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『ウルトラセブン Legend』トーホーシネマズ池袋1

◆『ウルトラセブン Legend』トーホーシネマズ池袋1

▲ダン。

五つ星評価で【★★★★こんなん泣く泣く】
「ウルトラセブン」は子供が大人に立ち向かえるコンテンツだった。決して「子供騙し」ではない。
だから、当時の子供たちは「セブン」を推した。多くの人にとって推しの特撮ドラマだったのだ。
そんな「推し」をベタぼめしてくれる。気持ちよくない訳がない。
「特撮プロジェクトⅩ」みたいなもの。そら、泣く。
画面もでかいし、音もいいし、当時のフィルム映像が大画面に負けていない。
そして褒めまくるのだ。こんなん泣く泣く。

もちっと述べてもらいたかったのは欠番の12話の話と、
金城がノンマルトに仮託して語ったのは映画内で「米兵と日本人」みたいに言われているが、実は「ヤマトンチュー(内地の人間)」と「イトンチュー(沖縄県民)」の構成だった事だ。キリヤマの雄姿はアイヌや琉球王国を滅ぼした現生日本人であるのだと。

コメント先のブログ「徒然なるままに」のエクスカリバー氏が言うように10年早く作れなかったのか、と言うのは正論であるが、出来た事を素直に喜びたい。出来れば、これを契機に、円谷の他の作品も同じように取り上げてもらいたい。


【銭】
番組特別価格1600円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ウルトラセブン Legend@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ウルトラセブン Legend@徒然なるままに
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『ジョン・ウィック コンセクエンス』トーホーシネマズ新宿4

◆『ジョン・ウィック コンセクエンス』トーホーシネマズ新宿4

▲大げさな舞台設定も含めて『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』感が強い。真ん中のあれもあれだが、キアヌ・リーブスがGACKTで、ビル・スカルスガルドが片岡愛之助でも思った以上に違和感ないと思う。しかし、こうやって大道具小道具見てると本当に魔夜峰央チックな世界観で、キアヌ・リーブスとビル・スカルスガルドがディープ・キスしたりしても格段に絵が持ちそう。その辺の感覚で見るとドニー・イェンと真田広之はちょっとランク落ちするかも。ホモはやはり西洋人同士だな。ネオテニー族である東洋人は少年愛が映える(脱線の仕方がひどい)。

五つ星評価で【★★★なげーよ】
単純に長い。
169分はいらないだろ。時間に余裕のある若者と違って、老人に残された時間は少ないし、長いとよっぽど面白くないと脳が持たない。もう、ずっとアクションに次ぐアクションで169分と言うのはアクション・ジャンキーにはたまらないだろうが、私は普通の人なのだ。もしくは普通以下の人なのだ。だって、キアヌ・リーブスがヌンチャクを使うシーンなど色々なバリエーションを使って延々と敵と対峙するが、あれ、あんなに長くなくていい。バリエーションなしは勿体ないにしても5人や6人、延々と全バリエーションを見せなくてもいい。アクションの図鑑だったり辞典にしなくていい。あの銃をはじくスーツも決着が付きづらく、アクションのかっこよさを削いだ。ガッと撃ってガッと倒すかっこよさと言うのもあるのだが、全て受け流す形にして爽快感を奪った。無敵感は増したし、そういう銃を受け付けない相手のピンポイント弱点を撃ち抜く事で勝つ技術の強さも見れるのだが、それは通常のルーチンな銃撃戦と違うのでカタルシスを得づらい。

ドニー・イェンや真田広之を堪能しつつも全体としては疲れた、終わった、まあこれで纏まったという安堵の方が強かった。「スター・ウォーズ」サーガ見終わった時みたい。
神なドニーさんは勿論、真田広之も美味しい。やりようによっては銃に置き換えて渡辺謙キャスティングでも成立しそうだけど、アクション役者の真田広之を見れるのは凄く良い。そこは嬉しい。

しかし、そんな強者がヒイヒイ言う中で、犬持ちの黒人のメンタルが妙にアマチュアでバランス悪くない? 犬が大事なのか。

「ビル・スカルスガルドビル・スカルスガルドビル・スカルスガルド」三回言うと早口言葉だ。

真田広之の娘役リナ・サワヤマのスタントダブルを『ベイビーわるきゅーれ』の金髪の子がやっていて、モロ『ベイビーわるきゅーれ』と同じ動きが採用されていたのは嬉しかった。おれ「ジョン・ウィック」よりは「ベイビーわるきゅーれ」の方が好きなのだな。一作目の『ジョン・ウィック』は単純明快なアクション物で好きよ。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーズデーで1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ジョン・ウィック コンセクエンス@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ジョン・ウィック コンセクエンス@ノラネコの呑んで観るシネマ
ジョン・ウィック コンセクエンス@ここなつ映画レビュー
ジョン・ウィック コンセクエンス@風に吹かれて
ジョン・ウィック コンセクエンス@ノルウェー暮らし・イン・原宿
▼関連記事。
あとで

『野獣たちのバラード』『アダマン号に乗って』『Dr. Bala』『バンクシー 抗うものたちのアート革命』『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』『共に生きる 書家金澤翔子』『わたしたちの国立西洋美術館』『夢みる校長先生』『シン・ちむどんどん』『キャメラを持った男たち』

実話系で10本。寝かせすぎて記憶が定かじゃないから簡単に。

◆『野獣たちのバラード』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★宇野重吉の声が重くて良し】
特集「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」の1プログラム。
1965年、白黒、125分、初見、ミハイル・ロンム監督作品。
ソ連から見た第二次大戦中のドイツの独裁主義を弾劾する映画。最初に子供の笑顔を見せておいて、その映像にアウシュビッツの死骸の映像を被せてくるのは効果的だが、そんなんやるなよなしんどさ。
1000年持たせるヒトラーの本『我が闘争』の作成風景とか凄い。アドルフさん達、本気だったんだな。


◆『アダマン号に乗って』新宿武蔵野館1

▲アダQ、アダマン、アダセブン、帰ってきたアダマン。何言っとんねん、俺。

五つ星評価で【★★穏やかな船の様に流れがゆるやか】
フランスのセーヌ川に浮かぶデイケアセンターの船「アダマン号」の患者や看護師、職員の日常を映しだしたドキュメンタリー。上手い事回ってるので衝突や諍いも目を引くほど起こらず、映す姿が日常的。フランス人の病んでる人、介護してる人の見分けもそうそうつかず何となく船に乗るとか乗らないとかでなく、映画に乗りそこなった。
ちなみにアダマンチウム(ウルヴァリンの爪の材質)で出来た船ではない。木造船だそうである。


◆『Dr. Bala』ポレポレ東中野

▲海外の無医村にどんどん出ていく日本人医師バラー。ちょっと外見、山本太郎っぽい。

五つ星評価で【★★★★凄いよバラー】
規格外の医師バラー。大金を取らない現実的なブラック・ジャックみたいな先生。善人が活躍したり、褒められたりする映画は嬉しい。凄く面白い映画なのだが、感想ほっておいてる間にすっかり忘却にやられてしまった。


◆『バンクシー 抗うものたちのアート革命』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲バンクシーのイメージって肌の露出がない。案外、中山きんに君みたいだったら笑う。

五つ星評価で【★★作品より解説が長い】
出自や経緯は知らないでもないし、謎の覆面アーティストだから、全てを明らかにする事もできない。ならば、業界の人が御託を並べるよりも、より多くの作品が見たかった。バンクシーに対して、誰かが何かを語る部分の多さにちょっと辟易した。バンクシーの外聞が知れても、それが分かって作品の価値が変わるとも思わないから。


◆『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』ポレポレ東中野

▲「先生の言うことを聞いていたのに!!」と言うのがキラーワード。

五つ星評価で【★★★★当たり前の事が捻じ曲げられていく、それを許さないとした人たちの戦いの記録】
東日本大震災の津波が起こった時、被害にあった小学生の親達が自分たちの子供が助かったのではないかという事を争う裁判を追ったドキュメンタリー。誰かの罪を明らかにしようという目的ではなく、ここで事実を明らかにする事で次の被害を防ぐという正しい考えがある。そんな彼等に隠蔽しようという外圧がかかったり、組織内部での分裂が起きたり、たいへんつらい内容をフラットに撮影している。やらなければいけない事をやるプロの弁護士達がかっけー。


◆『共に生きる 書家金澤翔子』シネスイッチ銀座1

▲多分、私や普通の人の頭の中に「書家」や「芸術家」は必要以上に苦しみを感じて悲壮な思いで芸術を生み出さなくてはならないという固定観念がある。

五つ星評価で【★★★いい話だがいい話なのか】
ダウン症と診断された娘を書家として独り立ちさせる母の話、娘の話。
ただ、危ういなと思うのは「書」は体裁が整えば内容・精神が伴わなくても、立派に見えるので、形状記憶装置のブラックボックスロボットとして娘が「書」を出し続けてるだけなのでは、という疑問がある。それは私がたいそうな悪筆持ちであるにもかかわらずそういうインチキ書道が割りと得意だからそう思うのだ。粘度の高いポスターカラーを少量の水で溶いて面相筆に含ませて、筆を寝かせて書くと、それなりにダイナミックな書家らしい字体になる。もちろん私は高貴な精神性ゼロでそういうのが書けるのだ(書家らしいと自認してるだけで本当に人に鑑定されたらコテコテにダメ出しされるかもしれん)。
でもまあ、よかろう。精神性があろうが、なかろうが、古代中国の写経や写本を写して国内でも学生書道家が上手下手を争ったりするのだから(ソースは『とめはねっ!』)。そこに何が書かれているとか、どこまで意識しているか分からない。なら、ダウン症の彼女もそう違いがないのではないか。多分、何となくコンプレックス的に、そこで追い抜かされると思わなかった存在に追い抜かされた事がイヤなんだよな。


◆『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』イメージ・フォーラム2

▲「いたたたたたたたた」

五つ星評価で【★★★国立西洋美術館の精神性が凄いのだが、鑑賞者の精神性が劣り気味なので、あまり伝わらず】
彫刻運ぶとき、ギプスみたいになる外観がおもろいなと思った。他は特に記憶なし。


◆『夢みる校長先生』シネスイッチ銀座1

▲「校長先生の夢は全女子生徒と結婚する事です」「そんな映画の訳があるかあ!」

五つ星評価で【★★★校長先生が夢を見たっていいじゃないか】
キョンキョンがナレーター。
校長先生が、と言うか、一つの教育単位として、学校が他と違う事をやろうとすると、割といろんな手があるのだ。その上手くいった例と、その手引き集。


◆『シン・ちむどんどん』ポレポレ東中野

▲対抗二人のダメ加減を見て、そら、玉城デニー勝つやろと思った。

五つ星評価で【★★★てーげーな題名だ】
ダースレイダーとプチ鹿島による選挙映画第二弾。
第一弾の方が楽しく見れたのは途中から「沖縄」への傾倒が大きくなりすぎたからか?


