんなややこしいやり方をする意味が分からない。もしかしたら、彼女は腐女子で「眠っていた男性」に入った「僕」に薄い本を見せて反応を伺ったりするかもしれない。それは彼女が落雷に会った世界で、「僕」と「彼」が涙を流しながら身体を貪りあって寂しさを埋めるBLだ。ホラーかよ。

という訳で、やはり物語として矛盾が多いと思う。読み取り切れてなくて誤解があったりするかもしれないけど。


▼関連記事。
HELLO WORLD@死屍累々映画日記・第二章
・HELLO WORLD もういっちょ@死屍累々映画日記・第二章

『ハロー・ワールド』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『ハロー・ワールド』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲不良がいたら必ず絡まれるカップル。

五つ星評価で【★脚本の練りが足りない】
あー俺これダメだあ。物語の物語の物語みたいな物語は何でもできてしまうが故にちゃんと抑制を効かさなければダメだと思う。現実と仮想現実が複数階層存在する世界観は『マトリックス』だったり『インセプション』だったりあり、先駆者の遺産を食い散らかしながら同じようなアクション・シークェンスを作りあげているが、途中から現実世界と思われていた世界が崩壊しだす。それはまあいい。だが、仮想現実世界も現実世界だった仮想世界も、世界に対する返答の一手が主人公の能力しかありえないというのは、話の中心が主人公だからに他ならない。つまり、とても都合が良い。その都合の良い彼に助言をする謎の存在がいる。その存在の正体は最後まで明かされない。なんて都合のいい。物語は最後の瞬間に意味が変わる。それはどんでん返しであるが、実にどうでもいい。だって、本当と嘘の境界線が曖昧だから、そこに何がリアルであるか分からない一つの事実らしきものをぶつけて見てもリアルらしさが全く感じられないからだ。それが本当である事の証明が何らなされない。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜会員デーで1100円。
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HELLO WORLD@ぴあ映画生活

▼関連記事。
・HELLO WORLD@死屍累々映画日記・第二章@死屍累々映画日記・第二章
HELLO WORLD@死屍累々映画日記・第二章

『スタートアップ・ガールズ』トーホーシネマズ日比谷2

◆『スタートアップ・ガールズ』トーホーシネマズ日比谷2

▲赤ってなかなかキチガイ色だよなあ。

五つ星評価で【★★★★上白石萌音ちゃんにサービス】
上白石萌音ちゃんファンなのである。
かーいくてしょうがない。
その、上白石萌音ちゃんが、今作ではヤク中ギリギリみたいなハイテンションな役でガタガタ震えながらアイデアを絞り出す天才だけどガキでコミュ障という役柄。これは演じる役者で精いっぱいブレるような役なので役者としてはとても遣り甲斐のある面白い役である。そんな自由100パーみたいな役を相手にする山崎紘奈は没個性OLの役。これはこれで美味しくないけど好対照なので、作品に非常に良く貢献している。いーのいーのそういう役も必要なの。
あと、そこそこ信頼感があるのに得体の知れなさがいい感じの山本耕史と、観客側から見て信頼感がないのに大企業の顔として機能する神保悟志、いざとなったら全員毒殺とかしそうだけど今回はそう言う役ではない渡辺真起子とか、要所をいい人で締めてる。

それぞれの成長を絡めながらも最後に打ちだしてる事業が今一つ魅力ありに見えないからとか、そこは伏線回収するのが当たり前なのにやってないよねみたいな雑さが見えるので星三つかなとか思いつつ、上白石萌音を堪能できたので星一つサービスして四つで。

PS 偉大なる天才の上白石萌音に対する山崎紘奈の立ち位置は偉大なる凡人。天才の才能は凄いのだが、採算度外視とか極限まで諦められないとかに嵌らない為に凡人の視点が必要な場合もある。確か立川談志が爆笑問題の太田に対して、凡人である田中の尺を大切にしろみたいな事を言ったって話を思いだした。天才肌のボケがボケるボケを凡人にでも理解可能なように送り出すのがツッコミの使命だ。この関係性が上白石萌音と山崎紘奈に似てる。だって、殊更、真似をしている訳でもないのに、この映画の上白石萌音は堂々、横山やすし的であるし、山崎紘奈は堂々、西川きよし的である。

▲紘奈ちゃん顔まがってね?


