五つ星評価で【★★★沈没する船から救助までの力強さ】
トルコの船の沈没に際して自らをかえりみず救助に当たった村人の話+
日本政府が見捨てたイラン在住の日本人をやはり身の危険をかえりみず
救助してくれたトルコ国民の話。
日本編+95年後のトルコ編から成る訳だが、
チラシのコピーに付いている
「なぜ、あの時、トルコは日本を助けてくれたのか。」は
映画上ではニュアンスが違う。
映画を見ると、二つの救出劇に関連性はない。
「95年前に助けてもらったから」というお返しの話ではない。
では、何故この話がワンパックなのかと言うと、日本の貧しい漁民たちの「ほっておけば死んでしまう人を見捨てては置けない」という人間らしさと、トルコ首相と国民の「助けられない者を助けるのは我が国の伝統である」という人間らしさが一致するからだ。民族の違いより人間の命を優先した話だからだ。多分、そうする方が両国ともども抵抗なく見れるようになるから、そうしたのではないかと思っている。
実際は「お返し」のニュアンスはあったらしいが、逆だったら95年も前のお返しを日本はしないと思うのですよ。なんて粘着質な!いや、なんて義理堅い。敵とストーカーにはしたくない相手だ。実際、トルコは親日国家で知られるが、トルコ町中でのアジア人差別はひどいらしい(理由なしに投石されたりするらしい)ので、トルコに行って裏切られたと思う人は多いらしい。複雑。
映画は船の遭難をダイナミックに描き、
その後、パニック状態でともかく人海戦術で救助しまくる救出劇が素晴らしい。目を奪われる。ただダイナミックな救出劇の後はあっさり遭難者が自国に引き上げてしまい、文化的な摩擦などがほぼ起きなかったのが話としては残念だった。そういう点では第二次大戦終戦後イギリス機が日本に不時着したことによる救出劇
『飛べダコタ』の方が起こる軋轢が多く、面白い。
笹野高史の村長が「こりゃあ大惨事じゃあ」と言うと本当に大惨事になっていく。
いやあ、笹野高史、名演だなあ。
忽那汐里は顔立ちがオリエンタルなので、こういう合作に向くと思う。
最初の海難救助シーンだけ、もう一回観たいなあ。
【銭】トーホーシネマのメンバー優待週間に見に行ったので1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・
海難1890@ぴあ映画生活▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・
海難1890@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評・
海難1890@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記PS 太陽と月のオブジェ(鎧飾り)見て、ザンボット3を思い出す。
PS2 言葉が喋れない忽那汐里を見て
『レインツリーの国』の
「スケベ親父を呼んで来い」と思った。
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五つ星評価で【★★★いい話だけど、笑いは薄い】
脚本が原作のさくらももこ、という訳で笑いを抑えた一本になった。
イタリアから来た少年アンドレアの日本での祖父の足跡探しが映画の中心に据えられている。この命題から問題の解決に至る何段階かの道程の設定が上手い。難を言えば、まるこ達が「呑気屋のん兵衛」を発見した際、アンドレアの祖父と彼等がどんな仲間であったかが「ともかく仲が良かった」みたいに曖昧に表現されているのはよろしくない。わざわざ探し出した「呑気屋のん兵衛」ならではの一番熱いエピソードがある方が良かった。でなければ、大阪のお好み焼き屋のおばちゃん止まりでも足跡探しとしてはいい訳なので。
タレント吹替えは4人。
インド人ホームステイ:劇団ひとり
ブラジル人ホームステイ:渡辺直美
ハワイからのホームステイ:パパイヤ鈴木
香港からのホームステイ:ローラ
劇団ひとりは上手い。だ特殊な声当てなのでノーマルで上手いかは別問題だ。
ローラはバリバリ素人の声(ローラそのもの)なんだけど、ホームステイした
外国人という役なのでトツトツとした喋り方に大きな違和感はなかった。
ただ「あ。ローラだ」と言うのは聞いててすぐ分かるので、
ドラマとしてはマイナスだろう。大して出番ないので最終的に問題にはならない。
【銭】トーホーシネマのメンバーズカードポイント6回分使用でロハ入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年@ぴあ映画生活PS
『ブラジルから来た少年』ってヒットラーのクローンの映画があったから、
アンドレアはムッソリーニのクローンかも。
五つ星評価で【★★★★この悪人のいない世界が気持ちいいんだな】
映画の中に悪人はいない。
正確には風吹ジュンの生活を脅かす弟の存在は悪人に見えるが、
彼はキャラクターとして映画に現われないので、
その存在は神の掲示のように天災として扱われる。
「悪人」の位置を持ち回りするような事がありながら、
だからこそ逆に、ベースとしての善人が際立つこの世界の居心地はとても良い。
生まれ変わったら、この世界で四姉妹の一員になりたい。
そういうきらびやかな映画である。
にしても魅力的な四姉妹だ。
凄く「正しいこと」にこだわる長女、
野性の猫めいた次女、
常に家族のバランスを見つめている三女、
長女同様しっかり見えながら内面にナイーブな傷を隠し持つ四女。
長女に甘えていると言うか、長女が正しさで抜きんでた状態になるのか、
けっこう行儀の悪い次女、三女。
そして、その行儀と身持ちの悪さの一番奥に三人の母、大竹しのぶがいる気がする。
この大竹しのぶと四女すずの母の佇まいが似ている。
