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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

新橋ロマンで暴行三本その中にカリオストロの城

最終三日間日替わり興行のいち二日目。
仕事帰りにギリギリ3本見る。
三日目は行けそうにないので、ロマンとはこの日がお別れ。

◆『人妻集団暴行致死事件』
五つ星評価で【★★★★★おそらく室田日出男の役者人生の全てが詰まってる】

室田日出男 黒沢のり子主演。
田中 登監督 1978年のロマンポルノ。

世の中にはまだまだ面白い映画が山ほどあるのだなあ。
もう、室田日出男がぶっきらぼうで優しくて不幸でたまらんです。
愛する人の為に行なった行動が全て裏目に出る、
自分の思い出さえも自分の罪を許してくれない、という徹底さは
まるで『魔法少女まどかマギカ』のホムちゃんのようだ。
いや、室田日出男にホムちゃんのコスプレしてほしいとは思わないが。

室田日出男と絡む若いチンピラ3人が又とっても無軌道にヤングしてていい。
背の高い棒のような身体でもまだ窮屈そうな古尾谷雅人。
世間から見て一番の跳ねっ帰りだが、彼の尺度の中では友達思いのいい奴だ。
あと、ヒゲの彼と、童貞の彼。
ヒゲの彼の明るいけど物事の通らなさに鬱々とした感じも
童貞の彼の情けない泣き笑いと、何となく彼だけは人生が好転していく様子
(ちょっと堺雅人っぽいと思ったけどそれは堺雅人に失礼だな)。
うんうん、古尾谷雅人の連れてくるセフレ二人も
とってもそんな感じの軽さで魅力的だし、
古尾谷雅人とヒゲがセックスしてるみたいな展開もおかしかった。

タイトルロールの奥さんは実はちょっと怖かった。中谷美紀っぽいっちゃぽいけど。
絵沢萌子はもう完全におばちゃん側の演技。


◆『暴行儀式』
五つ星評価で【★★★★若い映画だなあ】

紗貴めぐみ 山崎義治 水島美奈子出演。
根岸吉太郎監督、1980年のロマンポルノ。

すんごい大昔、新宿小田急ハルクの裏にある新宿パレス座のオールナイトで見た筈。その時は主人公がやられた後の分かりやすい大逆転もなく、パッとしない映画だなあ、と思った。そういえばほぼ主人公たちと同じような年齢で見てるのだ。逆に冴えない主人公たちと同じ要素が多すぎて同一視できなかったのかもしれない。高校生や大学生なんて自分に期待もしてるし希望も持ってるから、自分を客観的に取るに足りない者とは思えないのだ。それは映画の中の彼らもそうなのだけど。

観終わって、根岸の選ぶ取るに足りない主人公(『狂った果実』『キャバレー日記』)は絵に描いたように幸せにはなれないし、劇的な転機も訪れないというクールさに唸る。凄い事をやり遂げても、その後に迎えるのは虚無。醒めてるなあ。今回、見直して、あのラストはやっぱりドラマとしてはつまらんと思う。ただ、熱狂に包まれるような熱いラストになったりしたら、マンガの『湘南爆走族』みたいな映画になったのかもしれない。そういうのも見てみたかった。まあ、それにしてもしっかり作ってるわ。

ヤリマみたいに扱われながらも、リンチされても意地を貫き通すJK役の紗貴めぐみが可愛い。


◆『(秘)ハネムーン暴行列車』
五つ星評価で【★★★ピンクレディーとカリオストロの城】

八城夏子 阿部徳昭 加藤 寿出演。
長谷部安春監督、1977年のロマンポルノ。

挿入曲にピンクレディーの『SOS』『ウォンテッド』が使われてて、「サウスポー」のポスターが映ったりする。意気上がるなあ。

映画観終わって後付けで思ったのだが、構造が『ルパン三世 カリオストロの城』に似てる。お前、気がふれただろと思われそうだが、まあ、聞いてください。

チンピラ二人がヤクザのカジノの収益金を強奪。成功と思われたが、偶然、警察の手入れが入り、二人は警察から追われる身に。逃げ込んだ先が結婚式場。ドライバーの男が銃創を受けて運転できないため、花嫁に運転させて逃避行を続ける。花嫁はマリッジ・ブルーであり、次第に犯人たちと意気投合。犯人が逃亡手段を確保した後も行動を共にする。

こりゃあ「泥棒はできないけどきっと覚えます」じゃないか?

