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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『悪魔の植物人間』『喜劇 愛妻物語』『踊る騎士』『心の傷を癒すということ』『ミッション・マンガル』

近々に見た映画5本レビュー。

◆『悪魔の植物人間』シネマート新宿1

▲小学生が描いたようなデザインじゃ。♪男梅~

五つ星評価で【★★★星一つサービスしたのは植物の映像が何か健気に卑猥だから】
シネマート新宿の特集「狂人暴走・大激突」の一本。
1973年、カラー、92分、初見。ジャック・カーディフ監督。
ガーデニングという言葉がまだなかった頃、植物園の食虫植物を見ながら「この機能を人間にもたらしたら素晴らしい生物が出来るに違いない」と考える異常な博士がいた。その根拠が分からんが、ほどなく博士は自分の教え子を素材に実践に入り、最終的には博士以上に人間的な心を持っている見た目ズタボロの怪物に殺される。この博士と似たような事をやった人物が日本にもいて、彼は薔薇とG細胞と自分の娘を一体化させた。『ゴジラ対ビオランテ』である。やった事は似たようなものだが、娘がいるだけあって結婚できていたのは彼の方がまだマトモだったという事かもしれない。まあ、確かに見合い相手がドナルド・プレザンスだったら強烈でイヤだよな。
冒頭のなまめかしく植物が動き成長する様子におどろおどろしいBGMを付けた映像が素晴らしい。
「素晴らしい」ではなく「凄い」「凄まじい」のが植物人間の造形。チープもチープ。映研の学生2、3人連れてきて鼻くそほじらせながら作ったのでないかと言うくらい、ひどい。あの植物人間の造形がいくら何でももうちょっとどうにかしていたら、こんなひどいカルト映画枠ではないのではないか? あーまー奇形の人達はいっぱい出てくるけど。『ゴジラ対ビオランテ』のビオランテのデザインが『悪魔の植物人間』のデザイナーの手に掛からなくて本当に良かった。


◆『喜劇 愛妻物語』下高井戸シネマ

▲ずっと眉間に皺を寄せているのに観客から敵意を持たれないのは水川あさみいい仕事してる。

五つ星評価で【★★評判程ゲラゲラ笑うような喜劇ではなかった】
周りで「笑えた」という評判を聞いたので見に行ったのだが、そんなでもなかった。求める笑いのタイプが違うのだろう。飽きもしないで最後まで眠らんで観れたのはよかったのだが。
濱田岳あぶなっかしい。
水川あさみがずっと毒づいてるイヤな役の筈なのに、最後までそんなにイヤな印象残さないのは凄い。
新津ちせ(子役)のうめー事。役柄が違うの承知で大久保佳代子より上手いと思う。


◆『踊る騎士』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★世間の評判ほど乗れず】
特集「オリヴィア・デ・ハヴィランド追悼 女優姉妹の愛と相克」の1プログラム。
1937年、白黒、101分、初見。ジョージ・スティーブンス監督。
フレッド・アステアがジンジャー・ロジャーズとコンビ解消後に撮った最初の映画らしい。フレッド・アステアの相手はジョーン・フォンティン。とっても普通にカワイ子ちゃんとしてその場に収まっている。お姫様役のジョーン・フォンティンはそれでいいだろう。フレッド・アステアは相手がいないのでブンブン一人で踊りまくっている。彼が最初から人気者で、その事を鼻に掛けている感じがちょっといい乗りの到来を妨げてしまったのかもしれない。


◆『心の傷を癒すということ』109シネマズ木場8

▲在日韓国人である事とかの方が映画内で比率大きかったりで、このスチールみたいにもうちょっと単純に医者物として見たかった。

五つ星評価で【★★これも世間の評判は良さそうだけど乗れず】
柄本佑が医者になって阪神大震災の心の傷をバリバリ癒す。
そこは主役が柄本佑なので、とても普通以上に普通で、バリバリというより、じっくり地力で癒すみたいで、ヒーローのようなスタンド・プレイは一切なし。いや、そこはそこそこ売りの筈なんだから「いい人」なら「いい人アピール」を映画側は照れずにちゃんとやってほしい。その人の凄みが伝わって来るくらいの描き方でないと伝記映画はあかんと思う。


◆『ミッション・マンガル』新宿ピカデリー9

▲「どぴゅっ!」

五つ星評価で【★★★面白いんだけどドカンとかバリバリとか「超える」感じがない。】
どきっ女だらけの火星探査機開発、、、、、、、、、、なのにポロリがねえのか。
エンドロールのサビが延々と「鯖塩」歌ってる。
ピンチの散らし方がとても上手。一難去ってまた一難が実にいいペースでやって来る。
軍人の妻が岡田の娘に似てる。好みは妊婦の子。インドは美人多いね。現実にはそんなでもないかもしれんが。


