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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『偉大なるアンバーソン家の人々(ネタバレ)』『血涙の志士』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ワクワクグーグーふじき★★★★,★★

特集上映「映画史上の名作14」の1プログラム。

◆『偉大なるアンバーソン家の人々』
五つ星評価で【★★★★オーソン・ウェルズかく語りき】
オーソン・ウェルズ監督作品。オーソン・ウェルズの映画って『市民ケーン』を大昔に見たっきり。他は出演している『M』とかウィスキーのCMとかで見かけた事はあるけどそれしかなかった。で、見てみると、まあ、ちゃんと面白い事。それにしても、これが全然完成品でなく、40分ほどカットされた挙句ラストまで変えられた「ノン・ディレクターズ・カット版」だって事実も凄い。失われた40分は今でも探し続けられているらしいが、おそらくもう発見は無理だろう。ただ、同じく「ノン・ディレクターズ・カット版」のポール・グリモーの『やぶにらみの暴君』が「ディレクターズ・カット版」の『鳥と王様』よりテンポがよくて好きな私としては、監督が思うままに意思を通した作品の方が絶対面白い筈だ、とは言いきれないと思っている。どちらにせよ、もうどうにもならない物の事を言ってもせんないもんだ。

映画冒頭、その町にとってのアンバーソン家の「格」をボーンと出し、まるで吹き荒れる風のように若き日のモーガンとイザベルの恋の破綻から、イザベルの一人息子ユージーンの我儘ぶりまで描いてみせる。ユージーンは金持ちに胡坐をかいたとにかく鼻もちならない若造だが、彼の母親への愛(依存)だけは掛け値なしの本物なので、観客はその一点しかなく、その一点に縋りつく為に普通の男女の愛すら捨ててしまうユージーンに徐々に同情しないでもなくなる。嫌な奴を嫌な奴として描写しておきながら、その彼への関心を観客に捨てさせない手腕が見事だ。時代は馬車から自動車の時代へと移り変わり、ユージーンがモーガンにかって言った通り、クソな時代がやってくる。それは単にユージーンただ一人にとっての「クソな時代」ではなく、土地の名士が主人のように振る舞いながらも弱者をそれなりに守っていた時代の終焉であり、各人一人一人が戦いながら自分を守らなくてはいけない時代の始まりなのだ。
富豪の鎧を剥ぎ取られたユージーンは事故で四肢を失い、もう施しを受ける事でしか生きながらえない弱者になる。だが、弱者を守る彼の家はもうない。ユージーンにイザベルの一端を見たモーガンの手によってユージーンは生の保証を得る。ハイになってるモーガン、閉ざされた病室内で映らないユージーン。皮肉なことに彼の言った「クソな時代」で、彼は他者と戦って身銭を稼ぐ事もなく、かってそうありたいと願った働かない生活を手に入れた、彼のもっとも嫌悪すべき敵の手によって。彼がどんな顔でどう生きるのか。彼の顔は病室に遮られて見えない。
これがエンディングが変えられたハッピーエンドという事なのだが、足を怪我した競走馬の額に銃を撃ちこむようにユージーンを抹殺してやる方がより人道的ではないだろうか?


◆『血涙の志士』
五つ星評価で【★★ジョン・フォードの無声映画。凄い邦題だ】
無声映画はどうも苦手だ。集中力が途切れてしまう。

親の遺言で結婚した相手がグズグズのノンベ野郎で苦労するという『偉大なるアンバーソン家の人々』のカップリングにとてもふさわしいダメダメ結婚映画。ダメの理由は『偉大なるアンバーソン家の人々』ほど複雑ではなく、単に夫が「ノミスケの悪」で借金の近作に困り社会的に不誠実な事を行なった。悪い事をこの夫が一手に引き受けているのだが、こいつの顔が髭面もあってか、ベン・アフレックに似てる。

舞台がアイルランドという事でキルトを穿いている男も女も現われる。
女のキルトの方が可愛いね、当たり前だけど。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円。

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偉大なるアンバーソン家の人々@ぴあ映画生活
血涙の志士@ぴあ映画生活

『俺物語!!』をトーホーシネマズ新宿8で観て、鈴木亮平偉いよねふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★予告見た時から鈴木亮平凄いとしか思えんかった】
原作パラ見程度。アニメ未鑑賞。

