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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ハマのドン』『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』『三茶のポルターガイスト』『Winny』『妖怪の孫』『走れ!走れ走れメロス』『日の丸 寺山修司40年目の挑発』『サステナ・ファーム トキと1%』『アフガン・ドラッグトレイル』『東京SWAN 1946』

実話系で10本。

◆『ハマのドン』新宿ピカデリー9
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★やったれ爺さん】
映画.com曰く「カジノ誘致問題に揺れた2021年の横浜市長選で反対派の急先鋒に立った政治家・藤木幸夫を追ったドキュメンタリー。テレビ朝日が製作した2022年2月放送のドキュメンタリー番組を劇場版として公開。」
主人公の藤木氏、バリバリの自民党だし、ヤクザ組織と繋がりが全くない訳でもなさそうだ。今の自民党の重鎮とも懇意にしている。自民党は大嫌いだが、藤木氏の人垂らしっぷりが描かれていて、こういう自民党員ならよかろうみたいに思えてくる。「らめえ、こんな人、好きになっちゃらめえ」みたいに心が警鐘を鳴らすのであるが、そもそも昔の自民党は今の唾棄すべきような与党ではなかったので、ぎりセーフにしよう。多分、この年齢の自民党員は自分が私腹を肥やす事より、戦後社会をどうするかという大局を優先していた世代であるとしか思えないし、もう本人が棺桶に片足突っ込んでるような年なので、地獄にまで金は持っていけない。あかん物はあかんと言って好きにしているみたいだし、好きにしてもらいたい。
ドキュメンタリー内部の白眉はアメリカで手腕を振るってるカジノデザイナーへのインタビュー。カジノは地元に金が落ちないように設計をする。言い切った。ざっくり東京ディズニーランドみたいなもんだろう。雇用も増えるし、税収も増えるだろうが、その対価として依存症が増える(カジノはね)。公金使って依存症増やすのか。つー、カジノ誘致がもともと嫌いだから映画面白く見れたのかもしれない。
あと、「ふじき」って名前が善玉なのは嬉しい。実は卑怯者だったりして。


◆『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』シネマチュプキタバタ
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★それをアート鑑賞とするのかという違和感】
方法としてはそれしかないのかもしれないが、それをアート鑑賞とする事を私の中の何かが否定する。白鳥さんとアートの間に第三者がいないと成立しないのがイヤなのかもしれない(白鳥さんは対話でアートに接する)。第三者の力量や第三者との関係性によってアートその物が変化してしまう事にやり方の脆弱性を感じているのだろう。例えば、私が耳が聞こえないとして、音楽の内容を言葉で説明を受けたとして、それは曲を聞いた事になるのか。勿論、白鳥さんがアートと接するのは本人が望む限り、勝手にやればいいと思う。それを否定する権利を私は持っていない。
白鳥さんの目が見えていたら壮大なフェイク・ドキュメンタリーなんだけど、それって北野武版『座頭市』なので、せっかくなので白杖を仕込み杖に変えて2、3人ぶった切ってほしい(全然、映画の感想じゃない)。
円丈の弟子筋の落語家、三遊亭白鳥の前の口座名は三遊亭新潟(全然、映画の感想じゃない)。
『目の見える三遊亭白鳥さん、アートを見にいく』ってアンサー映画も作ってほしい(いや冗談だからそんなに作ってほしくない)。


◆『三茶のポルターガイスト』ヒューマントラストシネマ渋谷3
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★やったれコックリさん】
ツイッターでの最初の感想(↓)

企画的には「怪談新耳袋殴り込み編最終回」と同じロケ地で同じ出演者、同じスタッフなので安定感半端ないが、それでいいのかよとも思う。泣く女の子の高音がうるさい。お参りの後はそれを皮切りとしてもう一回行くべきだろう。

まあ、そんな。これで制作会社のシャイカーさんが潤えばいいと思う。「物」だからノンクレジットなのだが、呪い人形のハチがカメオ出演してる(新耳袋ではクレジットされていた)。ハチ好きだよ。
凄く当たり前のように使ってるけど、会話ツールとして、コックリさんが万能すぎる。大川隆法よりコックリさん有能。