【銭】
トーホーシネマズメンバーズカードの有料入場ポイント6ポイントを使って久々に無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スタートアップ・ガールズ@ぴあ映画生活

『国民の創生』シネマヴェーラ渋谷『フリーソロ』『ダンスウィズミー』HTC渋谷3

同日鑑賞3本をまとめてレビュー。

◆『国民の創生』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★万年疲労体質の私にはキツい】
特集企画「素晴らしきサイレント映画」からの一本。
1915年の白黒映画、103分短縮版、無音バージョン、初見。
かの著名なグリフィス監督によるアメリカ映画最初の長編映画。流石にサウンド版じゃない長いの見るのはしんどい。ポコポコ意識飛んでる。
暴動を起こしたニグロが悪人でKKKが騎士のように助けに来ると言うのが逆に新鮮。
今、こんな映画公開したら、本当に黒人の暴動が起きるだろう。KKKは騎士のように駆けつけないと思うが。割と悪い奴の代表者みたいなイメージがあるKKKの結社服が演出によってはヒロイックに見えるのはおもろい。あと、歪んだ表情の黒人の顔はとても悪役として魅力的。ちょっと前まで奴隷だったのが力が強いのをいい事に誘拐拉致して「お嬢さん結婚しましょう」ってのは怖すぎる。
戦争シーンや暴動シーンは画面の隅から隅まで群衆がいるのに驚く。今だったらあれ全部「デジタル群衆」だものなあ。
リリアン・ギッシュとか美女は今にも通じる容姿。
パートパート凄いのは分かるが、劇伴がないと、全体としてはしんどい。


◆『フリーソロ』HTC渋谷3

▲「一人でふりちんする映画かな?」「弁士中止!」

五つ星評価で【★★★万年疲労体質の私にはこれもキツい】
ハン・ソロと関係なしかよ!(そらそうだろう)
道具を使わない断崖絶壁への登頂を非常に実直に描いている。
確かにこれは小さなモニターで見てはいかん映画だろう。
一つ一つの積み重ねが大事。そしてそれが最後に実を結ぶ。まあでも私がインチキな人間だから一発大逆転みたいな映画が好きよ。映画批評サイト ロッテン・トマトで驚異の99%評価という事だが、残りの1%俺かあ。


◆『ダンスウィズミー』HTC渋谷3

▲宣材をお借りしてて残念なのはダンスでピターっと決まったカットとかがないんですよ。

五つ星評価で【★★★これが一番普通の映画】
一応ちゃんと面白いんだけど残念な事に面白すぎたりはしない。
『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』のような怒涛の山場がない。それを持って来るとしたらラスト舞台ミュージカルになるのだろうが、あそこは山場としてはやはりそんなに強くない。道義的には歌い、踊らされる中での彼女が贈るアクトではなく、もう催眠が解けてはいるのであるが、それでもわだかまりがなくなったために歌い、踊り、喝采を浴びる、という展開の方が正しいと思う。
役者は三吉彩花が全カット良い。歌い、踊るシーンもいいが、素に戻った時の一々「これは本当の自分じゃないんです」というリアクションがまあ的確で可愛い。あと、ちゃんとパンチラカット入れてる所に良心を感じる。


【銭】
『国民の創生』:各作品、通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
『フリーソロ』:テアトル劇場水曜は1200円均一(2019,9/1以降)
『ダンスウィズミー』:テアトル劇場水曜は1200円均一(2019,9/1以降)
『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』:神保町シアター水曜は1000円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
フリーソロ@ぴあ映画生活
ダンスウィズミー@ぴあ映画生活

『さらざんまい1-11話』『あの夏で待ってる1-12話』シネ・リーブル池袋2

劇場でTVアニメを上映する企画「アニメZONE」最初の二カ月の番組から2プログラム。

◆『さらざんまい1-11話』シネ・リーブル池袋2
五つ星評価で【★★★変だが、そこが良い。が、本当にそれでよいか不安になるのが幾原節】
あのウテナの幾原邦彦による新作アニメで、とても変。
3人の少年主人公が妖怪人間ヨロシク魔力で河童に変身し、欲望の為にゾンビ化した人間と戦う。
出て来る登場人物は少年、青年、幼児(男)と、基本的に全て男性。河童をモチーフにして「尻子玉」を扱うなど、ホモセクシャルを暗喩するようなキーワードに満ちている。そもそも主役の少年が最初から女装するなど事情は何あれ性倒錯ありありの気配で物語が始まってしまうのである。河童の敵はカワウソとなっているが、カワウソ本体は現われないので、本当に本体がいるのかは不明。物語のピークは、主人公が自分の一番大切な弟を守るために自分を繋がりの外に置く覚悟を持つところ。逆にそのピーク以降は解明されると思っていた物語の全容がさっぱり分からずに話だけが閉じてしまい、得体の知れない怪作になった感じを受けた。もっとも、これは全11話を一度に見たから起こる事で、毎週一話ずつ見ながら、あーでもない、こーでもない、と議論を戦わせながら、輪郭を固めて見るというエヴァンゲリオン的な見方が求められていたのかもしれない。
毎週入る警察官二人と、主人公三人によるミュージカル・パートは心惹かれる物がある。


