ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『14の夜』をキネカ大森2で観て、青春の中でも蔑ろにされる部分だふじき★★★

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▲主人公は右から二人目。

五つ星評価で【★★★超共感】

まだ毛も生えてないくらいの子供と大人の間の中人の性の話は映画になりづらい。
いや、あるにはあるのだけど、女の子が酷い目に会いました系の大惨事の映画が凄く多くを占めてしまう。それほどの占拠率を占めるほどそんなにバカスカ暴行されてないと思うよ。

彼等の大概はただ「もんもん」してるだけ。
こういう「もんもん」を悲惨な爆発の方向に持って行かずに描く映画は珍しい。
みんな共感する事は分かっているのに、みんな「ええかっこしい」で、
自分の事のように捉えられるのが嫌なんじゃなかろうか。
まあ、みんなあんなんだと思うよ。
そう言えば女の子の「もんもん」を描いた『机のなかみ』って傑作があったな。

主人公の彼の内気っぽさがイライラさせられながらもひたすら共感する。
あんな奴、多いし、私自身あんなんだった。
彼等はエロを求めつつ、上(ヤンキー)からは抑えられ、
ヤンキーはそのまた上のゾクから抑えられる。八方塞がりで爆発しようがない。
いや、その前に自分よりヒエラルキーが下と思っていた存在からいきなりアイデンティティ・クライシスな出来事を仕掛けられる展開が凄すぎる。あのシーンはビックリしたなあ。

彼の話が転がり出すのは題名通り「夜」になってからなのだが、
彼の家族が出てくる昼パートも面白い。
光石研のともかく頭から尻まで徹頭徹尾ダメなオヤジ。
母ちゃんが濱田マリなのは盤石。
娘(姉ちゃん)は門脇麦。ああ、麦ちゃんのSEXシーン欲しかった(間違えてない)。


【銭】
キネカ大森名画座・名画座カード保有者ラスト1本割引で500円。カップリングは『パンツの穴』だったが、割と最近見たのでスルーした。でも、これは実にいい二本立てだ。
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14の夜@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
14の夜@ノラネコの呑んで観るシネマ

PS すんげえ共感してて、衝撃を受けるシーンもあったのだけど、
 「人に超すすめたい」モードにまでならなかったのは、
 姉ちゃん達が本気モードで「うっふん」じゃなかったからだ、きっと。
 母ちゃんの濱田マリはハナからそういうモードじゃないし、
 姉ちゃんの門脇麦はとっても好きだけど、今回そっち方向には向かないし、
 AV女優の姉ちゃんは平面のままだし、
 ビデオ屋の内田慈はお姉さんと言うより、お母さんっぽく撮れてしまっている。
 最後に残る幼馴染の浅川梨奈は扇情的な服装が全てで、
 ずっと苛立っている様子とも合わせて擦り寄ってくる物がない(そんな役だけど)。
 つまり、もっとも「可愛い」に値するのは「男の子」になってしまう。
 いやいやいやいや、ホモじゃないのだから、
 ちゃんとね女神様みたいな可愛い女の子も出してほしかった。
 ガダルカナル・タカの言うように
 「何の肉だか分かったらもっと驚くぞ」状態であったとしても。

 もちろん、光石研でも興奮はしない訳だから(あの役作りに感動はおぼえる)
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『ローガン』をユナイテッドシネマ豊洲9で観て、定番だふじき★★★

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▲「老いては子に従え」的なビジュアルに見えるのは私が老いてるから?

五つ星評価で【★★★去りゆく者はいつも美しい】

この映画の中のローガンはただ生きている。
元から「死なない」という属性を持つローガンであるが、
その不死性がプラスに働く事もなく、毎日つまらない日常を送っている。
なんてサラリーマンなローガン。
彼の生活は彼の仲間(師匠みたいな仲)の生活を支える事がその全てになっている。
老人介護の為に、自分の生活全てを使いきってしまうローガン。
何て今の日本的な哀しみに満ちたサラリーマンみたいなローガン。