◆『Winny』トーホーシネマズ池袋9
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★一度しくじると復旧が大変】
これはドキュメンタリーと言うより、事実を元にしたフィクション。東出昌大なんかモデルの人間に似てて驚く。ファイル共有ソフトの作成者が著作権違反幇助で捕らわれ、無罪を勝ち得るまでの映画。警察こえーよ。その警察権力最前線の指揮を執る渡辺いっけいにイライラさせられる。うめーよ、こういう役。人の好さをとことん付け込まれる東出昌大の被告も被告だが、ああいうのはやってしまうよ、普通にきっと。そら可視化が必要だし大事だよ。東出昌大を助ける側の弁護士、吹越満の知的な人の悪さも魅力。すげえプロの弁護士っぽい。三浦貴大も役によってすっかり外観変えてくるなあ。『キングダム』伍の弱弱兄貴にはとても見えない。裁判所であの格好で暴れられても困るが。メガネがいいアクセントなのだな。皆川猿時、エンドロールで小手伸也じゃない事に気が付いた。いや。被ってると思う。癖の強弱はあるけど。吉岡秀隆の話は間接的な関連性なので、もちっと強めに結び付けられる話運びだと良いのだが。
ウィンナーではない(←蛇足)。


◆『妖怪の孫』新宿ピカデリー4
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★映画で社会は変わらないかもしれないが、製作には敬意を表する。】
ツイッターでの最初の感想(↓)

特に新しく知った事はないが、よくまとまってる。怖い。

怖いよ。これだけ社会をボロボロにしておいて。以上。


◆『走れ!走れ走れメロス』トリウッド
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★やったれ若さ】
ツイッターでの最初の感想(↓)

初めて演劇に触れた高校生4人と顧問の先生を追うドキュメンタリー。舞台に立つ3人の若さが眩しいってホモの感想かよ。演劇の勝ち方(面白さ)が決して一つの解答のみでないのが分かって面白い

最初見てる時は個性強すぎてちょっといけすかねーなーみたいに見えるが、単純に頑張る奴の映画は良い映画。


◆『日の丸 寺山修司40年目の挑発』角川シネマ有楽町
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★やったれ寺山修司】
ツイッターでの最初の感想(↓)

日の丸は何かを問う事で日本人を明らかにするドキュメンタリー。アイヌの昔の写真が映った時、吸血鬼みたいに塗られた赤い唇に驚いた。なるほど知らない。話がノンマルトみたいな方向と思った時に本当にノンマルトの話題に移行したのには驚いた。

40年前に寺山修司が企画したドキュメンタリーを現代の視点から検証する。40年前の企画のゲリラ性が強烈で、再現した令和版が響いてこない。それは方法として緩くなってしまった事と、インタビューを受ける被写体の方々にとって40年前の方が「国家」「日本」「戦争」が自分達が迎えた「戦後」と早退するまだ身近な対立軸だったからではないかと思う。


◆『サステナ・ファーム トキと1%』ヒューマントラストシネマ渋谷1
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★★恐怖ドキュメンタリー】
「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」上映作品。
殺虫剤「ネオニコチノイド系農薬」に警鐘を鳴らすドキュメンタリー。蜜蜂を狂わせて巣穴に帰らなくさせる。農地から流れて水路をたどり湖の魚を殺す。実は人への影響も心配されている。怖い怖い怖すぎる。解決する農法が持続可能な農園=サステナ・ファーム=複数生産物のほったらかし農地、なのだが前半が怖すぎて後半が頭に入ってこない。


◆『アフガン・ドラッグトレイル』ヒューマントラストシネマ渋谷1
▲画像は後から。

五つ星評価で【★★★一見おだやかな地獄】
「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」上映作品。
アフガニスタンのドラッグ取り締まり現場の同行記ドキュメンタリー。
街行く人々をあの人もあの人もあの人もと無作為に(見える)しょっ引いていく。中には買い物途中の主婦の姿もある。それはないだろうと思ってしまうが、慣れてる人が見ればドラッグを打ってるかどうかは確実に仕分けできるらしい。ドラッグとの距離が近すぎる。これはキリがないが、続けるしかない。すさんだ話だが、みな連行されるままに連行されるので軋轢は少ない。地獄が常態化しているし、捕まろうが捕まるまいがどうでもいいのかもしれない。