◆『あの夏で待ってる1-12話』シネ・リーブル池袋2
五つ星評価で【★★★★随分堂々と1クール掛けてちゃんとした恋愛ものを作ったのだな】
アニメで野郎目線の恋愛物ってこそばゆい。
多分、それは女性は絶対的に美人かカワイ子ちゃんで欲望要件満たす外見になるし、野郎は免罪符を買えとばかりにダメな所もあるけどどこか一カ所「純」だったりする言い訳可能なキャラになってしまうからじゃないか。何か、これが自分達ですという主張が見えすぎる強すぎる。それでも、そういうこそばゆい痒さに耐えて最後まで「恋愛のウジウジグダグダ」を描き切った。いやあー、御苦労様でした。そして、これがアニメが好きな文化系草食近辺のウジウジグダグダだけど、中に登場する恋愛要素ありのキャラクターらが全員玉砕成就の如何を問わず告白をしている。これが視聴者に向けてのエールなんじゃないか。そういうの黙って押し隠してしまいそうな人達が多そうじゃん(何を隠そう、いや、隠しはしないが私自身がそんな人間だ)。

男二人どっちも眼鏡と言うのは珍しいが実情にあってる。女性はそんなでもないが、野郎の眼鏡率は高かろう。
主要男女どっちも眼鏡キャラと言うのは流石に「初」ではないか?
イチカ先輩の「これって普通じゃないの?」エピソードはもっと見たかった。
カイトくんの病気はもちっと慎重に何回か尾を引かせるのかと思ったが、その辺は雑だった。

イチカ先輩と谷川さんは割と表裏一体のキャラで、外見は別として、感情的に大きな違いはあまりない。だからこそ逆にカイトくんがイチカ先輩を選んでしまう選択肢は残酷なのだと思う。そして、その残酷さが引き立つかのように谷川さんはよく泣く。そうか、違いがあるとすればこの感情の起伏に関して言えば違いがあるのだが、その感情の起伏についてカイトくんが平坦な方が良いみたいに思ってるようにはとても見えないので、やはり何故イチカ先輩を選んだのかというのは謎と言えば謎だ。いやまあ、男女の性差を持つ生物種の異性に好意を持つ基準の一つは自分の持つ種族と異なる遺伝子を持つ事だから(子孫がウィルス疾患に対する耐性が強くなる)、その意味ではイチカ先輩はこれ以上にないと言うくらいピッタリなのだが。いや、交配が可能であるとしたら「りのん」が一番モテるか、それだったら(おそらく交配が可能ではないのであろう)。

個人的には北原さんと檸檬先輩が好き。真っ中心のヒロインキャラより、変わり者が好きなのだ。北原さんの自宅の姿はドキドキする。でも、あれがとても自然で清潔感溢れる感じで描いてあるのがとても好感持てる。アニメーターがいい仕事してるな、キャラに愛を持ってるな、と。


【銭】
「アニメZONE」は長さに応じて料金設定がある。1クール連続鑑賞の場合は2800円、6時間弱だからまあ妥当だろう(CM時間がカットされるから実際にはもっと短い)。『さらざんまい』はテアトル会員割引で100円安い2700円で見た。そして、その『さらざんまい』の上映でたった1秒の映写トラブルがあり、それに対して配布されたごめんなさい券を使わせてもらって『あの夏で待ってる』を見せてもらった。
▼作品詳細などはこちらでいいかな(いや、但し、何も情報ないねんけんど)
《TVアニメ『あの夏で待ってる』1~12話》@ぴあ映画生活
《TVアニメ『さらざんまい』1~11話》@ぴあ映画生活

『幸運の星』『キートン・サイレント集』シネマヴェーラ渋谷

企画「素晴らしきサイレント映画」から2プログラム。

◆『幸運の星』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★大メロドラマが無声映画に映える】
1929年、白黒、99分、無声サウンド版、初見。
誠実なために損をし続ける男と、要領の良さだけの性悪な男がラスト可憐な少女をめぐって大激突。誠実な男に何度も訪れる試練と、要領男の悪ぶりにヨロヨロ辟易しながら、誠実な男が秘かに恋心を抱く少女に要領男が手を出そうとするのに、観客の心は正に「激オコ」。テンプレートすぎると思いながらも演出の手練手管に乗せられてしまう。何とも立派なメロドラマだわあ。良い男が悲観にくれる。悪い男がニヤっとか、ニターと笑うのが声が出ない分、サイレントだと表情が強調される。
もともと悪い子なのに改心して誠実くんを愛するようになるジャネット・ゲイナーが可憐だわあ。
サイレント、もっと退屈するかと思ったのが思った以上に楽しめた。音や声がない分、劇伴(BGM)が絶え間なく流れているので、疲労がひどいと映画のテンポを失して、睡眠により誘われてしまいそう、とか思わなくもないけど、どんなもんなんやろ。色や音が遮断されて、日常性を奪われて物語に埋没するから、直情型の物語なら非無声映画より没入度が高い可能性はある。
ラストの奇跡は今、これをやったら夢落ちくらいダメ出しされるだろう。でも、単純で好きよ。


