絶賛公開中の『川の底からこんにちは』の新鋭・石井裕也監督作。
うーん、なんか合わない。
つまんなくはないんだけど、
何となく乗り損なっちゃった感じ。
冒頭、主人公の二人は田舎から東京に駆け落ちするが、
二人はどんな関係で何故駆け落ちに至ったかは明らかにされない。
明らかにされんでも、話は進んでいくし、
別に観れん事もないんだけど、
だったら中途半端に田舎のシークェンスとか
いらないんじゃないの?
ライト・コメディーなんだって言い切ってしまえば、
別にそれで終っちゃう話だけど、コテコテのギャグ映画じゃないなら、
そこそこの現実感やキャラクターの土台は必要だと思うのだ。
立脚点のないところに笑いを構築するのは難しいから。
それぞれの立場が明らかにならないと
「変な人がいっぱいいました。終わり」になっちゃうと思うのだ。
二人の生活感にしても、
関わってくる小学生にしても、
あちこちで現実感が漏れている。
その「漏れている」ところが魅力って言われちゃったりするのかもしれないが、
ああもう、やっぱり「合わない」としか言いようがないなあ。
それでも、きっと満島ひかりちゃんが主役だったら
いい映画って言っちゃう気がする。
いいかげんだなあ、俺。
って具合にいいかげんなんで、新鋭監督の新鋭具合は各自、自分で確認すること。
個人的にはユーロスペースのレイト裏番組でやってた『ユリ子のアロマ』の方が
ベタで稚拙っぽい空気ながら好き。
レイト裏番組は北朝鮮の怒号いきかう『クロッシング』に変わってしまったんだけど、
あの映画をレイトで観た後、夜、帰る足取りは重そうできついなあ。
【銭】ユーロスペース、会員割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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君と歩こう@ぴあ映画生活PS とっても不純な物言いをしておくと、今、これを観ておくと
監督が後から凄く有名になった時、オタク的に「俺が育てた」調で
威張った言い方ができるぞ(何となく監督偉くなりそうな気がする)。
否定的な物言いで、こんなに引っ張って書かんでもいいよなあ。
うわあ、本当にごめんなさい。