鈴木亮平の肉体改造演技が本当に凄い。
メイクの力もあるけど、痩せてる時の鈴木亮平はちょっと坂口健太郎寄りで、決してブサイクではない。原作と全く同じビジュアルかと言われれば、ソフトにはなっているだろう。原作マンガの顔立ちは平常時「ニタ~」っと笑うと性犯罪者っぽく見えるようなホルモンなイヤさがある。にも関わらずピュア・ストーリーとして仕上げて成立させてる原作マンガは実に凄い。実写の剛田猛男は笑うと犬っぽい可愛い感じが出る。いいよ、それくらいは許すよ。根本は外してないから。

その猛男を受ける可憐な美少女永野芽郁の天使っぷりも半端ない。
この子がちゃんと天使で天然を実演しないと話が宙に浮いてしまうのだ。
結果、グッ。ようやってる。とてもいい仕事っぷりだ。

中心人物三人目、坂口健太郎。
彼はリアルにチヤホヤされててイケメンである事に間違いないが、
顔立ちが特殊なので、全カットありがたいイケメンに見えなかったりする。
そこは残念だ。それは彼よりも演出側撮影側の問題だろう。

話はもどかしくてもどかしくて悶々の行ったり来たり。うーん、少女マンガ。
もどかしいすれ違いが多く起こりすぎてちょっとダレた。
でも、基本は外してない。だから、安心して見れる。

猛男の父、寺脇康文がもみあげを伸ばすと津田寛治にちょっと似てる。
猛男の母、鈴木砂羽がパーマをあてると岡本夏生にちょっと似てる。


【銭】
トーホーシネマのメンバー優待週間に見に行ったので1100円。

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俺物語!!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
俺物語!!@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
俺物語!!@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記

PS もうこうなったら、鈴木亮平さんは
 遺伝子改造手術で白獅子のDNAを受け入れて、
 『レオ物語!!』を作るしかない

『orange』をトーホーシネマズ新宿7で観て、139分は長いだろふじき★★★

五つ星評価で【★★★いや、普通におもろいけど見る前に時間聞いてちょっとゲンナリした】
おもろいし、見てる間は時間の長さとかそんなに意識しなかったし、ちゃんと楽しませてくれたのだけど、「やっぱり2時間20分もあるのお~」って見る前は憂鬱だった。長い映画は通常ダレるし、この題材でこの長さは異例だから、やらかしてるくさいなと邪推した。

10年後の未来から届いた手紙を元に、未来に起こる後悔を消す為に今の生活を変えていく少女の話。思った以上に恋愛寄りよりは友情寄りの話だった(そっちの方が好みなので良かったけど)。役者は主役二人か精彩を欠き、仲間になる他の4人はとても良い。

土屋太鳳:主役菜穂役。手紙の送り主かつ受け主。ちょっとよろしくないのは『希』が終わった後、そこで溜め込んだお菓子作りの脂肪がそのまま残っていて、何か丸いままだった。主役なのに話の中心になる3人娘の中で一番容姿が劣ってしまっている(そら商品としての映画にとって大問題だろ)。予告編の中のカワイコちゃん喋りは心の中の独白の抜き出しなので、映画になると特におかしくはない。ただ、内気な子がここ一番で勇気を出すという役どころなので、ずーっとウジウジしてて、要所要所で同じテンションで「カケル!」と叫ばされるのは、何か土屋太鳳勇気発生システムみたいでいたたまれなかった。せめて、もう少しなだらかに演技を変えるか、心の流れの起伏を優しく演出で汲み取ってあげればいいのに。
山崎賢人:もう一人の主役カケル役。クールな役で優しさを心に秘めつつ態度はそっけない。感情が表に出ないのでボソボソしてる風で、それはとっても等身大の男子なんだけど、そういうの主役にするのは映画としては精彩を欠いてしまう。野郎は明朗快活の方が分かりやすい。いや、ごくごく普通に明朗快活くさい空気は出しているのに、土屋太鳳に対する時だけボソボソしてる気がする。映画内で学園のクィーン(真野恵里菜こと真野ちゃんがイヤな女子を普通に好演してます)に交際を迫られるが、それが土屋太鳳の一人相撲に終始し、山崎賢人の感情が一切語られないのが、どうも一人の人間として少しイビツな気がする。
どうも主役の二人が、映画の脇を固めるようなキャラ造形なのだけど、その二人を中心に持ってきたから、話としては周りがちゃんとしなければいけないという友情譚がより効いたのかもしれない。

