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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ヘレディタリー/継承』『アンダー・ザ・シルバーレイク』新文芸坐

新文芸坐の企画「話題の新作2本立てウィーク」から1プログラム。

◆『ヘレディタリー/継承』

▲素晴らしい顔芸である。香川照之と国際結婚して顔芸夫婦になるような映画を作ってほしい。

▲鈴木宗男似。

▲ムロツヨシ似。だから何となく同情しづらかったんだな。今、分かった。

五つ星評価で【★★★★話転がしが上手いと思う】
2018年のカラー映画。127分。初見。
「屁が出るディレクター ケイン&ショー」って屁が出続ける侍親子かよ!(違う)
ではなく、文化・死生観、宗教観が異なるのにイヤな恐怖感が地擦りする感じで迫ってきて「やるな」と思った。

この狂えるお母さんをやったトニ・コレットは『マダムのおかしな晩餐会』のいけ好かないマダムの人なのか。この人、役を演じる事が優先で、それによって自分が嫌われるとかはどうでもいい人なのね、偉いわ。それにしてもイヤな役だわ。もちろん同情は出来るのだけど、それでも四人家族で一番イヤな役。子供は被害者の側面が強く、父親は常識人のスタンスだから、トニ・コレットがはじけざるをえない。彼女の熱演がこの映画を支えている。勿論、それだけではないけど。あとは全裸家族か。それだけでもないけど。


◆『アンダー・ザ・シルバーレイク』

▲はーい、ひょっこりはーん(やる気がないな/そらやる気がないだろ。やってないんだから)。

五つ星評価で【★★★★そんなんで神様になれるの】
2018年のカラー映画。140分。初見。
まずいっちゃん最初に思ったのはアンドリュー・ガーフィールド、北村一輝に似てきたな。おいおい、いいのかそれで、アンドリュー・ガーフィールドも、俺も。
このアンドリュー・ガーフィールド演じるオタク青年(という事にされてるが大してオタクではない)が惚れた姉ちゃん失踪の謎を探して、町のあちこちを放浪して、町自身の意思から排斥される映画。いやあ、カルト・ムービーだ。町が隠していた真実の内容が夢っぽくてカルトくさくてたまらない。そして、主人公のアンドリュー・ガーフィールドは夢を追って夢を手に入れられず現実に埋没していく。切ない。ずっと背後に忍び寄るように小さくかかってる劇伴が特徴的。
主人公がジェームス・ボンドだったら、あの終焉の地を大爆破してヒロインと一緒に逃げ出したりするのだろうなあ。

スフィンクスとピラミッドに立ち向かった石工の青年の話、でもあるのかな。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円+年会費更新1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヘレディタリー/継承@ぴあ映画生活
アンダー・ザ・シルバーレイク@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ヘレディタリー/継承@銀幕大帝
ヘレディタリー/継承@いやいやえん
ヘレディタリー/継承@或る日の出来事
アンダー・ザ・シルバーレイク@ノラネコの呑んで観るシネマ
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コメント

こんばんは。

→ヘレディタリー
めちゃくちゃわかりやすい日本に置き換えた信仰、ありがとうございます。
その代だったら、もうどうしようもなく逃げ出すことも出来ない「風習」という名の鎖が、主人公をがんじがらめにするんでしょうね。

不協和音がはじまってから終わるまでずっと続くような不快さのある映画でしたが、
ラストオチがメインとかじゃなくて、その不快さを味わう映画なんだろうなと思いました。

  • 2019/05/17(金) 17:02:51 |
  • URL |
  • maki #jQTfdwCM
  • [ 編集 ]

Re: こんばんは。

こんちは、makiさん。

> めちゃくちゃわかりやすい日本に置き換えた信仰、ありがとうございます。
> その代だったら、もうどうしようもなく逃げ出すことも出来ない「風習」という名の鎖が、主人公をがんじがらめにするんでしょうね。

これは「いやいやえん」へのコメントね。うん、上手いこと書けた気がしてる。



> 不協和音がはじまってから終わるまでずっと続くような不快さのある映画でしたが、
> ラストオチがメインとかじゃなくて、その不快さを味わう映画なんだろうなと思いました。

ラスト「どんがらがっしゃーん」みたいな驚きがないですもんね。

  • 2019/05/18(土) 00:32:27 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

やなかんじ

もんのすごい、やな感じ横溢で、その点はすごかった。
トニコレもすごい(パリコレとは全く違う)。

  • 2019/05/18(土) 07:57:55 |
  • URL |
  • ボー #0M.lfYJ.
  • [ 編集 ]

Re: やなかんじ

こんちは、ボーさん。

> もんのすごい、やな感じ横溢で、その点はすごかった。
> トニコレもすごい(パリコレとは全く違う)。

矢な感じと言うと「アベンジャーズ」でいう所のホーク・アイか(矢というか弓矢か)。まあ、あの人も闇落ちしたから間違えてはいない。パリー・コレットって名前の人がいたらおバカさんっぽいな。

  • 2019/05/19(日) 06:18:34 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
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こんにちは!

コメントありがとうございました。
父親の立場からすれば「もうヤだこんな家族」な『ヘレディタリー』と、「働けよ息子」な『アンダー・ザ・シルバーレイク』。
そして2作に共通するのが「全裸」。
只観て美味しい「全裸」は後者ですけど、観て不安になる「全裸」は前者でした。

  • 2019/05/21(火) 18:00:02 |
  • URL |
  • ヒロ之 #-
  • [ 編集 ]

Re: こんにちは!