【銭】
『悪魔の植物人間』:テアトルの会員割引+曜日割引で1100円
『喜劇 愛妻物語』:下高井戸シネマの火曜日曜日割引で1100円。
『踊る騎士』:シネマヴェーラ渋谷一般入場料金1200円-会員割引400円。
『心の傷を癒すということ』:映画ファン感謝デーで1200円。
『ミッション・マンガル』:前回鑑賞割引1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
悪魔の植物人間@ぴあ映画生活
喜劇 愛妻物語@ぴあ映画生活
踊る騎士〈ナイト〉@ぴあ映画生活
心の傷を癒すということ《劇場版》@ぴあ映画生活
ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画@ぴあ映画生活

『すばらしき世界』『名探偵コナン 緋色の不在証明』トーホーシネマズ六本木1、7

今日見た映画2本レビュー。

◆『すばらしき世界』トーホーシネマズ六本木1

▲鼠っぽく悪そうな顔の役所広司(右)とリリー・フランキーの後釜をちょっと狙ってます的な顔の仲野太賀(左)。後ろのピンボケの人は三日ぐらい絶食させた田辺誠治(嘘)。

五つ星評価で【★★★★意地悪だけど立派な映画やさけ】
役所広司から目が離せない。役所広司はいつも通り見たまんま役所広司だが、「こういう人いるだろうなあ」というサンプルとしてちゃんと他の映画で演じていた人間と別に存在するからそれでよし。顔の作りがそういう作りだから、この人は「怒りん坊」の役が似合う。ピッタリだ。大体、この映画の中で役所広司が怒っている部分はもう正しい事だらけ。と言うか、自分の進退に対しての怒りを別にして、他人に対する怒りは、弱い者いじめをする奴だったり、社会のルールを守れない奴だったり、とても規範に正しいのだ。それでも彼は損をする。台風はいるだけで罪とされる、みたいな扱い。
役所広司がドロップアウトしてしまった為に社会に戻れない人間であるなら、仲野太賀はTVディレクターの座を蹴って、文筆業に変わろうとしている若者と言うには年が少し行った役。この人、年齢が自由自在だ。仲野太賀はドロップアウトに躊躇してない。彼の職の放棄はなんちゃってドロップアウトなのだ。外にハミダシてない。すぐ戻って来れるし、戻ってきた先でそうそう立場が悪くもならない。映画内でハミダシている人間は役所広司、白竜、キムラ緑子の反社の3人とソープのお姉ちゃんだけである。映画内では彼等が誰よりも優しいが、誰よりも行き場を失くしている。この国で暴力を有効に使う為には、もう国家に属するしかないのだ。但し、国家の使う暴力は善悪を問いただせないので、この映画の役所広司では務まらないだろう。
仲野太賀の上司の長澤まさみ、ゆるい服がエロい。ヤクザ映画なら風呂に沈められるような役でもいいのに。ちっ。
あと、北村有起哉がおいしい役。

ラスト、最後にカメラが映す空が抜けるような青空ではなく、果てがないような白い空。ずっと均質で変化を許さないような空。役所広司が世間に溶け込む事を優先としてしまった時に彼のそこにいる意義が失われてしまったかのよう。でも、あそこから、花を作る彼との豊穣な時間を積み上げてほしかった。後に残された者はハミダシた事がないから、そういう役は不得手なのだ。かくして、世界はおとなしい羊とイライラすると牙を剥く野犬だけの世界になる。

