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『下妻物語』をシネクイントで観て、相変わらず無茶苦茶おもろいやんふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★かーいーのなんのって】
二回目か三回目。中島哲也監督もこれだけは好き。
深キョンも素晴らしいが、土屋アンナも素晴らしい。
土屋アンナなんて素晴らしすぎて、
その後のキャリアはこの映画のヤンキーの拡大再生産みたいだもの。

ともかくJUSCOの懐の深さが素晴らしい。


【銭】
シネクイントのサヨナラ興行で500円。さらばSPACE PART3
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下妻物語@ぴあ映画生活

PS 真木よう子、どこに出てたんだろう?
 お針子さんかな、ヤンキーかな。
PS2 小池栄子がまだ、グラビアの人の名前だけ欲しいんだよ的な扱い。
PS3 名優っぽくないいい加減な感じの樹木希林がいい。

『ロスト・バケーション』をトーホーシネマズ日本橋1で観て、鮫も頑張ってる佳作だふじき★★★★

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▲ケツとかぷりっとしてても男前な姉さん。

五つ星評価で【★★★★やっぱり鮫の映画はいい】
生物学的に言うと、
鮫が何故あんなにブレイク・ライブリーを食べたいのかがよく分からない。
鯨の死骸だってあるし、男たちだって何人も毒牙にかけてるし、
それでもう食料は豊富じゃないのか? 
メスの人間じゃないと食べません、とかグルメな鮫なのか?
確かに野郎だけの時は襲ってこなかったし。
じゃあ、医学生の彼女に出来る最善の策は近くにいる鳥をとっ捕まえて
自分の股間に接合してチンチンの偽装を・・・はっ、私ったらなんて事を!
(いつも通りだぜ!)

満潮になると沈んでしまう岩礁に避難した彼女の周りを悠然と泳ぐ鮫。
『シャークネード』の鮫だったら助走付けて空、飛んで襲ってくると思うが、
あの鮫は密度薄くて風に乗ってどこまでも飛ぶから種類が違うんだろう。
うん、今回の鮫は重そうだった。
逆に重いんなら、因幡の白兎ヨロシク頭の上に乗ってしまえとも思うが、
いや、白兎はそれで生皮剥かれちゃったんだっけ。
剥くのはあそこだけで、、、弁士中止!
・・・はっ、私ったらなんて事を!(だから、いつも通りだぜって!)

ブレイク・ライブラリーはカワイコちゃんでも、SEXYでもなく、
どっちかってえと「男前」的な感じだった。ダニー・トレホを美人にしたみたいな。
両方から怒られそうだな。
基本、このブレイク・ライブリーが一人で間を持たせるんだから、
彼女も芸達者だし、脚本が上手なんだと思う。
そこそこの短さだけどピンチがやってきてから一瞬もダレなかった。
あまりにも何の展開も思い付かず、映画がダレダレになるようだったら、
岩礁の上で彼女が気を落ち着かせるために林家二楽師匠譲りの紙切りの芸を披露とか、
江戸屋猫八師匠譲りの猫の物真似を披露するとかあったかもしれないが、
そういうのがなくて良かった。
いやいやいやいや、紙切りしながら、その紙で近視の鮫をごまかしたり、
猫の物真似で鮫の聴覚をかく乱したりとかするのよ。
たまに「おさむちゃんでーす」とかフェイント入れて、フェイントにならなくて、
食べられたりとか(終わっちゃうやんけ)。

総論で、普通に面白かったです。
で、あの鮫が流れ流れてシン・ゴジラになるんだと思います
(そんなに違和感ないっしょ)。


【銭】
映画ファン感謝デーに見たので1100円。

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PS 作りかけのブログ記事が吹っ飛んだので、一から作り直しの記事です。
 そのせいで逆にタガが外れて出来が良くなったかもしれない。
 ああでも、やっぱりブログ作ってる最中、原稿が壊れるのはキツい。
PS2 日焼け止めを塗ったにもかかわらず、長期の陽光の下での活動は
 彼女の肌を焼く。『ロースト・バケーション』という奴ですな。
PS3 男は殺して女だけ手を出すなら、鮫の形をしてるけど
 実はドラキュラみたいな吸血鬼かもしれない。
 海パン一丁のドラキュラって想像しづらいんだけど。
PS4 海パン一丁の鮫と言えば、アニメ版の『海のトリトン』の悪役が
 海パン一丁の鮫だった。確か、クラゲは通信担当の子分みたいな役だった筈だ。
PS5 海パン一丁の鮫が海パンを脱いで、ブレイク・ライブリーと
 メイクラブする映画が見たいなんて言いません。だから、言わないんだってばさあ。
PS6 医学生じゃなくて洋裁学校の生徒だったら、海月でドレスを、、、、
 はっ『海月姫』! 能年玲奈でリブート・オファーだあ!