◆『キートン・サイレント集』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★キートン楽しいねえ】
1920~21年、白黒、全82分、無声サウンド版、「マイ・ホーム」以外初見。
「キートンのマイホーム」確か別名「文化生活一週間」。キートン短編の代表作なので、鑑賞機会が多く、4回か5回見てるが未だに楽しめるって凄い。キートンと結婚する役の女優は表情豊かで下品にエロい感じでチューばっかしてるのがイカす。
「キートンの囚人13号」ゴルフとは人間の獣性を露わにするスポーツである、と冒頭で口上が語られ、何だ何だと思っているうちに、ジャンルがゴルフ物から監獄物へとジャンプ、そのままラストまで突っ走る潔い短編。
「キートンのハイ・サイン」入った企業がギャング団のブラック企業で殺人の幇助を命令されるが、その相手は好きになった女の子の父親。カラクリ屋敷を使って1対10くらいで、相手をのしていくアクション。場所場所物や状況を使って戦う様は早すぎたジャッキー・チェンかもしれない(おそらくそうじゃない)。
「キートンの案山子」前半は友と二人で暮らす仕掛け満載の家ギャグ。後半はその友とカワイ子ちゃんを取りあう追っ掛け。「案山子」はキートンが逃避中に案山子に化けるから。


【銭】
各作品、通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
幸運の星@ぴあ映画生活

『死にたくなるよと夜泣くタニシ』テアトル新宿

企画「OP PICTURE+フェス2019」から1プログラム。

◆『死にたくなるよと夜泣くタニシ』テアトル新宿
五つ星評価で【★★★謎映画】

「ピンク映画初!実写×アニメ!?」

そらそうだろ。必然性もなしにそんなことやる奴はいない。必然性があっても、アニメって高かったり、時間かかったりするから、そんな物に手を出す余裕は成人映画製作者にはいなかった。FLASHアニメで随分敷居が低くなったとは言え、快挙と言おうか、無謀な取り組みである。演出は良作の宝庫、後藤大輔監督。現実の上にアニメのキャラが乗っかってくる拡張現実風の手法で、アニメの部分はそれなりに多い。

うーん、主人公のアナルに巣食い、出入りする仏教説話上のキャラ「蟯虫」は宛て声野村貴浩の達者さと相まって悪くはないのだが、江戸時代の書物からいただいているデザインが感情移入を妨げる。そして、成人映画としては、あまり下の方にビンビン来るような濡れ場が疎かった気がする。理屈としては通っているが、成人映画としては見劣りする。大概今までどうにかしてきたように、そこは両立してほしかった。俺が個人的に乗れなかっただけか。

近作では老人の役をバリバリこなしてる、なかみつせいじが頭を剃って年齢不詳の役を演じているが、普通に若い役者起用でよかったのではないか?


【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
死にたくなるよと夜泣くタニシ(『牝と淫獣 お尻でクラクラ』)@ぴあ映画生活
牝と淫獣 お尻でクラクラ@P.G.
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
牝と淫獣 お尻でクラクラ@横浜SANのブログ

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』新宿ピカデリー 6

▲とてもクールで百点満点な彼女が同僚たちからは「ヴァイオレットちゃん」と呼ばれてるのが面白い。多分、「ちゃん」付けで呼ばれる幼さや真摯さがあるのだろう。

五つ星評価で【★★★★繊細で素敵】
ラノベを元にしたテレビアニメ作品があり、その外伝の位置づけらしい。
それらについて全て未接触であるので、割と自分にしてはよくある感じの一見さん鑑賞である。
「京アニ」さんの作品の素晴らしい所は、画力やその画力に劣らない繊細なアニメートなどの技術力もあげられるが、それ以上に物語の背景を知らない者にもちゃんと楽しめるように映画作品が、それなりの独立性を保った作品として作られている事があげられる。勿論、続き物の作品であれば前提を知っていた方が楽しめる事は間違いないが、それを笠に着るように、前提を知らなければ分からない作品を作る者が今は多すぎる。物凄く長い物語になってしまった『Free』などは流石に一見さんがいきなり見て理解できない部分が散見されてしまうかもしれないが、通常の京アニ作品、そして今回の映画はその作品だけ見て充分に楽しめる映画だった。
今回の主要登場人物は三人。
ヴァイオレットとイザベラとテイラー。
ヴァイオレットは主役のキャラクターであるが、今回の物語は、彼女主体の物語ではなく狂言回しの位置にいる。彼女は美しく、平坦、今回の物語の世界における規範のような役柄なので、物語がとても美しく、彼女の平坦さの裏に隠れた慈愛に満ちた物になっていた。
イザベラは物語の中の中心人物(主体)の一人。彼女は自分の宝物を壊されないようにする為に自分の人生を捨ててしまった。彼女がその本質が大きく変わらないヴァイオレットと打ち解けながら一般性を獲得していく物語が映画の前半だ。それにしても眼鏡を着用した彼女のなんと冴えない事か。その冴えなさ加減が見事である。
テイラーも同じく物語の中の中心人物(主体)の一人。彼女は彼女の生命を生かさんとする保護者から二回捨てられた事になる。ただ彼女には割と無敵な天賦の才がある。人に物おじせず甘える事が出来るのだ。女狐よのう。イザベラの自由への渇望をテイラーが継ぐ形になるのが何とも感動的である。
人は人を介して受け継ぐ物があるし、受け継がれる事によって皆の絆が固くなる事もある。大変真っ当でいい映画でした。

