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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『喜劇 女の泣きどころ』を神保町シアターで観て、おんなおんなおんなああああな感じだふじき★★★★

特集「泣いて!笑って!どっこい生きる!映画監督瀬川昌治」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★太地喜和子のストリッパー三部作の三作目。これしか見てない】

太地喜和子の濃厚な化粧臭さを私は受け付けないのだけど、まあ本当に「おんな」を社会学的に標本としてしましたみたいな、何とも「おんな」その物の役だった。
私的に「おんな」ってどういう生き物かと言うと
 ① 女は惚れた男の為なら、全てを捨てる。
 ② 女は惚れた男に愛してもらいさえすれば天国。
   女の友情とかはどれほど破っても問題なし。
 ③ 女は終わった恋より次の恋。
こんな感じ。怖いよ。太地喜和子この映画の中で野性の「おんな」だよ。
その相棒がちゃんと社会性持ってる中川梨絵。こっちの方が好みだけど、
彼女は「おんな」になりきれなくて、
ヒモの湯原昌幸を太地喜和子に盗られたりする。

それでも二人は腐れ縁、一緒に生きていける相棒同紙と言映画の締め方が
何とも可愛らしい一本だった。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
喜劇 女の泣きどころ@ぴあ映画生活

カテゴリ新設(ふじき78TV部)

「ふじき78TV部」というカテゴリを作って
テレビの話題はそっちに放り込む事に変えました。

今までは「『俺はカテゴリなんかに縛られないぜ』という名前のカテゴリ」に放り込んでたので、そこから引き上げました。同カテゴリからは年末年始系の記事も放り込んでありましたが、これも「ふじき78記録部」に移しました。

『正義だ!味方だ!全員集合!!』を神保町シアターで観て、こーゆーの見ながらポックリ行けたら極楽やねふじき★★★★

特集「泣いて!笑って!どっこい生きる!映画監督瀬川昌治」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★テレビで見るドリフらしさは薄いんだけど、それぞれいい味出してたりするんだ。そして石森プロの全面協力が楽しい】

TVのドリフは日常として受け入れつつちゃんと見ていたけど、当時小学生だった自分に映画館に通うほどのお金はなく、ドリフの映画は多分1本も見ていない。劇場にかかるのも珍しいので、今回イソイソ見に行った。うわあ、何でえ。普通に映画として面白いじゃん。

まず、公開年が1975年。荒井注は脱退し、志村けんが加入しているが、志村はまだ人気者オーラが出ていない。なので、話としては長介と加藤茶を対立軸にしながら周辺に残りの三人を配置している。ブーと仲本と志村はドリフの映画なので出番はあるが、話に巻き込まれて右往左往する非キーパーソン的な役である。

インチキ広告プロモーションのいかり屋が仕事を得る為に、町の立ち退き騒動をミニコミで糾弾しようという宣伝のアイデアを出す。そのマンガを描いて一躍脚光を浴びる事になるのが自殺未遂により心身争奪状態の警官オタク加藤茶。いかり屋はこれを自分達の生活の為に、加藤はこれを社会正義の実現の為に役立てようとして、なかなか足並みが揃わない。そんな中、加藤茶の恋人・榊原るみがヤクザ伊東四朗に身柄を拘束される。いかり屋と加藤と加勢の者達はマンガのゴリレンジャースーツに身を包み、ヤクザから彼女を取り返しに向かう。

単純に芸達者な役者がいっぱい出てるだけでも楽しい。
ヤクザ側だけどベビーフェイスの金子信夫、この人何みても変わらんのう。
後半伊東四朗の山高帽に作業服ってスタイルは『時計じかけのオレンヂ』
のパロディーと違うか?
一曲歌うためだけに出てくるキャンディーズの超絶幸せなくらい可愛い事。
ドリフはブーと志村にはやはり大した精彩がなく、
長介はひねくれてて複雑でいい。仲本は長介の腰巾着としてよく機能している。
加藤茶もコントキャラほど馬鹿じゃないが、
実のある人間として欠点だらけの男を好演。

後半、人情話から逸脱して
単にコメディー映画の何でもありみたいになっちゃうのは
自由すぎてヨロシクないと思う。そこ引いても面白いのだけど。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
正義だ!味方だ!全員集合!!@ぴあ映画生活
▼関連記事。
春だドリフだ全員集合!!@死屍累々映画日記

