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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『サウダーヂ』をユーロスペース1で観て、長いけどおもろいけど尻は痛いふじき☆☆☆

五つ星評価で【☆☆☆映画は167分と長めで、体感速度もそんなに速くないのだけど、これはこれで必要な長さなのだろう。尻は痛い】


コメントを寄せてくださるクマネズミさんから
「観てはどうか」と水を向けられて観てきました。

くすんくすん。

長い映画は僕ちん嫌いなのに。
『タイタニック』とか超きれー。
長い映画をみる体力がもうあまりないのよ。
常時、疲れてるしね。
おお、でも起きてられた。
それだけでも力のある作品って事が分かる。
最近、無意味にただ切れないだけで長くなる映画が多いからね。

で、『サウダーヂ』。

長い。
割とダラダラしてる。
一地方都市に住む住民の群像劇で、
刈り込めば削れそうなメンツもいるし、もっと削れそうなカットもある。
でも、それらが日常として映画を底から支えているので、
安直に無駄とは言い切れない。
外人同士の会話なんか凄くダラダラしてるんだけど、
それはそういう空気なのだと思えば、
空気を変えてまで、急がせるのも変と言えば変だ。
皆が同じ日本の時計を基準に息を吸ってる訳ではないのだ。

主人公は三人。
元キャバ嬢と内縁関係にあるのにタイ娘と絶賛浮気中のセイジ、
ラッパーで人夫、ブラジル人とのラップ対決惨敗を機に徐々に壊れていくタケシ。
タイ帰りのビンちゃん、

セイジは不況で職を失う。何もかもうまくいかない。
頼る相手は浮気しているタイ娘だけだが、
この関係もセイジが夢見てたものではなかった。

タケシは日本語ラッパー、不況で職もなくなり、
ラップバトルでの惨敗を機に、歪んだ国粋主義者に変わっていく。

ビンちゃんは謎だ。


ビンちゃんは謎だから抜かすとして(普通の日本人として描かれてないし)、

セイジは状況に飲み込まれながら、状況を受け入れていく。
日常がつまらないから、セイジは逃避したい。夢の国に行きたい。
それはビンちゃんが用意する大麻であったり、タイ娘ミャオであったりするが、
最終的に全てから拒絶される。
夢の国はないのだ、と。

タケシは状況に最後まで抗いながら
(彼の状況は不況ではなくラッパーとしての名声だが)、
一直線に自分を貫き通す。一直線である事に追い詰められて彼は狂う。
彼の夢を壊す者を取り除く事は、最終的に彼の夢を壊す道へとつながっている。
でも、行くしかない。
彼は周りが理解しようがしまいが、
そういう生き方をラッパーとして誇示してきたのだから。

という日本人二人に比べて、
ブラジル人は簡単。
状況が悪くなったので、ブラジル本国に帰る。
それだけ。
あっさり。
演出としてもそれ以上追わない。

希望に胸を膨らませて日本に来たが、何もなかったと言う。
つまり、日本はブラジル人たちにとっての夢の国なのだ。
夢が破れたら、現実に向き合う為に、元いた場所に帰る。
夢の大都会東京で失敗して田舎に帰る地方出身者みたいだ。

日本人二人は居場所がない。
元々、今いる場所が夢の国でもないし、
どこかから流れてここに来た訳でもない。
帰る場所がない。
だから、セイジは夢の場所を新たに求め、
タケシは自分のいる場所を夢の場所に変えようとあがいた。


せつないねえ。


日本のどこもが平均化してしまった今、
夢を抱えて、大東京に向かうという流れに行かなかったのは、
あまりリアルじゃないからだろう。
舞台は地方都市「山梨・甲府」だが、
これが東京だと言われても、違和感はない。
多分、もう日本のどこにも夢はないのだろう。

今、夢はどこにあるのか?

韓国に行って韓流アイドルになる? 反日で盛り上がる?
自分の姿を見れない物が一番、幸福なのかもしれない。

と、頭の中でぐるんぐるん考えて、映画冒頭のシーンに思いが戻った。

「このミソラーメンうまいっすね」
「多分、山梨一、いや、日本一って事は世界一だと思うよ」

結局、場所ではなく、どこにでも夢は埋まってるという事なのだろう。

夢を探し出すまで、掘れセイジ。
手錠はお前の勲章だ、毒づけ、タケシ。



でも星は三つ。
だって尻が痛いし、映画に感心はするけど、のめり込んで好きな映画じゃないから。

【銭】
ユーロスペース会員の8回有料入場と引換での無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サウダーヂ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
サウダーヂ@映画的・絵画的・音楽的

PS ビンちゃんは『NARUTO』のリーに似てると思う。
PS2 日本語ラップかっけーな。
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