クズの主人公にまとわりつく、ダメな女神と、Mな女騎士と、爆裂魔法しか使えない魔法使いは出てこない(角川と無関係でワーナーだし、文庫は講談社だし)。

「シャブと同じくらいいい」流石シャブ極道。


◆『名探偵コナン 緋色の不在証明』トーホーシネマズ六本木7

▲好きなタイプではあるが、コナンの世界はみな髪を剃っちゃったら誰だか分からなくなりそうではある。

五つ星評価で【★★ファンサ映画だから、自分にとってはこれくらい】
『名探偵コナン』の劇場映画新作『緋色の弾丸』の前説的な映画。次に活躍するであろう赤井ファミリー4人のTVシリーズでの登場シーンをくっつけて、コナンのナレーションで接合した物。原作やTVのコナンを見てないからあまりよく分からないのだが、謎の黒ずくめの組織と戦ってるのは上二人だけなのかしら? そもそもこの4人が米華町に何となく集まってきて、異常にコナンたちとの接点があるって時点で話としてはリアルではないのだけど、コナンの中のリアルは通常のリアルとかなりかけ離れているので「そういう事がないとも限らない」程度に考えておけばいいのだろう。話の継ぎ接ぎ具合はちょっと雑。
男顔なのに、スカート履かされちゃう倒錯な女の子は好みのタイプ。ちっちゃい頃の「好き」と公言してはいかんロリな感じの方が実は可愛いとも思うのだが、それは公言してはいかんので、つーか、子供が子供らしくないコナンの世界で、あの「過度に持ってない」感じは逆に魅力。
あと、おもろかったのがエンドロール。1行に集中すれば辛うじて読めるが、2、3行ではもう読めないというスピードにまず笑った。そして、バックに流れるのはコナンのメインテーマなのだけど、アレンジが強すぎて、ちょっと気付きにくいぐらい。何やら、裸の姉ちゃんが踊りそうなくらい野生的なアレンジが変で良い。

コナンがまだ小さい頃、実は赤井ファミリーに会っていたエピソードがラストに来て、これは多分、今回の新撮なのかなと思うのだけど(よう知らん)、この中でコナンの母ちゃん(まだヤング)が当然のようにスマホを使ってるのにちょっと眩暈がした。それはコナン開始当初、携帯電話はまだトランシーバーみたいなでかい奴だったらしいからマンガに使わなかったのと(もっぱら公衆電話や家電を使用)、後から追加挿入されたらしいエピソードで、蘭がいまだにガラケーを使っているのはあの遊園地の事件が起きる前後でダメになったガラケーの代わりを新一が蘭にプレゼントしたからという伏線があるからだ。んー、その10年くらい前にスマホって、かなりの未来文化じゃね?


【銭】
『すばらしき世界』:東宝シネマズデーで1200円。
『名探偵コナン 緋色の不在証明』:東宝シネマズデーで1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
すばらしき世界@ぴあ映画生活
名探偵コナン 緋色の不在証明@ぴあ映画生活

『劇場版 殺意の道程』EJアニメシアター新宿

◆『劇場版 殺意の道程』EJアニメシアター新宿

▲主役二人。

五つ星評価で【★★★★バカリズム節】
WOWWOWで放映したドラマの再編集版で、ちょっとだけ切って出来上がってるらしい。『架空OL日記(※1)』もそうだが、映画的な仕上がりではない。でも、面白いからええやろ、みたいな。例えば、三谷幸喜の『古畑任三郎』を特別な改変なしに劇場で流したら、やはり映画っぽくは思えないだろう。でも、絶対、面白い。よい脚本、よい物語はメディアを凌駕する。バカリズムはそういうライターなのだ。バカリズムの異様に観察眼が鋭く細かい事に気が付いてしまう物の見方が脳を刺激する。そして、語りが面白い。とぼけた独白により、極めて真摯な筈の復讐ドラマがちょっとずつ軸がずれていき、迷走しながらも一回りして、正しい結果に落ち着くような幸福感。
あとはもうキャスティングの勝利。
井浦新は地道に朴訥に何かをさせ続けたらもう絶対に結果を残してくれそうな、そういう配役。仮に彼に連帯保証人10人集めてくれと頼んたら三日後くらいに集めてきそうな、そんな人。この映画で髪の毛が天パーつか、何か出来の悪い鳥籠みたいで、それを見て、スピードワゴン小沢一敬に似てるみたいな発見があった。うん、それならバカでもしょうがない。でも、主人公が正直でバカって可愛いじゃん。
相棒に付くバカリズムは、まあ、井浦新もそうなのだけど、抜群に華がない(※2)。とても、いい釣合いを保ちながら地味に実直で、井浦新よりほんのちょっと世間と仲良くやってる感じがベストだった。
堀田真由、殺人の師匠にキャバ嬢(笑)。いい意味でいやらしさがないわあ(でも、それは悪い意味でもいやらしさがないとも言える)。
佐久間由衣、最初、物凄く日本語うまくなったなシム・ウンギョンと思って見てた。途中から佐久間由衣だと気が付いた。日本語うまくなったな佐久間由衣。

▲最左端がシム・ウンギョン似の佐久間由衣。

鶴見辰吾、中三の杉田かおるを妊娠させて以来、あちこちの映画で悪の道をひた走っているので、「悪い役」としてとても収まりがよかった。

『殺意の道程』は「さついのみちのり」と発音するのだが、「さついのどうてい」で「童貞」と掛けているとも思う。あーもー、そーすると鶴見辰吾は「殺意のヤリチン」になってしまうし、それは正しい。

