
▲「気持ちが良かったらこの笛を吹くのだぞ」にちょっと見えなくもない巴と剣心。
五つ星評価で【★★★巴の可愛さと剣心の剣の冴え/そして北村一輝はアラブ人のビルダーでも通じそう】
公開から6週ほど経過してやっと見れた。
その間に緊急事態宣言が始まって、解除されて、又、始まってしまった。
まあ、ともかく剣心の剣の冴えが今回も凄い。前作までは、相手を立たせて見せるという映画キャラクター上の両雄相い立つ作りが入っていたので、剣心の剣のスピードが今作より抑えられていたように見える。普通に撮影の順番から言ったらこっちが後だろうから、更にスピードアップが進んで本当に「目にも止まらぬ早業」が延々と展開している。それが殺人鬼としてのリミッターが切れている剣心に合っているので違和感がない。今回は一部のアクションを除き、剣心が自分より剣技に劣る持ち主の集団を圧倒して斬殺する場面の方が多い。特に最初の捕虜にされてる状態からの格闘は観客がその場に放り込まれるような臨場感に溢れている。
そこに楔を打ち込む有村架純の「ぼうっ」とした実在感を凄く丁寧に話に組み込んでいる。
ただ、最後の場所に舞台が映った後は、話のスピード感が衰え、前作で見せた部分との答え合わせをするような作りになってしまったのは残念だ。そして、今作のアクションの中で、剣心が危機におちいる田舎の場面が突出してつまらない。道徳観みたいな物を捩じ伏せてまで殺戮の快楽に浸らせた観客を最後のアクションは裏切ってしまうのだ。別に、その裏切りがラストの悲劇を印象付ける為の物であるなら構わないのだが、あまりその悲劇が「どーん」と観客に突き刺さらないので、単につまらないアクションにだけなってしまった。悲劇が起こる事は前作の予習で分かっていたのだから、そこは分かっていても浸れるくらい情動のラインを突き動かすような演出が必要だったのではないか?
格闘アクションには一切加わらないのに役者として美味しかったのが桂三枝、もとい、桂小五郎役の高橋一生。「いらっしゃーい」とか言って(言ってない)剣心を討幕運動に引きずりこむ。ちゃんと人格が立ってないと成立しない役だが、高橋は強引に役を自分の近くに引き寄せて多くの説明を省いた。やるなあ。
沖田総司って割とイヤなキャラなのか? 決着が付かないので気分悪いだけで終わってしまった感じ。
近藤勇ただ顔がでかい。物語が斉藤一推しなので、異常に土方歳三にスポットが当たっていなく、役者が誰なのかも分からなかった。隠密かよ(あん蜜食べたい/壇蜜も食べたい)!
そして、北村一輝のともかく「ザ・敵」という設定のみで、誰でもいい感。性格が悪く、味方が負けていく事に関しても見極めが悪い。悪い奴キャラ(てきとーに今、思い付いた)。アラブ人のビルダーっつか、『アサシン・クリード』のキャラだよと言っても通りそう。江戸時代にいそう感が少ない。なんか負ける為に出て来た感が濃厚で居たたまれない。
今回の話がどう閉じるかは前作で分かっているので、後半、テンポダウンしていくのがちょっと冗長で、やはりここが前作より推せない部分である。好き嫌いだけなら無印→ファイナル→京都大火→ビギニング→伝説の最期、くらいか?
【銭】
ユナイテッドシネマの1200円で5/31まで鑑賞できるクーポンチケットが期間2カ月延長になったというのを使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・るろうに剣心 最終章 The Beginning@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・るろうに剣心 最終章 The Beginning@yukarinの映画鑑賞日記α
・るろうに剣心 最終章 The Beginning@ノラネコの呑んで観るシネマ
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・るろうに剣心関連記事リンク@死屍累々映画日記・第二章