PS 「ヴァイオレット」と言うとキカイダーの「バイオレットサザエ」を
 思いだす私です。


◆『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』神保町シアター
五つ星評価で【★★★】
特集企画「昭和の怪優 小沢昭一のすゝめ」からの一本。
1969年のカラー映画、92分、初見。
題名が凄い。
面白い。
ひどい性格のヤリマン姉ちゃん(高橋紀子)が可愛くってしょうがない。ちゃんとおっぱいの先っちょも見れるのがいい。
星一つ減じたのは哀しい終わり方だから。


【銭】
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』:松竹会員の前回有料入場割引+ネット割引で1200円。
『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』:神保町シアター水曜は1000円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -@ぴあ映画生活
ブラック・コメディ ああ!馬鹿@ぴあ映画生活

『ニノ国』よみうりホール(ネタバレ)

◆『ニノ国』よみうりホール

▲何で隣接する異世界はいつも洋風やねん。和風がダメでもせめて中華風とかの方が風土的にも可能性高いと思うんだが。っつーか、背景、妙にディズニーランドっぽい。

※ ネタバレ感想です
五つ星評価で【★いやあー】
見た後のツイッターでの第一声。

なんつーか、ずっと嘘つきの嘘に騙されてるみたいな話。

これ以降はほぼ無言。だってねー。でもまあ評価も決しただろうから、そろそろいいかな。うむー『ニノ国』って、これでお金稼げるなんて思っちゃいけない出来の映画よ。そりゃあ1800円で売ろうってものをロハで見させていただいてるので心苦しいのだけど、これは駆逐されるべき映画でしょ。100円くらいなら見てもいいかな。

二つの異世界の間で命をシェアすると言うのは割と近作のアニメ『あした世界が終わるとしても』でも使われていた。でも、そっちの方が設定が段違いに緻密だ。いや、違う。『あした世界が終わるとしても』も割と設定が雑いのだけど、それ以上に『ニノ国』の方が段違いに雑いのだ。

まず、宣材に書いてある「どちらかの命を救えば、もう一方が死ぬ」「愛する人を救うために命を選べ。」、これは悪玉が主人公の男の子の一人に流し込む嘘なのである。つまり、こんな設定はない。えー。と言うか、命をシェアする話にするなら、共倒れ型より、二者択一型の方がこの世界の世界観に合っている。
というのは「ニノ国」は、命がシェアされる「一ノ国」と世界が違いすぎる。Aの世界の人間が死んだらBの世界の人間も死ぬ、という事を成立させるためにはAの世界の人間とBの世界の人間が同数でなければいけなない。これはパラレル・ワールドのようにかなりソックリな事が並行して起こっている世界でないと人間の数を同数に保つのが難しい。これは先行する命がシェアである世界観の『あした世界が終わるとしても』『劇場版・リアル鬼ごっこ』でも貫かれていたが、基本、とても似通った世界で日本だけが異常な形態になっている。だが、おそらくシェアであるのは地球上の全ての人間の命だ。「ニノ国」はとてもそうは見えない。ファンタジー世界に存在する「エスタバニア」なる国とその反勢力、あとよく分からない亜人達これらを全て合わせても東京都民一千万人にはおそらく満たないだろう。そして、その周りにある全ての国や惑星が、「一ノ国」側の全生命77億人もいるとはとても思えない。「エスタバニア」周辺をどう多く見積もっても数万人から数十万人。小さなコミュニティで命が繋がっている。
そして、この「エスタバニア」周辺で戦争が起こる訳だが、これは規模如何に関わらず大変である。死人が出るようなら、「一ノ国」でも同じように誰かポコポコ死んでいる筈なのである。そんな素振りは全くなかった。勿論、アフリカのジンバブエ辺りで「ニノ国」の住民と顔が似ている誰かが死んでいるかもしれないが、アーシャとコトナ、サキとヴェルサが繋がっているのなら、もっと狭い範囲内で繋がっていると考えるのが妥当であろう。そうすると、やっぱり謎の死因で日本のどこかの地域で人がポコポコ死んでいる筈なのである。そういう命をシェアする人間がごくごく少数であるという可能性もあるだろう。でも、それを物語の中で述べないのはフェアでない。もしかしたらであるが「エスタバニア」周辺の戦争では人が死なない可能性もある。亜人である傭兵達が戦い、死なぬぐらいでそれぞれ矛を収める事での戦争が成立するのかもしれない。ま、分からんけど。亜人にシェア相棒がいるのかいないのかも分からないし。
設定で分からないのは「ユウ」と「ハル」の男の子二人の主人公。ちょっときっちり理解できなかったが「ユウ(ニノ国出身者)」=「ハル(一ノ国)」なんだろうか。そうであるなら、彼等と命をシェアする人間が他にいない事に合点がゆく。それにしてはアニメとは言え、顔立ちが似ていない。何と言うか、命をシェアする同士の共通特徴が「顔が似ている」事しかないのがとても適当。仮に「ユウ(ニノ国出身者)」≠「ハル(一ノ国)」であるなら、彼等の分身はどこにいるのか? 分身がいずに両世界を行き来できるのが「トラベラー」なのか? ニノ国に着いたばかりの二人が衣装が変わっていて、ハルの足が治っていた事を考えると、ニノ国の二人に一ノ国の二人の精神が憑依したと考えるのが自然だが、そうすると二人が一ノ国に戻った後、二の国では元々の二人が目を覚まさないとおかしい。が、そんな素振りはなかった。
例えば、ユウの足がニノ国では治る事、
ニノ国と一ノ国の行き来が生命の危険である事、
それらがユウの「そうじゃないかと思う」という希望程度で実現されている感があるから、これは「命をシェアする二つの世界」という世界観より、「命をシェアする二つの世界と思いたがっているユウが自由に活躍できる世界」と考える方が自然である。「ハル」に対して非常に強い劣等感を持ち、恋人も彼に取られているのが異世界では逆転する。なんかそう考えると根深い黒い世界である。

