ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『マンハント(ネタバレ)』『嘘を愛する女』『コンフィデンシャル 共助』『コードギアスⅡ 叛道』『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』

最近見た5本まとめてレビュー。

『マンハント』109シネマズ木場5(ネタバレ)

▲新郎新婦これが初めての共同作業です。

五つ星評価で【★★何やってんねんジョン・ウーと福山雅治】
無実の罪をかけられたチャン・ハンユー演じる日雇い労働者にしか見えない国際派弁護士と、凄腕独断専行刑事・福山雅治が最初ケンカしてるのに徐々にお互いを意識しつつ仲良くなるってラブコメ展開で、最終的には「おまんはんと、おまんはんと、地獄まで一緒の道行どすえ」なので「マンハント」ってダジャレかよ(いや多分違う)。で、ラブコメ展開の間に殺し屋の襲撃がありーの、ホームレスの倉田保昭最強がありーの、池内博之坊ちゃんも頑張っているありーの、えーと、えーと、えーと、ドラッグの話いらなくない。これ、ドラッグの話を抜くと大変スッキリする。元々、冤罪を仕掛けられた弁護士が刑事に追われながらも冤罪を晴らすというのが骨子で、新薬の開発、実験による恩人死亡、自己も実験媒体に、と言うのが凄くでかい枝葉なのだ。

チャン・ハンユーはどうだろう。弁護士だと言うのに頭がいいように見えなかった。いや、頭の良さを証明するためにいきなり円周率百桁とかそらんじられても困るが、捜査を牽引する事で福山雅治だってそこそこ頭がいいように見えるのだから、その辺りでちゃんと頭がいいように見せてあげないといかんのではないか。
ツイッターのフォロワーさんが殺人事件の冤罪を晴らす為にバンバン人を殺していく謎展開と言っていたが、全くその通りである(笑)。

福山雅治は普通。福山雅治以上の凡人頭が警察署内に山のようにいるので、そこそこ頭が良く見えるのはプラスポイント。この人、凄く熱演しても顔のイケメン具合以上に、演技によるかっこよさが浮かび上がって来ない不遇な人だ。今回もそのジンクスは挫けず。

福山さんのライバル刑事トクナガクニハルさんは初めて見たけど、病的な権威が絵になってて中々よかった。
ホームレス役の倉田保昭さんは最初から最後まで全出番がかっこ良かった。
ウーさんそんなに無理して鳩出さんでも。
監督の娘の太っちょ女殺し屋アンジェルス・ウーは良い。この人の悪口はあまり聞かない。


『嘘を愛する女』トーホーシネマズ新宿8

▲女宇宙飛行士(左)が5年越しに地上に帰ってくると恋人の男は松田龍平みたいに姿が変わり、自分は宇宙人と言いだし、愛を思い浮かべてくださいと言う。これは5年前のスナップ。女宇宙飛行士はやるせなく、男にドラゴンボールを朗読してあげるのであった。などと書いてると長澤まさみもいろいろ頑張ってるな。そう言えばゾンビを殺してた事もあったな。高橋一生はシン・ゴジラを殺してるからいい組み合わせか。それ以前に小美人だった事もあるしな。

五つ星評価で【★★★川栄さんがいいセフレっぽくて何だかもやもや】
物語の展開に翻弄される、主人公の長澤まさみがメンヘラっぽくて共感度がちょっと低目である事を除けばよく出来た脚本だと思う。まあ、長澤まさみは耳が弱いとか、SEX好きそうとか、
エロいイメージぶち込んできたので許してしまうのだけど。

予告でも見せる川栄李奈の蹴りが良い。
ただ、長澤まさみと比較するにはどうにもフワフワしたキャラで
相並び立ちはしなかった。もうちょっとちゃんとしたリアリティーを
与えてあげればいいのに。

DAIGOのオーラも何もない変わり者っぷりには好感を持った。

謎の男・高橋一生が信じるに足るかどうかと言う命題は枝葉を落として1エピソードに絞りあげた『怒り』と言ってもいいかもしれない。ちなみに高橋一生とDAIGO、もしくは吉田鋼太郎の濃厚なホモシーンや、川栄李奈が米兵に蹂躙されるシーンとかはないので、言葉通りではなく、比喩であるという事をお含みおきください(そらそうやろ)。
あっ、あと同棲開始のシーンで『植物図鑑』思いだしたりもした。