やはり、脚本・監督の前作『架空OL日記』と比べると、士農工商もとい起承転結で、話がちゃんと正しく幕を引いているのが良かった。前作、「三船敏郎と同じ性別を持つバカリズムがOL違和感ないんだあ」という驚きがあったが、ラストがなし崩し的にアートに逃げたっぽかったし、よく考えれば脳みそ夫だって常日頃からOL姿だしなあという認めたくなさがあったのだ。前作も今作も映画の香りは薄いけど、ネタ話として好き。

※1 『架空OL日記』『架空OLニック』とタイプミスしてわらた。
※2 「抜群に鼻がない」って誤変換に、それはまずいわって思った。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 殺意の道程@ぴあ映画生活
▼関連記事。
架空OL日記(脚本監督前作)@死屍累々映画日記・第二章

『レベッカ』『女たち』シネマヴェーラ渋谷

特集「オリヴィア・デ・ハヴィランド追悼 女優姉妹の愛と相克」から2プログラム。

◆『レベッカ』シネマヴェーラ渋谷

▲ジョーンさん寄り目じゃね?

五つ星評価で【★★★ちょっと長い】
1940年、白黒、130分、初見。アルフレッド・ヒッチコック監督。
オリヴィア・デ・ハヴィランド妹のジョーン・フォンティーンが主演。
ヒッチコックの有名な映画。
亡き先妻の影におびえる美しきか弱き後妻。
千歳に脅える五歳(違う違う)。
無茶苦茶に先妻を慕ってる家政婦長ジュディス・アンダーソンの
気が付くと背後に立ってたりするゴルゴ13には通用しない特技も怖い。
ラスト崩れ落ちる屋敷での見栄の切り方とか見てると、
ドラキュラやったベラ・ルゴシを思いだしたりもする。思いだしたら失礼か。
ジョーン・フォンティーンはさっぱりした顔立ちで綺麗。

問題はどいつがNOKKOか、という事なんだが・・・・・・


◆『女たち』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ちょっと長い、そしてうるさい】
1939年、パートカラー、133分、初見。ジョージ・キューカー監督。
オリヴィア・デ・ハヴィランドは助演。
一人として男が出てこない事で有名な映画らしい。
女しか出ない映画がこんなにギャーギャーうるさいとは思わなかった。


【銭】
各・一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
レベッカ〈1940年〉@ぴあ映画生活
女たち〈1939年〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
レベッカ〈1940年〉@或る日の出来事

『劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人~』シネマロサ1(ネタバレ気味)

◆『劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人~』シネマロサ1
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▲幸せそうな顔立ちがいない。

※ 物語構成の話などレビューに多少のネタバレ要素を含みます。

五つ星評価で【★★ほんとうにありそうに見せよう】
亀梨くんの『事故物件芸人』があまりにも、亀梨くんが芸人には見えないから本物の松原タニシとかを使って再撮したのかなあ、とか思ったら、さにあらず。どういう企画なのかと言うと お笑い第7世代による笑えて怖い新感覚ホラー! 世界初製作!! らしい。「世界初製作!!」の意味が良く分からん。物語として呪われた物件が出てきて、その物件に住むのは物語の上でも出演キャストの上でも第7世代芸人という企画らしい。松原タニシが第何世代なのかは分からんが彼は出てない。まあ、顔とか写真で知らんから(マンガになった彼は読んだ)出ていても気づかんかもしれんが。出てるのは「トム・ブラウン」「ニューヨーク」「かが屋」の3組5名。エース級にTVに出まくってる第7世代は流石に確保できなかったみたいだ。まあ、それはせんない。
今回の物語は元々、事故物件たらしめた事件があり、その後、3組の芸人がその事故物件に住まう事になるという話であり、時空間を少しずつ遡っていくちょっとトリッキーな構成である。ちなみに、「ほんとうにあった」であり、演者は「第7世代」ではあるが、全て「仮名」が付けられたエピソードであり、彼等自身の話ではない。まあ、そうだろ。そうすると、3組の芸人が演じる3組の芸人の恐怖エピソード。うわ、本当らしくない。最初の芸人の2年前の話として、次の芸人の話になり、その芸人の2年前の話として又、別の芸人が出てくる。足掛け4年以上の長い話である。
「事故物件」は「不審死」などが発生した「いわくつきの物件」に対して、不動産業者が貸出契約をする時、故意にその情報を隠蔽してはならないとする物件である。不動産業者から見れば、「いわくつきの物件」は安く賃貸せざるを得ないから、そういう物件がないに越した事はない。この「事故物件」を「事故物件リスト」から外すには、「いわくつき」でも何でも誰かしら賃貸させてしまい、その店子が一定期間そこで生活させて、リストから除外させるという手段を取る。直前の店子が問題なければ、特に事故物件扱いしなくていいのだ。業者によっては店子がいなくても、1年間ほど事故から期間が開いていれば「事故物件」を外す業者もいるらしい。とすると、この話のリアリティー具合が怪しくなってしまう。本当の人死にがあった後に2年も間を取っているし、直前の入居者に人死にが出てなくても、事故物件として紹介して契約しているし。それは客に優しすぎるという意味でリアリティーに嘘くささを感じてしまう。又、最初の芸人と次の芸人との間で、それだけの後追い事件が起こっているなら、その事件が同じお笑い芸人の境遇として話題にあがっていない事は不自然極まりない。