◆『キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る』ポレポレ東中野

▲後ろでチロチロ燃えている。今よりずっとみんなステテコ。

五つ星評価で【★★惨状見たさに見に行った俺がダメ】
関東大震災の時、その惨状を映画フィルムに残した人達がいた。
どんな人達がどんな経緯で撮影したか、などの検証。
「すんげえ惨状」みたさに見に行くが、そんな「すんげえ惨状」は映らない。
遠方に煙が見えたり、人が密集してたり。
パニック状態がひどいと、カメラ撮影もできそうにないし、あまり状態がひどいと撮影クルーそのものが被災に会ってフィルムも残らなかっただろう。
ただ、何気に撮影した地面に死体が積み重ねられており、その意思のない脱力さと、膨らみ方が、空襲やナチスの収容所で見れる死体の山と同様であり、今、死に行く人は撮影できなくても、死んでしまった人は山ほど身近にいた異常さを垣間見させてくれる。


【銭】
野獣たちのバラード:シネマヴェーラ渋谷一般料金1300円-会員割引400円。
アダマン号に乗って:武蔵野興行水曜サービスデーで1100円(おそらく旧料金)。
Dr. Bala:ポレポレ東中野5回券6000円のうち2回目使用。2023年2月19日購入。
バンクシー 抗うものたちのアート革命:テアトル会員割引+曜日割引で1100円(旧料金)。
「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち:ポレポレ東中野5回券6000円のうち3回目使用。2023年2月19日購入。
共に生きる 書家金澤翔子:テアトル会員割引+曜日割引で1100円(旧料金)。
わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏:イメージ・フォーラム月曜サービスデーで1200円(おそらく旧料金)。
夢みる校長先生:テアトル会員割引+曜日割引で1200円。
シン・ちむどんどん:ポレポレ東中野5回券6000円のうち4回目使用。2023年2月19日購入。
キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る:ポレポレ東中野5回券6000円のうち5回目使用。2023年2月19日購入。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ありふれたファシズム 野獣たちのバラード@映画.com
アダマン号に乗って@映画.com
Dr. Bala@映画.com
バンクシー 抗うものたちのアート革命@映画.com
「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち@映画.com
共に生きる 書家金澤翔子@映画.com
わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏@映画.com
夢みる校長先生@映画.com
シン・ちむどんどん@映画.com
キャメラを持った男たち 関東大震災を撮る@映画.com

『野獣たちのバラード』は映画.com内では『ありふれたファシズム 野獣たちのバラード』というタイトルで表記。

『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』イオンシネマシアタス調布7

◆『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』イオンシネマシアタス調布7

▲はいせんす。

五つ星評価で【★★★★好き】
むちゃ直球でくだらないが、絵がステキ。
死屍累々と打ち捨てられているトビタの絵の悲しい事。
ウィリー・ウォンカ風タコ工場の何も意味のない事。
見た事がない奈良の鹿のマシマシ。魔境群馬みたいで笑った。
あれの発射シーンのCGの素晴らしさと迎撃するあれのCGの素晴らしさ。
見せるべき物をちゃんと見せるという意味では『ゴジラ-1.0』にも負けないVFXだった。ああいうシーンでオモチャと分かるようなチャチな絵ではいけない(逆手に取るやり方もあるが)。「おお、やっとるやっとる」と唸ったがな。あの辺のCGの繋ぎと田んぼアートが違和感ないの偉い。田んぼアートもCGだったりして。トビタは怪しいが鹿はCGだろう。ユリヤン・レトリバアもあれくらいいそうであるが、多分あんなにいっぱいいる訳ではあるまい。
池袋も笑った。あんな狭い場所に東武も西武も詰め込んで。埼玉の土地パース的には池袋はあんなんなのかもしれん。
現代パートのアキラ100%、和久井映見、朝日奈央の普通な感じは好感持てる。朝日奈央なんてあのラストのドタバタシーンとか普通に演技上手い。アキラ100%にお盆を渡してあげるのも優しい。小者をやらせると抜群にはまるアキラ100%。多分、お盆の下も小者だと思う。そんな小者と仲睦まじくも絶対主導権を握ってるであろう和久井映見のお年を召しても可愛らしい事。エンドロールテロップだとこっちが「現代パート」、「菅田将暉」は現代とちゃうんけ? 
てな訳で「現代パートじゃないパート」、富裕層はみんな白塗りでアイラインやアイシャドウが地下演劇の様に塗りたくられている。テカテカラメラメ。貧乏人は江戸時代のようにアース・カラー。感覚的に昭和初期だが時代劇の百姓の衣装そのままだが、何となく見れてしまう。囚人服がズタ袋というのは卓越した悪いセンス。なかなかあーまで貧乏にはできん。この過剰な乗りが好き。
GACKT、二階堂ふみの既出コンビは前回と変わらず。ちゃんと魔夜峰央のマンガのキャラっぽいの凄いよなあ。
杏と片岡愛之助、やりすぎ感が口摘まんで鼻からコーラ注ぎ込んだような狂った世界観の中でバランス取れてて程よい。杏の他の映画と変わらない、それ以上の熱演が映画の嘘を確実に成り立たせていた。真面目にやるのはいい事だ。片岡愛之助は踊るのよいよい。京都川崎麻世なのね。山村紅葉に負けとる。天童よしみ一節でも歌わんと。藤原紀香はいい使い道だよなあ。先代大阪府知事がハイヒールモモコらしいが一瞬で分からん。杏は男役なのだろうが、もう、男でも女でもどうでもいい。「煮るなり焼くなり抱くなり」はよいなあ。剥いてみたい。藤原紀香は実はいい人なのだと思うけど、剥いてみたいとは思わせない。でも、二階堂ふみもこの映画では剥いてみたいとか思わせないから、そんなに悲観する事もないか。

しかし、こんなんは世界に持っていっても受けんだろうなあ。ベースの知識がそこそこ必要。だから、前作のただただ理不尽に埼玉がディスられている構図とは別に、大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀などの県ごとの特性が分かっている方が楽しめる。

エンドロール流れる中、漫才って新しい。

とびた、偉かったよ。


【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて@或る日の出来事
▼関連記事。
翔んで埼玉(前作)@死屍累々映画日記・第二章

『ザ・キラー』ヒューマントラストシネマ渋谷3

◆『ザ・キラー』ヒューマントラストシネマ渋谷3

▲銃を撃つ姿勢の安定さが正しい。

五つ星評価で【★★★★常に自問自答し続ける主人公が好き】
ツイッターでの最初の感想(↓)

天才型ではない秀才型の殺し屋が危機を対処し続ける。日本人はこのタイプの主人公好きだろう。綿棒みたいな女がなるほど綿棒だ。

自分の行動を常に抑制しながら最良の手を探す主人公が「器用なタイプに見えない」ので、強いシンパシーを感じる。一つ一つ着実に物事を進める。失敗失跡は取り返す。たいそうに事務的。『ジョン・ウィック』と対照的だが、「伝説の殺し屋」という伝説の為に、無敵がエスカレートしすぎた『ジョン・ウィック』より、地道に社会に溶け込んで淡々と人を殺す『ザ・キラー』の佇まいの方が好ましく思える。殺される方から見たら変わらないかもしれないが。殺し屋がスターな映画も面白いけど、リアリティーは低い。リアリティーが高ければいいというものでもないけど、あまり低いのもどうかと思う。

主人公は映画内で5、6人の人間を殺すのだが、対同業者戦が熾烈を極めるのがやはり良い。
ドカンドカンバカンバカン破壊しまくるマッチョと人生観を戦わせる綿棒の女。綿棒の女の食えない感よし。ティルダ・スウィントンって変なキャラがよくり似合う。ちょっと昔だったらシャーロット・ランプリングがキャスティングされそう。

ある意味、機械の様に殺戮する。殺戮に際し、最良の手段を考え続けるという意味で、『ゴブリン・スレイヤー』にも似てる。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ザ・キラー@映画.com

『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』イオンシネマシアタス調布4

◆『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』イオンシネマシアタス調布4

▲かなり重要なシーン。

五つ星評価で【★★★さっぱり分からん。頭のいい映画】
まあ、よう分からん。
にしても、今、日本で作られるアニメの中で最高に頭のいいクリエイター達によって作られた物語である事は間違いない。客としての私が付いていけないという事だろう。最高峰に付いていけないのはしょうがない。
世界中にポストヒューマンと呼ばれる現人類を脅かす存在が現れ、その存在を米帝と日本の公安9課が追うと言うのが前回の粗筋。
今回はそのポストヒューマン出現の謎や、ポストヒューマンが目指す新社会に向けての争いが描かれるのだが、目指す新社会が今一つ理想に思えない。エヴァンゲリオンの全ての物が一つの「人類」という規格に統一され、軋轢がないように夢を見ながら生きるという「哲学概念」のような世界が提示されるのだが、これがとても素晴らしい世界には見えない。エヴァンゲリオン+大人帝国+マトリックス? 

