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『アンダー・ザ・スキン』をUPLINK Xで観て、分からなさにゲラゲラふじき★★★(ネタバレ)

五つ星評価で【★★★スカヨハの裸が見れたのだから、もうそれで充分でしょ】
  
スカヨハの裸を見る映画。
スカちゃんがそれをどう思うかは別として、
世間的にはそう言う位置づけだろう。

といった観点からは、実に納得できる裸だった。
「脱いだらあんなかな」という予想と全く食い違ってなかった。
なので、それはそれでいい。
裸になってくれても、感情表現が伴わないので
トルソーを見るみたいでエロくは感じない。たいそう美術的だ。
ようはエロは感情に伴って湧くものなのだな、と言う事がよく分かる。

優先して特筆すべきなのは、まあ「裸」なのだが、
「説明しないと言ったら説明しないんだもん」と貫き通した演出も楽しい。

宇宙人のスカちゃんは逆ナンしながら、自分に性的好奇心を向ける男を捕食して暮らしているが、ある晩、自分に性的好奇心を向けない男(外面が畸形)を逆ナンした末、取り逃がしてしまう。スカちゃんの心の放浪が始まる。もしかしたら、捕食対象と分かりあえるのではないか。スカちゃんは優しい男と同衾、愛の行為であるセックスをしようとして失敗し、逃亡する。森に逃げ込んだスカちゃんを暴力的に襲う男が現れるが彼女は犯されるない。彼女には人類とセックスするという機能そのものがその身体にないのだ。恐れた男は彼女にガソリンをかけ火を付ける。

というアウトラインだが、事象のみを淡々と全くの説明なして描くので、スカちゃんの心の放浪辺りからがよく分からない。畸形の男は逃げたのか、逃がされたのか、その男は演出意図によって追跡されるが、結局、どこに行ってどうなったのか。捕食を止めたスカちゃんは家に戻らず放浪するが、あれは危険回避の為、戻れないという事なのか。後半チョコチョコ挿入されるバイクの男のカットは何なのか、などなどカルト的な空気バンバンである。

男の全存在を吸収してしまう(食虫植物のウツボカズラを思いだす)彼女の捕食方法は人間サンプルを集めるダダを連想させた。あと、ピット星人とキュラソ星人にも似てる。ダダは『ウルトラシリーズ』内でも屈指の人類とは分かりあえない存在である。知的生命体でありながら意思の疎通を行えない。なので、ダダっぽいと言うのは宇宙人としてグレードが高い存在である。そして、ピット星人的には、外面が他者優位に立つ事を知っている。最後に「広い宇宙にも君の逃げ場はない。宇宙にも地球にも正義は一つなんだ。」と言われて焼き殺されてしまうキュラソ星人にも符合する。正義じゃないからと言って焼き殺していいのか。魔女狩りかよ。森はキリストが悪魔の誘惑を耐えた場所なので、キリスト今日的な暗喩も隠されてるかもしれない。セックスせずに身ごもったマリアは聖母となったが、セックスできずに身ごもる事も許されない彼女は魔女として処理されるみたいな。そう言えばキュラソ星人のネーミングは「ドラキュラ」から来ていた筈だ。ドラキュラも強烈な反キリスト存在のアイコンなので、スカーレット・ヨハンソンは単にセックスせずに焼き殺された事で強烈な反キリストを表わした事になる(って本当かよ)。
あ、roseさんの記事、読んでてふと思ったけど、男たちが沼に沈むのはキリスト教のバプテスマ(洗礼)の暗喩かもしれない。洗礼は神への服従を明確にする儀式。ナンパ男たちはそこで粉々に粉砕され、象男は神の手から逃げる。彼は神によって何も与えられていないから、神との契約を結ぶ理由が乏しいのだ。

あの、バイカーは何だったんだろう?

捕食者としての彼女と同等の存在が、
全体を危険にさらす彼女の行動に対して追跡している、みたいなもんだろうか?

