FC2ブログ

ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『SUNNY』『クライング・フリーセックス』『スティール・サンダー』『のんのんびより ばけーしょん』『大人のためのグリム童話』

摘まんで5本まとめてレビュー。

◆『SUNNY』ユナイテッドシネマ豊洲6

▲酔っぱらって打ち解けるすずとエライザ。成人映画ならこのあと濡れ場なのに。

五つ星評価で【★★翻案はかなり上手くやっているが、一番大事な部分が無視されていないか?】
息も出来ないほど涙を流した韓国オリジナル版、と言いながらもう、あまり細かく覚えていないのだけど、それに比べると、上手く翻案した物の、やはりどこか借り物感を払拭できず、瞳が潤みはしたが涙は流さなかった。

大きく違和感を感じたのは篠原涼子が娘の制服を着て自宅でJ-POP歌ってる所。確かに韓国版にもあるけど前置きも何もなしで制服着せるのかよ。あそこで歌わせる理由が希薄。篠原涼子の娘に関しては、娘側の問題を親が解決するシーンが皆で制服着て浮気夫フルボッコに変わってしまった。いや、日本人は大人になってから、待ち合わせ相手をビビらせるだけの為にJKの制服を着ないと思う。篠原の娘を残した理由が制服着せたいというだけの理由しかないのか? 韓国版では色々、過去と向きあいながらも自分の家族も蔑ろにしないという意味で、娘も夫もちゃんと最後に帰るべき場所として提示されていたと思うが、日本版はほったらかしだ。
韓国版はこれから自分達が掴むはずの輝かしい未来を思い描く若者パートと、ことごとくそれが実らない中年パートがかなり残酷に対比されていた。日本版ではコギャルが明るくふんぞり返って無敵に見せてるだけで、それぞれが未来の展望を描く部分が薄まってるので残酷な対比にならなくなっていた。
韓国版の方がメンツが一人多いのに、キャラの混同を誘うのは日本版。
田舎者、デブ、美人は合格。他の三人(リーダー、貧乳、美容師志望)が同じような顔、同じようなメイク。メリハリを付けようという意思が感じられない。ちょっと考えてからでないと見分けがつかない。それではダメなのだ。一人ガングロにして、一人眼鏡にして、一人色付きヘアピースとか見た目だけでも変えればいいのに。
全員がコギャルの女子校な訳だが、売春やドラッグをやってるのはSUNNYの敵対組織だけ(っぽい)。そういう配分にリアリティーがない。田舎者の広瀬すずを除いて、他の6人はコギャル・ファッションをちゃんと着こなす為にそこそこ裕福な筈だ。でも、裕福たらしめている理由が描かれない。別に稼ぐ方法はどんなでも構わないのだが、それが描かれないとみんな妖精のようにコギャルになってしまった事になり、リアリティーに問題が生じる。それは学園で生活する全てのコギャルがそうだ。
敵対組織がいちいち絡んでくるのも韓国版がそうだからと言う理由だけだろう。売春やドラッグをやってる敵対組織が本気で気に食わない奴を叩きのめすなら、ドラッグ・ディーラーやチーマーのツテで男の不良に襲わせたりするだろう。女でドラッグやって、やめられない。その為に援交でも何でもすると言うのは手だしすると危険なカスだ(少なくとも日本ではそうだ)。そんな相手と牧歌的な喧嘩などできない。殺るか、殺られるかだ。
コギャルの外見は描かれている。でも、生活が描かれていない。だから、映画としてただ騒いでいるだけに見えてしまう。
敵対組織で昔、芹香と仲が良かった相手鰤谷が「よくも捨てやがったな」と怒る。
どちらかと言うと捨てられた方が怒るのは当然だ。
捨てた方が悪く見えないように、捨てた女が仲間もドラッグに引きずり込もうとしたとかをちゃんと描くべきだ。
こういう描写が韓国通りになぞってしまった為に、逆に日本に生きていた少女たちのリアリティーを失ってしまった気がする。韓国の少女たちが日本で考えられない奇天烈な事をする分には「まあ、韓国ではそういう事もあるかもしれない」で済むのだが、日本が舞台で日本のJKが主役ではそうはならない。その辺にもうちょっと注意を払うべきだったのではないか?

