同日鑑賞を4本まとめてレビュー。
◆『3人の信長』トーホーシネマズ日比谷11
▲個人的には1000人でもいいぞ。
五つ星評価で【★★★解説付きで絵解きで見せる技術がなかなか巧み】
捕まえてみれば信長か3人と言う事態、まあ、全員の首を斬ってしまえばいいじゃないかと素人考えでは思うのだが、亡き殿の墓前に手向けるにはそういう雑な事は出来ないらしい。勿論フィクションだろうが、納得のいくアイデアであり、上手い事を思い付いたものだ。ただ、物凄く試行錯誤しすぎて一分の隙の無いパズルのようにしすぎてしまったキライはある。あまりにピッチリバッチリ型に嵌っているのは、頭で作った物感が高まってしまって心に届かなくなる。なんや難しいのう、われ。
冒頭から戦国時代の勢力構造を分かりやすく絵解きで見せて、たいそう親切。こういうのは素直に評価したい。
三人の信長を演じるTAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳はいいバランス。欲を言えば、後者二人が曲者だから前者一人ももうちょっと曲者を連れてきてたら又違った味わいが出来たのかな、と。TAKAHIROって良くも悪くも普通のあんちゃんだ。信長っぽくはない。この辺のキャスティングは姫様も含めてエグザイル系が絡む事で企画がクリアしてそうなので、大人の事情的にしょうがなさそうだけど。
3人の中では岡田義徳の得体の知れない食えない感じが良い。
相手にされながら相手にならない相島一之の盤石の一手足りない感じもよかった。この人は好敵手の一歩手前が似合う人。色濃い小者感をそもそも持ってるので、この人に主人公が苦しめられていると、バカにバカにされてるような居心地の悪さが高まって、たいそうドラマとして盛り上がる。
髭が濃い役をやる時は武将でも自衛隊でも基本変わらない演技の高嶋政宏も適材適所で問題なし。ただ異常にいつも通りで、見ていて「やはりいつもと同じなのだけどこれでいいのだろうか?」と客側に思わせてしまうほど同じなのだけど、本当にこれでいいのか? そういう意味で謎の役者である。高嶋政宏はもう高嶋政宏という記号でしかない気がする。
3人の秀吉や3人の家康も出てきてほしかった。
◆『ホテル・ムンバイ』トーホーシネマズ日比谷9
▲左端にいるコック長はきっと戦わせたらセガールなみ。
五つ星評価で【★★★★圧倒的なその場へ放り投げられ感】
ホテルに来た4人のテロリストに普通の人、殺されまくりの映画。
たった4人でも火力を持ってさえいれば100人でも200人でも制圧できるのだなあ。ブルース・ウィリスのいない
『ダイ・ハード』がどれほど悲惨かと言う実証映画。主人公や他のホテル関係者の誇り高い行動を称賛しつつも、最終的に何一つ解決もしていず救いようのない話でもある。
主演のデーヴ・パテール、
『ライオン』の人なのね。かっこいいんだけど覚えづらい顔。整っているけど髭生やしてデコ出すと、申し訳ないけど、ハイグレードな「なすび」っぽい。
◆『ロケットマン』トーホーシネマズ日比谷13
▲前半、初の友達でうきうき高揚感上がるシーン。
五つ星評価で【★★★ビッチ女のロケットみたいな「まん」の映画って方が見たいかもしれない】
いたたまれない内容をロック・ミュージカル化。最初に出て来るオレンジの悪魔にハートの眼鏡が凄い。顔は冴えない中年男で、心の荒れが顔に滲み出てる。
『必殺仕事人Ⅳ』でひかる一平を追い回していた梅津栄に似てる。そりゃあ地獄だ。監督の前作クィーン映画でもそうだったが洋楽は疎い。耳に覚えのある知ってる曲は2曲だけだった。周りもそんなもんなんだろうか。
神様は彼に音楽的才能を与えたが、愛は与えなかった。このもっともキツいケースが
『ロケットマン』であり、音楽的才能を神の愛に置き換えて昇華させる事で宗教的な法悦境みたいな領域に押し上げたドラッグムービーが
『蜜蜂と遠雷』のような気がする。
『蜜蜂と遠雷』で神童達が酒やドラッグやセックスに溺れないのはクラシックという高貴な世界だからではなく、
『ロケットマン』のポップ・カルチャーの世界のように巨大な金が唸る市場が近くにないからに過ぎない。金が唸る所にはクズが集まる。
ちょっと
『ロケットマン』からはみ出す話だが、いい演奏だけ聞かせてもらえるのなら、酒やドラッグやセックスに溺れた、溺れる事によって得た感性での演奏を「より」聞いて見たいと思わせるのが
『蜜蜂と遠雷』の鬼畜な結論である。ただ、バランスを取ってそんな結論は表面に出さないが。
あのオレンジの悪魔の服、ずっと見てると美空ひばりの黒い派手派手衣装を思いだした。そりゃあ、どちらにも怒られそうな人選じゃないか、俺。
◆『ガーンジー島の読書会の秘密』トーホーシネマズシャンテ3
▲リリ。
五つ星評価で【★★ちょっとウトウトしてる間に話に追いて行かれてしまったので好き星が低いって俺のせいじゃん】
リリちゃんは可愛いし、作家として生計を建てているからか、実にオシャレで金のかかった服を着ている。それで、愛情とかよく分からない婚約者からダイヤの指輪もらって、取材旅行に行った土地の男と恋愛してしまう。ビッチじゃん。成人映画だったら両方とも関係するシーンが映されるだろうが、もちろんリリ・ジェームズにそんな事をさせはせずにスルー。少なくとも婚約者とは肉体関係あるだろ。リリ・ジェームズが作家先生と言うのは、浜辺美波が文豪というくらい違和感がある設定ではないか?
