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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『セデック・バレ』をユーロスペース2で観て、まだまだ映画の題材は朽ち果ててなどいなかったなふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★野蛮人対近代軍隊の五分の闘い】


社会や体制にがんじがらめにされた男たちの怒りの臨界を越えた時、文明ですら野蛮の前に屈服する。という訳で、基本フォーマットは高倉健の『網走番外地』となんら変わらない。耐えに耐えてきたが、外道が越えてはならない一線を越えた時(今回はこの一線が割と曖昧ではある)、ついに男はドスを手に取るのだ。

そして虐殺。
二部構成の第一部終盤からはもうひたすら殺す、逃げる、戦う、殺すの組み合わせだ。
正しい者が正しくない者に振るう大ナタはなんて気持ちいいんだろう。
「ザッ ザッ」吹っ飛ぶ首。これも気持ちいい。

文明おそるるに足らず。
だが、彼等セデック族の怒りを買う悪玉は日本人だ。
それが特に気にならないのは、
日本人描写が嘘っぽい踏み外し方をしてないからだろう。
日本人のかっこ悪かったり、しょうもない部分がちゃんと出てる。
何と言ってもセデック族その物がどっぷり外観
ドテラを羽織ったアジア人なので、こっちに感情移入するのが難しくないのだ。

「セデック・バレ」とは彼等の言葉で「真の人間」という意味だ。
まるで「ノンマルト」じゃないか。
アメリカ・インディアンがアメリカ人にされてしまった事などに思いを馳せると、滅びてしまった文化はみな美しい。今では単純に「異文化を認めない。根絶する」との考えの方が「野蛮人」以上に野蛮であるに違いない。そういった意味で、現地人をすべからく日本人化しようとした大東亜共栄圏の大日本帝国も野蛮だが、世界で最も野蛮な勢力はキリスト教ではなかったろうか。野蛮を許さない考えこそ野蛮と言うのは、とても皮肉な結論だ。そして、実は日本もキリスト教も、私欲だけでなく善行としてその野蛮をおし進めていたのが、更なる皮肉だ。人間が村以上の大きな単位で群れる事自体が間違いなのかもしれない。

映画としては
血沸き肉躍るどてらオヤジが近代軍隊を薙ぎ倒す、
えれえ映画的快楽の強い一本だった。
ただ後半は行きつく先が見えてる事もあり、多少長く感じる。

あ、そう言えばビビアン・スーちゃんの笑顔が見たかったなあ。

次代を担う筈であったセデックの少年がちょっと有吉に似てる(のが良くない)。

あの、泥棒メイクみたいな女の人の刺青がちょっと・・・
あのメイクで欲情するのは「泥鰌掬いしながらセックスしろ」くらい難しい。



【銭】
ユーロスペースの会員割引で1200円×2。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
セデック・バレ 第一部 太陽旗@ぴあ映画生活
セデック・バレ 第二部 虹の橋@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
セデック・バレ@映画的・絵画的・音楽的
セデック・バレ@映画のブログ
▼関連記事。
セデック・バレの真実(ドキュメンタリー)@死屍累々映画日記

PS セデックの女の人がお酌をしてくれる「キャバクラ・セデック」があっても
 私は通いません(あまり面白くなさそうだし)。
PS2 「おっぱいパブ・セデック」なら考えます(指名はビビアンで)。
PS3 商売上手の中国人華僑が、あの土地で起こすべき事業は、歌声喫茶。
PS4 ユーロスペース、始まって3週ほどだろうか。
 けっこう客の入りはよかった。長くて機動性が悪いからこそ
 休みの日に集中するという側面はあるだろうけど。
 それでもTVスポットも流せないようなバジェットの映画が、
 一月以上ちゃんと興行を持ちこたえるというのは、とても偉い。
 いったいどこから客が流れてくるんだろう?
PS5 次の構成がいいと思う。
 第一部 太陽旗
 第二部 虹の橋
 第三部 ビビアン・スー、オン・ステージ
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