ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ABC・オブ・デス2』をキネカ大森1でみて再びなあなあやふじき★★

五つ星評価で【★★26本は多い】

トークゲストの西村喜廣監督が言ってたようにオチの弱いものが多い。
やはり26本は多く、脳処理が追い付かないまま、どんどん進んでいってしまう。

気になったのを列挙していくと
よくある系の話でオチかないけどこの先をもうちょっと見たい『死刑』
あのベッドが衝撃で、もうそこからはどうでもいい『祖父』
ワンアイデアとその映像化が上手いこといってる『愚民政治』
こういうオチをちゃんと作るべきという見本のような『破局』
実にビンチェンゾ・ナタリっぽい『ユートピア』

しかし、去年26本見た中で覚えてるのって、
「こんな日本を貶める物を作りやがって」
とぷんぷん怒らされた井口昇のおならと西村喜廣の強烈なビジュアルだけだった。
今年のも一年経ったら大して覚えてない気がする。
作品的には本当にどうでもいい「PPPPSCARY」とかだけ覚えてそうで…


【銭】
キネカ大森名画座カード提示割引で1100円。

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ABC・オブ・デス2@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ABC・オブ・デス@死屍累々映画日記
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『博士と彼女のセオリー』をギンレイホールで観て、ベチャっとしたメロドラマやんふじき★★★

五つ星評価で【★★★博士以上に彼女がステキ】

ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインの演技は凄い。
でも、お手本と言うか目標到達点があるので、
あそこまでやれば合格という目標は立てやすかったんじゃないかと思う。
勿論、目標を立てても誰もが一流大学に合格できる訳ではないのと同じように
それを実現できる手腕は称賛に足る物だ。
でも、それ以上にホーキング博士の奥さんを演じた
フェリシティ・ジョーンズの上手さに拍手を送りたい。
スクリーンに現われた途端に輝いていたけど、
ホーキング博士のエディ・レッドメインが浮かないのは、
彼女が一極となって、常に彼の演技に合わせているからである。
我儘(でいざるを得ない)ホーキング博士と一緒に、
徐々に倦怠(せざるを得ない状況)に追い込まれるのをがっぷり四つで演じてる。

それにしても、こんなにベチャベチャした昼メロみたいな
よろめきメロドラマとは思ってなかった。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

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博士と彼女のセオリー@ぴあ映画生活
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博士と彼女のセオリー@映画的・絵画的・音楽的
博士と彼女のセオリー@いやいやえん
博士と彼女のセオリー@SGA屋物語紹介所

PS ネタ
 「筋委縮性側索硬化症にはセロリが効くらしいよ」
 「いや言わんでいい。と言うより、みなまで言うな」
 チャンチャン
PS2 青年時代のけっこうゴテゴテしたぶっとい鼈甲眼鏡。
 あれ、クラーク・ケントっぽい。
 確かにホーキング博士がスーパーマンになったら誰も気付きはせんよなあ。
 変身のため電話ボックスには入れない
 ………と言うか、アメリカでも電話ボックスってもう相当なさそうだけど。
PS3 2年の寿命に対抗するため、
 ホーキング博士が故意にゾンビに噛まれる映画、
 という展開があってもよかった(いや、よくないだろ)。

『人間まがい』をキネカ大森1で観て、嫌いじゃないよふじき★★★

五つ星評価で【★★★ブブゼラ好きは必見】

素人感漂うけどそれはそれで良い。
トビー・フーパーだって最初はビビるくらい素人感が強かった。
事件は次々に起こるが、最終的に「何故」事件が起こるのかは全くの謎だ。
でも、これはこれでOKだろう。
100%綺麗に謎が解明されてしまうと「ホラー」っぽくない気がする。
『ラバー』みたいにどうでもいいと開き直られても困るが。

主役の兄ちゃんと、アブダクションされてしまうその友達とか、
一目で「あいつだ」と分かる分かりやすさは良い。

「ホラー秘宝」のブランドロゴ映像は相変わらずかっこいい。


【銭】
キネカ大森名画座カード提示割引で1100円。

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人間まがい@ぴあ
映画生活


PS ブブゼラを好きな女の子の股間にあてて吹いてみたくなる映画№1!