だから、四女の行く末が長女には手に取るように分かる。
自分を見るようであったから。
きっと葬儀の場であった喪主を押し付けられるような話が
綾瀬はるかと大竹しのぶの間にもあったのかもしれない。
綾瀬はるかが正しいのは大竹しのぶに対する武装かもしれない。
でも、その武装独力では決して大竹しのぶを打ち破る事は出来ない。
調停してくれる樹木希林のような者がいて初めて対等にジャッジされるのだ。
すると、やはり、すずが山形に残る事は残酷な結果しか生み出さないだろう。
綾瀬はるかが「がんばったね、ありがとう」と言った時に
流れる広瀬すずの涙の何と美しい事か。
決して褒められる為にやっていた訳ではないけれど、
誰にも認められない彼女が初めて他人から認めてもらった瞬間、
とてもナチュラルに流れる涙が素晴らしい。
心はともかく、身体が泣きたがっている。
正しい綾瀬はるかが着る服はユニセックスっぽい色実の少ない単色もの。
同じ服を次女が着るとコーディネートで「ザ・女」みたいな服に変わる。
三女は変わり者仕様の派手な服。
四女は若さが溢れるカジュアル服だが、長女と同じユニセックス単色を着がち。
やはり四女はミニ長女なのである。
俺物語コンビ(鈴木亮平と坂口健太郎)が出ているが二人は出あわない。
鈴木亮平:サッカーチーム監督
坂口健太郎:長澤まさみの彼氏→フェイドアウト
とりあえず、今回も四姉妹で一番好きなのは夏帆ちゃん。
【銭】ギンレイホール、会員証で入場。
▼関連記事。
・
海街diary 一回目@死屍累々映画日記PS 同時上映の
『きみはいい子』は二回目はまだいいやという事でパスした。
二回目を見れる機会があったら見てもいいけど、きつい部分がある映画なので
何にせよ、まだいいや、と思って今回は見限った。
題名まんまです。
※割ともうどれもこれも覚えてなくてヘロヘロです。
『悪魔の手毬唄』『恋と太陽とギャング』新文芸坐★★★,★★★★
『悪魔の手毬唄』神保町シアター★★★★
『病院坂の首縊りの家』神保町シアター★★
『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』神保町シアター★★★
『三つ首塔』神保町シアター★★
『予告犯』109シネマズ木場3★★★★
『天空からの招待状』『聖者たちの食卓』キネカ大森2★★,★★★
『繕い裁つ人』HTC有楽町1★★★
『ST赤と白の捜査ファイル』新宿バルト9-8★★★
『ザ・トライブ』ユーロスペース2★★
◆『悪魔の手毬唄』五つ星評価で【★★★高倉健の金田一先生がギャングみたいにダンディ】
「追悼 高倉健」の1プログラム。
確かこの映画の中では金田一先生は「元刑事」という肩書なんだよなあ。
市川崑版と全く違う展開に唖然。
肝心要の手毬唄が「南国土佐を後にして」みたいなムード歌謡風になってて驚いた。
◆『恋と太陽とギャング』五つ星評価で【★★★★しまった。おもしれえよ】
「追悼 高倉健」の1プログラム。
とっぽい兄貴の高倉健が恋にギャングに大活躍。
っつか、悪い奴らが集まって悪事したり、騙し合ったり、
こんな質のいいピカレスク映画が普通にあったんだね、昔は。
「ニュー東映」なんて会社があるなんて全然知らんかった(これが初です)。
石井輝夫やりたい放題。丹波哲郎が高倉健以上にダンディーで超かっけー。
バカな悪どもでも子供や弱者の為には朗らかに死ねる。
いい美学だ。
◆『悪魔の手毬唄』五つ星評価で【★★★★市川崑版。やっぱこっちの方が好きだなあ。】
「横溝正史と謎解き映画の快楽」の1プログラム。
中学を卒業した時に友達と観に行った映画。それから何回か見てる。
あの手毬唄や、殺しのデザインが好きなんですなあ。
顔の半分が痣の女の子とかも、これでコンプレックス刷り込まれて今でも好き。
今見ると、そんな美少女じゃないのが残念。
若い娘がいっぱい出ているのに岸恵子の方が可愛いというのが今回の発見。
やっぱ、手毬唄はこっちのメロディーだよなあ。
◆『病院坂の首縊りの家』五つ星評価で【★★雑い】
「横溝正史と謎解き映画の快楽」の1プログラム。
ツイッターで「殺人がかなり行き当たりバッタリ」とだけ呟いてる。
桜田淳子が頑張ってたのが何か不思議。
◆『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』五つ星評価で【★★★コスプレ捕物帳だ】
「横溝正史と謎解き映画の快楽」の1プログラム。
中村時代の錦之助が役者一家の御曹司という素人探偵を演じる。
「役者」という属性上「化けて潜入」したりする。
多羅尾伴内っぽいと言うか、コスプレが武器かよと言うべきか。
錦之助は声が汚くっていい(この映画ではいい)。
横溝正史は若い女性をバリバリ犠牲にするのがいつも通りクールだ。
カラーの歌舞伎シーンがラメラメでKISSっぽい、とメモに書いてあるが本当だろうか? もう全く覚えていない。
◆『三つ首塔』五つ星評価で【★★片岡千恵蔵の探偵】
「横溝正史と謎解き映画の快楽」の1プログラム。
「多羅尾伴内」で有名な片岡千恵蔵が金田一耕助役。
千恵蔵は原作の金田一に似せる気は勿論一切なく、ソフト帽に拳銃持ってるという驚愕の金田一を演じている。
燃え盛る五重塔からの脱出とか、推理要素と無関係なノイズが正統派金田一映画が多数出揃った今となっては貴重。
◆『予告犯』五つ星評価で【★★★★これが泣かずにいられるか】
とてもいい話。
生田斗真、鈴木亮平、濱田岳、荒川良良という四人は組合せ的にも最強の役者。
コワモテの戸田恵梨香も健在ぶりをアピールしているけど、
今回、衣装の統一感がちょっと薄かったと思うのがマイナス。
