『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』新宿ピカデリー8(ネタバレ)
- Date
- 2019/08/14/Wed 02:55
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
◆『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』新宿ピカデリー8

▲ビアンカの少年のような筋肉の付き方とフローラのてんで肉体を使っていない杖の握り方が素晴らしい。そう言えばパパスって強いだけの記号でママス(違う)って『うしおととら』のお役目様みたいだ。そうすると天空の剣が獣の槍で、ゲレゲレがとらか。
五つ星評価で【★★やっぱメタネタはあんな程度の覚悟ならやっちゃいかん】
※ ネタバレ あります
見る前から「ユア・ストーリー」というタイトルが怪しいと思っていた。まさか「新川優愛」とか「あいだゆあ」の物語でもあるまい。そして、見終わった者からの煮え切らない感想。「ああ、何だか分かんないけどやっちゃったんだな」と思った。現実世界と物語世界をリンクした話を構築する、最近、ちょっと増えてきた手法だ。『レゴ・ザ・ムービー(及びその系列作品)』『ソーセージ・パーティー』ものすごく裾野を広げるなら『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回もこれだったりしたりしなかったり。それにしても、取って付けたような、と言おうか、これ以上にないくらいお手軽な落ちを使ったものだ。そもそも「このダンジョンはリアルじゃない、現実を直視しろ!」と叫ぶ者達が何でそんな事を提言したいのか、提言する事によって何を得るのか、みたいな事情が全く分からない。どうにもただそういうイベントをただ起こしたかったという風にしか見えない。その程度だから、あの転倒は肯定されないんじゃなかろうか。ただ、ラストのあの転倒があったから、それまでの語り口が壮大でありながらキャラクターに感情移入しづらいので物語が眼前でただ通りすぎていくだけだったという事実を打ち消す効果はあったと思う。まあ、あの転倒にはそれはそれでビックリはさせられた。
ところで、「ゲームをやった事は別次元で人生を生きた事」と悦に入るのはいいのだが、やはりそれはアダルトゲームだったら、そんな風に言えないよなあ。まあ、それは置いておくとして、この「ダンジョンはリアルじゃない、現実を直視しろ!」と言う訴えは、お金を払ってゲームを体験しようとしているリュカの中の人からすると、単にシステム不調だったり、バグにすぎない。そのアトラクションを主宰している側に代金の返金を要求しても何らおかしくない。だって、ディズニーランドを楽しんでいたら、白雪姫やオーロラ姫がそっと近づいてきて、「でも、これは嘘。本当は時給最低額でバイトしてるの」とか耳打ちしてきたらイヤだろう。そんなんったら「金返せ」言ってもいいだろ。そういう事が、あのリュカを体験した人に行われた訳だ。そして、そういうリュカの中の人に対する返金が許されるのなら、『ドラゴン・クエスト』という映画を体験しに行った『ドラゴン・クエスト』ゲーム体験者は同じように返金を望んでも間違いではない。観客にとって大事なのは「ゲームをやった事は別次元で人生を生きた事」という言い訳を得る事ではなく、「別次元で人生を生きるようにゲームの世界を映画で追体験できる事」だからだ。ただ、そのゲーム本来のストーリーと異なる脚本が寺沢武一の読切マンガ『コブラ』でサイコガンを左腕に仕込んだ宇宙海賊が自らの人生をトリップ・ムービーで体験したようにメチャクチャ面白いのなら話は別だ。今回のは明らかに違う。単に余計な一手だ。
主人公リュカの顔の表情とか、なかなか的確だけど、子供から結婚適齢期の大人になってもそこに大きな大人としての変化が見られない為、延々と童貞が背伸びして戦ってるように見えなくもない。父親パパスくらい老けさせるのはそれはそれでゲームの設定と乖離して無理があるのかもしれないが。リュカと一緒に奴隷にされるヘンリー(とリュカ)、解放時にカビのような無精髭が生えてるが、あれ「髭」に見えない。まあ、二人とも童顔だから髭を生やす事で結婚適齢期と言うアリバイを作ったのだろう。
ビアンカもフローラも可愛いけど、私はフローラ派です。金持ちは正義、もとい、気立てがよくってすぐ赤面するマンガ女が好きなんだもん。まあ、ビアンカの方がごくごく普通のリアル女だよなあ。四畳半の下宿で米研いでそうなのがビアンカ。
『劇場版FF14 光のお父さん』で、リアルでは親子、ゲームでは旅の仲間を演じた吉田鋼太郎と坂口健太郎が、この映画の中でもそれぞれゲームキャラを演じている。父親・吉田鋼太郎はゲマ。主人公リュカの父親を手に掛ける悪党。息子・坂口健太郎はヘンリー王子、いい奴だけど上から目線。このドラクエもあのFFみたいにオンラインゲームであったなら、直接的な部下が門番のみで組織内での立ち位置を間違いそうな坂口健太郎に、部下をしっかり掌握している吉田鋼太郎がアドバイスを与えるというエピソードが見られそう。そして、癌を患いながらゲマを全うしようとする吉田鋼太郎に滂沱の涙を絞りとられるに違いない。
ちなみに、私はドラクエとかやった事ない人です。トンチンカンな物言いとかあったらそのせいです。すんません(ヘンリー王子と違って低姿勢で行く)。
【銭】
