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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『王宮の夜鬼』トーホーシネマズ池袋4

◆『王宮の夜鬼』トーホーシネマズ池袋4
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★ゾンビがルンルン】
韓国の時代劇+ゾンビ映画。
ともかくゾンビの密度が高いのがいい。超3密。
人間がいる空間を見つけるや、流れ込んできて空間を満たしてしまう。その勢いの良さが目に新鮮。つーか『新感染』か。
動きは普通の人間くらいの動きだが、感染力が爆発的。おそらく戦場の武人相手とかでなく、女官や老人・子供など、より弱い者に接触するような局面で増殖したのだろう。このゾンビだらけのアクションが贅沢。ゾンビが多すぎて嬉しいやら気持ちいいやら。これ日本で作ったらゾンビ1/10くらいで作ってしまいそう。そう、このバリバリの人海戦術によるスペクタクル・シーンが面白い。逆に言えば、ゾンビ出てなかったら、この映画は最下層の一本になりそうだ。ゾンビとの戦いの中に「シレ」っと王朝の血統と革命勢力の争いが混じったりもするが、その辺を政治的に深掘りしていないのも良い。ゾンビゾンビと書いているが「夜鬼(やき)」であって、昼日中は出歩けない。ゾンビ+吸血鬼なのである。ただ、日中でも直射日光でなければ大丈夫であり、屋内で暴れたりもする。ルールゆるいなあ。
主役はヒョンビン。『コンフィデンシャル 共助』の北朝鮮人か。あれはかっこ良かったけど、これはだらけて怠け者の玉木宏みたいで今一。
ラスボスがチャン・ドンゴン。こっちは仲代達矢っぽく中々いいが、チャン・ドンゴンに仲代達矢の芽があるとは思っても見なかった。
ヒロインは名前は知らないけど、兄貴の嫁さんより、田舎の弓女の方が可愛い。

あのお守りが何かの役に立つのでは、とか、兄貴の嫁さんが妊婦である事が後々物語に影響を与えるのでは、みたいな思わせぶりをしながら、そういう伏線はなかった。いや。組めよ。


【銭】
旧作公開価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
王宮の夜鬼@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
王宮の夜鬼@いやいやえん
王宮の夜鬼@銀幕大帝
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『スケアリーストーリーズ 怖い本』下高井戸シネマ

◆『スケアリーストーリーズ 怖い本』下高井戸シネマ
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★ホラーキャラの出来が最上】
本の主人公になって昔聞いた怖い話通りに死ぬ。
その仕組みやホラーキャラクターが抜群に面白いのだが、そのルールを統べるサラの物語が今一つ伸び悩んでいるのが残念な部分。
①殺人案山子②俺を食ったな③赤い部屋の肉マン④ジャンガリアンマン⑤サラ
もう、この中では圧倒的に④ジャンガリアンマンがムチャクチャで面白い。何をやり出すか分からない変さがある。こいつは困った鋼鉄ジーグだ。あと、⑤サラの最後の絶叫もそこでその感情表現なのかと言うのが異常であるのが気に入ったので評価してあげたい。あとは②と③が同じくらいで、①の案山子は最初に見た時から、使われそうと思ってたから逆に衝撃がなかった。②は「そんなイチャモンの付け方あるか」と言うのがユニーク、③は結局、全くアレが何だか分からない所が恐怖的に優れてると思う。あとはクモの子がいたか。

最後はステラが本を統べる者として、友達を復活できないか挑むみたいに終わるのだが、それは実にどうでも良くて、あの本の中の怪物を自由自在に出せたらダークなんちゃらユニバースとかでも活躍できそうと思った。ホラーキャラ集めてチーム作るって企画はポシャったらしいけど、その一端を担えるくらい個性的で好戦的で良いキャラ達でした。


【銭】
火曜下高井戸シネマ全員サービスデーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スケアリーストーリーズ 怖い本@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
スケアリーストーリーズ 怖い本@いやいやえん
スケアリーストーリーズ 怖い本@銀幕大帝

『劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! ~映画になってちょーだいします~』EJアニメシアター新宿

◆『劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! ~映画になってちょーだいします~』EJアニメシアター新宿

