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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『チェス狂』『殺し屋』シネマヴェーラ渋谷

特集上映「ソヴィエト映画の世界」から短編2本1プログラム。
短いと言う理由だけで鑑賞。そんな時もある。

◆『チェス狂』
五つ星評価で【★★★他愛無いけどまあいんでね】
1925年、白黒、28分、サイレント、初見。
ロシア製サイレント喜劇。こんなんあるのね、ない事はないか。
主人公の男が出るまでに、そこそこ市井のチェス狂の姿がモンタージュされるのだが、いきなり説明もなしに矢継ぎ早に色々な人がカット変えて映されるので、何を言いたいのかさっぱり分からず戸惑った。本来は弁士が交通整理みたいに捌いていたのだろう。主人公の野郎は如何にもな感じにキャラ立ちさせられてる。ヒロインの女子がロシア風。ドイツの硬い女性をもっと寒冷地に追い込んで精気を奪った感じ。目の下クマ出来てるし、ウオッカとか飲んでそう。あ、でも中々の曲線美だった。主人公の服装のあちこちに隠れている子猫が可愛い。



◆『殺し屋』
五つ星評価で【★★タルに負ける】
1956年、白黒、19分。初見。
アンドレイ・タルコフスキー監督。
タルコフスキーだからという訳ではないのだが、『チェス狂』が細かいネタのスパンが短い映画だったので、その後に妙にゆっくりで興味のない会話が続く話が展開されたのでガクンと落ちた。だからまあ、よく分からない。



【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
チェス狂@ぴあ映画生活
殺し屋@ぴあ映画生活
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『バイス』『グリーンブック』『マックイーン:モードの反逆児』トーホーシネマズ六本木3、9、6

同日鑑賞3本をできるだけ短評で。

◆『バイス』トーホーシネマズ六本木3
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★バイスの欲望が見えない】
どーも主役のチェイニー副大統領がどんな具合にそこまで登りつめてどう世界に酷い結果を仕組んだのかは分かったが、何でそんな事をしたのって、それで彼に何の得があるのって欲望面がラストの株取引で儲けたってテロップの一行だけで、そこ薄くない? パウエルさんは『記者たち』でも裁定が下っていたように完全に被害者、何か顔が元から泣きゲイっぽくって可哀想顔なんだよね。『記者たち』は正しくない戦争によって、多くのアメリカ国民が不幸になった事を糾弾していたが(モンタージュ映像も自国民の被害が中心)、この映画では正しくない戦争で攻め込まれる事によってイランの国民がどんな目にあったかが映像的にモンタージュされる。絵的にキツいけど、この表現が正解だよなあ。
しかし、これも『記者たち』も、イラク戦争は誤りであるとの見解だが、その元になった(と言うか、イランとしては因果関係はないが)貿易センタービルへの飛行機テロについて、何故ビン・ラディンがそんな事をしたかについては語られないのね。あんな事されるからにはアメリカは国として相当恨まれている筈なのだけど。その辺を語る映画があってもよいよなあ(知らんだけであるのか?)。


◆『グリーンブック』トーホーシネマズ六本木9
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★盤石におもろいよ】
グリーンムックだったら、カチャピンだらけの町で差別を受けないよう色を変えて努力するムックの話になるのに。
人と人の繋がりはかくあってほしいという実に目はしの行き届いた快作。
主人公がともかくチェーン・スモーカーでずっと吸い続けてるのもよし。
ラスト映像に出るほんまもんがぽっちゃりしてて芦屋雁之助っぽい。
2台目のパトカーの演出が気が利いてるわな。


◆『マックイーン:モードの反逆児』トーホーシネマズ六本木6
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★尺は長いがまあ綺麗なこと】
副題に『モードの反逆児』と書かれているが、「反逆児」どころか、彼の服は「ファッショナブル」や「モード」を相手にしていない作風だと思う。だから、古びない。彼の服の中に出来た順番はあっても、「時代」や「流行」はないのではないか。初期の服も後期の服も、同じように素晴らしい。でも、おそらく生活には向かない。機能美を追求したデザインではない。その代わり、純粋にそこに「美」がある。だから、基本、パーティードレスなのだと思う。一瞬、それを着用する事で着用者のセンスが底上げされればそれでいいだろう。そんな服。

冒頭からBGMが『コックと泥棒、その妻と愛人』なのも驚いたがマイケル・ナイマンがマックイーンにかなり早い時期に音楽家として雇われてたという事実も驚いた。
マックイーン自身が着てるオシャレじゃない当たり前の服も良いなあ(途中からオシャレ服着るようになってしまい、とても残念)。


【銭】
『バイス』:トーホーシネマズデーで1100円。
『グリーンブック』:トーホーシネマズデーで1100円。
『マックィーン』:トーホーシネマズデーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
バイス@ぴあ映画生活
グリーンブック@ぴあ映画生活
マックイーン:モードの反逆児@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
バイス@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
バイス@ノラネコの呑んで観るシネマ
グリーンブック@ここなつ映画レビュー

マンガ『あさひなぐ 第二十九巻』こざき亜衣、ビッグコミックスを読書する男ふじき

熊本東の島田の蔓延というか汚染がたまらん。

その島田の教育係だった吉里と真春の一騎打ちが今巻のピーク。
人の嫌がる事を見抜く能力と言うのは都合のいい能力だが、ありそうと言えばありそうだ。
この能力が成長すると『空の境界』の物の綻びが見える直視の魔眼になるのかもだ。まあ、今作における能力はもっとメンタルに寄ったものだろうけど。

『学生野郎と娘たち』神保町シアター

五つ星評価で【★★★★常に新しい中平康】
企画「恋する女優 芦川いづみ」から1プログラム。
1960年、白黒、91分、初見。
中平康監督。
教育改革を掲げ、学費を値上げする新学長と貧乏大学生のあくまで理性的な談合・争い・罵りあいなどを描く群像劇。辛口だったり悲劇を含んだりする若者の群像劇という共通点で大森一樹の『ヒポクラテスたち』を思いだしたりもした。あれは古尾谷雅人だったが、これは長門裕之、だんぜん古い。でもエンタメ度はこっちの方が高い。コアになるのはシステムと言うのは正しければいいという物ではなく、そこに優しさがないといかんという『恋妻家宮本』みたいな結論。学生たちは正しさで勝とうとしたので新学長を論破できなかったのである。芦川いづみ特集の一本だからと言う訳でもなかろうが、やっぱ彼女が一番美人で可哀想でグッと来る。


【銭】
神保町シアター一般入場料金1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
学生野郎と娘たち@ぴあ映画生活

ツイッターに呟いた駄ネタ転載。

一応、伏せておくので「続きを読む」をクリックしておくれ。 続きを読む

『レイドバッカーズ』新宿ピカデリー6、『パンドラとアクビ』EJアニメシアター新宿

同日鑑賞2本をできるだけ短評で。

どちらも60分の中篇で、価格設定が1500円。60分なら1000円か1200円くらいにまで下げてほしいのだが、東宝のサイコパスも1500円の設定だったので、60分物についてはこの値段ラインを定着させようとしている匂いがプンプン漂ってくる。逆に言えばそろそろ通常の映画料金を値上げしたい事に関する布石かもしれない。60分1500円、90分以上2000円って、ちょっと妥当な線引きに見えてしまうのがイヤだ。

◆『レイドバッカーズ』新宿ピカデリー6

▲ハラミ。安定の主人公感。

五つ星評価で【★★★★キャラ立ちすぎてヨシヨシ】
「レイドバック」はチラシに付けられたルビによると「だらけた」という意味らしい。あー、確かにだらけた奴らだ。
でも、だらけながらも、ちゃんとやる事もやる御一行はとても頼もしく微笑ましい。

ものごっつ俗世間の悪影響に毒されながら、秘かに仲間が一番な魔術師のK様が一番好きかな。K様がホモマンガ手に取りつつ目を潤ませてるのが何かどうしようもない光景なのにステキに見える作画の力が凄い。偉い。キャラ愛が強い。
魔術師のKは戦いのサポートみたいな立ち位置がはっきりしてるが、赤髪・狂戦士のハラミと青髪・武闘家の舞は戦いでの違いとかあまりよく分からない。ハラミの「てーげー」な感じのゆるい姉ちゃんぶりが気安くって気持ちいい。

▲K

異世界召喚前の仇敵同士のアーネリアとらん、らんの純さに打たれながらも、アーネリアの不遇に同情する。アーネリアのあれ、癖になったらどうする? 反面、アーネリアは一人だけ疑心暗鬼で人を疑いまくる役だから、とても損な役。いやまあ、異世界(現代日本)に飛ばされた5人が、元の世界では災厄の元と思われていた魔王も含めてみな不幸であった。その夏休みをちょっとだけ差し上げる物語はとても優しい。

全てのラスボスがアーネリアを悩ますあの犬だったりして(幻魔大戦のフロイかよ!)