秘密と言うか、謎が凄い謎ではない。いや、日本人だからフランスとドイツの愛憎関係に疎くてピンと来ないというのもあるし、そもそも読書会と言う設定が日本人には、いや、私自身には縁遠いからかもしれないが。ピンピンもビンビンも来ない(やめろよ下ネタ)。
あっ、ガーンジー島ってイギリスなの。第二次大戦中に唯一ドイツの占領下にあった島。それすら理解してなかった。
リリちゃんは可愛い。ビッチだとしても。イギリス人のビッチっていいなあ。えへへへへへへ。
【銭】2019.9.25から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その7~10本目。
映画ファン感謝デーなのだが、わざわざその日に6ポイント使って鑑賞する人も少なく、フリーパスとしては席を取りやすかった。まあ、満席にならない事だけ注意しなければいけなかったけど。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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3人の信長@ぴあ映画生活・
ホテル・ムンバイ@ぴあ映画生活・
ロケットマン@ぴあ映画生活・
ガーンジー島の読書会の秘密@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
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ホテル・ムンバイ@ノラネコの呑んで観るシネマ・
ホテル・ムンバイ@yukarinの映画鑑賞日記α・
ロケットマン@ここなつ映画レビュー・
ロケットマン@ノルウェー暮らし・イン・原宿・
ロケットマン@SGA屋物語紹介所
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永禄13年、朝倉義景を攻めた織田信長は、同盟国・浅井長政の裏切りに遭い、這う這うの体で撤退したという「金ヶ崎の戦い」を舞台にした時代劇。主君の仇討ちに燃える旧今川家家臣たちは敗走する信長を捕らえたが、なんと信長が3人。偽物の首を取ったとなれば末代までの恥。誰が本物で誰が影武者なのか、あの手この手で白状させようとするが、3人が3人とも「自分が信長だ」と主張して譲らない、というコメディ映画。脚本...
- 2022/09/04(日)09:09:07 |
- 【徒然なるままに・・・】
よかったよ~。よかったわ~。
- 2021/03/07(日)17:42:50 |
- 或る日の出来事
【概略】
1946年、終戦の喜びに沸くロンドン。作家のジュリエットは1冊の本をきっかけに‘ガーンジー島の読書会’のメンバーと手紙を交わすようになる。彼女は読書会について記事を書こうと島を訪れるが…。
製作年:2018年
製作国:フランス/イギリス
収録時間:124分
ジャンル:ヒューマン・ドラマ
日本語吹替:なし
.0★★★☆☆
リリー・ジェームズ主演。
素敵な出会いだねー。読書会メンバー...
- 2020/08/16(日)19:01:03 |
- いやいやえん
エルトン・ジョン、曲を盛り込んだ半生記?
- 2020/06/06(土)10:04:51 |
- 或る日の出来事
【概略】
世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの成功の裏に隠された、悲しくも壮絶なドラマを綴る。
ドラマ
.0★★★☆☆
お話は、正直よくあるミュージシャンの展開あるあるでもありました。ただ衣装が奇抜だ。それは若いころからなんですね^;
エルトン・ジョンって聞いてもそもそも名前は知ってるけど、曲名も曲も思いつかない。とはいえ、「ああ。この曲がそうか」なのはあった。実家で作った「気にしない...
- 2020/01/13(月)19:59:02 |
- いやいやえん
物凄い作品だった。何が凄いかというと、これが事実であったということはもとより、狂信的な思想が沢山の罪の無い人々の命を奪うその情け容赦のなさ。「物語」ではないので、せめてこうであったらいいな、などという気持ちは通用しない。唯一、善人である主役が最後まで生き残って妻子の待つ自宅に無傷で戻れる部分だけは、胸を撫で下ろすことなのかもしれないけれど。だが、犠牲になった人々だって、別に善人でなかった訳で...
- 2019/12/13(金)13:39:37 |
- ここなつ映画レビュー
2008年のインド・ムンバイ同時多発テロでテロリストに占拠されたタージマハル・パレス・ホテルでの人質脱出劇を、「LION ライオン 25年目のただいま」「スラムドッグ$ミリオネア」のデブ・パテル主演で映画化。パテルが宿泊客を守ろうとするホテルマン役を演じるほか、「君の名前で僕を呼んで」のアーミー・ハマーがアメリカ人旅行客役で出演。監督はこれまでも数多くの短編作品を手がけ、本作が長編初監督作と...