彼の元へはもう足抜けしたというのに昔のヤクザ関係者が現われて、ヤイノヤイノ叫ぶ。
何て後期高倉健的な人生にいるのか、ローガン。
平穏に暮らしたい彼を誰もほっておいてくれない。
彼はもう老境にいる。
彼の師父代わりが、彼にしてくれたように、
彼も彼の心を誰かに引き継がなければならない時が来ている。

彼は自分から戦いを求める事はない。力強かったが心ないならず者ではなかった。
彼は他人の為に、自分の強烈な痛みを全て無視してずっと戦い続けてきた。
他人の幸福の為に、自分が全ての痛みを引き受ける。それが不器用な彼の生き方だった。
それがいい目に結びつく時も、悪い目を引きよせてしまう時もある。
彼は不死性さえも失ってしまう。
でも、それが何だと言うのか。不死性があろうが、なかろうが彼の痛みに代わりはない。
不死性がなくなる事こそが彼の救いでもあるのだ。
だが、その不死性の減少を止めてでもやらなければいけない事がある。
彼は彼の心を引き継ぐ者達を逃がす為に、別に望まれてもいないのに
最後の命の蝋燭を最大限に燃やそうとする。なんてヒロイズムだ。

かっこいいぞローガン。
かっこいいぞヒュー・ジャックマン。
ヒーローはどれだけ相手に対して殺傷能力を持つかではない。
ヒーローはどれだけやせ我慢をして、他人に幸せを授けられるかだ。
そういう日本人的な英雄観に実によく合う男だった。
だから、かっこいいに決まっているじゃないか。

ヒュー・ジャックマンのかっこよさに拍手し、
パトリック・スチュワート(プロフェッサーX)の病気に戸惑い、
ダフネ・キーン(ローラ)のじゃじゃ馬っぷりを微笑ましく見た。

S的な要望かもしれないが、
もう一つくらい最悪なヴィランを用意してもらいたかった。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜会員割引料金1000円。
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LOGAN/ローガン@ぴあ映画生活
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LOGAN/ローガン@映画のブログ
LOGAN/ローガン@ペパーミントの魔術師
LOGAN/ローガン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『スノーデン』『シチズンフォー スノーデンの暴露』を新文芸坐で観て、補完しあういい二本立てだふじき★★★,★★★

新文芸坐が企画したスノーデン二本立て。

◆『スノーデン』『シチズンフォー スノーデンの暴露』
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▲『スノーデン』のJGL。『サンダーバード』のブレインズっぽくもある。

五つ星評価で【★★★,★★★面白すぎはしないが大事】
『シチズンフォー』がスノーデンがアメリカ政府の違法情報収集を告発したドキュメンタリーフィルム(告発先がドキュメンタリー映画作家)。『スノーデン』がその事件を題材にオリバー・ストーンが告発者の半生を元にして作った実話ドラマ。互いに補完しあう内容になっているので実にいい二本立て興行である。

『シチズンフォー』はどのような違法が行われているか、その違法を告発する為にどういう手段を講じなければいけなかったか。『スノーデン』はその告発を中心としながらも、何故、告発に及んだのか過去の略歴を詳細に追いながらドラマ仕立てにしてスノーデンの内面を描いている。結局、違法に情報を収集される事の何が恐ろしいのかを的確に描いている。
いともたやすく鼻くそをほじくりながらでも入手できるプライバシー。悪用されないという前提があるから特に気にしていないが、有事の際は悪用されてもしょうがないと具体例を付きつけられると、異常である事がよく分かる。

自国の情報を盗むのは制約があるが、他国の情報は盗み放題。日本に対するアメリカの利用の仕方も実に「そんなだろう」という感じだ。こういう世界は怖いがSFではなく、もうそういう世界にこの世界はなってしまっているのだ。

まあ、『ボーン』シリーズとか見ると、もうどんな情報でもCIAは使い放題だから、フィクションの世界の方が図らずも現状を上手く把握出来ているのかもしれない。それにしてもこんなに適当にプライバシーが扱われているとはフィクション側でも思ってもいなかったろうが。