ユウとハルがそれぞれ山崎賢人と新田真剣佑というタレント・キャスティングなのだが全く意識しなかった。お爺さんのムロツヨシも分からなかった。ムロツヨシくさいかどうかだけもう一回聞いて確認してみたい。あと、見事にというか、立派に下手だったのがアーシャ姫兼コトナの永野芽郁。でも、彼女に関してはワイドショーのインタビューでしみじみ自分のアフレコの未熟さを反省していたので声優再チャレンジとかしないのなら許したい。


【銭】
まんが雑誌の試写会応募で当てさせてもらいました。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
二ノ国@ぴあ映画生活

『トリプル・スレット』シネマート新宿1

◆『トリプル・スレット』シネマート新宿1

▲左からカンフー、シラッド、ムエタイ。

五つ星評価で【★★★肉弾戦】
ムエタイ(タイ)とカンフー(中国)とシラッド(インドネシア)の巧者が腕を競い合うを企画意図として、それにとってもゆるいストーリーをひっつけた、極めて中学生男子らしい一本。主役の三人は傭兵で敵も傭兵、割とどっちが正義か悪かという判断が付きづらい。ファースト・ミッションですら、最終的にそこが何の施設で、殺された奴らが誰だったのかはほったらかしである。それ、そこそこ大事じゃね? だから、ただ単に悪玉側の性格が悪いから「悪」な気がしてしまう。この悪玉がムチャクチャ殺傷力に富んだ兵器を湯水のように使って、有名人を襲撃したり、警察署を襲撃したりするのは爽快感がある。

しかし、この映画の予告が70年代に撮ったかのように古びて見えるのは何故だろう。あまりに古びてるもんだからついつい見に来てしまった。本編はそんな古びてる訳ではなかった。何を求めているんだよ、俺。

主役は三人の誰かではなく、三人とも主役。誰か一人にウェイトを絞らなかったので、逆に一人一人の個性がボケてしまった。それにしてもみんなそれぞれ見掛けが正義の味方らしくない。

シラッド、イコ・ウワイス:バカボンのパパを極限まで美形にしたみたい。
カンフー、タイガー・チェン:バリバリのピエロ顔。
ムエタイ、トニー・ジャー:妖怪人間ベムっぽい。
トニー・ジャー悪い人っぽい顔になったなあ。トニー・ジャーの場合、善悪とは別にただ強い事に意味がある。『マスターZ』でもそういう位置づけだったし。
この三人が共闘するにしても何か強烈な正義のアイコンがないとあかん気がする。


【銭】
テアトルの会員証割引を使用して1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
トリプル・スレット@ぴあ映画生活

『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』EJアニメシアター新宿

◆『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』EJアニメシアター新宿

▲最前列にいる少女の胸の面積と主人公の大きさがほぼ一緒。

五つ星評価で【★★★乳は強し】
ラノベやそれを元にしたテレビアニメがあるようだが詳しくは知らない。堂々一見さん鑑賞である。
「面白いは面白いのだが」というのが第一感想、
「引っかかってしまうのは不親切だからだろう」というのが第二感想。