ポストヒューマンと戦うのに自閉モードというのを使う事も分かった。シェアされている視覚データを外し、自己ボディーが取得した視覚を使う。割と大した事がない技術だった。

江崎プリンが思った以上に大事な役で驚いた。


【銭】
番組特別価格1900円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間@映画.com

『ザ・クリエイター 創造者』トーホーシネマズ新宿11

◆『ザ・クリエイター 創造者』トーホーシネマズ新宿11

▲ジョシュアと高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井 賢を含む物。

五つ星評価で【★★★よいSFに酔う】
AIと人間の戦争。ロボット三原則を入れておけよ、と思わなくもないが、警察官はともかく、軍人として作成されたりするからそうはいかないのか。

他国だろうが何だろうがドローンを飛ばして、自分達の脅威を排除しまくるアメリカを否定する映画。
主人公はアメリカで、対戦国はアジアとされているが、対アラブだとメッセージがリアルすぎて娯楽を損なうから対アジアにしたのかもしれない。対アジアだとベース宗教が仏教だからというのもある。対戦国をアラブに変えて、現地のイスラムやクリスチャンがバンバン殺されるのはちょっと刺激が強すぎるだろう。

主人公は戦争で失ったボディーを義足義手で補っている。半機械だがそこに疑問は持たない。身体の一部や全部が機械であっても、脳が人間なら人間だ。「すごーい、ジェミーはロボットなのね」と護衛対象の少女に言われて落ち込む『バイオニック・ジェミー』も今は昔。その「脳が人間なら人間だ」という考えを揺さぶるのが少女のAI「アルフィー」。一見少女だが、内部に高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井 賢を含む。嘘です。もう一つ強力なギミックがあって、死者の脳情報をすっきりコピーしまくる機械が出てくる。その機械により抜き出された情報を移植されたロボットは果たして人間なのか、機械なのか。思考実験としてとても面白い。

人間側で主人公を追い詰める女軍人が食えない奴で良い。

渡辺謙の役はおいしい。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーズデーで1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ザ・クリエイター 創造者@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ザ・クリエイター 創造者@ノラネコの呑んで観るシネマ

『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』ヒューマントラストシネマ渋谷1

◆『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』ヒューマントラストシネマ渋谷1

▲電子モアレ盛り盛り増し増し。

五つ星評価で【★★★★何か分からんけどおもろくて疑問は残るが、それはそれでよし】
ツイッターでの最初の感想(↓)

新作かと思ったら新作公開前のアンコール上映だった。ほぼ忘れてたから丁度いい。バリバリオタク狙いキャラのプリンちゃんは好き。

と言う訳で、2回目。初見は公開時の2021年だが、その際に感想は書き漏らした。
タチコマや江崎プリンの宛て声が素晴らしく軟弱で、好み。
江崎プリンはあんな美脚で、才能溢れているのに、感情ダダ洩れで、制御しやすそうな童顔巨乳、要はやらせてくれる女フラグの塊なので、ごくごく普通にオタクはそういうの好き。みんな優しさに飢えている。その優しさとか「やらせてくれる感」が計算された物であっても、分かってて好きになる。ちくしょう。
「持続可能戦争」という人を食ったタイトルもなかなかグー。
ほぼ全ての人々が身体を義体に移し、精神を電脳世界と常にコネクトしている近未来。人類に拮抗する「ポスト・ヒューマン」が現れる。「ポスト・ヒューマン」は電脳世界のエキスパートであり、デジタル世界の中であらゆるデータを手足の様に自在に扱える。デジタライズ処置を施された人間しかいないという前提の世界では無敵と言っていい。彼等が勝てない存在は野生の存在。もっと極端に言ってしまえば「熊」や「ライオン」のような猛獣に対しては単体レベルでは負ける。ただ、電子部品を内包している機械は全て制御できるのだから、カッチリ防御を押さえておけば、普通の人間よりは強い。
高度に発達した技術は傍目には魔法にしか見えない。なので、「ポスト・ヒューマン」は義体持ちから見てオカルトのように描写される。うむ、怖い。
しかし、少佐がボクサー崩れに勝ってしまうのは理由が明確じゃないから「ん?」とか頭が一時停止した。「ポスト・ヒューマン」が自らを隠蔽するために使用している技術が視覚に特化しているので、近接戦では聴覚、体熱、動く空気などが伝わってくるという事だろうか。体熱や空気の動きなどはアナログな体では皮膚から情報を取得するが、全身義体の少佐のボディーにそこまで人間同様の機能があるとは思えない(そこまで再現する必要はない)。ただ、身体全体ではなく、例えば掌底部などに温冷のセンサーが付いている事などはありそうだ。対圧センサーなども同様。なら、ボクサー崩れがするのは義体の全センサー内容と脳の通信の遮断だろう。見えなくする事が可能なら、聞こえなくも、感じなくもさせられる筈だ。それって『ジョニーは戦場に行った』の帰還兵ジョニーみたいで、とても怖い。

新作での江崎プリンちゃんのあられもない感情露出ボイスを楽しみにしたい。

「攻殻機動隊」を「甲殻機動隊」とつい書いてしまって困る。


【銭】
番組特別価格1900円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争@映画.com

銀魂関連記事リンク▼

▼関連記事(銀魂関係)。
①・アニメ劇場版 銀魂 新訳紅桜篇(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
②・アニメ劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
③・アニメ劇場版 銀魂 新訳紅桜篇(2回目)+劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
④・実写銀魂(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑤・実写銀魂(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
⑥・実写銀魂2 掟は破るためにこそある@死屍累々映画日記・第二章
⑦・アニメ銀魂 THE FINAL@死屍累々映画日記・第二章
⑧・アニメ銀魂オンシアター2D バラガキ篇@死屍累々映画日記・第二章

『マーベルズ』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『マーベルズ』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲それぞれのコスチュームの質感が素晴らしい。

五つ星評価で【★★やはり雑い】
何でも監督が映画に初登場のキャラクターもいるけど初見の人でも大丈夫と豪語したらしい。大丈夫じゃないよ。ちょっと身贔屓だろう、それは。映画を作る側はドップリ物語の中に浸かりながら作るから、その物語に初見の観客が自分達と違ってドップリ物語に浸かっていないのを失念している。位置を見誤ってるとしか思えない。
キャプテン・マーベルとニック・フューリーと猫もどきは分かる。分かるけど、知っているというだけであって、本当に分かっているのかと言われれば心もとない。オリジナルとなる映画である『キャプテン・マーベル』は4年も前の映画で、もう内容がうっすら状態だ。敵役もその遺恨も分からない。敵とキャプテン・マーベルの遺恨については提示されるけど、実際、何があったのか分からないのでその遺恨が正当か逆恨みかも分からず、話に乗りにくい。マーベルズの他の二人は分からない。それぞれベースになる配信ドラマがあるらしい。でも、それは「ウルトラマン」の映画を見に行ったら「突撃ヒューマン」と「流星人間ゾーン」が助太刀に来たようなもので豪華かもしれないが「単に押し切ってしまえば勝ち」みたいに見えてしまう。敵も味方も、戦う理由も、説明不足なので、気持ちが乗らない。それぞれがそれぞれの物語を持っているのだろうが、それが思いっきり省略されているので、ともかく近くにいる三人が全員ヒーローだったので力を合わせて、難癖を付ける恨む人達を退けました、みたいになってしまっている。難癖を付ける恨む人達と敵対する人達がいて、どちらがパレスチナで、どちらがイスラエルかが分からない。
ミズ・マーベルの腕輪とダー・ベンの腕輪が対になっているけど、その出自も分からないし、マーベルズの三人が入れ替わるのも、入れ替わりがなくなるのも、不思議な事が起こってるとしか言えない。説明しろよ。

主役のキャプテン・マーベルことフリー・ラーソンの存在感は抜群。
黒アフロモニカ・ランボーのテヨナ・パリスはベースの物語を見ていないのでどんな人か、その人となりが分からなかった。立派な人なんだろうなあ程度。
マーベルズ最年少のミズ・マーベル(=カマラ・カーン)のイマン・ベラーニは最大の共感キャラとして、観客との温度差を埋める位置付けの役なのだが、ジャングルポケット斉藤慎二に顔と演技の張り方がソックリと思ってしまったら好きじゃなくなってしまった。絵がうるさいのよ。

▲「はーーーーーい」と言いそう。

悪役のダー・ベンのゾーイ・アシュトンは良い貫録だったが、いかんせん彼女をキャプテン・マーベル憎しと駆り立てる原動力が明確でないので、映画内でとても損している。

▲ゾーイ・アシュトン、安藤玉恵に似てる気がする。

エンドロール後に上がる二つのミニ予告も個人的にはワクワクすると言うより疲れた。
まだ手を広げようというの?
「友達の友達は友達だ」みたいにヒーロー同士をリンクするのは、後から大集合的な物語への布石なのだろうが、そういう話とは別に、独立して語られる話に魅力がないと客は離れていくと思う。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーポイント2ポイントを使った割引で1000円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
マーベルズ@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
マーベルズ@或る日の出来事
マーベルズ@徒然なるままに

『銀魂オンシアター2D バラガキ篇』トーホーシネマズ池袋6

◆『銀魂オンシアター2D バラガキ篇』トーホーシネマズ池袋6

▲もちっと「銀魂」らしいビジュアルデザインでもいいのでは?

