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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『死にたくなるよと夜泣くタニシ』テアトル新宿

企画「OP PICTURE+フェス2019」から1プログラム。

◆『死にたくなるよと夜泣くタニシ』テアトル新宿
五つ星評価で【★★★謎映画】

「ピンク映画初!実写×アニメ!?」

そらそうだろ。必然性もなしにそんなことやる奴はいない。必然性があっても、アニメって高かったり、時間かかったりするから、そんな物に手を出す余裕は成人映画製作者にはいなかった。FLASHアニメで随分敷居が低くなったとは言え、快挙と言おうか、無謀な取り組みである。演出は良作の宝庫、後藤大輔監督。現実の上にアニメのキャラが乗っかってくる拡張現実風の手法で、アニメの部分はそれなりに多い。

うーん、主人公のアナルに巣食い、出入りする仏教説話上のキャラ「蟯虫」は宛て声野村貴浩の達者さと相まって悪くはないのだが、江戸時代の書物からいただいているデザインが感情移入を妨げる。そして、成人映画としては、あまり下の方にビンビン来るような濡れ場が疎かった気がする。理屈としては通っているが、成人映画としては見劣りする。大概今までどうにかしてきたように、そこは両立してほしかった。俺が個人的に乗れなかっただけか。

近作では老人の役をバリバリこなしてる、なかみつせいじが頭を剃って年齢不詳の役を演じているが、普通に若い役者起用でよかったのではないか?


【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
死にたくなるよと夜泣くタニシ(『牝と淫獣 お尻でクラクラ』)@ぴあ映画生活
牝と淫獣 お尻でクラクラ@P.G.
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
牝と淫獣 お尻でクラクラ@横浜SANのブログ
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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』新宿ピカデリー 6

▲とてもクールで百点満点な彼女が同僚たちからは「ヴァイオレットちゃん」と呼ばれてるのが面白い。多分、「ちゃん」付けで呼ばれる幼さや真摯さがあるのだろう。

五つ星評価で【★★★★繊細で素敵】
ラノベを元にしたテレビアニメ作品があり、その外伝の位置づけらしい。
それらについて全て未接触であるので、割と自分にしてはよくある感じの一見さん鑑賞である。
「京アニ」さんの作品の素晴らしい所は、画力やその画力に劣らない繊細なアニメートなどの技術力もあげられるが、それ以上に物語の背景を知らない者にもちゃんと楽しめるように映画作品が、それなりの独立性を保った作品として作られている事があげられる。勿論、続き物の作品であれば前提を知っていた方が楽しめる事は間違いないが、それを笠に着るように、前提を知らなければ分からない作品を作る者が今は多すぎる。物凄く長い物語になってしまった『Free』などは流石に一見さんがいきなり見て理解できない部分が散見されてしまうかもしれないが、通常の京アニ作品、そして今回の映画はその作品だけ見て充分に楽しめる映画だった。
今回の主要登場人物は三人。
ヴァイオレットとイザベラとテイラー。
ヴァイオレットは主役のキャラクターであるが、今回の物語は、彼女主体の物語ではなく狂言回しの位置にいる。彼女は美しく、平坦、今回の物語の世界における規範のような役柄なので、物語がとても美しく、彼女の平坦さの裏に隠れた慈愛に満ちた物になっていた。
イザベラは物語の中の中心人物(主体)の一人。彼女は自分の宝物を壊されないようにする為に自分の人生を捨ててしまった。彼女がその本質が大きく変わらないヴァイオレットと打ち解けながら一般性を獲得していく物語が映画の前半だ。それにしても眼鏡を着用した彼女のなんと冴えない事か。その冴えなさ加減が見事である。
テイラーも同じく物語の中の中心人物(主体)の一人。彼女は彼女の生命を生かさんとする保護者から二回捨てられた事になる。ただ彼女には割と無敵な天賦の才がある。人に物おじせず甘える事が出来るのだ。女狐よのう。イザベラの自由への渇望をテイラーが継ぐ形になるのが何とも感動的である。
人は人を介して受け継ぐ物があるし、受け継がれる事によって皆の絆が固くなる事もある。大変真っ当でいい映画でした。