エンディングでジャニーズの音楽がかからないのが別に当たり前なんだけど、とても気持ちがいい。そういう当たり前の配慮がちゃんと出来ないといかんのに、出来てないケースが多すぎる(別にジャニの曲でも雰囲気あってれば怒りはしないよ)。
◆『天空からの招待状』五つ星評価で【★★景色景色景色】
空撮で台湾の景色を撮り続けるドキュメンタリー。
環境破壊の批判なども含まれてて、ちょっと居心地の悪さを感じる。
それは、美しい景色と環境破壊へのシュプレヒ・コールの映画内でのバランスがどっちつかずだからだろう。美学的には景色百景になるほど徹底していない。批判を大々的に展開して納得させようとするほど教育的でもない。
空撮の際に使われたカメラの粒度が荒いのか、デジタルモアレがかなり目立って散見される。デジタルカメラの小型軽量化が今回の企画を後押しした事は分かる。だが、美しい景色を撮る事が必要条件の映画なのだから、もうちょっと無骨で使いづらい撮影機材でも精度の高い機材を使うべきだったろう(フィルムを使えとまでは言わん)。
◆『聖者たちの食卓』五つ星評価で【★★★食卓食卓食卓】
インドの黄金寺院で行なわれるランガル(無料食堂)の様子を写したドキュメンタリー。ランガル(無料食堂)では、食材の提供から、食事の作成、配膳、後片付けまで全ての作業が、ボランティア(宗教的な奉仕)で賄われる。その作業を行う事が功徳なのだ。彼等の仕事の一つ一つが丹念に撮影される。この膨大な量の仕事を撮影でとらえていくのは圧巻なのだが、特に説明も加えず、ただただ映していくだけなので、圧倒されるが退屈する。基本1カットが不必要に長いのだ。言葉で説明を加えないからこそ逆に長くしてるのかもしれないが………いや、別に言葉で説明加えればいいじゃん。
◆『繕い裁つ人』五つ星評価で【★★★その衣装は適正か】
ツイートで「たいへん気持ちの悪い映画だった」とだけ感想してる。
監督の前作
『しあわせのパン』の箱庭のように綺麗に作られた悪く言えば生活感のない衣装が嫌いだった。パン屋の衣装がオシャレなのは構わない。清潔感が漂うのももちろんOK。だが、美しく綺麗に撮ろうとするあまりか、ほつれの一つもない「如何にも衣装チック」な衣装になってしまってる風に私には見えた。「ごっこ」ぽいと言うか。作者の美意識を貫くために嘘っぽくなってしまったと言うか。そういう監督の作る作品の次のテーマが「衣」なのだという。とても嫌な目で監視するように見に行った。
衣装についてはあまり好かない。基本、ここで扱う「衣」は「普段着」ではなく「ドレス」なのだ。普段着であっても普段着らしさが乏しい。武装でもするかのように「装う服」に私個人は興味がない。私個人にとっての「衣」はあくまで普段着だから。
特筆すべきは黒木華。彼女の脚に注目してほしい。
あの無造作にほって置いたようなたたずまいの脚。
その状態として画面に映る為の脚の演技が簡単なのか難しいのかは分からないけど、リアル演技の極致を見た思い。
PS
『チンコ立つ人』みたいな下世話な方が好きなんだ俺。残念無念。
◆『ST赤と白の捜査ファイル』五つ星評価で【★★★あれ、面白いじゃん】
世間から大変評判の悪い
『ガッチャマン』の脚本・監督コンビによる映画なのだけど、どうしたもんなんだか面白いんだよね、これ。つまり、脚本家・渡辺雄介の何から何まで全てダメという訳ではなく、一応おそらくこれ一本で判断するのは早計かもしれないけど、大上段に真面目な事を熱く語ろうとするタイプの映画に関しては下手だし、ボディーブロウをしこたまくらうぐらいの感じでダメ。軽くコメディーめかして、最後にプラスアルファに感動要素を付け込むタイプのドラマや映画なら面白く作れる可能性が高い。
もっとも藤原竜也が相変わらず変な役を変なテンションでやってるだけで、話以前に面白かったりするかもしれないけど(テンションは変で人として誠実に見えなそうでいても、ちゃんと人としての線を守るっていうキャラの匙加減が上手)。対する岡田将生はいつもの融通が利かないブリーフ穿いてそうな坊やキャラの岡田将生で、藤原竜也の対抗馬としては間違えてないだろう。
テレビからのSTのメンバー残り4人は志田未来、芦名星、窪田正孝、三宅弘城。窪田正孝なんて放映当時知名度低かった筈だ。そして、三宅弘城。今、朝ドラ
『あさがきた』の亀助でグイグイ名前を売り出している。いい人選だな。ちなみにドラマは未見。
これ、もう一回くらい見て見たい。
どこかで「藤原竜也映画祭」とかやるようだったらちゃんとオススメできる一本。その前に「藤原竜也映画祭」が発生しないというのが本当のところだけど、そこはあえて無視。藤原竜也って何だかんだ言ったり言われたりするけどやっぱ面白いよね。独特だけどちゃんと上手いと思うし。
PS スタートレックではない。
◆『ザ・トライブ』五つ星評価で【★★親切じゃない映画は嫌い】
甘えた映画ファンなので、親切じゃない映画は嫌い。
全編手話で話され、その手話の内容が分かろうが分かるまいが字幕は付かない。
字幕版がない事が映画の売りなのである。
おそらく全世界的にそういう興行をしているのだろう。
逆に言えば、そういう興行を最初から視野に入れた映画製作が行われたに違いない。
手話は勿論、見てて分からないが、手話による会話での激情は伝わってきた。
でも、そういうのは1アイデアなので10分も見ればそれでいい。そのワンアイデアで観客を132分拘束しようとするのは長い。そんなに引き延ばす内容のある話だとも思わないし、ずっと見ていたい題材でもない。なら、普通の口頭で会話してる映画同様、だらだら長い部分はどんどん切れと思う。音や声がない事によって緊張感を高められる人もいるだろうが、私は変化のなさに退屈を覚えるタイプだ。周りがどうかはともかく、私には合わんかった。
ラストの音の扱いは面白いけど振動は伝わるだろう。
聾唖者が寝る時ってあんなに明るくして寝るんだろうか?