五つ星評価で【★★★銀魂らしいか?】
ツイッターでの最初の感想(↓)

しんせん組がメインの話だったからか、スピンオフ感が強くてあまり乗れなかった。映画しか見てないからそんなに彼等の事は詳しくない。銀ちゃんの活躍は局所的。ふざける部分はいつも通り。

以上。 漢字はっきり分からなかったから平仮名で書いてるのは「真選組」。


【銭】
有料鑑賞ポイント6ポイント使って無料入場。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
銀魂オンシアター2D バラガキ篇@映画.com

シネロマン池袋で森村あすか+2 20231113-20231116

一年ぶりくらいにシネロマン池袋に。森村あすかなら行かねばなるまい。スタンプカード8つ目を貰って次回無料。

◆『黒タイツの制服 内緒の蕾』
旧題◆『制服私刑 ねじり込め』
森村あすか
▲ネットで拾った旧ポスター。

五つ星評価で【★★★まあよかろう】
森村あすか主演、伊藤清美、中村京子出演 
佐藤寿安監督、五代響子脚本 1991年のピンク映画、2回目。
上野オークラで10年前くらいに同じタイトルで見てて、ブログに「黒タイツやないやないけ」と憤懣漏らしてる。人間って進歩しない。まあでもいいです。森村あすかが可愛いだけで、この映画は成功です。あああああああああ、わが青春の森村あすか。顔立ちが好きだなあ。あの顔立ちに似合った大きすぎない胸も良い。あの顔立ちと身体つきで松坂季実子や菊池真理みたいな胸が付いてたらフリークスやさけ。そして何か頭が良く無さげなところがそそる。失礼だな、俺。でも「しょんべんくさい小娘」感がいいのだ。高校にも行かず、好きな制服を着て盛り場をウロウロしてる森村あすかは、歴史的には存在しない高校のなんちゃってブレザーで渋谷辺りうろうろするギャルの走りみたいだが、ロケ地が新宿なので殺伐としてる。あの、都庁をバックにするだけで、都会の非人間性が浮き上がる絵が素晴らしい。佐藤寿安は「絵」と「マニア心」の人だからなあ。今は工事中の小田急本館と今は本館になった小田急ハルク(ややこしい)を繋ぐ地下にムチャクチャ並んでた公衆電話群が映る。あの今は亡き公衆電話群が30年前かあ。何一つ変わってない都庁の堅朗性も褒めたい。流石丹波哲郎もとい丹下段平もとい丹下健三。丹下健三が腹巻地下足袋姿で都庁を建てながら「お前は俺の明日だ。明日なんだよお」と絶叫してたらちょっといいな。「明日の為にその1 左に林立する第一本庁舎は第二本庁舎と半ば絡まるようにしながら空に駆け上る龍の様に独立した一本のタワーとして建つべし、建つべし、建つべし」。東京都庁のコスプレをした丹下健三が、あの頃の森村あすかをバックから犯すという絵を追加で入れてほしい。そんな怒られるようなこと書くなよ、俺。
森村あすかが催眠術を使い、気弱な少年をスイッチ一つで野獣に変える。森村あすかは人生的に行き詰っているが、それには目を背けていて、少年とその狂信的な母親と疑似家庭を作って暮らしている。狂信的な母親にとっての森村あすかは崇拝すべき父のような存在だ。なので風呂場で女として奉仕したりする。この三人の関係は閉じてはいるがバランスが取れている。ただ、森村あすかにビジョンがなく、生理での苛立ちを外に向けて放出するようになると、このユニットは社会を理由もなく攻撃するようになる。カルト宗教の萌芽ってこんな感じかもしれない。みたいな一面は面白く見れるのだが、物語的には流れるべきところに流れ着いてしまい、驚きや捻りがないので、なるほど、これは前回寝てしまった訳だ。
狂信的な母親の伊藤清美の目が本気でラリラリしてる感じで怖い。
公衆電話でアッシーを呼ぶタカビー女に水鳥川彩。前髪がツンツン突っ立っててジュリアナっぽい。公衆電話林立してる事からもまだみんな携帯を持っていない。フジテレビの女子アナがどんどんバラエティーに人身御供に出されていった辺りの時代。そういう勘違い女が催眠術で犬にされ、檻で飼われるのはすっとする。映画終わるまで何日間もずっと犬のままで、催眠が解除されずに終わるのもイヤな意味で夢がある。


◆『恥ずかしい健診 興奮のOL』
五つ星評価で【★★★主演の女の子の京言葉が良い】
西野美緒 主演 森山美麗 久須美欽一 栗原良出演。
浜野佐知監督、山崎邦紀脚本 1993年のピンク映画、初見。
女性器内にある突起Yスポットにより、絶頂に達すると未来予知をする女性の話。
脇役の斉藤桃花は明日の天気が、主役の西野美緒は近くセックスする相手の顔が浮かぶ。
明日の天気はそこそこ役に立たなくもないが、近くセックスする相手の顔が浮かぶというのは、映画内で彼女が言ってた通り「何の役にも立たない」まさにその通り過ぎて笑ってしまった。彼女はセックスする相手の顔が浮かんでしまう事により、「お嫁さん」への憧れみたいなのを持てなくなるのだ。京言葉も惹かれるが、こういう成人映画にいないような「純」なメンタリティーが良い。流石、成人映画の堅物・山崎邦紀。
日本人の標本としてこの人が取り上げられたらイヤだなあという久須美欽一が医者。夢の中、黒バックで煙を纏いながら現れるターミメイターのような久須美欽一は今までに見た事がないビジュアルだったのでおもろかった。
あと疲れた西城秀樹みたいな外観の栗原良が「これはビジネスになるかもしれない」と相手を紹介してもらってセックスをするのだが、どこがどうビジネスになるのか全く分からない。失敗してめでたしめでたし。と言うか、単に失敗して「ほわわわわ~ん」みたいな音落ちで落とすってのは心臓強いというか、どうでもいいだろうと言おうか。
看護婦役の森山美麗さん、顔立ちがきついが痩せてて、足が綺麗。白のストッキングが細い細い。
とってつけたようなハッピーエンドで映画は終わるが、この映画の西野美緒さんには幸せになってもらいたいです。


◆『新宿ラブホテル 週末㊙天国』
五つ星評価で【★★おしゃまんべ】
森尾歩衣主演
遠藤三郎監督、佐藤道雄脚本。1973年のロマンポルノ。初見。
ラブホテルの一室モンローの部屋で行われる数組のドタバタセックス映画。
ラブホテルの部屋の中で飼われている鮒の声を充てているのが由利徹。名調子。
50年前かあ。古い。古い。昭和がぷんぷん漂ってくる。
老人作家がラブホでデリヘルみたいな事を若い女子相手にするのだが、どうしても勃起しない。そこで老人作家はカツラをかぶり女子には軍服を着せ、若い時の体験を追体験しようとする。呼びつけられた少年兵は将校によって慰み者にされており、それを契機に作家は普通のセックスが出来なくなってしまったのだ。彼にとっての戦争はまだ終わっていない。『ゴジラ-1.0』も戦争の傷跡の映画だったが、こんなところにも戦争の傷跡があってビックリした。にしても神木君は戦争を乗り越えられそうだったが、この老人作家は乗り越えられそうにない。ゴジラ以上に手強いという事か。


【銭】
一般入場料金は1800円だが、劇場に無料で置いてあるスタンプカード割引で1500円。
▼作品の概要はこの辺り見てください(シネロマン池袋さんブログのリンク先をそのまま展開)。
黒タイツの制服 内緒の蕾@新日本映像
恥ずかしい健診 興奮のOL@新日本映像
新宿ラブホテル 週末㊙天国@日活
▼関連記事。
黒タイツの制服 内緒の蕾(1回目)@死屍累々・第二章

『駒田蒸留所へようこそ』ユナイテッドシネマ豊洲3

◆『駒田蒸留所へようこそ』ユナイテッドシネマ豊洲3

▲「貴様も軍人なら歯を食いしばれ」

五つ星評価で【★★あまりみんな仕事してるように見えなかった】
『コマンダー蒸留所へようこそ』と言うからぶらっと立ち寄ったアル中の傭兵がウィスキーに魅せられて大手酒造と暗闘するような映画かと思ったが、そうではなかった。そらあ、まあ、そうではないだろう。
『花咲くいろは』『SHIROBAKO』『サクラクエスト』『白い砂のアクアトープ』などを作ったP.A.WORKSによるお仕事シリーズの一編、らしいが『SHIROBAKO』を齧った事があるくらいで、諸作品の出来は分からない。洋酒酒造駒田蒸留所の三代目社長・駒田琉生はニュースサイトに体験記事を載せるという事で高橋幸太郎というウィスキーの知識ゼロの記者を会社に迎える。で、このうっかり八兵衛の高橋元太郎と一字違いの高橋幸太郎がうっかり失敗を繰り返しながらもウィスキー業界を盛り上げていくという話でもなく、この「駒田蒸留所」という会社が呪われているかのように悪い事が立て続けに起きるのである。
東日本大震災による施設倒壊から原酒作成断念。
跡継ぎ社長候補の家出。
二代目社長の過労死。
クラウドファンディングにより新造した工場施設のボヤ火災による倒壊。
踏んだり蹴ったりで、これで社員を一人もクビにせず、新規事業に打ち込むとか、経営的に「おまそらいかん」な一手を打つのだが、「ともかくみんな頑張りました」で好転してしまう。そんなん潰れてしまった幾多の会社が「ともかくみんな頑張りました」なのだから、上手くいく根拠がない。で、新人記者を迎えて一つ一つウィスキーの事を知ってもらうと言っていたのに、見終わってウィスキーの事を何も知らないで帰路に着いた私は全然ダメな奴か、それとも映画がダメなのか。そもそもウィスキーが他の酒と何が違うかもよく分からん。工程的に延々とテイスティングしかしてないのに、あの社員の数はいらなかろう。経営あかんのはそういう所だろう。そして、オヤジが死んで、オフクロが経理で、兄貴が飛び出してしまい、本来、別の夢を追う予定だった娘が会社の後を継ぐというのは朝ドラ『舞いあがれ!』まんまみたいな設定なのだが、それでいいのか?
テイスティングをBL絵で表すと言うのは面白いけど、可能なんだろうか? 実体験に基づかない(BLだから女子の彼女には基づけないでしょう)イメージだけを基にテイスティングするって無理があると思う。人の悩みなどをリアルに等身大に描くのにはアニメよりは実写が向いていると思う。アニメ的なデフォルメが愉快だったのは、このテイスティングのビジュアル化くらいじゃなかろうか。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーポイント2ポイントを使った割引で1000円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
駒田蒸留所へようこそ@映画.com

『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』トーホーシネマズ日本橋4

◆『ガールズ&パンツァー 最終章 第4話』トーホーシネマズ日本橋4

▲主人公のいない宣材。

五つ星評価で【★★★★うむ】
継続学園 対 大洗女子学園後半戦。
ツイッターでの最初の感想(↓)

極めて適当で不遜なファンなので、誰が誰だか、どの機体がどっちだかも察知できなかったりするのだけど、とは言え面白いのは凄い。実際に試合をやったら参加者の半分くらい死ぬだろう。よかよか嘘じゃきに。

そうね。これ以外、特に言う事もない。そしてまた、ヒバークでもするかのように次の話を待つしかない。
あっ、継続高校はフィンランドモチーフらしいのだけど、あのポロロロロロンという辺りはよく分からなかった。リーゼントはレニングラード・カウボーイズなんだろうか?


