『楽園追放』を新宿バルト9-5、『インターステラー』をミラノ座2で観て、日米ハードSF決戦だふじき★★★★,★★★(ネタバレ気味)
- Date
- 2014/12/08/Mon 00:33
- Category
- 映画(ライブドアブログ時代)
日米ハードSFを同日に観て、感じる所などがあったので合算して書く。
◆『楽園追放』
五つ星評価で【★★★★ハードSFの設定を使ってライトに人間と社会の関係を絵解きする】
いきなりで何だけど『インターステラー』ではちょっと涙ぐんだが、『楽園追放』では涙のカケラも浮かばなかった。話は全く違うが要素は似たものが幾つかあるにもかかわらずだ。
『インターステラー』は、ぶっちゃけて言うと、宇宙の片隅に生存可能な惑星を探しに行くパイロット親とその子供の絆の物語だ。
『楽園追放』は上流社会の捜査官がスラムで捜査する中、新たな価値観と出会い、今までの自分の価値観を揺さぶられる物語だ。
どちらも主人公に世界を揺るがしかねない事件に対するミッションが与えられ、それを解決するために新天地に赴き、自分の中の大事な何かを失いかけるという点が相似している。
何で似たような「(一番大切なものの)喪失」が描かれながら、『楽園追放』で涙が出ないのかと言うと、主人公の感情表現がアニメである事を差し引いても希薄なのだ。又、その感情を相乗するような所謂「泣き節」な音楽も背景として掛からない。ドラマ演出上も奇をてらうようなオーバーな表現はなく、実に淡々と描かれている。慟哭を描く事が目的ではないという事だろう。クールなもんだ。
では、『楽園追放』は何を描きたかったのかと言うと、爆発と乳揺れである。冗談ではない。これはこれで大事な要素だ。この爆発と乳揺れの何とも絶妙な描写。いやいやいやいや、でも、それだけではない。異文化同士のコミュニケーションの面白さもあげたい。カルチャーショックという奴だ。ざっと四つの文化層がそれぞれの異なる見識をぶつけ合う。
①主人公(上流階級労働者層)
②スラム住民
③テロリスト
④支配者層(上流階級支配者層)
この中で一番穏便なのがテロリストで、一番非情なのが支配者層というパラドックスの面白さ。誰の立場に立つかによって、それぞれが正しい意見でありえる所も面白い。ここで描かれる悪は決して絶対的な悪ではない。
ブラック企業の社長は、賃金を下げてはならぬ。過剰労働も緩めてはならぬ。と言うだろう。それは間違えっぽく世間にアピールするが、極論的には、それをしているからこそ会社が潰れずに残ってきたのだ。その指針その物は程度の差を考慮しなければいけない事を除けば、それは悪ではない。それ以上に善に近いとすら言える。そんな思考の錯綜が見られるのがなかなか面白かった。乳揺れも爆発も面白かったけれど。
このカルチャーショックの面白さを減じないために、無理にドラマチックにするのは避けたのではないか。ドラマチックにすると①~④の関係の相対性が薄れて、誰かが善になる、誰かが悪になるの絶対性が高まってしまうから。いや、それ以上に単に乳と爆発が大事だった、それだけの事かもしれないが。
PS 捜査官アンジェラの初排尿、初排便の様子を特典映像化するなら
ソフト高くっても買うよ、俺は。
◆『インターステラー』
五つ星評価で【★★★ハードSFの衣を被りながら重厚に人間の情愛を描く】
いや、もう、見栄を張ってもしょうがない。
分かったような、分からんような話だった。
異なる重力の下では時間の流れる速さは異なる。
うん、分からん。分からんけどルールだと言うなら、それに従おう。
すると1/6重力の月でも時間の流れは違うという事か?
映画内で語られていた「月への着陸は共産圏を破滅させる為のデマ」
というのは、映画内の世界では本当かもしれない。
はっきりよう分からんと思えるのはラスト近く、マコノヒーの決断の後、
宇宙に残されたもう一人(もしくは二人)の運命である。
この辺があまり丁寧に語られていないから、
その人が在命できた事について、ちょっとしっくり来ないのである。
まあ、よう分からん、と。
そこは監督がそんなに重点を置いてない部分だという事ではないか。
別に大事じゃない、と。そんな事より、家族の慟哭を観てよ、と。
個人的には、おいおいノーラン、ちょっとくらい爆発と乳揺れにも力……
爆発はあったな。あれはなかなか良かった。
プリーズ、乳揺れ。
アン・ハサウェイ、いい乳してただろ。
ゲホンゲホン
この物語はハードSFを背景にしながら、
人は自分の命、家族の命、人類の命のどこに重きを置くべきか、
そして、それによる奇跡(いや、奇跡だろ)を出して観客を納得させる。
そういう映画だろ、と思う。
なので、ハードSFでなくても構わない。
ハードSF的には、その統一イメージの破綻なさが徹底されている
『楽園追放』の方を強く買う。
PS ロボくん達は面白いけど、どれがどれなんだかだったし、
極力、感情移入を避けるためにしたという、あのデザイン。
どこか『サイレント・ランニング』くらいの
SFデザインを引きずってる様に見える。
PS2 アン・ハサウェイが目を閉じると、
ちょっと昭和のダッチワイフっぽい顔になるの。
【銭】
楽園追放、正規料金1800円。
インターステラー、チケット屋で招待券買って980円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・楽園追放-Expelled from Paradise-@ぴあ映画生活
