ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ハロウィン』渋谷シアターN・シアター1(ネタバレあり)

監督のロブ・ゾンビとは初めてのお付き合い。

やるなあ。

感情のない場所を移動する為だけのような歩行、断固として与えられる死。そして、人を越えているとしか思えない魔性の不死性。
ブギーマンがちゃんとブギーマンとして表現されている事に一安心(というほどシリーズを網羅して見ていないけど)。

ラストカットのモンタージュが凄い。
深読みが許されるなら、ブギーマンが欲していたのは、地獄の日常の中での、妹の泣き声。安らぎを得るためには、妹を追い詰めなければならない。何という業。

マルコム・マクダウェルがムチャクチャ爺になってたのにも驚いた。
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『ホームレスが中学生』シネマート六本木・スクリーン2

小池徹平主演の『ホームレス中学生』ではなく、本物のホームレスが主演の『ホームレスが中学生』。前者は中学生がホームレスになる映画だが、後者はホームレスが中学生になる映画。

涙を搾り取るような感動巨編ではないけれど、これはこれで実にプログラム・ピクチャーらしい小品で、ちゃんと楽しめます。

蛭子能収、パッション屋良、和希沙也の自己主張の低い客演もとてもいい感じ。和希沙也は美人女教師でそそるなあ。

『フレフレ少女』新宿ピカデリースクリーン10

やられた。やられた。思った通りガッキーにやられた。
定番に弱いよなあ、俺。

でも、あの、ちっちゃくって、どー見ても非力なガッキーが全力を出したり、むすーっとしかめっ面してるのが、実にたまらん。思った以上に「応援」が映画向きである事も発見だった。

ただ、どう考えてもアイデアを先取りしていた『団長ちゃん』の小野寺浩二ファンとしては、映画の一人勝ちみたいな状態はちょっと悔しい。

『崖の上のポニョ』パルコ調布キネマ

二回目。

前回、寝てしまったにも関わらず、ダメな映画と断言した事が正当だったかどうかを検証する為に、もう一回チャレンジした。その結果、「寝た寝た寝ちまったよお」と思い込んでいたものの、そう、熟睡していた訳ではなく、ほとんどのシーンは見覚えがあった。いや、見覚えのないシーンはなかった。心が死んでいたので、意味が分からなかったシーンは後半、何箇所かあった。

で、再結論。
アニメート表現としてはともかく、お話としてはつまらない。
御伽噺にせよ、ファンタジーにせよ、成り立つための、その世界のセオリーが語られていない。ポニョは何で魚になったり、人間になったり、半魚人になったりするのか。どんな魔法を使うと世界が滅ぶのか。薄ぼんやりとしか語られない。

映画にナレーションは付いてないが、もし付いていたら、こんな風に締めくくられたんじゃないだろうか。

「こうして、そうすけとポニョは何だかよく分からないけど、世界の危機を救って、この後もずっと幸せに暮しましたとさ」

どんな、御伽噺であっても、ナレーションに「何だかよくわかんないけど」なんて言葉の介入を許す話がいい話の訳がない。

※その他※
見ず知らずのフジモトに、そうすけが付いていかなかったのは教育的配慮として、とても正しい。
フジモトがそうすけに謝るのは何か違う気がする。

読書『ZOO 1,2』乙一、集英社文庫

短編集。

それぞれの作品には全く何の関連性もなく、いろんなタイプの短編が並んでいる。全て別人が書いたとまでは思えないが、あきらかに違う背後霊が乗り移ったような両極端な小説も収まってる。これで作者との相性を見なさいっていう初心者に親切な一冊(っつーか二冊)。

お気に入りは『カザリとヨーコ』『SEVEN ROOMS』『むかし夕日の公園で』。
最初にあげた二編、なんで、この人は、この世の中にこれ以上はありえない、理不尽な暴力環境を作り出せるのだろう。その環境の絶望の深さに思わず取り込まれてしまう。三編目はともかく見事だ。

