◆『GODGILLA 怪獣惑星』トーホーシネマズ新宿4,1

▲がっじーら。
五つ星評価で【★★,★★★「俺は、お前を……」少女マンガっぽいな】
最初、見た時は「なんか規模感メチャクチャで痛いな」と思って、それはそんなに間違えてないのだけど、二回目みたら、それは規模感間違えないと話として進行できないのだなと、自分の中で感情の整理がついて、そうしたらどうにか初回以上に楽しめた。
最初に怪獣勢ぞろい(影絵みたいに動かないのだけど)で地球全体が蹂躙されたのはいいけど、それで手助けに来た宇宙人(二種類)とともに地球を逃げ出す、その逃亡者全体が4000人と言うのは少ない(人数が逃亡後20年くらい経った後の人数だとしても)。種を維持するためには男女50人くらいずついればいいらしいのだが、60億から4000人の選抜はやはり少ない。一億くらい凍結させて逃げて管理してるのが4000人くらいと言うなら分からなくもないが。全人類が4000人しか生き残れないのなら地球で徹底抗戦するみたいな考えの方が自然だろう。もちろん、4000人がエリアでの人数で100カ所から発進400万人だったかもしれない。それでも規模は小さいが、逃亡した先の宇宙で連絡を取って集結するとかしてないからやはり4000人なのか。
地球に戻ったら2万年後、600人の地上探査部隊を割いて探査。ゴジラを発見する。
ここで、ゴジラを発見してやるべき事は攻撃ではないだろう。一匹しかいないかどうかを確認して一匹しかいなければ地球の反対側で暮らせばいい。ゴジラがテレポーテーションみたいな能力を持っていないのなら、無理に殺さなければならないという考えが不自然だ。そこは仮に横置きするとして、600人の探査部隊がただ避難するより、ゴジラと一戦戦った方が旗艦への帰途が確実になるから戦うというのなら、それは他に方法がないから理解できなくもない。
この映画でのゴジラは今までのゴジラとは別種。生物学的にどうにかOKにしてバリアーを張る。ゴジラが新しい機能を獲得すると大概ろくでもない事になるので、こういうのはそんなに好きではない。まあ、この機能その物が攻略の糸口だから、このアニメシリーズ(三部作)特有の性質ならいいだろう。対ビオランテで得た「ゴジラは放射能を食らう」という観念はそのまま居ついてしまったのだが、そういう事がないようにしてもらいたいと思う。
ゴジラ強い。そこはいい。アニメだから見劣りするとかはなかった。
それに対する非力な地球人の針穴に糸を通し続けるような絶望的な戦いもちょっといい(設定と映像での規模感の違いがあると思う)。ただ戦いは人類存亡の大作戦を仕掛けている割には小さい(それは規模感不正のせいでもある)。
映画ラストの「次は次で、また、やらかしてしまいそうだけど待っててや」的な閉じ方も好感が持てる。
だから、早く作りや。見たるけん(上から目線)。
◆『オリエント急行殺人事件』トーホーシネマズ日本橋6

▲歌声喫茶開店日みたいな写真。
五つ星評価で【★★いやいや元からそんな面白くなるような映画じゃないのよ】
読んでもないのになんだが、そもそもクリスティー女史の原作その物があのトリックと犯人については凄いが、他が二流なのだと思う。これは題名の殺人事件を解決する為に別の事件が分かっていないといけない『悪魔の手毬唄』タイプの事件なのだが、サブの事件をあからさまにしてしまうと犯人がモロ分かりになるし、サブの事件を隠しすぎると探偵が犯人に辿り着く事が出来なくなってしまう。旧作は最初からサブの事件を叙述し、気持ちは分かるが「お前自然な説明とかできないバカだろ」と思わされた。今作は何か知らん間にポアロが知ってる事になってた。えーとゴメン。真ん中あたり退屈さに船を漕いだ。その辺で割とちゃんと一つ一つ探偵が知識を得るための展開があったのかもしれない。それはそれで退屈な事だが。
という事で、構造的につまらないのはしょうがない。
評価すべきは監督ケネス・ブラナー自身が演じるポワロがシェイクスピア調に浪々と語る謎説きが中々堂にいってるところだ。元々のクリスティーファンがそういうのを求めているかどうかは知らないが、見栄を切るというのは映画的にはとても良い事だ。最初の関係ないエピソードでの無双ぶりもいい。
ツイッターとかで好き放題に呟いてる(下記)。
●オリエント工芸殺人事件「………」乗客も被害者も全員ラブドール。
●オリエンタルカレー殺人事件「ハヤシもあるでよ!」林が犯人
●オリエンタルラジオ殺人事件「でんでんででんでん」でんでんが犯人。
●「オリエント急行殺人事件」の探偵が灰色の脳細胞ポアロではなく、ロッキーシリーズのアポロでもそれなりに面白い映画が作れそう。「事件は全てこの拳が解決する」とか言って。
●(演劇とかミュージカルもあるらしいと聞いて)山海塾公演の「オリエント急行殺人事件」とか見たいな。
本音を言うと山海塾公演の「オリエント急行殺人事件」は5分だったら見たい。
◆『仮面ライダー平成ジェネレーション』トーホーシネマズ錦糸町7