◆『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』神保町シアター
五つ星評価で【★★★】
特集企画「昭和の怪優 小沢昭一のすゝめ」からの一本。
1969年のカラー映画、92分、初見。
題名が凄い。
面白い。
ひどい性格のヤリマン姉ちゃん(高橋紀子)が可愛くってしょうがない。ちゃんとおっぱいの先っちょも見れるのがいい。
星一つ減じたのは哀しい終わり方だから。


【銭】
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形』:松竹会員の前回有料入場割引+ネット割引で1200円。
『ブラック・コメディ ああ!馬鹿』:神保町シアター水曜は1000円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -@ぴあ映画生活
ブラック・コメディ ああ!馬鹿@ぴあ映画生活

『ニノ国』よみうりホール(ネタバレ)

◆『ニノ国』よみうりホール

▲何で隣接する異世界はいつも洋風やねん。和風がダメでもせめて中華風とかの方が風土的にも可能性高いと思うんだが。っつーか、背景、妙にディズニーランドっぽい。

※ ネタバレ感想です
五つ星評価で【★いやあー】
見た後のツイッターでの第一声。

なんつーか、ずっと嘘つきの嘘に騙されてるみたいな話。

これ以降はほぼ無言。だってねー。でもまあ評価も決しただろうから、そろそろいいかな。うむー『ニノ国』って、これでお金稼げるなんて思っちゃいけない出来の映画よ。そりゃあ1800円で売ろうってものをロハで見させていただいてるので心苦しいのだけど、これは駆逐されるべき映画でしょ。100円くらいなら見てもいいかな。

二つの異世界の間で命をシェアすると言うのは割と近作のアニメ『あした世界が終わるとしても』でも使われていた。でも、そっちの方が設定が段違いに緻密だ。いや、違う。『あした世界が終わるとしても』も割と設定が雑いのだけど、それ以上に『ニノ国』の方が段違いに雑いのだ。

まず、宣材に書いてある「どちらかの命を救えば、もう一方が死ぬ」「愛する人を救うために命を選べ。」、これは悪玉が主人公の男の子の一人に流し込む嘘なのである。つまり、こんな設定はない。えー。と言うか、命をシェアする話にするなら、共倒れ型より、二者択一型の方がこの世界の世界観に合っている。
というのは「ニノ国」は、命がシェアされる「一ノ国」と世界が違いすぎる。Aの世界の人間が死んだらBの世界の人間も死ぬ、という事を成立させるためにはAの世界の人間とBの世界の人間が同数でなければいけなない。これはパラレル・ワールドのようにかなりソックリな事が並行して起こっている世界でないと人間の数を同数に保つのが難しい。これは先行する命がシェアである世界観の『あした世界が終わるとしても』『劇場版・リアル鬼ごっこ』でも貫かれていたが、基本、とても似通った世界で日本だけが異常な形態になっている。だが、おそらくシェアであるのは地球上の全ての人間の命だ。「ニノ国」はとてもそうは見えない。ファンタジー世界に存在する「エスタバニア」なる国とその反勢力、あとよく分からない亜人達これらを全て合わせても東京都民一千万人にはおそらく満たないだろう。そして、その周りにある全ての国や惑星が、「一ノ国」側の全生命77億人もいるとはとても思えない。「エスタバニア」周辺をどう多く見積もっても数万人から数十万人。小さなコミュニティで命が繋がっている。
そして、この「エスタバニア」周辺で戦争が起こる訳だが、これは規模如何に関わらず大変である。死人が出るようなら、「一ノ国」でも同じように誰かポコポコ死んでいる筈なのである。そんな素振りは全くなかった。勿論、アフリカのジンバブエ辺りで「ニノ国」の住民と顔が似ている誰かが死んでいるかもしれないが、アーシャとコトナ、サキとヴェルサが繋がっているのなら、もっと狭い範囲内で繋がっていると考えるのが妥当であろう。そうすると、やっぱり謎の死因で日本のどこかの地域で人がポコポコ死んでいる筈なのである。そういう命をシェアする人間がごくごく少数であるという可能性もあるだろう。でも、それを物語の中で述べないのはフェアでない。もしかしたらであるが「エスタバニア」周辺の戦争では人が死なない可能性もある。亜人である傭兵達が戦い、死なぬぐらいでそれぞれ矛を収める事での戦争が成立するのかもしれない。ま、分からんけど。亜人にシェア相棒がいるのかいないのかも分からないし。
設定で分からないのは「ユウ」と「ハル」の男の子二人の主人公。ちょっときっちり理解できなかったが「ユウ(ニノ国出身者)」=「ハル(一ノ国)」なんだろうか。そうであるなら、彼等と命をシェアする人間が他にいない事に合点がゆく。それにしてはアニメとは言え、顔立ちが似ていない。何と言うか、命をシェアする同士の共通特徴が「顔が似ている」事しかないのがとても適当。仮に「ユウ(ニノ国出身者)」≠「ハル(一ノ国)」であるなら、彼等の分身はどこにいるのか? 分身がいずに両世界を行き来できるのが「トラベラー」なのか? ニノ国に着いたばかりの二人が衣装が変わっていて、ハルの足が治っていた事を考えると、ニノ国の二人に一ノ国の二人の精神が憑依したと考えるのが自然だが、そうすると二人が一ノ国に戻った後、二の国では元々の二人が目を覚まさないとおかしい。が、そんな素振りはなかった。
例えば、ユウの足がニノ国では治る事、
ニノ国と一ノ国の行き来が生命の危険である事、
それらがユウの「そうじゃないかと思う」という希望程度で実現されている感があるから、これは「命をシェアする二つの世界」という世界観より、「命をシェアする二つの世界と思いたがっているユウが自由に活躍できる世界」と考える方が自然である。「ハル」に対して非常に強い劣等感を持ち、恋人も彼に取られているのが異世界では逆転する。なんかそう考えると根深い黒い世界である。