▲左から電気♦、原子力♠、磁力♥、重力♧ってそれはジャッカー分類。

五つ星評価で【★★★ちょん髷は好きよ】
題名、長いな(笑)
『初恋』の三池崇史監督の最新作。
ファンドを蜃気楼のように操る4人のジヤッカー電撃隊が、「組長が白と言う物は黒い物でも白」という狂信的なヤクザ組織、黒沢組を相手に大衆から景気動向を直接操作するファンド理力「キズナパフューム」を操り、一大経済戦争を繰り広げる、そんな映画らしいって聞いたが、違う違う違うぞ。最初っからスタンリー・キューブリックで始まった上に超豊満なお尻プリップリです(嘘は言ってません)。

そうですね、お尻プリップリの部分じゃなくていいので、ベッキーにはバールを持って出てきてほしかったですね。
ベッキーのバールによって足腰立たなくなるほど殴打されてしまうファントミとか見たいじゃないですか(そら、レイティング付けないと公開不可能だろ)。

あと、あれだけ踊りのシーンがあるのなら、ダイアン・キートンとのダンスバトルとかも見たかった(いや、全然関係ないし)。

セーラームーンからプリキュアへの流れで作られた美少女戦士物の実写版プロジェクトの三作目で、私は映画が初で一見さん鑑賞になるが、割とちゃんと一つ一つ「どれが何」という説明を入れてくれていて、初めて映画を見る人でも全く支障のない親切設計なのは偉い。映画はそういう規格で「ぶらっ」と立寄った観客にも分かるように作られるべきであると信じる。「ファントミラージュ」をぶらっと立寄った一見さん観客が見る確率はムチャクチャ低いではあろうけど。

ウィキペディア見たら三池崇史監督は雇われ監督ではなく、元からこのシリーズと縁が深いのだそうだ。仕事が手広いのう。ただまあ、雇われ監督であっても難なく撮ってしまう、それが三池崇史である。個人的にはその雇われ仕事であるJOJOの第二作目をもうないと知ってはいても撮ってほしい。まあ、三池監督発信で「撮りましょう」という事はないんだろうけど。

で、映画自身は普通に面白いし、まあ、これくらいかな、という感じ。それは基本ファン・ムービーとして作られている物をファンじゃない自分が見ている事による熱量の違いがあるのじゃないかと思う。見終わった小さなお客さんがちゃんと「面白かった」と喜んで帰ってましたから。ちなみに自分の近くに大きなお客様はいなかったので彼等が「面白かった、エヘヘヘヘヘヘ」みたいに喜んでいたかどうかは分からないし、そんなもん調べる気はない。そら、修羅の道だろう。俺自身が椅子とかに縛りつけられて「面白かったのか、ああん、面白かったのかと聞いておるんだ」と尋問されたりしたらイヤだし。

キャストがちょっと豪華だった。
いきなり出てくる芋洗坂係長、この人の踊りは好き。そう言えば昔パパイヤ鈴木のプロデュースで踊り狂っていたオヤジダンサーズはどこに行ってしまったのだろう? いや、関係ない。
TVシリーズから引き続き出てるらしいダンディ坂野はまあ普通。同じくレギュラーらしい関口メンディーは長髪のヅラ付けたらそこそこ男らしいのにドラアグクィーンと寺門ジモンを足して2で割ったみたいになって妙に心に引っかかる感じ。

▲関口メンディー。前髪あると割とイケメンじゃね?

TVからの継投では熊のマスコットキャラ「くまちん」を本田翼がCVしてる。気づくかそんなもん。一部の頭のおかしい私のような人は本田翼が「××ちん」とか妄想してください。妄想は無料だし、口に出さなければ無罪です。口に出したり、SNSで拡散したりしたら負ける可能性が高いので、夜中、大声で「本田翼の××ちーん」とか叫ばないように((*´Д`)ハァハァ)。
そして、新撮はなかったけど、TVシリーズで割と普通に重要なキャラとして、斎藤工と小栗旬が起用されていて、そのカットが映画で使われているのはとても豪華な感じを出していた。一部の頭のおかしい私のような人「斎藤工と小栗旬がまるだし」とか妄想してください。妄想は無料だし、口に出さなければ無罪です。口に出したり、SNSで拡散したりしたら負ける可能性が高いので、夜中、大声で「斎藤工と小栗旬がまるだしぃー」とか叫ばないように((*´Д`)ハァハァ)。いや、そんなんじゃなくて、ただ、出てるだけだよ。絡んでもいないし。そういう意味ではなく、ファントミとは絡んでるけどね。あー、そういう意味でファントミと絡んでほしいー。これも夜道で大声で言わないように(頭おかしい)。