冒険者のパーティーという事で主役は四人組。カズマ、めぐみん、アクア、ダクネス。
四人の中で主人公のカズマは分かりやすい屑キャラ、魔法力はあるが応用が利かない魔法使いのめぐみんと一応ペアなのか、今回だけのカップリングなのか? この二人はいいが、駄女神アクアと妄想ノンストップ女騎士ダクネスが一見さん的には混同した。まあ、確かにダクネスさんはポチポチ妄想組みこまれていたけど、通常の言動が大差なくって、通常モードで混同せざるを得なかった。この辺のキャラの紹介の仕方に不親切さを感じ取ってしまった。
そら、あかんという狂った町や、狂った設定の敵なんかの揺らぎギャグは面白いのだけど、ちゃんと大きな山場を乗り越えて、いい感じのエンディングが来てもあまりグッと来ないのは、やはり私がこの世界にのめり込んでないからだろう。チョコチョコ入れるアイキャッチャーもウザいとしか思わんかったし。

カズマがウィズとバニルに頼んだのは何だったのか?(TVには出てるお約束の話なのか)、それは結局どうなったのかは語られなかった。

声優とかよく知らんけどカズマの中の人(福島潤)は凄い技量だと思う。

妙に乳の描写が執拗な気がする。


【銭】
テアトルの会員証割引を使用して1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説@ぴあ映画生活

ちょっといいフレーズ

TBさせてもらってるブロガーさん(※)のブログにコメント付けにいって思い付いたフレーズがちょっと気が利いてる気がしたので、こっちにも書いておきます。※:「映画「けいおん」@或る日の出来事 

ツイッターは楽しいけど敵に回すと怖い。

おそまつさまでした。

『僕のワンダフル・ジャーニー』よみうりホール

◆『僕のワンダフル・ジャーニー』よみうりホール

▲「僕のアントフル・ジャーニー」。

五つ星評価で【★★★いやし】
犬にほんなこつ癒される。
犬の喋り方がこのくらいバカだったら愛しいと言う丁度いい点を突いてくる。
声はアメリカでオラフの声を充てた人だとか。そりゃあいい連携だ。
前作の主役で犬の飼い主のデニス・クエイドの孫娘を3人の少女が演じるが、小学生時代はアントマンの娘である。お前、犬じゃなくて蟻飼えよとか言っちゃいけない。今回、犬はデニス・クエイド爺さんの指示により、身体を変えつつ、ずっとこの孫娘を見守るのだ。なかなか、ご都合主義な展開が山のようにあるが、そういう風に話が甘い所も含めてファンタジーなのだから、そこはいいんじゃないかと思う。

上映時間109分なのだが、上映前のアナウンスで149分と間違えて告げられて流石にビビった。 犬が蘇り続けるだけの話で2時間半はなげえだろ。間違いでよかった。


【銭】
まんが雑誌の試写会応募で当てさせてもらいました。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
僕のワンダフル・ジャーニー@ぴあ映画生活
▼関連記事。
僕のワンダフル・ライフ@死屍累々映画日記・第二章
・僕のワンダフル・ジャーニー@死屍累々映画日記・第二章

『おしえて! ドクター・ルース』『アンダー・ユア・ベッド』『座頭市』

同日鑑賞3本をまとめてレビュー。

◆『おしえて! ドクター・ルース』新宿ピカデリー4

▲熟々々々女 くらい。

五つ星評価で【★★★人物に魅力がある】
90歳現役セックス・セラピスト女性を題材にしたドキュメント。
映画冒頭、彼女とアレクサに対談させる。
そのユーモラスなやり取りで彼女を好きにさせてしまう。
演出家なかなかの手腕だ。
外見、倍賞千恵子っぽいが、内容的にはアケスケである事が許される京唄子みたいな感じだろうか。そういう歯に衣着せぬ女性がセックスの事を語って米の主要メディアの視聴率を稼ぐトップハンターになった。うーん、そんな人おんねんね。ともかく、見ていて性格が気持ちいいのが良い。映画内で紹介される彼女の番組の「性に対するQ&A」は、別に何一つ驚くような事は言っていないと思う。あの程度なら日本でも出来る。変態気質の高い日本人がその程度で喜んで視聴率稼がせないような気もするのだが。


◆『アンダー・ユア・ベッド』テアトル新宿

▲高橋由美子(謎キャプチャー)

五つ星評価で【★★★★没入感高し】
庭の石をどかすと、その下に虫が蠢く。出自を気にされる事がないそれらの虫と自分を一体視してみる主人公に対する没入観がひどく高い。それは誰しもが持つ自己否定感情だからだろう(俺だけだったらゴメン)。基本シャープな顔をそう見させない高良くんの上手さに舌を巻く。旦那は知らない役者なのでリアルに怖い。ヒロイン西田加奈子がいい意味で小者な感じ。ただ、ここでそれは役に合わないだろうという絶世の美少女を連れてきても怒りはしない。映画として成立する範囲内の嘘であれば許容可能なのだ。『うしおととら』のエピソードにもあったように、誰からも覚えられない(対象として認知されない)というのは、ちょっと信じがたいくらいの厳罰であろう。勿論、そういう目に会わない人達からはそれが厳罰であるとは到底信じてもらえないかもしれないが。