◆『パンドラとアクビ』EJアニメシアター新宿

▲アクビ(左)とパンドラ(右)。パンドラは役立たず。

五つ星評価で【★そこにキャラクターへの愛がない】
始まった途端、とてもイヤな物が始まった事が分かった。
『モンスターストライク』のパンドラ、続いて登場する『ハクション大魔王』のアクビ。申し訳ないが前者は知らない。後者は設定は知っているが、あまり嵌って見た覚えはない。見てくれと声は可愛い。そこにだけ集中したような作り。無理やり二つの世界を一緒にして話を初めるにもかかわらず、二人の設定を何も語らない。この二人が何が出来て何が出来ないのか全く分からない。元の話からキャラが引き継がれているかさえ分からない。そもそも大魔王の娘のアクビは万能だろうから、本気を出せば無敵だろうに、そういうので縛りを作らないのも筋立て的におかしいだろう。

物語は各種タツノコプロのキャラを出しては無駄に消化していく。
『ヤッターマン』のドロンジョ、
『マッハGoGoGo』の三船剛、
『新造人間キャシャーン』のブライキングボス、
『一発貫太くん』の貫太、
『おらぁグズラだど』のグズラ。
色々出てるけど、そっくりさんと言ってもいい。姿形、表面上の特技が似てるだけである。
彼等には心やオリジナルの魂が入っていない。
ドロンジョは魅力的なベシャリを封印され、三船剛は車で修羅場に駆けつけるが、マッハ号を楯に使うだけで、マシンスペックを一切使わない。ブライキングボスは単にメキシカンっぽい悪玉だし、人間味がほとばしってる。貫太なんて野球すらしない(まあ、貫太は全然、話を知らんのだけど)。つまり、彼等のなりやいでだちをコピーした偽物なのである。

何となく、タツノコプロの商標商品を作って見ました。どうです、可愛でしょ、と言うノリ。縫いぐるみだったら、ただ単にデザインと手触りが良ければいいが、アニメはそれでは面白くならない。ちゃんとキャラを立てないとダメなのだ。


【銭】
『レイドバッカーズ』:1500円均一料金。
『パンドラとアクビ』:当日1500円均一であるのを額面1200円のムビチケをチケ屋で見つけて1100円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-@ぴあ映画生活
パンドラとアクビ@ぴあ映画生活

『コレラの城』『怪盗X 首のない男』シネマヴェーラ渋谷

特集上映「俳優が監督するとき」から2プログラム。

◆『コレラの城』(ネタバレ)
五つ星評価で【★★★】
1964年、白黒、96分、初見。
丹波哲郎+菊池靖監督。
時代劇としてはあまり使われていない珍しいネタを二つ使っている。一つは題名にも使われている「コレラ」。でも、題名に使われているくらいで、「コレラ騒動後の城」なので、人気がまばらみたいな風にしか使われていない。もっと能動的に使えばいいのに。
もう一つはお取り潰しになる藩の姫様が切支丹であり、悪事と思われていた砂金の密貿易も自分達の新天地を得るがための行為だった事。ちょっとこの設定には唸った。最終的に主役の丹波哲郎はこの姫様側に付く。つまり、それを正義とする。丹波哲郎って変節漢の役もよくやってるので、最初は金の匂いに寄ってきた野良犬風なのが気移りするのも違和感がない。姫は姫で理念があるからいいだろう。それに敵対する幕府の犬もまあ立場上、戦わざるをえまい。問題はただ一人、旧藩家臣の稲葉義男。この男は最後まで姫に尽くす切支丹の一人だが、砂金密貿易の際には秘密を知られる事を恐れて、善人の船乗り達を皆殺しにした男なのである。いや、そんな切支丹はいないだろ。オウムかよ。



◆『怪盗X 首のない男』
五つ星評価で【★★何か怪盗Xに魅力がない】
1965年、白黒、84分。初見。
小杉勇監督。構図としては怪盗(宍戸錠)+謎の女(松原智恵子)に私立探偵と女性記者(川地民夫&山本陽子)、警部(宍戸錠)が挑む。盗む盗ませないのアイデア合戦は面白いが、怪盗が昔ながらの理由もないのに悪い奴で、好きになれない。スマートじゃないのだ。怪盗が警部に偽装するのもあまり理由がなく、宍戸錠が一人二役だからみたいな理由にしか思えない。サブタイトルの「首のない男」も何故「顔のない男」ではいかんのか全く分からない。



【銭】
それぞれ通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
コレラの城@ぴあ映画生活
怪盗X 首のない男@ぴあ映画生活

マンガ『治癒魔法の間違った使い方 第4巻』原作 くろかた 漫画 久我山レキ、角川コミックスエースを読書する男ふじき

新刊。

ちょっと舐めてた。1~3巻の感想で、ちょっと今一みたいに書いたが、なかなかどうして4巻で面白くなってきた。これは物語の舞台が魔法学園都市という目新しい物に変わった事がいい効果を呼んでいる。この作者(原作+作画両方)は緻密な設定を作る事と、それを分かりやすく説明する技術に長けている。今までゆっくりゆっくり積んできた収斂が模擬戦みたいな部分で花を咲かせる事になるのはとても面白い。主人公の必要以上に奥手に見える性格も、外見も含め、侮られる形を作りやすくしてて、それも良い。並行して読んでる他の異世界召喚物がずんずんダメ方向に走っているので、これには頑張ってほしい。

『記者たち』『ビリーブ』『ショーン・オブ・ザ・デッド』トーホーシネマズシャンテ1、日比谷13、9

同日鑑賞3本をできるだけ短評で。

◆『記者たち 衝撃と畏怖の真実』トーホーシネマズシャンテ1

▲あえて記者じゃない綺麗どころの写真で。

五つ星評価で【★★★★正義の気持ち良さ】
原題は『SHOCK AND AWE(衝撃と畏怖)』、イラク開戦時の作戦名である。今となっては存在しないことが明白であるイラクが保持していた大量破壊兵器、その存在が政府内で捏造されたにもかかわらず、何故、開戦に踏み切れたかが『大統領の陰謀』よろしくマスコミ視点で明かされる。と言うより、マスコミが明かさなければ、こんな不正が成立してしまうほど政治に自浄効果はないという事なのか。そら恐ろしい。
これは正しい事を書き続けた男達の痺れる話であるが、彼等は決して勝ちえていない。彼等が正しい事は後に証明されたが、結局、彼等の記事は戦争を抑止できず、ペンは剣に勝てなかったのである。ただ、それでも後になってからでも、不正の話が語られる事にアメリカの正しさに希望を感じる事ができる。日本ではこういう話は揉み潰されっぱなしだ。正義は儲からない。
ウディ・ハレルソンの妻がミラ・ジョヴォヴィッチなんである。桑原桑原。危険な夫婦だ。


◆『ビリーブ 未来への大逆転』トーホーシネマズ日比谷13

▲ビッグスモールンっぽい二人。

五つ星評価で【★★★そりゃ主人公が勝てば気持ちはいいけどさ、ちょっと疑問は残る】
それにしてもフェリシティ・ジョーンズちっちゃい。子役の子と背はトントンで胸は負けてるんじゃなかろうか。何となく、フェリシティ・ジョーンズの顔立ちが小泉今日子に似てると思う。差別撤廃に尽くした女性弁護士の最初の一歩目の物語であるが、法廷論争は割と分かりづらい。演出があるから、どちらが優勢であるかは分かるのだが、戦う双方とも言葉の応酬になるが、その言葉をじっくり吟味する時間が観客に与えられない。それは実際の法廷がそうなのかもしれないが。
主人公の有能さより悪役になってしまった男性優位主義者達のえげつなさが際立っていた。悪辣に見えるように演出されてるよなあ。昔の日本と同じで家父長制を良しとする社会であった訳だが、彼等が危惧する「社会に女性が進出して社会が良くなるか」という疑問に関しては「平和な社会を維持するために女性の権利を犠牲にしている」という素地はあるにしても、ただ単に「犠牲にされている女性の権利は回復されなければならない」としても、それが生来の社会基盤を壊してしまうのであれば、正しい社会にはなっても、決して良い社会にはならないのではないか。あくどい彼等の考えもまた、全て間違いではない気がする。要はもちっと性急じゃないやり方がなんぞあったのではないか? アメリカも日本も家父長制が崩壊してからの方がみんな平均して貧しくなってないか?(いや、思い付きであって調査や論証は他人に任せる)

このタイトルの内容のなさは『ドリーム』以来、『ドリーム』以上じゃなかろうか?