マンガ『あさひなぐ 第十四~十七巻』こざき亜衣、ビッグコミックスを読書する男ふじき

ちょっと手を出すと前後さかのぼって読みだしてしまい、
時間をどんどん奪ってしまう地獄のマンガ。

14巻
 赤面症っぽげなダイクちゃんの復活話が可愛い。
15巻
 一堂寧々戦を頭でガッツリ流しながら、後半は二ツ坂の団体戦の弱さ、
 旭と将子のアイデンティティ問題なども含めつつ・・・
16巻
 部内総当たり戦に突入。野上部長の話が泣ける。
17巻
 旭と将子戦。そして始まるインターハイ。
 ギャラリーにタディと寿慶も来て、もうここから万全に面白くなるのは確か。
 獅子心中の虫、愛知凪がどういう試合をしていくのかも気になる。

18巻は2月末発売かあ。はよ出んかのう。

『手裏剣戦隊ニンニンジャー』

一週間前に放映されていた最終回までをまとめて見た。
最初の数話は皆勤賞で観ていたが、
やはり時間的にきつくて(6人目の)スターニンジャ登場辺り
とかはゴッソリ抜け落ちてて見てないエピソードも適当にある。
そんな完璧にガッツリ見ていた訳ではない。

なんつか、おでも爺さんで涙もろくなったな、と思わされる事しきりだった。
ラストニンジャ笹野高史の孫5人が、その継承を争いながら、
悪の牙鬼軍団と戦うのがニンニンジャーのメインのストーリーであるが、
主人公の赤と妹の白の父親は祖父の愛弟子に「ニンタリティー」という要素を
抜かれてしまい、忍者としては何一つ役立たない存在だ。
もう、元々のこの設定が泣けてしょうがない。
それってインハイ目指してたら同じチームの相棒に
闇討ち合って手足折られたようなもんだろう。
普段、戦力外だが父さんたまに頑張る。
今回ラストに向けて奪われたニンタリティーが取り戻される。

で、その裏切り者の愛弟子が実は敵・牙鬼の実子(側室の子)である事が分かる。
牙鬼の実子は正室の息子をニンニンジャーに打ち取らせ、
今まで自分を目下扱いしていた幹部も正室も戦地に送り込み、始末させる。
おお、なかなかひどい奴でいいじゃん。流石、裏切り者。

牙鬼の総大将幻月と笹野高史の一騎打ち。
これがCGが厚くって本当にかっこいい。
そして、幻月と笹野高史が死力を尽くした直後、
物陰に隠れていた牙鬼の息子・新月が笹野高史を撃ちとる。
ラストニンジャの証は世代継承で前の世代を滅ぼした者の手に落ちる。
新月はラストニンジャの能力を手に入れる。

だが、笹野高史は死の直前、新月に対しても技の遺産を別に残していた。
裏切られて敵に付いた不肖の弟子でも、弟子は弟子。大きいぞ、笹野高史。

ラストニンジャ笹野高史もなく、全ての力を新月が手に入れたが、
ニンニンジャーの基本姿勢は変わらない。ラストニンジャの理を受け入れない事で
ラストニンジャを超える。それは理屈だ。
でも、理屈が通って、とりあえず気力で新月に打ち勝つ6人。

これまでかと新月を自らに吸収しようとする幻月。
この幻月、単にでかくて負けないってメタファー存在でしかない何ともつまらん奴だ。

ニンニンジャーが戦う中、幻月の中の新月の自我が目覚め、
笹野高史の教えなどを思いだしつつ、親父に対抗。最終的に幻月が破れる。

忍びの先輩にして裏切り者、十六夜九衛門が、
最終的に本当の敵であると競り上がってくるも、
彼も又、修行時代を思いだし、完全な悪にはなりきれなかったというのが複雑で良かった。

『ボクソール・ライドショー 4DX2D』をUCT7で観て、これは白石監督のファンムービーだから一般にはすすめないふじき★★

五つ星評価で【★★その作りはあかんのんちゃう?】

天才ホラー映像作家・白石晃士監督作品だから、ファンとして這いつくばってでも見ないかん映画である事は確かだが、見終わって思ったのは「監督やっちゃったな」だった。作品が余りにいい時もそうだけど、期待ではち切れてる作品がそこそこの時も感想は手を付けづらい。ああもう。

はっきり言って私は楽しめないでもなかった。1300円という特別料金の価値があるかどうかは微妙だが、「コワすぎ」のファンムービーとして楽しめる構造になっているからだ。逆に「コワすぎ」の学校探訪ものを見た事がある人には、この作品を強烈に進めたい。つまり、この作品は「コワすぎ」のルールに乗っ取って作られすぎていて、「コワすぎ」を知らない人には単に整合性の取れていないお化け屋敷学校探検にしか残念ながら見えないのではなかろうか。別に何でもかんでも説明すればいいってもんでもないけど、普段と違う特殊な世界観が敷かれている事が観客が見る上での前提になっているにも関わらず、それが観客に何の説明もされていないのはやっぱりあかんと思う。

