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『シャークネード カテゴリー2』をシネマカリテ1で観て、前作ほどではないけどまあまあふじき★★★

カリコレ2016年の1本

五つ星評価で【★★★トルネードに巻き上げられた鮫が空から降ってくるという奇想は一作目同様面白いのだがバリエーションが少ないのと後半の達成感が少ないので、後ろに行くに従って退屈になる】

またまた鮫、鮫、鮫のオン・パレード。
の筈なのに、そんな鮫満載の感じがしなかったのは、
飛んでくる鮫ばっかだったからだろう。
泳ぎながら近づいたりするケースが少ない。
泳いでくるのも地下鉄車両のように向きが一方向だけ。
バリエーションが少ない。
ときどき流れるスタジオワイドからの天気予報の実況も多いが、
これもスピード感を剥ぐのであんな数いらない。

冒頭の 飛行機vs飛行鮫 のありえない遭遇が
一番面白かったので全体尻すぼみな感じ。

そういや綺麗どころがいなかったな。
女性陣はおばさんかカッペ。


【銭】
オトカリテ扱い500円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
シャークネード カテゴリー2@ぴあ映画生活
▼関連記事。
シャークネード@死屍累々映画日記

『ガメラ3 イリス覚醒』をUCT4で観て、エロいが惜しいぞふじき★★★★

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▲映画見終わってから見るとバックの大群ギャオスがかっけー。

五つ星評価で【★★★★エロいところは好き。嫌いなのはイリスのデザインとED】
ファースト・ランの時にエロい所は喜んだけど、バリバリ、グッとは来なかったので、これもやっぱり今回が3回目か4回目(少なくとも2回は観てる)。
嫌いなのは大きく三点。
・イリスのデザイン。
 幼生状態は生物っぽいからギリ許すが、
 成長後はあまりにもギャオスからかけ離れていて、
 幾何学が勝って生物っぽくなく形が分かりにくい。
 あれはどちらかと言うと宇宙怪獣のフォルムだろう。
 飛行形態は綺麗だが(ギャオスの方が好きだけど)立ち姿がマヌケ。
 養分吸収もアイデアは面白いが、もう、それをやるならギャオス変異体ではない。
 つまり、人類の天敵として設計したギャオスに打ち勝つ種としてのガメラ、
 そのガメラの対抗種として新たに作成されたカウンターとしてほしかった。
 では何故、伝説の刀がいるのか。
 ギャオスを母体にしガメラの要素を加えた新生物はガメラのカウンターにはなるが
 ギャオスを絶滅させてしまう可能性もある。
 あくまで開発中の怪獣である為、前文明はその可能性をゼロにはできなかった。
 なので、文明の自殺を目論む勢力はイリスによるガメラの破壊後、
 イリスがを自壊できるように伝説の刀(おそらくバイオ兵器)を残した。
 そんなんにしてほしかった。
 そう言えばイリスって愛猫の名前だけど、
 猫に「イリス」って名前はなかなか付けないよね。
 ネーミングセンスが悪かったら『ガメラ対タマ』とか『ガメラ対ニャンコ先生』
 になってたかもしれない。 
・政府を裏から牛耳る特殊な宗教系の組織
 山咲千里と手塚とおるが所属する得体のしれない団体だが、
 お話上、特にいらんと思う。
 手塚とおるは概念を喋らせるのに便利なキャラだからどうにか出したいところだが。
・ED
 あー、ついに聞かせる系になっちゃったよー、という事で燃えない。
 やっぱG1の爆風スランプが気持ち良すぎた。

クレームに反して、好きなところはエロいところ。
もう前田愛がそのままソープいって現役で働けますってくらいローション塗れだし、
「イリスあついよ」とかどの面さげていいよる的なエロセリフ吐くし、
前田愛が取り込まれるイリスのコア部分が妙に女性性器くさいし、
それを男性性器のようなガメラがこじ開けるんだから、エロさ半端ない。
助け出した前田愛は失神してるし。おいおいおい。

