◆『バイス』トーホーシネマズ六本木3

▲目だけ見れば確かにクリスチャン・ベールなんだけど。『火の鳥 宇宙編』で延々と若くなったり年を取ったりという刑罰に処せられる牧村隊員と言うのがいたが、クリスチャン・ベールってクリスチャン・ベールというマネキンの中に入って永遠に痩せたり太ったりしてる人みたいだ。
五つ星評価で【★★バイスの欲望が見えない】
どーも主役のチェイニー副大統領がどんな具合にそこまで登りつめてどう世界に酷い結果を仕組んだのかは分かったが、何でそんな事をしたのって、それで彼に何の得があるのって欲望面がラストの株取引で儲けたってテロップの一行だけで、そこ薄くない? パウエルさんは『記者たち』でも裁定が下っていたように完全に被害者、何か顔が元から泣きゲイっぽくって可哀想顔なんだよね。『記者たち』は正しくない戦争によって、多くのアメリカ国民が不幸になった事を糾弾していたが(モンタージュ映像も自国民の被害が中心)、この映画では正しくない戦争で攻め込まれる事によってイランの国民がどんな目にあったかが映像的にモンタージュされる。絵的にキツいけど、この表現が正解だよなあ。
しかし、これも『記者たち』も、イラク戦争は誤りであるとの見解だが、その元になった(と言うか、イランとしては因果関係はないが)貿易センタービルへの飛行機テロについて、何故ビン・ラディンがそんな事をしたかについては語られないのね。あんな事されるからにはアメリカは国として相当恨まれている筈なのだけど。その辺を語る映画があってもよいよなあ(知らんだけであるのか?)。
◆『グリーンブック』トーホーシネマズ六本木9

▲バイトとCEOみたいな。
五つ星評価で【★★★★盤石におもろいよ】
グリーンムックだったら、カチャピンだらけの町で差別を受けないよう色を変えて努力するムックの話になるのに。
人と人の繋がりはかくあってほしいという実に目はしの行き届いた快作。
主人公がともかくチェーン・スモーカーでずっと吸い続けてるのもよし。
ラスト映像に出るほんまもんがぽっちゃりしてて芦屋雁之助っぽい。
2台目のパトカーの演出が気が利いてるわな。
◆『マックイーン:モードの反逆児』トーホーシネマズ六本木6

▲確かに凄い奇想というのもあるんだけど、狂おしい身体の線を下品にならずに表現できる技術に裏打ちされてるんだよな。
五つ星評価で【★★★尺は長いがまあ綺麗なこと】
副題に『モードの反逆児』と書かれているが、「反逆児」どころか、彼の服は「ファッショナブル」や「モード」を相手にしていない作風だと思う。だから、古びない。彼の服の中に出来た順番はあっても、「時代」や「流行」はないのではないか。初期の服も後期の服も、同じように素晴らしい。でも、おそらく生活には向かない。機能美を追求したデザインではない。その代わり、純粋にそこに「美」がある。だから、基本、パーティードレスなのだと思う。一瞬、それを着用する事で着用者のセンスが底上げされればそれでいいだろう。そんな服。
冒頭からBGMが『コックと泥棒、その妻と愛人』なのも驚いたがマイケル・ナイマンがマックイーンにかなり早い時期に音楽家として雇われてたという事実も驚いた。
マックイーン自身が着てるオシャレじゃない当たり前の服も良いなあ(途中からオシャレ服着るようになってしまい、とても残念)。
【銭】
『バイス』:トーホーシネマズデーで1100円。
『グリーンブック』:トーホーシネマズデーで1100円。
『マックィーン』:トーホーシネマズデーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・バイス@ぴあ映画生活
・グリーンブック@ぴあ映画生活
・マックイーン:モードの反逆児@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・バイス@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・バイス@ノラネコの呑んで観るシネマ
・グリーンブック@ここなつ映画レビュー