PS ここなつ映画レビューさんに描いたコメントが
 バカ全開でなかなかいい感じです。


『コンフィデンシャル 共助』トーホーシネマズ新宿4

▲北(左)と南(右)。

五つ星評価で【★★★★こんなにおもしれーなのに、映画に埋もれるなあ。残念】
北朝鮮から韓国に逃亡した犯人を追って朝鮮から韓国に刑事がやってきて「共助捜査」を行う事になる。捜査とは名ばかりの政治的な駆け引きばかりに終始するかと思われたが、北、南、上層部、現場の思惑や判断で捜査の形が変わっていき、最後にはギリギリの信頼関係で南北の刑事が悪に対峙する。そら、ハッピーエンドに終わるベーシックな作りではあるのだけど、きちんと面白い娯楽映画の傑作に仕上がってる。
北の刑事(ヒョンビン)がイケメンで超人、南の刑事(ユ・ヘジン)がブサメンで手際も悪いが心はちゃんと刑事というのが対比が効いている。勿論、南の刑事は北の刑事の引立て役として機能するのだが、それだけでは終わらない。ちゃんとそれぞれ両方に負い目もあるし、見せ場もある。とてもフェアな作り。
ユ・ヘジンが相変わらず変な顔でいいんだわ。
あの顔がスクリーンに出てくるとリアリティーがある。そして、二人とも凄い量のアクションをこなしている。
北の刑事が短い滞在期間、ステイする形になるユ・ヘジン家の家族も楽しい。
しっかり者すぎるが夫を愛してる妻、ちゃんと親思いの娘、イケメンに一目惚れしてしまって右往左往ドタバタ掻きまわす妻の妹。この妻の妹がメチャ可愛いと思ったら「少女時代」の中の一人なのか。コメディ・パートがきちんといいバランスで入り込んでくる。

▲南の嫁の妹。

いやまあ、ちゃんと面白いのにこの映画は埋もれるな。
全然、宣伝見かけなかったし、『コンフィデンシャル 共助』って題名では映画の内容が全然、伝わってこない物。甚だ残念なり。


『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲SWでいうところのカイロ・レン的なスタンスにいる男スザク。

五つ星評価で【★★★★相変わらず面白いけど今回はちょっと舌っ足らず】
TVシリーズ編集の一作目は面白かった。
同じくTVシリーズ編集の二作目はどうかと言うと、面白いけど、一作目ほど、編集がスムーズでないのが、原本シリーズを見てなくても分かる。死ぬほど張ってある伏線が全部繋がってはいないし、おそらく「PART Ⅲ」につなげる謎だってあるに違いない。でも、一本の独立した映画の中で明かされない謎があるのは「次回どうなるどうなる」みたいな煽りの謎以外は凄く悪い方向性で気になる。

そんな中、ユーフェミアがあんな事に。
そしてゼロとスザクの仲があんな事に。
もう、絶望しかない方向性でひどい話になっていくのをブルブル震えながら見てました。勿論、続きも見に行きます。
しかし、これだけ色々キャラがいるのに、こいついい奴だなみたいに心が許せるキャラが全然いない。バカか裏切り者しかいないアニメ。その中で唯一マトモだったユーフェミアがあんなだし、正しさの象徴である筈のナナリーもゼロから隔離されてしまった。あー、気になる。続きは5月、三か月後か。何やら連載マンガの単行本待ちみたいな周期だな。

それにしてもすんげドラマが盛り上がる。しかし分からんままの謎も多いな。


『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』トーホーシネマズ新宿3

▲このポスターのおっぱい表現が実に上手いなあ。

五つ星評価で【★★好き者が作って好き者が楽しむ映画】
おそらく、メカ戦とアイドルが好きな好き者しか相手にしないみたいな理想を掲げて作られたアニメ。
人間の動体視力の限界を越えた板野サーカスとアイドルソングが最強設定の世界。歌は心みたいな綺麗事言いながら、どうにもこうにも歌は武器として取り扱われる。自陣から見てるから綺麗事が否定されないだけ。アイドルグループ「ワルキューレ」の歌う歌は自由意志を奪ったり、取り返したり、その性質は何だか『コードギアス』の洗脳機能ギアスの薄い奴っぽい。じゃあ、全然ヤバイ奴じゃん。
『新世紀エヴァンゲリオン』よろしく、とってもお手軽に人類の群体生物化が立ちあがって、あっという間にその目はなくなってしまう。気が狂っているエヴァの世界ならともかく、皆が皆、個体としての人間を捨てて「人類」という一匹の動物になりたがってるとは思えない。こういうのって誰か一人が決めちゃって「人類国民投票」みたいなのも絶対やってくれないし。

PS ワルキューレってWサイン出してたけどVサインじゃね?


【銭】
『マンハント』:毎月10日109シネマズデー、全員1100円
『嘘を愛する女』:毎月14日トーホーシネマズデー、全員1100円
『コンフィデンシャル 共助』:毎月14日トーホーシネマズデー、全員1100円
『コードギアス 反逆のルルーシュⅡ 叛道』:ユナイテッドシネマズ、金曜メンバー1000円。
『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』:毎月14日トーホーシネマズデー、全員1100円
▼作品詳細などはこちらでいいかな
マンハント@ぴあ映画生活
嘘を愛する女@ぴあ映画生活
コンフィデンシャル/共助@ぴあ映画生活
コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道@ぴあ映画生活
劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
マンハント@ここなつ映画レビュー
マンハント@だらだら無気力ブログ
マンハント@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
嘘を愛する女@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
嘘を愛する女@ここなつ映画レビュー
嘘を愛する女@映画的・絵画的・音楽的
コンフィデンシャル/共助@ここなつ映画レビュー
コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道@死屍累々映画日記・第二章
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『えろぼん! オヤジとムスコの性春日記』トリウッド