こういうの見ると『寄生獣』の深津絵里みたいに全てを説明してくれないかな、とか思ってしまう。それをやると映画として下品とか偉い人たちに怒られちゃうみたいなんだけど。うん、でも、説明を極端にまでなくすと、上品にはなるけど、上品にもほどがあるよ。ボカノウスキーの『天使』くらい上品になると、もう「品」その物が何だかも分からなくなって、あれはあれで面白いけど。

決して気持ちよくない「滅入る系」の音楽が映画全部を彩ってるのも何かおもろい。


【銭】
UPLINK 見逃した映画特集1300円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
アンダー・ザ・スキン 種の捕食@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
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アンダー・ザ・スキン 種の捕食@我想一個人映画美的女人blog

PS スカちゃんは脚本とか読み込まなそうで、
 オファーがある映画の受け方が適当っぽい所に好感を持ってます。
 どの映画の中でもスカちゃんはちゃんといいのだけど、
 スカちゃんが出ている事で映画その物が素晴らしい名作になったりはしない。
 丹波哲郎的な役者という認識です。
PS2 スカちゃんの役を関西弁コテコテのいつもの濱田マリでやったら、
 めちゃくちゃ比較対象として面白い映画ができそうだな、とか思ってしまう。
PS3 『アンダー・ザ・スキン』に似てる題名。
 →『オーバー・ザ・トップ』
 並べちゃうと、なんか「トップ」が乳首みたいだよな。
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『寄生獣』を109シネマズ木場3で観て、咀嚼しきれない感ふじき★★★

五つ星評価で【★★★殊更に悪い訳ではないのだが、何か一つマンガのように親身になれない】
  
なんでっすかねー、と答が出てないのだが、
普通に考えて上出来に近い筈なんだけど、
やはり原作を先に読んでいる(大昔)のが阻害したのか、
ちょっと違う感を強く感じてしまった。

原作未読の一見さんが見る分には大変、楽しめるのではないかと推測する。

多分、細かい所を省略されちゃったりしたのが気になっているのだ。
原作と映画の尺の関係上、切らなくてはいけない部分は必ずある。
原作はそんなに短い物語ではない。
だから、話を切った貼ったするのは全然かまわないんだけど、
その為に原作の出来上がりの美しさが崩れてしまうのが歯痒いのだ。

もうちょっと整理してほしかった部分は思い付くままに以下の所。
・最初に同種を殺した時の新一の動揺とミギーの非動揺、
 それに相容れなさを感じる新一の感情の揺れ。
・新一がAに倒された時の傷が、土くれを溶かして慣らしたような
 強烈な傷痕になっていない。又、その後の新一の変化が不明瞭。
・犬を捨てた後の新一のパラサイト化の根拠が分かりづらい。
 および、新一が取った犬の解決方法の部分がない。
・成体となったパラサイトの能力の説明がない。
 見れば分かるという事もあるのだが、
 個々の細胞の独立と協調により、どのような形にも変化しうるというのは
 非現実的=いわゆる「まんが的」な設定だから、
 あえて文章で表現して「らしい感」を出した方がいい。

全体に、役者が演じた上での面白さはあった。
役者陣に特にケチを付けるような点はない。
でも、既定の物が手堅く料理されてきただけなので、
私の心にグサっとささらなかった。でも、平均的に悪くない。ちっ。

染谷将太の絶叫なんか本当うまいなあと思いながら、
新一のイメージとはちょっと違う。
どうしても、新一より染谷将太の方が強く出ているように感じる。

ミギーはもうちょっと感情がない故に愛らしい感じにやってほしかった。

深津絵里、不気味で上手いなあ。


【銭】
109シネマズのレイトショー割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
寄生獣@ぴあ映画生活
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寄生獣@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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PS タイトルは『寄生獣 ~はじまりのはじまり~』でも良かった。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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