◆『歎異抄をひらく』新宿シネマート1

▲左手奥が主人公。鎌倉時代の百姓なのでどうやらザンギリで正しいらしい。右手前は修行僧の先輩。ゆるふわ髪でビジュアル系説法かよ!(街頭で女子に説法モテモテの描写が本当にある、、、っつか流石にそういうモテモテとかは演出だろ、、、、いいんか? 実在した本当の親鸞上人の弟子だろうに)
五つ星評価で【★★これはアニメ向きでない題材】
親鸞上人のいう「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」の真の意味とは? 弟子になった少年が解説する。
宗教説法を物語の形にしてアニメで描くというのは向いていない。アニメのメリットはデフォルメできる事なのだが、最初から最後までデフォルメらしいデフォルメがない。せいぜい猛獣として熊が出てきた事、少年として出てきた主人公が年老いた事ぐらいだろう。一般にはそういうのはデフォルメ(誇張)とは言わない。親鸞上人の物語に巨大ロボを出したり、変身シーンは入れられないだろうが、奇抜なものやアクションにアニメは効果を発揮する。つまり相性がいい。Aさんが話してるのをBさんがずっと聞いているみたいな地味なシーンの連続はアニメより人間の役者のほうが向いている。人間の役者は黙っていたり止っていたりしても完全には静止していないからだ。絵と違う。佇まいその物に表情がある。会話劇などは確実にアニメより実写の方が説得力などについて高い効果を得られるだろう。
それでも、アニメで作られてしまうのは、客層の間口を弱年層にまで広げたいという希望と、制作費が実写よりは安いからだろう。それは本来作品と関係のない部分だ。チーン。
アニメの登場人物は基本みんなイケメンに描かれているが、凄く美麗に描き切ったという風には描かれていない。どちらかと言うと事務的に処理してるように見える。作画陣に取って、この顔を描くのがストレスだったのではないか。みんな農民とか僧侶だからイケメンに描くのに説得力がなかったんじゃないか?(イケメンの農民や僧侶の人ゴメン)
大事なのは阿弥陀如来の再臨を待ち、ずっと祈ること。
阿弥陀如来は全ての人を善人、悪人分け隔てなく救ってくれる。
それどころか、人間は全員、煩悩を持つから悪人なのである。
善人ですら悪人の一つの形態に過ぎない。
凄いよ親鸞上人。永井豪の人間は悪魔より悪魔である、を思いだしてしまった。これまで聞いていた解釈と違う悪人論にはちょっと惹かれた。たいへん『デビルマン』的であり『魔王ダンテ』的な発想じゃないかと思う。
◆『コンフィデンスマンJP』トーホーシネマズ渋谷6


▲ダー子。
五つ星評価で【★★★こういうのムチャクチャ簡単に騙されるマン】
ドラマは未見。一見さん。
うおー楽しい。ダー子ばっちぐー。江口洋介が意外に男前やないかい。
ダー子が変な顔する所は全ていい。
そもそもダー子って変な名前が凄く可愛い。
◆『貞子』トーホーシネマズ渋谷2

▲エライザと貞子のキューティクル合戦。
五つ星評価で【★★うわ、あははははは】
エライザ可愛いのう。まあ、それはそれ。
シリーズ設定を遵守できていない脚本がダメ。と言うより新作できる度に設定がぶれているから、その時一回だけでも成り立つようにちゃんと設定を整理して提示すべきだと思う。多分、今回からだろうと思うが、貞子が親に殺された子供にシンパシーを抱いていて、伊豆にあるある洞窟と同調しているという設定に凄く強い違和感を感じる。確かに貞子は育ての親に井戸に捨てられたが、だからと言ってその親に強い憎しみを抱いている風ではない。最終的に怪物化してしまう貞子にそんな人間的な感情があると考える方がちょっと胡散臭い。
佐藤仁美が何か到底、彼女が知りえてそうにないこと全てしゃべるのもどうか。佐藤仁美の親友が『コンフィデンスマンJP』で香港マフィアの女王ラン・リウを演じていたのも何かの呪いか? そう言えば、そっちのリチャードは『リング2』で貞子のエネルギーを液体に逃がそうとして返り打ちにあった前世とかあったよな。
あと、清水尋也の独特な顔が好き。
そして開口一番で言った通り、池田エライザ可愛い。衣装宮本まさ江(衣装いいと思ったら大抵この人)の出す服も的確。
演出は絵作りという意味では上手く怖い絵を作ってると思うが、そもそも話がダメなので怖さを素直に感じられなくなってしまっている。中田秀夫監督は脚本をそのまま一番ベストに映像化する。そういうタイプの演出家なのだろう。なら、いい脚本を与えないとダメだ。そもそもいい脚本が必要である事はどんなジャンルであれ、鉄則だけど。
「撮ったら呪われる」わはははははは、何じゃそりゃ。
【銭】
『歎異抄をひらく』:映画ファン感謝デーで1100円。
『コンフィデンスマンJP』:映画ファン感謝デーで1200円。
『貞子』:映画ファン感謝デーで1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・歎異抄をひらく@ぴあ映画生活
・コンフィデンスマンJP@ぴあ映画生活
・貞子@ぴあ映画生活
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