『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦』の実写化。
いい点もあれば、悪い点もある。
が、単純に考えれば、そんなに期間が開いてないうちに作られたリメイクだ。後から作られた方の分が悪い。ストーリーに引っくり返るような大きな違いはないのだから、尚更だ。
なので、原アニメを観てなければ、普通に楽しめる娯楽作だと思う。
原アニメを観ていても、ガッキーのアイドル映画として観れば、そんなに損はない気もする。
メインの話は変わっていない。ただトリミング(抜き取り方)が違うので、映画全体のニュアンスはかなり変わって見える。
原アニメの中心人物は、しんのすけと又兵衛だが、実写では又兵衛と廉姫だ。この二人が引き立つようにトリミングを変えただけあって、この二人はとても魅力的だ。
ガッキー可愛いのだ。
基本的にこういう奥歯を噛みしめるような役が似合うのだな(ガンバリが似合う)。
ただ体格が現代っ子なので、和装は残念ながら、そんなに似合ってない。もうちょっと着付の力でどうにかならなかったかなあ。演技は打たれる。
で、草なぎ君もいい。この人はリアルに貧相な日本人の顔を持ってる。百姓っぽいイコール侍っぽいなのだ。素晴らしい貧相力だ。あ、誉めて聞こえない。うーんと、ウルトラ貧相。ゴールデン貧相。スーパー・アルティメット・グレートフル貧相。ともかく貧相さがピカ一だ。時代劇の主人公で、生え揃ってもいない、剃り上げてもいない、あの月代の汚さは画期的。
あと、大沢たかおの役はアニメと異なり、普通の武将になっちゃったので、悪役のカタルシスが全くなくってしまった。草なぎ君との殺陣も間合いが狭いし、何となく槍がペラペラしてて、どうも生彩に欠ける。
波岡一喜と菅田俊はよかった。
山城のビジュアルにちょっと感動。
戦場に車が現われて戦線を翻弄していくシーンの説得力がどうしても欠ける。あれ、単純にクラクションを鳴らすとか、轢かれちゃう奴を出すとか、アングルを考えるとか、もうちょっといい手があった筈だ。
【銭】パルコ調布キネマ会員割引で1000円
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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BALLAD 名もなき恋のうた@映画生活