読書『千里眼 優しい悪魔(上・下)』松岡圭祐、角川文庫

松岡圭祐は面白い。

角川文庫に来てからのファンで、角川文庫出版の物は一応、全部、読んでます。っていうのがカミングアウトみたいに、とっても恥ずかしい。だって、大の大人が読むような小説じゃないもの。これこそ、ホースオペラやスペースオペラの延長上の単なる読み捨て小説。だから、大きな声でこれ読んでる、と自慢するのはとっても恥ずかしい。

渋谷の交差点で白髪が混じった初老に近い男が
「ボクちゃん、ミニストップのベルギーチョコのソフトクリームが大好きでちゅ」と大声で絶叫してるような恥ずかしさだ。あ、恥ずかしいのは主に「でちゅ」か。

何で恥ずかしいかね。筋が行き当たりばったり。その癖、劇的。そして、ウンチクに左右される物語が、とっても「頭でだけ考えられた」感を満たしている。この辺だな。こんな都合のいいホラ話に踊らされてってところだな。

ああ、でも、俺は踊らされる木偶人形でいいや。それで充分だ。

主人公の岬美由紀を食うバイプレイヤー、ダビデがとってもいけてる。

女子大生会計士の事件簿・新刊

角川文庫の新刊。

あの「さおだけ屋は何故潰れないのか?」の山田真哉による連作短編小説。勉強になって、手軽で、面白いから読んでます。その最新刊。帯にドラマ化の文字。

ええっ。

主役は小出早織。

ええっ。

ぜ、銭形の雷ちゃんかい。
でもまあ、帯に付いてる写真を見たら、それなりにキリっとした表情で美人女子大生っぽく映ってるけど。何となく、もっとも違うタイプのグループから人選されちゃった気がする。にしても、製作はBS-i。そうかそうか銭形と同じラインか。ちょっと納得。

『三本木農業高校馬術部』渋谷東映1

普通にいい話。

実直なんだけど、予告編の情報通りに仕上がった映画という感じ。でも、エンドロールの馬術シーンのスナップを見ると、ただ単に普通に仕上げるだけでも、ジャッキー・チェンの映画みたいに見えない努力がテンコモリという事がよく分かる。

田舎者を演じさせたらギバちゃんは鉄板。

『ICHI』新宿ミラノ1(ネタバレあり)

贔屓目は勿論あるのだけど、綾瀬はるかは100点。映画は30点。

話はどこかから借りてきたような、よくある話なので、新味はないけど機能する。問題はその上で活躍するキャラクターが妙に今っぽくってリアリティーがない事。

特に中村獅童と大沢たかおが割りをくってる。
中村獅童は大ボス。爛れた顔のせいで仕官が出来ず、世を拗ねて夜盗の首領になった男。な、なんかちっちゃい男だな。強いだけの狂犬みたいな役なら別にその設定でいいけど、大ボスが、そんな不幸があったからぐれてやる、みたいなビーバップの悪者みたいな設定でいくのか。コメディーじゃないんだろ。
大沢たかおは子供の頃のトラウマで刀を抜けない侍。映画の2/3くらい、ずっと腰の刀を抜けずにウロウロチョロチョロしてる。子供じゃないんだから、石つぶてでも木刀でも戦う方法ぐらいあるだろ。侍ってそんなに刀に固執してなかった筈だぞ。

監督が新しい観客を牽引する為に、今までの時代劇にない新しいキャスティングを配した、と言う意見には賛成だが、ともかく、そんな意見は面白い話や魅力のある人物を作ってからの話だ。

『アメリカン・ティーン』新宿バルト9シアター1

ドキュメンタリーとは思えない濃密なドラマ感に眩暈くらくら。
金持ち女に怒り、オタクにシンパシーを覚えながらも、脳内で数千回のダメだしを出す。
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