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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『TATSUMI マンガに革命を起こした男』を角川シネマ新宿2で観て、マンガのうごめきだなふじき★★★

五つ星評価で【★★★うごめきの魅力】
  
辰巳ヨシヒロのマンガは多分、読んだ事がない。

映画は
『地獄』
『いとしのモンキー』
『男一発』
『グッドバイ』
『はいってます』
の五つの短編と、それを俯瞰するような位置の自伝マンガ『劇画漂流』で出来ている。
『地獄』『いとしのモンキー』『はいってます』『劇画漂流』の主人公が同タイプなので、話が分からなくなるほどではないが、ちょっと紛らわしい。ベースに出てくる『劇画漂流』よりは短編の語り口の上手さに惹かれる。どっちかっていうと『劇画漂流』のパートをなくして、もう少し短編を増やしてもらってもよかった。

どれも哀しい話で夢がない。
これがマンガの裏面だとしたら、表面はやはり手塚治虫だろう。
少年マンガで明朗快活な話を描き続ける。
膨大な作品を残した手塚なので、暗くて絶望的な締めで終わる話は皆無ではない。ただ、語り口がいいからなのか、どす黒い地獄でのたうち回って終わるような感覚はない。手塚は話が終わった後に幕を引き、マンガの世界と読者の世界をきっちり線引きしているかのようだ。いや、手塚に関わらず「物語」を描く作者は基本、みんな同じだろう。一部の作者だけが「物語」の枠を曖昧な物に変質させ、それを自分たちの実体験のように感じさせるのかもしれない。

「哀しみも屈辱も感動も、全て彼がマンガに持ってきた。」というのが
チラシのコピーなのだが、
一番乗りが彼であるかどうかにはあまり興味がない。
同意してくれなくてもいいのだが、この資質は松本零士にもあると思う。
それを少年マンガの土俵でやってのけた。あの人も凄い人だった。

短編の中では『地獄』と『グッドバイ』が好み。


【銭】
テアトル系の会員割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
TATSUMI マンガに革命を起こした男@ぴあ映画生活
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