ともかく掛け値無しにタイトルが一番だ。
映画の題名でこんなに可愛い物を他に見た事がない。
これで内容が『地獄甲子園』みたいだったらどうしようかと思ったが、
そんなではなく、それなりに可愛いかったので一応、安心した。
百合女子三人があっちでペア、こっちでペアって話で、
タイトルの「こたつ」「みかん」「ニャー」はそれぞれのハンドルネームなのだ。
それで、女の子は可愛いのだけど、
舞台挨拶で木嶋のりこちゃんを見たら百倍くらい可愛かった。
えーと、それじゃ映画ダメじゃん。
ちゃんと女の子の可愛さを増幅して出そうよ。
好み的には「みかん」の鎌田紘子ちゃんが一番好き。
役柄的にもっとも切ないからかもしれない。
けっこう大きなドンデンを映画の中に抱えていて、
それをこんな形で出すのかという驚きを味あわされるのだけど、
そのドンデンを凌ぐくらい、女の子同士の好きあいっぷりが何だか恥ずかしい。
無理やり縛られて連れて来られたメイド喫茶でオムライスにハートを書かれて
面妖ならぶらぶ呪文を囁かれてるような恥ずかしさが映画に充満している。
おら、おら、田舎もんだから、こんなんとっても恥ずかしいだあ!
お話は困ったことに愛の話なのに愛が表面的だ。
イチャイチャしてるのを「イチャイチャしてるんですよ」と解説されてるみたいな。
イチャイチャ具合がしっくりこない気がしてならない。
「イチャイチャしてるから好き」なのではなく
「好きだからイチャイチャしてる」ので、
つまり、それぞれの「好き」感があまり明確に出てないのだ。
「こたつ」「みかん」「ニャー」はそれぞれ、
可愛い外見はしてるけど、メンタルな個性が浮き出していず、
誰が誰のどこにどう共感を持っているかとかも分からない。
極めて役柄を演じている的である。
それぞれの役を取り替えても、誰か誰でも成立する。
違いが素の女の子の素材感くらいしかないから。
そこが問題だ。
監督が『魚介類 山岡マイコ』の人だと聞いてなんか凄く納得した。
そうだ、そうだね、女の子と変な話。
俺、監督はいい人だと思うけど(話が上手くて舞台挨拶盛り上がるので)、
舞台挨拶が上手い監督には、いい映画が撮れないという風にも思ってる。
いい映画を撮る監督って、もっと陰湿な空気を纏ってて、喋りが下手で、
映画でしか語れない事をフィルムに残すのだ。
園子温監督みたいに話をさせると社会不適格者っぽい方が、監督には向いてる。
【銭】
久々に正規料金払って1500円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・こたつと、みかんと、ニャー。@ぴあ映画生活
PS 舞台挨拶で女の子と監督が挨拶に来るなら、
監督のお眼鏡にかなった女の子の可愛さが満喫出来るのでお得だと思う。
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