ユウとハルがそれぞれ山崎賢人と新田真剣佑というタレント・キャスティングなのだが全く意識しなかった。お爺さんのムロツヨシも分からなかった。ムロツヨシくさいかどうかだけもう一回聞いて確認してみたい。あと、見事にというか、立派に下手だったのがアーシャ姫兼コトナの永野芽郁。でも、彼女に関してはワイドショーのインタビューでしみじみ自分のアフレコの未熟さを反省していたので声優再チャレンジとかしないのなら許したい。


【銭】
まんが雑誌の試写会応募で当てさせてもらいました。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
二ノ国@ぴあ映画生活

『トリプル・スレット』シネマート新宿1

◆『トリプル・スレット』シネマート新宿1

▲左からカンフー、シラッド、ムエタイ。

五つ星評価で【★★★肉弾戦】
ムエタイ(タイ)とカンフー(中国)とシラッド(インドネシア)の巧者が腕を競い合うを企画意図として、それにとってもゆるいストーリーをひっつけた、極めて中学生男子らしい一本。主役の三人は傭兵で敵も傭兵、割とどっちが正義か悪かという判断が付きづらい。ファースト・ミッションですら、最終的にそこが何の施設で、殺された奴らが誰だったのかはほったらかしである。それ、そこそこ大事じゃね? だから、ただ単に悪玉側の性格が悪いから「悪」な気がしてしまう。この悪玉がムチャクチャ殺傷力に富んだ兵器を湯水のように使って、有名人を襲撃したり、警察署を襲撃したりするのは爽快感がある。

しかし、この映画の予告が70年代に撮ったかのように古びて見えるのは何故だろう。あまりに古びてるもんだからついつい見に来てしまった。本編はそんな古びてる訳ではなかった。何を求めているんだよ、俺。

主役は三人の誰かではなく、三人とも主役。誰か一人にウェイトを絞らなかったので、逆に一人一人の個性がボケてしまった。それにしてもみんなそれぞれ見掛けが正義の味方らしくない。

シラッド、イコ・ウワイス:バカボンのパパを極限まで美形にしたみたい。
カンフー、タイガー・チェン:バリバリのピエロ顔。
ムエタイ、トニー・ジャー:妖怪人間ベムっぽい。
トニー・ジャー悪い人っぽい顔になったなあ。トニー・ジャーの場合、善悪とは別にただ強い事に意味がある。『マスターZ』でもそういう位置づけだったし。
この三人が共闘するにしても何か強烈な正義のアイコンがないとあかん気がする。


【銭】
テアトルの会員証割引を使用して1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
トリプル・スレット@ぴあ映画生活