『クーデター』を中野ZERO大ホールで観て、華はないけどごっつおもろいふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★単純におもろい】

おもろい。
おもろいから見に行ってほしい。

でも、これはヒットしないだろうと思う。
恐竜が出たり、ヒーローが大活躍したりなどの過剰な華がない。
1970年代とかに撮られていそうな映画だ。

クーデターが勃発し、外国人排斥が行われる。
発見次第射殺されてもおかしくない状況で主人公家族が如何に逃げ切るか。

危機また危機。
父さん役のオーウェン・ウィルソンは等身大の普通の父ちゃん。
当たり前に強くない。現地人と組み伏せばまず負ける。リアルだ。
でも、負けたら二人の娘と妻が殺されるから、ギリギリで踏ん張る。
このギリギリ加減がとてもいい塩梅で上手い。
オーウェン・ウィルソンはヘタレ感があって、とてもいい配役だ。

現地に溶け込んでる手練れの男にピアーズ・ブロスナン。
007役者は年取ってからの方がみんなよくなってる。ブロスナンもその一人。

国全体が敵になるので、突出した悪役キャラみたいなのはいないのだけど、
クーデターによる外国人排斥の際に取られる無法が悪意を感じるくらい下司。
こういう事しそうな奴はいるんだろうけど、人種が違うと強い恐怖を感じる。
多分、これは戦時の日本人に他国が感じていた恐怖と同種の恐怖なのだと思う。
あと、水を支配する外国企業と言うのは日本にいるとリアルに感じられないけど、
実際に世界の各地で行われている経済優位者の蛮行である。

見てね


【銭】
試写会当たった。

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クーデター@ぴあ映画生活

PS 華を出すために四匹のラプトルを手に入れて、それに乗って脱出だ。
PS2 感想に子供が我儘でうざいってのがあったけど、
 子供ってそういうもんでしょ。
 そんな聞き分けのいい賢者みたいな子供っていないよ。
PS3 「くうでタア」と書くと可愛い感じ。
追記 2015.09.13
PS4 エンタティーメント的に襲ってくる現地アジア人だけでは地味なので、
 リオのカーニバルみたいな派手な衣装で襲ってくるという事にしたら
 どうだろう?(いやいやいやいや)

ロッテ「爽 コーラフロート味」

なるほど、コーラでフロートな味だ。

コーラはともかく浮浪者な味じゃなくて良かった。

いや、もっとも浮浪者を味わった事はないけどね。

『わが谷は緑なりき』『馬鹿息子』をシネマヴェーラ渋谷で観て、フォードにキートンだふじき★★★★,★★

特集上映「映画史上の名作13」の1プログラム。

◆『わが谷は緑なりき』
五つ星評価で【★★★★ジョン・フォードは合う】

まだ50本ほどの作品のさわりしか見てないが、
ジョン・フォードは自分に合ってるようだ。

迷わないストーリー。
そして、作中の登場人物が幸せな結末を迎えるかどうかは別にして、
彼等が持つ揺るがない正義や信条。そこに惹かれる。

『わが谷は緑なりき』はハリウッド映画だが、
舞台はイギリス炭鉱夫の町。
父母と姉、5人の兄を持つ少年が主人公。
彼のシャイなところが『シックス・センス』
ハーレイ・ジョエル・オスメントくんに似てる。

物語はスト騒ぎに荒れる町の中、
彼が一人前の男に育つまでの出来事の数々を描く。
一生懸命に生きる人間の話はおもろい。
そういう話がたとえもう時代遅れなのだとしても。


◆『馬鹿息子』
五つ星評価で【★★いじめダメ】
気のいい世間知らずのボンボンのキートン、
実業家の娘と結婚するためには職に付かなくてはならない。
彼は友人と同じく株の仲買人になるが、
悪漢に罪を擦り付けられ、実業家の娘との結婚は破談になってしまう。
悪漢の手は実業家にもおよび………

キートンが珍しく、超絶スタントなどを行わず、
極めて普通の役者として機能してる映画。
キートンって「ミスター・ナイーブ」なんだよなあ、と気づかされる。
あと、貧乏でも育ちの良さが滲み出る(本当に育ちがいいかどうかは知らない)。