ニコラス・ケージがクセ者役で出てくるのは嬉しい。やはりそういう空気がある。
最初の上司役のリス・エヴアンスも不気味なタカ派という感じで良い。

本物のスノーデンは若くて意外と爽やか。
スノーデン役を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィット。最初の軍人時代は何か粗悪なウッディ・アレンみたい。そして成長して告発する悩めるスノーデンになると、何となく東京03の角ちゃんに似てきてしまう。うーん、そら、何とも残念な類似だよなあ(角ちゃんには悪いがどう考えても残念でしょ)。

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▲リアル・スノーデン。BLの主人公にしたら受けそう。


【銭】
新文芸坐の会員割引300円減の1050円。

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スノーデン@ぴあ映画生活
シチズンフォー スノーデンの暴露@ぴあ映画生活

『惑星ロボダンガードA対昆虫ロボット軍団』『鋼鉄の巨人』をシネマヴェーラ渋谷で観て、こんなやろねふじき★★,★★

特集上映「甦る映画魂 The Legend Of 石井輝男」の1プログラム。

◆『惑星ロボダンガードA対昆虫ロボット軍団』
五つ星評価で【★★うんまあ】

懐かしいな、ダンガードA。
こんなのに石井輝男が絡んでるとは知らんかった。
名前貸しだけかと思ったら、どこまでかは知らないが手を出してるらしい。

それにしても動かないのだけど、キャラがアップの時の作画の力の入れ方が凄い。

TVのエピソードとは一切絡まず(確か新惑星一番乗りを目指すような話だった筈)
いきなり攻めてきた悪い宇宙人を退治しておしまいみたいな身も蓋もない話だった。
宇宙人の目的も地球人の食糧化ってベタなものだったし。
話の中で主人公の一文字たくまが命令破りみたいな事ばっかりやってる。
それが笑って許されるところが軍隊組織みたいな厳しさがなくてユルユルで、逆にいいのかもしれない。

昆虫人間のデザインがグロくっていい。


◆『鋼鉄の巨人 怪星人の魔城+地球滅亡寸前』
五つ星評価で【★★珍品】
なんか退屈。緩急がゆるいのかなあ。格闘シーンとか随分ユックリな感じ。

怪星人カピア星人のデザインとかなかなか良く出来ているが、
宇宙人というよりは妖怪っぽい。

ともかく変身した宇津井健がポヨンポヨンしててかっこ悪い。

「海底マ嬢」と変換しちゃいけないよな。ちょっと相手にして貰いたい気はするが。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
惑星ロボ ダンガードA対昆虫ロボット軍団@ぴあ映画生活
鋼鉄の巨人/怪星人の魔城@ぴあ映画生活
鋼鉄の巨人/地球滅亡寸前@ぴあ映画生活

『弁護人』をK's cinemaで観て、満腹なりふじき★★★★

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▲仲良し二人組。

五つ星評価で【★★★★ソン・ガンホ安全牌だなあ】
特集「彩プロ30周年記念特集上映」から1プログラム。
そら、ソン・ガンホにも外れはあるんだけど、泡吹くように叫び飛ばす系のソン・ガンホはあらかた大丈夫な気がする。
高卒で弁護士になり、コネも仕事もないので、住宅登記や税金コンサルタントなどの鼻つまみ仕事を大量に請け負って儲けていた成金弁護士が、恩人の息子の冤罪事件を機に国家を敵にした勝てない裁判に立ち向かっていく様子を描く。ソン・ガンホが粗暴で一見弁護士には見えないのだけど生活力がありそうで、いいキャスティング。弁護士だけど、高校の同期と飲んだくれるとコンプレックスで必要以上に学歴のあるものをけなしてしまう。うんうん、分かるよ、ソン・ガンホという気になる。
そして冤罪裁判。ソン・ガンホただのバカじゃない。一歩一歩劣勢から取り返していく。裁判ドラマとしてちゃんと面白い。
事務所番にオ・ダルス。裁判になってからは出番が少ないが(事務所番なので)、ソン・ガンホとオ・ダルスが二人で客を待ってる事務所って贅沢だ。



【銭】
当日一般料金1500円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
弁護人@ぴあ映画生活

『BLAME!』をシネ・リーブル池袋1で観て、濃厚なSFの香りが嬉しいぞふじき★★★

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▲「マスクを取れ」と言われて即座に応じる娘。「パンツを取れ」と言いたい。