◆『ショーン・オブ・ザ・デッド』トーホーシネマズ日比谷9

▲劇場初公開やないで。

五つ星評価で【★★★★もう古典になりつつあるのかもしれない】
昔、見た時ほどではないけどおもろかった。
ゾンビ映画で笑いを取るという先駆的な作品である。
でも、今ではこれが古典になってしまった感が強い。
ゾンビの群れの中、ゾンビの振りをすれば素通りできるかも。
ああもう、こういうの何回も他で見ている。
でも、そんなバカな試みはここが最初なのだ。
と言う訳で、映画は変わらないが、見る私たちがこの映画の笑いに慣れてしまったのだと思う。舐められた飴玉の角が摩耗するように映画の魅力はちょっと欠けてしまったかもしれない。でも、古典になるというのはそういう事なのだろう。すんごく新しい作品なのに古典であるというのは、それだけ先人が気付かなかった気付きをこの映画で掘り起こし、それがあっという間に常識化したからに他ならない。ブラボー。

サイモン・ペグは今でも童顔だけど、この映画では肌が若いわ。

日本未公開で、今回が日本初公開(あくまで映画館でという意味だろう/ソフトリリースはされていたから)と言う事にされているが、昔キネカ大森の名画座枠で一週間公開された事がある。嘘はいかんよ、嘘は。例え小規模公開であったとしても公開は公開よ。


【銭】
『記者たち』:映画ファン感謝デー価格で1100円。
『ビリーブ』:映画ファン感謝デー価格で1100円。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』:映画ファン感謝デー価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
記者たち~衝撃と畏怖の真実~@ぴあ映画生活
ビリーブ 未来への大逆転@ぴあ映画生活
ショーン・オブ・ザ・デッド@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ショーン・オブ・ザ・デッド(1回目)@死屍累々映画日記・第二章

『蹴る』『エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ』ポレポレ東中野、『鬼滅の刃 兄妹の絆』シネ・リーブル池袋1

同日鑑賞3本をできるだけ短評で(うわあー短評にならへん)。

◆『蹴る』ポレポレ東中野

▲「当たる」ではなく、ちゃんと「蹴る」になってる。

五つ星評価で【★★★主役に目を奪われる】
電動車椅子サッカー競技者を何人か取りあげたドキュメンタリー。こんな競技あるのねと言う目新しさでちょっと冗長だけど面白かった。映画に占めるウェイトから主役は女・長岡真理と男・東武範と言っていい。この二人に目を奪われる。
長岡真理には華がある。美人というよりは可愛い子なのだが、車椅子の上に乗っている顔はでかい。大変、失礼な事を言ってるのだが、人体パーツのバランスから言って頭部の大きさに比例して首から下が成長していないからそう見える。一見して、ちょっと頭がパニくる。でも、映像で話す彼女を見てると、障害のある身体より、話す気性の荒さや、華がある明るさの方に目が向いてしまう。「慣れる」んである。とても魅力的。
もう一人、男の主役・東武範も美男子である。そして、精いっぱい突っかかる生き方がかっこいい。ドラマチックな挫折が絵になる。本人じゃないからそんなこと気軽に言えるんであるが。世界大会に敗れて「モーター・スポーツじゃ」と悪態を付くが、技量以上に各人の車椅子の性能がプレイに反映するし、障害の種類が多岐に渡る事から、みな同じ物を使う事がありえない競技なので、金銭的に恵まれているチームの方が良い成績を残しやすいのは確かだろう。努力は数量化できないから最終的に勝った結果が全てになってしまうのかもしれないのが障害者スポーツの難しさなのかもしれない。いや、そんなん極端じゃないだけでスポーツ全般か。


◆『エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ』ポレポレ東中野

▲『うちわ太鼓による戦いの歌』。みなぎる宴会芸テイスト。

五つ星評価で【★★これは星二つを付けるために見に来たような映画】
見終わった直後のツイッター。

あーこれはやっぱこういう物だよな。うん、そうと分かって見に来た俺が悪い。

これはドキュメンタリーの前段階。「映像素材」。だから、続けて見てると退屈する。と分かってて見に来て思った通りに退屈した。まあ、退屈する事全てが悪い訳ではないけれど、出来れば避けて通りたい。必要な退屈と言うのもあるはあるのだけど、今回はどうだったか。それは時間が答を出すのだ、多分。しかし、出来れば全て寝ずに見ておきたかったなあ。映像素材9編のうち2編(『テコマトランの揚水水車ノリア』『エルツァッハのシュディッヒのカーニバルの行事』)はほぼ記憶にない。
音や踊りに関わる『楽弓の演奏』『うちわ太鼓による戦いの歌』『バリの音楽のリズム型』なんぞは割と見ていて楽。『うちわ太鼓による戦いの歌』なんて、酔っぱらって歌う日本の黒田節とテイストそうそう変わらない。黒田節8分聞かされるのはキツイか。残りはラッコ、水草、丸太、橇犬。風景に近い。ラッコはラッコの食事光景延々と映してるだけだし。でも、これがラッコが道具を使ってエサを食べる事が分かった最初の(もしくは最初の頃の)映像と分かれば有難味が増すだろう。丸太は襷の代わりが丸太という土人の駅伝みたいな感じだが、ゴール途端に丸太から有難味が消え去って放置されてしまう風なのが面白かった。
やはり、これは観客付き上映とかよりライブラリーでいつでも閲覧できる事の方が正しいと思う。

▲延々と橇引く画像。


◆『鬼滅の刃 兄妹の絆』シネ・リーブル池袋1

▲王道ジャンプ漫画(この時点ではまだ「友情」ラインが出てないが)。

五つ星評価で【★★★★ひたれる面白さ】
少年ジャンプに連載してるマンガを途中から読んでる。
これはアニメとして、とてもよく出来てる。
主人公・炭治郎の弱さにもつながる心の優しさ、ちょっとイラっとさせられるくらいの素直さ、真っすぐさがよく出てる。
劇伴気持ちいいと思ったら案の定梶浦由紀だ。
鬼との戦いが凄く綺麗にビジュアル化されてて納得。
禰豆子のヨダレ流すカットが好き。
女子観客多し。


【銭】
『蹴る』:ポレポレ東中野5回券6000円のうち1回目使用。
『エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ』:ポレポレ東中野5回券6000円のうち2回目使用。
『鬼滅の刃 兄妹の絆』:テアトル会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
蹴る@ぴあ映画生活
エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ@ぴあ映画生活
鬼滅の刃 兄妹の絆@ぴあ映画生活

『青べか物語』神保町シアター

五つ星評価で【★★★★暴走する東野英治郎が最強】
企画「フィルムとデジタルで甦る名作の世界」から1プログラム。
1962年、カラー、101分、初見。
川島雄三監督。
東野英治郎が最強に最高。
ああもう、東野英治郎っていついかなる時も面白いけど、この映画の教養のない厚顔無恥だけで生きてきた田舎者の演技が本当に最高。「いぇ~~~いっ」。
いやいやいや、主役は森繁の「先生」なのだ。何だか、いつもと変わらない森繁だなあ。そう何本も見ている訳でない森繁はいつも変わらない事で私の興味を強くひかない。単に親しみやすい一庶民を演じる人。今回の「先生」が文豪、山本周五郎その人である。「山本周五郎=森繁」という構図がピンと来ない。。
映画の内容は人品卑しき千葉郊外に住むことになった「先生」とロクデナシの住人達との交友録であり、極めて散文的にあの人の話、あの人の話、とボコボコ細かいエピソードが連なって描かれる。
映画は星三つ、東野英治郎の怪演で一つプラスして四つ。


