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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

新橋ロマンで宮下順子3本立て(石橋蓮司のオマケつき)20140613-20140619

◆『赫い髪の女』
五つ星評価で【★★★★★驚いたわあ】

宮下順子、石橋蓮司主演、亜 湖、阿藤快、出演。
神代辰巳監督、1979年のロマンポルノ。

濃厚。土方トラッカーと素性のしれない女がずっとセックスしてる映画。
呂律が回ってるのか、回ってないのか、異常に聞き取れないセリフが多い。
でも、強い空気感がそんな事を気にさせない。
ここに映される日本の地獄っぷりが凄い。
常に聞こえてくるシャブ中の悲鳴。
掻き分けるようにして探した幸せも土砂降りの中で根腐れしてしまうような裏切り。
身体だけは裏切らないと信じたいのに、男も女もその身体に自分が裏切られる。

赫い髪の女、宮下順子は凄い存在感だ。
「普通に、普通にして」と喘ぎながらマニアックな体位を要求する。
荒くれ者の石橋蓮司はそんな中、密林を掻き分けて愚直にただ進む。
謎の荒れ地と、そこをただ力任せに整地する土木機械のようだ。
そこに人類の英知は何一つない。
気が触れた猿があちこちで叫んでるみたいだ。
でも、気が触れた猿にだって、悩みもあれば、思いもある。
そんな言葉になる前の思いが雨と一緒にスクリーンに充満してるような映画だった。

恐怖映画的な文脈としては、ここに出てくるシャブ中女が
『悪魔のいけにえ』の走ってくるレザーフェイスと肩を並べる怖さ。
どちらも自然災厄以上に逃げようがないし、言葉も何も役に立たないのだ。


◆『江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者』
五つ星評価で【★★ピエロのメイクが派手すぎて嫌い】

石橋蓮司主演、宮下順子、渡辺とく子出演。
田中 登監督、1976年のロマンポルノ。

大井町武蔵野館か昔の文芸坐あたりで観た気がする。多分、2回目。
昔も乗れなかったが今回も乗れなかった。
美学的に「耽美」に入らないのが、どうも気に食わないんじゃないかと思う。

石橋蓮司がヒョロヒョロしてて、宮下順子は令嬢というにはでっぷりしてる。
屋根裏から薬剤垂らすシーンの緊張感は好き。


◆『昼下りの情事 古都曼陀羅』
五つ星評価で【★★杜夫ちゃん頑張れ】

風間杜夫、山科ゆり主演。宮下順子 出演 
小沼 勝監督、1973年のロマンポルノ。

風間杜夫は坊ちゃんくさくてどうも好きになれない。
そんな杜夫が見合いした相手が山科ゆりで、
義理の父と関係していて、義理の父が見合いを壊そうとしてくる。
だけど、若い二人の前では……みたいなだったかな。

ムチャクチャ寄りすぎるアップが気持ち悪い。
そんな肌の荒れまで執拗に映さなくてもいいじゃん。
後半、アップに少し、距離を置くようになってくると
山科ゆりがちょっと可愛くなってく。
とは言え、『昼下りの情事』と言ったらオードリー・ヘップバーンでしょ。
大胆なタイトルを付けたもんである。
ちなみに映されるタイトルで「まんだら」だけルビ振ってあるのはちょっと可愛い。

山科ゆりがデートする時の洋装がどう見ても「さそり」だ。
今見ると突飛だけど、あれはあれであの時代の一般的な服なのか?

京都にアコースティック・ギター合わせるってのは何時からやってるんだろ。
似合うなあ。
 

【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
赫い髪の女@ぴあ映画生活
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者@ぴあ映画生活
昼下りの情事・古都曼陀羅@ぴあ映画生活
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『メイジーの瞳』をギンレイホールで観て、子供可愛いのうふじき★★★(ネタバレ)

五つ星評価で【★★★なかなか皮肉な設定】  
裁判劇までもっていって親権とか争うのかと思ったが、さにあらず。

6歳のメイジーの両親は共働きをしているが、普段からケンカばかり。
二人はほどなく離婚。メイジーは父の家、母の家と順番に生活するようになる。
父も母も新しいパートナーを得るが、産みの親の二人はダメ親のまま。
それぞれの新しいパートナーの方が親としての資質がある。
というより、優先順位が異なる。

産みの親は日本人の父ちゃんみたいである。
一生懸命働いて、たまに帰って「おじさん」と呼ばれてしまう。
ただ、この家では父も母も両方がそうなのだ。
育児より仕事。それはそれで大事だが、全くしないのは問題だ(しかも二人とも)。

新しいパートナーの二人は育児を優先するが、
あまり強調されていないが、生活力は低い。
彼らが一緒に生活するためには違法な住居に住み、
メイジーを学校に通わせる事もできないのだ。

それでも育児放棄する親よりはという事で、
物語はメイジーを彼らに預けて大団円にしている。

実はこの先にもう一つ展開がありうる。
仕事よりも育児を優先する二人。
それが行きすぎたら………彼らはモンスター・ペアレンツになるのだ。
何よりも自分の子供が最大限に恩恵を与えられていないと我慢ができない。

映画が最後、全てが解決した訳ではないながら、
落ち着くべきところに落ち着いたように、
すべからく物事は適当なバランスで妥協しなければならない。
だから、教育も人生も難しい。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
メイジーの瞳@ぴあ映画生活

PS 女の子可愛い。ハリウッド的に整ってる訳じゃないところが倍、可愛い。
PS2 でもね、ウィリアム・H・メイシーに似てるとかも思ったりするのよ。

『たまこラブストーリー』を角川シネマ新宿1で観て、とりあえず脹脛は好きだふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★原型の抽出】
原作アニメ『たまこマーケット』未鑑賞。

一見さんである。
が、その辺りは全く苦にならなかった(勿論分からん部分はあるが)。
そして、とても評判がいい。
それぞれのキャラがとても立ってる。
優しい街の中で繰り広げられるもどかしい恋愛劇。

高校三年生以上の人なら分かると思うが、
あんなにみんな子供ではない。
もっと多方面、悶々してるし、常に叫び声を上げたい事ばかりだった。
でも、それは削ぎ落としていい部分なのだろう。
描きたいのは『桐島、部活やめるってよ』みたいなリアルな煩悶ではないのだ。
そのリアルな煩悶から抽出したピュアな恋の成り行きの部分。つまり「デミタス」だ。
たまこ、ピュアでトロい。あんなんホラー映画にいたら格好の標的だ。

主人公がそんなんなので、とてもオママゴトちっくだ。
だから、見ていて殊更に心が痛んだりはしないし、
嗚咽で画面が見えなくなったりはしない。

にも関わらず、ちゃんと見ていて情動が動かされる。

箱庭の中に構築された恋愛の原型、
そこで動く心の動きがオーバーだが、嘘がないので、みんな話に乗れるのだろう。
この作り、似たものがあるな、と思ったら
マンガの方の『自虐の唄』
あのマンガの中の世界と現実の世界は明らかに異なる。
でも、そこで描かれる幸せの追求の在り方が抽出された「原型」だから良い。

こういう物語の作り方もあるのだな。
ゆっくり考えてちょっと感心した。

キャラは平坦だけど変なテンションのカンナが好き。


【銭】
テアトル会員割引で1300円(1500円の前売券より安く見たぞ)。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
たまこラブストーリー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
たまこラブストーリー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
たまこラブストーリー@大江戸時夫の東京温度