◆『東京SWAN 1946 戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演』ヒューマントラストシネマ渋谷3
▲画像は後から。
「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」上映作品。
五つ星評価で【★★★歴史を偲ぶ】
ツイッターでの最初の感想(↓)

日本バレエ黎明期と今を結ぶ企画としてほっこりする話。今のダンサーの西洋人のような恵まれたボディーと、それと共に失われた物。ボクシングみたい。熊川哲也が出てくると踊らないでもオーラが凄い。90代で現役のバレエダンサーとかも凄い。

日本におけるバレエの普及が思ったより最近である事に驚く。そら明治や江戸時代ではないのだろう。今まだ第一世代や第一世代に触れた人達が生きているうちに、こういうまとめ記録映画のような物が作られたのは喜ばしい。


【銭】
ハマのドン:ピカデリー誕生日クーポン割引で1000円。
目の見えない白鳥さん、アートを見にいく:期限無期限のシネマ・チュプキの12回券を10000円で購入、11回目使用。
三茶のポルターガイスト:テアトル会員割引+曜日割引で1100円。
Winny:トーホーシネマズ会員ポイント6ポイントと引き換えに無料鑑賞。
妖怪の孫:ピカデリー前回有料入場鑑賞割引1300円。
走れ!走れ走れメロス:番組特別価格1300円。
日の丸 寺山修司40年目の挑発:角川シネマ有楽町日曜最終回割引1200円。
サステナ・ファーム,アフガン・ドラッグ,東京SWAN 1946:テアトル会員割引+番組割引により各1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ハマのドン@映画.com
目の見えない白鳥さん、アートを見にいく@映画.com
三茶のポルターガイスト@映画.com
Winny@映画.com
妖怪の孫@映画.com
走れ!走れ走れメロス@映画.com
日の丸 寺山修司40年目の挑発@映画.com
サステナ・ファーム トキと1%@映画.com
アフガン・ドラッグトレイル@映画.com
東京SWAN 1946 戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
Winny@ここなつ映画レビュー
妖怪の孫@徒然なるままに
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『65 シックスティ・ファイブ』トーホーシネマズ日本橋3

◆『65 シックスティ・ファイブ』トーホーシネマズ日本橋3

▲アダム・ドライバーって割とミン皇帝っぽい顔じゃない?

五つ星評価で【★★やらないじゃん】
この企画を通した人のハートの強さを買う。基本的にはそれだけだ。せっかくだから後400万年付け足してやってほしい。恐竜物としては今までに見た事のないような姿勢の恐竜が出てきたりとかはよきかな。それにしてもやはり「ここは地球だったのかあ、ばあああああああああああん」みたいな落ちが欲しいところである。映画の最初から「地球」と言ってるから、それは落ちにはならないんだよなあ。


【銭】
映画ファン感謝デー料金、トーホーシネマズ2023年6月から100円値上げして1300円。できれば他系列に行きたかったが時間の都合で東宝さんに行ってしまった。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
65 シックスティ・ファイブ@映画.com
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『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ユナイテッドシネマ豊洲10(ネタバレ気味)

◆『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ユナイテッドシネマ豊洲10(ネタバレ気味)

▲名コンビぶり際立つ。

※ 記事内にネタバレ内容を薄く含みます。

五つ星評価で【★★★★やるじゃん】
あー、もー、映画見終わった後の余韻が気持ちいいわ。それでいて、人生にとってこれ見てようが見てまいが大きな違いはない。そういうのが「娯楽映画」だと思うのよ。ドンピシャで合格。

岸部露伴はもうすっかり高橋一生が呑み込んでしまった。デザイン的には似てないが、もう高橋一生以外の岸部露伴は考えられない。それって役者として凄いよね。もちろん、製作スタッフ全員で「岸部露伴」の世界を作りこみ、彼がその最後の掛け替えのないピースとして存在しているのだから、チーム全体の功績と言っていいだろう。
言った傍から長尾謙杜の若い露伴も初々しくていいかな。これが露伴先生みたいに偏屈な大人になるのかというのはちょっと哀切あるけれど。
その若い露伴を惑わす木村文乃。彼女が失踪するまでの存在の仕方、撮られ方が妙に怖い。多分、瞬きとかしていない。非常に非人間的にスピリチャルな空気を纏って撮られていて、何気に怖い。
そして、飯豊まりえが素晴らしい。この泉京香は岸部露伴の対立軸であってずっとぶれない。賢さに対して愚鈍。論理思考に対して感情思考。ハイソサエティに対する成金的に俗物。そして、99持つ露伴に対する一つの天啓。

