『太陽』をキネカ大森2で観て、大層お気に入りじゃ★★★★
- Date
- 2017/12/23/Sat 21:38
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
キネカ大森の名画座企画「1週間キネカは君のもの門脇麦主演作品セレクション」
◆『太陽』キネカ大森2

▲ホンジャマカ石塚ルックの神木。
五つ星評価で【★★★★こういうの好き】
「友好汚染先」として仲良くさせていただいている「映画的・絵画的・音楽的」さんに「設定そのものに疑問を感じたりしてしまい、余り乗り切れませんでした。」と書いてあるけど、私は逆にあまり全てを説明していない余白のある状態の設定が面白いと感じました。
この世界は大きくノクス(夜しか生きられない新人類)とキュリオ(旧人類)に二分される。
それぞれの特徴は
・ノクス
太陽に当たると皮膚が発火するので、日中は出歩けない。光を受け付けないように全身を覆ってしまえば危険性はあるが活動は可能なようである。吸血鬼的生態を持つが別にキュリオの血を吸ったりはしない。文明的な生活を享受しており、長命で老けにくい。体内血液にはキュリオに感染するウィルスが多々含まれており、握手程度では感染しないと彼等は言っているが、キュリオが感染経路の不明な死に方などをする事から単純に空気を媒体にして飛沫感染とかしそうである。感情の機微がゆるやかで感傷よりは合意性を優先させる。その為、特定の相手以外とのセックスに対してもタブーはないが、元キュリオ同士のセックスはキュリオ時代の感情的な自分を想起させるためか好まれない傾向にある。セックスは子孫を残すためにノクス同士で行われるが、妊娠の確率は低くキュリオを養子にしてノクス化手術を受けさせる事例が一般的である。
・キュリオ
太陽の元で生きる旧人類。キュリオとは「骨董品」の意味の差別用語。ノクスと比べると短命で早く老ける。病気で早逝してしまうので短命なのかどうかは不明。ノクスに文明的なライフライン(おそらく電気、水道、ガス、基礎医療)を握られているらしく、反抗するとライフラインを切られ、10年で人工が1/10に減じるほど死傷率が高まる。但し、この人口減は他の場所への移動も多少は考慮する必要がある(それが主流とはあまり思えない)。畑を作り自作自農をしているがあまり大きく収穫があるようにも見えない。植物その物は育つが、収穫を取るための農業用地としては痩せているのかもしれない。又、農薬・肥料・農業機械を使用しているようにも見えないので大量収穫は得られないと思われる。人糞などの肥やしに関しても病気の感染経路となりうる事を考えると積極的な使用も控えざるを得ないのではないか。
それぞれのテリトリーはノクス区域とキュリオ区域で分けられており、キュリオ区域の者がノクス区域に入らないように壁と門があり、歩哨が立てられている。門は通常閉ざされており、両区域間に売買物が行き来しているような素振りは見られない。又、キュリオ区域、ノクス区域以外に生活しやすい特区として「四国」が作られたらしい口承が残っているが、キュリオ内での内部闘争により常に内乱状態のような土地になってしまっている。
ノクスを見て最初に思いついたのは『戦闘メカ・ザブングル』に出てくる「シビリアン(市民)」を管理する「イノセント」と呼ばれる特権階級だ。歩哨の服装が彼等に似ている。イノセントはシビリアンに青い鉱石を掘らせ、その鉱石はエネルギーとして使用されているという搾取構造があった。もう一つ「続・猿の惑星」のミュータントと原始人にも似ている。原始人の管理者はミュータントではなく猿なのだが、ミュータントと原始人の間に交渉がなく、独立した生活基盤をそれぞれ持っている点が「太陽」に似てる。
ノクスはキュリオを管理はするが搾取はしていないと思う。
キュリオの土地から献上させなければならないほどの収穫は得られないのではないかと思う。逆にノクスは自分達のテリトリーで科学力を駆使して食物を大量生産できる技術を獲得しているのではないかと推測している。搾取対象でないにもかかわらず、ノクスがキュリオを管理しようとするのはキュリオに暴力傾向が強く見られ、同じ生活圏での共棲に限界を感じているからだろう。自分達の生活基盤を狂わせる可能性の高い者と一緒に生活は出来ない。
ノクスが再生可能エネルギーから大量にエネルギーを確保でき、それを元に食物を人数分行き届くように工場製品のように安定供給できるなら、地産地消をベースとする小さなコミュニティでの生き残りが可能である。国同士・経済組織(会社)が争い、一番の国・企業だけが貧しい者から搾取するという現況を覆す生活が出来る。過去や現在のように、富を集中させる事による対他者(他国)を制圧する力を蓄える必要がなくなるとしたら、それは老境に達した文化がやっと手にした理想郷ではないだろうか。この理想郷はただ継続する事のみが目的であるので、それは無限の停滞であるとも言える。それでも、現況の世界より狂っていないように思える。
ノクスになった門脇麦ちゃんがやはり可愛くない。俺はキュリオなんだな。
神木隆之介の絶叫ええわあ。
【銭】
2017年10月始まりで新しく購入したキネカード(名画座回数券)。半年間で3回入場券付で3000円。うち1回分を使用(2回目)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・太陽@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・太陽@映画的・絵画的・音楽的