ピカデリーの前回有料入場割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ドラゴンクエスト ユア・ストーリー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・ドラゴンクエスト ユア・ストーリー@徒然なるままに

▲ビアンカの少年のような筋肉の付き方とフローラのてんで肉体を使っていない杖の握り方が素晴らしい。そう言えばパパスって強いだけの記号でママス(違う)って『うしおととら』のお役目様みたいだ。そうすると天空の剣が獣の槍で、ゲレゲレがとらか。
五つ星評価で【★★やっぱメタネタはあんな程度の覚悟ならやっちゃいかん】
※ ネタバレ あります
見る前から「ユア・ストーリー」というタイトルが怪しいと思っていた。まさか「新川優愛」とか「あいだゆあ」の物語でもあるまい。そして、見終わった者からの煮え切らない感想。「ああ、何だか分かんないけどやっちゃったんだな」と思った。現実世界と物語世界をリンクした話を構築する、最近、ちょっと増えてきた手法だ。『レゴ・ザ・ムービー(及びその系列作品)』『ソーセージ・パーティー』ものすごく裾野を広げるなら『新世紀エヴァンゲリオン』の最終回もこれだったりしたりしなかったり。それにしても、取って付けたような、と言おうか、これ以上にないくらいお手軽な落ちを使ったものだ。そもそも「このダンジョンはリアルじゃない、現実を直視しろ!」と叫ぶ者達が何でそんな事を提言したいのか、提言する事によって何を得るのか、みたいな事情が全く分からない。どうにもただそういうイベントをただ起こしたかったという風にしか見えない。その程度だから、あの転倒は肯定されないんじゃなかろうか。ただ、ラストのあの転倒があったから、それまでの語り口が壮大でありながらキャラクターに感情移入しづらいので物語が眼前でただ通りすぎていくだけだったという事実を打ち消す効果はあったと思う。まあ、あの転倒にはそれはそれでビックリはさせられた。
ところで、「ゲームをやった事は別次元で人生を生きた事」と悦に入るのはいいのだが、やはりそれはアダルトゲームだったら、そんな風に言えないよなあ。まあ、それは置いておくとして、この「ダンジョンはリアルじゃない、現実を直視しろ!」と言う訴えは、お金を払ってゲームを体験しようとしているリュカの中の人からすると、単にシステム不調だったり、バグにすぎない。そのアトラクションを主宰している側に代金の返金を要求しても何らおかしくない。だって、ディズニーランドを楽しんでいたら、白雪姫やオーロラ姫がそっと近づいてきて、「でも、これは嘘。本当は時給最低額でバイトしてるの」とか耳打ちしてきたらイヤだろう。そんなんったら「金返せ」言ってもいいだろ。そういう事が、あのリュカを体験した人に行われた訳だ。そして、そういうリュカの中の人に対する返金が許されるのなら、『ドラゴン・クエスト』という映画を体験しに行った『ドラゴン・クエスト』ゲーム体験者は同じように返金を望んでも間違いではない。観客にとって大事なのは「ゲームをやった事は別次元で人生を生きた事」という言い訳を得る事ではなく、「別次元で人生を生きるようにゲームの世界を映画で追体験できる事」だからだ。ただ、そのゲーム本来のストーリーと異なる脚本が寺沢武一の読切マンガ『コブラ』でサイコガンを左腕に仕込んだ宇宙海賊が自らの人生をトリップ・ムービーで体験したようにメチャクチャ面白いのなら話は別だ。今回のは明らかに違う。単に余計な一手だ。
主人公リュカの顔の表情とか、なかなか的確だけど、子供から結婚適齢期の大人になってもそこに大きな大人としての変化が見られない為、延々と童貞が背伸びして戦ってるように見えなくもない。父親パパスくらい老けさせるのはそれはそれでゲームの設定と乖離して無理があるのかもしれないが。リュカと一緒に奴隷にされるヘンリー(とリュカ)、解放時にカビのような無精髭が生えてるが、あれ「髭」に見えない。まあ、二人とも童顔だから髭を生やす事で結婚適齢期と言うアリバイを作ったのだろう。
ビアンカもフローラも可愛いけど、私はフローラ派です。金持ちは正義、もとい、気立てがよくってすぐ赤面するマンガ女が好きなんだもん。まあ、ビアンカの方がごくごく普通のリアル女だよなあ。四畳半の下宿で米研いでそうなのがビアンカ。
『劇場版FF14 光のお父さん』で、リアルでは親子、ゲームでは旅の仲間を演じた吉田鋼太郎と坂口健太郎が、この映画の中でもそれぞれゲームキャラを演じている。父親・吉田鋼太郎はゲマ。主人公リュカの父親を手に掛ける悪党。息子・坂口健太郎はヘンリー王子、いい奴だけど上から目線。このドラクエもあのFFみたいにオンラインゲームであったなら、直接的な部下が門番のみで組織内での立ち位置を間違いそうな坂口健太郎に、部下をしっかり掌握している吉田鋼太郎がアドバイスを与えるというエピソードが見られそう。そして、癌を患いながらゲマを全うしようとする吉田鋼太郎に滂沱の涙を絞りとられるに違いない。
ちなみに、私はドラクエとかやった事ない人です。トンチンカンな物言いとかあったらそのせいです。すんません(ヘンリー王子と違って低姿勢で行く)。
【銭】
ピカデリーの前回有料入場割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ドラゴンクエスト ユア・ストーリー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・ドラゴンクエスト ユア・ストーリー@徒然なるままに
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