仲買人の中で新人イジメに会うキートン。
そんな哀しいキートンはあまり見たくないなあ。
大人社会で新人イビリを娯楽のように執行するアメリカ。
コメデイーを意識した挿入なんだろうけどありそうでイヤな場面だった。

しかしまあ、馬鹿息子の話ではあるが、その物ズバリのタイトルすぎる。


【銭】
シネマヴェーラの会員ポイントが9ポイントたまったのでロハ入場。

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わが谷は緑なりき@ぴあ映画生活
馬鹿息子@ぴあ映画生活

本日、ツイッターから学んだ結論

ウルトラマンが恐怖新聞を読んだら無敵。

『死霊高校』を新宿ピカデリー4で観て、今時・・・ふじき★

五つ星評価で【★適当】

何も知らずにタイトルだけで見に行った。
あっ洋画か。このタイトルセンスが邦画か韓国映画かと思ってたのに。

そして見る。
POVか。
画面ブレで見づらいのはしょうがないが、
撮影者のコメントが一々頭が悪くてイライラする。
この性格の悪いコメントで誰が気持ちよくなるんだろう。
出てくる主要登場人物4人がみんなオソマツでって六子じゃないよ。
24人になっちゃうじゃん。

夜の校舎に忍び込んでから、手持ちカメラが二つに増えているようだが、
説明かないので戸惑う。

脚本の性格が悪くて、演出もそれを覆すほど優秀には思えない。
あ、音響設計は良かったかもしれない。いいタイミングでガーンと来る。

まあ、こういうの肝試し代わりに中坊が見に来て笑って帰ればいいんじゃない。
昔は二本立てで、カップリング作品が面白くて救われたりしたんだけど。

にしても今時、こんな捻りもなく、ただ脅かすだけの映画かよ。


【銭】
新宿ピカデリー、会員制の前回入場割引で1300円。

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死霊高校@ぴあ映画生活
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死霊高校@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS カラマーゾフの兄弟を連れて来い。

『日本のいちばん長い日(原田版)』をUCT4で観て、努力は認めるがやはり岡本版が好きふじき★★★

五つ星評価で【★★★おでは岡本派】

まず、これはこれで大した映画であると思う。
ただ、岡本喜八版の『日本のいちばん長い日』を見てしまうと
そのゆるぎないストーリーテリングに心酔させられてしまう。
原田眞人版が同じ題材で違う物を描こうとした事は分かるが、
前提となる話が分かっていないと、物語として今一つのめり込めない。

原田眞人版は前半ポツダム宣言受諾決定の辺りまでが秀逸だ。
そのパートが前作より長く、前作で知りえなかった事なども色々描写される。
怖い。東條怖い。
でも、そこが長いので「いちばん長い一日」というより
「長かった数日間」みたいにピントがずれてしまっている。
だったらタイトルを『聖断』にして、
『日本のいちばん長い日』はサブタイトルに変更しても良かったのではないか。

残念なのは描きたかった「聖断」にウェイトを置いてしまった為、
「いちばん長い一日」に当たる部分の描写が駆け足になってしまったことだ。
そして、その部分が短くなると、どうしても青年将校達の憤りが伝わりづらい。
自分も含めて、本土決戦しなくていいならラッキーと思うような観客に、
その当時は「日本が負ける事は正義の為に許されない」
というメンタリティーに満ちていたという事を説明してやる必要があると思う。
「この映画を観に来る観客なら分かっているだろう」と決めつけるのは簡単だが、
本来はそれが分からないような観客にこそ見せたい映画でもある筈だ。

松坂桃李演じるドライに狂っていく畑中少佐は
前作で黒沢年男が演じたウェットに狂いまくる畑中少佐と明らかに違う演技で、
それはとても良い試みだったと思う。
松坂桃李の冷徹な顔に、日本軍人の一本気な一念が見てとれて見惚れた。
ただ、問題なのは彼等青年将校が松坂桃李と同じ狂い方にすぐ同調してしまうので、
各個人のメリハリや個性が見えなくなってしまった。
そこだけ現代と同様に意図的に没個性に抑えたという事もないだろう。
前作では青年将校の中でさえも各個性がぶつかり結論や偶然が重なって
反乱になだれ込むという道筋があったのに、
今作ではレールに乗るようにスムーズに反乱になってしまう。
彼等青年将校は日本軍人の戦う事や人を殺す事ですら一生懸命行う勤勉さが
凝縮されたような、外国人から見たら、とっても「日本兵」な存在に見える。
まるで、マシーンのような。
そう言えば総理大臣、陸軍大臣も、
とっても立派な偉業を成し遂げた人物として描かれている。
それはそうなのであるが、どうもスキがなさすぎて人間くさくない。
伝記を聞かされているような感覚である。