ちなみに中山忍は相変わらず凛としてよい。
そして今回再開してペアになる蛍雪次朗がくたびれてて良い。
二人揃ってとてもバランスの取れたいいコンビだという事がよく分かる。
理系(科学によって前進させる力)と文系(情)という組み合わせなのだな。
文系(情)がいないと、進められない障壁があるというのがよいなあ。

藤谷文子がかっけー姉さんになってて嬉しい。
前田愛と比べるとちゃんと姉さんなのね。
ガメラがやられる度にスイツチングでこれでもかと
挿し込まれる文子ちゃんのオロオロ顔が凄い効果的。
何かの色紙に彼女が「私はガメラに捨てられた女」って書いてたのには笑った。

オマケ的には仲間由紀恵がけっこう尺が長いな、と。可愛いからね。
安藤希はいらん役のような気がするけど、可愛いからな。

それと特撮すげーの。アングルとか凄すぎて分からんのもあるけど凄い。
渋谷には東急文化会館と東横のれん街がまだあった。
そんな中、爆風で吹き飛ばされる人間。
個人単位で人間を怪獣が殺している絵を直接撮ったのは
これが初めてじゃないだろうか?

前田愛(幼い頃を演じるのは妹の前田亜季)のお父さんが三田村邦彦(ビオランテ野郎)、お母さんがかとうかずこ。お父さんがそのまんま東じゃなくって良かった。前田亜季はG2にも出てた。G2での母ちゃん役はかとうかずこじゃないだろうから、これは別人役だと思う。明らかな別人をG1からG3の中で演じてるのは案外、前田亜季だけかもしれない(キッチリ調べてないから特別出演系で他にもいるかもしれない)。

まあ、何らかんら言うても面白いよ。


【銭】
1300円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ガメラ3・邪神〈イリス〉覚醒@ぴあ映画生活

PS イリスって手足のないメフィラス星人にも似てる。
PS2 レギオンの時には協賛に「亀田製菓」が付いてて、
 エンドロールで「おおっ」と思ったけとせ、今回はなかった。

『野生のなまはげ』をK'sCinemaで観て、まあまあまあふじき★★★

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▲部屋の中になまはげがいると狭そうである。

五つ星評価で【★★★野生動物としてなまはげが存在する世界線で、なまはげを故郷の山に返そうとする少年の話がそこそこ呑気に語られる】
なまはげに野生と養殖の物がいる事を始めて知りました。
リアルな母ちゃん(長宗我部陽子!)と子供の飼う飼わないの争いが一番好きかな。
どう考えても頭の悪いハンター二人組、無意味に無双な教授、趣味の悪いペットマニア、女運の悪い父ちゃんとちょっとずつ変なキャラも良かった(主人公が等身大で普通である以外はみなアレな感じ。あ、母ちゃんもマトモか)。

なまはげってデザイン怖いよなあ。

舞台挨拶に来たなまはげも首輪とかしてなかったし、
リードにも繋がれてなかったから
多分、野生種がたまたま舞台挨拶に紛れ込んで来たのだと思う。
舞台挨拶後、スタッフの人が野生なまはげの藁を拾ってたのが印象的だった。ポロポロ落ちるらしい。だから、やっぱ室内で飼うのは適さない動物だ。ツガイで交尾とかされても困るだろうし。

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▲「モーニング朝!」って適当な番組名と完成度の高いロゴデザインが秀逸。

オマケに流れた『ケンダマスター』のトンマな受け答えをさせられるサポートセンターの女の人の声がごっつ魅力的で官能小説とかさつま揚げ片手に喋ってほしい。『バームクーヘン』の唐突に捲し立てる海の女神も羞恥プレイみたいでええわあ。『ハイスピードたまごろう』の思った通り感も嫌いではない。こういう短編20本くらい集めて一つのフォーマットに流し込んだ一本とかの方が見たいかもしれない。

