冒頭から町中を歩く牛。
牛と言うのは立派な生き物だなあ。
そして、牛の尻辺りには何だかよく糞が付いている。
生き物を飼うのは大変だ。臭いよなあ。
牛舎のシーンのすぐ後に、土間にあるちゃぶ台が写る。
ちゃぶ台の近くにはペットの犬が牛が繋がれていたように繋がれている。複雑。
屠畜シーンからはやはり目を逸らせない。
ゲスと言われようが、このシーンが一番インパクトのあるシーンである。
期待に応える強いカットだった。
しかし、一頭の牛のでかいこと。
その牛が解体にあいながら、隅々まで活用される事、
これは恥ずかしくない食肉風景だ。
イギリス貴族の狐狩りみたいに、狩るだけの狩りの欺瞞はどうだ。
いや、肉に限らず、魚だって骨に付いてる身をしゃぶるように食べるべきだ。
108分、ちょっと長めに感じなくもない。
テーマを肉、肉屋に絞ればもう少し短くも出来たのだろうが、
直接、関係のないだんじり祭のシーンなどが悪くないのだ。
これはこの監督が肉屋の家族のど真ん中にズンズン入っていき、
映画を見ている最中、観客に自分の家族と同様の親しみを感じさせてしまうくらい、
関係性が近いのが功を奏している。
みんな、いい顔(面構え)してるし。
さて、今時、当たり前だが、カラー映画になっているのはいい。
ポレポレ東中野の劇場入口階段などにモノクロで本橋成一撮影の屠畜の写真が飾られている。この写真は写真集として発売されており、予告編で何葉かの写真がスライドとして映し出されたりする。白黒って深刻に移る。本当以上に悩んでいるように見える。そして、陰影の深い表情は何かを企んでいるようにも見えるのだ。刃物を持って何かを企む生命力の強そうな輩ども、怖い。
カラーになると、そう言うのは外れて、凄く素顔に近くなる。
【銭】
1年間有効の10回券を10000円で購入。そのうち1回1000円分で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ある精肉店のはなし@ぴあ映画生活
PS 『ある精肉店のはなし』『豚がいた教室』『銀の匙』の
3本立てオールナイトとかやったら、いい企画だと思うな。
PS2 肉屋のコピーで「生産直販」って凄い。
育てて、屠畜し、解体して、売るのだ。
→「聖餐直販(笑)」
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