・インターステラー@ぴあ映画生活
▼他の記事、読んだ後だと内容が揺れそうなので今回、初TBはなし。
◆『楽園追放』
五つ星評価で【★★★★ハードSFの設定を使ってライトに人間と社会の関係を絵解きする】
いきなりで何だけど『インターステラー』ではちょっと涙ぐんだが、『楽園追放』では涙のカケラも浮かばなかった。話は全く違うが要素は似たものが幾つかあるにもかかわらずだ。
『インターステラー』は、ぶっちゃけて言うと、宇宙の片隅に生存可能な惑星を探しに行くパイロット親とその子供の絆の物語だ。
『楽園追放』は上流社会の捜査官がスラムで捜査する中、新たな価値観と出会い、今までの自分の価値観を揺さぶられる物語だ。
どちらも主人公に世界を揺るがしかねない事件に対するミッションが与えられ、それを解決するために新天地に赴き、自分の中の大事な何かを失いかけるという点が相似している。
何で似たような「(一番大切なものの)喪失」が描かれながら、『楽園追放』で涙が出ないのかと言うと、主人公の感情表現がアニメである事を差し引いても希薄なのだ。又、その感情を相乗するような所謂「泣き節」な音楽も背景として掛からない。ドラマ演出上も奇をてらうようなオーバーな表現はなく、実に淡々と描かれている。慟哭を描く事が目的ではないという事だろう。クールなもんだ。
では、『楽園追放』は何を描きたかったのかと言うと、爆発と乳揺れである。冗談ではない。これはこれで大事な要素だ。この爆発と乳揺れの何とも絶妙な描写。いやいやいやいや、でも、それだけではない。異文化同士のコミュニケーションの面白さもあげたい。カルチャーショックという奴だ。ざっと四つの文化層がそれぞれの異なる見識をぶつけ合う。
①主人公(上流階級労働者層)
②スラム住民
③テロリスト
④支配者層(上流階級支配者層)
この中で一番穏便なのがテロリストで、一番非情なのが支配者層というパラドックスの面白さ。誰の立場に立つかによって、それぞれが正しい意見でありえる所も面白い。ここで描かれる悪は決して絶対的な悪ではない。
ブラック企業の社長は、賃金を下げてはならぬ。過剰労働も緩めてはならぬ。と言うだろう。それは間違えっぽく世間にアピールするが、極論的には、それをしているからこそ会社が潰れずに残ってきたのだ。その指針その物は程度の差を考慮しなければいけない事を除けば、それは悪ではない。それ以上に善に近いとすら言える。そんな思考の錯綜が見られるのがなかなか面白かった。乳揺れも爆発も面白かったけれど。
このカルチャーショックの面白さを減じないために、無理にドラマチックにするのは避けたのではないか。ドラマチックにすると①~④の関係の相対性が薄れて、誰かが善になる、誰かが悪になるの絶対性が高まってしまうから。いや、それ以上に単に乳と爆発が大事だった、それだけの事かもしれないが。
PS 捜査官アンジェラの初排尿、初排便の様子を特典映像化するなら
ソフト高くっても買うよ、俺は。
◆『インターステラー』
五つ星評価で【★★★ハードSFの衣を被りながら重厚に人間の情愛を描く】
いや、もう、見栄を張ってもしょうがない。
分かったような、分からんような話だった。
異なる重力の下では時間の流れる速さは異なる。
うん、分からん。分からんけどルールだと言うなら、それに従おう。
すると1/6重力の月でも時間の流れは違うという事か?
映画内で語られていた「月への着陸は共産圏を破滅させる為のデマ」
というのは、映画内の世界では本当かもしれない。
はっきりよう分からんと思えるのはラスト近く、マコノヒーの決断の後、
宇宙に残されたもう一人(もしくは二人)の運命である。
この辺があまり丁寧に語られていないから、
その人が在命できた事について、ちょっとしっくり来ないのである。
まあ、よう分からん、と。
そこは監督がそんなに重点を置いてない部分だという事ではないか。
別に大事じゃない、と。そんな事より、家族の慟哭を観てよ、と。
個人的には、おいおいノーラン、ちょっとくらい爆発と乳揺れにも力……
爆発はあったな。あれはなかなか良かった。
プリーズ、乳揺れ。
アン・ハサウェイ、いい乳してただろ。
ゲホンゲホン
この物語はハードSFを背景にしながら、
人は自分の命、家族の命、人類の命のどこに重きを置くべきか、
そして、それによる奇跡(いや、奇跡だろ)を出して観客を納得させる。
そういう映画だろ、と思う。
なので、ハードSFでなくても構わない。
ハードSF的には、その統一イメージの破綻なさが徹底されている
『楽園追放』の方を強く買う。
PS ロボくん達は面白いけど、どれがどれなんだかだったし、
極力、感情移入を避けるためにしたという、あのデザイン。
どこか『サイレント・ランニング』くらいの
SFデザインを引きずってる様に見える。
PS2 アン・ハサウェイが目を閉じると、
ちょっと昭和のダッチワイフっぽい顔になるの。
【銭】
楽園追放、正規料金1800円。
インターステラー、チケット屋で招待券買って980円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・楽園追放-Expelled from Paradise-@ぴあ映画生活
・インターステラー@ぴあ映画生活
▼他の記事、読んだ後だと内容が揺れそうなので今回、初TBはなし。
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