ゲスト枠では蜷川っぽい変人監督黒沢ピヨシを演じる中尾明慶(ツイッターで呟いた時、中野明慶と間違えてしまってゴメン)が分かりやすい演技で良い。「黒沢ピヨシ」は「黒澤明」ではなく黒ずくめの地味服を着てる「黒沢清」からの引用だろう。「世界のクロサワ」も今や「清」であるとは以前、よく言われていた事である。しかしまあ本物の「黒沢清」はああいう演出はしなそうで、アレは分かりやすくする為の演技演出であろう。よう考えたら「世界の三池崇史が世界の黒沢清のパロディーを子供向け映画で撮る」ってくだらなくてイイな。二人の仲がいいか悪いかは知らないけど。

映画のお話はファントミの映画を撮ろうという映画監督に邪霊が付き、監督は怪人ヘンナエイガトルヤーになってしまう。怪人の目的は見た観客が元気の出ない映画を作る事。おいおいセルジオ・コルブッチの『殺しが静かにやってくる』かよって暗闇で一人受けてニヤニヤしてた。監督に取り付いた変な邪霊を取り外して大団円。しかしまあ、世の中には昔のヘンナエイガトルヤーによって撮られてしまった映画ってそこそこあると思う。あれだけ皆が力を合わせて自然に立ち向かっていったのに最後にただ負けが告げられて終わってしまう『パーフェクト・ストーム』とか、誰でも分かるように解説するという命題で作られたのに純文学並みの難しさで天を仰ぐ人を続出させてしまった『劇場版 新世紀エヴァンゲリオン』とか。

私、ファントミは小学校高学年くらいかと思って見てたら、ウィキ見たら中学生らしい。その中学生の四人が変身して、延々と歌いながらダンスをする訳であり、この延々と踊っているダンスに努力の現れとか見えて、偉い偉いと親目線が入らないでもないのだけど、普通に発育の問題なのか、エロさは全く感じなかった。脚が細いね。エロい贅肉が付いてないのね。中学生くらいから「性の対象」として見れないでもない筈なのに、あんたら何でそんなに子供なの? 黒魔術か。そして、その肉の付いてない具合が『チア・アップ』のダイアン・キートンの肉が削げ落ちてしまった感じに似てて面白いなと思った。ファントミの4人、あと3年経ったら、いやらしい身体になって、ちょん髷姿でも興奮できるようになるのかしら?

プリキュア映画よろしく画面に向かって応援上映を目指してグッズまで作ったのに、「心の中で応援してね」ってせざるをえなかった製作者陣には哀悼の意を表したい。

くだらないことがつるべ打ちに書いてしもた。ああー、俺って本当にくだらない。それで良し。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! ~映画になってちょーだいします~@ぴあ映画生活

『なぜ君は総理大臣になれないのか』ポレポレ東中野

◆『なぜ君は総理大臣になれないのか』ポレポレ東中野

▲(右から)小川淳也と娘とそこいらのおっさん。

五つ星評価で【★★★★ドキュメンタリーなのにドラマチック】
とても面白い。まるで物語のようである。
しかも、主人公のキャラが立っている。
愚直な政治バカ。これは嫌いになれない。
人々が求める「理想の政治家」その物にかなり近い。
だが、理想の政治家は現実に裏切られていく。
理想では選挙も勝てないし、理想では派閥政治で頭角を表わせない。
選挙に勝つために、「民主党」と合併する「希望の党」を信用しえるのか、「希望の党」の公認を取る事により発生するデメリットと、無所属で公認政党をバックにしない事でのデメリットはどちらが大きいのか。考え方が違う同じ党の幹部であっても、進退はその幹部に握られてしまう事の不合理さ。ここ何年かの間の日本の政治の荒れ具合が地方の政治家をおかしいくらいに痛めつける。