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▲海パン一丁の鮫の人

『ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説』をシネマート新宿2で観てあかんねんなふじき★★

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▲前半部のヒロインのこの子が垢抜けなくて良かった。

五つ星評価で【★★出だし好調、中盤以降沈没】

軍の厄介者みたいな扱いの主人公が大活躍の末、
大古の文明の遺産を探し当てるが、
恋い焦がれていた女の子をその遺産の力に奪われてしまうまでが前半部。
その後、政府の調査隊に参加する事で、彼女との再会をかなえるのが後半。

「魔界」とか「妖魔族」というキーワードが出てくる映画は普通に地雷映画だろう。
まあ、もう本当にその通りの映画。

とは言うものの、
前半のあれよあれよという間に大古の文明の遺産に辿り着いてしまう
スピード感や無駄にお金をバンバン掛けてる感じのCG多用は良い。

ギャレス・エドワース・ゴジラ風ドラゴンもパクリっぽいが出来は悪くない。
前半部は朴訥な主人公、可憐なヒロイン、主人公を気に掛ける先輩、
ヒロインの父のマッド・サイエンティストと主要人物のキャラも立っている。
後半は全部捨てて、話もつまらないので後ろに行けば行くほどキツくなる。


【銭】
シネマートのポイント10ポイントを使って無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説@ぴあ映画生活

PS そんな少人数に人類の命運を賭けちゃいかん。

『ある機関助士』を神保町シアターで観て、機関車つおいふじき★★★

特集「鉄道映画コレクション」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★シュッシュッポッポの脅威が垣間見える】
初見。

機関助士(機関車の運転助士)の一日を記録するドキュメンタリー。

蒸気機関車って熱くて重くて当たると痛そうなので、
是非、ゴジラにぶつけたいところなのだが、
残念なことに制御が難しそうで無人にはできそうにない。
映画内の機関車は脱輪でもするかのような勢いで狂ったように走る暴れん坊である。
その融通の利かなそうな暴れん坊を抑えるのが機関士と機関助士。
難物の機嫌を取りながら、常に細心の注意を払い、
いつもと違いがないかを確認する。いつものように動かしながらベストを模索する。
仕事への敬意が見て取れる記録映画だ。

それにしても蒸気機関車と言うのは化け物のようだ。
その熱にピーピー悲鳴を上げるヤカンを乗せながら、軋みながら全力疾走する車体。
よくも脱輪しないよなあ、という風に見えてしょうがない。
空撮によって映されるモクモクと上がっては背部に流されていく排煙が呪わしく見えてステキだ。

ただ、映画としては普段行っている作業の工程を説明するでもなく、漫然と機関士、機関助士の仕事を映して撮っているのみなので、一本の映画として面白いかと言うなら、答はNOである。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ある機関助士@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・ある機関助士(一回目)@死屍累々映画日記・第二章
ある機関助士(二回目)@死屍累々映画日記・第二章

『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』を神保町シアターで観て、ガラガラやったけどええ映画やんふじき★★★

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▲中井貴一って割と役者として信用してるな。

特集「鉄道映画コレクション」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★家族の映画】
初見。10人いないくらいの客席はちょっと寂しいが
個人的には空いてる方が気楽でいい。

中井貴一演じる大企業に巣食うイヤミなエリート主人公が、
親友の死や母の大病を契機に自分を見つめ直し、
良い息子、良い父親、良い夫、良い社員になる話。
今、流行りの歌詞でいうところの
「♪NO1にならなくていい。そのまま大切なONLY1」みたいな(おいおいおい)。