PS ヒロインが西内まりやだったら、全く受け取り方が違うかもしれん
【銭】『悪魔の手毬唄』『恋と太陽とギャング』:新文芸坐通常料金1300円。
『悪魔の手毬唄』:神保町シアター通常料金1200円。
『病院坂の首縊りの家』:神保町シアター通常料金1200円。
『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』:神保町シアター通常料金1200円。
『予告犯』:理由は何でか忘れたけど当日券で1300円。
『天空からの招待状』『聖者たちの食卓』テアトル会員割引で1300円。
『繕い裁つ人』テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『ST赤と白の捜査ファイル』チケット屋で前売券980円でGET。
『ザ・トライブ』これもチケット屋で前売券980円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかなは今回こっぱずかしい状態だから省略。
◆『ドラゴンブラック』五つ星評価で【★★昔からあるリベンジをベースにしたアクション映画。悪玉のカス具合が絶妙。難点は主役の設定とアクション】
心の嫁、武田梨奈ちゃんが出てるから見に行った。
え、おい、そんな扱いかい。まあ、いいか。いろんな役を演じて偉いね。
全体として目を引いたのは悪玉のカス具合だ。光る、光る。
ボブ鈴木と、あの男(秘密💛)が良い。あとやたら騒ぐ組長も安いけど良い。ボブ鈴木って演技幅ないけどピタリと嵌る映画だと、やっぱあの彼にしかない風貌がいいのだよなあ。
一本調子な脚本かと思っていたら、中盤からはかなりちゃんと話を引っ繰り返していて、感心した。まあ、頭のいい人は最初から騙されないかもしれないが。
大きな問題点が二つ。
一つ目は主人公にシンパシーを抱けない事。
主人公が猪突猛進過ぎて、何も考えずに突っ走ってしまう。でも、それはもっと若い役者の役だろう。家族に危険が生じるかもしれないくらい察しないと、只の自己中中年になってしまう。又、主人公の人相が良くない為に爽快なリベンジ劇になる筈の単純な映画が、さして強くない素人が悪あがきしながら他者を道連れにズブズブ泥沼に嵌っていくみたいな話になってしまった。主人公は悩み苦しんでるが、悩み苦しんでいるだけで、解決の糸口が主人公自身にないので、どうにも騒ぎを大きくした悪い奴に見えてしまう。
もう一つはアクションシーンの爽快さの欠如。アクションシーンは多い。この映画の見せ場であるし、「あっ、あそこは褒めたい」みたいな場面もあるが(武田梨奈・亜紗美戦とか)、時間が長いだけに問題も多い。
まず主人公の強さの規定がよく分からない。各戦いで強さがバラバラだ。一応、物凄く強い事になっているみたいだが(セリフで言わせてる)、最初の戦いで弱く規定しすぎたせいで、ただそれぞれの戦いを長く戦ってるだけみたいに見える。強ければキレの良い技で戦いはそう長引かないだろう。肉弾戦の効果音が強く大きすぎてアクションカットと合ってない事が多い。すると、打突がバチっと決まって見えない。こんなとこにも強そうに見えない一因がある。カメラワークは安定していて悪くないが、照明が暗い中で、インテリアが暗色ばかりの中、戦ってる登場人物もみな暗色系の衣装を着ている。これではどんなアクションをしているのか身体の動きがあやふやにしか見えない。何故、こんなハンデマッチを背負いながらアクションシーンを撮ったのか? これじゃ、主人公がバタバタ長く格闘を長引かせているだけで引き立って強く見えたりはしないだろう。これを役者のアクションの資質の問題にしては可哀想だと思う。
虎牙光揮は上の一つ目の理由で良いとは思えなかった。
武田梨奈は好きだけど、テロップの二番目に乗るような大きな役ではない。
亜紗美も今一つ強く見えなかった。目がクリクリして可愛いような不気味なような。
斎藤洋介のベシャリ速度が妙にラリってるようで遅い。
まあ、現場で飲んでいるんだろうなあ。引退直前の老人役だからギリセーフか。
六平直政は
『クーデター』のピアーズ・ブロスナンみたいな
ジョーカー・カード役なのだが、存在感でどうにかなくもなさそうな感じ。
名前分からないけど虎牙光揮の警察学校時代の同期二人はいい演技してる。
見終わった後、ハッピーエンドでもビターエンドでもない、
中途半端宙ぶらりん状態だな、これ。
◆『木屋町DARUMA』五つ星評価で【★★★うわあ、見たなあという感じの一本】
心の嫁、武田梨奈ちゃんが出てる奴もう一本。
いわゆるキワモノ系ではありますが、下品な見世物ショーだけに終わらないよう遠藤憲一を初めとする役者陣が強いスクラム組んでいる。下品な見世物ショー的な露悪趣味部分もありながら、見終わればそれなりに納得できる映画。
四肢切断した芋虫状態で生きながらえ、その身障具合を生活の糧にするヤクザに遠藤憲一。凄い役をサラリとやったもんだ。この芋虫がセーラー服姿の武田梨奈ちゃんにサンドバックにされるのがこの映画の・・・違う違う。うぶな女子高生役の武田梨奈ちゃんを身体障害口責めでなぶる。遠藤憲一がスカートの中に頭突っ込もうとしてるのはアドリブで、監督指導でブルマとか穿くのは認めん、いつもの生パン穿いとけとの事から武田梨奈ちゃんのパンツは生パンなんだそうです。何だ、そのエロプレイ。そんなエロプレイ、握手会の代わりにやらせてくれよ。んで、凄い勢いで武田梨奈は身を持ち崩す役を演じてます。なかなか良い演技でした。
あと、武田梨奈の父ちゃん役の寺島進が滅多にない「弱い役」で、役幅の広さを見せつけます。実際、寺島進って上手いんだよなあ。コワモテのバカ刑事みたいなテンプレートな役ばかりオファーが来て、黙々とそれを演じてるけど。
【銭】『ドラゴンブラック』:テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。