多分かっこいい方の男の子、竜星涼。ホモじゃないけど彼は普通にいい奴でよかったよ。
多分哲学的な変人系男子、桜田通。彼も筋が通ってる感じで良かった。
男子に負けない強い女子二人に山崎紘菜と清水くるみ。表に出ない土屋太鳳の逆目として、とてもいいバランス。山崎紘菜なんて東宝シンデレラで、東宝系シネコンの場内告知を任されているのだから、出演映画はもうちょっと東宝さんが気にかけて目をかけてやればいいのに。

ラスト近く運命を変えないように吹き荒れるダメ押しの一打はかなりよく考えられている。


【銭】
トーホーシネマズデーで1100円。

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orange-オレンジ-@ぴあ映画生活
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『バーレスク』をHTC渋谷3で観て、なんて愉快なのど自慢ふじき★★★

五つ星評価で【★★★頭が悪くても喉が良ければ世界はどうにでもなる】
借金経営で潰れそうなショーパブを救うのは
田舎からやってきた喉自慢アルバイト。
喉と度胸とダンスと、ちょっと頭脳でショーパブを救います。

という話なんだけど、このショーパブが、どこかゲイバーくさい。
シェールもクリスティーナ・アギレラもはっきり「女だ」と宣言してないから
実は登場人物全員が限りなく男でも成立しそうな話である。

と言うのはシェール(聞く側)とアギレラ(話す側)の
コミュニケーション・スキルが地を這うように低いのである。
のりお対ジミー大西みたいなコミュニケーション。
と言うか、基本、野郎と女共では
女共の方がコミュニケーション・スキル高い筈なのに、あれではあんまりだろう。
話の突端にいる主役二人が相手の言う事を聞いて、
ちゃんと経営対策を練れば20~30分で問題は解決して完了するかもしれない。

でもまあ、解決しないからアギレラの喉が響き渡る。
どうでもいいバカな話なのに、面白いのはこの喉があってこそ。
いや、逆にこの喉をただ披露するためだけの映画である。
アギレラの喉は野太くて気持ちいい。
言語の壁なのか、言葉や単語になってない
「うー」とか「あー」みたいな音その物の方が聞いてて気持ちいい。
えーと、じゃあ、あの遠距離二股男でも近距離富豪のどちらとでもいいけど
「おSEX」して、それをミュージカルとして実況すれば
一番映画として面白い物に仕上がったんじゃないだろうか。

アギレラは喉はいいけど、小柄なのでボディーはそうそうSEXYではない。
カット割りと歌舞伎のようなボディーを強調した「見栄」で、
女の身体アピールをバカスカやって見せてた。この辺、上手い。
分業制で女の身体アピールはごっついダンサーがようけいるので、
そこにもっとお願いでもよかったと思う。


【銭】
均一料金1200円。

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バーレスク@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
バーレスク@或る日の出来事

PS まさか、『バー・レズ区』ってそういう映画か!(いや違うだろ)

『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』をトーホーシネマズ新宿4で観て、見る前に思ったくらいの出来だふじき★★

五つ星評価で【★★最後まで雑だった】
1本目の映画とTVシリーズが同時公開。
今回の前編となる2本目の映画が公開。
映画は2本とも鑑賞。TVシリーズは未鑑賞。

7人集めたガールズの個性は引退宣言する彼女と、
元大所帯グループにいた彼女ぐらいで、
後は「その他大勢」扱いで相変わらず薄い。

そして雑な作画が貫き通される中
(これだけクオリティが上がらないというのも逆に立派な気がする)、
都会の荒波に揉まれ失速したガールズたちの復活劇が描かれるのであるが、
この復活具合がよろしくない。
この復活具合の基本コンセプトは「自分達を偽らず一生懸命やる事」である。
それはガールズ以外の他のどのチームもやっている事であり、
ガールズがそれをやったから勝ちぬいたという理由にはならない。
そんなの主人公だから勝ったと言っちゃえば実も蓋もないんだけど、
そういうのをアリバイ工作して言い訳するように話が作られるべきである。
今の時代は主人公が勝つ事が当たり前な大らかな高度経済成長期ではないのだ
『はじめの一歩』だって負けるんだから)。