【銭】
神保町シアター一般入場料金1300円。
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青べか物語@ぴあ映画生活

皮膚科通院

2019年3月23日、皮膚科に初通院。
少なくとも5年以上前(前の職場以前)から両膝の下が一見、内出血のような、痣のような感じで理由不明で爛れてしまっている。痒くもないし、実害はないのだが、ちょうど手が届く位置にあり、何となくトイレや風呂場で掻いてしまい、ほっておけば治るかと思いきや、いっこうに完治しない。治療も何もしてないからそのまんまなのであろう。傷口からばい菌とか入って思いがけない事になっても困るので通院して見てもらう事にした。
・カビとかの類ではないらしい。
・すぐさま何かひどい事になるような緊急性はなさそう。
・インターネットで順番管理をしてる病院でこの仕組みがちょっとおもろい。
・皮膚科の上得意客はとうやら乳児や幼児。周り子供と若妻ばかりである。そこに何ら会話はないがちょっとハレムっぽいぞ。ふふふ。
・処方箋で軟膏もらって気長に直していく予定。一日二回朝晩塗るのはちょっとめんどいが、もう一週間ちゃんとこなしてる。治ってるかどうかはまだはっきりしないが、軟膏塗ると手癖である「掻き」をしなくなる。まあ、それだけでもいいのではないかな。

『グリザイア:ファントムトリガー』EJアニメシアター新宿、『コンジアム』シネマート新宿1

同じビル繋がりで2本まとめてレビュー。

◆『グリザイア:ファントムトリガー』EJアニメシアター新宿

▲社会通念的にこんなに堂々と制服でバイクに乗るのはどうか、と。

五つ星評価で【★★★アクション燃えるぞ】
基本一切合切知らんで一見さん鑑賞(あ、予告は見た)。オリジナルがどんなメディアかすら知らない。が、冒頭すぐに始まるアクションの練度の高さにすぐのめり込んでしまう。主人公達に「殺人についての禁忌や罪悪感」が全くない事はアクション・シーンを面白くし、日常シーンのリアリティーを少し減少させている。多少不謹慎でインチキくさいけど見応えのあるアクション、それが売りだろう。今の時点で彼女たちの内にも外にも「正義」はない。話が続いていく中で、彼女たち自身にとっての「正義」とは何かがモチーフとして語られる日が来るのかもしれない。
ただ女の子4人と指揮官1人のチームで4人の行動部隊隊員が全員美少女で、オシャレな女子高生制服を着てパンチラバリバリで諜報活動に勤しむのは、なんつーか、お前らこういうの好きなんだろと見透かされてるようで実に恥ずかしかった。最初に「セーラームーン」がメディアに出てきた時みたいなダメな萌え感。
主人公レナの出自を語る物語だからという事もあるのだろうが他の3人の活躍が薄く、その為にそれぞれの活動を通じてのキャラ立ちがあまり描けなかったのは減点。ミッションに集中させて学園ドラマ部分は割愛しても良かった気がする。
ライバル姉妹校の食わせ物チームとかも奥が深くて面白い。


◆『コンジアム』シネマート新宿1

▲笑うと負けよ、あっぷっぷ。

五つ星評価で【★★ありがち】
怪奇番組の撮影クルーが心霊スポットを巡ったら予想しない怪奇現象が撮れてしまったという体のフィクション。日本にはこのタイプに『コワすぎ』という超傑作シリーズがあり、それが起爆剤になったのか、心霊スポット探訪物はフィクション、ドキュメンタリー双方ともそこそこある。そもそも低予算を強いられるホラーの撮影にこの方法は向いているのだろう。本物の心霊スポットを使う事でセット不要、撮影機材はプロ仕様でなくても良い。撮影時間は深夜で、何が映るにせよ、映らないにせよ、明確に映ってなくても良い。そして、そんな荒い映像の編集や加工はしやすいに違いない。そんな心霊スポット探訪物に韓国から殴り込み。結果としては、国は違えど、そうそう大きな違いは出なかったな、と思わされた。これ、こういうジャンルを数見てる人にはそんなに独自性の高い映画ではないです。
ただ、韓国と言うお国柄か、音が大きくて、くどい。まるでキムチと焼肉の波状攻撃みたいなくどさ、そこは流石、韓国と思わされた。
あと、前半部分、若者が合コンチックに遊ぶシーンが大変ジャマ。どう考えても『15時17分パリ行き』のショッピングのシーン程度には不要。あそこで誰と誰がどういう風にアチチっぽいとか心霊スポットで全く関係ないし。いや、基本登場人物、男4人、女3人のキャラも立ってないし(※)、いろいろ不親切な作りだとは思う。もっと分かりやすくしたり、整理したりも出来ただろう。

※ 女3人、実は長距離狙撃手、中距離遊撃手、忍者で、実は影で「ファントム・トリガー」と呼ばれていたりしたらキャラが立ったかもしれんな。その場合、どう考えても泣き叫んだりしない3人だけど。


【銭】
『グリザイア:ファントムトリガー』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『コンジアム』:毎月25日はシネマートデーで1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION@ぴあ映画生活
コンジアム@ぴあ映画生活

伊藤園「ごくごく飲める毎日1杯の青汁」

緑茶みたいな味。ゴクゴク飲めるが「うまい」ではない。決して「まずい」でもない。ハーブティーをもちっと濃くして、喉にエグエグって引っ掛かりがちな部分を削り落としたようなそんな味。ラグビー部のやかんに入れられてたら割りどグングン消費されてしまうかもしれない。

「ごくごく吐ける毎日1杯の青汁」だったら、やだなあ。
「吐ける」って商品名に入った時点でダメか。そうだな。










シネマヴエーラ渋谷の謎

カテゴリ名と相違して「映画館の謎」でも何でもないが、
シネマヴェーラ渋谷に映画を見に行ったら、
テンガロンハット被って、ポンチョはためかせてる客がいた
(無風なので実際はポンチョはためいてないです)。

流石に靴に拍車は付いてなかった。

カテゴリ「右肩を骨折する男ふじき」の新カテゴリへの移行

「右肩を骨折する男ふじき」と言う五つしか記事のないレア・カテゴリがあるんですが、いい老齢になって来るべき怪我や病気や入院の数々を漏れなく記録すべく(そら、後から確認するのに便利だから)、「ふじき78闘病部」というカテゴリを新設してそこに移行します。あと、「ふじき78記録部」に入っていた病気・怪我に関する記事も移行します。