こういう人生に何の爪痕も残さないタイプの映画は好き。


【銭】
当日一般料金1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
野生のなまはげ@ぴあ映画生活

PS 長宗我部さん、蓉子から陽子になったのかあ。
 長宗我部さんの前の芸名って何だっけ? 
 ググった。奈賀愛子ああそうだった。そうだった気がする。

『クリーピー 偽りの隣人』を丸の内ピカデリー1で仕事帰りに観て、もたなかったんで寝てしまったけどどうしたもんかふじき★★(ネタバレ)

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▲芸達者親子。

ネタバレ気味です。注意

五つ星評価で【★★何か好きになれない人がいっぱい出てた】
『スヌーピー 偽りの隣人』って言うから、
髪型から想定してチャーリー・ブラウンは香川照之で、
ルーシーとライナスが竹内結子と西島秀俊で、スヌーピーはマックス。
そんなに間違えてない気がする。

原作未読。

寝ちゃったから詳細はっきりしない所もあるんだけど、西島秀俊が何で川口春奈の事件と香川照之の事件を結びつけたがるかがよく分からなかった。香川照之は確かに怪しいのだけど、怪しいというだけで全ての事件を被らされてはたまらない。

川口春奈は妙に綺麗になってた。
と言うか、黒沢清が撮るとこういう風に隙がなく撮れるのか。

藤野涼子は凄い良かった。役者として気持ちが出来てるな、と。
まだ引き換えせる時と、もう引き返せなくなってからの演技の幅が凄い。
この両面を出さなかったので、川口春奈は綺麗な被害者でいれたのかもしれない。

香川照之の明らかにおかしい演技は目に付く。
でも、この人はこの映画の三狂人の一角にすぎない。
この人は家族が欲しい人だ。
家族の中にいる自分を再認識するのが好きなのだと思う。
その場合の家族は自分から見た家族であり、
他の家族が自分をどう思っているかには無頓着。
だから、家族その物の取り換えにもタブーはない。
感情によって人を操っているように見えるが、
彼自身、自分の感情も他人の感情も分からないように見える。

次の狂人は竹内結子だ。
引越の挨拶に手作りチョコはないでしょ。
それで狂人と断定するのも極端だが、
彼女は人間関係の中で優位の位置に立ちたいと思っていそうだ。
彼女が正気でいれるのは犬のマックスが彼女に劣位を明示してくれるからだ。
チョコもそうだし、シチューもそうだ。
彼女は自分の与える褒賞が人に喜んでもらえると信じて疑わない。
それは彼女の自己評価が高いからだろう。
彼女の存在そのものを疎ましく思う存在がいるとは考えない。
だから、一度笑顔を見せてくれた相手にはなついてしまう。
彼女自身が夫と信頼関係が結べず、孤独でいたから。

最後の狂人は西島秀俊で、彼は単に仕事の鬼だ。
単に仕事が好きで、家族も隣人も仕事に影響を与えなければどうでもいいのだ。
なので、香川照之に竹内結子を取られては困る。
彼が大好きな仕事ができなくなるからだ。
その為には香川照之は殺してもいい。
彼は香川照之を銃の力で捕縛さえできればいいのに殺してしまう。
彼は刑事や心理学者としての縛りを抑制できず、感情を爆発させたのだ。
ドラッグを打たれた件もあるし、その前に逮捕された件もある。
彼はそれが自分の社会的評価を下げ、
仕事から遠ざける事を本能的に分かっていたのかもしれない。

竹内結子は最後に大絶叫する。
その叫びからは絶望しか感じえない。
香川照之が死んでしまった後、
擬似でも家族関係を築けるチャンスが失われてしまった事を
彼女の心は分かっているからじゃないだろうか。
彼女を救えるのは西島秀俊より犬のマックスだ。
ただ、彼女が欲していたチヤホヤされるような一番の優位は
今後の人生で得られないかもしれない。