演者はそれぞれが巧み。「笑える」かどうかについては、そんなにそういう配慮はない。私が新しい笑いに付いていけてないという可能性も小さくはないが。


【銭】
一般料金1800円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版ほんとうにあった怖い話~事故物件芸人~@ぴあ映画生活
▼関連記事。
事故物件芸人 怖い間取り@死屍累々映画日記・第二章

『ある用務員』ヒューマントラストシネマ渋谷2

◆『ある用務員』ヒューマントラストシネマ渋谷2

▲図書館戦。

五つ星評価で【★★★殺し屋がいっぱい】
特集企画「未体験ゾーンの映画たち2021」の一本。
殺し屋がいっぱい出てくるゴキゲンな映画。
殺し屋って非日常の極みみたいなものだから、それが集まったら面白いに決まってる(とは言え、何事にも限度はある)。
主人公自身が殺し屋であるが、それ以外8人に召集がかかる。召集を掛けたのも殺し屋なので、その殺し屋の用心棒も含めて殺し屋総勢11人。中には素人に後れを取ってしまうような、なんちゃってっぽい殺し屋もいるが、その辺は逆にバリエーションあってよいのではないかと思う。
好きな殺し屋は南、シホ&リカ。
南の得体の知れない暴風雨のような殺しはいい。自分が平凡と思い込んでいるが、どう見ても悪い意味で非凡と言うのが一目で分かるのがいい。
感情を抑制できないリカと、その歯止め役シホ。リカが半分アマチュアなのだが、コンビとしてのバランスが良いので強い。強いのは良い。女殺し屋ってだけで良いというのもあるが。
アロハの筋肉二人、トレシャツ二人はアピール弱かった。これは似た組み合わせであるし、それぞれの個性を別々に主張できてなかった。
源さん・渡辺哲は渡辺哲だから面白かった。
途中からラスボスが頭おかしくなって無双してしまうのはよくない展開。
学校内のいじめっ子3人、被害者2人、先生1人のキャラも学校内が戦場になってからは活躍のさせ方が破線状態で、上手く機能していない。主人公が守る事になる令嬢も自分の感情を抑え込んでおり、観客が感情移入しづらいキャラだ。主人公も感情が表に出ないキャラなので、相乗効果的にこの組み合わせはつまらない。その主人公を演じる福士誠治は今まで、良くも悪くもサラリーマン的で、凡人に埋もれる個性だったが、それはそのまま残して、すっと色や味の薄い山田孝之みたいにいい感じに仕上がっていた。
あと、般若の顔芸とてもよし。般若の直下のムキムキも良い感じで哀しい。

ベスト・バウトは図書館での殺しあい。

こういう映画は昔からずっとあって、何ら目新しくはないが、それぞれの殺し屋の個性を見ているだけでドキドキしてしまう。般若の意外に素早い退場も含めて、なかなか良い善戦だった(いや、「良くない善戦」ってのがありえないか?)。


【銭】
特集均一で1400円だが、テアトル会員割引が有効で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ある用務員@ぴあ映画生活

