豊洲で同日に見た2本をまとめてレビュー。
◆『ピーターラビット』ユナイテッドシネマ豊洲12
▲控えめに言って、カラーギャング。
五つ星評価で【★★★恐るべき害獣】
映画内で老マグレガー氏は「兎を害獣」と断言する。
それはとても強い説得力を持っている。
ヒトは自分の統制下に収められない自然に対しては明確に敵意を持つ。
隣人のビア嬢は兎を可愛がっているが、
彼女が彼等の食糧を用意する訳でもなく、
老マグレガー氏の畑は兎の凌辱を受けに受ける。
ビア嬢はマグレガー氏の悩みを聞くでもなく傍観者に徹している。
あの状態を持ってして「兎を愛すべき動物」と断言するビア嬢の方が
私は変人だと思う。
私はガッツリ老マグレガー氏と、若いマグレガー氏に同情した。
あんなん兎の姿だからコメディーで済んでいるが、
外見があの大きさの鼠だったらみんな撲滅しようとするに違いない。
そして、あの兎達のもっとも恐ろしい点は人間に対する敬意が
微塵もないという事だ。種族が違うからしょうがないのかもしれないが、
自分達の思うようにならない現実に対して
相手の生命を奪う事で解決しようとする兎達には引いた(面白いけど)。
老マグレガー、サム・ニールなのね。まさか爺さんとは思ってなかったから油断して全然わからんかった。例えば若い時に来日したイギリス人が日本で
『必殺仕置人』の山崎努を見ていたとしても、今、
『モリのいる場所』の爺を念仏の鉄とは思うまい。そんな感じか。いやいや山崎努は独特だから分かっちゃうか?
ラストの兎写真はまあ、いんでない? 見たくない人はさっさと離席しちゃえばいいだけだから。映画内容が内容だったので、アレ見て可愛いとかは皮肉にも思わなかったけど。
最終的に彼等兎達はペットになる事で「自然」から逸脱し、
マグレガーとビアに管理されるようになる。そしてみんな幸せになる。
ちなみに「ピーター」の名前は勿論「聖ペテロ」から取られた物だろう。聖ペテロはキリストの最初の弟子でキリストがローマ皇帝に捕まった時、「あんな奴知らない」と三度も否定した男である。歴史上、一、二を争う後悔野郎である。
「ピーター」の敵「マグレガー」は「グレゴリーの息子」の意味を持つ。この「グレゴリー」が何者かと言うと旧約聖書に出てくる堕天使の一団。この堕天使が人間に余計な知識を与えた為、人々は神を敬わなくなり、世は千々に乱れ堕落した。神は大雨を降らし、いわゆる「ノアの大洪水」を起こす元凶になった人々である。
ピーターの擁護者「ビア」は「ベアトリクス」の略称。ポター夫人のフルネームが「ベアトリクス・ポター」なので、その物ではないが原作者と近似しているキャラクター。「ベアトリクス」には「航海者」「旅行者」の意味がある。
つまり、これは堕天使の子孫が知識(電気や爆薬)により、世を散々乱すが、罪を犯し、それを後悔するペテロの民がノアの箱舟を思わせる航海者の名前を持つ女性によって災害から救われる。何かなかなか聖書に寄り従った物語でねーの、という事。うん、当てずっぼうだけどね。
◆『犬ヶ島』ユナイテッドシネマ豊洲6
▲伊勢佐木町ブルースを歌っていそうな4匹と1人。
五つ星評価で【★★★太鼓が好き】
基本、和太鼓ドンドン打ちならす映画は好き。
アーティスティックな雰囲気がたまらない。
【銭】毎週金曜日はユナイテッドシネマ・メンバーデーで会員1000円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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ピーターラビット@ぴあ映画生活・
犬ヶ島@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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ピーターラビット@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記・
ピーターラビット@徒然なるままに・
犬ヶ島@映画のブログ
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笑えたし面白かったのでバッチリOK。
- 2019/03/02(土)13:25:46 |
- 或る日の出来事
【概略】
ドッグ病が大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を‘犬ヶ島’に追放した。12歳のアタリ少年は愛犬のスポッツを救うために、たった一人で犬ヶ島に向かう。
アニメーション
.0★★☆☆☆
ウェス・アンダーソン。日本+犬。色々日本的なものが出てきて興味深いが独特。
チーフが実は洗ったら白い犬なんじゃないのって思ってたらやっぱりで、しかもスポッツ...