【銭】
番組特別価格1600円(1話2話は1200円、3話は1500円)つーか、劇場不況でこれくらい取らないと採算合わないという事かもしれない。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ガールズ&パンツァー 最終章 第4話@映画.com
▼関連記事。
ガールズ&パンツァー 関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章

ガールズ&パンツァー関連記事リンク▼

▼関連記事(ガルパン関係)。
①・ガールズ&パンツァーこれが本当のアンツィオ戦です@死屍累々映画日記・第二章ガルパンはいいぞ。
②・ガールズ&パンツァー劇場版@死屍累々映画日記・第二章ガルパンはいいぞ。
③・ガールズ&パンツァー 最終章 第1話@死屍累々映画日記・第二章ガルパンはいいぞ。
④・ガールズ&パンツァー 最終章 第2話@死屍累々映画日記・第二章ガルパンはいいぞ。
⑤・ガールズ&パンツァー 最終章 第3話@死屍累々映画日記・第二章ガルパンはいいぞ。
⑥・ガールズ&パンツァー 最終章 第4話@死屍累々映画日記・第二章ガルパンはいいぞ。

※「ガルパンはいいぞ。」ってちょっと「バルンガはいいぞ。」っぽい。

『火の鳥 エデンの花』『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』イオンシネマシアタス調布11,8

同日鑑賞2本を同時レビュー。

◆『火の鳥 エデンの花』イオンシネマシアタス調布11

▲ふぁーあーあーあー。

五つ星評価で【★★それぞれが何をしたいのか】
原作の「火の鳥 望郷編」は雑誌マンガ少年でリアルタイムに読んで何だか、「火の鳥」の一片としては力不足だよなあという印象。神様・手塚治虫だから単行本化された時に大量の加筆があったみたいな話もありえなくはないが。なんか「火の鳥」キャラによる「大甲子園」みたいで、それ以上の感慨がないのは私自身に「望郷」という感情がないからかもしれない。
絵柄が純粋な手塚治虫のものではなく、ちょっとアレンジした形に変わっている。これが失敗なのではないかと思う。キャラクターはリアル方向に調整され、手塚マンガのような一目でキャラクターの感情が分かる状態ではなくなった(コムだけはそうではない)。「望郷編」とのもっとも大きな違いはロミとカインがセックスをしない点だと思うが、「エデンの花」でもロミはカインとセックスをする気持ちがあった。コールドスリープした理由はそこにあるとしか言えない。何故? 母と息子のままで生きていってはいけないのか? エデンを繁栄させる事がそんなに必要か? そこが伝わってこなかった。うろ覚えだが「望郷編」では逃げ帰るという選択肢が宇宙船故障で出来ず、ロミの連れ合いのジョージの意思を継ぐという意味合いがあったのだと思う。「エデンの花」はその辺、曖昧だ。「望郷編」のロミは手塚治虫マンガの美少女顔なので奔放で感情的、「エデンの花」のロミは宮沢りえが声を充ててる事からもとても冷静な行動家のように見える。ちょっとやってしまう事がチグハグに思える。これが「望郷編」のマンガ顔のロミなら、考えなしに感情的でやってしまうのが分からなくもないのだが。
ロミを助けながらも最後には追い詰める牧村も冷静なキャラクターだが、「望郷編」ではもっと苦渋の判断に悩んでいたと思う。
宇宙商人のズダーバンもやる事は同じだが、「望郷編」の彼のモラルのなさは彼がくりくりネズミの容貌を持っている事から、イヤな部分ではあるが共感してしまえる。「エデンの花」のズダーバンは単にイヤな奴がひどい事をして、その報いを受けて死んでいく(ように見える)。
手塚治虫のマンガ絵というのは、現実の人間と違って非常に共感度が高い。
ロミも牧村もズダーバンもみな、それなりに突拍子のない行動を取るのだが、マンガ絵のキャラクターに感情移入させつつ、物語の中でちゃんとキャラクターの感情を独白させたりして、何でそんな事をやったのか分からないという事はない。そこが「エデンの花」との違いだと思う。「エデンの花」は決められた物語があり、それに合わせてキャラクター達が自分の感情はともかくとして、そこに向かって行動しているように見える。
コムは「望郷編」でも「エデンの花」でも、そう違わない。だから可愛い。


◆『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』イオンシネマシアタス調布8

▲(*´Д`)ハァハァ

五つ星評価で【★★★ちゃんとしてる】
子供たちを泣かすんだよね。
冒頭、レギュラーすみっコそれぞれの説明が本編内につく親切構造。こういうの大切で大事。
ナレーターが本上まなみ一人になってしまったが、「ああ一人になってしまったんだなあ」とは思うものの、直接の問題点はなし。ただ、井ノ原快彦のナレーションが加わっていたら、それはそれできっとよかったであろう事を考えると残念ではある。
決して100%幸せでないすみっコ達が人の幸せの為に努力するという構造はじんわり心を温かくする。

本物のペンギンさんが再登場するまでの時間が長い。そのまま出て来なくなる事もないとは思っていたが。

パフュームの主題歌、タピオカのキャラクターがパフュームの振り付けで踊るカットがパフュームのMVにはあるらしい。当然、それがエンドロールに付くと思っていたので、それがなかったのは残念だった。


【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで各1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
火の鳥 エデンの花@映画.com
映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ@映画.com

『ゴジラ−1.0』ユナイテッドシネマ豊洲10

◆『ゴジラ−1.0』ユナイテッドシネマ豊洲10

▲移動する絶望。

五つ星評価で【★★★★★満腹】
どこからどう見ても橋爪功だったのだがって、開口一番それかよ俺。エンドロールにキャスト表示はなし。ひょっとしたらCGだったりして。そこに存在しないものより過去にあったものを再現する方が困難と『ALWAYS 三丁目の夕日』の時に評論家筋からさんざん言われていたので、あれがフルCGでゼロから作り上げた橋爪功だったら、今回のVFX予算の半分くらい使っているかもしれない。いや、それなら本物呼べよ。あの橋爪功に関しては一瞬しか登場しなかった。いや、逆に考えたら一瞬しか認知できないほど高速で移動が出来るという事ではないか。であるなら、浜辺美波の銀座での惨劇で不死身である事に対しての言い訳も成り立つ。超高速橋爪功が頑張ってくれたのであろう。G細胞が頑張った説もあるが、母がビオランテになるような惨劇を私は好まない。監督の山崎貴はもう一本ゴジラ映画を作りたいと希望しているらしい。次は超復元ゴジラと超高速橋爪功の対決だ(嘘)。
そして、いやあ、面白かった。あの徹底した都市破壊に痺れる。
ゴジラが神木隆之介にとって戦争の亡霊であり、罪過の象徴であるのと同じく、生息地と離れた場所に縄張りを主張する狂った個体のような生物学的アプローチを両論併記していたのもよかった。ゴジラが人を捕食するなら、巨体になってしまった肉体を維持するために人の密集する東京に現れるのは筋があっている。
実は撮影は今回のマイナスゴジラの方が先らしいのだが朝ドラマの『らんまん』で、理想の夫婦を演じた後に公開というドンピシャのタイミングに「とても持っている」運気を作品に感じる。神木隆之介は終戦後、自らの甲斐性なしもあり、全てを奪われる。仲間は彼が自ら放棄したし、彼が子供として頼りにする親は戦争で殺されており、帰ってきた地元には彼を糾弾する者しかいない。彼自身が戦災孤児のような身の上である中、同様の身柄である浜辺美波と、血の繋がらない連れ子と出会う事により、家族を再構築していく。彼は子供から傷を負った大人になったのだ。大人になった彼は子供の為に犠牲になって死のうとするが、大人が子供の為に死ぬという美談を映画は許さない。「生きて、抗え。」というコピーの通り。仮にゴジラを討伐できず地べたに這いつくばってバタバタ生きる事の無様さを経験する事になっても、家族の為には「生きて、抗え。」というのが今回のテーマだろう。物凄くキツいダメ出しをする隣家の安藤サクラ。その安藤サクラのアナザー・ワールド『まんぷく』の連れ添いは長谷川博己であり、戦後を根菜断裁機で生き抜き、『シン・ゴジラ』で、仲間とともにゴジラを仕留めた男である。彼のいない世界の安藤サクラは「武士の娘の娘」らしく、誇りをもって生きるしかない。もうただそれだけ。自分を崩さないだけに生きている。その生活の中、おままごとのような事をしている神木隆之介はイライラする存在だろう。リアルな話の片付け方としては神木隆之介と安藤サクラが結婚すると言うのが現実感たっぷりなのだが、嘘でもそうしなかった事が、「嘘の集大成である映画」であるので、よかった。あとは瀬田宗次郎(神木隆之介)と相良左之助(青木崇高)がいるのだから、緋村剣心(佐藤健)を連れてきて剣を与えたらゴジラに勝てるかもしれない。「奴が再生するというなら、再生より速いスピードで切り刻めばいいだけでござるよ」とかね。
佐々木蔵之介がいい兄貴分で、山田裕貴がいい弟分で、吉岡秀隆が『ウルトラQ』の江川宇礼雄ポジションなのも面白かった。爺ちゃんというほど爺ちゃんじゃないけど、傍から見てて確かにマッド・サイエンティスト的な変な人に見える。この文系的な人は軍国統制下ではとても生きづらかったに違いない。
あと、何気にアメリカや日本政府などが手を出さない腫物扱いの案件を民間がやらざるをえないにしても、やってやると徐々に自らを鼓舞していく心強さに胸を打たれた。いいのいいの美談は大好きだ。きっと私は主人公が玉砕したとしても涙を流しながら許したであろう。

ああ、浜辺美波この映画の中では処女なんだろうなあ。

戦後のフィルムに着色したようなカラーがずっと続く。カラリストさんもいい仕事をした。

ここぞという時にかかる燃える伊福部メロディー。モスラのインファントの歌舞とキンゴジのコング島の歌舞のミクスチャーにすっかりやられる。現地人の骨太なハーモニーと太鼓は、そもそものゴジラと異質であっても、異質を乗り越えて今回のゴジラにふさわしくも思えてしまう。自分の心の適当さ加減にビックリだ。それも又良し。