中井貴一が大企業の部長職を辞職して、
49歳の電車運転士に転向する主人公を演じるが、
前半の全てが仕事優先であるイヤな顔の時と、
電車運転士になって我が薄れ、仙人のようになっていく後半の落差が凄い。
後半ラストの中井貴一は「芸能人」と信じられないくらい
「カリスマ性」や「オーラ」が削ぎ落とされてる。
このままもう一歩進めて記憶喪失の浮浪者とかになってもそんなに違和感ない顔よ。

お話は長めだけど、色々な視線や角度から人生を掘り下げているので退屈はしない。
前の会社を辞職するエピソードや、親友の死とその息子のエピソードなど、
踏み込み不足を感じる部分もある。
でも、その人の全て何もかもを知らんでも大丈夫と思えばこれでいいのかもしれない。

娘に本仮屋ユイカ。実力のない正論者という位置付けにピッタリ。
父親中井貴一との関係、祖母奈良岡朋子との関係しか語られないので、
この子自身の魅力は実は伝わってこない。「ええ娘さん」でしかない。
ちゃんと演じられる子役をGETできるなら小学生の女の子でもいい役。
別に本仮屋ユイカちゃんはちゃんと演じていたけど、
全体の為に役を膨らませないという貢献の仕方もあるのだな。

ふと気づくと妻や母さんを演じている宮崎美子は、この映画ではヘルパー役。
しかし「ふと気づくと妻や母さんを演じている」って
「癖(ヘキ)」みたいに言うなよ、俺。

中井貴一の妻役が高島礼子。
夫婦共稼ぎの中で自立し、夫との関係に離婚をも視野に入れて悩む役柄が
今の彼女にシンクロしすぎてて痛々しい。
主婦役とかだと無駄に高知東急を連想させちゃうので、
もうこれからはアイパッチして男を寄せ付けないような役の方がいいかもしれない
(案外そういう無法者キャラが似あうのだし)。

映画に出てきた一畑電車のデニハ50形。80年も動いていて、木製の車両なので大工がメンテナンスしてるなんてエピソードが面白い。電車にカンナ入れるなんて初めて見た(まあそらそうだろう)。知らん事を知るのはおもろい。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語@ぴあ映画生活

『キャット・ピープル』『白い恐怖』をシネマヴェーラ渋谷で観て、乗れん乗れんふじき★★,★★

特集上映「映画史上の名作15」の1プログラム。

◆『キャット・ピープル』
五つ星評価で【★★夫婦のどっちにも感情移入できん】
猫その物のナスターシャ・キンスキー版を事前に見ているので、
オリジナルのシモーヌ・シモンがどう見ても猫っぽく見えない。
旦那役のケント・スミスは気のいい野郎なんだろうけど、
彼に懸想する同僚女子と無駄にベッタリ仕事をしていて、
あんな状態じゃ奥さんもストレスたまるわ、とこっちにも感情移入できない。
なのであかんかった。


◆『白い恐怖』
五つ星評価で【★★ひたすら乗れずに船漕いでダリの幻想シーンも見逃して散々】
精神科の女医イングリッド・バーグマンは流石の美人で綺麗なんだけど、
病院長として赴任してきたグレゴリー・ペックに一目惚れして、
精神的に不安定な彼の行動のケツを拭くような目に会う。
どうもその辺のヨダレ垂らしてるような女々したキャラがどうも苦痛。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
キャット・ピープル〈1942年〉@ぴあ映画生活
白い恐怖@ぴあ映画生活

『ヘイトフル・エイト』『独裁者と小さな孫』をギンレイホールで観て、ふむふむふむふむふじき★★★,★★★

嫌われる男たち二本立て。

◆『ヘイトフル・エイト』
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▲綾野剛口調で「みんなは嘘を付いた事ないんですか!?」
五つ星評価で【★★★題名の8人に馬の御者が含まれてないのが許せない自分】
ともかく見終わって最初に思ったのは、
ここんとこのタラちゃんでいつも思う「なげー」って奴。168分。2時間48分。
2時間48分は長い。その気になりさえすれば余計な枝葉を切って
90分とか120分に収められない事もないだろう。
なんつてもタラちゃん天才なのだから。
無駄に長々と話される枝葉こそが大事とタラちゃんは言いたがるかもしれない。
そんなのは枝葉以外の幹をちゃんと整えてから言ってほしい。
映像的な強さや、キャラのエグさで、やはり見落とすと勿体ない一本になってるが、
コピーでうたってる「ミステリー」としては突拍子なくダメ。
8人(御者を入れて9人)は次々と死んでいくが、
殺される理由がミステリーとしてはどうでもいい物だし、
ある人物がある人物の殺人に繋がる行動を見つけたが、
それを秘密にするという部分が観客のミス・ディレクションを誘ってるのだろうけど、
全体的な構造から言ったらどうでもいい事で、バリバリ観客をバカにしている。
まあーそうー。本来タランティーノ以外の人が撮ったら大した話ではない映画だけど。