『いちごブロンド』シネマヴェーラ渋谷

特集「オリヴィア・デ・ハヴィランド追悼 女優姉妹の愛と相克」の1プログラム。

◆『いちごブロンド』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★かーいらしい映画】
1941年、白黒、99分、初見。ラオール・ウォルシュ監督。
原題はまんま『Strawberry Blonde』、赤毛がかった「いちごブロンド」という髪の色が存在するんですな。
気のいい主人公とその友達の青年実業家のWデートの相手はいちごブロンドの美女と伯母がウーマン・リブの闘士という看護婦。主人公と看護婦はファースト・デートで反りが合わず、相手を変えてデート再戦するが、そこで主人公はいちごブロンドの美女にゾッコンになってしまう。彼最高のむちゃくちゃいいデートをしたが、次のデートの約束は二週間後、それまで彼女はひっきりなしに相手を変えて毎日デートするモテモテ女なのだ。結果、当日、彼はいちごブロンドに振られてしまう。女は彼の事など忘れてて、既に彼の友達の青年実業家と結婚してしまってる。何たる敗北。その彼の窮状を見かねて助けてくれたのが、反りが合わなかった看護婦。ここから、理想の美女であるいちごブロンド贅沢夫婦と、現実の良き妻である看護婦との間の貧乏夫婦との対比を挟みながら、贅沢な富豪夫婦の生活を潤す為に、物凄く自然に貧窮に追い込まれる貧乏夫婦などが描かれる。作劇の大変上手なところは贅沢夫婦は貧乏にさえならないが、どこからどう見ても幸せではないという点。逆に貧乏夫婦は貧しいが、愛の力で幸せである。まあ、そうじゃなければこんな話、成立しない。
貧乏な主人公がジエームス・ギャグニー。なんかあまり今の目で見てしまうと魅力的に見えない。あまりよくない意味で無声映画っぽい配役。演技はちゃんと表現するが、どこか、くどい。
貧乏な妻は追悼の対象、オリヴィア・デ・ハヴィランド。ちょっと目玉がギョロっとして、モサっとした感じで美人タイプではない。お呼ばれした際に着ていったドレスが、日常着をドレス風に直したもので、野暮ったい。可哀想。キャー。
いちごブロンドはリタ・ヘイワース。服がブランド品のドレスで実にゴージャス、バリバリに美人である。この人その者は悪人ではないので、不幸に落ちてくのも可哀想に思ってしまう複雑な役どころ。たたずまいと言うか、立ち姿が妖精みたい。それに比べて、オリヴィア・デ・ハヴィランドが女将さんっぽいのが残酷。
ごくごく単純に善人に幸あれと思わざるを得ない。とは言え、一応、映画は主人公夫婦の肩を持つ構成になってるので、問題なく終わってめでたしめでたしである(そらあ、アメリカン・ニューシネマとかじゃないからなあ、いやいやいやいや、それでよし。全くもってそれでよし)。


【銭】
一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
いちごブロンド@ぴあ映画生活

『燃えよデブゴン』『ジョゼと虎と魚たち』『AWAKE』『ビルとテッドの時空旅行』『トッコ・ビンはアップデート中』

元旦に鑑賞した4本と3日の1本をまとめてライトに。

◆『燃えよデブゴン』トーホーシネマズ日本橋4
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▲デブゴン。

五つ星評価で【★★★太っても、最強】
単にメイクした身体を出して、実はこれがドニー・イェンなんです、とはやらずに最初はシャープな身体でシャープに格闘させておいて、徐々に身体改変を加えていくので、キャラクターに違和感がない。太っていてパッと見、ドニーさんに見えなくても脂肪を掻き分けるとちゃんと中にドニー・イェンがいるのである。ちょっと不思議な感じ。
この肉肉な身体でのアクションと嘘日本が面白くて、まずまず普通に面白い。
だが、馴れない日本で捜査するのは無理があって現に捜査がちょっと行き当たりバッタリな事を考えると、話は無理が強目。
話が無理な部分はカンフーで帳消しにする。敵は日本が世界に誇る超暴力人種YAKUZA。X-MENやプレデターと生身の身体でそこそこ互角に戦う驚異の戦闘人種YAKUZAの歴史に又、新たな一頁が刻まれた。太ったとはいえ、ドニー・イェンの相手である。凄いよ「丞威」と言う人。ただ、ドニーさんのカンフーに関しては、突き手が胸元から一番遠い相手のヒット・ポイントまで今まで綺麗にすっと伸びていたのが、脂肪がある分、綺麗な型に見えづらくなってしまったのは問題だろう。
ちゃんとブルース・リーの曲を使ってるのは偉かった。
あと、欲を言えば人魚と鮪のAVが見たい(バービーが人魚やってるとは思わんかった/「店長、チェンジで」)。

▲鮪。


◆『ジョゼと虎と魚たち』ユナイテッドシネマ豊洲5

▲活き活きとしてるのう。

五つ星評価で【★★★声でもイケる】
ジョゼが可愛い。他は割りとオマケ。これはジョゼの声の清原果耶の功績と言っていいだろう。対する管理人の中川大志は普通。違和感なかったから、よくやったと言っていい。原作は読んでないが、実写映画は見ている。こんなに青春や恋愛要素が強かった記憶はない。まあ、それは池脇千鶴演じるジョゼのリアルな肉体性にあったのだろう。そうでないのに、そう生きてきて今までが辛いながらも明るく輝く事がなかった半生だと否応なしに想起させる演技力だった。そのリアルさを無視してファンタジー性(夢)を誇張できるアニメだからこそできる前作とは違ったアプローチの仕方が今回の映画では、はまった。
それにしてもジョゼ中三くらいかと思ったぞ。24には見えんだろう(見えんという設定があるにせよ)。


