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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『桜、ふたたびの加奈子』をHTC渋谷2で観て、落涙ふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★拾ったなあ】

ツイッターで評判が良かったから見に行った1本。

亡き娘を思う母親の淡い祈りみたいな感性でポスターが作られているが、
騙されてはいけない。映画自体のテイストはホラーなのである。

娘をなくした母親(広末涼子)が、娘がいなくなった実感を得る事が出来ない。
彼女は娘がいるものとして生活する。
耐えられなくなってくる父親(稲垣五郎)、
彼は彼女を取り巻く社会の代表であるとともに彼女と社会との間の防壁だ。
やがて、母親は娘が飼っていた犬の仕草から娘が生まれ変わったことを直感する。
表面上、娘の死を納得し、日常生活と折り合いをつけ出す夫婦。
だが、彼女が生まれ変わりの娘を養子にしたいと言い出した時、周囲とのバランスが狂い始める。そこで明らかになる真実、明らかになる親子の思い。

主演の広末がいいわあ。
役者になったわあ。
壊れそうだわあ。
彼女が心を病んでしまった時(周り目線)、
もう全身全霊、病んでるようにしか見えない。
彼女が思いつめた時、その思い込みの強さで何をしでかすかが分からない。
観客にも、彼女が正しいのかどうかは分からないが、
彼女の気持ちは分かるので、彼女に寄り添った視線で
自然、彼女の行動を心配しながら追うようになる。
それでいながら、信頼しきれずに怖いという二律背反を持たされる。不思議な感覚だ。
稲垣五郎もギリギリを上手く演じた。
稲垣は多分、広末がいち早く壊れてしまったので、生活する為に常識の世界に留まらざるを得なかった。広末のようにどこまでも深く深く子供の事だけを考えてはいられない。酔っ払いと介抱者の関係だ。その彼の妻の広末は、いきなり宗教をゾロアスター教に変えちゃったみたいなもんで、独特の言動を擁し、周囲からは理解されない。それでも、彼は彼女が自分の側に戻って来るのを信じ、彼女を社会から守り、彼女とゆっくり対話を続けていく。地味だが一番つらい役どころだ。

そして最後に明かされる謎には落涙を禁じ得ない。
いい話だった。


総じて、自分が気に入った映画の話を書く時には表現が淡白になる。
多分、出来上がり品が「プラス」を必要としないからだろう。
逆に、ダメ映画・珍品なんかの場合は
見つけた「マイナス」に対していろいろ埋めようとする。
ブログ記事なんかに関しては、
「大して面白くなかったんだけど」みたいな映画の方が
盛り上がっちゃうのかもしれん。
うーん、テクがないっちゃそれまでだけど。


とりあえず最後に明確にしておくと、
この映画は好き。広末も最近の広末は大好き



【銭】
テアトル系のメンバーカード割引で金曜1000円サービス。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
桜、ふたたびの加奈子@ぴあ映画生活
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