演技的に凄いのは三人。
① ともさかりえ。こえー。すげー。
② 広瀬すず。相変わらず達者。
③ 小野花梨(鰤谷)。


◆『クライング・フリーセックス』K'S cinema

▲絵がすこぶるマヌケ。

五つ星評価で【★★★★ゲラゲラ】
これはどんな人でも上から目線で「くだらない」と言える大傑作。
まあ、こーゆーんは許す。ええやんけ。


◆『スティール・サンダー』キネカ大森3

▲うーん、ヴァンダム(古うーっ)。

▲そして、強すぎて何で捕まってるのか分からんドルフ・ラングレン。趣味か何かで捕まった体で独房で静養してるようにしか見えない。

五つ星評価で【★★アクション映画だけどアクションが今一】
「ヴァンダム&ドルフ・ラングレン最強タッグ結成25周年記念!」だそうだ。
なので、ヴァンダム、ラングレンの存在感だけ異常に際立ってる。

アクションが潜水艦の中なのに、
人体にのみ影響を与える銃を使わせたガン・アクションが主体。このガン・アクションがさして面白くない。中に挿し込まれるヴァンダムやラングレンの白兵戦は面白いが、尺が短い。
銀座シネパトスっぽい一本。


◆『のんのんびより ばけーしょん』角川シネマ新宿1

▲カメ止め的に「ぽん」と言いそうな宮内れんげ。

五つ星評価で【★★ぼけーっと見てられる】
一切元の設定を知らずに一見さんで見たが大きな問題はない(もちろん当然知っている方が楽しめるだろう)。ただ最初から全く説明する気もなく、何人もの主要登場人物を出して、それぞれの個性がそんなに前面に出ない状態を見させられていると、客を絞った商売と言う見切りで作っているのだろうが、才気もないよなあと感じさせられてしまう。
大きく何が起こる訳でもない4コマ漫画的な日常を、いつも通りにゆったりやってる感じ。安定してるが新味はない。
放送事故かと思うくらい、絵を止めて作る間の長さが観客を信頼している事が分かって心地よい。
一番ちびっ子のれんげが沖縄旅行で絵を描く予定だったイルカの代わりに何を描いたのかはっきり言わなかったのは何でだろう。謎である(俺の気づきが足りなかっただけか?)。


◆『大人のためのグリム童話』ユーロスペース1

▲金もいらなきゃ、女もいらぬ~、わたしゃも少し手が欲~し~い~。

五つ星評価で【★★★基本的に新手法の長編アニメには厳しい】
海外のアニメ作品などを見てる人にはそんなに珍しくない手法だとおもう。
これで長編持つのは一見適当に描いているように見えるキャラの顔や表情が不鮮明な写真を見た時のように脳内で一つの像に補われるからだろう。はっきり描かない事により浮かび上がる絵は現実でも行っている脳内操作だから、結果としてリアルに見える。ただ、個人的にはあの芋っぽい主人公の顔は嫌い。
悪魔の悪巧みが何か他にやってる事がある様にも見えず暇そうなのに手ぬるい。


【銭】
『SUNNY』:ユナイテッドシネマのポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
『クライング・フリーセックス』:短編特別価格500円。
『スティール・サンダー』:テアトル会員割引1300円。
『のんのんびより ばけーしょん』:テアトル会員割引1300円。
『大人のためのグリム童話』:ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
SUNNY 強い気持ち・強い愛@ぴあ映画生活
CRYING FREE SEX@ぴあ映画生活
スティール・サンダー@ぴあ映画生活
劇場版 のんのんびより ばけーしょん@ぴあ映画生活
大人のためのグリム童話 手をなくした少女@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
SUNNY 強い気持ち・強い愛@或る日の出来事
SUNNY 強い気持ち・強い愛@映画のブログ
大人のためのグリム童話 手をなくした少女@ノラネコの呑んで観るシネマ
スポンサーサイト



コメント

さにい

韓国版を詳しくは覚えていませんでしたが、やはり、あっちが上な印象はありましたね。
ま、すずちゃんを観ればいいので。
校庭に水飲みに行っては、鰤谷につかまっていたような(笑)

  • 2018/09/25(火) 07:48:02 |
  • URL |
  • ボー #0M.lfYJ.
  • [ 編集 ]

Re: さにい

こんちは、ボーさん。

> ま、すずちゃんを観ればいいので。

長井秀和「間違いない」

  • 2018/09/25(火) 23:24:19 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

手をなくした少女

流行りの一人長編アニメーション映画の中ではダントツ。
動きの中にすべての感情を見る、これぞアニメーション表現のダイナミズム。

  • 2018/09/29(土) 21:50:06 |
  • URL |
  • ノラネコ #xHucOE.I
  • [ 編集 ]