花嫁衣装のまま身柄を拘束された彼女は、普通の服は手に入れられたものの、現金を持っていない。彼女がした食料を手に入れる手段は、雑貨屋の爺さんと交渉して、食料と引き換えにスカートをたくし上げるのである。
「ああ、ダメ。ダメだよ。そんな事しちゃ、クラリス」

そして、強盗犯に私も役に立ちますと、町のスーパーで万引きしようとすると、店長にとっ捕まって、万引き商品を隠してないかと全裸に剥かれて、あらぬところに指を入れられて検査されてしまいそうになるのである。ああ、可哀想なクラリス。

挙句の果ては………書けねえ、書けねえ、もう書けねえ。

という事で、これは「泥棒はできないけどきっと覚えます」の先の話なのではないか。最後は強奪犯も自分達がいよいよ追っ手に捕まりそうになって彼女を追いだして逃がす。もちろん、気の利いたセリフなんかはない。でも、この強奪犯は彼女からは何も奪っていないのだ、彼女の心以外。

ラスト、心を奪われた彼女はふらふらと宛てもなく歩く。

花嫁姿モチーフで泥棒と逃避行。
この映画が出来た2年後にカリ城が作られてる事からも影響があった可能性はある。そう考えても不自然じゃないですね。まあ、全く関係ないとしても、この映画の花嫁の没落具合をクラリスに当てはめて考えるのも又、一興です。

主役の花嫁は八城夏子。違和感のある変な顔なんですが、私は見てるうちにファニー・フェイスだなと思えるくらいには慣れました。一応クラリスとは似ても似つかないと言っていいでしょう。ちなみに強奪犯も別にルパンには似てないけれど、偶然、主犯の一人がモジャモジャな髪で初代ルパンの山田康夫をちょっと思いだしたりして。いやいやいやいや、そんなん言いがかり以外の何物でもない。ま、気にかかる人は試しに見てみてください。成人映画の常でソフト化してるかどうかは分からないですが、ラピュタやヴェーラでかかった経緯があるので辛抱強く待ってればスクリーンで見れる機会があるかもしれないです。


【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
人妻集団暴行致死事件@ぴあ映画生活
暴行儀式@ぴあ映画生活
(秘)ハネムーン 暴行列車@ぴあ映画生活
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『FORMA』をユーロスペース2で観て、物凄く良く出来てるけど好き嫌いは別だふじき★★★

五つ星評価で【★★★観客に対する見切り】  
長回しとロング映像を多用。
これが痛いくらい効いている。
映画が分かっている。上手い。
やはり、この長回しとロングが嫌いな人もいるだろう(それは自分)。
だが、効果としては評価せざるを得ない。

映画『カイジ』の一本目で、カイジが敵の有能さを信頼するが故に勝負に勝つ展開があったが、そういう意味では、この映画の監督は観客が無能である事を信頼している。勿論、監督自らミスリードを誘っている部分はある。それでも、ミスリードがあった場合、ミスリードを見抜けない側が責を負うのが妥当だろう。そして、又、この映画の監督は観客が全くの無能でない事に関しても信頼している。物語中盤の男の女に対する要求の部分などについて、逐一親切丁寧に説明したりはしない。全て語らずともそれくらいは分かるでしょ、という信頼がある。この観客に対する有能さと無能さの幅に対する今まで以上に狭い見切りがとても面白い。

主役級の女の子二人、男の子二人、プラス光石研は好演。
最初の男のチャラい感じが絶妙。
次の男の、いい人なんだけど、モテそうにないオーラ全開も絶妙。

チラシやポスター図案からは何も訴えてこない。
私も口コミが伝わってこなければ観に行かなかっただろう。
「FORMA」が何かもわかっていない。

青田買いするなら、この監督がお得ですよ。


【銭】
ユーロ会員割引で1800円→1200円

▼作品詳細などはこちらでいいかな
FORMA@ぴあ映画生活