『きばいやんせ!私』『九月の恋と出会うまで』『劇場版シティーハンター』『サムライマラソン』『ドラえもん のび太の月面探査記』

摘まんで5本トーホーシネマズをまとめてレビュー。

◆『きばいやんせ!私』トーホーシネマズ錦糸町オリナス5

▲画像はブラック夏帆ちゃん。

五つ星評価で【★★★夏帆ちゃん頑張れ】
夏帆ちゃんが好きだから見に行ったけど、やはり主役の夏帆ちゃん演じる女子アナの魅力がちょっと微妙。前半の態度悪いのも普通に魅力ないのだが、後半やる気が出た後がそんなにいいかと言うと、そこが物凄い底上げ力を感じない。毒づく夏帆ちゃんからベーシックな大人しい夏帆ちゃんに変わった感じで、それはいつも見ている素の夏帆ちゃんっぽいけど、素の夏帆ちゃんが来れば「いいよね」と言うのはリアルな世界での話であって、物語の世界では毒づく夏帆ちゃんの臭みを消しきれていない。一生懸命になれば今までが全てチャラってのも虫がいいだろう。その辺の脚本と演出の匙加減がちょっとしくじっているんではないか。
夏帆と同輩の村人を演じる太賀と岡山天音がよい。太賀は演技力が物凄く高いのだけど、半端なくスターオーラがないので異常に村人が似合う。オシャレじゃない岡山天音も悪くない。二人ともフル・マラソン走るようなひどい目に会うが、ひどい目に会う男は見応えあっていい。疲れたOLはこの二人を見ながら息を(*´Д`)ハァハァさせて癒されてほしい。
村の若い爺さんに伊吹吾郎。こういうちゃんと雷を落とせる演技が出来る役者がいまや貴重なんじゃないか。祭をずっと耐えながらしきって残してきた男。当然ありそうな褌ショットとかはないのだが、ホモのオヤジは伊吹吾郎の男気にあてられて(*´Д`)ハァハァ癒されてほしい。
町の飲み屋でジャズ・セッションになるのは、この間見たフェリーニの『アマルコルド』みたいで楽し。まんますぎっぽいけど、まぁオマージュって事で。文字フェチの変態は「オマージュっておま○こジュッ」みたいなと言う言葉遊びに(*´Д`)ハァハァ癒されてほしい(そんなんで癒されるか!)。
都会にいたら連続殺人犯にしか見えない宇野祥平とか、出てきた途端に怪しい鶴見辰吾とか、いろいろ拾い所はあるが映画としては最後の山場をキッチリまとめきれなかった。何かやるはやったけどドキュメンタリー映画見たいな山場だ。ドラマの山場ではないと思う。でも、映画全体退屈する訳でもないから、まずまずという評価。


◆『九月の恋と出会うまで』トーホーシネマズ府中7

▲二人とも苦しみを乗り越えるまでって「苦がTWOの恋と出会うまで」ってそういう事か(絶対そういう事じゃない)。

五つ星評価で【★★★ホモじゃないけど高橋一生】
川口春奈はいい意味で色の少ない女優で、観客がニュートラルに自己同一化しやすい。この物語では話の中心が彼女であり、高橋一生は絶世のイケメンとかではないけど、位置的には川口春奈が見初めるヒロインの役どころである。
この高橋一生のポンコツで不器用で一途で純粋な所にやられる。もともと、そんなにスマートに見える人ではないので、こういう朴訥な役をやらせると嵌る。こういう「君のためなら死ねる」くらいの自尊意識の低い恋愛を絶対ストーカーとかにならない高橋一生みたいな要素を使って実現するというのは、実にいい企画だと思うわあ。
「もうダメダメ、何やってるの、一生のバカバカ」みたいな気持ちで観客が母性本能で一体化する映画館。

タイム・パラドックスの三つの案のうち、高橋一生が最後の案にのめり込んでしまうのがリアル世界に住んでる自分から考えると説得力が感じられなかった。役者の演技で乗り越えられると踏んだ脚本と演出には、そこはちょっと御都合主義を甘く見たんじゃないの、と猛省を促したい。

浜野謙太とか川栄李奈が出番少ないのに「出ちょる出ちょる売り出しちょる」みたいに分かる美味しい役。


◆『劇場版シティーハンター』 トーホーシネマズ府中9

▲北条司のこの絵をアニメにして、あまり作画の乱れも見られないのだから大したもんだ。

五つ星評価で【★★★★思ったより全然ちゃんと出来てる】
実はマンガもアニメも見た事がなく一見さんである。
そんなの無関係に普通におもろい。敵が無数のドローンを使う現代性と、それをプロの技術で凌駕させるベーシックな無敵神話との折り合いを上手く付けてる。緩急激うま、全く退屈しない。
神谷明の声の安定に驚く。豊かで唯一な声なんだよなあ。
飯豊まりえの声が全くプロの声優と聞き分けがつかない上手さ。
チュートリアルの徳井も出てたらしいが、同じくプロの声優と聞き分けが付かなかったが、これは役が小さくてどこにいたのか分からなかったパターンだと思う。

▲徳井、確かこのキャラだ。上手か下手かは忘れた。


◆『サムライマラソン』トーホーシネマズ府中9

▲これ、全員の目を潰したらゾンビ映画っぽくなるな。

五つ星評価で【★★★★これも思った以上によかった】
小松菜奈のじゃじゃ馬姫様も佐藤健の間者も藩一の武者・森山未來も足軽・染谷将太も、みんな何かしら我慢を強いられて生きている。事件が起こると、その煩悶はとりあえず横に置いておいて、全員が善なる方向にその行動が切り変わっていくのが気持ちいい。
竹中直人はこんな善人より『翔んで埼玉!』のカスみたいな県知事役の方がおもろい。じゃあ、この役は誰が適役かと言うと、顔だけCG合成で加藤嘉を貼り付けるとかどうだろう。加藤嘉の顔でマラソンとかやったら、号泣必至だ。
小松菜奈の顔の腫れぼったいところがちょっと染谷将太に似てるかもしれない。
しかし、物語的には「幕末」とか「黒船」とか、そっちと繋げる必要はなかったと思う。

▲小松菜奈って本当に卵に目鼻書いたみたいな顔だ(ある意味ベリリット的)。


◆『ドラえもん のび太の月面探査記』トーホーシネマズ府中1

▲真ん中の帽子少年が割とBL系。

五つ星評価で【★★単に時間が長いのがいかんと思うのよ】
毎回、絶対的な悪と対峙を迫られるようで、のび太達も大変だ。
もともと劇場版のドラえもんシリーズでは戦う相手が出てくるにしても、そんなに悪辣なイメージはなかったのだが、やはり単純に暴走する悪い奴がいた方が話が作りやすいのかもしれない。
今回のゲストキャラは男女とも、ドラえもん屈指の美形キャラ。(*´Д`)ハァハァ
ピンチ逆転のオチは分かりにくかった。
子供ものとしては長い。いや、『九月の恋と出会うまで』『劇場版シティーハンター』『サムライマラソン』『ドラえもん のび太の月面探査記』と、当日4本見たが、4本の中で一番長かった(マイルで確認した)。その長さには反対である。


【銭】
『きばいやんせ!私』:トーホーシネマズデーで1100円。
『九月の恋と出会うまで』:映画ファン感謝デーで1100円。
『劇場版シティーハンター』:映画ファン感謝デーで1100円。
『サムライマラソン』:映画ファン感謝デーで1100円。
『ドラえもん のび太の月面探査記』:映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
きばいやんせ!私@ぴあ映画生活
九月の恋と出会うまで@ぴあ映画生活
劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉@ぴあ映画生活
サムライマラソン@ぴあ映画生活
映画ドラえもん のび太の月面探査記@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
きばいやんせ!私@大江戸時夫の東京温度
サムライマラソン@ここなつ映画レビュー
サムライマラソン@大江戸時夫の東京温度
サムライマラソン@あーうぃ だにぇっと

マンガ『弱虫ペダル 第14~17巻』渡辺航、少年チャンピオンコミックスを読書する男ふじき

ちょっとまとまって安い棚から購入。

14巻、インハイ二日目。体調不良から最下位に残った田所を小野田が助けに行く。論理的には何故、助かるのか良く分からない不思議展開だが、田所っち少しずつ回復(おそらくメンタル的なものだろう)。
15巻、箱学最後の男、新開のお披露目巻。そして御堂筋のイヤさが徐々に全開しつつある。
16巻、新開を刺して御堂筋全開。表紙も御堂筋の超恐怖アップ。箱学を京伏が追い詰めつつ、小野田は遂に総北4人に最下位から登りあげて合流。深いエピソードはないけど、ブータレながらも仕事を完遂する箱学の荒北が偉くかっけー。
17巻、インハイ二日目ゴール争い直前まで。箱学と京伏と総北の三つ巴戦。バラバラのメンタルでも勝利を目指す京伏・石垣のガマンが泣かせる。このイビツなチーム感覚は『あさひなぐ』の一堂寧々を思い起こさせる。まあ、『弱虫ペダル』の方が先だろうけど。

『君が君で君だ』シネマカリテ1


▲やはり大倉孝二だけ妙に笑顔がネズミっぽい。

五つ星評価で【★★★★ああ何かもうほんま松井大悟らしい】
理由は知らねど何故かシネマカリテで一週間限定の復活上映。

チラシによる物語解説。
大好きな子が好きな「尾崎豊」「ブラピ」「坂本龍馬」になりきり、自分の名前すら捨て、10年間ただひたすら好きな子を見守ってきた3人の男たちを描いた恋愛譚。

