ふざけます。ふざけずにいられるか、こんなベーシックでしっかりした映画。
『沈まぬ太陽』、太陽が本当に沈まなかったら、それは地球の自転か公転に何か異常が起きているという事なんだけど、そういう映画ではない。人類誕生の地、アフリカや、神の鉄槌が下ったかのような航空事故も描かれるが、別にパニック映画ではないのだ。
『沈まぬ太陽』。そう、略して『不沈太陽』。うわあ、一気にかっこ悪くなっちゃったよ。その『不沈太陽』だが、渡辺謙がかっこいい。ちょっと暴論かもしれないが、渡辺謙を撮ってさえいれば、映画として成立してしまうようだ。役所広司も同じタイプ。
そんな鉄板主役の裏を張るのが三浦友和。紳士服の宣伝に出てる時には全くそうは思わないが、映画に出るといい役者である事を再認識させられる。ああ、実生活では百恵と、バーチャルでは松雪さんとだなんて、うらやましいったらありゃしない。ただ、ラスボスとしては最後の倒れっぷりが中途半端だったのが、尺の関係だろうけど残念だ。
松雪さんもキャビン・アテンダントではなく、スチュワーデス(♥)、厚化粧に変な髪形で、友和に殴られる。ほとんどプレイだ。いいなあ。映画を観ていて、友和の妻と勘違いしていた。愛人役である。失礼な物言いだけど、松雪さんには愛人がよく似合う。愛人になる為に生まれてきたんじゃないかとさえ思う。いいなあ(♥)。
戸田恵梨香100点。日本人だったら戸田恵梨香みたいな娘を持ちたくなる。それが日本人だ。日本人でよかった。
あと加藤剛がどこからどう見ても、物凄く爺になってて怖かった。
痩せ具合が最期の丹波哲郎に似ていてやばい。
そして、ずっと生きてきたにもかかわらず、驚くほど生活感がない。まるで生まれてからヨボヨボになるまで、ずっとガラスケースの中で育成されたみたい。このまま生き続けるなら、ちょっと独特な役者として特殊な位置に君臨しそう。あ、骨格とか全然違うんだけど加藤嘉っぽい。
小林稔侍もよく老けた。こっちは清濁合わせ持つ俗物爺。もう何かにつけ「キケロ人のジョーの癖に」なんて言う奴は、日本で100人くらいにまで下がったと思うんで、安心だ。
映画は長いけど、飽きさせない。面白い。
燃費がいい映画だ。
ラストの閉じ方は理屈は合ってるかもしれないけど、理屈だけの話で言うなら『幻の湖』のラストだって理屈は合ってる訳だから。おそらく原作がそうであったとしても、映画は別のラストを選ぶ選択肢はあった筈だ。
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▼作品詳細などはこちらでいいかな
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沈まぬ太陽@映画生活そうだ。アフリカでグラサンかけてる渡辺謙が何故だか「たむけん」っぽくって、「ちゃー」とか言いそうだ、とか思ったのは私だけだろうなあ。いや、別に同意はいらない。