あと0.00001%くらいの確率で、実は犬のマックスがラスボスという事もあるかもしれない。その場合、川口春奈の件は全くの別件で、香川照之は西島夫婦が引越ししてから超高速度で異常者に変貌した事になるが。

ただ単に鬱っぽくなるものを見るのは嫌だわ。それが黒沢清だと言っちゃえば会社帰りにふらーっと寄ってしまった自分の未熟を恥じるしかないが。

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▲地震の時にいたくない部屋。


【銭】
松竹の前回有料入場割引で1300円。

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クリーピー 偽りの隣人@ぴあ映画生活
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クリーピー 偽りの隣人@映画的・絵画的・音楽的
クリーピー 偽りの隣人@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
クリーピー 偽りの隣人@ここなつ映画レビュー
クリーピー 偽りの隣人@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 写真男「あの人オドレイ・トトゥじゃありません、全然別の人です」
PS2 岩尾「あの人後藤さんじゃありません、全然別の人です」
PS3 多分、題名からあのドラッグに見える注射はお湯に溶いたクリープ。
PS4 香川照之、安田大サーカスの団長に似てる。

『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』をHTC有楽町2で観て、話はルーチンだが波瑠の声が良いふじき★★★

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▲アンパンマン

五つ星評価で【★★★話はいつも通りすぎる。でも波瑠の声が可愛くってたまらん】

外界から大きな力とともにやって来た子供が、その力を悪者に奪われ、アンパンマンたちと力を合わせて奪われた力を取り戻し、何か一つ学んで帰っていく。
最近はこれが鉄板になりすぎてて、他のパターンの話にならないのはよくない傾向。この粗筋のルーチン化ってドラえもんでも度々起こる。あまり複雑な展開にすると幼児が付いて来れないという制約もあるのかもしれないけど、余りにも同じ話はどうだろう? いやまあ、普通アンパンマンのお客は卒業して行ってしまうから、ずーっと見ているお客がいないので、品質を守るために、あえて必ず同じフォーマットを使用しているという可能性もあるけんど。あんま俺の為だけに毎回違うフォーマット作れとも言えんしなあ。

なので、今回、話で救い上げられる部分はそんなにない。
おもちゃの星の女王ルンダが邪険に扱っている家臣ロボットナンダの
優しさが身に染みるとことか中々いいけど。
家臣ロボット、ナンダが陸海空に合わせて変形する
鉄人いやアイアン・ジャイアントみたいでなかなか頼もしい。
このナンダは中川家の弟・礼二、海の魔物は中川家の兄・剛。
どっちもゲスト声優にうってつけの軽くて変化がない役。

オモチャの王女ルンダの声は波瑠。
この波瑠の声がいつも通りの声なんだけど、
子供のワクワクドキドキ感がちゃんと出てて凄く良かった。

短めの映画であるが、幼児の注意力をそらさない為、
予告等を短く調整して流していたテアトル系、偉い。
(基本、幼児は長い時間、集中できんもんで)


【銭】
テアトル会員割引で1300円。

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それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ@ぴあ映画生活

『世界から猫が消えたなら』を新宿ピカデリー10で観て、見る前に過大評価ふじき★★★(ネタバレ)

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▲悪魔は「電王」のウラタロス風でもあり、、、か?

ネタバレです

五つ星評価で【★★★猫の消失トリックがどうであるか】
猫がどう消えるかについて興味があった。
大病を患い、明日、死ぬことになった主人公が悪魔と契約し、
自分の大事な物を一つずつ消す事によって1日分の命を得るというのが粗筋だ。

1日目は電話(愛の記憶)、
2日目は映画(友情の記憶)、
3日目は時計(親の職業=男親との過去の記憶)
4日目は猫(家族の記憶)