「どくんどくん」はいらない。あれは蛇足。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーポイント2ポイントを使った割引で1000円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ゴジラ−1.0@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
ゴジラ−1.0@ノラネコの呑んで観るシルマ

『ヤマドンガ』新宿ピカデリー6

◆『ヤマドンガ』新宿ピカデリー6

▲左がインドの閻魔大王、右が主人公の偽閻魔。

五つ星評価で【★★★。変さがとてつもない】
とっても変な映画。町のチンピラと閻魔大王が大ゲンカする。そら無理筋だろう。
とは言え、そこは蠅に生まれ変わった主人公が人間の悪漢と戦う映画を撮ったS.S.ラージャマウリだ。屁でもない(屁でなくて実だったらイヤじゃん)。見てて眩暈を覚えながらも面白い話に仕上げた。ちなみに、運命の少女と出会った瞬間から「ドンガ(盗賊)」が抜けず、映画の最後まで「ドンガ(盗賊)」のままだった主役の共感度は低い。かと言って、その主役に命をかけて愛されるヒロインが凄く美人かと言うと、そんなでもない。恋の邪魔をする守銭奴の強欲女の方が個人的には好き。ビッチ好きなんやな、俺。
さて、麻雀マンガの『アカギ』を御存知だろうか? 『カイジ』の作者らしく、勝利に負けたら金額分、血を抜かれるとか外道な麻雀が延々と続く。そのアカギに立ちはだかる雀士ワシズ。このワシズが血を抜かれたショックで地獄をさまよい、閻魔大王に地獄の民をまとめて革命を起こすエピソードがある。「ヤマドンガ、アカギかよ!」(*´Д`)ハァハァ前置き長かった。麻雀漫画なのに分量3冊分使って地獄の話で脇道にずれる『アカギ』もおかしいが、それと似たような話を真面目に人間様が演じる『ヤマドンガ』も輪をかけておかしい。ちなみに「ヤマ」は「閻魔」の意味。

真の閻魔も偽物の閻魔もかっこ悪いし性格も良くない。なんつか大丈夫かインド。


【銭】
ピカデリー前回有料入場割引1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ヤマドンガ@映画.com

『映画プリキュアオールスターズF』イオンシネマシアタス調布8

◆『映画プリキュアオールスターズF』イオンシネマシアタス調布8

▲キュアブラツクのこれでもかな男走りに萌える。

五つ星評価で【★★★★時間合わせに見たら面白かった】
そもそも浅く広く精神で見ていてTVのプリキュアは通して見た事もない。劇場版もたまに摘まみ食いする感覚で、必ず見に行ってたりはしない。でも、面白かった。
基本、「オールスターズ」と銘打ってるのでご苦労な事に全プリキュアが出るのだが、出番を均等に割り振ると一人一分貰えないので、比重が重いキャラと軽いキャラがいる。それは全然OK。むしろそうじゃないと成り立たない。いやしかし、「男の子プリキュア」がいると言うのはツイッターで聞いていたが、人魚プリキュア、宇宙人プリキュアみたいなのがいるとは思わなかった。タイトルに付いてる「F」って何だ? 「Furious(激怒)」とかか? この映画で初お目見えになるプリキュアが「Furious(激怒)」と言えば「Furious(激怒)」だ。

さて、今回の「映画プリキュア」の敵は『ドラゴンボール』の孫悟空みたいなメンタルの奴。
「おっす、みんな、おら悟空。今度の相手はぷりくあとかいう奴でメチャクチャ強いらしいぞ。おらあ、ちょっとワクワクして来たぞ」的。この「戦い」こそが人生の全てである相手に、「戦い」以外の概念を教え込まなければいけない。その為には逆説的ではあるが、相手に勝つことだ。相手強い。伊達に悟空じゃない(映画内では孫悟空全く無関係です)。

相手の強さに臆さず、巨象に挑む黒蟻の群れのようなプリキュア。うむ。この弱さと強さのバランスと「勝ちゃあいいのよ。勝ちゃあ。数で圧倒するのも正義に他ならない」という危ない感じと切ない感じの同居が美しいわ。そして、敵に組するマスコットキャラクターの心の闇に泣く。これはなかなか『シザーハンズ』。みんな頑張れ。あ、でも、子供に配られるミラクル・ライトは映画館ではたいへん邪魔なので、そこは頑張らないでくれてもいい。


【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
映画プリキュアオールスターズF@映画.com

『ドミノ』新宿ピカデリー1,『SISU シス 不死身の男』トーホーシネマズ新宿11

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『ドミノ』新宿ピカデリー1

▲よれよれ父ちゃんが板につく悩めるバットマン。

五つ星評価で【★★★まあまあ】
『ドミノ』って邦画タイトルだけど、内容にも即していてこっちの方が原題より本当のタイトルっぽい。原題の『HYPNOTIC』は、まあ、訳してみるとそのまんまみたいなタイトルで、ネタバレっぽくもあり、興醒めする(あえて訳さない)。しかし、映画内でウィリアム・フィクトナーが使うこの能力がある意味、限界がないのが脚本構成上の問題なのだと思う。普通は能力封じの方法を考える。あれだな、能力封じの方法としてもっともやってはいけないのが『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で炭治郎の幻を見せられている事が分かったら、自分の頸動脈を斬るという奴だな。そこで映画、終わってしまう。ただ、能力の弱点がはっきりしないのは問題で、映画製作者側が勝たせたい奴を勝たせる事が縛りなく出来てしまう。それは映画の話法としてつまらないだろう。

ベン・アフレック。日本読みで「便、溢れ尽く」うわあ、そんなこと思いつくなよ俺。
ベンが主役の映画なら大丈夫、みたいな実績がある。星がきらめくようなスターじゃないけど実直に生きてきた地味な男の顔で、男はそういう男が好き。一応言っておくがホモではない。

町のセットが簡素かつ明解なのが楽しい。つまり、あれ、集団で3Dゴーグル掛けてふらふらしてるような映画な訳だ。幻を見せられているAパートはゴージャス、現実を見せられているBパートはしょぼい。Aパートをワイプで抜いたBパートの映画があったらちょっと見たい。舞台裏が張り子状態なのが押井守の『紅い眼鏡』まんまだった。偽装されている世界の方が立派というのは『サロゲート』の社交はロボット、本体は引きこもり。だからロボットは髪ふさふさだけど、ブルース・ウィリスは禿げと言うのにも通じる。そうするとAパートはベン・アフレックだが、Bパートはジミー土田という配役もありかもしれない。Bパートの奥さんはあき竹城だったりしそうだ。5分くらいしか見たくないなBパート。逆に実は本当はラジニカーントが主役のCパートがあったら、それが一番面白いかもしれん。ひと押しで〈世界〉は崩れだす。というコピーもひと押しで〈世界〉は踊りだす。に変更だ。

いやまあ、決して嫌いじゃないけど、昔からある映画のアイデアにしては新しい工夫がなく、とりあえずCGいっぱい使いましたって言うのはロバート・ロドリゲスとしてはそれでいいの? 映画の最後に回り続けるコマとか出せと思ったけど、それも他の映画のネタだ。

悪の組織の赤いブレザーがケイン・コスギのセンチュリー21味が高かった。

娘を探そうとするベン・アフレックが『search サーチ』みたいに、インターネットだけで、娘を探そうとしたらウィリアム・フィクトナーも困ったことだろう。

ドミノピザはベン・アフレックにピザを食わせて「現実も忘れる味」とか言わせればよかったのに。


◆『SISU シス 不死身の男』トーホーシネマズ新宿11

▲燃える構図。

五つ星評価で【★★★理屈がない暴力だけの映画。でもまあ、それでよし】
「SISU」という言葉は翻訳不能らしい。おそらく「不撓不屈」に近そうだとは思っているが、それ以上にきっと近いと思わせる言葉がある。「大和魂」。翻訳できなかろう。その一点しか似てない可能性もある。炸裂する「フィンランド魂」と理想の第三帝国を築かんとする「ナチス魂」がぶつかり合う。生命力強そうな「フィンランド女魂」も燃える。と言うか「魂」を付けると薄いものが濃くなるようで良いなあ。

ただただダイ・ハード(くたばらない奴)と言う主人公は地味で良い。汚れまくったからお国フィンランドなので、サウナに入って汗を流してほしい。

「ウエスタン」に対して「マカロニウエスタン」という加工があるなら、これは「戦争映画」を加工した「マカロニ戦争映画」であろう。


【銭】
ドミノ:ピカデリー前回有料入場割引1400円。
SISU シス 不死身の男:トーホーシネマズが突発的にメンバーズデーを設けていて1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ドミノ@映画.com
SISU シス 不死身の男@映画.com

『おまえの罪を自白しろ』ユナイテッドシネマ豊洲11

◆『おまえの罪を自白しろ』ユナイテッドシネマ豊洲11

▲このスチールにしか載ってない誘拐される女の子がかわいい。

五つ星評価で【★★★どん底一家の三人芝居が常軌を逸していて大好き。残りはB'zが全部浚っていった】
国会議員、県会議員、市会議員がいる家って凄い。が、血が違いすぎるのか、親父、堤真一、長男、中島歩、次男、中島健人、末っ子、池田エライザ、エライザの婿、浅利陽介という関係性が最初から全く掴めなかった。中島歩と中島健人は同じ「中島の血」が作用していないようで、あまりも骨格が違いすぎて兄弟に見えない。ドズル・ザビとガルマ・ザビみたい。堤真一と中島健人もデキン・ソト・ザビとガルマ・ザビのように似てないので、堤真一の家に一人息子の浅利陽介がいて(こっちがガルマか)、池田エライザが嫁入りに来て、その関係で兄の中島健人が議員の手伝いをしてるのかと思った(こっちがシャアとセイラ)。全然違った。つまり、外からやってきたシャアとセイラみたいな兄妹が今井姓なのだ。いや、今井の罪を自白しろなという映画でしょ。変なこと考えてるうちに話に乗り遅れてしまった。これだから爺はいかん。
好きな役者だが中島歩と浅利陽介は切ってもいいし、中島健人と池田エライザを夫婦にしてしまった方が構図がシンプルになってよかったかと思う。中島健人はあまり切れ者に見えず、ふと気づくとあれよあれよで事件が解決してしまった。真犯人が再び、現場に現れるかどうかはどんなに緻密に罠を仕掛けてもギャンブルであり、そんな賭博気質の男に国政を任せてはいかん。で、真犯人のいかれた演技はそこだけ映画のトーンが違うけど大好き。あの階段落ちなんて、長くはないが、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の階段落ちより、バリバリ痛さを感じるいい階段落ちだった。