『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』EJアニメシアター新宿

◆『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』EJアニメシアター新宿

▲最前列にいる少女の胸の面積と主人公の大きさがほぼ一緒。

五つ星評価で【★★★乳は強し】
ラノベやそれを元にしたテレビアニメがあるようだが詳しくは知らない。堂々一見さん鑑賞である。
「面白いは面白いのだが」というのが第一感想、
「引っかかってしまうのは不親切だからだろう」というのが第二感想。

冒険者のパーティーという事で主役は四人組。カズマ、めぐみん、アクア、ダクネス。
四人の中で主人公のカズマは分かりやすい屑キャラ、魔法力はあるが応用が利かない魔法使いのめぐみんと一応ペアなのか、今回だけのカップリングなのか? この二人はいいが、駄女神アクアと妄想ノンストップ女騎士ダクネスが一見さん的には混同した。まあ、確かにダクネスさんはポチポチ妄想組みこまれていたけど、通常の言動が大差なくって、通常モードで混同せざるを得なかった。この辺のキャラの紹介の仕方に不親切さを感じ取ってしまった。
そら、あかんという狂った町や、狂った設定の敵なんかの揺らぎギャグは面白いのだけど、ちゃんと大きな山場を乗り越えて、いい感じのエンディングが来てもあまりグッと来ないのは、やはり私がこの世界にのめり込んでないからだろう。チョコチョコ入れるアイキャッチャーもウザいとしか思わんかったし。

カズマがウィズとバニルに頼んだのは何だったのか?(TVには出てるお約束の話なのか)、それは結局どうなったのかは語られなかった。

声優とかよく知らんけどカズマの中の人(福島潤)は凄い技量だと思う。

妙に乳の描写が執拗な気がする。


【銭】
テアトルの会員証割引を使用して1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説@ぴあ映画生活

『僕のワンダフル・ジャーニー』よみうりホール

◆『僕のワンダフル・ジャーニー』よみうりホール

▲「僕のアントフル・ジャーニー」。

五つ星評価で【★★★いやし】
犬にほんなこつ癒される。
犬の喋り方がこのくらいバカだったら愛しいと言う丁度いい点を突いてくる。
声はアメリカでオラフの声を充てた人だとか。そりゃあいい連携だ。
前作の主役で犬の飼い主のデニス・クエイドの孫娘を3人の少女が演じるが、小学生時代はアントマンの娘である。お前、犬じゃなくて蟻飼えよとか言っちゃいけない。今回、犬はデニス・クエイド爺さんの指示により、身体を変えつつ、ずっとこの孫娘を見守るのだ。なかなか、ご都合主義な展開が山のようにあるが、そういう風に話が甘い所も含めてファンタジーなのだから、そこはいいんじゃないかと思う。

上映時間109分なのだが、上映前のアナウンスで149分と間違えて告げられて流石にビビった。 犬が蘇り続けるだけの話で2時間半はなげえだろ。間違いでよかった。


【銭】
まんが雑誌の試写会応募で当てさせてもらいました。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
僕のワンダフル・ジャーニー@ぴあ映画生活
▼関連記事。
僕のワンダフル・ライフ@死屍累々映画日記・第二章
・僕のワンダフル・ジャーニー@死屍累々映画日記・第二章

『おしえて! ドクター・ルース』『アンダー・ユア・ベッド』『座頭市』

同日鑑賞3本をまとめてレビュー。

◆『おしえて! ドクター・ルース』新宿ピカデリー4

▲熟々々々女 くらい。

五つ星評価で【★★★人物に魅力がある】
90歳現役セックス・セラピスト女性を題材にしたドキュメント。
映画冒頭、彼女とアレクサに対談させる。
そのユーモラスなやり取りで彼女を好きにさせてしまう。
演出家なかなかの手腕だ。
外見、倍賞千恵子っぽいが、内容的にはアケスケである事が許される京唄子みたいな感じだろうか。そういう歯に衣着せぬ女性がセックスの事を語って米の主要メディアの視聴率を稼ぐトップハンターになった。うーん、そんな人おんねんね。ともかく、見ていて性格が気持ちいいのが良い。映画内で紹介される彼女の番組の「性に対するQ&A」は、別に何一つ驚くような事は言っていないと思う。あの程度なら日本でも出来る。変態気質の高い日本人がその程度で喜んで視聴率稼がせないような気もするのだが。