『木屋町DARUMA』:渋谷シネパレス木曜メンズデーで1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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DRAGON BLACK ドラゴンブラック@ぴあ映画生活・
木屋町DARUMA@ぴあ映画生活
題名まんまです。
※割ともうどれもこれも覚えてなくてヘロヘロです。
『バベルの学校』UPLINK X★★
『たまこちゃんとコックボー』トーホーシネマズ渋谷6★★
『暗殺教室』トーホーシネマズ渋谷5★★
『殺人狂時代』『座頭市と用心棒』シネマヴェーラ渋谷★★★,★★★
『着ながし奉行』シネマヴェーラ渋谷★★★,★★★
『シンデレラ』トーホーシネマズ新宿7★★★★
『ボーンズ 容疑者と告白の角』HTC渋谷2★★★
『ストックホルムでワルツを』『ジャージー・ボーイズ』ギンレイホール★★
『アリエル王子と監視人』ユーロスペース1★★
『ウォーリアー』シネマカリテ1★★★
◆『バベルの学校』五つ星評価で【★★こういう所があるんだ】
フランスにある世界中から来た子供を受け入れる「適応クラス」のドキュメンタリー。まず最初に彼等が習うのがフランス語であって、それそれの国の言語が障害となる彼等を指して「バベルの学校」というズバリなタイトルを付けた人は偉い。彼等はみな中学生である。子供は感情に正直なだけに正しくない事でも堂々正論として出してくるから怖い。
バビル二世はやっぱり出てこなかった。
◆『たまこちゃんとコックボー』五つ星評価で【★★何故これを認められないのか】
キンキン声の廣田あいかが主演。アニメの世界とリアルにな世界を行き来するファンタジー映画。割と期待している新進監督の片岡翔の作品にも関わらず、この映画を好きになれないのは主人公(たまこちゃん)のメンタリティーが幼すぎるからである。ファンタジーや夢の世界を信じて、頑なに外界を拒絶する。サンタクロースの不在で癇癪を起こす子供みたいだ。このメンタリティーで中学生はないだろ。昭和の高度経済成長期を背景にするならともかく、何でも調べれば分かってしまう情報化社会の今、この女の子がメルヘンの世界を信じてそれで良しとするその根拠が分からない。主人公の異常性が際立ってしまい、話に乗っかれず。
◆『暗殺教室』五つ星評価で【★★年齢おかしい】
少年ジャンプの人気マンガの実写映画化。
それはまあそれで、どうでもいいのだけど、
山田涼介と菅田将暉が中学生と言う設定が嘘すぎる。どう見ても中学生には見えん。
『バベルの学校』『たまこちゃんとコックボー』そして
『暗殺教室』、
これ全て中学生が主役の映画。同じ教室に収容できん感高し。
ちなみにこの3本の映画を映画ファン感謝デーで同日に見た。
変な髪型の橋本環奈。
高嶋政伸は筋肉バカ的な傭兵。こういうのやらすと上手い。
◆『殺人狂時代』五つ星評価で【★★★そう言えば見直したなあ】
「岡本喜八監督特集」の1プログラム。
そう言えば見直したなあ。
◆『座頭市と用心棒』五つ星評価で【★★★そう言えば見たなあ】
「岡本喜八監督特集」の1プログラム。
そう言えば見たなあ。凄い企画力だよなあ。
勝新と三船が同じフレームに収まってるのは何か違和感ある。
◆『着ながし奉行』五つ星評価で【★★★岡本喜八版
『どら平太』】
「岡本喜八監督特集」の1プログラム。
仲代達矢の奉行は呑気でいい感じ。
残念なのが音楽がカッコンカッコンって変な曲で痛快っぽくない事。
派手なチャンバラよりは重きを置かれてるのは人情劇。
岡本喜八特集で観た3本とももう完全に脳からこぼれ落ちてしまってる。
おもろい映画は抜けがいいからなあ。
◆『シンデレラ』五つ星評価で【★★★★可愛くて健気で控え目な女の子を嫌いな訳がない】
予告の「シンディー・エラ(灰だらけのエラ)」と言うのを見て、
「ウーパールーパーに灰を掛けてシンディー・ローパーと呼べ」と思うに至った。
ツイッターでの映画感想。
「誰もが毛ほどでも持ってる乙女感性を無理矢理ほじくりだして
白昼に露出させる素晴らしいけど危険な代物だった」
そうだな、的確だな、俺。
リリー・ジェームズ(シンデレラ)は可愛いな。
美人系じゃなく可愛い系なのが映画の勝因。
ケイト・ブランシェット(継母)強烈な肉食系だ。いい仕事選ぶわあ。
ヘレナ・ボナム=カーター(魔女):ちょっといかれてる役がいつも通り似合う。
シンデレラのドレス、母ちゃんのドレスの面影はないけど、それはいいのか?
御者のシンデレラを励ます「俺なんかイモリですぜ」というセリフが好き。
イモリ優しいよな。この映画の中の大半の人間より優しいからな。
◆『ホーンズ 容疑者と告白の角』五つ星評価で【★★★思った以上】
ダニエル・ラドクリフの頭に付いた角が必ずしも物質的に存在しているかどうかがハッキリしない所がクレバー。
ツイッターでの感想。
「それはやっちゃダメって展開が釣瓶打ちなのに嫌いじゃない。
99人の支持を得るためバランスを取って折り合いを付けるより
これで間違えてないと自己を貫いた清々しさ。
これはこれでいい。
普通に考えてダメ出しはされるだろうけど。」
今となっては何を書いてるかよう思いだせない。
多分、ラスト話の落とし前の付け方が雑だった気がするので、それについてだろう。
あと確か、ダニエル・ラドクリフも含めて、大人キャストはくたびれてる。
キャラは総じて子役の時の方が良い。
ダニエル・ラドクリフは熱演してるが、
子役から彼に変わる時「うわ、いきなり毛もじゃ」だよと思ってしまった。
◆>『ストックホルムでワルツを』五つ星評価で【★★御就寝】
頑張って歌った。
有名になった。
でも、幸せにはなれなかった、
ってテンプレートな話だと思うけど、ボクチン夢の世界をさ迷い歩いて、そっちの方がたいそう愉快だったから映画の事とかもうどうでもいいの。
◆>『ジャージー・ボーイズ』五つ星評価で【★★★安定感】
イーストウッドだからもう誰も何も言わさないぞという感じの映画的安定感。
PS ジャージを着てなかった。
PS2 ジャージャービンクス・ボーイズだと思って見に行ったのに!