という形で主人公は経験した過去を剥奪され、
現在の元恋人や友人を失っていく。
カラになっていくと言えばいいだろう。

悪魔との契約による消失がどう描かれるかに興味があった。
映画を見に行く前に仮説を立てた。
猫が消えるという点について、
いきなり世界から全ての猫が物理的に消えたら大混乱になるだろう。
猫を家族と思って生きている人だって多かろう。
だから、そういう消え方をする事はあるまい。
それなら「猫」という存在がなかった事になればいいのではないか。
だが、その場合、ヤマネコが飼いならされイエネコになって以来の
猫の記録が全てがなくなってしまう。そんな大掛かりなSF考証やれるだろうか?
バタフライ・エフェクト効果も甚だしいが、そういうの無視するのか?
そこで、そういう事を考えずにスマートに欠落させるなら、
主人公が猫を感知できなくなるアイデアだったらよさそうだと思った。

催眠術に掛けられた被験者が数字の「7」だけ認識できなくなるように、
悪魔の指示が強迫観念となって脳疾患を助長させる。
一日に一つずつ主人公は彼の大切な物を実質の物体はそこにあるにも関わらず
認識ができなくなるのである。あくまで欠落するのは彼一人の内面の話なので、
大きな世界の変更を要さない事から、リアリティーがあり、
そして、彼の病状ともリンクする劇的な展開になるんじゃないだろうか?

という事で、そういうクレバーな展開になるかどうかを確認しに行った。

残念ながら、そんなクレバーな展開にはならなかった。
「猫」がなくなるという事は、単に目の前にいる「猫」がいなくなって、
「猫」という概念もなくなる。但し、それによって大きく世界は変わらない。
変わらざるを得ない部分は変わったとしても差異は最小にとどめる。
そんな作りだった。

要は、彼の前に現われる「悪魔」は本当の悪魔で、
神様がやれるくらいの奇跡は鼻歌混じりに起こせるのだ。
いや、そんな事が簡単に出来るんなら、
つーより、奇跡の力が万能だったり、悪魔が本当に悪魔であるなら、
もっと大掛かりに面白い物を消せたり、
設問事態を魔的な物に変えられるのではないか。
『バットマン ダークナイト』でジョーカーが多数の人命を賭け事に使ったように、
目の前のバスが5秒後に爆発するけど1日生きながらえますか、
目の前の見知らぬ女子高生がこれから百人の男に輪姦されるけど
1日生きながらえますか、とかとか。
何はともあれ「神様」や「悪魔」を持ちだす事によって論理性を全て捨て、全て解決させてしまった。これはこの物語の基盤がSFではなくファンタジーであり、ファンタジーが嫌ならお伽話と言う事になる。つまり、どんなに破綻していても「らしい」であればいいのだ。

そう言えば「神様だから何でもできる」というのには超大名作である
フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』があった。
あの映画の中の主人公自身がいない世界、
あれの真似事を規模を小さくして何回か繰り返しているに過ぎない。
でも、小さくではあるが綺麗にまとまっているので、これはこれでいいのだと思う。
でも、どうしても自分自身が考えた認識的な欠落の方が物語をキッチリ整合性がある物として見せてくれそうで素晴らしそうだと思えてしまう。自分贔屓であるのは承知だが、このギスギスした時代に神様や悪魔を持ちだして都合よく物語を展開させて「寓話なんだから許してくれよ」というのはムシがいいように感じるのである。

とは言え、相変わらず宮崎あおいの演技は唸らされた。
予告でも流れるあの泣き顔にはやられる。
予告と言えば、予告で流れた多幸感の強いボーカル曲は本編では控え目に感じた。
オーディオ設計やドルビー設計が予告編の時が最適に調整されていたのだろうか?

