
▲なんだよ、お前、ミスター・ノーバディかよ。
五つ星評価で【★★★良い所と気になった所を羅列してみる】
全体的にはちゃんと楽しめているのだが、手放しで拍手するのはちょっとイヤみたいな気持ちがくすぶってて、良い所と気になった所をあげていこうと思う。
【良いところ】
●思った以上にちゃんとカンフー映画とマーベルのヒーロー物が違和感なく融合していた。あのトニー・レオン様がカンフー映画やるなんて意外。フィルモグラフィー見てると作品が多いだけあって、全くやった事がない訳ではないのだろうけど、そういうイメージは全然持ってなかった。そのトニー様の豪拳を受けながす奥さんの柔拳が、きちんと孤を描いて力を逃す太極拳で、お手本のように綺麗だった(お手本なんだろうけど)。惜しむらくは、奥さんの部落の拳法がみなキッチリ太極拳っぽく見えなかった点か。まあ、そこはカンフー見せるより怪物に対する噛ませ犬演技がメインなのでしょうがないか。
●オークワフィナの姉ちゃん、何見ても同じ演技だけど、何見てもちゃんとはまる。原初の人間の喜怒哀楽が「オークワフィナ」という形を取ったようだ。美しくはないが、好感が持てるキャラクター。このキャラクターが詳細は知らんけどアメコミの元のキャラクターであるよりも、オークワフィナが演じているという影響の方が強いというのはちょっと面白い。例えば全盛期のエディー・マーフィーがエディー・マーフィのままアメコミに出たみたいな感じ。
●ドクター・ストレンジの異世界を繋ぐ花火の円環が綺麗。
【気になったところ】
●主人公に華がない。華がないのはギリギリ許すが、笑うと「かまいたちの山内」に似ているのが集中力を削いでしまって良くない。
●音楽が擬似中国調。美しいけど激しさがない。京劇みたいにジャンジャン鳴らせばいいのに。だから、音楽のイメージがカンフー映画的なバトルテーマより「ホテル・カリフォルニア」の方が印象に残ってしまっている。そらアカンやろ。
●悪役怪獣およびそのライバルのデザインが今一。西洋人が好きそうな肉食獣を中心に据えた「怪獣」として仕上がっていて、空を飛ぶリアリティーも薄ければ、戦いを主導するあの二体だけがずば抜けた大きさなのも説得力が薄い。
●妹ガタイがでかい。あの武具は小さな者が距離を無効化する為に使ってこそバエる。
●「最強ゆえに戦うことを自ら禁じた」ってチラシの文句、違う気がする。
●「変面」みたいな人、何故、一人だけあの姿なのか何の説明もないのか。
●足場の悪い工事現場の戦い、『ザ・ファブル』の方が上。
●異世界に行って、そこで何物かを迎え撃つ形式になったので、その何物かが世界を滅ぼすほどの物であるという認識をあまり持てなかった。あれが「すげーもん」というのが理屈ではなく、言い伝えで伝えられるので、その存在のあやふやさと、所詮、人間に退治されてしまう底の浅さで「すげーもん」に見えない。
こんなかな。
何でも取り込んだ結果、ちょっとバランスの悪い映画になったのかもしれん。
【銭】
トーホーシネマズデー週間で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・シャン・チー/テン・リングスの伝説@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・シャン・チー/テン・リングスの伝説@ノラネコの呑んで観るシネマ
・シャン・チー/テン・リングスの伝説@徒然なるままに
・シャン・チー/テン・リングスの伝説@yukarinの映画鑑賞日記α