
▲ウォーリーを探せ。
五つ星評価で【★★★不良多すぎ】
不良密度200%。明らかにキャパオーバーしてる。上の全員集合ポスターなんて、同じ人が二回載っててもきっと気付かないだろう。なんつーか、物凄く頭の悪い映画だが、そういう頭の善し悪しにこだわってたら最初からこんな映画、見に行かないからこれはこれでいいのだ。
話し的にはケリが着くのだが、ラスボスがボロボロにならない終わり方はちょっとスカっとしない。
脳髄や脳液がDBの孫悟空のようにケンカって気持ちいいみたいになってしまってる主人公達、みんな頭おかしい。
冒頭、主人公のふじおがただ武者修行的にケンカしたくて鈴蘭高校まで出向く(これがイカレタ世界の中でもガチで常軌を逸している行動)。鈴蘭高校は前作『HiGH&LOW THE WORST』で出て来た「殺しの学園・鳳仙学園」のマンガ上でのライバル高校。鳳仙学園の白に対して、学校中黒。校内で派閥争いに明け暮れているが、鬼邪高校のようにファッションがバラバラではない。助かる。こんなん、色がバラケてたら、何だかもう分からん。それぞれ派閥ごとにカラー分けされてるから見ててどうにか何が起こってるかが分かるのだ。
その前作の敵対組織(と言うよりそう仕向けられていた)鳳仙とふじおの鬼邪高校は何となく、敵でも味方でもないゆるい間柄になってる。「拳で語りあった相手とは仲間」という番長マンガの不文律が残っている。個人的には、とても頭がおかしいと思う、そんなんは。
今回の映画で割を食ったのはやはり鳳仙学園だろう。ここは前回200人くらいの大軍団で、無個性の坊主たちがただ集まるだけの威圧感とかが良かった。クオリティーの高い喧嘩ハゲが力押ししてくる、そういう強さへの魅力があったのだが、今回は20人くらいに規模が縮まった。相手が三つの高校を集めた大軍団だから、集団の役割は相手側に移ってしまったのだ。下に無茶苦茶な無個性の人数がいないと、鳳仙のハゲじゃないトップは単にオシャレ野郎みたいで居心地が悪い。
あと、逆にその為にやっているのだろうけど、ケンカのシーンとエグザイルの楽曲が合う。気持ちいい。
女が一人も出ていない。看護婦さん、声は出たが、身体とか映ってないんじゃないか? まあ、あの子とあの子の仲がいいのを嫉妬して、みたいな見方で見れば、もう女性なんていらないのかもしれないけど、この世界では。ツイッターでの、やり取りから、羅王の孤児院に女子児童がいた事が判明。なるほど、そう言えばそうか。よう見とるのう。
そう言えば「テッペンの、その先へ。」ってコピー、何じゃそりゃと思ってたけど、映画見ると納得出来てしまって、逆に納得出来てしまうのが悔しい。

▲鬼邪高メンバー。モヒカン(左3人目)とジャム男(右2人目)みたいなコメディ・パートは美味しいが、左4人目のずっと怒ってる感じ。右5人目の切れると手が付けられない感じも良い。左5人目は堂々浚われるお姫様パートだものなあ。監督がタランティーノだったらケツから犯されてる(そういう絶望的な光景に惹かれなくもない)。まあでも飾りっ気なくただ強い右5が一番惹かれるか。

▲殺し屋鳳仙。グラサンの「殺し屋鳳仙だす~」が破壊力。坊主3人集まって脚立で突進とか、ただただ壁抜きとか、坊主はこうやって使えみたいな無名性が強い攻撃がここは良い。

▲鈴蘭羅王チーム。キャラにゲップ。メインポスターでは「鈴蘭」の刺繍見せる為、羅王は背中向けていたが、その刺繍代あるなら、孤児院のおかず代にして、おかず一品増やしてやれよと思わなくもない。

▲今回、一番悪い集団、瀬ノ門工業高校。右二人目の頑張りに涙する中、基本、ゲスい奴だけのサボテンが口元だけ『アキラとあきら』の横浜流星っぽい。口元以外は大倉孝二だが。右二人目、粗品っぽい。

▲せのもんの手下1。細長いのが叫んでるイメージしかない。

▲せのもんの手下2。両脇で雷神風神。こんなの近くにいるだけで赤ん坊泣くだろ。一番の見せ場シーンが省略され、いわばナレ負け状態にされたのには笑った。
【銭】
ユナイテッドシネマ金曜メンバーズデーで1100円。
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