堤真一がもともと初代の政治家(親は総菜屋)なのに、あれだけの地位に付けたというのは、アキラ100%のお盆芸がいろいろな政治家とのお座敷接待で爆裂したからに他ならない。じゃないなら「大橋彰(役者の時の芸名)」でエンドロールに記載されるのが妥当。やはり、作った味噌汁を全裸にお盆で運んでこそ「アキラ100%」じゃないだろうか(より、みんなで頑張りましょうという心情が伝わる)。

だがまあ、エンドロールにB'zが掛かったら、映画よりエンディングの方が勝って、勝ち逃げ状態。Sexy Zoneに「おまえの罪を自白しろ音頭」とか歌わせた方が良かったかもしれない。


【銭】
ユナイテッドシネマのメンバーポイント2ポイントを使った割引で1000円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
おまえの罪を自白しろ@映画.com

『僕のヒーローアカデミア「雄英ヒーローズ・バトル」』トーホーシネマズ新宿7

◆『僕のヒーローアカデミア「雄英ヒーローズ・バトル」』トーホーシネマズ新宿7

▲激しい本エピソードの後にぬるいオマケエピソードが入る不思議さ。

五つ星評価で【★★★★こんなん泣くわ】
テレビアニメ第6シーズン山場の136~138話とオマケエピソードを合わせて87分にした物。雄英学園の学生ヒーローが対戦ゲームのキャラになって戦うゲーム・エピソードが初出しで目玉かもしれないが、すっかり136~138話の熱さに負けて、何かちょっとダレた。

136~138話は周りの被害を抑える為に一人で戦おうと飛び出すデクと、共闘を望むクラスメートの実力行使を伴った対話。その後、学園にデクを匿う事に対する避難市民との対話などをしっかり描いている。
ボロボロになって守ってきた人たちに排斥されようとするデクと、それをどうしても押しとどめたいクラスメート達の踏ん張りが泣けてたまらない。みんなとてもいい子です。いい子は好きよ。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーズデーで1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
僕のヒーローアカデミア「雄英ヒーローズ・バトル」@映画.com

『イコライザー THE FINAL』イオンシネマシアタス調布2

◆『イコライザー THE FINAL』イオンシネマシアタス調布2

▲ダコタ(左)とイコちゃん(右)。

五つ星評価で【★★★★ほんなこつ、つまらなくはなかった。しかしアクションシーンは凝縮されてるからか短いかもだ】
イコライザーシリーズの三本目で最終作だが、別にこれが今生の別れと言う話ではない。原題は『The Equalizer 3』、じゃあ、邦題は『イコライザーさん』でも良かったんじゃないか? 次が出来ても全然OK。その時は『イコライザー THE FINAL FINAL』だ。
もしかしたら『北極百貨店のコンシェルジュさん』って『北極百貨店のコンシェルジュ THE FINAL』だったりするのか。9秒で墜落死を遂行するシーンがあったりなかったりした。

敵が割と相手にならない感じで、初期のスティーブン・セガールみたいな無双感が強い。あまり強いとね、殺さない程度に許してあげられないかな、みたいな仏心も出たりするけど、殺されるのが正味クズなんで心が痛まない。やはり子供を虐める大人はいかん。その兄貴も等価交換的にクズなので、同じように心が痛まない。クズの宝庫かよ、イタリア。
まあ、主人公の周り、いい人だらけなのが逆に怪しい。あれ、全員劇団じゃないだろうか? あの、子供が劇団員で本当は大人だったら怖い。それじゃ『エスター』だよ。薄いのか? それは「ウスター」ソースだよ、ボケが分かりづらいよ。
イタリア兄の籠ってるとこのアートワークが中々よかった。そう、イタリア兄が広場でギャフンと言わされた後、隠れ場に帰って、自分達で食事作って食べる。あれリクルート誌に「アットホームな職場です」って出る奴だ。地上げもね、リクルート誌で「やればやるほど自分の努力が達成できる職場です」と書かれる奴だろうし、もしかしたら、やはりイタリアチンピラ兄弟の方が正しかったのでは? だって主人公ニグロだし(言っちゃいけないやつ)。

ダコタ・ファニング、あの警察の子供ね。違う違う大人になってるの。しかし、考えてみたらダコタ・ファニングが子供の演技をして、それをモーション・キャプチャーで子供の映像に充てるって事もやれば出来るのだよな。おそらく、やらない方がお金は安く上がるだろうけど。でも、それをシャレのようにやってしまったのが『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』のシガニー・ウィーバーだ。薄いソースで『ウスター ウェイ・オブ・ウォーター』ってボケ方が無理で、よく分からない。主人公がペンキになる世界線があるのだから、ウスターソースになる世界線があっても、、、、、何を言ってるんだ、俺。
大人にはなったけど、まだまだ若いのがなるほどダコタ・ファニング。


【銭】
イオンシネマは55歳からシニア扱いで1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
イコライザー THE FINAL@映画.com

『北極百貨店のコンシェルジュさん』ユナイテッドシネマ豊洲3

◆『北極百貨店のコンシェルジュさん』ユナイテッドシネマ豊洲3

▲笑顔のベテランさんがステキ。落ち込んでても若者は食うべし。

五つ星評価で【★★★★「そんな事より枕営業だ」みたいな事ばかり考えてる訳ではない】
主人公がお人好しでおっちょこちょい。
それが魅力的。
と言うのは、『カイジ』を例にすると分かりやすかろうが、今、お人好しだと生きていけないような社会になりつつある。正しい者がバカを見る。「オオカミは生きろ、豚は死ね」。優しいという事が欠点になってしまうような社会。だから、「コンシェルジュ」という物自体を売るのではない「サービス」の専業者がいる百貨店というのは、裏でリストラが進められている世知辛さはあっても、まだまだ「夢」を売る代名詞のような職場と言えるだろう。「物の売り買い」だけなら、コンビニでもいいし、「スーパー」でもいい。「百貨店」は「利便性」や「値段」より「商品の夢」を売る。もともとはそういう商売なのだ。そして、たいへん、心が休まる事に多くのお客も心優しい。心優しいがゆえに危機に瀕した者たちが通う憩いの場所。みな、優しい。
ぬるま湯のふろにぷかぷか浮かんでるような映画でした。そういう映画も悪くない。
リストラさんも家に帰れば大泉洋で、母親が吉永小百合で、デパートで売る煎餅に愚痴ってるかもしれない。

身体の大きい生き物は長寿。だから、マンモスの彫刻家は命の長さが等しくなる祈りを込めて動物の大きさを揃えた彫刻を作る。フリーレンや『指輪物語』のエルフは長命種だから40メートルくらい大きくても良し。齢20000歳のウルトラマンがでかいのも理屈上はあってる。

あと、このデパート、ノアの箱舟みたいやね。一ツガイの全ての動物を乗せて大洪水から動物を守った船。それを家族のような会社社員がみんなで守ってる。神の指示で乗船したのだから、神の威光の代弁者という事で、「お客様は神様です」と言うのは正しいと言えなくもないのだけど、「私が神様よ」という使い方をしてしまうと、唯一神(アラーとかエホヴァ)の否定に繋がるから、その話題って大変日本的だなと思う。あらーっ(落ち)。うんまあなんとかミンクなんか、あれがツガイだったら近親相姦やさけ、「お爺ちゃんやめて」「(*´Д`)ハァハァ」それはそれでええかもしれんがな。ノアって動物は救ったけど、植物はみな死んでしまったとかないんかな? 世界中の植物がドカドカ入ってる家庭菜園も凄いよな、ノアさん。


【銭】
金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
北極百貨店のコンシェルジュさん@映画.com

『春画先生』新宿ピカデリー9

◆『春画先生』新宿ピカデリー9

▲先生と弟子。

五つ星評価で【★★★。癖の映画。】
春画を愛する風変わりな「春画先生(内野聖陽)」に弟子入りを進められて、飛び込んでしまった弓子(北香那)は春画と春画先生に振り回される。内野聖陽、北香那、柄本佑、安達祐実、白川和子などなどみな濃厚な味噌みたいなメンツが交わるごとに関係性を変えていく。エロいはエロいのだけど、そんなに気持ちよくはならなかった。中の登場人物と「癖」が違うのだろう。関係性が変わるのは面白いが、そのベクトルの説得力が薄い気がする。いや、自分の「癖」と合わないから薄い気がしてしまうのか。
コントラストで言うと、よく見るとエロ以外に文化が凝縮されている春画と、春画界隈で変なセックスに耽溺するぶざまな人間と、が好対象。でも、このセックスが「愛」と言うよりは「癖」なのが、映画としてはそんなにそそらない。「愛」を成就させたいのに「癖」に阻まれるような方がドラマとして盛り上がると思うのだが、みんな簡単に、その「癖」に相乗りしてしまう。みな「セックス」が軽くないか? それが当世風か? そして「春画」は文化的に素晴らしいのは分かったが、情念としては薄げ。何か伝わってこない。個人的には息が苦しくなるくらいチンコが興奮するかのような、バリカタバチクソ濃厚な春画が見たかった。

『春画先生』が恥ずかしそうに全身を見せないタイトル面白くて可愛くて好き。

【銭】
ピカデリー前回有料入場割引1400円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
春画先生@映画.com

ツイッターの履歴から見られる健康診断の歴史と現状

2020/9/8 コロナで新聞雑誌が撤去。
2021/10/11 新聞雑誌撤去を去年同様に憂う。
2022/10/14 10:37に終了。例年13時くらいに終わってる気がしてたので「早っ」と思った。