えろぼん
▲月本愛(右)と長与純大(左)。

五つ星評価で【★★★月本愛かーいー。標準的なピンク映画の内容を持つR15作品】
面白いし、エロいし、女の子可愛いんだけど「売り物」として考えると単品の上映企画としては難しい。作品そのものは安定感抜群だが驚くような展開がなく、どこかで一回見たようなドラマである。1600円の金を払う映画にはもうちょっと何か「エッジ」っぽい色が欲しい。私がこの映画を見る事に決めたのは池島ゆたか監督作品だからだが、監督名が伏せられていたら見なかっただろう。
『えろぼん!』というタイトルも映画内容ともそれほど強くリンクしてないからか、今一ピンと来ない。
チラシは姉ちゃんの裸がいっぱい載ってるが、それしかないみたいに見える。話がある予感を感じづらい。

いや、でも、面白い。つまらなくはない。月本愛に興味がわく。何だあの場違いな乳は。そしてこぼれるようなフニャフニャした顔立ちが可愛い。変な表現だか見てくれれば分かると思う。ちゃんと撮れてます。

月本愛といたしてしまう童貞男役、長与純大も朴訥とキモさが同居してていい感じだ。別にホモじゃないからあまり男優を褒めたくはないのだけど、ドランクドラゴンの鈴木のような役立たず感が強く出ててなかなか良かった。

エロいヒヒ親父役に、なかみつせいじ。年を取ったなあ。昔のピンク映画とかでは若者だったのに、今では本当に老人だ。

しかし、これがR15なのかあ。あんなにSEX満載なのに。
濡れ場があっても、部位と部位の接触や、体位などが明確にならないアングルなら成人映画にはならないらしい。変なの。充分エロいよ。


【銭】
一般入場料金1600円を珍しく割引なし。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
えろぼん!オヤジとムスコの性春日記@ぴあ映画生活

『星空』『あの頃、君を追いかけた』キネカ大森2

キネカ大森の名画座企画「バレンタインデーは心温まる、台湾からの贈り物」

◆『星空』キネカ大森2

▲ガーリーって奴か。

五つ星評価で【★★★女の子、いい意味で華がなくてかーいー】
画面が綺麗だけど大人しい映画。
主演の女の子が見るからに大人しくて、それでいて金持ちそうでない。小さな子供の頃でない、中学生の今の芦田愛菜ちゃんに似てる。この華のなさが逆にとても好感を持ってしまった。子犬を見たら飼いたくなるような、原始的な何かがこういう染まってない子供にはある。
ラストのピースについてはよう分からん。普通にあの絵の一枚だけで良かったんじゃない?


◆『あの頃、君を追いかけた』キネカ大森2

▲ポニテにすると男子が欲情するから禁止と言う校則があるけど、それまんま正しいという展開が映画に入ってる(ポニテがミシェル・チェン)。

五つ星評価で【★★★★女も男もかーいーのよ】
未見と思ったら二回目だった。
まー、ミシェル・チェンが天使ったらないわ


【銭】
2017年10月始まりで新しく購入したキネカード(名画座回数券)。半年間で3回入場券付で3000円。うち1回分を使用(3回目)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
星空〈2011年〉@ぴあ映画生活
あの頃、君を追いかけた〈2011年〉@ぴあ映画生活
▼関連記事。
あの頃、君を追いかけた〈2011年〉(1回目)@死屍累々映画日記・第二章

PS どっちの女の子もめんこくって癒されたわ

『不能犯』『花筐』『巫女っちゃけん。』『ROKUROKU』『ザ・リング リバース』

最近見た5本まとめてレビュー。

『不能犯』ユナイテッドシネマ豊洲2

▲キャッチ・セールス笑顔。

五つ星評価で【★★★松坂桃李君と沢尻エリカ様】
原作ものだけど原作マンガ未読。
白石晃士監督は好きな監督だから点が甘いけど、超大傑作と何か忘れ物しちゃったみたいな映画の両極端を撮る人で、今回は後者かな。どうもタイトルロールの「不能犯」その人が謎の人すぎて、テクニックは感じられても、意思を感じづらい。意思を読み解こうとする敏腕刑事の沢尻エリカもその割を食って右往左往するあまり賢くない人に見えてしまった。又、あまりにも連鎖反応的に近しい人間の怨恨線を絡めてしまったため、「長屋全員仕事人」みたいな不自然な密度が出来てしまった。
だけどまあ、そういう話の上での弱さは別として役者が面白いのである。
特に立ち姿から笑顔まで作り込んできた松坂桃李の「これしかない」というキャラの立て方が上手い。そこにいるだけで映像の染みになる。何と言う存在感の強さ。あのイヤな笑顔を見る度に「この人はパディントンだけど、パディントンとは違う人」と頭が混乱してしまうのも面白い。それくらいツボに嵌ったキャラ立てだった。
対するエリカ様も目力が強くて、自分を「美女」と称して違和感ない豪腕刑事でこっちもいい。ただ、豪腕すぎて全くサービスカットとかないのは、、、、、、、、、、いやいやいやいや、まあ、エリカ様だし。ムリクリこの映画にサービスカットを入れたらそれは、この映画の中で多田友子刑事が負けてしまう時なのだろう。それはそれでちょっと見たかった。今回も限りなく負けに近い状態でギリギリ、リングに立ってた相打ちだろうとも思うが、これは松坂桃李と沢尻エリカの殴りあいに他の闖入者が入ってきたからというパワーバランスは上手だと思う。