宮崎あおいもいいし、佐藤健も別に悪くないし、ぼーっと見てそんなにつまらない映画ではないんですが、見る前に評価レベルを上げすぎてしまいました。そう言えば、悪魔の容姿が佐藤健本人と言うのはいいアイデアだ。基本、何でもいいのであれば、悪魔の容姿はデーモン小暮だったり、ペロリンガ星人でもいいんじゃないかと思う。ペロリンガ星人に翻弄される佐藤健なんてのもなかなかオツではないか。


【銭】
松竹の前回鑑賞割引+ネット予約割引で1200円。

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世界から猫が消えたなら@ぴあ映画生活
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世界から猫が消えたなら@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

『ホーンテッド・キャンパス』を新宿ピカデリー7で、『復讐したい』をUCT12で観て、メアリージュン姉御ヨイショ★★★,★★★★

頑張れメアリージュン

◆『ホーンテッド・キャンパス』
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▲綺麗どころ二人。

五つ星評価で【★★★ラノベらしい小さな快作】
原作小説未読。
大学のオカルト研究会に入部する事になった霊の見えるヘタレと後輩のラブコメ。
オカルト研究会のメンツがキャラ立ちしてるので気持ちよく映画を見れた。

部長の安井謙太郎:詳しくは知らないがジャニーズの人。
 オカルト、霊体験オタク。言動は軽め。
 オカルト方面では知識があるので頼りになりそう。金持ち。
部員1大野拓朗:ぐぐったら高台家のお爺ちゃんやった人だった。
 オカ研の№2。霊感があるが主人公ほどではない。貧乏人でずっとバイトしてる。
 ちゃんと生活している人という視点から頼りになる。
部員2高橋メアリージュン:モデル兼女優。手足がスラっと長くキャバ嬢感強し。
 お見合いセッティングおばさん的な位置付け。女は愛嬌&度胸どっちもありそう。
新入部員1島崎遥香:いわゆるAKBのぱるる。ちゃんと演技してる。
 安井謙太郎と従妹の設定。霊に憑りつかれやすい体質の為、オカ研で守られてる。
新入部員2中山優馬:関西ジャニーズ。バラエティーでたまに見る顔。顔濃い。
 島崎遥香に片思いしてオカ研に入部。霊が見えるが必死に無視して生きてきた。
 熱い演技がちょっと鬱陶しいが、月曜ドラマランドの線を考えれば
 まだまだ我慢できるレベル。

この五人が霊に関わる事件に巻き込まれていくのだが、それぞれのキャラに迷いがない感じ。混同する事もないし、セリフもそれぞれのキャラが言いそうな事を的確に言っている。事件としては前半と後半とで二つの事件を扱うが、そこに出てくる森本レオ、大和田伸也が大人として、いい演技を披露している。

高橋メアリージュンの関西おばはん乗りが「これだ」という嵌り具合。
この人はあまり真剣に悩むような役より、横にいて気持ちいいみたいな役がよろしい。何となく鈴木紗理奈枠という気もする。

主役の中山優馬のバタバタした演技は好きではないんだけど、彼がバタバタにベタなヘタレ方をしてるおかげで映画が楽に見れたというのはあると思う。


◆『復讐したい』
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▲右が水野某。

五つ星評価で【★★★★いや、すんげちゃんと面白かったけど、多分、宣伝うって映画興行として稼ぐ気はなさそう】
山田悠介原作、室賀厚監督ってピッタリ嵌りすぎコンビやろ。
で、室賀厚なもんだからバリバリ安い予算で、面白い出来なのにヒットはしないのだ。この室賀厚の全くヒットしない不運振りを見ると、宣伝費用とか誰か使い込みしてるんじゃないだろうか。

犯罪者に対する被害者家族の復讐法が成立したという設定で、犯罪者の復讐が施行される無人島での18時間を描く。犯罪者が狩られるべく復讐の施行者に有利な条件が付けられているのだが、それらを上回るテロリストが暗躍してゲームがゲームの枠組みを越えようとする。ラストの終わり方は予定調和で興ざめなのだが、全般とてもよく出来ている(限られた予算が見え見えで絵は安いのは許す)。

主演の水野勝って『白鳥麗子でございます』の彼か。俺、彼をイケメンとは思えんのだよなあ。ゴツゴツした泥人形が命を得たみたいで。

その水野勝の亡き妻と瓜二つの別チームに狩られる女を二役で演じているのが高橋メアリージュン。これはいい配役だ。高橋メアリージュンって綺麗だけど、ちょっと信用しづらい顔立ちだもの。