「ヘイトフル8」はチラシ見ると「クセ者8人」と表現されているが、
御者がクセ者かどうかなんて観客には事前に分からないんだから、
ロッジに閉じ込められる8人を「ヘイトフル8」とするのなら、
御者をロッジに入れずに片付けてしまうか(御者だけ町まで行かせればいい)、
ロッジの先客を一人減らすべきだ。分かりづらくていかん。
つか「ミステリー」なんて前振りが単にいかんのか。

最後の方でサミュエル・L・ジャクソンが選ぶ選択はタランティーノらしくて好き。

PS エンタティーメントを進めるなら、
 チャニング・テイタムがあの場所で裸になってひたすら踊ればいいのに。
PS2 ジェニファー・ジェイソン・リーは一応紅一点なんだけど、
 別に男優でいいんじゃないの? 女性だからどうだって役でもない気がする。
 仮に彼女と弟の関係がのっぴきならない物だったとしても、
 それを同性兄弟でのっぴきならない物であるとした方がより強烈だし。
PS3 ティム・ロスをクリストフ・ヴァルツと思い込んでた。
PS4 タランティーノが撮る『ハートフル8』って
 映画の方がヘイトフルで面白いかもしれない。


◆『独裁者と小さな孫』
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▲沖田十三髭。
五つ星評価で【★★★なかなかシニカルなんだけどほっぽって終わってる気もする】
宮殿を追われて国内を変装しながら孫と一緒に逃げ歩いている独裁者が見る荒廃した故国の事情。国中が貧乏人だらけで「貧すれば鈍する」だ。金を持ってる人間は「鈍していない」かと言えばさにあらず。金を持ってる人間は心が「貧しい」ので同じように「鈍している」のである。

独裁者の孫が容姿は可愛いがその無分別にイラっとさせられる。

PS 独裁者と孫のビフォア・アフターがけっこう信用できる。
 人間、剥いてしまえばそんなに大きく変わった姿形をしてる訳でなし、
 充分、貧乏人の中に埋没出来てしまうのだ。
PS2 一番可愛そうなのは床屋。
 花嫁も可哀想だが、この設定は時代劇でもAVでもエロアニメでも見たから
 ああなるとしか思えなかった。
 ウェディングドレスのガーターベルトにスパナかなんか捩じ込んでおくべきだよね。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

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ヘイトフル・エイト@ぴあ映画生活
独裁者と小さな孫@ぴあ映画生活
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ヘイトフル・エイト@映画的・絵画的・音楽的
独裁者と小さな孫@ノラネコの呑んで観るシネマ

『シン・ゴジラ』をトーホーシネマズ六本木7と、109シネマズ木場2で観て、訳分からんけどおもろいやんけふじき★★★★★(ネタバレ)その2

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▲この次の第五形態で手足を引っ込めてジェット噴射で回転しながら空を飛びます(違)

引き続きネタバレ注意

その1では何で面白いのかに対して、
「人間パートで溜めたストレスをゴジラパートがひっくり返す構造」
これを回答とした。

ザックリ言っちゃうと、自分に取っての回答はこれだが、
「いやいやいやいや、お前バカじゃないの、そんなとこにはないんだよ」
という人がいてもおかしくはない。
色々な楽しみ方ができるように色々な要素が植え付けられていると思う。
だから各自が否定しあわず、諦めず、最後までこの映画を見捨てずにやろう
ボケたはいいが語呂が悪いな。

諦めず、最後までこの国を見捨てずにSEXやろう
「やろう」の意味が違うて。え、本当に違うか。
ゴジラで不毛の地になった東京の景気を拡大するには
「産めよ増やせよ地に満ちよ」の若年層大幅増員が必要だ。
だから満更じゃない石原さとみに長谷川博已が「SEXやろう」って言うのは
リアリティーがないと言う訳ではない。アイコラでいいから動画UP希望。