◆『アンダー・ユア・ベッド』テアトル新宿

▲高橋由美子(謎キャプチャー)

五つ星評価で【★★★★没入感高し】
庭の石をどかすと、その下に虫が蠢く。出自を気にされる事がないそれらの虫と自分を一体視してみる主人公に対する没入観がひどく高い。それは誰しもが持つ自己否定感情だからだろう(俺だけだったらゴメン)。基本シャープな顔をそう見させない高良くんの上手さに舌を巻く。旦那は知らない役者なのでリアルに怖い。ヒロイン西田加奈子がいい意味で小者な感じ。ただ、ここでそれは役に合わないだろうという絶世の美少女を連れてきても怒りはしない。映画として成立する範囲内の嘘であれば許容可能なのだ。『うしおととら』のエピソードにもあったように、誰からも覚えられない(対象として認知されない)というのは、ちょっと信じがたいくらいの厳罰であろう。勿論、そういう目に会わない人達からはそれが厳罰であるとは到底信じてもらえないかもしれないが。


◆『座頭市』新文芸坐

▲バカ親切で怒らすと怖いけど普段はかっこ悪い。

五つ星評価で【★★★奇形的な出来上がりだが悪くはない】
新文芸坐の企画「座頭市 令和に蘇る盲目の侠客」から1プログラム。
1989年のカラー映画。116分。3、4回目くらい。
劇場ロビーに貼り出してあるプレスシートの写しに「ヤングの支持が圧倒的な片岡鶴太郎」って書いてある。松竹さん嘘はいかん。

全体散漫な話だとは思う。エピソードは散文的で、前後の関連性は薄いし、後半になればなるほど市の殺戮の理由は薄れて、ただ明確な理由もなく殺し続けるマシーンに変わってしまう。でも勝新自ら演奏する三味線とか気持ちよくて、その辺りの論理性の低さが打ち消されて快楽に変わってしまう。

いまやお父さん犬の奥さんの樋口可南子がバリバリのエロ番長で若く、艶っぽい。彼女の全でも悪でもない立ち位置は面白い。やたらウェットな緒形拳より義憤と欲を行き来する鶴太郎の方がいい役かもしれない(ヤングじゃないから圧倒的には支持しない)。内田裕也がカッチリ狂犬を演じるので勝Jr.は割と食われる。その内田裕也が自分の宿場に殴り込み掛けられてマスク付けて敵の手下に紛れ込んだのに、身の潔白を証明する為に自分の手下を殺さなければならない。普通に殺しておけばいいのに、執拗に残虐に殺した為に内田裕也である事がバレるって内田裕也の資質を知り尽くしてる。

TVの影響か旧作のように「どメクラ!」が連呼されるようなシーンはなくなった。


【銭】
『おしえて! ドクター・ルース』:映画ファン感謝デー料金1300円。
『アンダー・ユア・ベッド』:映画ファン感謝デー料金1300円。
『座頭市』:ラスト一本割引で850円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
おしえて!ドクター・ルース@ぴあ映画生活
アンダー・ユア・ベッド@ぴあ映画生活
座頭市〈1989年〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
アンダー・ユア・ベッド@徒然なるまま

『引っ越し大名!』ユナイテッドシネマ豊洲1

◆『引っ越し大名!』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲「越」と「大」の足が可愛い。

五つ星評価で【★★★思った以上にコメディではないが、これはこれで】
予告編を見て、もちっとがっつりコメディーかと思ったが、登場人物がみな気持ちのいい奴等なので気持ち良く見れた。まあ、監督が福田雄一ではなく、犬童一心だから、言われてみれば『のぼうの城』的な人情ドラマだった。と言うか、今回は時代劇だけどキャラが整理されていて、サラリーマンドラマのようだった。
星野源は文化系オタク窓際社員。オロオロが似合いすぎる。今、日本で一番「オロオロ」で稼げる男。
高橋一生は体育会系営業マン。愉快そうに演じる豪快キャラがおもろい。
高畑充希は×1の凄腕派遣OL。この人、天から二物も三物も与えられてるのに「それが当たり前で何が悪いの?」みたいな堂々としたオトボケキャラがよく似合う。基本、罪がない顔なので、エグいこと言っても周りに受け入れられる。なんちゅう適役。
濱田岳は情に弱い経理マン。無駄に熱意ばかり伝わってくるヘナチョコなラガーマンみたい。
後は命令ばっかりして、責任ばかり押し付ける重役の松重豊、西村まさ彦、正名僕蔵。
取引先とトラブルを起こすが平気な顔の下請け工場の若社長、及川光博。