▲とっとこ尻太郎

矢田亜希子、映画で久しぶり。矢田亜希子と沢尻エリカがすんげしっかりした顔でグイグイ指図するような職場ってMだったらたまらんだろ。まあ、野郎の刑事もみんな凶暴そうだったから女だけ見てMが求職したりもしなそうだけど。
新田真剣佑と間宮祥太朗は見る映画見る映画イメージ違って凄いわ。でも、逆にタイトルロールであいつかとか気づく始末。安田顕さんなんかこの映画では地味でつまんない役だけど(笑)顔で分かる。そういう意味では整った顔で大きく特徴がないのかもしれない。どっちか宍戸錠みたいに頬を膨らますか?
忍成修吾いい感じで老けてきたのか、若いか若くないのか今一分からん役。なかなか悲しい役だった。この辺と綺麗どころの真野恵里菜がとことん悲劇に落ちるのが清々しい感じで気持ちいい。勿論、真野恵里菜の風俗があるなら客になりたい。でも、どちらかと言うと美人だけどサービスよくなさそうな感じなのでリピート率は低そうとか考えてしまう。リピート率高そうな風俗嬢だったらこんな悲劇起こさなそうと考えてしまうのは風俗利用者の偏見か?
堀田茜、見た目通り綺麗なだけの役。
今野浩喜、綺麗とか関係なく見た目通りの役。相方が事件起こしたんだっけか、プログラムのキャスト紹介欄から「キング・オブ・コメディ」の言葉が一切消されて、お笑い出身とか全く分からないような略歴になってるが、役者としての出演本数が多くて全然問題になっていない。この人はいろいろ役者として需要がありそうだから大丈夫でしょう。お笑い捨てていいのかどうかはネタ見た記憶ないから分からない。

刑事部屋で1カットだけだろうか、大迫茂生が出てて、エンドロールで「工藤刑事」という役名だと知って『コワすぎ』ファンとしては勿論嬉しかった。どう考えてもメチャメチャな捜査しているんだろう。頑張れ工藤刑事!

PS パディントン「愚かだね、人間は。だから、熊が最高です。」


『花筐』ユーロスペース1

▲明日死ぬ人の撮る絵じゃないよな。

五つ星評価で【★★★俺には分からないけど多分凄い映画】
いや、こんなん分かるかよ!という感じだが濃密でエロくて童貞っぽい。
もう、これから年老いて癌で死ぬかもしれないって人の作品が「童貞っぽい」って凄い事でしょ。
窪塚俊介の貼り付いたような笑顔が嫌いなんだけど、この役は単にニコニコ笑っているだけの未熟な役に徹するというのが大林監督のプランなんじゃないだろうか。他の男の同級生三人は肉体として出来上がっている満島真之介、精神として出来上がっている長塚圭史、彼等三人とは一定の距離感を保ち、外様として機能する柄本時生。一応それぞれ好対照なのだが、好対照にする意味があったかどうかすら私には分からなかった。
女性陣は女主人常盤貴子と女学生3人。難病で血を吐く矢作穂香、山崎紘奈、門脇麦。いや何かいたなあ。それぞれのエピソードも思いだせないのは何でだろう。女優としてはみんなそれぞれ好きなんだけど、特にどうとか思いだせない。
でもまあ169分はいらんかったと思うよ。


『巫女っちゃけん。』渋谷Toei②

▲広瀬アリス熟れ熟れだなあ。次は団地妻とかオファーされても驚かない(広瀬アリス本人は驚くだろうけど)。

五つ星評価で【★★★広瀬アリスの巫女の粗暴さを許せるかどうか】
広瀬アリスが粗暴な巫女を演じる。
基本、広瀬アリスは好きだし、グ・スーヨン監督は手堅く映画を制御してると思うが、私は何となく、主人公に据えられたこーゆー努力を惜しみながら不平不満ばかり言うタイプの手合が嫌いなのだ。それは自分の中にそういう要素がしっかりどっしりあって、漏れるように顕在化してるからかもしれない。いや、ちゃんと努力を惜しまずやるけどね、いろいろ、出来る限り。
リリー・フランキーと飯島直子の娘が広瀬アリスというのは、あまり遺伝子的に無理をしてなくて、それなりにありそうな組み合わせだ。そーゆーの別に深く考えてキャスティングしないだろうけど。
小池栄子がどんな映画でも絶賛される中、どんな映画でも普通扱いされるMEGUMI、申し訳ないけど今回も普通だ(今回は捨て子の親)。何か最終的に趣味の悪い派手な服を着る田中麗奈みたいな仕上がりになったな、この人。推してないという事かもしれないけど「演技はともかく乳でかい」みたいなグラビア感が全くない。何かこーゆー嫌われ者みたいな役ばっかりやってる気がする。でもまあ、そうは言っても「この人売れ」と言ったら難しいか。
これはこれで拾うべきパートがいろいろあるので、見て損ではないと思う。