こんちは、ヒロ之さん。

> 父親の立場からすれば「もうヤだこんな家族」な『ヘレディタリー』と、「働けよ息子」な『アンダー・ザ・シルバーレイク』。
> そして2作に共通するのが「全裸」。
> 只観て美味しい「全裸」は後者ですけど、観て不安になる「全裸」は前者でした。

見て不安になるくらい「贅肉を伴った全裸」ってメディアで目にしない、という事かもしれません。ドラマなどで「贅肉を伴った全裸」で一番お目に掛かるのが警察での解剖死体である気がします。解剖死体でビルドアップされてるとか見ないですよね。それはそれで不謹慎に不自然、そういうケースが絶対ある筈なのに。

  • 2019/05/22(水) 02:28:38 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

こんばんは。

→アンダー・ザ・シルバーレイク
なんかすごく変な話でしたね
観ている間は長尺も気にならず、そこそこ見入ってしまったのですが
ニンテンドウパワーマガジンの謎がとけたときに
「おおっ」とちょっと心がざわつきました
あのバンド、イエスとか、ちょっとした小道具とか、洒落てる部分もあるんだけど、最終的にオチもそうですが、毎日眺めてた裸族のおばさんと、ってところも予想の斜め上行く展開で、
今思うとおもしろか…ったような気がしないでもない…という
よくわからない感想に。
爽やかだったガーちゃんよりはこちらのガーちゃんのほうが目が死んでて良かったですが。

  • 2019/06/24(月) 20:13:52 |
  • URL |
  • maki #jQTfdwCM
  • [ 編集 ]

Re: こんばんは。

こんちは、makiさん。

「もう一回最初から通して」と言うのは疲れるのだど、気になる場面を摘まみ食いしつつ、と言うのならブラっと振り返ってしまいそう。

  • 2019/06/25(火) 02:25:15 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

アンダー・ザ・シルバー・レイク

不思議な話でした。

サムと繋がりのある女性たちが、快楽で結び付いていて、それは、人の輪を広げる助け合いではなくて、いわゆるセフレとして肉体関係が深まりすぎると、心は離れていくもの。思い通りになる関係のチープさと、儘ならない、サラを追いかけるからこその恋愛の魅力、というのは、遠距離恋愛ですらないもので、極めて限られた時間、話す事が出来て、サムは、その一瞬に絆を懸けていた、と思います。

どんなに為っても、心から幸福でなくとも、生きていかねばならない事で、ひとときの会話から愛を引き出す賭けに熱烈になれるサムと、規律的な生活に冷たく埋もれて行くサラとの対比があり、全く違う二人だからこそ、矛盾を踏みつぶす、愛のあったひとときの有り難みが分かると思います。

これを見ると、恋愛の優位性に男女の違いは無いと思いますね。

  • 2019/06/28(金) 23:18:01 |
  • URL |
  • 隆 #14ewOnfE
  • [ 編集 ]

Re: アンダー・ザ・シルバー・レイク

こんちは、隆さん。

この映画は色々な解釈を許す作りになっていて、どこかのブログで、サムはスカンクにかまされたと言っているが、実はそれはサムの死臭であり、彼は既に死んでいるという説がありました。死んでいる彼が生きている異性を追いかけるのは、監督の前作「イッツ・フォローズ」のなぞりです。死者には特定の生者を追いかけまわす特性がある。死んでいるのに動き回る者を止めるためには拘束するしかない。だから、拘束されるのですが、もう追いかける事も出来ない無害な者として拘束も解かれます。そして、彼はまた新たなピースを探す。個人的には「愛」っぽくは感じなかった。

  • 2019/06/30(日) 22:45:31 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
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ふじき78さん

サムが死んでいる理由と、生きている人を追いかける関係が良く分かりませんが、生きる、というのも、個人によって、生活の充実度が違うと思いますので、より、エネルギッシュに生きている人間に惹かれる、という事はあると思います。

愛ではない、というのは、おそらく、建前上はサラを追いながら、他の女性との関係を持ったからだと思いますが、それでは、サラ一人を特別に追っていた、とは為らないのでは。

追いかけるのは自由ですが、サラの何に惹かれていたのか、声を聞けただけで安堵するサムはさほど悪い男には思えませんでした。むしろ、プアホワイトで、経済的に弱い立場に居る自覚を持っていて、取り立てなどに次第に追い詰められており、そんな自分では、サラを救えない、との結論に至ったように思いました。

  • 2019/07/01(月) 20:01:04 |
  • URL |
  • 隆 #UmYARYw6
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、隆さん。

> サムが死んでいる理由と、生きている人を追いかける関係が良く分かりませんが、

理由は簡単に言ってしまえばない。
大半の映画の中の登場人物が生きている事に理由がないように、事象に対してはそういう事象があるだけで理由はいらない。フクロウのマスクの殺人者がいる事に理由はあるのか。あるのかもしれないが、なくても彼女は存在する。仮に理由があるとしたら、それは解釈する人が論拠を強力にしたい為だからだろうから、それは後付けの理由ではないか。サムは生きているのか、死んでいるのか分からない。でも、死んでいると仮定したら、そこに理由はない。
生きている人を追いかける理由も彼の内にはない。それはルールだからだ。ある一定の条件を満たす時、ルールが発動する事をマンガで描いたのは諸星大二郎だ。死者が生者を追うのはイザナミがイサナギを追ったり、「イッツ・フォロー」で執拗な追跡があったり、よくある事だ。誰もルールから逃げられない。

追いかける理由が「愛」であったら綺麗だったろうが、特にそう言う風には見えなかった。見える人には「愛」なのかもしれない。ここは見え方の問題だからきっと正解はないのだろう。

  • 2019/07/02(火) 22:50:42 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
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