【今作を見る上で分かってる方が楽しい廃校内のルール】
・昼にロケした学校内なのに、真っ暗になっている場所があるのは「コワすぎ」シリーズでよくやってた特別な場所を通ると時間を飛び越えてしまうという事例。最悪、これで最初の時間より前に戻るとかアクロバティックな展開も起こしうるのだが別に不必要なら入れないでも良かった。廃校内で鏡でないにもかかわらず自分たちの姿が見れるのも学校内が過去とか未来とかが多重に重なっている空間だから。
・異界への扉が開いていて、異界ではみんなストップ・モーション動きになるのは「コワすぎ」標準。
・撮影してるのは「コワすぎ」キャラの田代(白石監督本人出演)だが、学校の番人は「コワすぎ」シリーズの主人公大迫茂生、女型のクリーチャーはサブ主人公久保山智夏。基本何でもやれるんだろうけどキャリアアップにならん役を「コワすぎ」陣で固めてきたなあ。

でも、25分ばたばたばたばたしてるだけだから、すぐ終わるし、不快ではない。
女の子3人はそう嫌いでもないけれど、見終わって誰にも肩入れできなかった。
そこは魅力をほじくりまくっていないからだろう。
エンドロールの人形は良かった。
大迫さんの汚さがリアルで、イヤな感じ。もちっとファンタジー寄りにシフトしてほしいかな。
「4DX」の色々な効果を試体験して見るにはいいコンテンツかもしれない。
「全身水が掛かる」みたいな告知があるが、ミストで全身撫でられる感じ。
座席がボコボコ動くのはともかく、映画を見ながら脛をパタパタ叩かれるのは初の体験なので笑ってしまった。


【銭】
4DX特別料金1300円

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ボクソール★ライドショー~恐怖の廃校脱出!!~@ぴあ映画生活

『パディントン』を東宝シネマズ渋谷2で観て、癪だから難癖は付けておこうふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★安定した面白さ。ただ一か所だけ糾弾しておこう】

ロンドンで家を探す子熊を主役にしたお子様映画。
だけど、大人が見ても面白い。
HOUSEを探しながらHOMEを得る話。

パディントンが関係を持つ事になるロンドンのブラウンさん一家がステキだ。
昔はワルだったが、家族の安全を優先して今では危険に手を出さない事務屋のパパ、
変わり者でお人好し、お節介な挿絵画家のママ、
トンガリ反抗期の長女、天才肌の弟、家を取り仕切る家政婦のバードさん。
全員違う個性がそれらを損なわず生活している。
このママさんがパディントンに声を掛けた時から、
パディントンがこの家の残されたピースである事が分かってしまう幸福感。

このパディントンを剥製にしようとする美女ミリセントと
奪われたパディントンを取り返そうととする家族の話が後半のメイン。
『101匹ワンちゃん』のクルエラ・デビルは犬の毛皮を作る事が目的だったが、
新種動物を剥製にしたいというのは、それはそれでどこかにリアルにいそう。
もっとも彼女の場合、父の名声を地に貶めた「人語を介するペルー熊」証明という悲願が心を歪めているのだが。ちょっと引っかかったのが、このミリセントの扱い。最終的にパディントンの生命は助かり、ミリセントは社会奉仕で馬糞片付けの重労働を負う羽目になる。え、何で? パディントンには勿論人権がない。ただ、ブラウン家で生活する中、ペット(疑似家族)と位置付けられたら、それを奪おうとしたからか? それは余りにもミリセント側の視点が欠けてないか? 最終的に彼女が自分の罪を自覚しない限りこの物語は本当の結末を迎えないと思うのだが。

パディントンに駅で最初に声を掛けたのがブラウン夫人でなく、
ミリセントだったらもっと短い話になっていた筈だ(すんげ哀しい話)。

今回は評判が良かったので吹替版を見た。
パディントンはなるほど松坂桃李の声なのだけど、
案外、それで違和感ないんだよなあ。
古田新太のブラウンさん、斉藤由貴のブラウン夫人、
木村佳乃のミリセント、水戸なつめのジュディ、
言われないとタレント枠とは気づかない。

あっ隣人のカリーさんが悪い人じゃないけど報われなくていい味出してます。


【銭】
映画ファン感謝デー1100円

▼作品詳細などはこちらでいいかな
パディントン@ぴあ映画生活
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パディントン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
パディントン@或る日の出来事
パディントン@SGA屋物語紹介所
パディントン@ペパーミントの魔術師
パディントン@徒然なるままに

