ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『死人にシナチク』藤井青銅、アニメージュ文庫を読書する男ふじき(ネタバレあり)

ライブドアブログで2012年4月8日に書きかけていた原稿。
5年前はまだ小説とか読んでたらしい(今はもう全然)。

アニメファンジン界を舞台に繰り広げられる国際謀略。
作者がこれでもかと小説内に小ネタをばらまくさまが涙ぐましくも面白い。

これを手に取って読む事が出来る人もそういないだろうから、
明確なネタバレを一つしながらくだらない話をダベらせてもらうなら、
短編3編が収められてるうちの2編目『死人にシナチク』内で、
麻薬をアニメカラーに入れて密売するエピソードが出て来る。

この文庫本の発行元である徳間書店と経営母体を一緒にする
ジブリ主導でアニメ業界が従来の手塗りからPC彩色に
変わっていった事を考えると、本当にアニメカラーに麻薬が入れられる
密貿易があり、それに基づいた内部告発が小説に影響を与え、
最終的にアニメ業界がクリーンになったんだったりして。

小説が書かれた1987年にはまだアニメ下請けを人件費の安い
中国に発注するとかいったグローバリズムはなされてなかったに
違いない。もし、なされていたら、話の展開が中国のアニメーターは
薬漬けで重労働させられてるみたいな方向に進んだだろうから
(それって阿片戦争的でもある)。

今現在でも貧乏なアニメ業界なので、
麻薬密貿易が行われていた方がみんな幸せだったりして。

あさりよしとお氏のイラストがいい感じ。
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『だいじょうぶ3組』乙武洋匡、講談社文庫を読書する男ふじき

手も足もない者が先生をやる、

その意義がビンビン伝わってくる。

読み物としての面白さを優先する為に
美談としてまとまりがちではあるが、
テーマをちゃんと語る為にはそれでよいのだと思う。

映画が楽しみだ。

文庫のカバーのど真ん中に写ってる、
いわゆる「ぶーちゃん」が誰よりもピントがあってるのが
物凄く写真技術の無駄使いであるように感じる。
ビリケンさんっぽいっちゃぽいから縁起はいいかもしれんが。

『極北クレイマー(上)(下)』海堂尊、朝日文庫を読書する男ふじき

  
海堂作品内でチョコチョコ話題に上っていた「極北事案」。
事件の中心である三枝部長はここでも主役たりえないので、
話が明解化するようでしなくて、何となくフラストレーションがたまる。
何にせよ、本来はこの中途半端な状態で終わる話ではないのだろう。
おそらく、題名を違えて続巻は出るに違いない。
それを待ちたい。

それにしても、あちこちの話が一気にここに繋がって来てるので、
記憶力の乏しい自分はとっても面食らう。
正直、付いていけてない。

多分、『螺鈿迷宮』から、悪役の怖い姉ちゃん、
『白鳥・田口』シリーズから姫宮、
『ジーン・ワルツ』から産科学会。
まだまだ他もあったり、いたりするかもしれん。
こんないろんなことが一度に同時並行で起こってるってのは
「ホントかよ」状態だけど、「ホント」じゃないからよしとしよう。

それにしても、面白いのは姫宮が出てるシーンなのだが、
姫宮は病院の中に着ぐるみが迷い込んでる様な状態なので、
出演シーンは見事に「リアル」が影をひそめる。
バリバリの絵空事になる。
飛び道具みたいなキャラだなあ。
あまりメインの武器としては使えない。
えてして、そういう奔放でありえないキャラの方が
リアルライフ同様、人からは好まれる。

ラスト近く、ジェネラル・ルージュのあの人がピンポイントで顔出しをする。

胸熱。

ああ、分かってるなあ。畜生。

『脳男』首藤瓜於、講談社文庫を読書する男ふじき

何となく読んでみた。

ひえ。

これ、映画化すんの大変そうだ。

謎が謎のままだし、起承転結がそんなに平たく普通の起承転結じゃない。
言わば、話のバランスがかなり悪い。
まあ、でも、どんな風に仕上げたか興味があるから映画は見るだろう。

『西原理恵子の太腕繁盛記 FXでガチンコ勝負!編』西原理恵子、新潮文庫を読書する男ふじき

  

