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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『レッド・オクトーバーを追え(上下)』トム・クランシー 井坂清訳 文春文庫を読書する男ふじき

アメリカとロシアならざるソビエトが
冷戦していた時代の小説なのだから、
考えてみればもう大昔だ。

そこいらの青年、少年に「ソビエト」って
聞いても知らないかもしれない。
1985年の小説で、コンピューターに
関する記述の古さなんかが読んでると目立つ。
1985年に書かれたんなら、まだパソコン黎明期で
ハードとしてのワープロが幅を効かしていた時代だろう。

上巻43ページの記述によるとジャック・ライアン氏の家庭には
コンピューターがあり、そのコンピューターで論文を書き、
ディスク・ドライブに保存し、コマンド投入で印刷を行なっている。

機能としては限りなくワープロに近い。
ディスク・ドライブがあるから
フロッピーディスクを使っている事は確かだが、3.5インチである保証はない。
5インチとか8インチのペラペラの使いづらいフロッピーかもしれない。
あんなん家庭に置くのいやだよなあ。
あれ、もしかしたらフロッピーそのものをしらない世代もいるかな。
単にディスクと言ったらCDもMDもDVDも、
レーザーディスクですらディスクだ。

LD標準搭載のパソコンって時代がずれてたらあったのかもなあ。

磁気テープのテープデッキを搭載して、ラジカセ化するパソコンとかも
時代がずれてたらあったかもなあ。

さて、印刷するのにコマンド。DOSコマンドだな、きっと。
するとWindowsマシン以前。マルチ画面なんて夢の夢だろう。

古い。

ネットワークが繋がっているかも不明。
電話回線で必要時にだけ接続というスペックだろうが、
主に論文記述に使っているなら、
論文のテキスト量が当時のDOSマシンの
通信サイズに見合っていたとも思えないから
スタンドアローンの独立タイプとして使っていると考えるのが自然だ。

パソコンだけど機能はワープロだな。

笑ったのが「スクロール」を訳せなかったらしくて
(いや、コンピューターが一般的じゃなかった時代だから、しょうがないけど)
「順次記入」という言葉に「スクロール」とルビが振ってある。
意味、微妙に違うよね。

ディスクから文書を読み込んで、読み込んだ文書をカーソル
で指定して、(スクロールしながら)文字を反転させて、
選択対象として印刷を行なった、という動作らしい。

「順次記入」は厳しいな。

ちなみにネット辞書だと
「コンピュータなどのディスプレーに
表示されている文字や図形を、
上下または左右に移動させること。」

なるほど上手い記述だ。


原作読むと、ジャック・ライアンにハリソン・フォードは
見事と言えるくらいのミス・キャストだという事がよく分かる。
マネーゲームで儲けすぎる事に飽きてCIAに来たなんて
全くハリソン・フォードっぽくない。

映画と小説は山場の張り方が違う。
映画は亡命前に最大の山場があり、原作は亡命後に最大の山場がある。
これは山場を移動して、単純明快な筋立てに変えた映画の脚本家が偉い。
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