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『ヒックとドラゴン2』を上野恩賜公園噴水前広場野外上映で観て、風が気持ちよかったよふじき★★★★(ネタバレ寸止めくらい)

五つ星評価で【★★★★いや、面白い。これが多くの観客を見込めないから国内の映画館で一般上映できないというのは本末転倒だ】

噂で聞いたのは本国配給会社が、
大入りの見込がないのなら日本での劇場公開を許可しないと言ったとか。
10億の価値のある映画を5億で宣伝して2億しか入らないなら損、
という考えで数字だけ見ると分からなくもないのだが、それは本末転倒な話だ。

日本の映画興行が特殊で、ヒットしづらい傾向の作品がある事は否定しないが、
それをヒットさせるのが配給会社の手腕だし(その為に給料払ってる)、
メジャー宣伝を1億にして、
集客の見込める劇場に限定して長期興行をうって3~4億稼ぐとかいう
大儲けではなくても赤字にならない手段もあっただろう。
この後にまだ続く作品があるなら絶やさない事が大事。
それと、見せる事で、映画の地力でヒットさせるという考えが抜けている。
ヒック1は良作だったがダメだったというのは事実だが、
それを覆すための戦略を練るのもまた仕事だろう。
だって、これは大スクリーンで観た方が確実に面白いコンテンツなのだから。

という事で、通常の劇場公開がなく、
奇跡的にブルーレイ&DVDの販促の一環(だと思うよ)の
無料野外上映会に潜り込んで鑑賞。

設備でスクリーンの継ぎ目が意識出来てしまったのだけはちょっと残念だったが、
音も問題なく聞き取れて、スクリーンの上空に浮かぶ本当の空が気持ちいい。
この本当の空(ポッカリ雲が浮かんだりしてる)と自然に吹く風が
作品にマッチして、普通に劇場で鑑賞するより
よい趣きだったかもしれないのは皮肉な結果だった。
まあ、どっちでも大スクリーンで見れればいいよ。
あと、これは宣伝の問題かもしれないけど、子供はそんなに多くなかった。
空飛んでひゃあーーーーーーって感覚を子供に見せて歓声を聞きたかった。

映画は文句なし。

三つの勢力(ヒックのいるバーク島、悪のドラゴン軍団、謎のドラゴン乗り)
をぶつけ合わせながら、ヒックの成長や、世界のあり方の提案まで
一気に書ききって漏れたり落としたりがないってのが本当凄い。

特に中盤、謎のドラゴン乗りとヒックが出あってからの展開が
ビックリさせられながらも、ありえない話でもなく、そういう風に転がるのか、
という話転がしの面白さを堪能させられた。

その代わりなのかもしれないが、悪のドラゴン軍団は画一的。
キャラがボス一人と下っ端しかいない構造も不自然。
不自然だけど、意見対立を明らかにするのには有効だったから文句は言えない。

前作は98分、今作は102分。体感時間は短く感じなかったが、
これは映画内容が充実していたからだろう。

前作も今作もただ気持ちいいポイントを稼ぐだけでなく、
その裏で主人公に喪失を味あわせているのが凄い。しかもガチでだ。
妖精の魔法や、時間の巻き戻しで、なかった事になどならない。
楽観的な引きずらない明るい調子がそう見せてないが、
こんなにひどいしっぺ返しを主人公に与えるアニメは
洋邦アニメで他に見当たらないのではないか。
キャラはデフォルメされてアニメだが、主人公の周囲の環境は実に「人間」だ。

女王蜂的存在の大ドラゴンが暴走させられるのだが、
ここは「全てのドラゴンには秘密がある」を活かしてもらいたかった。
話の中でそこだけは違和感があった。
映画の展開では、「力に拮抗するのは力」という風にしか見えない。
そして、その力の元はジャンプ漫画的な「ど根性」でしかないのは違うと思う。

あと、無理やりにでもダメ出しするなら(そんなんしなくていいじゃん)
相変わらず女性キャラには萌えない。
ヒックの恋人とか「いい奴」なんだけど、バイキングである事を差し引いても、
女の子としての可愛さが滲み出てこない。
多分、それの逆目でムチャクチャ、ドラゴンが可愛く描かれているのだが、
やっぱそこで「萌え萌え興奮」したりはしない。
そこまで変態じゃないのだよ、諸君。


【銭】
無料上映会。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヒックとドラゴン2@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(銀幕大帝さんはコメ封鎖中なのでTBのみです。そろそろ封鎖解けないかな)。
ヒックとドラゴン2@映画のブログ
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▼関連記事。
ヒックとドラゴン@死屍累々映画日記・第二章
・ヒックとドラゴン2@死屍累々映画日記・第二章
ヒックとドラゴン3@死屍累々映画日記・第二章

PS 次は羊が退屈な日常から脱走するスピンオフだよ!(違うって)
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『野火(塚本版)』をユーロスペース2で観て、あっさり感想ふじき★★★

五つ星評価で【★★★これはこれで大した物に違いない】

結論から言うと、私は市川崑版の方が好きだ。
市川版は、物事の筋書きをはっきり書いていて物語として分かりやすい。
塚本晋也の今回の映画化は同じ話を描き、
同じストーリーを辿っているにもかかわらず、感覚的で私には分かりづらい。
「私には分かりづらい」と書いたのは、
こっちの方が向いてる人もいるに違いないからだ。
塚本版はイベントである。
戦場に放り込まれた各人が、映画の主役と同じ事を音と光で体験する。
主人公は極力、語らず、観客の黒子に徹する。
感じたり、考えたり、意見を述べたりするのは主人公ではない、観客なのだ。
だが、私は戦争を体験するように、主人公と一体化はしなかった。
それは市川版を見ていて、話の筋書きを意識出来てしまう分、
没頭感を持ちづらかったのかもしれない。

塚本版、市川版、どちらも戦争の地獄絵図を描いているのだが、
市川版の方が地獄がより陰惨に見えるから私は好きだ。

塚本版は主観的に捉えられた地獄。地獄は主人公が見聞きする体験談である。
市川版は客観的に捉えられた地獄。主人公が見聞した事も含めるが、
大局的に発生する殺戮を島単位で描く。

この映画の中の表現ではないが、
原爆爆発の瞬間、灼熱の中で燃えて焼け爛れる人物ただ一人に焦点を当てたのが塚本版。原爆とはどのような兵器で、被害の様相を何台ものカメラで多角的に収めたのが市川版。とちらがより病巣を深く描けるかと言うなら市川版だろう。「戦争で死ぬ」場合でも、個人単位に見れば「一人が殺される」事が一度にいっぱい起こるだけである。だから、塚本の描き方が間違えてるとは言えない。ただ、この描き方を選ぶと、どうしても「それはその人だけに起こった事」に見えてしまうという欠点も持ってしまう。この人はこんなひどい目に会ったが他の人はそうでないかもしれない。だから、他の人も同じか、それ以上ひどい目に会う事が示唆される市川版の方が私は怖い。

ただ、塚本オリジナルの効果的な映像、効果的な音楽は
「塚本」その物で脱帽せずにはいられない。
その効果を再確認する為に、とりあえずもう一回観たい。


【銭】
ユーロスペースの会員割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
野火@ぴあ映画生活
▼関連記事。
野火(市川版)@死屍累々映画日記
野火(塚本版2回目)@死屍累々映画日記
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fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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