いや、ジャージャービンクス・ボーイズだったら見に行かないな。
PS3 四人の中、楽曲を作れる天才肌は二人。
凡人組は暴君と奴隷。
いつも面倒な状況を耐えて耐えてずっと耐えてた野郎の話が泣ける。
映画の中でさえ、そこに長くはスポットライトが当たらないのだけど。
◆『アリエル王子と監視人』五つ星評価で【★★そうだねえ】
タイと日本の合作映画。
お忍び旅行中の王子と生き方を探し求めてる女子の監視人の小旅行。
このお忍び旅行で別に恋に落ちたりしないのがリアルと言うか、
逆にそう言う嘘がある方が映画っぽいのになあと言うか。
「生き方の見つめ直し」になると言うのは教科書的でどうも今一つ乗れず。
アリエルと言ったら今は
『リトル・マールイド』の人魚姫の名前だよねー。
◆『ウォーリアー』五つ星評価で【★★★あれを見てなければ】
ネットでかなり評判が良かったので見に行った。
総合格闘技系にライバル選手として挑む兄弟の映画。
「父と兄」「父と弟」が同じように付きあいが切れていて、同じように接触をするので最初「兄と弟」を同一人物と勘違いして混乱した。
総合格闘技の大会で、全くの噛ませ犬なあいつは負かされるとして、
途中どこかの段階で兄弟の死を乗り越えて戦う仇討戦みたいになるのかと思ってたので、最後のトーナメント結果はかなり驚かされた。
でも、この映画の前に同じく総合格闘技で戦う
『激戦 ハート・オブ・ファイト』を見ていたので、どうしても比較してしまい、
『ウォーリアー』の株の方が私の中では低い。同じような総合格闘技大会だとしたら、
『激戦』の選手の方が絶対的に凄い特訓をやっている。主人公には贔屓してやりたいけど、過去の経歴はあるにしても天分だけで勝ち進んでいってる感は否めない。対戦選手弱いんでないの? そう思わせたら映画として負け。
【銭】『バベルの学校』:映画ファン感謝デーで1100円。
『たまこちゃんとコックボー』:映画ファン感謝デーで1100円。
『暗殺教室』:映画ファン感謝デーで1100円。
『殺人狂時代』『座頭市と用心棒』:シネマヴェーラ会員割引1000円。
『着ながし奉行』:シネマヴェーラ会員割引+夜間割引で800円。
『シンデレラ』:トーホーシネマズ6回入場ポイントで無料鑑賞。
『ホーンズ 容疑者と告白の角』:テアトル水曜1100円均一料金。
『ストックホルムでワルツを』『ジャ~』:ギンレイホールの会員証で鑑賞。
『アリエル王子と監視人』:ユーロスペース会員割引1200円。
『ウォーリアー』:シネマカリテ1のオトカリテ企画で500円。
▼作品詳細などはこちらでいいかなは今回こっぱずかしい
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暗殺教室 卒業編@死屍累々映画日記・
暗殺教室 アニメ総集編@死屍累々映画日記
城定監督の最新作目当てで見に行ったら、その最新作が大傑作だった。
◆『悦楽交差点 オンナの裏に出会うとき』五つ星評価で【★★★★★詳しくは秘す。映画史上の傑作と言っていい】
古川いおり主演、麻木貴仁 福咲れん 佐倉萌 出演。
城定秀夫脚本監督。2015年のピンク映画。
鳥肌が立つほど面白い。
万年寝不足の私だが、一瞬たりとも睡魔は訪れず画面から目を離せなかった。
物語の行く末が見えず緊張感に溢れてる。
「ストーカー男と対象となった女の攻防戦」とまでは言ってもいいだろう。
もう、これ以上は言わない。どうにでもして映画本編を見てほしい。
こんなのレビューバレして気勢削いじゃつまらん。
成人映画は基本、専門館でしかかからないし、
一度かかってしまったら次にかかるのは不定期だから、
ファーストラン見れなかった方はご愁傷様としか言えないけれど。
古川いおりが素晴らしい。ストーキングしたくなる女優(おいおい)。
笑顔が可愛くてスレンダーな肢体がまぶしい、温かみのある菜々緒 みたいな。
とにかくこんな役こなせるのはクレバーだなあ。
それをストーキングする麻木貴仁にもシンパシーがビンビン立つ。
これはありとあらゆる映画の冴えない男を全て背中に背負ったような役なのだ。
こいつにシンパシーをちょっとだけでも感じないような奴とは仲良くなれない。
ノートルダムのせむし男の容貌を持たされた変態の高倉健 みたいな。
佐倉萌も凄い。古川いおりの対極みたいな役柄。SEXしちゃう女寅さんかな。
福咲れんは大事な役だけど引いた位置にいるのが上手く効いている。
濡れ場より電話とかが大事な役だけど、
濡れ場も乳がでかくてそこにちょっと感動する。
登場する町工場のシーンでさりげなく「乳でかいぞ」とか言わせてるのが上手。
ああ、それにしても面白かった。
こういう演出手腕に手のひらで転がされる感覚は大好きだ。
あの、最後の聞こえなかった言葉は何を言っていたんだろうなあ。
分からずに終わるとは思ってなかったので大層気になる。
分からないからダメとは思わないが、気になる気になる気になる。
押入れ、屋根裏の次は男が部屋の空気になる。
男のヒエラルキーは部屋の空気より下。
脚本協力に城定監督の奥さんの名前が入ってるのが秘かに面白い。
◆『疼き奥さん いい味たっぷり』旧タイトル
『味見したい人妻たち』脚本タイトル
『押入れ』五つ星評価で【★★★★女性に見せたい成人映画】
Kaori主演、白土勝功 橘瑠璃 佐倉麻美出演
城定秀夫脚本監督、2003年のピンク映画。
多分、3回目くらい。
12年も前の映画なのに全く古びていない。
今年撮ったとか嘘ついても全然OK。
城定監督の成人映画デビュー作。
Kaoriが社会的な立場から意に反しているいないに関わらずお願いをする時、
小声で何回も反芻するとかのあるある感がたまらない。
ラリラリのシーンとかあったのね。
屋根裏もラリラリあったし、悦楽交差点もお酒でラリってたなあ。
◆『絶倫老年 舐めねばる舌』五つ星評価で【★★爺さんトリオが豪華】
牧村耕次 池島ゆたか 荒木太郎 出演
山崎邦紀脚本、監督、2008年のピンク映画。
三人の冴えない老人が若い娘にもてようと専門家にレクチャーを受ける。
山崎邦紀って真面目だなあ。成人映画で真面目ってスタンスがいつも異質。