「黒い絵」の光を一切跳ね返さない性質に対して述べられる、その人の後悔や過去が浮かび上がってくる、という特徴は科学的ではないなと思ったが、後半明らかにされる物事の起こりを見ると納得させられる。オカルトならしょうがない。一部、理屈的に辻褄が合わない点もある気もするが、オカルトならしょうがない。

しかし、借景としてルーヴルを使うのは豪華の極み。だがまあ、ルーヴルは確かに凄いのであるが、ルーヴル以外の背景や、そこに漂う空気、潜む音圧などがどのカットでもルーヴルに負けてないってのも凄い。


【銭】
会員ポイント2ポイントを使って1000円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
岸辺露伴 ルーヴルへ行く@映画.com
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です
岸辺露伴 ルーヴルへ行く@ノラネコの呑んで観るシネマ
岸辺露伴 ルーヴルへ行く@風に吹かれて
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『Cutie Honey キューティーハニー』109シネマズプレミアム新宿2

◆『Cutie Honey キューティーハニー』109シネマズプレミアム新宿2

▲ベストでなくてもベターな映画という事にしてあげたい。

五つ星評価で【★★★片桐はいり凄いな】
特集「歌舞伎町インパクト」の1プログラム。
2004年、カラー、93分、多分3回目くらい、庵野秀明監督作品。
『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』後に見ると、似てる場面がいろいろ出てきて楽しい。
ただ、やはり、面白いのはパートパートであり、全体見終わった後の物語の余韻に浸れる感じが全くないのは残念。いい祭りだったなとは思う。獺祭かよ。オサムかよ。「生まれてすみません」。
多分、失敗しているのが佐藤江梨子のキャラクター造形。ムチャクチャただのバカ。ギリ気持ちいいバカであっても共感性が低い。ゲスい話で言うと身体は良くても心はいかん。なので、佐藤江梨子の演技というよりシナリオワークの失敗だろう。佐藤江梨子の演技に罪がないとは言えないが。冒頭、風呂のシーンはいいにしても、その後、半裸で町を走るシーンは「それはないだろ」と思う。「そんな恥知らずでふしだらな女の子に産んだ覚えはなくてよ、ハニー」。中二的には、ただガードの低い子の点数は低い。ガードが高いのに露出して「キャー」というのに萌えるのだ。キャラが立っているのは女刑事の市川実日子だが、その市川実日子に対する佐藤江梨子の受け応えが、教室で孤高を貫こうとするオタクに対するいじめられっ子の不思議ちゃんみたいで気持ちが乗らない。もちっと普通の女の子らしくできなかったのか。そのベースがあやふやなので、パンサークローと戦うハニーとキャラが乖離して、正しく怒ってるように見えない。
市川実日子のキャラクターは佐藤江梨子が主人公として機能しない分、物凄く掘り下げて作られている。おそらく、こちらが正当の主人公筋で、ハニーは敵と因縁のある超武器みたいな流れの方が話的にはスムーズだったのではないかと思う。そうすると『キューティーハニー』じゃなくなる可能性も強いが、アニメ音楽流しておけば大丈夫という気もする。
敵の四天王が素晴らしい。
中でも冒頭、世界観を鷲掴みで叩きつけてくる片桐はいりの試合巧者っぷりにやられる。
コバルト小日向しえのネチネチもよいし、スカーレット新谷真弓のあっけからんと突き抜けてる感じもよい。ブラックミッチーの落ち着いた強敵ぶりもよい。ミッチーアクション時の黒雲かっけー。執事手塚とおるは四天王の上にいるから強いだろうが、篠井英輔のシスタージルと合わせて女の犯罪結社というパンサークローのイメージを潰してしまった。そこは残してほしかった(ミッチーは男女とかどうでもいい線上)。