【銭】
ホーンテッド・キャンパス:ピカデリー会員割引+ネット割引で1200円。
復讐したい:UCT会員2ポイント割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ホーンテッド・キャンパス@ぴあ映画生活
復讐したい@ぴあ映画生活

『TOO YONG TO DIE! 若くして死ぬ』をトーホーシネマズ日本橋2で観て祭だワッショイ雑でもワッショイふじき★★★

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▲ジャニーズさんが許可しないので長瀬がいないバージョンの絵があるんだな。

五つ星評価で【★★★いつものクドカンらしく惜しい映画】
クドカンって決してつまらなくはないし、
見ていて「グッ」と来る部分も散りばめてくれたりもする。
ただ、自分が監督の時は何でも詰め込んでしまって、
もっといらん所切れるだろうと思わされる。
凄くいいカットを平凡なギャグ乱発で間延びさせてしまう。
監督作後半のテンポは基本いつも悪い。

今作で特に悪いのは女優が可愛く撮れてない事だ。
ホモかよ、お前!
ふじき「お気に」の森川葵はある人に寄せる必要があるからか、何か良くない。
抜ける抜けないで言うと抜けなくはないが、積極的に抜きたい気分にならない。
死神の尾野真千子は普段と違うイメージなのはいいが、まあそこだけだ。
あの死神でも抜く気にはならん。
尾野さんが手伝ってくれるなら抜けるだろ(そらそうだろ)。
この映画ではそういうのないけど、尾野さんって「凄く嫌な顔」ができる女優なので、
尾野さんに「このカス!」みたいに詰られたいという人は隠れていっぱいいそうだ。
一番、抜く対象として頑張ってるのは悪魔コスプレバリバリの清野菜名なのだが、
あれで抜けるなら桐谷健太でも抜ける気がしてならない。そら、まずい。
皆川猿時ではもちろん抜かない。
シシドカフカなんて皆川猿時と同列に並んじゃったから抜かない寄りだよ。
抜かない寄りで行くなら、閻魔大王の古田新太も抜かない寄りなのだけど、
閻魔大王と皆川猿時のメイクや存在感がさほど変わってない気がする。
髭を生やしながらはマズいけど、
「古田新太=女子高生」がなくもないというのは流石、地獄。
全てを抜く抜かないで判断するのも何なんだけど、
古舘寛治と宮沢りえは抜かない寄り。
古舘寛治なんて『受難』で女性性器を演じた俳優だから(本当)、
宮沢りえよりはよっぽどメスの匂いがしてきそうなもんだが、
宮沢りえがあんな普通に「お母さん」で、
「お母さん」なだけにしか見えない役ってどうなのよ。
別に本当に古舘寛治では抜かないけれど、「お母さん」でも抜く気はないよ。
こう見えても鬼畜でもなければ、雌雄共有のギャオスでもないんだから。

長瀬と神木隆之介はいい感じで適当。芸達者だなあ、流石に。
長瀬は現世で貸スタジオ経営みたいな事をやってたけど、
地獄と構造を対にするなら用務員か何かがいいんじゃないかと思う。

天国が管理下にあるドラッグ供給施設で、
地獄が主人公が体験していない責め苦を延々与えられる場所なら、
現世が一番天国だなあ。

ラルフ・マッチオの『クロスロード』みたいでもあり。

曲が気持ちいいから星一つサービスだ。

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▲こんなエロイ設定汚いわ。


【銭】
映画ファン感謝デーに見たから1100円。

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TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@ぴあ映画生活
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TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@映画的・絵画的・音楽的
TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@beatitude

