◆『アイ・アム まきもと』109シネマズ木場1

▲バリ端役の松尾スズキ氏のアップで何だけど、氏の表情をでっかいまんまる輪郭に納めたらマ・ドンソクが出来上がる。
五つ星評価で【★★★余計な物が入るのがちょっと】
イギリス映画『おみおくりの作法』のリメイクというかローカライズ。物語のベーシックな部分や構造は変わらないのだが、阿部サダヲ演じる「まきもと」というキャラクターが発達障害っぽい事が強調されすぎているのが、何かそんなに好きじゃない。これ、同じ脚本で阿部サダヲを起用せず、若かりし植木等を起用したら、若かりし渥美清を起用したら、発達障害っぽさを前面に押し出さなくても出来そうな気がする。要は人の為に突っ走って周りが見えない、どっちかって言うとずうずうしめの人間というだけの事だ。
満島ひかり一服の清涼剤みたい。盛られたい。
松下洸平迷惑かけられる姿がチャーミング。
我が家の坪倉がいい感じに嫌味な役。
最後は泣く。阿部サダヲに泣かされるのではなく、あの構造に泣かされるのだ。
◆『川っぺりムコリッタ』ユーロスペース2

▲下の文中で川のイメージがないとか言ってるのだけど、この背景がどう見ても河原。
五つ星評価で【★★★ムロツヨシ最強】
一人で食う方が美味い飯もあれば、集まって食った方が美味い飯もある。集まって食った方がまずい飯だって中にはある。でもまあ、このハイツムコリッタの人々となら美味しそう。
満島ひかりもムロツヨシも吉岡秀隆も自由に変で、いい感じ。あ、中でもムロツヨシがいると醸し出される「ダラっ」とした空気が、映画をとてもいい味にしてる。
見終わってからかなり経っていて記憶が曖昧なのだけど、あまり「川」のイメージがない。「川」は「三途の川」で、本当は野原、「原」の映画で「はらっぺりムコリッタ」というダジャレなのかもしれない。
◆『ぼくらのよあけ』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲ポスター。鑑賞後、これを見て話が思い出しづらいようでは困る。そして、困った状態。
五つ星評価で【★★★SFマインドに満ちているようだが、どうもそんなに気にならない】
ツイッターでの最初と二つ目の感想(↓)
ものすごく丁寧に話を紡いでるようで、必要な情報が欠けて提示されたりもする。ラストの危機も規模感に欠ける。ロボットや宇宙船(宇宙人)の描写は独特。/ロボットが彼の敬愛する主人と袂を分かち、新しい神と同行するのはエヴァのゲンドウを見捨てる綾波のよう。主人公に残されるのが白紙のロボであるのもエヴァっぽい。あとスタートレック映画のヴィージャーと映画ルパンのマモーの邂逅先とか思いを馳せた。
ただ「知」を求めて旅に出た「二月の黎明号」という存在に惹かれる。が、物語の核として活躍する子供も、その子供の行動を安全性から阻もうとする大人も、杓子定規でどうもなあ。何か酷い仕打ちをしておいて「私達はいったい何て事を」と表面上さめざめと泣きそうな空気。なら、全力で宇宙人助けてやれよ。主人公の声をやる杉咲花が、これ以上にないバリバリの女の子声なのは見てるうちに馴れるけどちょっとイヤ。
◆『アキラとあきら』ユナイテッドシネマ豊洲2

▲あえて、この二人の写真を選ぶ。
五つ星評価で【★★★★ダメ野郎どもが悲しくて好き】
こう、役者がいっぱい出てきて、それぞれの出番をちゃんとこなすような、こういう映画は好き。竹内涼真のアキラはビジネス寅さん。いろいろ痛い目にも会ってきたが最後は「情」の人。いや、「情」を実現する為に大きな絵図を描く男。でも、この映画で一番感心したのがユースケ・サンタマリアと児嶋一哉。堂々と情けない男を演じ切る。こんな魅力的にダメな男、生粋の役者でいないんじゃなかろうか。もう腐りきって感情まで抜け落ちたようなユースケ・サンタマリアと、常に被害妄想的な児嶋一哉が最後には生き残るために、今まで敵対していた甥の横浜流星・あきらの手を取る所は中々感動した。あと、地味OLを演じた上白石萌歌。せっかく地味OL演じたのだから、しっかりセクハラとか受けてほしかった。塚地武雅と宇野祥平って、全身で町工場なキャスティング。善人で仕事も地道で正確なのに、必ず失敗してしまう。
◆『ブレット・トレイン』109シネマズ木場7、トーホーシネマズ上野7

▲ポスター。
五つ星評価で【★★,★いやあ、俺には合いませんでした】
2回見たけど、どうにも眠くて眠くて。ブラピはしょうがないにしても、他の全キャストが日本人なら好きだったかもしれない。
【銭】
『アイ・アム まきもと』:常設ダフ屋でムビチケを1000円でGET。
『川っぺりムコリッタ』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『ぼくらのよあけ』:前回来館時に貰ったクーポンを使って1400円で鑑賞。
『アキラとあきら』:ユナイテッドシネマ、会員ポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
『ブレット・トレイン』:雑誌懸賞でムヒチケが2枚当たったので2回見に行った。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
・アイ・アム まきもと@映画.com
・川っぺりムコリッタ@映画.com
・ぼくらのよあけ@映画.com
・アキラとあきら@映画.com
・ブレット・トレイン@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
・川っぺりムコリッタ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・ブレット・トレイン@銀幕大帝
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・おみおくりの作法(アイ・アム まきもと・ローカライズ元)@死屍累々映画日記・第二章