五つ星評価で【★★★ブルース・ダーンの顔力が凄い】
「ねぶる」=「しゃぶる」、
「スカ」=「糞便」。
いやあ、そんな映画じゃなくてよかった。
老境かなり行き切った感じの父と息子のロード・ムービーだが、
父ブルース・ダーンの老人っぷりが素晴らしい
(そらまあ、演じる以前に元から老人ではあるんだろうけど)。
そのブルース・ダーンの兄弟が集まった無口な会合の可笑しさがたまらん。
もう、映画観終わる頃に、この爺ちゃんをドンドン好きになっていく。
優しくて強くて弱くて断れずに、何でも黙々とやる。
ダメだよ、これ、日本人みたいだもの。だから、日本人はこーゆー人、好きだよ。
その奥さんのデリカシーのない下品さがたまらん。イライラする。
こんなにライフルや散弾銃を浴びせたくなった母親は映画の中で他に類を見ない。
最終的には美点も出てきて、バランス取れるけど。
けっこうリアルに本当の屑人間が跳梁跋扈していて、そいつらに罰が当たらないのもリアルというかシニカルというか、そこが映画の目的じゃないからいいんだろうけど。勧善懲悪ではないし、悪い奴がウヨウヨのさばってる世界観なのだな。
いい映画だし、誰でも楽しめると思うけど、これを俺自身が求めている話なのかという疑問が浮かんできたので、星は三つにした。だから決して映画として出来が並とか凡とかいう訳ではない。私の星は好き嫌い表示だから。惹かれるけど溺れはしない感じ。
◆『旅人は夢を奏でる』
五つ星評価で【★★得体のしれない親父が得体のしれないまんまというのがカウリスマキらしいんではないか?なくないか?よう分からん】
『ネブラスカ』同様、親父と息子のロードムービー。
個人的には幼年から会ってない父親と何でそんなにすぐ旅に出ちゃうのよ、という点は合点がいかなかった。何かそんなに簡単に信じてオレオレ詐欺だったらどうするよ。あの親父のオレオレ詐欺はやだな、リアルだけど。徐々に徐々に親父のいい点が浮かび上がってくるところはいいんだけど。バーで音楽で口説くシーンで、あの歌は反則だ。あの相手の母娘がなかなかのキャラなのに、あれだけなのは勿体ない。まあ、あの後の話を考えると出番はなくてしょうがないけど。
主人公の娘の動物の雛っぽいグニャグニャした可愛さが最高。
ラストそんな所に持っていくのかというのは意表をついた。
単純な計算で割り切れないのが人間だ、みたいな感が全体に漂う。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅@ぴあ映画生活
・旅人は夢を奏でる@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅@お楽しみはココからだ
・ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅@映画的・絵画的・音楽的
・ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・旅人は夢を奏でる@あーうぃ だにぇっと
スポンサーサイト