『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』の妻版。
「西原」「鴨志田」と本名を使っているだけで、
この妻版の好感度が簡単に上がってしまう。
原作その物は読んでないが、原作者の無頼なペーソス感覚が好きなので、
ちゃんと「西原」名義で描いてもらったのはファン心理として嬉しい。
小泉今日子が実に堂々「おかしゃん」を演じる。
「母」だなあ。
あの、どっしりしっかりしたところがリアル。
夫版で西原を演じた永作には天才を感じたが、
この小泉には秀才の確かさを感じる。
永作の方が夫婦の妻としての顔、小泉の方が親子の母としての顔、
二人合わせてハーフ&ハーフがリアルなとこかもしれない。
いや、本物の西原はマス・メディアでしか観た事ないから、分からんけど。
夫版で鴨ちゃんを演じた浅野忠信もうまかったが、
妻版の「おとしゃん」永瀬正敏もうまい。
あの、いつも怒っているような弱さが凄いリアルだ。
怒らないといれない人だったのだろうな。
このリアルな夫婦二人の熱演のもと、
リアルじゃないホワホワしたマンガのような日常が描かれる。
日記チックというか、割と映画としては変なテンポの映画だった。
でも、これも染みた。
みんながみんなをちゃんと思ってる。
とても当たり前のことだけど、それが空気のように充満している。
小泉今日子は『グーグーだって猫である』に引き続き、マンガ家の役だ。
よし、これでもう一本何かマンガ家の役をやったら、
「日本の母=宮崎美子」みたいなオファー路線ができるかもだぞ。きっとできないぞ。
にしても『グーグー』のマンガ家とは全く生活が違う。
マンガ家と言ってもさまざまだ。
『グーグー』のアシスタントは森三中と上野樹里。
実務はこなすが、決定的な部分で何となく使えない感が漂う。
『毎日かあさん』のアシスタントは田畑智子。
スーダラな先生のお守役に智子ちゃんがピッタリだった。
天下の田畑智子に演じられたんだから愛ちゃんも幸せだ。
ああ、俺も俺を田畑智子に演じてほしい。いや、なんだ、そうじゃないな。
そして凶暴なほど「おとしゃん」とのたまう女の子が可愛い。
もう、日本全国、父母を呼びかける言葉は
「おとしゃん」「おかしゃん」に統一してもらいたい。
言わない奴らは銃殺刑だ。
そんくらい可愛い。
子はカスガイ。
子供がいなくてキョンキョンと永瀬二人だけだったらきっつい映画に違いない。
まあ、その時は演技プランだって変わって全然違う映画になるんだろうけど。
という事で、色々トータル・バランスがいい映画でもありました。
【銭】
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