今回の映画で一番好きなキャラはゴジラの第二形態。
あの目が赤塚不二夫風、もとい、我妻ひでお風で良いなあ。
狭い河川をボートや車をなぎ倒しながら前進する「ウグウグ」な所がたまらない。

第四形態は強いが、強く存在させようと思うが故に、
感情のない武器庫みたいになってしまったのはちょっと残念。
最終的にゴジラが何かを目指していたかもよく分からない。
何も目指していないで良いのだろうか?
ラストの背びれは物語の最終回答というよりは、
象徴としてのゴジラの再確認に思えた。
あと第四形態がラスト追い詰められて
熱線を一か所から放出するようになったのには舌を巻いた。
あれは隠し必殺技だが、そうせざるを得ずにそう変わったというリアリティがある。

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▲起き上がり小法師と言おうか、安産型と言おうか。

今回の映画で一番好きな特撮シーンは第二形態ゴジラの川登りだが、
その次はヤシオリ作戦での鉄道や特殊車両の特攻シーン。
鉄道模型やトミカでのゴジラ遊びを大の大人が本気でやってる凄みを感じる。

そして次から次へとチョコチョコ現われる俳優陣もステキ。

長谷川博已:主役。美男でないのがリアル。
これ、小泉孝太郎が小泉進次郎の物まねやって演じてたらどう見えたろう。
若者の中の正義漢代表。

石原さとみ:今回もギリギリの役。
ハイヒールで立つ後姿がちょっと無理して見える気がするのが萌えどころ。
個人的にはそんなに好きな女優ではないので私自身は萌えないのだけど。
「ZARAはどこ?」という彼女を政府関係者はしまむらに連れていってもらいたい。
外圧代表(でも優しい)。

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▲この空き地に一人突っ立ってるシーンがとてもカッコイイ。
 現実的に何の意味があるかは別として。

竹野内豊:主要キャスト3人の末席。若者の中の大人代表。
もっぱら長谷川博已との比較に使われる為、彼単独の出番は少ない。

市川実日子:遮二無二正しい推論を出す理系ロボット。
人間のキャラの中では彼女が一番好き。
最後にやっと笑顔を出すが、もっといろんな表情を見てみたいもんである。
予告の無言から、こんなに喋るキャラとは予想していなかった
(もちろん予告では誰一人として喋ってはいないのだが)

塚本晋也、高橋一生、津田寛治、黒田大輔:巨災対のメンツ。
この人たちもみんな素晴らしい。

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▲愉快な仲間。

有無を言わさぬ余貴美子、爺の底力、柄本明、
そら嫌だよなあ、でもやるべくはやるという平泉成なんかも良かった。

あっちゃん出番少なかった。センターにもいなかった(そもそもどこがセンターだ)。

松井秀喜やデーモン小暮が出てこないのは良かった。


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シン・ゴジラ@ぴあ映画生活
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シン・ゴジラ@あーうぃ だにぇっと
シン・ゴジラ@Akira's VOICE
シン・ゴジラ@徒然なるままに
シン・ゴジラ@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
シン・ゴジラ@映画的・絵画的・音楽的
シン・ゴジラ@タケヤと愉快な仲間達
シン・ゴジラ@或る日の出来事
シン・ゴジラ@ノラネコの呑んで観るシネマ
シン・ゴジラ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
シン・ゴジラ@こねたみっくす
シン・ゴジラ@映画のブログ
▼関連記事。
シン・ゴジラその1@死屍累々映画日記

PS 逃げる人々の描写で、
 一人で逃げる人は全速力で、集団で逃げる人はそこそこの社会的な速さで、
 という書き分けがされていたのは細かい演出だな、と思った。
 あと、かなり見切れ寸前のスクリーンの端まで逃げてる人が映ってたりもする。
PS2 他の人のブログ記事を見てるうち、
 1954ゴジラは核兵器がある社会への警告、
 シン・ゴジラは核発電がある社会への警告
 なのかもしれない、と思うようになった。
 凍結されたゴジラは水を入れてひたすら冷やすという仕組みも含めて原発その物だ。
 観客である我々はこの動けなくなったゴジラと共存しなければいけないのだが、
 何故、ゴジラが動けなくなったその場所にいるかと言えば、
 核発電によって潤わされる土地がそこだからであろう。
 潤わされる土地こそ汚染されるべきという真っ当な怨嗟がそこにある。
PS3 次回作が『シン・ゴジラの息子』だったら、それもおもろいなと思う。
PS4 きゃー、映画のブログさん、初期TBとコメリストに付け忘れたあ。追加。