2本目がそうだったように、ガールズの7人より、
ライバルグループの戦略とか、
仙台から応援しにくるコア・オタクのサイド・ストーリーの方が
面白そうに見えてしまうのは、2本目でも言ったように、
ガールズの物語がテンプレートすぎるからだろう。
要はリアリティがガールズには薄く、
ライバルの戦略やオタク連には濃い。

うーん、ともかく終わった。
2本目のレビューで作品としての感触が『ペルソナ』と同じと書いて、それは全然今もって全く気持ちが変わらないのだけど、めんどくさい一連の話が終わった後の心持ちとしては『SW』のエピソード3が終わって、とりあえず終わらせるのに成功したね良かったねもうこの話に引きずり回されないですむねって感慨に近い。並べると怒られそうなくらい天と地の差が映画ヒエラルキーにあるのだけど。なに、どっちも映画って線の上ではいっしょよ。私、『アナキンSW』大して評価してないし(楽しくないじゃん)。

『アナキンSW』なんて書くと
『アナル・キングSW』みたいだ(おいおいおいおい)。


【銭】
1200円均一料金だが、トーホーシネマズデーだったので1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
Wake Up, Girls! Beyond the Bottom@ぴあ映画生活
▼関連記事。
Wake Up, Girls! 七人のアイドル@死屍累々映画日記
Wake Up, Girls! 青春の影@死屍累々映画日記

PS うわ、ブログタイトル間違えた。
 「青春の影」は前作、今作は「Beyond the Bottom」。修正修正。

『ふんどし医者』を神保町シアターで観て、余裕に面白いのだよねふじき★★★★

特集「森繁久彌の文芸映画大全」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★話がちゃんとしてるものなあ】
『ふんどし医者』なんてタイトル、
今、映画に付けられないだろうと思ったら無性に見たくなった。
あ、でも、『御存知ふんどし頭巾』というのがあったから
アレンジ次第ではいけなくもないか。

それにしても『ふんどし医者』ってタイトルはおおらかでいいなあ。

主演の森繁は勿論、ふんどし医者。
まあね、原節子がふんどし医者だとは誰も思わんし、
そんな映画史を覆すような暴挙を原節子さんにやってもらおうとも思わない。
爺さんでない森繁の演技って初めて見たけど、変わらんね。
別に演技が上手いという人じゃないのね。
キャラで売ってる。そういう売り方が許されてたという事だろうね。

市井のべらんめえ名医で、貧乏人を只で診て、金持ちからふんだくる。
ブラックジャックの子汚い版。腕は立つが自由で貧乏。
このふんどし医者の栄光と没落から目を離せないのは
やはり小物をやらせると上手い森繁ならではか。

森繁の妻に原節子。
私、原節子も真面目に見た事がほとんどない。
凄くしっかり立ってる人だな、という感じ。
こんなしっかり立ってる人と一緒に演技して
見劣りしない森繁も凄いのかもしれない。

町娘を演じる江利チエミの雑っぽい明るさは篠原ともえを思いださせた。

映画後半、誠実に生きてきた森繁を襲う幾つもの無情が強すぎて
ラストシーンの森繁のほがらかさに会ってまだ救われてない気がする。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

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ふんどし医者@ぴあ映画生活

『劇場霊』を新宿ピカデリー10で観て、中田監督の所にいい脚本が届かないならもうホラーは取らない方がいいぜよふじき★★(ネタバレ)

五つ星評価で【★★「中田秀夫監督最新作」という宣伝文句が中田監督を消費している】
ネタバレを含みます
自分で脚本を書かない中田監督の作品の良し悪しは脚本に左右される。
『女優霊』『リング』は成功例。『クロユリ団地』『劇場霊』は失敗例。