五つ星評価で【★★★SFしてていいのだけど、謎がほったらかしなんだよねえ】
「人類が自動生成機能を持つ都市に害虫として駆除される」という設定がたまらない。
確かにこれは今、起きようとしている切実な問題なのだ。
人間と機械との間に明確な上下関係があるうちは大丈夫だった。
車は自分を運転する者に疑念を抱かない。
運転する権利(起動キーを持つ)さえあれば、運転者の資格は問われない。
相手がAIのような物になり、自分に命令を下しているものはいったい何者なのか、
その者の特定とは何を持って行われるのか、を悩みだすとこの映画の世界に近づく。
人間とは何かが失われた時代に繰り広げられる
人間に作られた人間以外を排斥しようとする機械と、人間だった者達の戦い。

人間は設定上駆除対象だから弱い。ビクビクしながら生きている。
そのままだと駆除されて終わってしまうので、冒険者の旅人と
村の深層に隔離されていた魔法使いを付けた。

この旅人と魔法使いの存在が現状を打破しようとする状況に上手く作用して、
物語を面白くしているが、彼等二人自身の存在の謎が解明されないのはマイナス。

でも延々と続くアクションや殺し合いは音楽のかっこよさも合わせてワクワクさせられてしまった。ちなみに3DCGで描かれたキャラクターはどれも似通ってしまい、その「声」だけでなくもう少し各々の個性を際立たせるべきだったと思う。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
BLAME!@ぴあ映画生活

『メッセージ』『花戦さ』をユナイテッドシネマ豊洲4,9で観て、両方コミュニケーションが大事だふじき★★★★,★★★

金曜日と土曜日に見た2本をまとめてレビュー

◆『メッセージ』
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▲白鶴「まる」にシン・ゴジラ第四形態が乗り移ったみたいな宇宙人のメッセージ。

五つ星評価で【★★★★宇宙人のメンタリティーにビックリ】
正体不明の宇宙人が「バカうけ」と言おうか、
黒い米粒と言おうか、スイカの種と言おうか、
『ゴジラ・ミレニアム』のオルガの乗ってきた宇宙船と言おうか、
まあともかく種っぽいのが12個12カ所地球に飛来してきて
人類とコミュニケーションを取ろうとする。

この宇宙人のコミュニケーション言語(音声と文字(但し、非相関))と
メンタリティーが独特で他にないのがちょっと興奮を誘った。
正確にはメンタリティ(心の持ち方)だけかな。
ちょっと独特すぎて想像しか許されない。きっとこうじゃないかなあ程度。
彼等に比べれば『2001年宇宙の旅』に出てきた謎の存在モノリスの方が
まだ人間的な思考に寄り添った存在に思える。この状態はとても面白い。
それはSFだから。
SFでまだ見ぬ謎や新たな概念を目にする事の何と減ってしまった事か。
久しぶりに見た事もない「珍奇」を味わった。星四つはそれに対してである。
しかしまあ、全てを知っている存在とはどんななんだろう。
少なくとも博打は楽しめない。出来事に対しての驚きがない。
彼等のようになる事が幸せとは思えないが、それを受け入れさせられてしまうのは
外見と内面の差はあるが『第九地区』を思いだしたりもする。

円状の言語は面白いが、紙の文化が前提にあるようにも特に思えなかったので、
あの言語は球状に展開するのでも構わなかった。
まあ、それは2Dで見せる映画には向かないからしなかったのだろうが。
映画で見せるのに向かなくて構わないというのなら、
言語自体が視覚・聴覚を基本とせず、嗅覚や味覚、触覚をベースにした物だってありえなくはない。嗅覚や味覚は自分達で容易に再現できないのでとても言語には向かない気がするが、仮に一定空間に特殊な粒子を噴出する事でそれらを自由に表現できるなら、言語化が不可能な理由はない。
触覚だって背中に文字を書くのを複雑にし、二次元バーコードみたいなスタンプを互いに押し当てあって話すとかだってできそうだ(タイトルは「メッセージ」ではなく本当は「マッサージ」なのだ(笑))。
こういう与太話を考えるのがSFの楽しみである。