男たちは女の子に接しない。ただただ見守る。女の子が不幸になろうが接しようとはしない。それが彼等のポリシーであり、彼女は彼等の神のような存在だから、同一線上に位置してはいけないのだ、多分。という歪な10年間。これが愛ではないと断言できるが、完全に愛でないとは断言しかねる。やはり、これはこれで「分かる」部分が小さいながらもあるのだ。ヒエラルキーで言うと彼女が百、男たちがゼロ。男達には自分などいらない。彼女の行動が全て、彼女がそこにいる事こそ正しい。だから彼女がやる事は愚行でも何でも許容する。ただ、あがめまつる。それはもうそういう世界観でしかないのだ。

そんな彼等の行為は当の女子から理解されない。それはそうだろう。常軌を逸している。普通の女の子である彼女はごくごく普通に彼女を愛してくれる彼氏がいてくれればいいのだ。常軌を逸した熱視線を送る視線だけの男達など、気持ち悪いだけだ。

思いの強さがどんな障害も打ち砕く。昔の映画ならそう作るかもしれない。でも、これは恋が成就しても幸せにはなれん気がする。ダイオウイカとチワワの間に恋愛が成り立たないように、何か種族が違いすぎる。

 池松壮亮:尾崎豊。沸々とたぎる現代病みたいな役柄を演じさせたら池松壮亮は当代随一。こんなに堂々とメソメソしながら泣きごとをぶちるのが似合う役者はいないと思う。
 満島真之介:ブラピ。ビックリするほどブラピじゃないが、明るいのにいつも追い詰められてる満島真之介の変な個性はいい感じにキャラ立ちしてる。
 大倉孝二:坂本龍馬。「龍馬」と言いきってしまえば「そこそこ龍馬」に思えてくる「坂本龍馬」の良く言えば包容力、悪く言えば縛りの弱さ。ただまあ三人の中では誰よりも「龍馬」が似合う気がする。知らんけど。そういう意味では三人の中では誰がやっても「ブラピ」にはならんから「ブラピ」は一番損な役回りかもしれん。
 高杉真宙:羽生結弦。まさかの四人目。「あっ高杉真宙なんだ」という驚き。女を売るクズ男の役を喜々として演じてる。おいおい、他の映画では童貞高校生みたいな役ばかりだろうが。役者って怖いわあ。
 キム・コッピ:絶世の美女ではないのね。いやまあ、映画は嘘でいいのだから、個人的にはここは「その世界では美女認定されていないが、映画観客が見る分にはスムーズに美女」という特殊ファクターを通してほしかった。何となく芋くて好きになりづらい(芋さが好きと言う人もいるでしょうが)。

こんな変な映画は好きです。


【銭】
シネマカリテ水曜1100円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
君が君で君だ@ぴあ映画生活

『歯まん』UPLINK渋谷2


▲なかなかいいポスター。

五つ星評価で【★★★水井真希の暗躍以外は極めてルーチン的】
女性性器に歯が付いてるから『歯まん』。なら、映画『受難』の女性性器が古舘寛治の顔になってしまうのは「古舘寛治まん」とでも言うのか。いや、最初から脱線した。
主演の女の子(馬場野々香)が魅力的だけど裸が神々しくないと言うか、題材ゆえなのかSEX描写が寒々しく、幼女がいたぶられているようなイヤさが全編に渡って継続してしまうのは辛い。そういうの見に来たんだろうと言われればその通りなんだけど、ノイローゼや鬱描写がリアルで、気の抜ける場面がない。彼女が見知らぬ彼氏に優しくされる事、そして徐々に感情を交流する事で幸せオーラが負のオーラを打ち消したりすればいいのに、その辺がどうにもずっと一定なのがキツイ。そんなのはコロコロ変わったりしないというのが正論なのだろうけど。物語としての体裁を保てているのは水井真希の活躍が変化球で面白いからである。

SEXで人を傷つけると自覚したのでSEXできない少女
SEXで死んだ少年
少女をSEXの対象としか見ず襲う八百屋
少女と覚悟のSEXをする青年

エンドロールのカマキリの映像の概念からは外れるが、SEXする事で女子を死に至らしめる「槍ちん」男を出したら面白かったのではないか? 槍ちん男は相手の事など考えずバンバンやり殺していき、最後に青年の目の前で歯まんとSEXしようとする。どちらが勝つにしても盛り上がりそうである。


【銭】
UPLINK水曜1100円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
歯まん@ぴあ映画生活

『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オリオンの矢』シネ・リーブル池袋2


▲ポスター。バリ一見さんなので緑の人がどんな人だったかもう覚えていない。通学路で交通整理とかするのか?

五つ星評価で【★★★一見さん置いてきぼりだから、まー、しゃーないな】 
小説もTVアニメも見ず一見さん鑑賞。雑い解説が冒頭に付いてるので設定は分からなくないが、キャラ同士の関連性や誰が神で、神と人間の違いって何やねんみたいなのは見ながら学習した。ただ、見終わった今でも神と人間の違いは神自らが語る出自以外は分からん。そらあ、神様だから不死を捨て人の世に降りたといっても魔力は人間以上ある事は推察できるが。

見終わった後にチラシ見て分かったが、「オラリオ」と言うのは大陸とかではなく都市だとの事。「オラリオ」が都市である事ぐらい分かってから映画見に来いと言うぐらい高飛車に一見さんシャットなんである。何だよ「オラリオ」って、「カラリオ」と一文字違いでプリンタと間違えたらどうするよ。
そもそも『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』という題名の「出会い」はおそらく神ヘスティアと主人公ベルとの出会いで大方済んでしまっていると思うのだ。なので、物語は「出会い」と言う要素をほぼほぼ含まず「題名から遠いなあ」などと思いながらラストへと流れ込むのである。ラストは目頭うるむ。そんな展開もあるだろうなとは思っていたが。うん、泣かせには弱いぞ。ラストで眠そうなネロとパトラッシュが出てきたら泣くぞ(それ違うだろ)。

それにしても、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』ってタイトルは長い。いやいやまだまだ、これにサブタイトルが付くのだもの『オリオンの矢 Arrow of Orion』、精いっぱい長いぜ。

物語は別として一番驚いたのはワーナーブラザーズ製作の映画だった事だ。手広いな。最近、この辺りのオタク攻め路線のチョコチョコ作っとるな。アニメは実写と違って作っておけば世界展開しやすいかもしれん。

しかし、それにしても爺さんや婆さん見掛けない世界だ。何だか婚活対象者しかいないみたいな世界だ。それって弱い者(病人、老人)から死んでいく割と中世を思わせる厳しい世界なのかもしれない。だから「出会い」や、その先のSEX、また先の出産は大事かもしれない。そんな世界観の世界で貞操を司る女神が能力を失うと言うのは、それはそれでヤバい話ではないか。そうすると街々を襲うあの怪物は蔓延する性病の化身だったりして(AIDSとかだったら殺傷力あるのも納得できるし)。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円。会員期限切れて更新、更新料1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか - オリオンの矢 -@ぴあ映画生活

『疑惑とダンス』ユーロスペース1


▲そう言えば徳永えりってフラガールじゃん。

五つ星評価で【★★★★★こういうの大好き】
何故、こう他人の感情が高ぶってる様は面白いのだろう。

疑惑を持たれる徳永えりは真実などどうでも良く、徐々に徐々に態度や自論を変えていくのが凄い。戦士よのう。
その相手のイケメン木口健太のもうずっといっぱいいっぱいだけどヒステリーになってるだけで自分から事態を好転できないもどかしさの共感度が高い(あまり共感したくない立ち位置だが)。
ヒエラルキーの低い小村昌士がある意味純愛でもいい立ち位置なのに、決して純愛に見えず、誰からも軽い扱い方を変えられないのが映画を安定させている。
秘かに徳永えりを狙っていた先輩・小林且弥がカップルの不和を好機に彼女の肩に手をかける、その肩に掛けられた手を決して自分から振りほどこうとしない徳永えりの腹黒そうな部分。実はこっちの方が狸と狐のカップルで似合いなのかもしれない。
福田麻由子と川面千晶は引っ掻き回す。男はやった・やらないのオン・オフ的な争いなのだが、女はやっていても許せる、許せないという視点。基本、徳永えりの尻の軽さを知っているのかもしれない。