- 2019/11/03(日)13:07:34 |
- 映画に夢中
レビューは↓
https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201908230000/
ロケットマン オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナル・サウンドトラック) ]価格:2700円(税込、送料無料) (2019/8/17時点)
- 2019/10/18(金)05:59:01 |
- 日々“是”精進! ver.F
『ロケットマン』 を鑑賞しました。
売れてしまうとこうなるのかな、、、頂点には何が待っているのか?
【ストーリー】
少年レジナルド・ドワイトは、両親が不仲で孤独だったが、音楽の才能に恵まれていた。エルトン・ジョン(タロン・エジャトン)という新たな名前で音楽活動を始めた彼は、バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)と運命的な出会いを果たし、二人で作った「Your Song/ユア・ソング(僕...
- 2019/10/17(木)23:43:03 |
- 気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-
グラミー賞を5度受賞したイギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的映画。並外れた音楽の才能でまたたく間にスターへの階段を駆け上がっていった一方で、様々な困難や苦悩にも満ちたエルトン・ジョンの知られざる半生を、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケット・マン」など数々のヒット曲にのせたミュージカルシーンを交えて描いていく。日本でも社会現象となった大ヒット作「ボヘミアン・ラ...
- 2019/10/15(火)19:46:23 |
- 映画に夢中
EXILE TAKAHIRO、市原隼人、岡田義徳がそれぞれ織田信長を演じ、自分こそが本物だと主張する3人の信長と、あだ討ちに燃える元今川軍の侍たちとの攻防を描いたオリジナルの時代劇エンタテインメント。あらすじ:永禄13年、かつて主君である今川義元を討たれたことへの復讐に燃える蒲原氏徳ら元今川軍の侍たちが、金ヶ崎の戦いに敗れて逃走中の織田信長を捕らえることに成功する。しかし、彼らが捕らえた信長...
- 2019/10/15(火)19:45:28 |
- 映画に夢中
イギリス・ロンドン郊外の町ピナー。 不仲な両親の元で育った少年レジナルド・ドワイトは、天才的な音楽センスを見出され11歳で国立音楽院に入学する。 やがてロックに傾倒した彼は、ミュージシャンになることを決意し「エルトン・ジョン」と名乗ることに。 作詞家の青年バーニー・トーピンとのコンビによって数々の曲を生み出し、スターダムへ駆け上がっていく…。 音楽ヒューマンドラマ。
- 2019/10/13(日)01:21:10 |
- 象のロケット
2008年、インドの巨大都市ムンバイの五つ星ホテル「タージマハル・ホテル」。 給仕の青年アルジュンがVIP客の対応に追われる中、街で無差別テロが発生。 逃げ惑う一般市民とテロリストが、ホテルのロビーになだれ込んで来る。 500人以上の人質が閉じ込められるが、特殊部隊の到着は数日後だった…。 実話から生まれた脱出劇。
- 2019/10/13(日)01:19:41 |
- 象のロケット
「金ヶ崎の戦い(永禄13年・1570年)」で、越前・朝倉義景を攻撃していた織田信長は、妹婿・浅井長政の裏切りに遭い危機に陥り、京へ逃げ込もうとしていた。 かつて「桶狭間の戦い(1560年)」で主君・義元を討ち取られた今川軍の残党は、撤退中の信長を見つけ復讐を遂げようとするが、何と3人もの信長を捕まえてしまう! 信長には複数の影武者がいたのだった…。 時代劇。
- 2019/10/13(日)01:18:55 |
- 象のロケット
本当の悪魔は誰か?
2008年11月26日、インド最大の都市ムンバイで、鉄道の駅や病院、ホテルなどが武装集団に襲撃され、400人以上の死傷者を出す同時多発テロ事件が起こった。
本作は、事件当日に多くの人々が取り残された、タージマハル・ホテルを舞台とした群像劇。
凄まじい緊張感が2時間ずっと持続する、とてつもなく恐ろしい擬似体験映画だ。
監督はオーストリア出身で、キプロス紛争をモチーフとした...
- 2019/10/10(木)21:49:53 |
- ノラネコの呑んで観るシネマ
タロン・エガートン天晴れ!やるとは思っていたが(高飛車)、本当に素晴らしかった。あの小生意気な感じの若造がよくぞここまで化けてくれた!世界的に名を馳せ、トップクラスの実績があるミュージシャンの伝記物と言えば、近年では「ジャージー・ボーイズ」や「ボヘミアン・ラプソディ」などグループ物が目立っていたと思う。どちらも素晴らしい作品で、「ボヘミアン・ラプソディ」の方はアーティストへの想いがあり過ぎて...
- 2019/10/08(火)14:04:31 |
- ここなつ映画レビュー