◆『座頭市』新文芸坐

▲バカ親切で怒らすと怖いけど普段はかっこ悪い。

五つ星評価で【★★★奇形的な出来上がりだが悪くはない】
新文芸坐の企画「座頭市 令和に蘇る盲目の侠客」から1プログラム。
1989年のカラー映画。116分。3、4回目くらい。
劇場ロビーに貼り出してあるプレスシートの写しに「ヤングの支持が圧倒的な片岡鶴太郎」って書いてある。松竹さん嘘はいかん。

全体散漫な話だとは思う。エピソードは散文的で、前後の関連性は薄いし、後半になればなるほど市の殺戮の理由は薄れて、ただ明確な理由もなく殺し続けるマシーンに変わってしまう。でも勝新自ら演奏する三味線とか気持ちよくて、その辺りの論理性の低さが打ち消されて快楽に変わってしまう。

いまやお父さん犬の奥さんの樋口可南子がバリバリのエロ番長で若く、艶っぽい。彼女の全でも悪でもない立ち位置は面白い。やたらウェットな緒形拳より義憤と欲を行き来する鶴太郎の方がいい役かもしれない(ヤングじゃないから圧倒的には支持しない)。内田裕也がカッチリ狂犬を演じるので勝Jr.は割と食われる。その内田裕也が自分の宿場に殴り込み掛けられてマスク付けて敵の手下に紛れ込んだのに、身の潔白を証明する為に自分の手下を殺さなければならない。普通に殺しておけばいいのに、執拗に残虐に殺した為に内田裕也である事がバレるって内田裕也の資質を知り尽くしてる。

TVの影響か旧作のように「どメクラ!」が連呼されるようなシーンはなくなった。


【銭】
『おしえて! ドクター・ルース』:映画ファン感謝デー料金1300円。
『アンダー・ユア・ベッド』:映画ファン感謝デー料金1300円。
『座頭市』:ラスト一本割引で850円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
おしえて!ドクター・ルース@ぴあ映画生活
アンダー・ユア・ベッド@ぴあ映画生活
座頭市〈1989年〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
アンダー・ユア・ベッド@徒然なるまま

『引っ越し大名!』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『引っ越し大名!』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲「越」と「大」の足が可愛い。

五つ星評価で【★★★思った以上にコメディではないが、これはこれで】
予告編を見て、もちっとがっつりコメディーかと思ったが、登場人物がみな気持ちのいい奴等なので気持ち良く見れた。まあ、監督が福田雄一ではなく、犬童一心だから、言われてみれば『のぼうの城』的な人情ドラマだった。と言うか、今回は時代劇だけどキャラが整理されていて、サラリーマンドラマのようだった。
星野源は文化系オタク窓際社員。オロオロが似合いすぎる。今、日本で一番「オロオロ」で稼げる男。
高橋一生は体育会系営業マン。愉快そうに演じる豪快キャラがおもろい。
高畑充希は×1の凄腕派遣OL。この人、天から二物も三物も与えられてるのに「それが当たり前で何が悪いの?」みたいな堂々としたオトボケキャラがよく似合う。基本、罪がない顔なので、エグいこと言っても周りに受け入れられる。なんちゅう適役。
濱田岳は情に弱い経理マン。無駄に熱意ばかり伝わってくるヘナチョコなラガーマンみたい。
後は命令ばっかりして、責任ばかり押し付ける重役の松重豊、西村まさ彦、正名僕蔵。
取引先とトラブルを起こすが平気な顔の下請け工場の若社長、及川光博。

そして、ピエール瀧がいい演技するんだよなあ。あの演技が薬のせいとは思わない。
綺麗に溶け込んでどこにいたか全く分からなかったずんの飯尾。
タチの悪いガヤをやらせたら天下一品、中村靖日。
久々に見掛けたら妙に小さい役の斉藤暁。
映画の中で大きい役なのに妙に語る事のない小澤征悦。
美人お婆ちゃん富田靖子。

準備に取り掛かる事が主体で600キロの10000人移動がたった一日のピクニックみたいになってしまったのはバランス悪いと思う。引っ越し準備も引越し自体ももうちょっとエピソードの深掘りできそうである。かと言って、今以上の長さになるとダレるだろうし、いいのか、これで? 

コメディ・パートで一番おもろかったのは高畑充希の床スー。
次におもろかったのが同じく高畑充希の「調子に乗っちゃって」の流れ。
ええ女優さんお使いになった。

PS この映画を「和製オペレッタじゃん」と評する人がいるが、
 何だか残念なんだけど、歌われる歌が楽しくない。
 労働歌を無理に歌わされてるみたい。んー、、、、、
 坂上二郎とか連れて来いよ。


【銭】
ユナイテッドシネマ豊洲前回来場時に貰った1200円で映画が見れる割引券を使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
引っ越し大名!@ぴあ映画生活
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