今敏追悼三本立て。
早稲田松竹はフットワークが軽いなあ。
それにしても、アニメはファーストラン以降、
映画館で掛かりづらい状況にあるけど、
こんないい映画ですら映画館で観れないのは
明らかに間違えている。
『東京ゴッドファーザーズ』なんてファーストラン以来、
初めてかかるんじゃないだろうか?
勿体無い。
◆『パプリカ』五つ星評価で【☆☆☆夢で戦闘する場合、何でもありになっちゃうので勝敗が分かりづらい。表現の羅列になってしまうと、飽きやすくなる。何かルールを決めて戦いを行なうべきだろう】
確か、3回目。
回数観てくると感覚が磨耗して、ちょっと退屈してしまった。
見直してみるとアニメートとか物凄く上手い。
エンディングの音楽が気持ちよくってとてもお得感ありありで終るのがいい。
◆『千年女優』五つ星評価で【☆☆☆☆凄いけど、ずっと繰り返しだから、中盤はちょっと冗長】
2回目。
アニメーションでフェイク・ドキュメンタリー。
もし本当にモデルになる女優が実在していて、
ちゃんと全部元になるインタビューがあるとか言われても
そんなに驚かない。
それくらいちゃんと出来ている。
これが2001年の作品だ。これから約10年。
アニメはこれ以降、目立った進歩をしていない気がする。
3DだCGだって、作品の中にそれを持ち込む必要があって
やってるとも思えない。どちらかというとコスト的な問題だったり、
興行的な問題だったりって側面の方が強いだろう。
・・・
主人公が宇宙に飛び立つところで、不覚にも涙腺が緩んだ。
主人公が今敏と被ったからだ。
エンディング音楽でゴージャス感、際立って気持ちいい。
◆『東京ゴッドファーザーズ』五つ星評価で【☆☆☆☆☆ただただただただ面白い。技巧は素晴らしいが特別な事をやってる訳ではない。ようするに円熟なのだ】
初めて。
ああもう、なんて面白いんだろう。
脚本が面白いんだ。
そしてキャラが立ってる。
性善質的な視点がたまらない。優しいなあ。
アニメではなく実写で撮るべきという意見がある。
普通、「人間の情」を見せるような映画の場合、
肌がのぺっとしてるアニメより、
肌の皺とかが語りかける実写の方が、確実に有利。
だから、普通は実写で撮れる物はアニメで撮るべきではない
という意見には賛成なのだが、これはどうでもいいや。
どっちでもいいや、これぐらい面白いなら。
この場合、実写にする事によるデメリットもあるし。
若い女の子が演じるミユキはともかく、
リアル浮浪者のギンちゃんやオカマのハナちゃんは
中途半端な役者が演じるとキャラに嫌悪感を抱かせてしまう。
アニメで描く場合と実写で描く場合では、人としての色の濃さ薄さが違う。
濃いばかりがいい場合ばっかりでもないのである。
ムーンライダーズが歌うEDの第九もオマツリっぽさにあふれてて元気が出る。
【銭】早稲田松竹、映画ファン感謝デー割引で800円。激安だなあ。
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パプリカ@ぴあ映画生活・
千年女優@ぴあ映画生活・
東京ゴッドファーザーズ@ぴあ映画生活▼三本とも古いから初期トラックバックは今回、特につけません。
おっと、最後に「ありがとう早稲田松竹」
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至福の二本立てでした。
そして、ギンレイホールらしく完全満席。
座席脇通路もみんな劇場の座布団敷いて全部埋まった。
人がいっぱいいる劇場はいいな
(それなりの不埒者が混入しちゃうのは致し方ない)。
◆『モリエール』五つ星評価で【☆☆☆☆ちょっと見事な出来】
ああ、三谷喜劇みたい。
つまり、そんな映画です。
それだけ分かれば安心して見る事が出来るでしょう。
唯一、主役を演じるロマン・デュリスの
清潔感のないヒゲ面が個人的にはイヤだったな
(面白さには関係ないところで)。
パラジャーノフの映画の眉毛繋がりみたいな
不用意に武骨なイメージがうざったいっつうか、
うーん、説明できん。
たまに観るフランス映画で、気になる3枚目を演じるのに出会う
ファブリス・ルキーニがとぼけた頭の悪いお金持ちのお人好し役で、
人生一番のひどい目から、それなりの威厳を持って立ち直る様が良い。
で、そのファブリス・ルキーニを貶める原因にもなる
悪意のさほどない悪女リュディヴィーヌ・サニエ、
心のない役をやらせたら絶品だ。
心のない女優グランプリとかあったら彼女に贈るよ(嫌がられるって)。
PS そうそうトリビア的な話として、
「江守徹」の芸名の由来は「モリエール」なんだそうですが、
それなら「守江ルー」という芸名にして英語交じりで喋るのが
本当じゃないだろうか?
◆『オーケストラ』五つ星評価で【☆☆☆☆星五つにしないのはラストでおなかいっぱいだけど、それまでが割といい加減だから】
騙される。
これは実はそんな大した映画ではないと思うのだけど、
ラスト12分の演奏が素晴らしすぎる。
つまり、矢口史靖の『ウォーター・ボーイズ』
『スウィング・ガールズ』にニアな構成。
ラスト近くまではダメ野郎どものコメディーとペーソスで笑わせ、
最後のトリで、映画でしか見せられないものを見せ付けて感動させる。
いやあ良かった。
ジャケ役のメラニー・ロランのたたずまいの美しいこと。
あまり、普段、プログラムの類いは買わないのだけど、
思わず買ってしまったら、メラニー・ロラン大して載ってない。
いらん、いらんよ。ロシア人の写真は
(全部とは言わんがそんなにいらん)。
【銭】ギンレイホール、会員証で入場。
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五つ星評価で【☆☆☆総論普通、キャラは極上】
はっきりしないところも多いけど、
キャラが魅力的だから嫌いじゃない。
大嫌いな『パビリオン山椒魚』と同じ監督とはとても思えない。
浅野忠信:えーと、えーと、えーと、時代劇をやる時の中村獅童に演技が似てない?
美波:この映画を何で観たかっていうと、ポスターに映ってる
美波ちゃんのトレパン越しの尻がでかくってエロかったからだ。
その辺は置いといて、オロオロしながら、最終的に
お茶の間の全てを修羅場に変えるのがオモロイ。
浅野が追求する罪以外の全ての罪は美波ちゃんに起因する。
小池栄子:漫才で言うところのツッコミ、つまり常識提示。
単に常識の指標でなく、強調されて超常識スレスレだ。
山田孝之:ダメ男づいてる。
あとは感想の断片。
美波ちゃんのオドオド演技が面白くてたまらない。
対極を張る小池栄子の正義の暴風雨みたいな真っ直ぐな表情もたまらない。
「ゲーム人生」って言うな。
許可を取って、ちゃんと「人生ゲーム」って言えよ。
林檎って罪の果実(アダムとイブの原罪)のメタファーか。
美波ちゃんの「奈々瀬」は「七生報国」からだったりして。
つまり、全体への献身の象徴。
すると「番上夫婦」は「盤上夫婦」。
ゲーム盤(人生ゲーム)の盤上にいて、普通に人生を送る夫婦。
浅野の山根は、マヌケだから「マ」を抜くと「ヤネ」→「屋根」。
屋根裏に潜む覗きの象徴。
【銭】パルコ調布キネマの会員制度の系列館割引で1300円。
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乱暴と待機@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HPPS 「いやあ、『暖房と大気』なんて言うから、
エアコンか何かの映画かと思ったよ」