ここでガーガー寝てしまった。
牧村耕次 池島ゆたか 荒木太郎って老人三人は何気に豪華。
【銭】上野オークラ、一般入場料金1600円。こんな傑作見れたのだから全く惜しくない。
そーいや、劇場場内をグルグル回ってるオカマさんが健在だったなあ。
上野オークラは前に行ったのかが2013年の5月くらい。新館は2回目。
2014年の夏に常連で通っていた新橋ロマンが閉館してしまい、
2015年なんかはほとんど成人映画を見ていない。
面白い映画も絶対あるんだけどなあ。なかなかそこまで足は伸びない。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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悦楽交差点@PG・
味見したい人妻たち@PG・
絶倫老年 舐めねばる舌@PGPS 最初に映った
『絶倫老年 舐めねばる舌』の画面を見て、
あーやっぱりデジタルよりフィルムの方が綺麗と痛感。
城定監督の2本は慣れたからか、
それほどデジタルによる画質の劣化を感じなかったが。
特集「森繁久彌の文芸映画大全」から1プログラム。
五つ星評価で【★★エピソード一つ一つは他愛もないので女優を知ってれば楽しい】
森繁久彌・淡島千景夫婦の所に入れ変わり勤める女中の評判記。
戦後、夫婦の二人暮らしで女中さんを三人も雇うなんてどんな生活だろう、
と思ったら森繁久彌は谷崎潤一郎の役らしい(名義は別だが私小説でしょ)。
文豪ですかあ。金持ちのイメージはあるけど、そんなに奥が忙しいイメージがない。
まあ、でも、今と違って電化製品のない昔は家事は一仕事だったから、
女中を雇うくらいは当たり前なのかもしれない。
しかし、顔は知らないけど、森繁は谷崎潤一郎らしくないなあ。
スケベではあるのだけど、森繁ってストレートで明朗快活な女好きなのだ。
谷崎はどこかやっぱり普通じゃないイメージが強い。
ただ、あんまり陰湿な女好きにしちゃうと
東宝スコープで東宝邦画系にかけられなくなるから、
まあ、これはこの程度でいいのだろう。
不勉強なので、古い女優はあまり分からない。
分かるのは森光子、音羽信子、京塚昌子、中尾ミエと言ったところか。
森光子が若手だもんなあ。頭が「初々しい森光子」を必死に否定しようとしてる。
音羽信子はとんでもない役。テンカン持ちで寝ぼけて部屋の中で足あげて小便したりする。今の穏やかな老婦人からはほど遠い。こういう時代があったのね。
京塚昌子はシルエットが変わらん。ゴリラダンスとか踊るのはレア映像だろう。
中尾ミエが若い。今の映画に出るとバリバリの老人役だが流石にピッチピチだ。
森繁の映画なんてほとんど見てないのに、
森繁の演技ってどこかで見た気がする。
で、思いだした。小松方正みたいなのだ。
もちろん小松方正の方がガッツリ、スケベエなのだけど。
【銭】神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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台所太平記@ぴあ映画生活
題名まんまです。
※割ともうどれもこれも覚えてなくてヘロヘロです。
『脱出』シネマヴェーラ渋谷★★★
『ナイアガラ』『赤い河』シネマヴェーラ渋谷★★★,★★★★
『パラノイアック』ユーロスペース2(奥)★★★
『アップルシードα』シネリーブル池袋1★★
『ホビット決戦のゆくえ』トーホーシネマズ渋谷3★★★★
『ソロモンの偽証 前編・事件』109シネマズ木場1★★★★
『ソロモンの偽証 後編・裁判』109シネマズ木場6★★★
『マッド・ナース』HTC渋谷3★★★
『幕が上がる』トーホーシネマズ渋谷4★★★
『幕が上がる その前に。』渋谷TOEI②★★★
◆『脱出』五つ星評価で【★★★ちゃんとしていたけど、自分には合わんかった】
特集「映画史上の名作12」の中の一本。
見たなあという記憶がうっすら残るのみ。映画に申し訳ないのだけど、まあ、大体にして一日一本以上映画を見ているので、それだったら毎日の夕食を必ず思いだせるかと言うとほぼそんな訳でもなくって開き直っちゃダメだよ俺……ともかくごめん。格式高く悪い印象はないが、既に消化されてしまって何も残っていない。
◆『ナイアガラ』五つ星評価で【★★★モンローは脇】
特集「映画史上の名作12」の中の一本。
モンローが主役じゃないのに驚いた。主役のヒロインは何か芋っぽい感じ。
◆『赤い河』五つ星評価で【★★★★牛牛牛牛地獄いやいや普通に立派でいい映画】
特集「映画史上の名作12」の中の一本。
牛を引き連れて高く売れる所まで大移動するカウボーイ達。男たちの意地とプライドが炸裂。いや、普通に面白かった。
この
『赤い河』のポスターには「25年に一本の邁進大西部活劇」というコピーがうたわれているのだけど、今となってはいったいいつの25年なんだか、さつぱり分からないし、何で25年という節目を使ったのかもよく分からない(ちなみに
『赤い河』は1948年の映画)。
◆『パラノイアック』五つ星評価で【★★★面白かったらしい】
一切覚えていない。
◆『アップルシードα』五つ星評価で【★★ジェームス・キャメロンが褒めるCG映画は9割クズ】
予告(特に特報)の音楽が凄くシンクロしててかっこよかった。
主人公が外見上、乳があるだけの女男で、内面も薄い。どうしろと言うんだ。
その上、その乳も大して大きくないのだぞ。
興奮できるくらいのセクシーなグラフィックと、いやらしいCVを所望する。
◆『ホビット決戦のゆくえ』五つ星評価で【★★★★ぐう】
ツイッターで次みたいに呟いてる。
「何か滅茶苦茶な話なんだけど剣豪集まる大衆娯楽みたいな意味で面白かった。
殺陣だけが突出してるるろ剣に似てる」
話的には破綻してると思う。竜を退治したらそこでスッと終わればいいのに、
戦争が始まって
『指輪物語』の前哨戦みたいになってしまう。
そんな大事にしない方がホビット譚として独立したんじゃないだろうか?