『ROKUROKU』K’S Cinema

▲ダイダラ。これは会いたくない。

五つ星評価で【★趣味の押し売り】
マンガ家になろうとしてたり、怪獣が大好きだったりしてた子供たちは「自分がデザインしてた怪獣や妖怪を世間が取りあげてくれたらいいのに」という妄想に一度は取りつかれる。そういうの大人になって、映画作れるような立場になっても持ち続けるというのは執念的にも素晴らしいと思うのだけど、ただそれだけしかない物を作られると、つまらない事この上もない。
ビジュアル面白いのは「カラ傘」「ダイダラ」「海坊主」、悪いのは「かまいたち」「ロクロク」。後は普通。


『ザ・リング リバース』トーホーシネマズ新宿12

▲引越し業者にこのまま梱包してもらえ(何、言ってんだ俺)。

五つ星評価で【★★雑い】
冒頭、でかい事故から始めるのはおもろい。
けれど、ビデオテープが当たり前のメディアじゃなくなった今、貞子(サマラ)の呪いを解除すべく始まりの地へ戻ろうとするが、結局、何故、ビデオテープだったのか、呪いの本質がどこにあるのか、など盛り込まれる内容がほったらかしにされるので、それはそんな事もクリアしないで「呪い解除」とは片腹痛いわいとなるだろう。


【銭】
『不能犯』:ユナイテッドシネマズ、金曜メンバー1000円。
『花筐』:ユーロスペース会員価格1200円+年会費更新1000円。
『巫女っちゃけん。』:チケット屋で額面1400円の前売券を額面価格で買い取り。
『ROKUROKU』:映画ファン感謝デー料金、K'S Cinemaは1000円。
『ザ・リング リバース』:映画ファン感謝デー料金、トーホーシネマズは1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
不能犯@ぴあ映画生活
花筐/HANAGATAMI@ぴあ映画生活
巫女っちゃけん。@ぴあ映画生活
ROKUROKU@ぴあ映画生活
ザ・リング/リバース@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
不能犯@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
不能犯@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
花筐/HANAGATAMI@ノラネコの呑んで観るシネマ
花筐/HANAGATAMI@お楽しみはココからだ
ザ・リング/リバース@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『大魔神』『怪談雪女郎』新文芸坐

新文芸坐の企画「大映女優祭 百花繚乱」から1プログラム。

『大魔神』
五つ星評価で【★★★特撮かっけーのだけど、後半大詰めの特撮カットは今見るとテンポ冗長】
1966年のカラー映画。シリーズ第一作。TVで何回か見てて、大人になってから映画館で観るのは2回目とかじゃないかと思う。
始まってすぐ流れる伊福部昭のおどろおどろしいテーマソングに緑の「大魔神」のフォントがかっこ良すぎる。
大魔神の顔、随分、毒々しい緑だなあ。後の作品で多少、補正されたのか、こんなに緑だったイメージはない。超人ハルクのバナー博士は怒ると緑色の大男になるが、それでも怒って緑色になる大魔神ほどキレてはいない。
一番楽しかったのが「魔神様を鎮める祭り」でのドンチャカ音楽が土俗的でキングコングの島の土人の音楽に和風テイスト入れてみたような感じだったこと。アフリカと埴輪を折半したようなデザインのお面による踊りもステキ。人類みな兄弟。
あと、特撮的には魔神様が土塊に戻るシーンの特撮は殊に素晴らしかった。
最大の見せ場は大魔神と侍の合戦になるのだが、ここのテンポがゆったりで見せ場の癖にちょっと退屈してしまった。


『怪談雪女郎』
五つ星評価で【★★★ファーストカットでダメ出し】
1968年のカラー映画。初見。大して内容のない雪女の伝説を79分に膨らませたんだから大したもんだ。
雪女は藤村志保。雪女やる為に生まれてきたような女優。個人的にはビジュアルがちょっと苦手。
冒頭ガッカリしてしまったのが、藤村志保の顔は白いが、首が肌色だった事。そこは塗ろうよ。『将軍家光の乱心』の病身なのに顔以外血色がいい京本政樹みたいだった。そして藤村志保、単に白い和服着せればいいのに、ラメが光るようにスパンコールみたいなシールが和服に貼ってある。これがチープでみすぼらしい。雪女の表情とか凄くいいのに。服はともかく、首についてはライティングを工夫して二色に見えないようにしているみたいなので、最初、気にならない人はスルーしてしまえばいいです。そして冒頭からの撮影と照明が凄く分かってる感じ。まだ、雪女が正体不明の時ははっきり映さず、災厄が決定化したら異形の物をハッキリキッチリ映す。割とちゃんとホラー演出が出来ている。
話が雪女寄りで感情移入してしまう。特に原泉のちょっと普通じゃない巫女との対決は固唾を飲んで見守ってしまった。大した展開にならなかったのが残念。本気でバトルすると雪女負けちゃうからな。

PS 冒頭、雪女が白黒、仏師が肌色で対比がきつく、
 ちょっと『今夜、ロマンス劇場で』ほいと思った。



【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
大魔神@ぴあ映画生活
怪談 雪女郎@ぴあ映画生活
▼関連記事。
大魔神 怒る(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
大魔神 怒る(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
大魔神 逆襲@死屍累々映画日記・第二章