『劇場霊』というタイトルに偽りがある。
『女優霊』を宣伝の引き合いに出したので、
対にする関係上『××霊』にしたかったのだろうが「××」が正確でない。
ウルトラマンや仮面ライダーみたいに過去の栄光を宣伝材料にするのはやめようよ。

確かに霊は劇場にしか出ないが、タイトルを対にするなら『人形霊』である。
呪いの本体が人形である事はもう映画のド頭から明確にされる。
でも何でそんなに深く人形に「怨」が籠ったかは曖昧だ。
例えば古い日本人形なら理由はなくても「怨」が籠る底地があるのでそれでいいが、
等身大の洋式球体間接人形には、「怨が籠りそう」というバックボーンが薄い。
設定でちゃんとサポートすべきである。
又、呪いの結果が白蝋化である事も理由が分からない。
あとホラーキャラクターの退陣の仕方も雑。

この人形の造形上の出来がかなり良い。
だが、動きが怖くない。人形だから重くないのだが、ちゃんと歩かせたいらしく、
人間を模した歩き方をする。どこか人形浄瑠璃に似ている。
どうせ超自然的存在なのだから、すーと滑らせればいいのに。その方が絶対怖い。

ドベタ扱いされてる島崎遥香はちゃんと演技してる。別に下手ではない。


【銭】
前回有料入場割引で1300円。

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劇場霊@ぴあ映画生活
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劇場霊@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
劇場霊@だらだら無気力ブログ

PS 対にするなら『男優霊』か。何か怖くないな。

『サイの季節』『雪の轍(ネタバレ気味)』をギンレイホールで観て、うーんうーんふじき★★,★★

◆『サイの季節』
五つ星評価で【★★静かすぎる】
主人公が辿る過酷な運命。
主人公はその全てに沈黙で応える。
詩的でダイナミックな画面。
でも静かすぎる。
画面だけ大胆でこんな淡々と進んでいいのかという違和感が残った。
高倉健のような沈黙の美学と言うのもあると思うが(それ以前にこの物語の中では沈黙せざるを得ない複雑な事情があるが)、これほどの過酷な運命に対する対応としては、全てを引っ繰り返す菅原文太のような激昂が欲しかった。そういう生き方や感情の吐露の方が人間らしいと思うから。私は人間を越えてしまった鉄人を見たいのではなく、人間としての登場人物を見たいのだろう。
主人公の沈黙は喉を割かれてる?そんなシーンあったか?
あの何に対しても優しすぎる目は魅力があると同時に怒りに満ち満ちてほしいとも思ってしまう。基本、私は活劇寄りのリベンジ物語が好きなのだ(庶民だから)。


◆『雪の轍』ネタバレ気味
五つ星評価で【★★見つめていれば見つめているほど主人公を嫌いになっていく】
カンヌ映画祭の一等賞を取った3時間16分の大作。
主人公は温厚でそこそこの生活をしている金持ちだけど満たされない人間という事で、映画の冒頭で自己同一化しようと試みてみる。他に自己同一化できるキャラも現れず、彼視点でこの映画を見続ける事になるのだが、徐々に徐々にこの主人公の嫌な部分が浮かび上がってきて、それがありがちな人間の弱点で自分にも備わっていたりするので、どうにもやりきれなくて見終わって疲れてしまった。
・主人公は「自分」が大事であり、決して自分を否定しない。
・主人公はソフトに、理屈と資金力で、他人に君臨する。
・主人公は他人に、自分の感情に都合のいい動き方をするように強いる。
そら、いやだろ。こんな奴。

若い奥さんが不憫である。
彼女に不備がないとは言いきれないが、
不備があるから支配して蹂躙してもいいという物でもない。
とりあえず寒冷地で子供もいないのだから、
SEXすれば収まったりはしないのか?
「いや、いや、いつもこの手で・・・・・・あはん」みたいなのはあかんか?