PS 「パで隠遁」まさかジャイアンツに入れずライオンズから選手生活を始めた
 番長の事じゃないですよね?
 みんな画面にいない筈の熊を共通幻覚で観てる。
PS2 とりあえず一番の問題はパディントンが貿易関税を潜り抜けて
 密入国してる点で、この後、同熊と接触したロンドン市民が未知の病原体と
 対決を強いられるという展開になっても何らおかしくないと思う。

『白鯨との戦い』を丸の内ピカデリー3(旧丸松)で観て、いやあロン・ハワードだふじき★★★

五つ星評価で【★★★相変わらすロン・ハワードどんな物でも娯楽映画にしてしまう豪腕っぷり・・・ではあるけれど】

物語として特に飽きないし、面白いし、隠された真実はあるし、男同士の意地と誇りの激突はあるし、そうそう悪い要素はないのだけど、

「えっ、またクリス・ヘムズワース主演なの?」という感じで主演に飽きた感じがある。
ここんところのヘムズワースの映画と言えば『マイティ・ソー(シリーズ)』『アベンジャーズ(シリーズ)』『ラッシュ プライドと友情』『ブラックハット』。最後の一本だけIT技術者って無茶振り設定があるが、基本、みんな筋肉マッチョで、とりあえず気持ちのいいバカという役どころ。変わり映えしないのう。で、特にいつも通りの顔と演技で演じるクリス・ヘムズワース。

鯨取りがひどい目に合う映画なんだけど、クリス・ヘムズワースが万全すぎてひどい目感が薄い。

鯨が出てくる場面はとても面白い。成功した狩りも失敗した狩りも。
白鯨が物語のように真っ白ではなく、骸骨っぽく白と黒が混じったようなデザインだったのは秀逸。

こんなとこでいいかな?


【銭】
松竹系のポイント6回分を使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
白鯨との闘い@ぴあ映画生活
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白鯨との闘い@ここなつ映画レビュー
白鯨との闘い@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 白いゲイとの闘いってそらいやだよなあ。

『残穢 住んではいけない部屋』を丸の内ピカデリー1で観て、心霊実話テイストの到達点だふじき★★★★(ネタバレ的)

五つ星評価で【★★★★この年になって心霊実話テイストで長編映画を見れるなんて思いもしなかった。内部に『呪怨』を取りこもうとしている攻撃的な内容が凄い】

原作未読。

稲垣吾郎の「ほん怖」の前身、ジャパンホームビデオが出していたオリジナルビデオシリーズで「ほんとにあった怖い話」という作品群があり、「心霊実話テイスト」と呼ばれたその作品群は日本映画界が作ったホラーの中で、今でも最も怖い映像群であると断言できる。何が怖いって、物語が解決しないのである。見終わった後の地続き感が果てしなく怖い。例えば、『リング』を観て貞子が怖くても、『呪怨』を観て俊雄が怖くても、キャラ化されたそいつらは、現実世界にまで侵食してきたりはしない。『ほんとにあった怖い話』の無名の幽霊たちは映画を観終わって、その無名の霊と同じ類の霊がすぐ後ろから現われてもおかしくない、そういうリアルな恐怖感を持ったものだったのだ。

今回の『残穢』の構造はこの心霊実話テイストをベースに据えている。怪奇現象は人間に解決などできない。人間はその怪奇現象から遠ざかるか距離感を測ってやり過ごすしかないのだ。そして、もう一つ執拗に作り込まれているのは
・幽霊がいました。
・幽霊と人間は交渉できない。
・人間の生活が壊れだす。
という単純パターンでは長編映画にならないので、大きな原悪のような「呪い」があり、それが時代を越えて少しずつ呪いを累積させていく流れを見せるダイナミズム。これは『呪怨』の屋敷が担っていた役柄に近い。『呪怨』は屋敷がそれを身に付けたのは最初の惨劇ただ一つとしたが、『残穢』は積み重なる連鎖がどんどんそれを強固にしていった事を説得力を持って見せた。

いいね、いいね。ゾクゾクする。
この話を語るために背景に徹する「私」竹内結子の無気力にも見える大人感もいいし、
一緒に謎を解明する相棒になる「久保さん」橋本愛の普通感もいい(※)。
※ 109シネマズ特報の橋本愛のお仕着せ衣装は忘れてあげたい。