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』『ブランカとギター弾き』ギンレイホール

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

▲ちょっと目がいっちゃってない? 猫は猫でそこにはいるけど飼い主に案外無関心に見える。

五つ星評価で【★★甘い】
ズタボロになったギター弾きが猫を拾った事により再起していく。
何か「あめーな」と思って見てた。映画内ではいい事も悪い事も起こるが、回復不能なほど絶望的な事態には陥らない。逆にその絶望的な事態とはドラッグにはまった映画以前の話だったと言えるかもしれない。なので、語り口はそんなに辛辣ではない。常に慢性的なツラさは漂っているものの、地獄のような体験はやって来ない(唯一「薬抜き」と「ボブの失踪」がそれに近いが、これは描く必然性がある部分だし、そこで悲観的に終わるとはとても思えないので、見ていて希望がある)。
で、これが何故そうそう「甘く見えてしまうか」と言えば、この物語が全て主人公の主観に基づいて書かれているからだろう。何となく「悪い事は他人が持ってくる」ケースが多い。自分につらく当たる他人はみな悪人で、神が与えてくれた相棒猫のボブに対してひがんでいる、悪意を持っている。彼が悪事に手を染めたのはドラッグ中毒になった事、これは彼自身が全面的に悪いと納得しているが、それ以外については全て他人が悪いのである。なんか、そんな風に見えてしまう。勿論、人は多面的な生き物なので、彼と諍いを起こした人間もどうしようもないクズであるとは限らない。そういう観点が薄い。大道芸でのトラブルも、ビッグ・イシューのトラブルも、自分が良ければいいが見えすぎる。神がボブを与えたのなら、貧しい者達でもう少しボブの恩恵をシェアしあうとか考えられなかったのだろうか?

本物のボブが映画でずっと演技してるというのは凄いな。
彼はそこにいるだけで、何をするでもないのだけど。
逆にそれだけなのに、お金が稼げてしまうというのは
神が遣わしたと言うよりは悪魔が遣わした下僕ではないかと
思ってしまったりもしたりなんかして。


『ブランカとギター弾き』

▲ブランカ(右)とギター弾き(左)。

五つ星評価で【★★★同じギター芸人の話なのに辛辣度がハイレベル】
「ボブ」に比べると空席が目立つ。と言うより「ボブ」が人気なのだろう。
だから『ブランカという猫とギター弾き』にしたらもっと顕著なヒットをしたかも。

それにしてもこっちの世界は辛辣である。

孤児の主人公は生きていくために違法な事でも躊躇なくやる。
生きる事が大事なのだ。道徳観では生きていけない。
同じような孤児達の中でも暗黙のルールを守らない
彼女は嫌われ者だ。
だが、彼女を責める事は出来ない。そういう世界なのだ。

そんな彼女に初めて優しく接したピーターは盲目のギター弾きだ。彼は子供から巻き上げられたりする。自衛手段のない最下層の中の最下層だ。でも、正しい。

あと、オカマの客を取ってる三人組が優しい。涙の数だけ優しくなれると言うのはおそらくそこそこ本当であろう。

そして、ブランカを売買しようとして、優しく声をかけてくる人買いがいる。
ちょっとゾッとする。中年の彼女が一番環境に適応してる事が分かるからだ。
物腰が柔らかく、普通である事の怖さ。

劣悪な環境の中、世界の最小構成要素であるようなキャラが揃っている事にちょっと感心した。


【銭】
ギンレイホール会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ボブという名の猫 幸せのハイタッチ@ぴあ映画生活
ブランカとギター弾き@ぴあ映画生活

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』『操作された都市』『新妹魔王の契約者』『殺人者の記憶法』『ダークタワー』

2018年1月27日から30日に見た5本まとめてレビュー。

『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』ユナイテッドシネマ豊洲6

▲ラス10分。

五つ星評価で【★★ツギハギだらけな感じ】
孫悟空がやっと復活するラス10分くらいはかなり好き。
でも、逆に言えばそこまでは耐えて耐えて耐え抜く話だからしんどい。しかも、あんまり理屈が通っていない。
悟空になつく子供はなつく必然性がなく、猪八戒なんか出番もなくウロウロしてるだけだ。
妖怪のデザインは一部鳥山明っぽかったり、背景になる山里がチャウ・シンチー『西遊記 はじまりのはじまり』の山里みたいだったり。
山場をちゃんと見せる為にあちこちツギハギで映画1本拵えたみたいだ。

「ヒーローは後背位」とか考えてはダメ。


『操作された都市』シネマート新宿2

▲かっけー隊長。

五つ星評価で【★★★★単純におもろい/ラスまでグイグイ引っ張る】
グイグイ引きこまれる面白さ。
主人公が捕まり、無実の罪で服役するが脱獄、
徐々に分かってくる陰謀の大きさと悪辣さ。
そして、彼を助ける頼もしきゲーマー仲間ども。
新たに敵の手駒として投入される因縁の深い服役囚。

凄いデカいホラ話をリアリティーを損なわないように
緻密に練り込んで作っている。

訳ありの国選弁護士が木下ほうかに似てる。

俺だってヒゲヅラ親分に助けられたいやい。

シム・ウンギョンって『サニー』のあの地味な顔のシム・ウンギョン? えー?