◆『AWAKE』ユナイテッドシネマ豊洲12

▲ちょっと妖怪っぽい。

五つ星評価で【★★★グッと来る】
若くして人生にしくじってしまった不器用な男の第二戦というのは好きな話。
吉沢亮は爽やか兄ちゃんより、何考えてるか分からないジットリ兄ちゃんの方がステキ。
大学の先輩を演じる落合モトキもいかがわしい変な兄ちゃんが似合っててよし。
電王戦ではあるがモモタロスとかは出ない。


◆『ビルとテッドの時空旅行』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲「俺が釣った魚は」「いやいや、俺が釣った魚は・・・・・・」

五つ星評価で【★★正月らしい】
こーゆーの正月らしくていいと思うわ。
前の2本は見てるけど全く忘れてる。
この見た直後の1本ですらもうあまり覚えていない。
そんなんも正月らしい。


◆『トッコ・ビンはアップデート中』シネマート新宿1

▲左から、のび太、ヒロイン、ロボット。

五つ星評価で【★★撃沈】
ちょっと驚くくらい撃沈。クオリティが映画と言うよりはドラマっぽい。
大学デビューを目論むダメ人間をイケメンロボが人知れずサポートしようとする。
主人公ののび太らしさがキツくてたまらない
そして、ロボットが固執するように主人公に付きまとう理由が、「ロボットは一番ダメな人間に対して優しくする」という真実にゲンナリしてしまった。それは正しいかもしれないがしびあーだ。


【銭】
『燃えよデブゴン』:東宝シネマのファーストデー割引で1200円。
『ジョゼと虎と魚たち』,『AWAKE』,『ビルとテッドの時空旅行』:ファーストデーではあるが、金曜日なので、ユナイテッドシネマのメンバーズデーが勝って1100円。
『トッコ・ビンはアップデート中』:テアトルのカード割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
燃えよデブゴン/TOKYO MISSION@ぴあ映画生活
ジョゼと虎と魚たち@ぴあ映画生活
AWAKE@ぴあ映画生活
ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!@ぴあ映画生活
トッコ・ビンはアップデート中@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
燃えよデブゴン/TOKYO MISSION@ここなつ映画レビュー
ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!@ここなつ映画レビュー
ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!@yukarinの映画鑑賞日記α

シネロマン池袋で驚異のスケバン20210108-20210114


▲画像はシネロマンさんから借りてきました。

◆『春画夫婦の秘かな愉しみ』
五つ星評価で【★★役者が皆かーいらしい。】
今野由愛主演、たんぽぽおさむ、出演 
坂本太監督 2006年のエクセス映画、初見。
売れない浮世絵師が枕絵を依頼され、艶笑ピンク。
主演の今野由愛が可愛い。まあ、それでいいだろ。


◆『人妻弁護士 真っ赤なざくろ』
旧題◆『女弁護士 強制愛撫』
五つ星評価で【★★★なんか凄く絵作りが妙にスタイリッシュ】
冴島奈緒主演、幸野賀一、相沢知美、村上ゆう出演
関良平監督、1998年のエクセス映画。60分。初見。
話が大きな幹のみで、これと言って面白い話ではないが、要所要所の撮影が妙にスタイリッシュで、登場人物に深味が付いて見えるため、ちょっといい映画を見たような錯覚を起こしてしまう一本。やっぱり、これは錯覚で、大した映画ではないよなあ。
ムショ帰りの男が法律事務所に立寄る。執行猶予がつかず実刑判決を食らってしまった弁護士に対して怨みがあるのだ。弁護士は自分が雇っている女弁護士と寝んごろで、女弁護士は復讐の為に浚われて強姦される。その件で女弁護士と弁護士は破綻するが、弁護士の対応に優しさがなかったため、女弁護士はムショ帰りの男に弁護士を浚って同じ目に合わせる事を頼む。
冴島奈緒がタイトルロール演じているだけあって濡れ場もメインで、いい身体をしているんだけど、顔が何かいかつい。まあ、そうだ。そういう人だった。ムショ帰りの男の妻で、バーテンが村上ゆう、獅子っ鼻のお姉ちゃんだが、この映画では妙に可愛く撮れている。あまり、村上ゆうを可愛いと思った事はなかったので自分的に意外だった。
ムショ帰りが冴島奈緒を強姦するが、冴島奈央とはバーで顔見知りでもあるため、トラウマになるようなヒドイ強姦ではない。
そして、ムショ帰りが浚ってきた男に対して、同じ目に合わせるために強制的にセックスをさせられるのだが、その相手が冴島奈緒本人と言うのは論理的に頭がおかしい。別にカットとして撮っておかなくてもいいから、男にでも犯させれば良かったのではないか? ノンケ向き成人映画では、それをやったら負けか。