- 2018/11/27(火)21:51:53 |
- いやいやえん
【概略】
ピーターは世界で一番幸せなウサギ。たくさんの仲間に囲まれ、画家のビアという心優しい大親友もいる。亡き両親のことを想うと寂しいけれど、ビアの存在がすべてを吹き飛ばしてくれる。ところがある日、大都会ロンドンから潔癖症で動物嫌いのマグレガーが隣に引っ越してきたことで、ピーターの生活は一変!今までの幸せを守りたいピーターと、あの手この手で動物たちを追い払おうとするマグレガーとの争いは...
- 2018/10/09(火)16:33:34 |
- いやいやえん
イギリスの湖水地方。 ウサギのピーター、三つ子の妹プロプシー、モプシー、カトンテール、従弟のベンジャミンは、いつも優しくしてくれる若い女性画家ビアが大好きだった。 ある日、動物たちの天敵だったマグレガー爺さんが亡くなり、相続人の青年トーマスがやって来た。 動物嫌いの彼がビアと仲良くなり、ピーターはショックを受ける…。 コメディ。
- 2018/09/17(月)23:38:33 |
- 象のロケット
日本を舞台にして、有名な監督がアニメを。
- 2018/07/25(水)06:27:45 |
- 或る日の出来事
公開終了した作品の紹介もこれが最後です… 英国の名作絵本を大胆な解釈で映画化した
- 2018/07/10(火)22:32:22 |
- SGA屋物語紹介所
「すでに公開終了している映画」の紹介第二弾は、異才ウェス・アンダーソンが二度目の
- 2018/07/10(火)22:31:55 |
- SGA屋物語紹介所
ビアトリクス・ポターの名作絵本をCGと実写で映画化したコメディ・アドベンチャー。イギリスの美しい湖水地方の田舎町を舞台に、画家のビアや仲間たちと楽しい毎日を送るウサギのピーターが、都会からやって来た神経質な青年トーマスと、自分たちの快適な生活を守るべく熾烈な攻防を繰り広げるさまとを、ビアとトーマスの恋の行方とともにコミカルに描く。出演はローズ・バーンとドーナル・グリーソン、声の出演でジェーム...
- 2018/06/15(金)19:17:51 |
- 映画に夢中
「グランド・ブダペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督が日本を舞台に、「犬インフルエンザ」の蔓延によって離島に隔離された愛犬を探す少年と犬たちが繰り広げる冒険を描いたストップモーションアニメ。声優陣にはビル・マーレイ、エドワード・ノートンらアンダーソン監督作品の常連俳優のほか、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、オノ・ヨーコら多彩な豪華メンバーが集結。日本からも、「RADWIM...
- 2018/06/15(金)19:17:24 |
- 映画に夢中
ピーターと妹たちは、いつもマクレガーをからかい、その畑から野菜を盗んで暮らしていた。その隣には画家のビアという若い女性が住んでいて、ピーターたちの味方をしてくれていた。ある日マクレガーは突然心臓発作で亡くなってしまう。これで好き勝手やり放題だと喜んだピーターたちだったが、それもつかの間、ロンドンからマクレガーの甥トーマスが遺産を相続してやってくる。潔癖症で神経質なトーマスはピーター達を追い出...
- 2018/06/11(月)20:02:55 |
- 【徒然なるままに・・・】
【ネタバレ注意】
もともと犬の映画を作りたかったのだ、とウェス・アンダーソン監督は云う。
「ジェイソン・シュワルツマンとロマン・コッポラと僕は、当初ゴミ捨て場に捨てられた犬達を主人公に映画を作りたいと思っていた。だけど同時に日本を舞台にした映画を作りたいとも思っていたんだ。日本に関すること、日本映画への愛を示すような映画を作りたいとね。とりわけ、黒澤への愛を。この物語の舞台は、...
- 2018/06/10(日)23:32:52 |
- 映画のブログ