▲ヤンチャ。
五つ星評価で【★★話し相手のいない同窓会に来てる感】
真面目に作っている所は評価する。ツギハギに無理があるのはしょうがない。パラレルワールドの振り分けはどうなっているのだろう?特に振り分ける必然性は本当はないのだから分からん。
オーケンは思った通りな感じ。彼が世界同士を何でゴッツンコさせたかったのかはよう分からん。まあ、したかったんだろうとしか。まあ、オーケンだからな。失恋して道連れ自殺に世界一つくらい巻き込んでもおかしくないよな。オーケンと同じくらい存在感を出してたのがアンガールズ田中。次の悪役でもええで(いや周りが嫌がるか)。
売れっ子役者が駆けつけてくれて割りと評判がいいのだが、もうちょっとやっぱ話をキチンとしてほしいからそんなに褒めはしないです。
◆『火花』トーホーシネマズ日本橋3

▲木村文乃出てなかったら、もっと映画ギスギスしたろうなあ。
五つ星評価で【★★★悪い評価も聞いてたけど、全然普通に見てられたので良かった】
桐谷健太すごいなあ(孤高の芸人が暴走しすぎてつまんなくなるとこまでちゃんと出してる)。この神谷さんはユーチューバー向きなのだと思う。
菅田将暉の現場で自分の身を削いて削いでそれでも笑いと向きあってる体も凄くいい。あれ、お笑いだけでなく万人の働く人々とリンクするから響いてくる。
お互い二人の相方も本当のお笑い芸人だと思うのだけど(名前知らん)名演。そこにいる存在感が凄く強い。
あと、顔で笑いを取る「加藤諒」に対して、「ダンボールを使って加藤諒の顔真似」くらい噛みついていったらよかったのに。システマティックにどっちが善悪ではないからこそ、「加藤諒」を単に「菅田将暉のコンプレックス」みたいな描き方にして解決を謀ろうとはしなかったのはよくないと思う。
木村文乃は天使(あの幽霊風俗行きたいわ)。
ツイッターで「花火」と題名間違えてた。「花火」で終わるんだから、「花火」でもいいじゃん。
◆『カンフー・ヨガ』トーホーシネマズスカラ座

▲疲れた中年管理職がドラッグに手を出そうとしてるところみたい。
五つ星評価で【★★くんだらねー(決して褒めていない)】
まあジャッキーが楽しそうなのはいい事だ。
美女はいっぱいいるけどキャラがないから差がよく分からない。
とりあえずラストのダンスで、もう何を言ってもしょうがない映画である事が分かってこの映画が不入りであるのは日本人は本当に賢い。うん、この映画は別に入らなくてもいい。
「カンフーとヨガが出会う時、1400年の秘宝が蘇る!」
「正月、ついにカンフーとヨガが出あってしまう!!」
と言うのがチラシのメインコピーだが、出あってないと思う。
「ヨガ」薄いしね。
NG集がなかったけどNGなかったのかな?
◆『未成年だけどコドモじゃない』トーホーシネマズ新宿8

▲超お嬢だけど二の腕は太い平佑奈。
五つ星評価で【★★★★平祐奈がぶっ飛ばしてる】
平祐奈がともかく上手い。いやあ、見直したと言うより元々、評価はしてたから「更に見返した」と言うべきか。
話の冒頭から、平佑奈がともかく良い。温室育ちで全て家の者が手伝ってくれるお嬢様(そんなの今はおらんやろ)をカリカチュアいっぱいに演じる。金持ちでオットリしててちょっと常識がないけど性格が真っすぐ。観客はすぐ彼女を好きになる。そして、彼女が一目惚れした彼と結婚する事になり極貧生活に叩きこまれながらも暮していくところを一々赤ちゃんの成長よろしく楽しんで観れるのである。前半のコメディーラインが凄く楽しい。相手のSexyZone中島健人もなかなかいいS男感を出している。このS男感がトラウマによる物で平佑奈の赤んぼ倫理でほだされていくところも実に自然。とっても楽しんで見れる。
問題は後半のシリアスライン。ライバルの知念侑李が良くない。ここで知念侑李はライバルの中島健人を認めない金持ち美男子を演じなければいけないのだが、そういう強みや凄みは特に感じられず、いつものバラエティに出てる知念君が高そうな服を羽織っているだけだった。これはもうちょっと(見た目だけでも)ベストチョイスになるライバルをジャニーズ村から連れてこれたのではないか?
平祐奈の父ちゃん役の高嶋兄は『High & Low』九竜のど外道ヤクザと変わらない演技メソッド。家にいる時と職場にいる時で態度が違うんだろう。
貧乏長屋の大屋さんの顔が見事に「怖い顔」のビジュアルを満たしてるのも良いと思う。
◆『リベンジgirl』トーホーシネマズ錦糸町8

