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『こちら葛飾区亀有公園前派出所THE MOVIE』を渋谷シネパレス2で観て、思ったより上出来だったけどこれ誉めると蛸殴りにされたりするのかしらふじき☆☆☆(ちょいネタバレ)

五つ星評価で【☆☆☆人情話は悪くないが問題は主役だ】


まず悪い点。
ズバリ香取慎吾である。
昔、せんだみつおが両さんを演じてナハナハ言ってた時も
「そら違うだろ」と思ったもんだが、
今回の「ほげえええええ」も、両さんとは似て非なるキャラクターじゃないのか
(最近マンガ読んでないから路線がかなり変わってるなら話は別だが)。

主役が痛々しいのは映画としてつらいなあ。
何であんな立体カトゥーンみたいな演技をしなくてはいけないんだろう。
香取慎吾の肉体が映画が始まった途端、両津という役柄を拒絶しまくっている。
まるで『座頭市 THE LAST』の時みたいだ。
あの映画も香取慎吾と言う肉体が座頭市と言う役柄を拒絶しまくっていた。
『孫悟空』は合ってると思う。
『ハットリくん』はまあ、ギリじゃないか(もうかなり覚えてない)。
バナナのドールマンはあれでいいんだろうし、
慎吾ママはオリジナルだから文句がない。

というか、こんな雑味がありすぎる役ばかりを次々に演じさせて、
それぞれの役に破綻を来たさない筈がないじゃないか。

香取慎吾本人には怨みも何もないけれど、
この起用のされ方は異常だ。
香取慎吾がかなりうまい演技ができて、
デ・ニーロやクリスチャン・ベールのように
肉体改造を辞さないような役者なら話は別だが、
こんな役を全部均一に破綻なしでこなせる役者って・・・CGくらいだろ。
まず、観客は香取慎吾を忘れる事からしないといけないのだが、
演技が極端すぎてそれがまず出来ない。

まあ、でも、でも、でもね、映画を観る前から覚悟をしていたから
席を立ったり激怒してスクリーンに火を付けたりはしなかった。
大人だなあ、俺(いや、大人の尺度が違うよ、それ)。


あと、香里奈も可哀そう。
言っておくがミニスカの脚は綺麗だ。
出来れば根元まで見せてほしかったが、大人だからそこまでは言うまい。
ただね、原作通りとは言え、何の説明もなしに
あのキャバ嬢のような色の制服はきつい。
というのは香里奈の顔が真面目だからだ。
森泉くらい、いい加減な顔立ちだったらあれでいいんだけど。


その点、もこみちって凄い。
上手下手ではなく、スタイルだけで
・・・ようは人間書割なんだけど、
あの役は別にそれでいいし、もこみちは書割だったら果てしなく適役だ。


部長の伊武雅刀も割と手堅い(ハゲなんだ)
この人、『津軽百年食堂』に引き続き二輪で事故だなあ。


ここから積極的にいい点。
普通にいい話なんじゃないのと思うんである。
友達の作り方が分からない女の子を励ます両津。
犯罪の裏の怨恨と以外に優しい犯人の素顔。
ヒロイン深キョンのキュートさと、踏みとどまる両津の男力。

あ、あと深キョンの娘役の女の子が
両親殺して養子にして好き放題するのはどうだ、
とただれた事を考えちゃうくらい可愛かった。
椎名りくちゃんに似てる
(って言うといろんなとこから怒られそうだ)


そうそう、平田満ってうまい役者だねえ。


ああ、あの道は亀有名画座に続く道。


勝鬨橋が開く話は『逮捕しちゃうぞ THE MOVIE』でもやってて、
ストーリーへの溶け込ませ方としてはそっちの方が上手い。



【銭】
渋谷シネパレスは木曜メンズデーで1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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PS 「一生忘れない嘘」を「本当」にする事で、
 「忘れない」の呪縛から解き放つという優しさにはちょっとやられました。
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新橋ロマンで古い日活成人映画でロマンチック体験ふじき

古い日活の成人映画名作選3本。
もともと新橋ロマンにはそんなにホモがいないと思っているが、
発展場としてではなく、映画を観に来てる客が平日なのに結構いた。
映画のネームバリューで観たい客が来るのだろうなあ。

新橋ロマンがちょっと出来の悪い亀有名画座みたいになってくれると嬉しいけど、
それは期待しすぎだな。


◆『潮吹き海女』

五つ星評価で【☆☆☆☆人生辛くても上を向いて生きていこう】

ロマンポルノの百恵ちゃん、日向明子主演。
結婚相手が次々と死んでしまい、
その為、地方コミュニティからもツマハジキにされる
薄幸の海女を日向明子が演じる。

うわ、可愛くて綺麗で乳首ツンとしてて日焼けして男前で明るい。
タイプだわあ。

次から次へと、この明子姉ちゃんにひどい事が起こっていくのだが、
最終的には根拠もなしに「でも明日を信じて頑張っていこう」に落ち着く。
『コクリコ坂から』みたいと言えばみたいだ(ベクトルだけ)。

