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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『恐怖』をテアトル新宿で観る男ふじき(バリバリにネタバレ)

予告の怖さが半端じゃない。
だけど、本編は何故、そういう展開になるのかを全く説明しないまま
猛スピードで駆け抜けてしまい、その猛スピードから振るい落とされた観客が
あちこちにうんうん唸っているという惨憺たる映画になってしまった。
映画って難しい。

基本的に、『2001年宇宙の旅』を代表として、
「わからない映画」というのはありだと思うのだけど、
それは分からない部分を自由に解釈できるように作るという事であって、
語られるべき部分を放置して、何から何まで分からないように作るという事ではない。

ホラーという作品の性質上、その全てが語られない方が
「より怖い」という作り方がある事は分かる。
過度に語られる事は恐怖感の減退へと繋がるのだ。
ただ、それにしても何を語り、何を語らないかの匙加減がメチャクチャだ。

もう、ここからはバリバリにネタバレで行くので、無駄に情報を仕入れたくない人は読まないでください。

さて、じゃ、何が整理されてないのだろう。
●基本的な部分
脳のシルビウス裂という部位に物理的な刺激を与える事で幽体離脱感覚を伴う幻覚を催させる機能がある、としている。この作用が幻覚であるか、幻覚以外の何かであるかが、映画の中では明確に分からない。この根本的な部分がはっきりしないまま「その先を行く」実験が続けられてしまうので、迷子になってしまうのである。

どうやら、医者側は「単なる幻覚」と推測していたのに、シルビウス裂刺激により「世界その物の成り立ちに影響を与える」らしい事が分かってくる(そうなってるらしい事は、映画内でほんのちょっとしか触れられない)。ここで、医者はおののいているだけで、元からの仮説を否定もしないし、新たな仮説の展開もしない。医者陣を数多く配置した意味が全く分からない。

話の展開から、シルビウス裂刺激による幻覚は幻覚ではないようなのだが、では、幻覚でないならそれは何であって、何故、そのような状態に被験者が落ちるのかが全く説明されない。シルビウス裂を刺激する事で異界への扉が開くという設定であるなら、それはそれで構わないのだが、それなら何故、シルビウス裂を刺激すると異界への扉が開くかが説明されないといけない筈だ。じゃないと、それはアナルを刺激したら異界の扉が開いてしまったというのと同レベルの与太話になってしまう。いや、もしかしたらそっちの話の方が面白いかも。

●フィルムの発光
戦中の人体実験に対する映像を見ていると、映像から光が溢れ出る。
この光を見た者は異界との接触がしやすくなるらしいのだが、
その光が「何」であって、「何故」それによって異界との接触がしやすくなるのか、
姉妹二人がそうであって、片平なぎさがそうでないらしいなども曖昧。

●自殺願望者
シルビウス刺激に対する実験を行う為、被験者に自殺願望者を選ぶ。
自殺願望者を被験者と仕立てる為に、自作自演でネット募集までする。
何故、「自殺願望がある者」が実験に必要なのかは理由があるのかもしれないが語られない。

「死者=肉体を持たない存在」から、幻覚の内容を確認する為だろうか。
それにしては、幻覚内容がどのような物であるかの聞き取りをしてる様子が全く見られない。バックヤードでやってるにしても、映画の中で語られなければ、映画ではやってないと同意である。

そもそもシルビウス裂への刺激が一時的なものなのか、機械の埋め込みによって定期的に刺激され続けるのかすら観客には不明である(それはモノクロフィルムの人体実験の時点で同様なのだけど)。

●姉妹の関係性
妹が姉に対して「もう私は妹ではないの?」発言。
そのままほったらかし。
何故、姉は姉妹関係を断絶しなければならなかったのかが不明。
新しい妹が増えるなら、単に増やせばいいのであって、従来の姉妹関係を崩す必要は特にない。

恋人を寝取られたからか?(そんな青春ドラマみたいな側面ともとても思えないが)

●妊婦
妊婦の妊娠は異界との交流で得られたとしている(『リング』の貞子と全く同じ設定)。出産が行なわれるが、生まれた子供が波みたいな物なのか、なんか他の物なのかが不明。これは語られ方がどうとかじゃなくって、実は単に私自身が朦朧としてました。すんません。ただ、出産を契機に何がどう変わったか、バタバタしてよく分からなかったのも事実だと思います(多分、自分の朦朧だけの問題じゃないと思うな、自分を擁護しておくと)。

●波
あの「波」が異界の「魔の物("もずくとかキュウリとか""それは酢の物だ!”)」らしく、異界の物表現としては「割とかっこいいぜ、BABY」なんだけど、結局、あれが「魔の物」との断定はなかったんじゃないだろうか(もう後半ヘロヘロだから、自分の認識力も怪しいんだけど)。追っかけてきてたけど、つかまったら、どうなるかってのもよく分からなかったし。案外、ミスト・サウナみたいで単に気持ちいいだけかも。

●刑事
終幕近く、自殺者が車から運び込まれ、劇中事前に殺されていた筈の刑事が生きて出てくるシーンがある。これは誰かの脳内の妄想なのか、これ以外が誰かの脳内の妄想なのか。

●結論
いや、わかんないでしょ、こんなに何もかも曖昧では。
それは恐怖の為に曖昧にしてるのではなく、
単に語られなければいけないところが剥落してるから。
そうとしか思えない。



【銭】
友達のいのちゃんにおごってもらった。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
恐怖@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事にトラックバックを付けさせて貰ってます。お世話様です。
恐怖@カノンな日々
恐怖@うまい棒めんたい味の如く映画を語る

PS 片平なぎさと中村ゆりと藤井美菜はいい演技を披露してました。
 特に片平なぎさは半端なく強烈。
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共通テーマ「夏らしいこと、しましたか?」に心が「♪るーるーるるるー」な男ふじき

夏は似合わないんですよ。
 
ショッカーの怪人にナメクジラーってのがいたけど、
あいつだって、梅雨に活動をしても、夏は活動を控えると思うんですよ。
 
だから、海にも山にも出かける予定はないし、
花火もしなければ、木の棒で西瓜も割らないし、
金属バットで頭だって割らない。
 
だってイヤでしょう。
人間大のナメクジが海に行ったり、山に行ったり、
西瓜を割る木の棒にビッシリ付いてたりしたら。
 
なので、もうちょっと涼しくなるまで大人しくしてます。
 
ああ、次の共通テーマが
「いやらしい事、しましたか?」だったら、
場が荒れて、面白いのになあ。