結局、結論は出ずにダンスなのだが、あのダンスがどこか常軌を逸していてついつい注視してしまう。


【銭】
中編作品なので当日一般1200円。ユーロスペース会員割引で-200円の1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
疑惑とダンス@ぴあ映画生活

『パペット大騒査線』シネクイント


▲「これがハリウッドの相棒だ!」って水谷豊はこんな下ネタやらんだろ。

五つ星評価で【★★下ネタは嫌いじゃないけど、そこにしか活路を見いだせず成功してないのは痛ましい(性交はしてると思い付いたが、それ自体が寒くてたまらない)】 
パベットと人間が共存する町で元刑事のパベット探偵が元相棒のおばさん刑事と猟奇事件に挑む。
とにもかくにもパペットで下ネタやり尽くしたぞという一本(一本が違う意味に聞こえるがな)。下ネタ以外も差別ネタや猟奇系も入るが、「見て見て、パペットをこんな冒涜に使う俺ってクール」みたいな感じで不道徳がワンパックぎゅうぎゅう詰まってるだけな感じで、思想性は感じられない。いや、こんなんに思想性はなくてもいいのだが、不道徳を詰め込む事に熱中したあまり、思想性はともかく、娯楽性が高まらなかったのは残念だと思う。ベースになるアクション映画として極めて「のっぺり」な作りになってる(鈍器で殴られたように寝てしまったから一応「おそらく」と言っておこう)

エンドロールで映る撮影風景がジャッキー・チェンの現場のように楽しそうなのはいい。
と言うより、このエンドロールでパペットを使う撮影がこんなんかと分かるのが一番おもろいと思う(撮影現場と仕上がり映像が全然違って意外性がある)。ある意味、これを副音声とワイプ映像みたいなので見せた方が面白いんじゃないかと思ってしまうのは『カメラを止めるな!』を見たからかもしれん。編集にセンス求められるから難しそうだけど。
ノーカット生放送でやれ、言うたらTV初期の『ひょっこりひょうたん島』とかにほぼほぼ近くなるのかな。あれはパペットちゃうでとヘンソン御大は言うかもしれんが。


【銭】
シネクイント、テアトル同様水曜日は1100円均一と言うのも復活しても残ってた。それを利用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)@ぴあ映画生活

『硫黄島』『叛乱』『黒い潮』シネマヴェーラ渋谷

特集上映「俳優が監督するとき」から3プログラム。

◆『硫黄島』
五つ星評価で【★★ザ・大坂士郎】
1959年、白黒、88分。16ミリのシネスコ(笑)、初見。
宇野重吉監督。16ミリでシネスコなんて映画あるんだな。上下黒身で画面小さくなる。いや、映写機の位置を調整してピントを合わせればスタンダードより大きくなるのかもしれないけど(16ミリの映写機は据え置くよりは持ち運んで設定するというイメージがある/そのイメージが正しいかどうかは知らない/映写技師でも何でもないんだし)。
大坂士郎が硫黄島からの帰還兵を演じる。彼の生前の足跡を探るルポの旅だが、近所の子供、女性、職場の若者などに聞く彼のイメージが酒場で管を巻いている新聞記者の接した彼のイメージと大きく異なる。日常生活から戦争を排除しようとしている姿勢と、それでも追いかけてくる悪夢との衝突なのか。大坂士郎って思ったより得体の知れない役者だ。メモは本当にあったのか、戦場で託されたらしい写真と戦後その戦友の妹が苗字が違う訳などほったらかしになってる伏線もそこそこあって、何だか薄気味悪い映画。
戦闘の場面は基本的にない。戦場の描写はあるが、基本、逃げる事しか手段が残されていず、戦争にならない。「掃討」と言う言葉の方が似つかわしい。敵軍人も出てこない。敵軍人が出てきた時には主人公達はもう生きていないだろうから。
神保町シアターで特集も組まれる女優、芦川いづみを初めて見た。なるほど綺麗だ。



◆『叛乱』
五つ星評価で【★★登場人物、多すぎ】
1954年、白黒、115分。初見。
佐分利信監督。226の青年将校に寄り添った映画。昔からある「事を進めてしまえばどうにかなる、ならなくてもどうにかしてみせる」調の無計画な精神論により決起が起こされ、それを否定していた主人公の細川俊夫がその流れに呑みこまれていしまうのが切ない。青年将校の中に丹波哲郎がいる。割と目立つ顔。珍しく一言も話さない。青年将校の中に沼田曜がいる。いてもよかろう。『地獄』以前はまあ、そこそこ普通の役者だった筈だ。青年将校の中に阿部徹がいる。何か、阿部徹の顔一つで青年将校の純粋さが打ち消されてしまう気がする。いい意味でも悪い意味でも強い顔。阿部徹は出来るならいない方が良かった。それにしても登場人物が多すぎて、もちょっと整理してほしかった。これは役者の顔が分かってる同時代の人が見るともっと見やすいのかもしれない。             
牢屋から刑場に運ばれていくまでに顔を隠すのに使われる目の所だけ開いたお面状の紙が、大昔の仮面ライダーの悪役クラゲダールを思い起こさせる。226の青年将校達も自分達がクラゲダールに見えると思われてるなんて想像もしなかったに違いない(生前にクラゲダールが存在しないのだから絶対想像が出来んだろ)



◆『黒い潮』
五つ星評価で【★★★着実だけど爽快でない】
1954年、白黒、112分。初見。
山村聰監督。国鉄総裁が轢殺された下山事件の開始からその事件が新たな事件に呑みこまれて薄まっていくまでを描いた新聞記者もの。事実を描くジャーナリズムと販売力を競うセンセーショナリズムとの間で、あくまで事実を描く事にこだわったデスク席を山村聰が熱演。周りからバカ扱いされながら愚直に正しい事をする山村聰が「これぞ山村聰」なのだが、今の新聞がそうであるように、山村聰も決してこの経済第一の世界では自分の立ち位置すら保持できない。これは正しい事をして負ける映画なのだ。山村聰の上席の部長がこの「負け」について、「しょうがない。いつも負ける。でも、続けるんだ」と言う。この上席も山村聰同様痛い目を合わされているのだが、迎合しない。とてもかっこいい男たち。そして、現場を見て山村聰に対する社の扱いの酷さに激昂する乙女・左幸子が可愛い。
厳しい新聞と離れた所で、山村聰の友人として浮世離れの人物として出てくる東野英治郎が気持ちいい。因業爺ばかりじゃなく、こんな明るい役も出来たのね(いや、因業爺役の東野英治郎は大好きよ)。
まあでも、やっぱり勝って終わってほしかったではある。

劇中「愛する人よ、さようなら」のセリフが並のホラー以上に怖い。あれは何でだろう。そこに感情の残滓が残っているように見えないからだろうか。



【銭】
最初に見た『硫黄島』の際、会員証の期限が切れたので1年更新、更新料1000円。もう、この3本で取り返している。
それぞれ通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
硫黄島@ぴあ映画生活
叛乱@ぴあ映画生活
黒い潮@ぴあ映画生活

5年ぶりにCD買って聞いた。

流しのCD屋(イベントスペースなんかで売ってる奴)で1枚50円で3枚GET。どれもレンタル落ち。つい、レアカテゴリのレア記事に手を出してしまう。

志穂『Love Sequence』COCA-7391
 名前だけタレントは特定がむずい。ウィキによると旧名坂本志穂。
 一時スキンヘッドなどにもしたセクシータレントの4枚目のアルバム。
 ムチャクチャにグッと来ない。歌わされてる感バツグン。
 セクシータレントと言うならせめてビジュアル頑張ればいいのに
 アルバムに写真2枚って、あーた。
 こいつのみ積極的に破棄。

ヘキサゴン オールスターズ『WE LOVE💛ヘキサゴン』PCCA-02765
 クイズ番組「ヘキサゴンⅡ」の楽曲アルバム1枚目。
 クイズ番組で楽曲アルバムを何枚も出していたのが異常。
 だけど懐かしい名曲が揃ってる。
 羞恥心「羞恥心」、Pabo「恋のヘキサゴン」、羞恥心「泣かないで」
 羞恥心「我が敵は我にあり」、アラジン「陽は、また昇る」とか
 懐かしくてえーがやな。
 この後にもアルバムは3枚出てるが、聞いてはないが小粒ちゃうか?
 羞恥心はメロディーも歌詞もいい。
 そんなに上手すぎない感じも逆に安心できる。
 歌の下手さで目立つのが品川庄司の品川。
 歌の上手さで目立つのが唯一の本職歌手misono。
 女性は基本paboとmisonoだけってのがレベル上げに貢献してる。

