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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『マイマイ新子と千年の魔法』『名探偵ホームズ第5話10話』をキネカ大森3で観て、うんうんドキドキふじき★★★,★★★★

「『この世界の片隅に』公開記念 片淵須直監督セレクション」

◆『マイマイ新子と千年の魔法』
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▲カタツムリ人間と洋酒女王。

五つ星評価で【★★★良い作品である事は分かっている。でも、物語の閉じ方にちょっと釈然としない物を今回は感じてしまった】
二回目。
とても丁寧に作られた作品である事は分かっている。
パートパート面白い。
でも、物語の閉じ方に今回ちょっと違和感を感じた。それでいいんか?
私はこの作品の信奉者ではないので、違和感を書いておきたい。

物語の主人公は千年の昔を触覚(マイマイ)を通じて感じ取る新子、
助演に都会から越してきた貴伊子。彼女は母を亡くしており、
失った母への憧れは新子が仲間のような大人として慕う教師「ひづる」に結びつく。
教師「ひづる」から名前を貰った金魚「ひづる」は
花嫁になろうとする教師「ひづる」のイメージを加味しつつ、
彼女の中でそっと彼女の母親とリンクしていたに違いない。
その金魚「ひづる」を殺してしまうのは、貴伊子の不注意だ。
貴伊子は母親の香水を金魚に纏わせ、金魚を殺してしまう。
それはあたかも彼女がそれを付けたなら「好かれなくてはならない」
母親の香水を身に付けながら周囲から拒絶されてしまった出来事の再現のようでもある。
肉体の母親の死をぼんやり自覚していた貴伊子は、自分で母親のイメージを再殺する。
この八方塞がりを「嘘」で取り繕うとするのが新子である。
新子は「ひづる」が蘇ったに違いないという。
それは誰もが「ひづるに似た金魚が泳いでいたに過ぎない」事を知っているだろう。
だが、その「嘘」はみなにとって必要な嘘なのだ。みなは「嘘」に耽溺する。
一度、自分達の「夢」を殺してしまった彼等にはもう「嘘」を頼りにするしかない。
そして、その「嘘」に権威を付けるためにタツヨシの剣を使う。
すると、そのタツヨシの剣の権威は、とある事件で失効する。
権威の失効を知るのはタツヨシと新子だけだ。
二人は失効を取り返すべく現実に仇討をする。
彼等の「夢」が現実に押しつぶされてはいけないのだ。
「夢」を取り返すべく、現実に対して現実をぶつけて仇討する二人。
現実には敵わず、現実に慰められて帰る二人。
この時、彼等は現実と折り合いをつけ、「夢」が必要な子供の為に
自分らが「嘘」を押し通す「大人」になる。
だから「(嘘の)ひづる」は見つかる。

「ひづる」は見つかったが、その「ひづる」によって、
もう元の楽しかった理想郷は戻って来ない。
みな、「夢」を細々と燃やしながら、現実に立ち向かっていかなければならない。
無条件に「夢」だけ見ている時期は過ぎたのだ。
タツヨシや新子ほど極端でないにしても、
彼等は生活する中で徐々に大人になっていくだろう。

そして新子は貴伊子が引越ししてやってきたのと同じように
引越しによって、千年と繋がっている世界から出て行く。
ここがよく分からない。何故、出て行かせなければならないの?
新子の輝かしい働きかけによって、貴伊子がすっかり村の女の子になったからか。
そんな前座働きみたいな事を主人公にさせるのか。

根が単純だから、これよりも内省的な物語を冒険物語に変えた
話の線が一本の『アリーテ姫』の方が好きだなあ。
この映画同様、見る機会が少ないからもう細かい事は忘れてしまってるんだけど、
あれも見直したいなあ。

何か刺さらないなあと思って考え直してるうちに、
やっぱり凄い内容をいろいろ含んでそうだなと言うのは分かったけど。


◆『名探偵ホームズ第5話「青い紅玉」』
◆『名探偵ホームズ第10話「ドーバー海峡の大空中戦!」』
五つ星評価で【★★★★嬉しくなる感じにドダバタやのう】
どちらの話も活劇でよく動く事。
『青い紅玉』は盗品のルビーを盗んだ掏りの少女を奪い合う空中と地上の追いかけっこ。目まぐるしい事。少年のようないでたちの少女ポリィが女の子の恰好でも活発でズロース見えまくり。私は一回の変態だが、とりあえずあまりにもあっけらかんとしてアレでは興奮できない。
『ドーバー海峡の大空中戦!』は英仏の郵便事業を失敗させる為にモリアーティーが郵便飛行を妨害する話。ハドソン夫人(=マリイ)大活躍。普段は優雅だが、いったん火が付くと物凄いアクティブなハドソン夫人はオタク少年達にとって理想の相手だろう。これは恋人ではなく、母が投影されているのだと思う。

ともかく楽しいのは脱線しすぎない広川太一郎(ホ-ムズ)と、
悪人の癖に一番人間味溢れる声を出す大塚周夫(モリアーティー)の掛け合いが楽しくてたまらん。

ダ・カーポの歌うOP、EDは放映当時も今見ても全く変わらず似つかわしくない。


【銭】
2016年10月から2017年3月までの間にキネカ大森で3回使える名画座専用回数券を3000円で購入。そのうち1回分を使って鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
マイマイ新子と千年の魔法@ぴあ映画生活
《『名探偵ホームズ』 青い紅玉(ルビー)+ドーバー海峡の大空中戦!》@ぴあ映画生活
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