元々の原作がどうなってるか分からないけど。
あとガラドリエル様はステキだった。
ガラドリエル様がステキじゃないなんて事はないのだけど。
まあでも、3本の映画の中で竜退治に占める時間配分が少ないよね。
本当はそこが話の肝だと思うんだけど……違う?
(肝として、種族を超えたよろめきドラマってのもなくはないか)
◆『ソロモンの偽証 前編・事件』五つ星評価で【★★★★盛り上がってきたぞお】
表に出るような主要な子役は全ていい。
特に主演の藤野涼子の太い声と情感の籠ったクールな視線は山口百恵を思いだした。
汚れ役の石井杏奈を見ていると切ない。親役の永作博美の怪演も凄い。
黒木華はこの時期これと
『幕が上がる』で両方とも教師役を全然違うベクトルで演じている。引き出しありすぎ。市川実和子のサイコ感も凄い。
田畑智子こういうキリっしした役もできるのね。可愛い役の方が好きではあるな。
藤野涼子と尾野真千子は同一人物に見えない。
PS ツイッターで「ソロモンでげしょー」とボケた。
◆『ソロモンの偽証 後編・裁判』五つ星評価で【★★★しまった、盛り上がりを維持できない】
うん、話としては分かったけど、
どうにかして前編の盛り上がりを維持してほしかった。
わざわざ再見はしなかったが早稲田松竹が行った二本立てはいい興行だった。
名画座の数が減って、こういう二本立て興行を番組で組めないのはようないなあ。
◆『マッド・ナース』五つ星評価で【★★★思いきりよし】
主演の脱ぎっぷりグー姐さんがシャルロット・ゲーンズブール似なのは評価高い。
後半いきなりその姐さんがキレてから映画がパニック物みたいになるのは、それはそれで楽しい。パニック映画に形態を変えながらも、真に怖いのは社会に潜む一人の狂人というコンセプトが揺らいでないのは立派。
「エロとしてもグロとしてもちゃんとやらいでか」という意気込みが見える映画。
今年100本目に見た映画。
◆『幕が上がる』五つ星評価で【★★★ももクロ頑張ったなあ】
とりあえずアイドル映画だから彼女たち自身が輝いてればOK。
その上ちゃんと面白かったから更にOK。
「がるる」と仇名され、映画的にもあまり内面に踏み込まれない高城れにちゃんが好き。
◆『幕が上がる その前に。』五つ星評価で【★★★続・ももクロ頑張ったなあ】
ちゃんとやってるんですよとうアリバイ工作的な一本。
【銭】『脱出』:シネマヴェーラ会員割引+ラスト1本割引800円。
『ナイアガラ』『赤い河』:シネマヴェーラ会員割引1000円。
『パラノイアック』:ユーロスペース会員割引1200円。
『アップルシードα』:テアトル会員割引1300円。
『ホビット 決戦のゆくえ』:チケット屋で額面1400円の前売券を額面金額で購入。
『ソロモンの偽証 前編・事件』:毎月10日109シネマズデーで1100円。
『ソロモンの偽証 後編・裁判』:新聞屋系の招待券もらった。
『マッド・ナース』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『幕が上がる』:トーホーシネマズ会員割引曜日で1400円。
『幕が上がる その前に』:映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかなは今回こっぱずかしい状態だから省略。
五つ星評価で【★★★チラシの夏菜が可愛く撮れてたから見に行った】
ライトだなあ。でも、単純に楽しめる。
ただ格式が緩い映画なので激賞するとちょっと恥ずかしくなってしまう。
夏菜ちゃんは可愛いけど、とっても可愛いだけの役。まあええがな。
「第一回~第七回のキング・オブ・コント王者全員出演」というのが売りで、みなさん小器用に芝居が出来るので、お笑いの人と言うより、知名度の低い小劇場の人みたいだ。
話はリアリティが低く「こんな事あったら面白くね?」的なノリの、いわばコントの大掛かりな奴みたい。まあ、まとまってていいと思う。これ、本気で異能の人が異能の役者を使ってガッツリ演出したら凄く面白くなるかも。
旅館の女将さん役にエンクミ。何かエンクミらしさが薄れて普通に美人の女優になってしまったなあ。「エンクミらしさ」には「未熟である事」も含まれるから、いつまでもエンクミのままではいられなかったのかもしれないけど。
話の上でかなりマジにいらないのが「バイきんぐ」で、出色の気持ち悪さで暴れるのがロバート秋山。このロバート秋山の「嫌さ」ってまだまだ色々使えると思う。
【銭】げんなま1500円(上映時間66分と短めなのでちょっとダンピング)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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田沼旅館の奇跡@ぴあ映画生活
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