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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『蠢動』をユーロスペース2で観て、髻を奪われる理由を思うふじき★★★★(ネタバレ)

五つ星評価で【★★★★和太鼓はいいねえ。髻(もとどり)の解釈】

役者としてのさとう珠緒を割と評価してるので、それだけの理由で観に行った。
残念だが、やはり感情を大幅に制限するような役はちょっと似合わない。
さとう珠緒の役者としての真骨頂は自分に近い位置にある役なのだ。
そこでは120%映画空間を制御する。そんな変な女優がいても全然よくて、
彼女には一種異様な異能を活かしてこれからも頑張ってほしい。

ってのが枕。

さて、予定のない舞台挨拶を監督が行ってくれて、それによると、
物凄く評価が高い人と物凄く評価が低い人の両極端なのだと言う。

分からなくはない。

単純な娯楽作品ではないので、話の締め方を納得はしてもスカっとはしない。
一芸的に秀でている部分はあるが、同じように劣っている部分もある。
これがもっとTV寄りの時代劇なら、なんとなく不備も許せてしまうのだろうが、
一つの破綻が全てを壊してしまうような神経質な見方をする人は一事が万事で全崩れしてしまったりするのだろう。

私はそこまで神経質な見方をしないので(鈍いんだな)、
減点箇所はあっても、そんなに全体は気にならずに観れた。けっこう好きだ。

他の人のブログ記事を読んで、減点そうな所を幾つかあげると、
(1) 一部の若侍の演技が下手。これは同感。まあ、ない袖は振れんから、しょうがないだろう。
(2) 殺陣での明らかに槍が的外れな箇所を狙っている。基本的にこれは気づかなかった。ただ、槍は何故、持たされたかと言うと実戦する為ではなく、取り囲んで取り逃がさないようにする為だろう。そして、雪が積もって足場が悪かった。槍のように間合いが長い武具の場合、刀のような接近戦の武具よりしっかりとした足場が必要だ。へっぴり腰では正しく使えない。しかも稽古と違い、相手は動き回り、間合いが測れない。しっかり隊列を組んだり、取り囲んだり、正しい戦闘方法を取れば効果はあったかもしれないが、それはなされなかった。相手を殺傷する事だけが目的なら弓矢が一番効果的だと思われるが、今回は武士が武士に対する面目として切り伏せる必要もあったのだろう。みたいな理由でそんなに神経質にならんでもいいと思う。いや、自分が殺陣に関してそんなに目利きじゃないだけなんだろうけど。
(3) 雪原に血痕がない。これは美学的に中途半端に汚すなら一切、汚さんでもいいと思う。中途半端に汚すと氷いちごチックじゃん。あと刀は2、3人斬ると血脂や刃こぼれで使えなくなるらしい。その為に相手を殺すには袈裟斬りするよりは突いた方が合理的なのだ。後半、追撃者の刀を使ったり、明らかに突きによる殺傷が多くなっていたように見える(欲目か?)。

さて、前半で各人の胸の内やわだかまりを見せながら、
後半、怒涛の如く剣劇になる。

この剣劇直前の各人の「武士道」の立て方が面白い。
城代家老を初めとする追撃側(のうちの真実を知る者)は、
それが不誠実である事を知りながら(しかも藩存続の恩人の息子に対する不誠実だ)、
大の虫を生かす為に小の虫を殺す決断をする。
ここでいう大の虫とは「藩を成立させる頂点=殿様」である。
実はこの考えは幕府が藩に対して行なっている施政と何ら変わらない。
より高い地位の者を満足させる為に、弱い者、身を立てられない者は犠牲にされる。
「蠢動」とは「取るに足らない者がうごめくさま」だそうである。
追いつめられる下級武士は勿論、「蠢動」しているが、
その下級武士を追い詰めようとしている藩その物も「蠢動」しているのだと言える。

そして、追いつめられる下級武士は「これが武士道か」と叫ぶ。
下級武士にとっての「武士道」は「正義」に他ならない。
その「正義」とは「忠義=トップを守る」ではなく「理屈が合う事」である。
そもそもこの両者は噛み合わないのだ。