「この都市が操作されてるって?」
「そうさ!」
しーん


『新妹魔王の契約者』角川シネマ新宿1
五つ星評価で【★★単にエロアニメ】
絆を深め合うという言い訳でSEXばかりしちょる様に見えるのだが? 一見さんなので単にSEX描写に見える濡れ場にもしかしたら深い理由があるのかもしれないが、まあ、単にR15のエロアニメである。冒頭から5Pでローションみたいな展開なので成人指定でもいいような気がする。乳首の描写に物凄く心血注いでるように見える。まあ、局部を明確に描く訳にもいかないから、どこを描くかと言えばそこに集中してしまうのだろう。名前は分からないが見た目の黒い肌と控えめな物腰にギャップがある黒い肌の女の子が好き。

PS 先着プレゼントで色紙を貰ったのだが、
 その色紙の絵柄が二人の少女のパンチラで、
 そのパンチラしてるパンツの生地が色紙に挟まれている
 という気が狂うような色紙だった。偉いぞバカ

 

『殺人者の記憶法』シネマート新宿1

▲すげえ役者ソル・ギョング。

五つ星評価で【★★★★★すげえの見ちゃった感が強い】
「アルツハイマーの連続殺人鬼×新たな殺人鬼」って設定が凄い。
そして超面白い。主人公の殺人鬼に感情移入してしまう。
やれ、やっちまえ、そんな奴。

私が観たのは『ペパーミント・キャンディ』以来なのだと思うが、主役のソル・ギョングは凄い役者だ。普通じゃない。
あと、オ・ダルスが出てくると、どんな映画でもそうだが、強制的に映画が和んでしまうのも、そこそこ凄いと思う。凄く見えないのも実は凄い。いや、凄く思えないところが又、凄い(いやいやいや本当か、凄いのか?)まあ、オ・ダルスは凄くても凄くなくてもどっちでもいいや。そういう尺で測る役者でもあるまい。

ラストの唐突な問いかけは私には分かりませんでした。
あれ、分からんでも困らん気がするし。


『ダークタワー』109シネマズ木場1

▲この子供の演技もなかなか適格だった。

五つ星評価で【★★★★中二病全開なのが逆に気に入った】
「僕が世界滅亡の鍵」という超中二病伝説の塊みたいな映画。
いきなり母ちゃんがバリバリセックス現役みたいなビジュアルなのは笑った。
冒険途中のお姉ちゃんアラちゃんがすんげー好みのタイプなので星一つ上げてある。
エクスカリバーを溶かして作った銃って、これまた中二な設定がグー。
目的も不明でただ世界を滅ぼそうとしている男にマシュー・マコノヒー。マシュー・マコノヒーが演じるのなら理由なんかいらねー。演じるだけでOKだ。

話もキャラも同じスティーブン・キングの『イット』より痛いのもいいなあ。


【銭】
『西遊記 ヒーロー・イズ・バック』:ユナイテッドシネマズ、メンバーズポイント2ポイント使って1000円で鑑賞。
『操作された都市』:テアトル会員割引で1300円。
『新妹魔王の契約者』:1500円均一料金(テアトル会員割引無効)。
『殺人者の記憶法』:新聞系無料招待券GET。
『ダークタワー』:109シネマズ、メンバーズ割引(火曜):1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
西遊記 ヒーロー・イズ・バック@ぴあ映画生活
操作された都市@ぴあ映画生活
新妹魔王の契約者(テスタメント) DEPARTURES@ぴあ映画生活
殺人者の記憶法@ぴあ映画生活
ダークタワー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
西遊記 ヒーロー・イズ・バック@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
殺人者の記憶法@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『女経』『女妖』新文芸坐

新文芸坐の企画「大映女優祭 百花繚乱」から1プログラム。

『女経(じょきょう)』
五つ星評価で【★★★】
1960年のカラー映画。初見。オムニバス。
①「耳を噛みたがる女」監督:増村保造、主演:若尾文子
②「物を高く売りつける女」監督:市川崑、主演:山本富士子
③「恋を忘れていた女」監督:吉村公三郎、主演:京マチ子
という構成。

①は銭ゲバ娘の銭ゲバっぷりと純情の小さなコメディー
②は美女の変な商売を描く市川崑ドラマ(ジャンルが市川崑)
③はしっとりした人間ドラマ。

どれも「女」が主体的に「金」を儲ける話だから「女経」なのかな。「女経」という言葉なんて聞いた事ないから造語だと思うのだけど。「女」の「経済」だか「経営」だか。①と②は「金」というより「銭」を儲けようとする話で、どこかさもしい。それは手元に金があった方が嬉しいけど、何かそれを中心にそこだけみたいな話をされるのはちょっと拒絶したくなる。ピカレスク的にそれで万歳ってのがあっても構わんは構わんのだけど。だから③が引き立って面白く思える。③はさもしい「銭」の世界から人間らしさを取り戻す話なのだ。

私、京マチ子は現代的でズカチャカしたのも撮れるのだけど(それこそ『穴』とか『足にさわった女』だ)、和服で京言葉喋って、しっかりどっしりしてる方が所作が美しくて好きだなあ。