知ってしまったからには小川淳也議員には頑張ってほしい。

若い時の奥さんはちょっと天海祐希を薄くした感じ。
娘さん二人はなかなか美人。


【銭】
ポレポレ東中野10回券10000円のうち8回目使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
なぜ君は総理大臣になれないのか@ぴあ映画生活

『チア・アップ!』新宿ピカデリー10、『シークレット・ジョブ』シネマート新宿1

同日鑑賞を2本まとめて。

◆『チア・アップ!』新宿ピカデリー10

▲チアリーダーのセンターが学級委員タイプの眼鏡さんで、尚且つ老女というジャンル映画の最終兵器みたいなプロット。

五つ星評価で【★★★70越えのガールズ・ムービー】
ダイアン・キートン凄いのは確かにお婆ちゃんなのだけど、シンプルにかっこいい。セックス・アピールこそないが、それを補う人間的魅力が満ち溢れている。持ち上げすぎか。そのダイアン・キートンがお婆ちゃんになって、シニア・タウンという老人ばかりが住む町で、若い時に断念したチア・リーダーを再開する話。
チーム召集の為のオーディションから、練習、失敗、再練習を経ての難関へチャレンジと言う物語の中で、年甲斐もなくって言っちゃあ失礼だが、ワイワイガヤガヤする老女の皆さんがみんなそれぞれ個性的でチャーミングです。セックスとかそういう対象ではないのだけど、女性は年をとっても変わらない。姦しくって可愛い、そんな感じを受ける。だから、これは最長齢のガールズ・ムービー。
「誰が婆さんのミニスカート姿を見たがる!」と言うのは映画内のセリフなのだけど、実際見てみると「脚だ」としか思わない。若い女の子のムチムチしたあんよではないのだけど、まあ「脚」である。単に脚。嫌悪感はなかった。格別、惹かれる訳でもないけど。封じようという決め手になるような要素ではない。

▲若いと言うだけで悪役視されてしまうヤング・チアチーム。真ん中の黒い方は後に改心して老人チームのヘルプに回る。ちょっと顔が面白い系と言ったら失礼か。しかし、みんなキューピー人形みたいで若いからセックス・アピールが強い訳でもない。

友達の孫の恋愛エピがちゃんと入ってる辺りにプロデューサーとしてのダイアン・キートンのバランスの良さを感じる。


◆『シークレット・ジョブ』シネマート新宿1

▲着ぐるみ着ただけの4体。作り物感バリバリだが、着ぐるみ自体の出来は良いので、角度によっては絶妙に本物の動物に見えなくもない所が上手くできてた。

五つ星評価で【★★動物園に動物がいると言う幻想】
「エクストリーム・ジョブ」制作チーム最新作!
こういう煽りには弱いし、まんまパクリ・タイトルだが、悶絶するほど楽しくはなかった。
ちなみに英語題は『SCERET ZOO(秘密の動物園)』で、こっちの方がタイトルとしてはいい。

動物がいない。
本物は連れてこれない。
じゃあ、偽物を都合しよう。
というプロットはいいし、出来上がったニセ動物の絶妙な不自然感とかは面白い。
ただ、ビジネス戦略がアレだけというのはしょぼい。
なんつか単純に脚本の上での二つの組織の攻防戦がユルい。
ここが一番の問題点だ。
面白いけど、ちょっと長くてタルいかなー、くらい。


【銭】
『チア・アップ!』:松竹ポイントカード6回分を使って無料入場。
『シークレット・ジョブ』:テアトル会員カード+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
チア・アップ!@ぴあ映画生活
シークレット・ジョブ@ぴあ映画生活

『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』ギンレイホール

◆『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』ギンレイホール

▲オスカー・アイザック(右上・男)、人生で問題があったら、とりあえず酒かドラッグに溺れて町中で叫んでいそう。素面でいるとか、静かに落ち込んでるとかの選択肢がない感じ。