PS 松本零士の『ミライザー・バン』はこのメンタリティーに似てるかもしれない。


◆『花戦さ』
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▲月代の採光と顔の影が統一されている点に注目。

五つ星評価で【★★★萬斎さんの演技が嫌いという事に気が付く】
今回、映画を見て分かったのが、私、萬斎さんの何時も同じで(除く『シン・ゴジラ』)、大小しか違いのない演技がどうも嫌いなのだ。
これは、竹中直人や染谷将太みたいに目に見えてリアリティのない独特な同じ演技をする役者がどうにも好きになれない。そのようだ。邪魔に感じてしまう。
なので、この映画の主役・専好の人の顔は覚えられないが芸術的才能だけは秀でている異能の男というキャラクターには惹かれる。だが、それを演じた野村萬斎の演技は嫌い。
華道サイドでは専好の非政治家的側面を埋める実務家的な相棒・専武(和田正人)と、彼の先輩らしい専伯(山内圭哉)この二人くらいしか出てこない。専伯(山内圭哉)なんかは出番も少ないのだけど、あの「いやですよお~」が抜群に良い。坊さんはもちっと多くて良さそうなのにこの二人しかいない。
「猿」が嫌いな豊臣秀吉の市川猿之助なんて皮肉で面白い。
佐々木蔵之介の前田利家は妙に魅力がなく、
吉田栄作の石田三成は田舎のおべっか役人みたいにイヤな八を好演。
千利休の佐藤浩市はちゃんとやってるけど、この人容貌が肉喰いそうな感じで獣っぽくて枯れていない。お茶より侍っぽい。
映画は専好と利休と秀吉の命を賭けた三角関係みたいでもある。
そして、戦国時代の娘としてのリアリティが全くないのに、とってもかーいー森川葵はともかく目を引くカワイコちゃんである。

あと、花の映画だから当たり前だが、花が綺麗だった。
エンドロール見ると、ゴッソリ、ゾロっと華道の人々の名前、御苦労様です。
エンドロール最後に「完」が出て終わるのも気持ちいい。
マーヴェルだったら、スピンオフで石田三成が出る『関ケ原』とリンクさせる所だが、会社も違うからそういうのはなかった。なくてよかった。

そう言えば花の寺に出入りする近所の娘として『湯を沸かすほどの熱い愛』の伊藤蒼(次女)が出てた。

登場人物が花に囲まれているビジュアルのチラシ(↑)、チョンマゲの月代が皆、右上が光り、顔の陰影は左下に影が出来ている。生け花のようにかなりちゃんと計算されて写真が配置されているように見える。


【銭】
『メッセージ』:ユナイテッドシネマ会員感謝デー(毎週金曜)で会員1000円。
『花戦さ』:年会費更新時に発行された特典「映画1本を1000円で見れる券」を使って1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
メッセージ@ぴあ映画生活
花戦さ@ぴあ映画生活
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メッセージ@映画のブログ
メッセージ@ここなつ映画レビュー
メッセージ@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
メッセージ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
メッセージ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
花戦さ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『スプリット』をユナイテッドシネマ豊洲9で、『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』をHTC有楽町1で観て、どっちも変な英雄譚やねふじき★★★,★★★

異端英雄譚2本をまとめてレビュー

◆『スプリット』
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▲「俺も頭を丸めたんだから『ワイルド・スピード』に出させてくれよお」

五つ星評価で【★★★その落とし方は禁断やろ】
偉大なる導入部で、この映画1本では終わらず続編作成が組み込まれて決まっている。
これはこれで単品としてそうバカにした出来でもないのだけど(いやそうでもないか)、
やっぱりこういう変な作りの映画は抑制がかかってしまい好きになりづらい。
これはジェームズ・マカヴォイさんの演技力を確かめに行く映画。
それ以上でもそれ以下でもないものに、ラストに変化球的な落ちを付加した物。
チラシに「シャマラン史上、最も衝撃的なラスト」と書いてあるけど、それは違うと思うな。
なんにせよ、シャマランって自分の価値を上手く取り込んで宣伝するし、
それが成り立つだけの期待度をまだ失ってはいないのだと思う。
それって『シックスセンス』の衝撃からかなり立った今でも
まだ成り立たせてるのだから凄い。