ラストシーン、主人公のぐだぐだ「それでもボクを許して」ナレーションで終わるのだが、あの辺りをパッと目が醒めた主人公が「おおおおおおお、夢で良かった。これからは言葉を駆使しないで、素直に心で語りかけよう。らららあ~」と歌いだしたら、いい映画になったかもしれないが、それは手法的にエヴァンゲリオンなので大勢の人にボコボコに否定されるに違いない。

PS 196分はカップヌードル65個を直列で作って提供できる時間。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

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サイの季節@ぴあ映画生活
雪の轍(わだち)@ぴあ映画生活
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サイの季節@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
雪の轍(わだち)@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
雪の轍(わだち)@映画的・絵画的・音楽的

PS ああ、きつい二本立てだった。

『レインツリーの国』をトーホーシネマズ新宿6で『びったれ!!!』を角川シネマ新宿1で観て、森カンナ両方出てるじゃんふじき★★★,★★★

同日に観た森カンナで2本。

◆『レインツリーの国』
五つ星評価で【★★★西内まりや、かーいーやん】
西内まりやのかーいらしさにノックアウトされるしかない映画。
なんやなんやあんな西内まりやの尻を触る役とかいいよなー。
ああいう役オーディション開いてくれるならガッツリ触りに行くのに。
触られた西内まりやの「びくん」な感じもいい。
あんなしっかり「びくん」されたら、そら更に次のステップに進みたなりますよ。
で、その西内まりや、髪型を変えて人生の過ごし方を再スタートさせる時の
ショートカットが群を抜いてメチャクチャ可愛いんだけど、プラス、
全体どのシーンどのカットでも美脚なのがそそる。
なんなんや西内まりや、この誘惑上手め!
(バリバリ、ストーカー目線やな、俺)

対するジャニーズの玉森裕太の演技は特に気にならなかった。
着慣れないスーツがちょっと不格好かと思ったが、あれは演出意図な気がする。
こいつがLINEアカウントのアイコンに自分の顔写真を使っている。
それって自意識過剰的に見えてちょっとやな奴じゃないかと思った。
その玉森裕太側で手ぐすね引いて待つ感ありありの肉体派誘惑娘役が森カンナ。
良くも悪くも本来の森カンナってこういうチャキチャキした感じの個性なんだろう。
(※実は森カンナって私パトレイバー首都決戦の灰原零しか知らないです)

映画の宣伝として特報と予告の二つの時期があり、
最近ではチラシもそれぞれの時期で別々に作られているようなのだが、
劇場予告、チラシとも、特報では西内まりやの秘密が隠されていて、
通常予告の時期では、その秘密が明かされて宣伝に使われている。
当初、秘密を隠したまま、映画を見てビックリしてもらおう
という意図があったのだろうが、秘密を隠したままだと
どこにでもあるラブストーリーとして宣伝で強く打てない
という問題が発生したようだ。この辺の匙加減は難しい。
私は謎を知って見に行ったが、
確かに謎を知らないで見に行った方が、
映画に対する「見終わったあ」という感慨はもっと深く残ったに違いない。
この映画は「肉体的な障害」を扱っているが、
それは二人のデートを乗り越える障壁としてしか扱っていない。
なので、障害の箇所は手とか足とか目とか口とか代替可能であると思う。
まあ、でも本当ならそういうのって代替可能とか思えちゃきっといかんのだろうね。

宣伝の話に戻って「原作:有川浩」だけでは売りにならんかったのかなあ。
いや、「原作:有川浩」自体があまり売り文句に出されてなかったみたいだけど。


◆『びったれ!!!』
五つ星評価で【★★★そこそこいいプログラム・ピクチャーやん】
あまりにも宣材のチラシとかポスターの図案がイケてなくて目に付いた。
悪い意味で、昔のスーパーのチラシ的と言おうか、「198円!」っぽいと言おうか。
プレ『ミナミの帝王』映画としてはそこそこ健闘してたと思う。
ただ『ミナミの帝王』ほど、主人公の立ち位置を明確にしてない事と、
主人公側の反撃手法がちょっと雑だったりするのがまだまだ感を感じさせる。

主人公の田中圭は元ヤクザの司法書士かつ子持ちのシングル・ファーザー。
田中圭って、交通事故で顔面ケガしたりするとた易く遠藤憲一化しそうな顔立ち。
実に華のない普通な顔が、こういうドラマではいい感じにリアル感出してる。
その、田中圭が法律を逆手に取る悪の弁護士に対して、
法律で武装して舌戦を繰り広げるのだが、
「元ヤクザ」というステイタスを活かす為に
そんなに必要のないアクションシーン入れて問題を解決させちゃうのが良くない。