五つ星評価で【★★打たれど響かず】
バシンと響かなかった。
一つの事件に二つの家族の物語。
但し、この家族が事件の背後にいると言うだけで、積極的に綱がっていかない。積極的に繋がっていって、ああ、実はこの出来事がここにこの結果を産んで、実はこれこれこうで、全ピース綺麗に完成しました、という構造ではない。そういう構造が映画的と思っていたので、密接にリンクしようとせず「でも、そこやかしこに愛はあったのです」という作りは私には響かなかった。群像劇ではあるけれど、その群像が特に同じ方向を向いていない。だから、とても普通である。映画の登場人物もずば抜けた感じの人はいない。特別な状態でない日常だからこそ、それが「愛」を語るのにふさわしい、という考え方もあるだろうが、私は映画ではできれば「よくある日常」を描くよりは「ちょっと行き過ぎかもしれない非日常」を描いてほしいし、見たいのだ。そういう意味では事故を起こし、それを認められない旦那とかの話はドラマチック、それ以外は割とぼんやりという印象。

極論を言ってしまえば「アレハンドロ・ホドロフスキーのライフ・イットセルフ」だったら見たいわ。そら、極論だわ。


【銭】
ギンレイホール会員証で入館。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ライフ・イットセルフ 未来に続く物語@ぴあ映画生活
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ライフ・イットセルフ 未来に続く物語@ここなつ映画レビュー

『透明人間』ユナイテッドシネマ豊洲11(ゆるやかにネタバレ気味)

◆『透明人間』ユナイテッドシネマ豊洲11

▲「君のために取り寄せたよ」何かまた薬物でも入ってるのかと心配しちゃったよ。

◆※ズバリは書かないが、ゆるやかにネタバレ気味っぽい表現あり。

五つ星評価で【★★★★こえー】
評判通りにたいへん面白かった。
こえーよ、あんなの。
ただ「不可視」というだけで、これだけの脅威になるとは。
まあでも、サーモビジョン持って来い、とか、視覚より嗅覚に生きる犬をもっと上手く話に絡められなかったのかとか、見た後に思った。見てる時はそんな余裕はなかった訳だ。いや、脚本と演出がよくできてる。
あと、奴がニック・モラリスみたいな貧弱な小男だったら、きっと見えようが見えまいが野獣のように咆哮するエリザベス・モスには敵わないだろう。そんな意味合いから言ったら平井和正版まんが『スパイダーマン』で地味な悪役(不良学生だったかな)が殺意を秘めた凶器に実に自然に使用する煉瓦ブロックとか持たせても良かったかもしれない。ニック・モラリスだったら煉瓦落としそうだけど(何だこのニック・モラリス推し?)。
奴の図体がでかくて、自然にニヤニヤしている感じが、ちょうど人間同士の押すとか引くとかの関係性が分かっていない事を隠蔽している上でのニヤニヤに見えてちょっと怖くて上手い。こいつがジャイアンだったら、のび太は一週間持たない、みたいな。
あと、その兄貴のヘラヘラ具合もマコーレ・カルキンっぽくて責任感ない感じがよい。いや、俺、『ホーム・アローン』2本とも見てないのにこんな事言うのも何なんだけど。

この映画の唯一の疑問点は富豪の奴が、そんなにエリザベス・モスにこだわらなくてもいいのじゃないかと言う点。いや、けっこうエリザベス・モス化粧とか取れて顔とか怖いじゃん。猛禽類っつか気性の荒い猿みたい。そこはお国柄なのか、単に奴が異常だからなのか。俺、まんま、この役だったら、ガッキーの横とかに潜んでいたい。で、殴る、蹴る、とかじゃなく、すーっと触れるか触れないかで触りたい。っつーか、そういうエロ要素に一歩も踏み込んでいない『透明人間』って「おま、ちょっと頭おかしいだろ」と言いたくなる。

あと、透明人間の見える見えない具合が絶妙。
この演出手腕を利用して、パンツが見える見えないだけが大事であるというパンチラ・ムービーみたいなの作ってくれたら個人的には超嬉しい。ただ、エリザベス・モスは外してほしい。


【銭】
ユナイテッドシネマの会員ポイント2ポイント使用割引で1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
透明人間@ぴあ映画生活
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透明人間@yukarinの映画鑑賞日記α
透明人間@ノラネコの呑んで観るシネマ