▲「あっ、あん」目・桐谷。
五つ星評価で【★★★話に無理があるのを桐谷美玲の可愛さで強引に乗りきろうとした映画】
タカビー女が自分を振った政治家の卵を見返す為に国政選挙に売って出る、政治映画なのだが、チラシには
「運命の出会いが、二人を変えた」
「恋の終わりは恋のはじまり。この冬、最強のラブストーリー誕生!」
「クリスマスに贈る、この冬、最高のラブストーリー誕生!」
とかのコピーが踊る。えーと、そんな恋愛っ気多くないです。嘘です。
この映画の中で主人公の宝石美輝は嘘のない選挙、嘘のない政治を目指して、自分に不利になる要素もあえて隠さずに勝負に出ます。その映画の宣伝が全く逆の事をやってるのはちょっとどうかと。
主演のタカビー女宝石美輝(たからいしみき)役は桐谷美玲。彼女は「美人系」ではなく、「可愛い系」なので、緩やかにミスキャスト。若い時の松雪泰子がベスト宝石かもしれない。
まあただ、その知識と美貌だけで生きてきた宝石が政治の汚さの前に喜怒哀楽を剥き出しにするのは桐谷美玲が一々ベストアクトで面白い。桐谷美玲ほど細かい喜怒哀楽を演じる女優じゃなかったら、もっと悲惨な出来になっていただろう。
相手役は鈴木伸之。普通に普通を演じている。
あんな事件があったからこそいい味が出て見える斉藤由貴もグー。
相変わらず便利に使える佐津川愛美。
選挙戦の映画だが、街頭演説で汐の流れを変えられるなら、みな選挙カー回りなどしないで街頭演説ばっかやるよなあ。素人の私を驚かすような政治テクみたいなのが一つも出てこなかったのはちょっと驚いた。
あと、目黒のとんかつ・とんきを何故そこまでリスペクトしようとするのか理由が分からない。
◆『DESTINY 鎌倉ものがたり』109シネマズ木場3,トーホーシネマズ日劇2

▲ままごと夫婦。やはり70年くらいズラさんとあかんやろ
五つ星評価で【★★★★,★★★★あの夫婦が可愛い】
なんつーか堺雅人の夫も、高畑充希の妻もかーいくて目が離せない。
おままごとみたいなのにロマンチック。エンドロール百金の茶碗を神器にして飛ばす貧乏神様も可愛いが鬼が画面左にスゴスゴ退出する。あー西に向かっているんだな。あの世は西方浄土だから。ちょっとしゃれている。
ラスボスのデザインが今一気に食わない。黄泉の国の景色が絶美。あと宇多田ヒカルの曲が超心打つ。
【銭】
2017.12.17から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その三本目~十本目。
以下二作品はパス開始前に事前鑑賞済
『GODGILLA 怪獣惑星』:トーホーシネマズのメンバーズカードの6ポイントで無料鑑賞。
『DESTINY 鎌倉ものがたり』109シネマズのメンバー割引曜日に1300円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・GODZILLA 怪獣惑星@ぴあ映画生活
・オリエント急行殺人事件@ぴあ映画生活
・仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー@ぴあ映画生活
・火花@ぴあ映画生活
・カンフー・ヨガ@ぴあ映画生活
・未成年だけどコドモじゃない@ぴあ映画生活
・リベンジgirl@ぴあ映画生活
・DESTINY 鎌倉ものがたり@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・オリエント急行殺人事件@映画的・絵画的・音楽的
・オリエント急行殺人事件@或る日の出来事
・オリエント急行殺人事件@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー@徒然なるままに
・仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー@SGA屋物語紹介所
・火花@映画的・絵画的・音楽的
・火花@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・火花@ペパーミントの魔術師
・カンフー・ヨガ@だらだら無気力ブログ
・カンフー・ヨガ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・DESTINY 鎌倉ものがたり@映画的・絵画的・音楽的
・DESTINY 鎌倉ものがたり@或る日の出来事
・DESTINY 鎌倉ものがたり@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・DESTINY 鎌倉ものがたり@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・DESTINY 鎌倉ものがたり@ペパーミントの魔術師