岡本版では総理大臣は貧相な小男であり、
陸軍大臣はコテコテの軍国主義者のように描かれている。
それでも彼等は一致団結して、戦争を止めなければならなかった。
そして、戦争を止めたくなかった者達もみんな、とても人間くさかった。

原田版の青年将校達はイデオロギーそのものである。
岡本版の青年将校達はイデオロギーに翻弄される人間である。
原田版は極めて概念的であり、だからこそ描けた部分もある。
岡本版は逆に大衆が喜ぶ絵巻物のようだ。
これも、その様式だからこそ描けたものがある。
私は岡本版の取り組み方の方が好きだ。


【銭】
UCT金曜会員割引で1000円。

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日本のいちばん長い日@ぴあ映画生活
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日本のいちばん長い日@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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日本のいちばん長い日@映画のブログ
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日本のいちばん長い日(岡本版)@死屍累々映画日記

『日本のいちばん長い日(岡本版)』『ゆきゆきて神軍』をキネカ大森1で観て、キチガイ盛沢山だふじき★★★★,★★

「終戦映画2本立て」。
キネカ大森の名画座快進撃が止まらない。

◆『日本のいちばん長い日』
五つ星評価で【★★★★単におもろい。役者見てるだけで楽しい】
多分、三回目。

物語もその時、そんな事が行われていたのかという意外性に満ち満ちていて
一瞬たりともも退屈させないが、
それ以上にともかく多彩な役者陣を見ているだけで満足してしまう。

筆頭二人あげるなら、天本英世と黒沢年男。
天本英世は日本人が考える「キチガイ」という言葉を間違いなく体現している。
あれこそ「キチガイ」。ザ・キチガイ、キング・オブ・キチガイである。
黒沢年男の何か卑小な獣に憑りつかれてるような暴走っぷりも素晴らしい。

笠智衆の首相の爺ちゃんぽさ、加藤武の書記の食えなそうなベテランぽさ、
小林桂樹の侍従の生活感のない飄飄した感じ、
伊藤雄之助のあゝ伊藤雄之助だなという感じ、
加東大介の羽目を外さずに底からボワっと明るい感じ。

ああ、層が厚いなあ。
今の日本映画で伊藤雄之助みたいな変な顔の役者がいないのは本当に良くない。
そう言えばそれは芸人枠だってツイッターで言われた気がする。

伊藤雄之助が出る場面で、飛行場の格納庫壁面に左から右へ横書きで
「火気厳禁」と書いてあるのが映っていたが、あれはチョンボなんだろうか。


◆『ゆきゆきて神軍』
五つ星評価で【★★奥崎という怪物】
二回目。

取材対象の奥崎は狂人。だから、ドキュメンタリーとしては面白い。
ドキュメンタリーは被写体が特殊であればあるほど映える。
でも、この奥崎と言う男を興味深いとは思っても好きにはなれない。
浪花節に人情派な所など、この男が戦争にさえ行かなければ
ごく普通の市井の人々として一生終えたであろうから、同情の余地はあるが。

奥崎が口で責める。暴力を振るう。
その責は自分で負うから警察でも何でも呼べばよいと言う。
だが、そもそも「奥崎が警察に拘束される事」と「暴力を振るわれる事」
が対価になるという考えがおかしい。それは奥崎自身が主張しているに過ぎない。
この主張だと人を殺しても捕まれば問題なし。
そこに殺された被害者の姿はない。
自分を押し付けて他人をかえりみない人間は見世物としてはともかく、
近くに近寄りたくはない。
だから、そういう猛獣に近寄っていったこのドキュメンタリーは秀逸である。

好きではないけど。

うん、やはり、和太鼓はよい。
和太鼓が入ると映像がピリっとする。


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日本のいちばん長い日〈1967年〉@ぴあ映画生活
ゆきゆきて、神軍@ぴあ映画生活
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