『家族を想うとき』ギンレイホール

◆『家族を想うとき』ギンレイホール

▲左から母ちゃん、妹、兄ちゃん、父ちゃん。

五つ星評価で【★★★え、ラスト、そこ?】
「フランチャイズ」の名の下、個人事業主の運送業に手を出した父ちゃん、その生活資金補助に介護業に手を出した母ちゃん、二人には地獄の仕事漬け生活が待っていた。「貧乏はやだーっ」って、話なのだが、日本国内ではヤマトとか佐川急便に下請けのドライバーと言うのがいないので(少なくとも私の知る限りではいない)、同じ理不尽なフランチャイズの例を出すなら「コンビニ店長」の方が分かりやすいだろう。あの職種もフランチャイズのイメージを貸出してる大資本のイメージを崩さない為に勝手に開け閉めできないし、安価な労働力としてバイトを入手できなければ、家族が人質のようにシフトに入れられて大変らしい。儲かりそうな条件の店舗については、色々儲からないように裏で画策して、フランチャイズの個人小売業売店から本部直営店に切り替えさせようとする、という話も聞いた。金は怖い。
そんな訳で、父ちゃんも母ちゃんも一服する間もなく、奴隷のように働かなくてはいけないのである。きっちり貧乏人を追い込むシステムが出来上がっていて、一度入ったら足抜けできなそうである。ヤクザかよ。話が希望を見出す前に終わってしまうとは思わなかった。そんなん、こえーよ。


▲肌色ジーニーみたいなフランチャイズ上司。魔法のように辛い仕事を振りまくぞ。

【銭】
ギンレイホール会員証で入館。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
家族を想うとき@ぴあ映画生活

『ワンダーウォール 劇場版』新宿シネマカリテ2

◆『ワンダーウォール 劇場版』新宿シネマカリテ2

▲ちなみに、こんな場面は映画にない。

五つ星評価で【★★★★対話は対話を越えられるか】
ドキュメンタリーではないだろうが、本当にあった話かどうかがあまりに真に迫っていた為、分からなかった。
驚いたことに「事実に基づく」話ではないらしい。
それなのに、このリアリティー。濃密な映画だった。
「長期取材に基づく」とあるので、物語の「近衛寮」に類似した存在はあったのかもしれない。さもありなん。

多分、この物語の「近衛寮」に近い存在は日本各地にあり、今、剥奪や簒奪の真っ最中なのではないかと思う。

京都の大学にある学生寮「近衛寮」は百年の歴史を有し、生活に関する規則・ルールは自治により治められている。毎年、多くの変人を生みだす「近衛寮」であるが、最近の問題は学校側が寮の老朽化を理由に、近衛寮の廃寮を求めていることだ。寮は百年の間、学校と対話を続けており、そのノウハウは先輩から後輩へと引き継がれている。だが、今回は苦戦を強いられている。そんな時、学校側に学生と折衝するための新たな人員が追加され、「近衛寮」の存続は大きく揺らいでいく。

この物語の凄い点は、現在性である。
100年の間、学校側と学生側は折衝を繰り返していた。そして、それは機能していた。何故か、双方が対話する意思があったからだ。おそらく、大学側にも「民主的に話して聞かせる」という態度が、そもそも大学の取るべき態度であると至極真っ当に考える者がいたのだ。そう、思われる。

この「対話」は学校側から一方的に破棄される。
学校側から来るのは「決定事項」のみ。対話は壁によって遮られ、回答は届かない。
これは今の日本の政治の縮図である。
与党と野党の国会での論戦に近い。
野党が政策や政治についての疑問を尋ねる。
ピントの外れた事や、回答ではない事を延々と答える与党。
議論や対話に対して最も不誠実な態度とは何であろう。
それは「議論を行なわない事」だ。
議論を行なう体のみ見せて、議論を深めない。
するとそこで、議論は止まってしまう。
議論が議論として高められない場合、結論はどうなるか?

①規定の意見が取られるか、
②もっとも賛成者の多い意見が取られるか、
③権力を行使できる者の意見が取られるか、

主にこの三つのうちのどれかに決まる。
もう、いいようにやられる結論しか思い浮かばない。
こんな事はもちろん正しくないし、子供がやるような事であり、成熟した大人がやる事とはとても思えない。
だからこそ、それを禁じる術がないという地獄のような状態。これはやられた。