最後、下級武士は生命の代わりに髻(もとどり)を奪われる。
ここで、幕府の者を欺く為だけなら何人もの犠牲になった追撃側から
生首一つを持っていけばいいと思ったのだが、
唯一生き残った師範代はそうはしなかった。
師範代は下級武士の髻(もとどり)を奪う。
髻(もとどり)は刀同様、武士を武士足らしめる象徴のように言われる物の一つだ。
師範代は下級武士から髻(もとどり)を奪う事で、
彼を正義のない(忠義の為に正義を犠牲にする)武士社会から解放するのだ。

この話がもう少し続くなら、師範代も自分の髻(もとどり)を斬り、
僧籍に入るかもしれない。但し、彼にその自由があるとしての話だが。
「武士道」と「正義」は必ずしも一致しない。
そんな「武士道」が「武士道(忠義)」を危うくする「自由」を認めるとは到底思えない。

残ったのは居汚い生き方でも、ただ強く生き残る事だけを託された下級武士のみである。やはり、この話がもう少し続くのなら、彼は藩や幕府に仇を為す鬼になるのかもしれない。


【銭】
ユーロスペースの会員割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
蠢動-しゅんどう-@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
蠢動-しゅんどう-@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 和太鼓ええわあ。
PS2 前売券の特典が和太鼓のCDなんだそうである。
 うわあ、そらあ、欲しかった。
PS3 城内のふすまや畳の色合いが実にそれらしかった。
 新しくなさげで、かと言って古すぎず、汚すぎず。
 凛とした佇まいである。
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新橋ロマンで『ピンクのカーテン2』他を観て若い美保純はかーいーのうふじき

◆『ピンクのカーテン2』

五つ星評価で【★★★美保純だ】

美保純 主演、
上垣保朗 監督、1982年のロマンポルノ。

多分20年ぶりくらいに見直した。

そうそう、これで原マスミを覚えたのだ。
音楽に原マスミを使っている事がこの映画の味わいをどうにもおかしくさせている。

美保純は可愛いなあ。
美人じゃないし、演技も上手くもないんだけど、ともかく存在感が抜群。
原作のジョージ秋山が描く女の子のボテっとしながら
餅みたいに柔らかい感じそのまんまだ。
そして、野郎は自分のSEXに負けてしまう女の子が絶対的に大好きだ。
SEXに負けながらも、あっけからんとしてる純ちゃんが救い。
あと、顔に童女が入っていて(いわゆるロリ)、
そういう女優はその時にいなかったんじゃないだろうか。
そういう意味で「近親相姦」という題材もタブーだが、
美保純という女優も隠れタブーだったのかもしれない。



◆『絶倫海女 しまり貝』

五つ星評価で【★★清里めぐみの田舎者くさいとこが合うなあ】

清里めぐみ 主演。
藤浦敦 監督、1985年のロマンポルノ。

基本、疲れがひどくてガーガー半分くらい寝た。
清里めぐみ可愛い。日焼けした海女が好きって人はいるだろうな。
個人的に海女のあのコスチュームはあまり好きじゃないから興奮はしない。
うん、ナースルックとかセーラー服で潜ってくれんかのう(いやいやいやいや)。
ってより、今週の新橋ロマンの番組タイトルが「海女ちゃん祭り」ってのがうふふふふふ。能念の姉御にもスケスケの白シャツを着て海女さんをやってもらいたいもんであります(いやいやいやいや)。

立川談志がいきなりカメオ出演してた。



◆『人妻痴女ONANIE ノーパン便所』

五つ星評価で【★監督も女優もどうもあかん】

鏡麗子 主演、新田栄監督作。

始まって5分の展開の悪さ、映画としてのやる気のなさに安心して熟睡。
悪い意味での職業監督新田栄、ここまでダメに安定してるのは立派かもしれん(1本起きて観ていた記憶がない)。



【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ピンクのカーテン2@ぴあ映画生活