後は雑感。
コバルトクロー蜘蛛怪人みたい。
斎藤工にくんくん匂いをかがれる京本政樹は見たくない。
松尾スズキと井口昇が隣同士で座ってる会社の濃さ。
同じ会社で通り過ぎる人、しり上がり寿じゃんって分かる俺も俺。
永井豪は戦闘中吹き飛ばされたハニーのお尻で自動車のフロントガラスを割られるドライバー役。こんなんに起用されるのは双方いろんな意味で「愛」があるなあ。傑作でも駄作でも豪先生はこのカットへの出演で、いい思い出が出来たからチャラでいい感じだろう。
ああっ、あれ加瀬亮か。チョコチョコ無駄にいい役者使ってるなあ。
山のようにカメオ出演があるけど、それはそれでよし。カメオダメなのはカメオが本来のラインを阻害する時くらいだから。まあ、見どころがカメオしかないような物も困るが。
オープニングのアニメすげーいい。
やはりアニメの音楽が凄いノリノリで素晴らしい。


【銭】
109シネマのメンバーズなのでポップコーン・ドリンク付きでA席2500円で鑑賞。いや、後悔してない。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
Cutie Honey キューティーハニー@映画.com
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『最後まで行く』109シネマズ木場1

◆『最後まで行く』109シネマズ木場1

▲ダメダメな岡田准一とヒステリーな綾野剛。

五つ星評価で【★★★まあでも広末かな】
オリジナルに当たる韓国版は未鑑賞。
出てる登場人物の中で、いつも現実に負け続けている広末涼子の辛そうな顔がエクスタシー的な意味合いで好き。そういう顔エロいやん。はっきりしているのは広末は最後までいかない脇キャラだという事。同じく、綾野剛の新妻も最後まで行かない。彼女などは家柄が奪われた金銭の為に潰され、訳も分からずに綾野剛にも去られる。最後まで行くのは岡田准一と綾野剛だけだが、最後が何か、行ってどうなるかについては悪い予兆しかない。「最後まで行く」事は決まっているが、その行く先については大事ではないらしい。そういう美学もある。
今回、岡田准一が格闘センスのない役というのは勿体なく思った。リーアム・ニーソンと一緒で、もう岡田准一と格闘センスは切り離せないのだ。仮に切り離すとするなら、背景が時代劇の長屋物くらい別物でないと、自然に忘れるのが難しい。その逆目で岡田准一に格闘センスがないからこそ、綾野剛の駄々っ子が感情爆発させたような暴力が活きた。パワハラされまくる中小企業の社長みたいな役だ。ゴルフクラブで殴られるの妙にリアル。


【銭】
109シネマサービスデー(水曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
最後まで行く@映画.com
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『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』『猿飛佐助』『突破口!』『花つみ日記』『殺人者たち』

旧作囲みで5本。

◆『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』Stranger
五つ星評価で【★★★追い詰められ感】
特集「ドン・シーゲル セレクション」の1プログラム。
1956年、白黒、80分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
ツイッターでの最初の感想(↓)

これは邦題「盗まれた街」じゃないのか?それは単に原作の題なのか?ドン・シーゲルの演出「ばあ~ん」とかの擬音が似合う。

どうも勘違いしていたようだが、原作SFの翻訳タイトルが『盗まれた街』らしい。そっちの方がかっこいいと思う。宇宙サヤのデザインが当然、本物など見た事ないのに、それしかありえないような形状をしていてリアル。サスペンスを盛り上げる為に、眠ってしまったら宇宙人に身体が憑依され、乗っ取られるという設定にしてあるが、別の場所にあるサヤの中にダミーがいるのなら眠りに落ちた途端に切り替わるのはおかしい。主人公が追い詰められて、追い詰められて、最後の一瞬で光が射す映画作劇の美しさよ。役者のかなり末尾の端役陣の中に「サム・ペキンパー」の名前を見かけた気がするが、見間違いかもしれん。と、思ったらリンク先の「或る日の出来事」さんでも触れていた。そんなありえない事を言うやつは二人とも精神病院に入れてしまえとか、そんな事いうな。


◆『猿飛佐助』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★のれない】
特集「映画作家 井上梅次」の1プログラム。
1955年、白黒、97分、初見、井上梅次監督作品。
フランキー堺の初主演作。いい感じに恰幅がよくなる前のフランキー堺からは「フラ(漂う面白味)」が薄い。まだ、笑わせよう笑われようの気概が弱く、あわよくば二の線とかも考えていそう。痩せ気味のフランキー堺は千鳥のノブに似てるかもしれない。