◆『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
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▲個人的には「胸厚のトップレス女子」でもOK。

五つ星評価で【★★★後半は目が離せないが前半中盤は退屈】
街のゴロツキの主人公が初めて善意に駆り立てられ、
そこから偉大で卑小なチンピラ・ジンガロと対峙して、
その悪意を雲散霧消させるまでが最高に熱い。
だが、その熱い部分に到達するまでが長い。
主人公の能力、敵の能力ともに「単に力持ち」それだけなのだが、
上手くそれを使う事により、何と正しく英雄になり、怪人になる事よ。
単純だが、真摯であり、リアルを損なわない。とてもいいバランスの上に立っている。
日本は現在過去ともに英雄が群雄割拠しすぎたため、
このバランスを見極めるのが逆に下手なのかもしれない。

PS エンドロールにかかるアニメ主題歌と同じメロディーの曲の詞が
 ムチャかっこよくチューンされている。イタリアではこの内容らしいんだけど、
 ジーグの日本語の詞って初めて聞いた時、ぶっ飛び過ぎててひっくり返ったからなあ。


【銭】
『スプリット』:ユナイテッドシネマ会員感謝デー(毎週金曜)で会員1000円。+年会費更新料金500円
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』:テアトル会員感謝デー(毎週火曜金曜)で会員1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
スプリット@ぴあ映画生活
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ@ぴあ映画生活
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スプリット@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ@或る日の出来事
>皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ@ここなつ映画レビュー

『アイ・インザ・スカイ』『ヒトラーの忘れもの』『湯を沸かすほどの熱い愛』をギンレイホールで観て、痺れる痺れる変に痺れるふじき★★★★,★★★★,★★★★

◆『アイ・インザ・スカイ』
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▲何でも器用によう演じるわ。

五つ星評価で【★★★★ヘレン・ミレンの存在感が光る。ヒリヒリくる佳作】
ヘレン・ミレンの指揮官が効いている。
本来、この役は男の役者に振られるような役だし、
男の役者に振られたら感情的に好戦的に演じられそうな役だ。
ヘレン・ミレンは全く冷静に一個の部品のように演じた。
よい軍人は作戦遂行を目的とし、そこまでの最短距離をただ突き進む実務家だ。
彼女が被害予定の少女を見て思う事は、作戦遂行に支障を来たすかどうかでしかない。
基本、軍人(指揮官)は常に味方と敵の生き死にを計算して、
味方の被害の軽微である事、敵の被害の甚大である事を即座に求められる。
味方でも敵でもない被害者は作戦遂行においては無でしかない。

テロリストを討伐する為に、罪のない少女の命を晒していいか?
これは足し算引き算の問題ならYESだし、
彼女自身に取って彼女は他の誰にも代えられないという哲学に準拠するならNOだ。
答はない。
誰が誰を殺したという事実だけが残る。
その事実に対して言い訳ができるかどうかが現代の戦争だ。
言い訳ができなければマスメディアを介して敵につけこまれるし、
言い訳が出来ればマスメディアを介して敵の攻撃を無駄に出来る。
いまや敵の攻撃の成功は実際の殺傷人数の大小ではなく、
メディアを通して相手組織の国内・国外での支持率を下げる事なのだ。

戦争において命は取引材料でしかない。
そして予告でも流れているように、味方にリスクのない爆撃に対して
内部からも「恥じ入る作戦ね」という意見が出される。そんな事はなかろう。
要はこれは、やはりイメージ操作の問題なのだ。
被害に会うのが、年若い少女ではなく、アル中の老人だったらこうも問題にはならない。
テロリストは次は少女で弾幕を張るべきだ。

PS 若いテロリスト二人(テロ遂行犯)の生死が不明に思えるのだがどうだろう?
PS2 あの、どう見ても育ちの悪い工作員(バーカッド・アブディ)は
 『キャプテン・フィリップス』に出てたのか。
PS3 アイ・インザ・スカイ……大空の愛ちゃんかあ。