Re: 手をなくした少女

こんちは、ノラネコさん。

> 流行りの一人長編アニメーション映画の中ではダントツ。

は、流行っていたのか。流行病みたいなものだと考えると怖いな。私はミーハーなので初期に流行った「ほしのこえ」が好き。

しかし、最近は生まれながらに手や足のない人が「不便な事はあるけど不幸ではない」という見方が一般的になってきたけど、この映画の中の手の欠損は久しぶりに見た純粋な「欠損」でした。「元々あったんだから、なくなったら不便だし不幸だろう」と言う。しかも、代わりにあてがわれた黄金の義手が、価値がありそうに見えながら明らかに役に立たない。欠損を埋めるのに傷口に塩を塗るみたいな、、、これは悪魔の計略の一部ではないので人間も悪魔以上に余計な事をするのだ、と言う(しかも配偶者から)。

  • 2018/09/30(日) 07:14:32 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://fjk78dead.blog.fc2.com/tb.php/5516-c93f5b28
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SUNNY 強い気持ち・強い愛

末期がんを患ったかつての親友に再会した主人公が、彼女の願いをかなえるために昔の仲間探しをしていく物語を、現在と当時の回想をめぐりながら綴ることで、当時の時代背景に懐かしみ、かつて苦楽を共にした仲間たちに思いを馳せていく2011年の韓国映画、青春映画「サニー/永遠の仲間たち」。今回「モテキ」の大根仁監督により、現在とコギャルで賑わった95年を時代背景にリメイク。また当時を象徴するファッションや...

  • 2018/10/01(月)11:25:50 |
  • 映画に夢中

SUNNY 強い気持ち・強い愛

女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた1990年代に青春を謳歌した、女子高生仲良しグループ「サニー」のメンバー6人。 …22年後、専業主婦の奈美は親友・芹香と久しぶりに再会するが、芹香は末期ガンに冒されていた。 「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」という彼女の願いを叶えるため、奈美は動き出す…。 ヒューマンドラマ。

  • 2018/10/01(月)00:44:32 |
  • 象のロケット

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』: 『ラ・ラ・ランド』の向こうを張ったオープニング @試写会

8月末からロードショウされる『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、ひと足早く試写会で鑑賞しました。 2011年に製作された韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を、舞台を日本に置き換えてリメイクしたものです。 さて、映画。

  • 2018/09/30(日)14:18:53 |
  • キネマのマ ~ りゃんひさ 映画レビューなどなど

SUNNY 強い気持ち・強い愛

SUNNY 強い気持ち・強い愛@よみうりホール

  • 2018/09/30(日)10:04:36 |
  • あーうぃ だにぇっと

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」:笑えて笑えて、泣けて泣けて泣けて

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』を試写会で観ました。韓国映画の日本リメイク

  • 2018/09/29(土)23:30:33 |
  • 大江戸時夫の東京温度

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 2018年8月14日 よみうりホール

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 を試写会で鑑賞しました。 大根仁監督やりました! 女性を撮ると流石だね。 【ストーリー】  夫と高校生の娘と暮らす40歳の専業主婦、阿部奈美(篠原涼子)は、日々の生活に空しさを感じていた。一方、独身で39歳の社長・伊藤芹香は、ガンで余命1か月を宣告されてしまう。およそ22年ぶりに再会した芹香にもう一度みんなに会いたいと告げられた奈美は、ある事件が原因で...

  • 2018/09/29(土)23:19:16 |
  • 気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-

ショートレビュー「大人のためのグリム童話 手をなくした少女・・・・・評価額1700円」

世界は残酷だが美しい。 これは創作の熱がほとばしる、驚くべき映画だ。 アヌシー国際アニメーション映画祭ノミネートの「Des câlins dans les cuisines」や「Regarder Oana」などの短編で知られるフランスのアニメーション作家、セバスチャン・ローデンバックがグリム童話の「手なしむすめ」をベースに、ほぼ一人で作画し長編アニメーション化した大労作。 2016...

  • 2018/09/29(土)21:29:09 |
  • ノラネコの呑んで観るシネマ

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』と『サニー 永遠の仲間たち』、少し『タクシー運転手 約束は海を越えて』

 2018年公開の日本映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は、韓国映画の傑作『サニー 永遠の仲間たち』を、『モテキ』『バクマン。』の大根仁監督がリメイクしたのだから鉄板だ。歌あり、ダンスあり、恋と喧嘩と友情あり。懐かしい1990年代のヒット曲に乗せて、ついホロリとさせられる、とても素敵な作品だ。  ストーリーは原作映画とほぼ同じである。主人公たち六人組の暮らす現代と、彼女らが回想する...

  • 2018/09/25(火)01:03:56 |
  • 映画のブログ