「劇場版」ではおそらく「ドラマ版」の後の2年後を軽く描写し、まだ、戦いは続いており、戦いを続けられる方法は絶無でない事が提示される。ただ、それでも、私はあの未来では心配である。それはあの肯定的に見られている行動が飛び道具的に出てきた物であり、その強さは認めざるをえないのだが、それでも、それは「議論」ではない。「議論」によらない改革は「感情」に訴えているのだが、「感情」は次の「感情」に塗りつぶされる事が多々あり、「感情」は「扇動」されやすい。今は勝っていても、一発大逆転でひっくり返されやすい。とても危険な兆候だ。

あと答を持つ女優成海璃子が素晴らしい。
おっぱいも含めて、素晴らしいと言わざるを得ない。

岡山天音の着ていた背中一面に見返り美人がプリントされたジージャンがかっこ良すぎる。


【銭】
シネマカリテ水妖12100円水曜1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ワンダーウォール 劇場版@ぴあ映画生活

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』早稲田松竹、『近松物語』神保町シアター

名画座系2本まとめて。

◆『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』早稲田松竹

▲かっけー冒頭ちょっとのショット。

五つ星評価で【★★カット、ショットの豪華さはともかく、テンポが悪い】
1968年、カラー、165分、初見。
なげーよ。
俺、じーさんで残り時間少ないから長い映画は苦手。短く、サクサク見たい。怒られるかもしれないけど3倍速くらいで見たい。
それにしてもカットやショットがどれ一つとっても豪華でかっこいい。
でも、それを延々と映してたりする。長い。
こういうのを若い時に見てたら権威に屈して褒めるのかもしれない。今はダメ。単純に身体が持たないで退屈に身悶えてしまう。
音楽がまた牧歌的。マカロニみたいに煽る音楽が好きなのだ。
物語にダリオ・アルジェントが参加してるのに驚く。まー、当たるまでは恐怖映画専任の監督ではなかった筈だ。

ブロンソンまだ髭がないのね。髭が付いてブロンソン完成という気がする。
クラウディア・カルディナーレが綺麗。この人、テクが凄そうだから、店の人におすすめされたら指名するって、そうじゃないだろ。泣き出しそうなところをずっと堪えてる顔が魅力的。もっと若い方がステキって意見もありーのだけど、これしか見てないから、このちょっと疲れた感じにも私は惹かれる。

▲カルボナーラ、もとい、カルディナーレ。

ヘンリー・フォンダ悪役なのね。フォンダがやると人間味がありすぎて、何か人には隠しているけど善行の為、悪事を犯してるようにすら見えなくもない。アップのカットとか長いから変に人間的に見える。いや、だから、そーゆーんじゃなく、普通に単純にイヤな奴が悪役はよいのだけどな。『マルサの女2』の三国連太郎みたいな同情の余地ありありっぽさを醸し出す悪役は映画としては微妙なんちゃうか。逆にそういうバリバリな悪役を避けたからこそのヘンリー・フォンダ起用なんだろうけど。

冒頭で退場してしまったがアイルランド人の計画にもグッと来た。

大雑把だし、原題と掛け離れていると言われればそうだけど、旧題の『ウェスタン』ってのはいい題名だったと思う。


◆『近松物語』神保町シアター
五つ星評価で【★★いたたまれない】
1954年、白黒、102分、初見。
特集「映画監督溝口健二 悲恋の女たち」からの一本。
世界の溝口が近松門左衛門に挑む的な。
主役は長谷川一夫、対するのは香川京子。
長谷川一夫が大店の中で地位はともかく実直な仕事で認められてる技術者なのだが、目下の者からの頼みにより、ちょっとボタンをかけ違えたせいで、どんどん不幸の沼に嵌っていく。香川京子の奥様側から見れば不義理な夫と見切りを付けて長年の想いを長谷川一夫にぶつけて、恋が成就した事で哀しいけれど幸せな結末で済むかもしれない。が、私は長谷川一夫目線で自己同一化してるので、必要のない疑惑に地位を奪われ、全てを収めようとしても暴風雨のような奥様の激情がそれを許さず、ただ慎ましやかに清らかに正義を貫こうとしてそれも出来ずにただ、殺されていくのは悲劇としか言えない。彼は何も悪くない。何かダメだったかと言えば、「間」と「タイミング」が悪かっただけ。それはどうにもできないと思う。
和楽器の劇伴がけっこう扇情的で怖い。


【銭】
両作品とも1300円の均一料金(偶然一緒だっただけだけど)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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近松物語@ぴあ映画生活
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