◆『突破口!』Stranger
五つ星評価で【★★★にくめないマッソー】
特集「ドン・シーゲル セレクション」の1プログラム。
1973年、カラー、111分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
ウォルター・マッソーが抜け目のない悪漢を演じる。この、どんな事態にも対処できる、人生生き抜いてきましたみたいなウォルター・マッソーが外見と異なり、かっけー。


◆『花つみ日記』国立映画アーカイブ小ホール
五つ星評価で【★★乗り損ねる】
特集「日本の映画女性人」の1プログラム。
1939年、白黒、72分、初見、石田民三監督作品。
JK高峰秀子が転校生の清水美佐子と仲違いしたり、元の鞘に収まったり。
些細な物語という繊細な作りだが、仲違いした芸者の子が幸せも射止められず死ぬと言った原作に忠実な物語の方が分かりやすく刺さる気がする。

◆『殺人者たち』Stranger
五つ星評価で【★★★タイトルはちょっと違うか】
特集「ドン・シーゲル セレクション」の1プログラム。
1964年、カラー、94分、初見、ドン・シーゲル監督作品。
依頼殺人を請け負ったリー・マービンが、事件を深堀りすると、ブラックマネーが浮かび上がってくる。最終的にはリー・マービンも死体にたかる蠅みたいなもんだし、相手のラスボスもゲス野郎。なので、軍配がどっちに上がろうとスッキリはしない。俳優時代のレーガン大統領が出演。

【銭】
ボディ・スナッチャー/恐怖の街:Stranger番組価格一般1700円。
猿飛佐助:シネマヴェーラ渋谷一般料金1200円-会員割引400円。
突破口!:Stranger番組価格一般1700円。
花つみ日記:国立映画アーカイブ一般料金520円。
殺人者たち:Stranger番組価格一般1700円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
ボディ・スナッチャー/恐怖の街@映画.com
猿飛佐助@映画.com
突破口!@映画.com
殺人者たち@映画.com
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ボディ・スナッチャー/恐怖の街@或る日の出来事
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『銀河鉄道の父』スチール写真4コマ



「俺は東南アジアから海を渡ってやってきた大妖怪・ジジリンコチョモランマの介キョエ彦だ」



「おのれ妖怪、日蓮様の教えを受けて見ろ!」



「うっうっう、一コマも掛からずに負けた」



「ダガ、最後ニ勝ッタノハ日本ノ大妖怪・風ノ又三郎ダ。日記にはそう書いておこう。」


▼関連記事。
銀河鉄道の父(感想本体)@死屍累々映画館日記・第二章
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『銀河鉄道の父』ユナイテッドシネマ豊洲5

◆『銀河鉄道の父』ユナイテッドシネマ豊洲5

▲父の映画だが子供の日公開。

五つ星評価で【★★★正攻法。人が死ねば悲しい。】
役者が上手いから乗せられる。
単純な話、人が死ねば悲しいじゃん。
その死ぬ人が感情移入できるようにちゃんとドラマが盛られている。
田中泯が死ぬだけの為に死ぬような役。でも Before After が達者だ。
森七菜なんて、そりゃ死ねば悲しいよ。あの家族で一番骨を折っているのは坂井真紀か森七菜だもの。役所広司も菅田将暉も向きが違うだけでガムシャラに好き勝手やるのは似た者親子である。周りはそれに振り回される。菅田将暉なんて振り回し方がひどい。本人に自覚はないだろうが、凄くウザい嫌がられ方をする。でも決して親は子供を見捨てないというのが、この映画の美談であり、美学なのだ。その菅田将暉のダメっぷりが見事だった。ただ、私は他の本でもうちょっと親から見捨てられてたみたいなイメージを強く持っていたので、どうも見てて完全に役所父の「怪しさ」が抜けなかった。
田中泯が役所広司に言う「父すぎる」は話を分かりやすくした、いいセリフ。


▲弟が宮澤商会を起こし、賢治が野良着を着てるので、この写真での森七菜と田中泯は幽霊。すんげ力強い霊で生きている者の生気が悉く吸い取られているように見える。これこそが賢治の死の真相である(違うだろ)。


【銭】
金曜メンバーズデーでユナイテッドシネマは1100円。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
銀河鉄道の父@映画.com
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銀河鉄道の父@風に吹かれて
▼関連記事。
銀河鉄道の父(おあそび)@死屍累々映画館日記・第二章
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『テリファー』トーホーシネマズ六本木4