『シン・ゴジラ』をトーホーシネマズ六本木7と、109シネマズ木場2で観て、訳分からんけどおもろいやんけふじき★★★★★(ネタバレ)その1

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▲「こんなに目が小さい奴に二代目西川きよしを襲名させる訳にはいかん!」

五つ星評価で【★★★★★何故だか分からない。だが、面白いのだ】
ネタバレ注意

見終わっての第一感想が「何だこれ、おもろい」。
ただ、漠然と面白くて、何が面白いのかが自分でも今一つ分からなかった。

そこで回答を模索してまず、思い浮かべたのが
ゴジラの怪獣としての存在のユニークさだ。
ゴジラの原イメージをとどめながら、まさかこれがゴジラではあるまいと
イメージを破壊する第二形態。

今回のゴジラは変形する。
第一形態(海生動物:全体像は見せず)
第二形態(水陸両棲)
第三形態(陸上歩行に適した直立形態)
第四形態(武装防御形態)

ああ、なんて可愛いんだ、第二形態。
そして、強そうで無防備な第三形態、
ひたすら強い第四形態。

いやいや、確かにこいつらは楽しい一群であるのだが、
こいつらをもってして最高と思わされたのかと言うと違う気がする。
第四形態への詰将棋のような戦い方も面白いし、ダイナミックだが、
これとて「そこだけ白眉で素晴らしい」というより、
最後の一手はそう打つのが気持ちいい、という要素としてよく出来ている感じだ。

そうするとあの「えんえん会議」だろうか。
答はYESであり、NOだ。

この映画は登場人物が恐ろしく早口で饒舌だ。
特災対のメンツなんてもう何言ってるのか分からない単語を
高速のマシンガンのように撒き散らして、喋りまくる。
1カット1カットが短く膨大だ。
これは人間側が一種類の群体で
各細胞が呼吸するようにして全体のペースを作っている、そう見える。
人間パートが終わるとゴジラパート。
ゴジラは昔のチャンピオン祭のように吹き出しで話したりはしない(笑)。
ただ、その存在で偉容を誇示するのみである。
それこそがゴジラ側の人間パートへの回答である。
このゴジラのパートが大きく三つ。

①第二形態での初上陸から海に戻るまで
②第四形態での再上陸から機能の一時停止まで
③特災対の攻撃による覚醒から活動停止まで

おそらく、人間側パートは人間がずっと話をしているだけで
基本BGMは流れていない(景気づけのドラムパートはあったか)。
人間側が計画を立ててお膳立てをしている場面で、ひたすら話す言葉の応酬に
聞き取りづらくなってしまうのでBGMはない方が映画として理に適っている。

そして、ゴジラのターンはどっぷりBGMが被さる。
この緩急が実に気持ちいい。
会議場面でたまったストレス(ラベルのボレロの小さな音での演奏)が
巨大な怪獣のうねりで相殺される気持ちよさ。
しかも①や②は怪獣側のテーマ曲だが、③は自衛組織側の凱旋マーチである。
この高揚感。

『シン・ゴジラ』はこの緩急のタメやブッパナシの制御が
今まであったどんな映画より上手い。だから、気持ちがいい。
そして無邪気に「面白かった」と口に出して映画館を出れる。
つまり、これは乗せられる気持ちよさをひたすら享受できる映画なのだ。
そんな映画、面白いに決まっている。

これと同じ構成でやったら絶対面白くなりそうな物語がもう一つ頭に浮かんだ。
『ガリバー旅行記』の小人を人間パート、ガリバーを怪獣パートとして撮る。
プロジェクトの予定・計画・積み重ね部分を会議として、
そしてその結果動くガリバーの活躍をスペクタクル溢れる怪獣映像として撮る。
きっと面白い物が出来るだろう。