◆『ヒトラーの忘れもの』
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▲針みたいな鉄の棒を砂浜に刺して地雷を探す(超アナログ)

五つ星評価で【★★★★ナチスが埋めた地雷を掘り出されるために徴用されたドイツ少年兵。こちらもヒリヒリ来る実話】
より立場の弱いものに重圧は皺寄せされる。
それにしても扱いがひどい。
取り出した地雷を再利用する訳でもないのなら、
ローラーみたいな重しをつけて爆破させてしまうほうが安全だと思う。
ローラーや、重しになる物が持たないか。


◆『湯を沸かすほどの熱い愛』
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▲一見幸せそうだが、みんなそれぞれ決意を持っている。

五つ星評価で【★★★★宮沢りえと杉崎花】
余命二か月を宣告される宮沢りえはもちろん良いが、
それを受ける杉崎花杉咲花がやはり凄く良い。あの子、声がいいわあ。
鬼畜ではないので、杉崎花杉咲花の下着姿で興奮はしないのだが、
アレをやったらイジメはビビって止まるかエスカレートするか
二者択一の博打であろうから、今回はたまたま上手く行ったという事だろう。

母ちゃん(宮沢りえ)と長女(杉崎花杉咲花)と次女(伊藤蒼)&オダギリジョー
の関係性に驚いた。いや、よく練ってあるわ。
ラストは賛否両論だが、個人的にはどうでもいい。
サゲの為に落ちが必要なだけで、あそこはそんなに大事ではないと思う。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
『アイ・インザ・スカイ』&『ヒトラーの忘れもの』で一番組。
『湯を沸かすほどの熱い愛』は『永い言い訳』とカップリングだったけど、見直すには早すぎたのでスルーした。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場@ぴあ映画生活
ヒトラーの忘れもの@ぴあ映画生活
湯を沸かすほどの熱い愛@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場@ここなつ映画レビュー
ヒトラーの忘れもの@ここなつ映画レビュー

『私、違っているかしら』を神保町シアターで観て、意外と芋いかな?ふじき★★★★

特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★吉永小百合だあ】
1966年カラー、初見。

何に興味があったかと言うと、森村桂の自伝的小説を若い吉永小百合が演じている、という所。いい加減、映画マニアのような顔をしているが、違うのよ、シネフィルとかじゃないのよ。ただ、絨毯爆撃みたいに映画を見るのがやめられないだけなのよ。と言う事で、若い吉永小百合が出てる映画が初めてである。「今だって若い」みたいなオベッカは使わないわよ。彼女が21歳の時の作品。ちなみに芸歴は10歳の時からで、どの辺が一番の全盛期なのかはよう知らない(「今が全盛期」みたいなオベッカは使わないわよ)。

で、小百合様、思ったより芋かった。
武井咲にちょっと似てる。いや、大変失礼ながら武井咲の方が可愛い。
この吉永小百合の役がガッツのある素直なおっちょこちょい。若かりし頃の黒柳徹子とかみたいってか、人生に対する態度がまだ甘くって、若くって、弾けてて、表面は適当だけど、心根がいい女の子。えーと、まあ「ヤング」なんである。その「ヤング」な小百合様が就活の中で、あちこちぶつかって、ぶつかった分、ちょっと大人になって人生の展望を見据える物語。
それにしても、役柄が役柄だからなのかもしれないけど、たった一つもエロを感じさせるシーンがなかったね。まあ、小百合様は美人コースではなく、カワイコちゃんコースだから、真面目に人生を考えるたけで、エロい方向に行かんでも良かったんでしょうなあ。さて、決して大人しいばかりじゃない、どっちかって言うと規格外の女の子を演じてるのが面白かった。そんなキャラを作ったのは脚本家の倉本聰、長広明。



【銭】
神保町シアター当日一般料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
私、違っているかしら@ぴあ映画生活

PS 吉永小百合が就活をやってるのだけど、
 相手会社の人事担当者にあまりにタメ口なのも驚いた。
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