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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『おとうと』をギンレイホールで観て、洋次を上から目線で叱る男ふじき☆

五つ星評価で【☆そこそこ面白いけど、誉めちゃいかんと思う】
  
  
古い。

新しければそれで全て御赦免でもないし、
山田洋次に『RED LINE』を撮ってほしい訳でもないけど、
このあまりの古さを「これが今」で、
「これが今でなければ、単に若者が間違えてる」
みたいに堂々と主張されても困る。

なあ、洋次。
これ、高度経済成長期の頃の話だよな。
携帯電話が出てきたのは見間違えだよな。
だって、あれを今って言い張るのは、
どうしてもおかしいところがポロポロあるよ。
外人が撮ってるんじゃないんだし、
普通に日本語喋れる人間が撮ってるんだから、
その辺はちゃんとリサーチしようよ。
「バツイチの私が行ったらみんな気まずいでしょ」
んな事、言わないよ。
少なくともあの深刻さでは言わないよ。
バツイチで村八分されるような時代じゃないし、
村でもないんだから。あ、村なのか?


なあ、洋次。
どこか、おかしいって誰も言ってくれなかったのかい?
小百合さんだって綺麗だけど、
蒼井優の祖母でもおかしくないだろ?
なあ、洋次。何で小百合さんに林檎の皮を剥かせたんだ?
皮が厚くって勿体無いよ。必死で100万貯める人の
林檎の皮の剥き方じゃないよ。
いまや100万じゃ薬局店舗の改装も難しいだろうし。
100万って言えば、蒼井優ちゃんの旅費にしかならない額だよ。


なあ、洋次。
なんで、小百合さんは鶴瓶にああまでしなくちゃいけなくって、
義理の母親には冷たかったの? 血?
血でしか繋がっていないなら、
最後に3人集まるのは黒ミサみたいでちょっと怖いなあ。
小百合さんの役を大竹しのぶとか、もう少し
生臭い人が演じてたら、鶴瓶と近親相姦を疑っても
おかしくないくっ付き方だよ。


なあ、洋次。
一人で撮るなよ。
なあ、小百合。
一人で演じるなよ。
今時「ゆうもあ」なんて
言わせちゃいけないし、言ってもいけないよ。
小学生とか、言葉知らないと思うよ。


有能な役者陣を大量投入して、
脚本の隙間をその役者陣の演技と存在感で
埋めるようなのは間違えてるよ。


不満点まとめ
①背景が今なのに、今と思えない描写が多くドラマへの没入を妨げられる。
②鶴瓶のダメがリアルすぎて「見捨てられない困ったちゃん」の域を越えてしまっている。
③吉永小百合の鶴瓶に対する態度と義理の母親に対する態度が違いすぎる。
④蒼井優の役って、最初の騒動を亡き夫の13回忌に持ってくれば、実はほぼいらないかも(いや、蒼井優は好きだけど)。
⑤恵まれた者達から見た「可哀想」という評価を最後にひっくり返すような事をせずに、「本当に可哀想な人でした」を貫き通すという締め方でいいの? 普通は「でも、一面×××なところもあって」とかフォローが入るのが普通だけど。


クマネズミさんのブログ「映画的・絵画的・音楽的」の記事の中で、
評論家の前田有一氏の言葉を次に孫引きしちゃうと

「奇手に逃げず、昔ながらの定番の技術のみで、堂々と見せる風格ある映画という意味で」、「これこそ横綱相撲だなという感じを受ける」

なんて言ってるんですが、

逆に、どんな年になっても「奇手に逃げながら、褌担ぎのような相撲」を取る事の方がいかに大変で偉大である事か。横綱相撲を取り続ける事もできたのに、そうもしなかった深作監督を思いながら、洋次も自分の作ったフォーマットの再生産のみを行なうような生き方で楽しいのかなあ、などと上から目線で思ってしまいました。



【銭】
ギンレイホールの会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
おとうと〈2010年〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期トラックバックを付けさせて貰ってます。お世話様です。
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