とりあえず、ここで一段落。
この辺で一回UPしよう。全部語ろうとしても一度では全部語れない。
この記事、とりあえずまだ続きます。


【銭】
六本木はトーホーシネマズのメンバーポイント6ポイントで無料鑑賞。木場はIMAX。2200円普通に使用。だがしかし、IMAXであるからより楽しめたというより、コンテンツが面白いから再度楽しめたという感じであった。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
シン・ゴジラ@ぴあ映画生活
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 は続きの文書に付ける予定。
▼関連記事。
シン・ゴジラその2@死屍累々映画日記

『悪霊島』を角川シネマ新宿1で観て、残念だけどキャスト見てるだけで楽しいふじき★★


▲鵺も悪霊も大した出番ないしなあ。

五つ星評価で【★★横溝正史の小説って徹底的に解体しないと分かりやすくならない。今回はそのプロセスが不徹底】
初見。角川映画祭の1プログラム。
篠田正浩には申し訳ないが、東宝初期三部作の市川崑の分かりやすさには勝てない。ともかく登場人物が多い話だし、本家・分家と対立しているし、その対立に群がる有象無象と色々な人間がいっぱい出てくるのを整理しきれてない。この大前提が整わないと、それぞれの立場や感情がお客に伝わって来ず映画がダダ滑りしてしまうのである。

にしても多彩な登場人物を見てるだけで楽しい。

金田一耕助に鹿賀丈史。この映画(1981)の12年後1993年に出演した『料理の鉄人』の主宰役のイメージが強い今や押しも押されぬ怪優だが、この時点では飄飄していて思った以上に金田一耕助の外観を伴っている。人間って不思議。ちょっと間違えると斉藤洋介にも似てる。この金田一耕助が石坂浩二と違って明るくない。積極的に暗い訳でもないのだが、笑顔がなく、人と関わりを持とうという積極性が見られない。あちこち無計画に歩きまわっては『家政婦は見た』状態で、何故か、人々の秘密が暴露される会話の横にすっといたりする。ちょっと薄気味悪い。うっすらミスキャストであろう。
事件が起こった時代はヒッピー・ムーブメントの1960とか1970年代頃なので、戦後くらいまでしかいなそうな書生ファッションの金田一耕助は合わない。いや、そうではなく、原爆の話が出てくるので本当はこれ終戦から20年後くらいの話なのだ。そうすると1940年くらい。黒澤明がモノクロ映画撮ってた頃と思えば分かりやすい。なのに何で2,30年も早くヒッピー出しちゃったのかと言うと、ジョン・レノンの「Let it be」を劇中で使いたかったから。なんかメチャクチャだなあ。そうまでして使った「Let it be」はCM起用でバンバン流れてお客を呼ぶのに大変寄与したと思うけど、映画の中では特に本筋に繋がらないどうでもいい部分だ。その上、この曲を使った事で契約上セル素材に原曲を使えないというケチが付いてしまった。雑なことやった報いとは言え、不幸な映画である。

メインの女優は二枚看板で岩下志麻と岸本加代子。
岸本加代子が中々役者してて驚く。
二人とも双子役で一人二役×2という設定が実にトリッキーである。

ヒッピー青年に古尾谷雅人。冒頭のモノローグは凄い大根。古尾谷雅人だって物によっては大根な演技をする時があるんだから、アイドル出身の女の子がちょっとくらい感情こもってない演技だからって全力でディスるのは止めてあげてほしい。ちなみに板野友美はディスってもいい。「ちょっとくらい」じゃないから。

佐分利信にニヤリ。まんま『獄門島』みたいな役じゃん。

石橋蓮司も若くってトリッキーなことやってる。

中尾彬は金田一耕助演じた事のある役者だから、殺されてはいかんだろう(何となく)。

一番ビビったのはカミナリ落とす顔が般若っぽくて怖い下町のお母さんみたいな役の多い根岸季衣が、ロリータみたいな立ち位置の役に出てた事だ。
・ツインテールである。
・ハイソックスである。
・若い。
・メガネっ子である。
ちゃんと萌要素揃っているのに根岸季衣なので、
頭の奥が否定して「萌え状態」にならない。

横山さん(という役の人)殺されなくて良かったんじゃないかなあ。


【銭】
角川シネマ、テアトル系なのでメンバーカードで1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
悪霊島@ぴあ映画生活

PS 染色体を広めるSEX大好き人間が話の核にいる事と、
 金田一耕助が小旅行して旅行先で謎を解くのはいつものルーチン通りである。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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