『真夜中の弥次さんと喜多さん』JACA5023
 同名映画のオリジナル・サウンドトラック。
 ゲロ吐くほどの名盤ぽい。そんな名盤を50円で買えて良かった。
 セリフとボーカル曲とBGMがトラック分けて入っている。
 BGMロックチューンが人生傷まみれ感高くていい。
 BGM凄くダメなヒモのロックという言い方でもいいか。
 松尾スズキの「ヒゲのおいらん」気持ちいい。
 基本、ボーカル曲はどれもよいのだけど
 長瀬智也+中村七之助は劇中人物なりきってちゃんと聞かせる。

『サイコパス SS case.3 恩讐の彼方に』東宝シネマズ海老名6


▲見下ろすフレデリカ、途中からテンジンを見やる狡噛、狡噛に追い付こうとするテンジン。

五つ星評価で【★★★ピースにはめづらい一作。】
前回前々回同様60分の長さが見やすい。case2からの繋がりがある為、case1の独立してしまった感じが気になる。ただ、話の上ではどれも独立しており、三作で一本という纏まりは感じられない。つまらなくはないが、モヤモヤする一本。
case1もcase2も物語の中心は犯罪の捜査にあったので、case3のドロップアウトした捜査官が傭兵となり、自分の過去を見つめ直しルート復帰する物語はキャラクターありきのスピンオフであり、サイコパス全体の中ではあっても困らないが必ずしも必要なピースではないように思える。もっともこれは私がこのシリーズを劇場版しか見てないニワカだから思うのかもしれない。逆にサイコパスの世界とは全く独立した物語として作成した方が、「サイコパス」の設定に引きずられず面白くなりそうなのだが、それは集客面からプロデューサーがOKのGOを出せんかもしれない。

傭兵として生きていく上では狡噛は甘すぎる。傭兵としてなら体力的優劣は別にして、とても上手く立ちまわる花城フレデリカの方が適任に思えてならない。その花城が狡噛のスカウトによこされるのは又、皮肉な人員配置だが。とりあえず、主人公が最強の位置に君臨してくれないのは何か物語上の弱点だ。あと、この辺りのアジア圏でのゲリラ戦に新鮮味がないのは『劇場版サイコパス』などで何回か同趣向の戦闘を取り扱ってしまったからだろう。今回はここが違うという新味がない。

キャラクターとしては、復讐を誓うが狡噛との出会いによりその考えに揺らぎが生じるテンジンが、作画の力の入れ方と相まってとても魅力的である(少なくともアニメーターに物凄く好意を抱かれて描かれている)。


【銭】
一般1500円。前回同様60分の長さなら1200円くらいまで下げてほしかったというのが本音だ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」|映画情報のぴあ映画生活
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『劇場版エースをねらえ!』ユジク阿佐ヶ谷


▲そう言えば『ピーマン80』の併映作品だった。宣材の絵のタッチが未来志向すぎて気持ち悪い。これ、ヒカシューの『うわさの人類』のジャケットに寄せてない? いや、寄せてないだろうけど、総合的なイヤさが何かある。

五つ星評価で【★★★問題はあるが面白い】
企画「公開40周年記念特別上映」。
1979年。カラー、90分、初見と思ってたら「雨の日は五右衛門蹴とばす」のファースト・カットを覚えてた。おそらく二回目。

絵が美麗。
登場人物がみなスラっと少女マンガスタイルで、肥満児とか一人もいない。みんな脚とか長くて、これはこれで人体描写時の黄金律じゃなかろうかと惚れ惚れする。演出もキッチリ決まってる。問題があるとすればプロットとか、ストーリーだ。これ、物凄く長い話をあちこちツギハギしてどうにかこうにか時間内に収めている。要は話の盛り上がりの「盛り」の部分だけ切ってくっつけてる。すると、次から次へと岡ヒロミが理不尽に高い要求を突きつけられ、それを努力で乗り越えるの連続になってしまう。いわゆる「シゴキ」シーンがずーっと続いてるのだから平坦だ。こんなに平坦であるのに恐ろしい事に退屈しない。なんちゅー演出力の的確さよ。宗方仁コーチに見込まれた岡ヒロミは落語真打試験の百人抜きのように序列を飛ばしてしまう。飛ばされる代表である音羽京子との確執や和解くらいは描くべきじゃないか。この劇場版では音羽京子は可哀想な事にただの抜かされ要員であり(やーらしー意味でなく)、虐めさえさせてもらえないのである。多分、この映画の一番の被害者は彼女。

岡ヒロミは可愛いが相棒の愛川マキが無性にいい奴である(二人とも声、上手かったなあ)。
そして、お蝶夫人と緑川蘭子はやはり30くらいに見える。
宗方コーチと緑川蘭子がソックリ。宗方コーチの母(蘭子の母とは別人)は岡ヒロミに似ているらしい。なんて強力な男親の遺伝子。宗方コーチが岡ヒロミを選抜した理由が思った以上に『B v S』の和解チックなのには唖然としてしまった。

主題歌は旧TVシリーズのが好き。「 ♪ 青春~」って歌詞、ちょっとむず痒いよ。


【銭】
一般料金1500円。
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劇場版 エースをねらえ!@ぴあ映画生活

『首』ラピュタ阿佐ヶ谷

五つ星評価で【★★★凄い傑作である筈なのだが花粉症に殴られながらボーっと鑑賞】
企画「演技者・小林桂樹 役を全うする」の1プログラム。
1968年。白黒、100分、初見。

ラピュタ阿佐ヶ谷はそんなに大きな劇場ではないが、満席近く入るとちょっと息苦しい。椅子椅子間がそんなに広くない。
小林桂樹が社会正義実現のため事件を解決しようとしてるより、官吏の悪い態度に憤懣やるかたなくなって暴走してるように見える。首を入手する段も熱意のほどが強すぎて単に首が欲しくて欲しくてたまらないおかしな人に見えてしまうのは私が花粉症とその薬でどこかおかしいのでしょうね。ラスト憂さ晴らしの為にザクザク傷つけられるよく分からない首モデルが可愛いと思う。


【銭】
一般料金1200円。
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首@ぴあ映画生活

マンガ『弱虫ペダル 第13巻』渡辺航、少年チャンピオンコミックスを読書する男ふじき

また一冊だけ安い棚から。

荒北どうしたという感じで、荒北の事はグイグイ語られそうと思った予想以上に語られない。

箱学、総北、京都伏見でインターハイ一日目。
二日目が始まって田所っちの不調が心配される中で次巻。いい引きだ。

『追想』早稲田松竹

名画座企画「伝説の戦争カルト映画たち」。

五つ星評価で【★★花粉症の季節なので】
初見。
花粉症の季節、薬を飲んで思った以上にヘロヘロで見たら、過去と現在をスイッチバックする技法に完全に頭が付いていけず。いやいやいやいや、フランス人とはテンポが合わないんだよ。ロシア人とは更に合わないけど。
以前『新宿純愛物語』でキレッキレのチンピラ・ヤクザが火炎放射器を手に主人公を追い詰めようとするシーンに「なかなかこれは絶望的でいいわい」とやられたのだけど、ナチスの鉄兜が火炎放射器持ってるのも同様に超弱肉強食という感じで良かった。
フィリップ・ノワレは若い時から(実はこの時点で既に若くないが)かっこよくないなあ。小林桂樹みたいなスタンスか。顔は鶴田忍っぽい。このノワレが地の利があるとは言え、ライフル一丁でナチスと戦えてしまうのが、そこが面白いと言う人もいるけど、そこが信用に欠ける、そんな風に感じてしまう。ノワレの顔がベースが泣き顔であり、狂ったような怒りの情念を感じづらかったからかもしれない。


【銭】
レイト一本立て特別料金1000円。
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追想〈1975年〉@ぴあ映画生活
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