青い空と南国のカラっとした空気がスクリーンから溢れていて
明日はいい事あるかもね、と思わされてしまう南国な一本。
ハワイ旅行が夢だった頃の映画だなあ。

映画終わったスクリーンの外では姉ちゃんは必ず幸せになっている筈だ。



◆『イヴちゃんの花びら』

五つ星評価で【☆☆☆☆イヴちゃんの可愛さに星一つオマケです】

わははははは。

イヴちゃんが可愛いだけの映画。
イヴちゃんが、ふらふらーっと、あっち行ってこっち行ってSEXして終わり。
でもムチャクチャ映画は魅力的なんである。
監督は中原俊。
『櫻の園』を『櫻の園』でセルフリメイクするより
『イヴちゃんの花びら』を『××ちゃんの花びら』でセルフリメイクせんかなあ。
いや、あかんやろなあ。
これは多分、時代が撮らせた奇跡の一本だろう。

木築紗絵子はカーリーヘアのビッチ女イメージが強いのだけど、
この映画ではまだオボコイ感じだ。



◆『生贄夫人』

五つ星評価で【☆☆☆☆東てる美が出てきてからが凄い】

2回目か3回目。
演出力が超絶技巧。
主演・谷ナオミ、田中陽造脚本、小沼勝監督

谷ナオミはスキズキだろうけど、個人的には好かない。

やっぱり、東てる美だ。かーいー。

心中未遂で変態に捕まった男女が、
死ぬ命なら勝手に使うと被虐の限りを尽くされる。
『GANTZ』もそうやって作ってくれても良かったのに。
惚れた男の前での脱糞を狂わんばかりに我慢するさまが
どうしようにも獣みたいになってしまう
可哀そうな東てる美に「ぐっ」と来て来てしょうがない。

その惚れた男は、ちょっとだけはんにゃ金田に似てるかもしれない。
まあ、男はどうでもいいか。

ラスト、変態は登場時に連れてきた幼女と一緒に
又、どこかへ行ってしまう。彼はファンタジーな存在なので、
恋人たちにイタズラは出来ても、
愛や生死や人生とガッツリ相対する事が出来ないのだ(個人解釈)。

強大な力はないのに、軽く触れてただ壊すだけという狂気もあるのだなあ。
何かいろんな物がゴチャゴチャ詰まってる。
良し悪しなんかどうでもよくて、この眩暈感は買いだ。



【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼作品詳細などは・・・まあ、とりあえず出演者くらいは分かるよ
潮吹き海女@ぴあ映画生活
イヴちゃんの花びら@ぴあ映画生活
生贄夫人@ぴあ映画生活
▼関連記事
生贄夫人別の鑑賞回@死屍累々映画日記

『エクレール お菓子放浪記』をキネカ大森3で観て、役者の力だふじき☆☆☆

五つ星評価で【☆☆☆役者がいいのだ】


「お前はお菓子だ、お菓子だ、お菓子になるのだ」
悪役パティシエを養成するお菓子の穴にアンパン二つで
売られてきた孤児アキオは稲妻をモチーフにした覆面パティシェ
エクレトロ(※)となり、最終的にはスパイダーマンと戦うのであった。

という話では全然ない(もちろん)。

※ (エクレトロではなく)エレクトロは
 池上遼一版スパイダーマンの悪役で、電気を操る。



「お腹が空いてるんだね、僕をお食べ」
遠藤憲一は自分の頭を………ギャー

という話でもない(もちろん)。



後にお菓子作りになる少年が戦中、戦後、孤児、浮浪児として
何を希望に、どう生き抜いたかという物語で、
お菓子がどうではないので『はだしのゲン』に近いかもしれない。

全体、話としては「そこは美談にすぎるだろう」みたいに
見えちゃう部分も多いのだが、役者が素晴らしく、
その役者を見てるだけでもかなりお得な感じだ。

一二を争ってよいのが「いしだあゆみ」と「林隆三」。
いしだあゆみの婆さんぶりがいい。
善人にも悪人にもなりきれない、ごうつく婆さんを
いしだあゆみが怪演してる。

林隆三の旅役者一座の座長もいい。
ああいう臨機応変な大人物が昔はいたなあ。
大人物で一座を率いているが、本人はズーズー弁で
役者とか出来ないのが可愛らしい。

あと、我らの銭形雷、早織ちゃんも安定したいい演技。
地味な顔立ちが昭和に似合うなあ
(『津軽百年食堂』にも出てた。あれは明治か)。
凄く正しい女の子という感じだ。
その線って他にいない気がするから、このま行け。

あ、山田吾一院長のガラガラ声にも驚いた。


「いい人でも死ぬ。これが戦争だ」ってセリフがずんと来る。
セリフにはないが、その裏面として
悪い人もしっかり死んでみせるところを省略しないのが偉いなあ。

あのラストはやっぱいらんなあ。
あのラストを付けるなら『道産子60年菓子屋』って題でもいいし。



【銭】
キネカ大森水曜1000円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
エクレール・お菓子放浪記@ぴあ映画生活
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エクレール・お菓子放浪記@LOVE Cinemas調布
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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