相撲に「猫だまし」という技がある。
開戦一番目の前で大きな音を立てて拍手、
相手があっけにとられてるうちに次の技を仕掛けて勝つ。
『モラトリアムたま子』は猫だましが成功したのに
勢いあまって足を滑らせてぶっ倒れちゃったみたいな映画だ。
いや、つまんなくはないのだ。
でも、とっても「あっけない感」が強いのである。
希薄に薄ーく話はないようなのにちゃんとあり、
オチもその薄い話のど真ん中に乗ってるので、
実に「映画」として、ちゃんと成立してるのではあるが、
ふっと気を抜いた途端に終わってしまう。
きゃはは、春風のイタズラかしら、みたいな。
その中で前田敦子がやってる事は
・観客に尻を向けてブヒブヒな感じで寝る。
・食う
・マンガを読む。
こんなん。
こんなんなんだけど、観客は不思議と前田敦子を嫌いになれない。
うんまあ、子供なんだな。しょうがないな。優しい目線になれる。
という事で筋が通ってるシナリオ的な部分を抜かすと「前田敦子の観察日記」になる。
話にいきなり闖入してくる富田靖子のちゃんとしてるオーラが
虫みたいな「たま子」には眩しくて、
冷静に自分と親虫のダメ出しを始めてしまう。
全体ではここが一番可愛かったな。
ダメ出しをする中で、自分を追い込みながらも、
「たま子」は母親のような存在に甘えたくてたまらないのだ。
かまってもらいたいのだ。
でも、やっぱり薄すぎる。
【銭】
武蔵野の株券1回分を800円でレンタルして使う。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・もらとりあむタマ子@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・もらとりあむタマ子@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・もらとりあむタマ子@ダイターンクラッシュ
・もらとりあむタマ子@ノラネコの呑んで観るシネマ
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