◆『テリファー』トーホーシネマズ六本木4

▲アート・ザ・クラウン。じゃあ、バンクシーの正体はこいつって事で。

五つ星評価で【★★★★これはかなり好き】
なんかこれはかなり好き。
アート・ザ・クラウンという殺人ピエロに付きまとわれる一群の一夜の話であるが、殺戮対象が割と行き当たりばったりで、殺人鬼のアート・ザ・クラウンも殺人アイコンとしては無敵ではない。けっこう反撃にもあってるし、打ち負かされてる場面も多い。だが、このアート・ザ・クラウンが好きだ。見る前と見た後で違いがない。ズレがない。齟齬がない。これは多分、アート・ザ・クラウンが殺人をするだけの装置であって、様式はあるものの内面がないからだと思う。見る前も、見た後も、謎のまま。理由もへったくれもない。殺される者はただ単に、運悪くその場所に居合わせたからただ死ぬのである。今まで主人公として振舞ってきた者を突然轢き殺すダンプに似てる。ダンプに内面はない。ただ、行使された結果が残るだけだ。
主人公や、その近辺の者は泣き叫び、哀願する。だが、その声はアート・ザ・クラウンには届かない。彼はパントマイムのみで声を発さず、声を聞いているかどうかも分からない。その場にいるのに違う時間が流れているようだ。意思の疎通を欠く者はそれだけで怖い。日本人が他国籍の者を「外人」と言って分けるのもそこに発している。話が通じない者は怖い。このまま後から公開される二作目でも彼の内面が一切描かれなかったらいいなと思う。
「話さない」という特徴のないキャラクターなのだが、いかりや長介が白塗りして、一切話さなかったら、立ち振る舞いも含めて、アート・ザ・クラウンに似てる気がする。同じ白塗りの麿赤児より似てそう。麿赤児は内面深そうだ。話をしないいかりや長介には内面がなさそう。

内面がなさそうなアート・ザ・クラウンだが、最初にあの二人を獲物に据えたのは賛成したい。殺戮者に内面があろうが、なかろうが、あの二人は社会にいらない、で正解だろう。

テリファーにお兄さんがいたらドリファーか?


【銭】
トーホーシネマズメンバーズデー(火曜)で1200円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
テリファー@映画.com
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『スカイ・ハイ(1975)』シネマート新宿1

◆『スカイ・ハイ(1975)』シネマート新宿1

▲今となってはこういう全部「絵」のポスターって珍しい。

五つ星評価で【★★珍品】
4Kレストアマスターの一週間限定公開。
1975年、カラー、106分、初見、ブライアン・トレンチャード=スミス監督作品。
主演ジミー・ウォングのチンチンがピンピンだからという訳だからでもあるまいが、実に立派な珍品、珍々品々。セガール主演だったら『沈黙のピンピン』だ(いや、そうはならないだろう)。
えーと、まあ、「チンチンがピンピンだから」と言うのは、ジミー・ウォング演じるファン・シン・レイ刑事がそんなキャラなのである。いや、本当。見れば分かる。この主役キャラ、チラシのストーリー欄には「ファン・シン・レイ刑事」と書いてあって、同じチラシのキャスティング欄には「ファン・シン・レン警部」と書いてある。ゆるゆる。チンチンがピンピンな上、ユルユルである。「チン・ピンユル」って「チョー・ヨンピル」のバッタモンで、いそうである。
話はオーストラリアにやってきた香港のもてもてエージェントが土地のボスと血で血を争う大ゲンカをする。そんな感じ。鍛えてない普通の身体のジミー・ウォングのカンフーらしからぬ殴る蹴るが炸裂する。なんか妙にアクションに華がない。このジミー・ウォングと言う人は、とてもヤンチャで、ヤンチャが過ぎてヤクザみたいな武勇伝が多いらしく、映画よりもそっちの話をしてくれるイベントがあると面白いです。オススメです。今回、識者によるトークイベントがオマケに付いてたので得しました。「得しました」と「徳島県でした」似てる。映画冒頭にサモハンが出てくるのもお得。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円で鑑賞。
▼作品の概要はこの辺り見てください。
スカイ・ハイ(1975)@映画.com
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