・太陽@ここなつ映画レビュー
◆『太陽』キネカ大森2

▲ホンジャマカ石塚ルックの神木。
五つ星評価で【★★★★こういうの好き】
「友好汚染先」として仲良くさせていただいている「映画的・絵画的・音楽的」さんに「設定そのものに疑問を感じたりしてしまい、余り乗り切れませんでした。」と書いてあるけど、私は逆にあまり全てを説明していない余白のある状態の設定が面白いと感じました。
この世界は大きくノクス(夜しか生きられない新人類)とキュリオ(旧人類)に二分される。
それぞれの特徴は
・ノクス
太陽に当たると皮膚が発火するので、日中は出歩けない。光を受け付けないように全身を覆ってしまえば危険性はあるが活動は可能なようである。吸血鬼的生態を持つが別にキュリオの血を吸ったりはしない。文明的な生活を享受しており、長命で老けにくい。体内血液にはキュリオに感染するウィルスが多々含まれており、握手程度では感染しないと彼等は言っているが、キュリオが感染経路の不明な死に方などをする事から単純に空気を媒体にして飛沫感染とかしそうである。感情の機微がゆるやかで感傷よりは合意性を優先させる。その為、特定の相手以外とのセックスに対してもタブーはないが、元キュリオ同士のセックスはキュリオ時代の感情的な自分を想起させるためか好まれない傾向にある。セックスは子孫を残すためにノクス同士で行われるが、妊娠の確率は低くキュリオを養子にしてノクス化手術を受けさせる事例が一般的である。
・キュリオ
太陽の元で生きる旧人類。キュリオとは「骨董品」の意味の差別用語。ノクスと比べると短命で早く老ける。病気で早逝してしまうので短命なのかどうかは不明。ノクスに文明的なライフライン(おそらく電気、水道、ガス、基礎医療)を握られているらしく、反抗するとライフラインを切られ、10年で人工が1/10に減じるほど死傷率が高まる。但し、この人口減は他の場所への移動も多少は考慮する必要がある(それが主流とはあまり思えない)。畑を作り自作自農をしているがあまり大きく収穫があるようにも見えない。植物その物は育つが、収穫を取るための農業用地としては痩せているのかもしれない。又、農薬・肥料・農業機械を使用しているようにも見えないので大量収穫は得られないと思われる。人糞などの肥やしに関しても病気の感染経路となりうる事を考えると積極的な使用も控えざるを得ないのではないか。
それぞれのテリトリーはノクス区域とキュリオ区域で分けられており、キュリオ区域の者がノクス区域に入らないように壁と門があり、歩哨が立てられている。門は通常閉ざされており、両区域間に売買物が行き来しているような素振りは見られない。又、キュリオ区域、ノクス区域以外に生活しやすい特区として「四国」が作られたらしい口承が残っているが、キュリオ内での内部闘争により常に内乱状態のような土地になってしまっている。
ノクスを見て最初に思いついたのは『戦闘メカ・ザブングル』に出てくる「シビリアン(市民)」を管理する「イノセント」と呼ばれる特権階級だ。歩哨の服装が彼等に似ている。イノセントはシビリアンに青い鉱石を掘らせ、その鉱石はエネルギーとして使用されているという搾取構造があった。もう一つ「続・猿の惑星」のミュータントと原始人にも似ている。原始人の管理者はミュータントではなく猿なのだが、ミュータントと原始人の間に交渉がなく、独立した生活基盤をそれぞれ持っている点が「太陽」に似てる。
ノクスはキュリオを管理はするが搾取はしていないと思う。
キュリオの土地から献上させなければならないほどの収穫は得られないのではないかと思う。逆にノクスは自分達のテリトリーで科学力を駆使して食物を大量生産できる技術を獲得しているのではないかと推測している。搾取対象でないにもかかわらず、ノクスがキュリオを管理しようとするのはキュリオに暴力傾向が強く見られ、同じ生活圏での共棲に限界を感じているからだろう。自分達の生活基盤を狂わせる可能性の高い者と一緒に生活は出来ない。
ノクスが再生可能エネルギーから大量にエネルギーを確保でき、それを元に食物を人数分行き届くように工場製品のように安定供給できるなら、地産地消をベースとする小さなコミュニティでの生き残りが可能である。国同士・経済組織(会社)が争い、一番の国・企業だけが貧しい者から搾取するという現況を覆す生活が出来る。過去や現在のように、富を集中させる事による対他者(他国)を制圧する力を蓄える必要がなくなるとしたら、それは老境に達した文化がやっと手にした理想郷ではないだろうか。この理想郷はただ継続する事のみが目的であるので、それは無限の停滞であるとも言える。それでも、現況の世界より狂っていないように思える。
ノクスになった門脇麦ちゃんがやはり可愛くない。俺はキュリオなんだな。
神木隆之介の絶叫ええわあ。
【銭】
2017年10月始まりで新しく購入したキネカード(名画座回数券)。半年間で3回入場券付で3000円。うち1回分を使用(2回目)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・太陽@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・太陽@映画的・絵画的・音楽的
・太陽@ここなつ映画レビュー
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