そして、ピエール瀧がいい演技するんだよなあ。あの演技が薬のせいとは思わない。
綺麗に溶け込んでどこにいたか全く分からなかったずんの飯尾。
タチの悪いガヤをやらせたら天下一品、中村靖日。
久々に見掛けたら妙に小さい役の斉藤暁。
映画の中で大きい役なのに妙に語る事のない小澤征悦。
美人お婆ちゃん富田靖子。

準備に取り掛かる事が主体で600キロの10000人移動がたった一日のピクニックみたいになってしまったのはバランス悪いと思う。引っ越し準備も引越し自体ももうちょっとエピソードの深掘りできそうである。かと言って、今以上の長さになるとダレるだろうし、いいのか、これで? 

コメディ・パートで一番おもろかったのは高畑充希の床スー。
次におもろかったのが同じく高畑充希の「調子に乗っちゃって」の流れ。
ええ女優さんお使いになった。

PS この映画を「和製オペレッタじゃん」と評する人がいるが、
 何だか残念なんだけど、歌われる歌が楽しくない。
 労働歌を無理に歌わされてるみたい。んー、、、、、
 坂上二郎とか連れて来いよ。


【銭】
ユナイテッドシネマ豊洲前回来場時に貰った1200円で映画が見れる割引券を使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
引っ越し大名!@ぴあ映画生活

『怪談新耳袋Gメン 孤島編』キネカ大森2

企画「夏のホラー秘宝まつり2019」から1プログラム。

◆『怪談新耳袋Gメン 孤島編』キネカ大森2

▲はちと社長

五つ星評価で【★★通常営業】
変異や怪異は起こる。
ゼロではない。
が、JKの物言いではないが「インスタ映えしない」のである。
いつも通り、粛々と気づかれないくらいのが起こる。
「だが、それでも前を向いて進もう」と言う流れは
そうせざるを得ないにしても脱力はする。

でかい変異や怪異はそう簡単に起こったりはしないだろう。
なら、どうやって見せるか、だろう。
そこがドキュメンタリーにおける演出手腕ではないか。
各メンバー発言に向けたテロップなどは的を得ていて面白い。

大人の悪ふざけとして、1年に一回だし、このシリーズその物はかなり、どんなでも許容できてしまう(あっ、そもそもそれがいかんのか)。ただ一点、メンバー紹介で「はち(日本人形)」に触れないのはあかん。


【銭】
テアトル会員割引で1300円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
怪談新耳袋Gメン 孤島編@ぴあ映画生活

『座頭市血煙り街道』『新座頭市 破れ!唐人剣』新文芸坐

新文芸坐の企画「座頭市 令和に蘇る盲目の侠客」から二本立て1プログラム。

◆『座頭市血煙り街道』
五つ星評価で【★★★ボイン発言にパンチ食らう】
1967年のカラー映画。87分。初見。
サブタイトル強烈。
朝丘雪路をなべおさみがボインと言う。中尾ミエは一曲まるまる歌うが歌詞に「パンクズのように」と言うフレーズ、いいな、自由で。
近衛十四郎シャンとしてる。
シャンとしてる近衛十四郎を初めて見るので戸惑いがある。
曲は伊福部昭、あちこち大魔神ぽい。
芸人一座と別れてからがメインの話だが、その辺りで頭が疲れてきた。


◆『新座頭市 破れ!唐人剣』
五つ星評価で【★★★こっちも後半ダラダラ】
1971年のカラー映画。94分。初見。
蛍光グリーンのオープニングテロップが目に毒毒しい。
何かヘドラっぽいなと思うが、毒々しいのはテロップまで。
音楽が冨田勲でシンセ使って妙に下品なメロディを作ってて逆に新鮮。
頭から尻までボタンをかけ違えたように誤解に基づく戦いだらけ。
戦う必要ないのにダラダラ戦ってる感じ。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
座頭市血煙り街道@ぴあ映画生活
新座頭市・破れ!唐人剣@ぴあ映画生活
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