『女妖(じょよう)』
五つ星評価で【★★】
1960年のカラー映画。初見。オムニバス風の三つのエピソードからなる話で、主役は船越英二で同一人物。船越英二は善人か狂人の二者択一というイメージなのだけど、今回は優柔不断な善人の方。
監督は三隅研次、各エピソードに妖しい女が一人ずつ。三隅研次の描く女優って賭場を荒らすか匕首振り回してるかのどっちかっぽいから怖そうだよなあ。オープニングロールが妖怪か女山海塾かって感じで趣味良くない。
①山本富士子 謎の女
②野添ひとみ また別の謎の女
③叶順子 生き別れの娘

①は普通の恋愛ドラマ、③は親子の愛情ドラマ。②はサスペンス。
②の野添ひとみのサイコパスっぷりは怖い。顔が広瀬アリスに似てる。それが怖い。あの顔はひどい事しそうな顔よ(失礼だな、俺)。

PS 山本富士子のパート冒頭で、今はなき浅草映画街が
 映る。東京倶楽部とか、もう繁栄の限りで懐かしい。
 どこが見どころと言えば、そこが一番の見所かもしれない。



【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
女経@ぴあ映画生活
女妖@ぴあ映画生活

『穴』『足にさわった女』新文芸坐

新文芸坐の企画「大映女優祭 百花繚乱」から1プログラム。

『穴』
五つ星評価で【★★★】
1957年の白黒映画。2回目。どこでだか忘れたが昔、多分、『黒い十人の女』と二本立てで見た。オシャレで、船越英二死ぬべしな二本立てである。
バッサバサ、サバサバと服を着替え、顔を変えまくる京マチ子が強烈だが、「大映女優祭」という特集の中で「大映テイスト」を「市川崑テイスト」がしっかり塗り替えて、「大映テイスト」が毛ほども残ってないのが、いいのか?みたいな感じ。大映ってもっとゆっくりおっとりしっかり、ぶざまでもそれなりに「でーん」としてるイメージ。京マチ子の美脚よりは安田道代の大根脚みたいな(失礼)。
後年の市川崑に比べると、無駄にアクセル吹かしすぎ。丸くなったんだなあ。


『足にさわった女』
五つ星評価で【★★★市川崑+増村保造】
1960年のカラー映画。初見。
女掏摸・京マチ子 VS 刑事・ハナ肇の狐と狸の騙し合い。
舞台転換の速さ、流れるような軽口が市川崑っぽい(脚本してる)。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
穴〈1957年〉@ぴあ映画生活
足にさわった女〈1960年〉@ぴあ映画生活

『青空娘』『祇園囃子』新文芸坐

新文芸坐の企画「大映女優祭 百花繚乱」から1プログラム。

『青空娘』
五つ星評価で【★★★★清々しい初々しい若々しい】
1957年のカラー映画。初見。
若尾文子の背筋がピンとしてて、正しく前を向いてる様子がとても気持ちいい。それでいて偉ぶった感もない。これがとても新鮮に感じるのは、今はそういう正しい気持ち良さをごくごく普通に描けない時代だからだろうか。
正しいし、傷付く素養もあるけれど、鈍くて、傷が致命傷になる前に治ってしまうような「若尾文子」、今だったら「深キョン」がちょっとタイプ似てるかも。ただ「正しい」感が少し少ないか。「深キョン」は「正しい」感がゴージャスなボディにちょっと打ち消されてしまう感じがある。それは深キョン自身のせいじゃないんだろうけど。
それにしても話がポンポン進む。
個人的にはニヤニヤ笑うボンボンの川崎敬三より、絵描きの先生の菅原謙二の方が好感持って見てた。ボンボン打たれ強くなさそうだし。あと、女中の先輩ミヤコ蝶々が出てくると画面が明るくなる。セリフの流れる様が気持ちいいんだよね。


『祇園囃子』
五つ星評価で【★★★溝口らしいしんみりした映画】
1953年の白黒映画。初見。
昔の妹芸者の娘が訪ねてきて芸者になりたいという。
いろいろあって保証金も付かない娘・若尾文子を芸者として仕立てあげる小暮実千代。若尾が知らないところで凄くお金をかけたにもかかわらず、あっという間に若尾は座敷で粗相を仕出かし、小暮ともども出入禁止になってしまう。基本、悪人がいない世界ではあるが、ダメ人間はいて、その組み合わせで不幸は膨らんでいく。その悔しさ。物事が好転しだしていく時のちょっとほっと息を吐ける好転感。
溝口の映画は映画自体が呼吸するみたいだ。
殊更なアップとかがない。とても広い場所をカメラに収める。上品。
でも、その上品をかなぐり捨てて踏み込んでくる若い時の黒澤明の方が個人的には気が楽で向いている。上品なのは見る側にも凛とした姿勢を強要するが、こちとらそんな立派な人ではないので短い時間にも関わらずちょっと退屈してしまったりもするのだ。すまん溝口。
この『祇園囃子』の祇園に『七人の侍』の竹千代一人が紛れ込んだだけで、映画がボロボロになるから、それはそれでそうなったそのボロボロを見てみたい気もする。何言ってるかなあ、俺。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
青空娘@ぴあ映画生活
祇園囃子@ぴあ映画生活
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