この核の二人が凄く安定していて、
周囲、佐々木倉之助、坂口健太郎、山下容莉枝の情報収集能力で
どんどん怖い話が論理的に広がっていくところが今までになく面白い。
そして、最終的に「逃げ場がない」事を肯定して終わるのも堂々としている。

キャストの話で言うと、日本にはまだまだ怖い顔の人たちがいっぱいいるなあと思わされた。頭のおかしくなってしまうお婆さんとか物凄く怖い顔でしょ。呪いで引越ししてしまう燐家の住人や、橋本愛の部屋の元の住人、強行に及ぶ母親、暗闇に顔だけ浮かぶ座敷牢の男。みんな一人一人実にちゃんとした演技で怖い。

私、幽霊・亡霊・地縛霊の類を実際に信じる人なのだが、その幽霊のパーソナリティー(人格)は信じない。幽霊とは過去にあった人格の記録や一念が何かの拍子に現世に残った物だと思っている。だから、彼等との意思疎通は出来ない。映画の中で、首吊り夫人のビジュアルのイメージが何人何か所かで拡散していき、それを「穢れに触れた」からと言っているが、同じ建物内で同じビジュアルが映るのはよいとしよう。以前、その建物に暮らしていた人が追体験で他所で同じ霊体験を追体験してしまうのもその事象を内部に取り込んでしまったのなら、なくもないだろう。ただ、追体験した人が自殺した場所で、後の住人が元のイメージの霊を見るのは無理があると思う。その一点だけが相容れない。


【銭】
松竹系の前回入場割引使用により1300円。

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残穢〈ざんえ〉-住んではいけない部屋-@ぴあ映画生活
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残穢〈ざんえ〉-住んではいけない部屋-@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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残穢〈ざんえ〉-住んではいけない部屋-@だらだら無気力ブログ

『お盆の弟』をシネマート新宿2で観て、ええんやけどええんかなふじき★★★

五つ星評価で【★★★渋川清彦のキャスティングに助けられてるなあ】

辛いながらも小さな日常の中、前を向きながら歩くも
愛する妻からは別れを告げられ、監督としての次回作も作れず袋小路、
という「私小説」的な映画としてはありがちな話に思える。

なのに、とっても肩入れ出来てしまうのが
ダメ男を演じるのが「渋川清彦」という
見ている観客がどうしても許しちゃう俳優を使っているからだ。
何だろう。ホモじゃないけど「人間として」抜群の可愛らしさがある。
こういう人はダメ男が嵌る。
多分、渋川清彦で寅さんとかだって面白い気がする。
バランスだけで語るなら、佐藤我次郎の代わりに出川哲郎とか横に置きたい。
渋川清彦には「怠惰」も似あうし、
仮に底の底まで堕ちてもまだ微笑みを返しそうな余裕がある。
だから、どんな不幸が近づいてきても盤石の安心感がある。
でも、この映画ではそこそこありがちな不幸と、その結果、
掴み取れそうなそこそこありがちな幸福とを提示するだけだった。
これでも成り立つし面白い。
でも、どこかでもう少し叩きつけられる「揺れ」みたいな物を感じたかった。
そういう「揺れ」がなきゃないでリアルかもしれないが、
やはりドラマ的に一番の峠となるような頂点みたいな部分があった方が
「映画的」だと思うのだ。

『お盆の弟』というタイトルだけど、
弟・渋川清彦に対峙する兄貴・光石研は映画内の序列で言えば
相棒・岡田浩暉、妻・渡辺真紀子、交際相手・河合青葉に次ぐ五番目である。
他に適当な題も思い浮かばないけど、この題ではない気がする。

緩慢なダメ男を演じる渋川清彦と対照的に
全力のダメ男を演じる岡田浩暉が本当にああいう人にしか見えないのが凄い
(いや、よく知らないけど本当にあんなだったら嫌だから演じてるんだと思うよ)。

河合青葉がエロさのカケラもないのに、
美しくて清々しくて、これもとてもいいキャスティング。


【銭】
親の友達から貰った新聞屋系の招待券でロハ入場。シネマートさん、いいのムーブ・オーバーで持ってくるよなあ。

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お盆の弟@ぴあ映画生活
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お盆の弟@映画的・絵画的・音楽的

PS 主役がマキタスポーツでも映画は出来るが、きつかったろうなと思う。
 マキタスポーツの兄ちゃんを誰に据えるのかと言う難しい問題も発生する。
 ※ 大変失礼だがマキタスポーツさんは確実に安心感を持てない俳優さんである。
PS2 ネタ
 「おぼんの弟って誰や」
 「こぼんやないけ?」
 「おぼんこぼんは兄弟とちゃうで!ほんま!」
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