◆『女高生(スケバン)SEX暴力』「スケバン」はルビ
五つ星評価で【★★★★異世界もの】
片桐夕子主演。
白井信明監督。 1973年のロマンポルノ。初見。
片桐夕子の負け犬っぷりと言うか、犯罪者が卑屈に笑うみたいな表情がいつまでも心に残ってしまう1本。
1973年頃のスケバンと言うのがもうどこかこの世の物と思えない。不良女子、昔からスカートは長目。脚はストッキングにガーター(ガーターベルトではない)。一人としてパンストを履いてる人間がいないのは、まだ爆発的な売れ行きに至っていなかったか、高校生が着用するアイテムとしては高価だったからだろう(推測)。この時期のスケバンと言えばマンガ版の『スケバン刑事』があるが、あれは学園闘争もので麻宮サキはスケバンと言うより、義理人情に硬い侠客みたいな女子高生であり、決してスケバンファッションではない。ここから10年くらい経つとドラマの『スケバン刑事』『ビー・バップ・ハイスクール』などで、今のスケバンに近いファッションに移行して行く。この映画の中でビックリしたのは「OL番長」という言葉。OLになって「おいおいおいおい」みたいなヤンチャしてる人がいるのかと思ったら、OBやらOGに相当する概念で、社会に溶け込みつつ、女子高生のスケバンから吸い上げた上納金でおいしい目を見てる。怖い怖い。
あと、ラスト、スケバン世界のしがらみを全て捨て去り、現総長をやつつけ、後ろ盾であるOL番長の相談役もコテンパンにした片桐夕子が微笑む笑顔が寺山修司っぽくて怖いと思った。でも、凄みがある顔で魅力に溢れている。

PS そうそう、敵のスケバンと仲のいい三人組の男の不良が出てくる。そのリーダー格が学ランに赤のカラーシャツ。これは中々、『ビー・バップ・ハイスクール』とかと地続きでもないなとか思ってたが、腰の所にバカボンのパパが着用してるような立派な腹巻が巻いてあった。うわあ、かなり初期の昭和だわ。


【銭】
一般入場料金は1800円だが、劇場に無料で置いてあるスタンプカード割引で1500円(スタンプ八つ目で満スタンプ/期間一カ月無料の招待券になる/ちなみにポレポレ東中野にも何気に置いてある/って書いたら置いてなくなってしまった)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
春画夫婦の秘かな愉しみ@P.G.

『女賭博師鉄火場破り』シネマヴェーラ渋谷

特集「一周忌メモリアル 折れない花・原知佐子」の1プログラム。

◆『女賭博師鉄火場破り』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★賭博の異能が凄い】
1968年、カラー、87分、初見。井上芳夫監督。
江波杏子の「女賭博師」シリーズの第七弾で、シリーズその物からして見るのが初めてなのだが、映画として独立しているので何の支障もなし。権力構造的に一番悪いのはラスボス位置にいる成田三樹夫の筈なのだが、江波杏子の前に立ちはだかる最後の敵は育ての親と父親を自殺に追いやってしまった因縁を持つ妹分である。単に外道を成敗して手打ちという形ではなく、「人には避けて通れない戦いがある」というシナリオ作りは物語の説得力を否が応でも高めてたまらない。
一番、権力を持っているのは成田三樹夫だが、彼は彼なりに大きな賭場を経営する業界の一人者であり、ただその役得で江波杏子を一回抱きたかっただけであり、袖にされてむくんでいるという何だかとっても可愛い親分。ペットにポケットモンキーを飼っているのがオシャレ。
サイコロを使った壷振り、敵の出す数字を当てるカルタで戦いは行われるが、その緊張感が半端ない。どちらの賭博師も思った目が出て当たり前、敵の札を当てられて当たり前の世界なのである。おいおい、超能力者かよ。この戦いの描き方がホットでクールでたまらない。
江波杏子ヘビみたいで怖くてステキ。


【銭】
一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
女賭博師・鉄火場破り@ぴあ映画生活
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