細かすぎて文庫本のサイズでチマチマ読むのには適してないなあ。
単にサイズだけなら単行本の方がいいけど、やはり文庫は手に取りやすいからなあ。
  
新潮文庫からはサイバラ2冊目か。
サイバラはどこの出版社から出しても
出版社の色をサイバラが飲み込んでしまうから、
同じ版元にしか見えない。
これがオリジナリティと言う物だろう。

『ハイヒールで避妊して』水島裕子、マガジンハウスを読書する男ふじき

今はどうしているもんなんだか、

さばけたHな姉ちゃんだった水島裕子の処女小説集。
1990年の発行だから、もう20年以上も昔だ。

イメージに恥じず、とってもセックスな内容をあけすけに
ビジュアル化できるような比喩で描写する。

なかなかいい。

痛みを伴わない山田詠美という感じ。

『メイド喫茶で会いましょう』アールズ出版を読書する男ふじき

メイド喫茶をグラビアから、社会史、メイドアイドル変遷史、起業レポート、名店案内、メイドへのインタビューや投降などまで集めたムック本。1998年から2008年の10年間を描く(メイド喫茶誕生が書籍が発行された2008年で10年目の節目なのだそうだ)。

面白いのは起業レポート。
萌えビジネスとは関係のない普通の脱サラ社員が雇われ店長としてメイド喫茶を立ち上げ、惜しまれながら閉店するまで。怒られるのを想定であえて書くなら、とっても風俗チックだ。業態の話ではなく、アルバイトの個性を冷徹に見据えて、もっとも原価のかかる人件費をやりくりしながら、商品価値をどう高めていくかの戦略を立てていく構図が、とっても風俗に似ているのだ。「性」を売り物にしていないだけで、店舗が従業員を管理する仕組みは基本、変わらない。裏話はとても面白い。

『恋するおもちゃ』サタミシュウ、角川文庫を読書する男ふじき

  

ふーん、なるほど。

そうか、そう、落とすのか。

あっ、そんな落とし方をする構造にもなっているのか。
それは気づかんかった。
という訳で、青春SM小説、今回もなかなか堪能堪能。
話やキャラ設定に多少、無理があると思うが
プロフェッショナルな話の落とし方が今回は気持ち良い。

カバーの女の子が多分AV女優なんだと思うけど、爽やかで可愛い
(他の書評サイトを覗いてみたところ「有村千佳」というAV女優さんらしい)。


サタミシュウの事を前に書いた読書記事

『つむじ風食堂の夜』吉田篤弘、ちくま文庫を読書する男ふじき

映画を観て、八島智人の主役が正しいのか確認したくて原作を読んだ。

かなり前に読んだから、今ではかなり印象が薄いのだが、これだけは断言できる。

八島智人はミスキャスト。

映画を観た後にもかかわらず、明確に違う人物だと思えるってのは、原イメージと全く合わないという事だろう。努力はしていたと思うが、それで全て解決する訳でもない。

主人公の先生はもちっと茫洋とした影みたいな人物だと思う。

映画『つむじ風食堂の夜』の記事

『信さん』辻内智貴、小学館文庫を読書する男ふじき

かなり前に、映画観た直後くらいに読んだ。

随分、映画は膨らましたもんだなあ。
原作のままだと情緒を膨らませても30分くらいじゃないだろうか。
ラストについてもかなり違う。
でも、それが悪い訳ではない。

映画は監督、平山秀幸の物であり、
小説は原作者、辻内智貴の物である。
映画は、その小説を原案にしながら、
その時代全てを大きく描写するような作品に作り上げた。
小説はその時代の中に生きた一人の青年の無骨な生き方を
ちっちゃい宝石が人知れず輝くように書いた。

文庫に併載されている『遠い町』は朝鮮人の子供の話。
これも映画に吸収されてる。あのエピソードは好き。
ちなみに文庫の解説を書いるのは監督の平山秀幸。

そうかあ、この人は『セイジ』も書いたのかあ。

映画『信さん』のレビュー記事
ついでにセイジの記事

PS 文庫の表紙、首を切られたランニングの少年が波打ち際に立ってるみたいだ。
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