子役が実にプロ子役してたなあ。

森カンナは田中圭のアシスタント。こっちもチャキチャキした役だったなあ。

後、最後に殴りあいになる細長いヤクザの人が割と堂に入ったヤクザ演技で怖くてよかった。名前がよう分からん。多分、日向丈という人だと思う。


【銭】
『レインツリーの国』:映画の日に見たので1000円。
『びったれ!!!』::映画の日に見たので1100円。

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レインツリーの国@ぴあ映画生活
劇場版 びったれ!!!@ぴあ映画生活
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レインツリーの国@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
レインツリーの国@カノンな日々
劇場版 びったれ!!!@カノンな日々

PS 同じ森カンナが出てる事で世界観を共にするのなら、
 西内まりやはヤクザに騙されて風呂に沈むくらいやってもOKの筈だ。
 ああああああああああああ、いいなあ。西内まりやのいる風呂に行きたいなあ。
 風呂にいるお姉さんなのに、
 尻触られて「びくん」となったりする西内まりやとか見たい。

『ピース オブ ケイク』をシネマライズで『深夜食堂』を渋谷TOEI②で観て、多部ちゃんらぶりふじき★★★★,★★★★

多部ちゃんで2本。

◆『ピース オブ ケイク』
五つ星評価で【★★★★どうにもこうにも多部ちゃんがらぶりーすぎる】
多部未華子が面白くてたまらない映画。
役者の力で見せられる映画というのがあって、
多部未華子も映画を軽々と牽引する役者の一人である(※)。

※ 他には黒木華、蒼井優、森山未來とか。

多部未華子は20代後半という「もう可愛いだけでは済まされなくなりつつある」そこそこの年で、なのに童顔で濃いメイクをすると下品に塗りましたっぽく似あわなそうで、昔から「美人とは違うけど」と私も言ってたし、周りのコンセンサスも取れてたし、この映画で見せる(乳首以外の)身体はいい感じに「おんなおんな」して熟れだしてて、あんな表情やこんな表情で笑ったり怒ったり戸惑ったりがメチャクチャらぶりーで、らぶりーで、らぶりーすぎる。
なんつか、この人の資質は「揺れる感情」を水槽に一滴垂らした絵の具が水槽に広がるように的確に表現できる。そしてその感情を見ている観客に伝染させる。ちょっと例を見ない凄い役者なんじゃないかと思う。

なので、この映画の好きになっちゃいけない男を好きになって、自制して、自制して、最後には溢れて奪い取るけど、すぐ破綻してという起伏の激しい役は(今までそんなになかった気がするが)彼女の独壇場じゃないだろうか。

オカマの天ちゃんというオネエを割と簡単に手に入れてるように見える松坂桃李もついでにちょっとだけ褒めておきたい。

出番は少ないが多部ちゃんの元彼役の柄本佑の気持ち悪さも生来の獲得資質で、努力とか関係ないけど親からいいもの貰ってよかったね、大事にせいよ、という意味で小声で褒めておきたい。

綾野剛は普通じゃない?

PS 原作マンガ未読。


◆『深夜食堂』
五つ星評価で【★★★★こっちも多部未華子に唸る】
映画自体かなり前に見ていてけっこう満足して帰ったのに、気が付くと多部未華子の事しか記憶に残らなくなってた。
ふじきのツイッター曰く
 「『深夜食堂』の多部未華子。
  あんなに食べる前の期待と
  食べてる時の幸福を感じさせる演技を他に見た事がない」
という事で、一押しは多部未華子の食事シーン。
後、音がアナログレコードみたいな広がり方をして、いい感じだった。

PS 原作マンガ摘み読み状態。ドラマ未鑑賞。


【銭】
『ピース オブ ケイク』:映画ファン感謝デーに見たので1100円。
『深夜食堂』:月末チケット屋で株主招待券を650円で購入。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ピース オブ ケイク@ぴあ映画生活
映画 深夜食堂@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ピース オブ ケイク@映画的・絵画的・音楽的
深夜食堂@映画的・絵画的・音楽的
深夜食堂@ C’est joli~ここちいい毎日を♪~
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