『ガメラ2 レギオン襲来』をUCT4で観て、面白いんだけど悔しかったりもする点ふじき★★★★

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▲一作目の安いデザインとは大違い。

五つ星評価で【★★★★面白いんだけど、あの設定第一なところがちょっと映画自体に近づくのが怖いと思わされる】
ファースト・ランの時にそんなにグッと来なかったので、今回が2回目か3回目。
なんでグッと来なかったかというと、ともかくあの敵の設定が煩雑すぎた。
いや、あの煩雑な設定は面白いのだが、その設定の大きさにドラマが釣りあっていない。また、製作者側からはその設定に不備がないと胸を張っていそうだが、一観客から見るとその設定が盤石かどうかは分かりかねる。その辺で今一つ、製作者側を信じられなかったのかもしれない。

軍隊レギオンと草体の関係性や、居住環境を徹底破壊する敵というアイデアは見たことも聞いたこともない凄いアイデアだと思う。その存在が多少あやふやなのは巨大レギオン。女王蜂のようにでかいというのはあり得るだろうが、巨大レギオンは産卵のための巨大化ではないし、あそこまで単体として大きく、そして武装化する必要が生物としてあるのだろうか? それとガメラ自身もそうだが、最後に今までに見せなかった隠し玉みたいな兵器を出しちゃいかん。
巨大レギオンのガメラと対比した際の大きさや屹立した際の更に大きく見せるギミックは実に生物らしくていい。

出演陣の中では水野美紀が可愛すぎる。
なんかしら科学センターの女博士みたいな役どころなのだけど、あまりに可愛いのと、専門分野が明確じゃないのとで、女科学者には見えなかった。でもまあ、あんなに可愛くっちゃ責められないよなあ。

藤谷文子がいい感じに肉が身体について女の子っぽくなった。
チョイ役なんだけど、前田亜季かーいーのう。

ウルフルズのEDは妙に大人くさくてかっこ悪い。


【銭】
1300円均一料金。

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ガメラ2・レギオン襲来@ぴあ映画生活

『ミスター・ノーバディ』をフィルムセンターで観て、爽やかなキチガイ映画だふじき★★★

特集上映「EUフィルム デーズ2016」の各1プログラム。

五つ星評価で【★★★凄いけどおでは凡人だから付いていけなげでもある】
リリカルなのにしっかり狂ってる映画。
爽やかな『ドグラマグラ』
人類で最後の非不死者の老人が大きく分けて三つのありえなかった過去を回想する。

回想は婚姻の相手がブロンド、ブルネット、黒髪の誰であるかによって大きく三つに分かれるのだが、相手が誰であっても簡単に幸せにはなれないようである。
ブロンド女性は鬱気質で、彼女は前の恋人をいつまでも思っている(彼女による彼の拒絶)。
黒髪の彼女には、彼が強い関心を持っていない(彼による彼女の拒絶)。
唯一相思相愛関係にあるブルネットの彼女とは関係が疎遠でなかなか会えない。

映画の中で、この中のどれかが虚構である事は、タイプライター画像の挿入などで示唆されているようだが、まあ、どれがどれでもええわいな。色々と苦しみの多い過去よりも、別に祝福されてる訳でもないのだろうけど、穏やかな置物と化しているような未来のビジュアルに強く惹かれる。いや、あの先生の刺青が好きなだけだな、自分。

話が立て込みすぎてて何回も見ないとモノにならない感じがするのだけど、ちょっと長めなのでこれをあまり見直す気にはならない。これを好きな人は好きそうというのはよく分かる。


【銭】
フィルムセンター一般料金520円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ミスター・ノーバディ@ぴあ映画生活

PS ♪人生いろいろ 男もいろいろ 女だっていろいろ 咲き乱れるの
 という島倉千代子の「人生いろいろ」みたいな映画だった。
PS2 しかし、もう生殖のための性行動すらしていないという未来、
 あの未来が完全なセックスレスであるなら『TOO YOUNG TO DIE』の天国にも
 通じる所がある。どんなに辛くっても肉体を伴った喜怒哀楽があるところにこそ
 人は幸せを感じれるのだ。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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