2023年 受診日は2023年10月13日金曜日。病院で黒猫に前を横切らせないようにしないと。病院に黒猫を放つ陰謀団とかいない事を望む。金曜に受診という事は木曜出勤日の早朝に便の検体を取らなければいけないという事だ。これ、いつも忘れがちで直前になって焦る。そして便採取は苦手。悪玉菌が多いのか、便がくさい。いや、くさくない便なんて本当にあるのか。面と向かって便に対峙していつも臭気にやられるこれがバリウムと炭酸我慢の次に苦手。
受診日当日。検尿、検便問題なくGET。
新宿にある病院まで行こうとすると小田急線が電故で遅延している。各駅でゆっくり行けるように余裕をもって出てきたが、急行乗り継ぎに変えたところ、受付時間より早く着いてしまう。きしょー。よう考えたら前日から絶食していて、水も飲んではいけないので、喫茶店やコーヒーショップみたいな所には入れないのだ。いや、入れるけど、お金払って何も口にせず店を出るのは信条に反する。駅のベンチで10分くらい潰して病院へ。

受付で名前チェックされて、フロアの奥、健康診断会場へ。ロッカーで病院が用意してるイケてる健康診断着に着替えて健康診断開始。

①血圧。機械測定。機械の野郎めえ。この圧迫してくる機械を見る度にこれで下ネタな機械を作ったらみたいな連想をする。
②身長体重、機械測定。ちょっと痩せた。身長は爺だから成長しない。頭頂部に「ぺちん」とムチャクチャ優しい機械の突っ込みが気持ちいい。
③腹囲、機械に測定させるのが難しいのかこれは人力。ちょい縮まったらしい。ええこっちゃ。
④胸部レントゲン、濁点ないと恐怖レントケンなのだが普通に濁点はあった。去年より膨らんでないですね。いやいや急かすから息継ぎとか出来なかっただけだ。撮り直した。
⑤腹部レントゲン。ソーダ&バリウム。毛もじゃのベテランの人に当たる。信じられないくらいスムーズ。バリウムの味は変わらん。あれとソーダの味がダメで、下剤と合わせて健康診断は憂鬱。
⑥採血。採血は変わらん。大人だから泣き叫んだりしないけど注射を好いたりはしない。今日の人は上手かった。ツイッターのフォロワーさんに毎日やってる人だからうまかろう、個人医院の先生とかは下手と指摘された。なるほど。
⑦聴力、視力、心電図。三つ1セット。おらぁ総理大臣より聞く力はある。視力は眼鏡付けてる状態でムチャ落ちてる。
⑧診察。説教くらう。仕方ない。
終了9:54 早く終わりすぎて新宿近辺でランチ食う計画が頓挫。まあ、早く終わる事はいい事だ。

『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』トーホーシネマズ池袋5

◆『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』トーホーシネマズ池袋5

▲姫様とカイナ(ナウシカを分けたような二人)。

五つ星評価で【★★★★ナウシカみたいじゃん!】
アニメシリーズの続編。だが、単品として見ても支障ない。面白い。世界観がきっちり作られたSFなのがワクワクする。何か今にして出てきたナウシカの後継者という感じ。地球が雪の星になってしまった未来、人類は巨大な樹に苔の様に寄生して生きている。集落が大きくなり、生活が厳しくなった一族が大きな泉を探す旅に出る、みたいなのが荒筋だが、自然の猛威や、人の諍いなどかなりきちんと描かれていて好感が持てる。悪い奴も悪い奴で事情があるが、もう間違えて全滅にまっしぐらな状態を見せられて憎くってしょうがない。
日本で作られたアニメなので遺物や失われた言語体系が日本語ベースなのは仕方ないかもしれないが、世界に売る事を考えたら英語ベースに変える必要があるだろう。いや、例えあれがハングルでも内容が分からない事はないのだろうが。遺物に「アース」や「ボンカレー」の看板を混ぜてほしかった。
感心したのは国と国の戦いであるが、総力戦にはなりえず、力を独占する者と旅人との間の村同士レベルの戦いとして描き、その小さな戦いが地球の命運をかける事になるのに違和感を持たせない点だ。みな衰退しているから、国が村レベルであってもいい。その衰退した村が無数にあり、そのうちの二つの考え方の違いで命運が決まるというのは、不自然でない。異世界物などで大××帝国と自由共和国の戦いが10人くらいずつで行われるのは規模を描けていないので辛い。今回の話は村同士でもトップの村同士ならOKという解決策を捻りだしたのがクレバーだ。

一本でも話は分かるが、前のエピソード知らないのは悔しいので、もう一本総集編を作ってもらいたかった。いや、ここから入門してアニメシリーズ鑑賞に紐づけようという戦略かもしれないが。

姫様も黒い女戦士もステキ。カイナくんも悪い奴に見えない。姫様の弟もいいショタだ。いいぞ、みんなで薄い本を作りまくれ。


【銭】
トーホーシネマズの有料入場ポイント6ポイントを使って無料鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
大雪海のカイナ ほしのけんじゃ@映画.com

コロナワクチン接種(4回目&5回目)

1回目 2021年8月2日 ファイザー社製
2回目 2021年8月23日 ファイザー社製
3回目 2022年2月23日 モデルナ社製
4回目 2022年11月5日 ファイザー社製(オミクロン株BA.4/5)
5回目 2023年10月8日 モデルナ社製(オミクロン株XBB.1.5)

無料で受けられる最後の機会とか。
次の有料の時はどうするか、どうなるか。そんなに死なないと言っても、こちとら高齢者に片足突っ込んでる身だ。若者の様に簡単に死なないとは断言できない。かかった後の後遺症がひどいとか言うので、かからないに越した事はないだろう。

毎回、肩パンを食らわされる感じだが、熱は37度には届かない。今回の2回分もそう。

ちなみにインフルのワクチンも2022年の年末に自腹で受けてる。

『コンフィデンシャル 国際共助捜査』トーホーシネマズ日本橋4

◆『コンフィデンシャル 国際共助捜査』トーホーシネマズ日本橋4

▲左からアメリカFBIのイケメン、北朝鮮特殊捜査員のイケメン、韓国ブサメン刑事、韓国一般人美女。一人前に座ってる韓国デジタル刑事が何か妖怪くさい。

五つ星評価で【★★★★面白いのにヒットへの意欲がなくて勿体ない】
『コンフィデンシャル 共助』の続編。もう、タイトルからしてややこしい。てっきりリメイクしたのかと思った。前作の北朝鮮捜査員と韓国刑事の騙し騙され裏表がある刑事コンビに、アメリカの韓国系刑事がくっついて更に思惑がややこしく交差する。前作も面白かったが、今作もちゃんと面白いし、前作を見ていなくても単体でもちゃんと楽しめる。でもね、宣伝媒体に「続編」をうたわないのは不誠実だ。原題にも英題にも「2」が付いてるからバリバリの続編である。宣伝媒体に書いてある売りは 「愛の不時着のヒョンビンが再び日本中を虜にする!」 宣伝ドカンとやった風にも見えず、あまり知られずに終わってしまった。ちゃんとやろうよ。こんな面白い映画に客が入らないのは不憫でしょうがない(決して「ヒョンビン」と「不憫」を掛けている訳ではない)。アクションコメディーとしては近年稀にみる傑作シリーズじゃないだろうか?

ブサメン刑事のユ・ヘジンが味がある。
最後「スローモー」の洗礼を受けるのも嬉しい。女性客はもちろんヒョンビンとか、ダニエル・ヘニーだろうが、男性客はもう絶対的にユ・ヘジンが好きだと思う。

北から来て米国経由で韓国で大暴れする悪漢も、なかなか「北朝鮮っぽい」外観のキャラクターで、強くてよかった。悪い奴だし、迷惑な奴だけど、そいつが単純な悪でないのは評価が割れるかもしれない。私はあまりそういった凝った内容の悪役は好かん。結局、北朝鮮と繋がっているらしい米国の者が逃げおおせてしまっているので、中途半端じゃなかろうか。

こういうの名画座で「1」「2」並べて流してほしいけど、そんな事やるには映画館が少なすぎる。



【銭】
映画ファン感謝デー料金で1300円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
コンフィデンシャル 国際共助捜査@映画.com
▼関連記事。
コンフィデンシャル 共助(前作)@死屍累々映画日記・第二章

『あしたの少女』シネマート新宿1(ネタバレ)

◆『あしたの少女』シネマート新宿1(ネタバレ)

▲ペ・ドゥナの硬さがいい。

※ ごくごく自然にラストなどに触れているので、ネタバレを気にする方は読まずに回避してください。

五つ星評価で【★★★★前半のブラック企業編がキツい。そしてそれが後半で必ずしも払拭されないのも痛い】
痛い映画で、みっちり前半かけて生贄の少女が韓国経済にムシゃぼり食われる様子を描く。とても理詰めに構築された詰将棋の様に、少女の叫び声はどこに届く事もなく、彼女はただ単にシステムに押し潰される。このシステムから逃れるには彼女の様に壊れてラインを外れるか、ただ鈍重に奴隷に甘んじるしかない。そして、奴隷に甘んじる事は、善意を食い物にする悪への加担に他ならない。
後半、ペ・ドゥナの訳あり刑事(どんな訳があるのかは不明)が、コワモテで彼女の境遇を看破していく。その様子はムチャクチャかっこいいのだが、その活躍でこの悪システムが瓦解するのかどうかはあまり判然とせずに終わる。一つの事件としてはカタが付いた形だが、結局構築されたシステムの歯車になって、少女を搾取した側の「ギャフン」という姿が見えないのはエンターティメントとしてはちょっと惜しい感じだ。ただ、そこでカタルシスを得てしまうとそもそもこの話の余韻は残らないのかもしれない。
監督の前作が『私の少女』である事から、邦題は『あしたの少女』と韻を踏むような物になったが、回り回ってそういう事であっても分かりづらいので、原題の『次のソヒ』の方が良かったと思う。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1200円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
あしたの少女@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
あしたの少女@ノラネコの呑んでみるシネマ
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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